セルフアドボカシー...2020/09/30 ·...
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№5令和2年9月29日
特別支援教室「学びの教室」巡回指導拠点校・通級指導校文京区立駒本小学校校長 吉岡 淳
文京区立汐見小学校(巡回校)校長 永井 昌美
駒本小学校特別支援教室直通電話 3827-5575(ファクシミリ兼用)
セルフアドボカシー
いきなりのカタカナ言葉ですみません。今号では、あまり聞き慣れない言葉につい
て特集します。
まだ、社会一般で市民権を得ているとは言い難いこの「セルフアドボカシ-(Self A
dvocacy)」ですが、発達の特性があるお子さんにとっては、とても大切な権利・行動で
あるとされています。元々、国連などで使われてきた「セルフアドボカシー」は、日本語
では自己の権利擁護と訳され、特性や困難のある当事者が、自分の利益や欲求、意
思、権利を自ら主張することを指します。
このことを特別支援教室を利用しているお子さん達に合わせると、「セルフアドボカシー」=「自身の特
性を適切に把握し、自分にどのようなニーズがあるのかを発信する力」と置き換えられます。
さて、常に一歩先を予想して支援や配慮を展開することは当然のことですが、それでも予定外のことや初めて直面する場面は、生活上どうしても発生してしまいますし、そもそも全ての事態を想定するということは不可能に近く、合理的とは言えません。どうでしょう、そのようなときに、自分の特性を理解した上で「わたしは、こういう支
援や配慮が必要なのでお願いできませんか」と自ら申し出ることは、とても大事ですよね。「学びの教室」でも、“ヘルプが出せる力”と称して、高学年を中心に援助を要請する能力の基礎を育む学習を行っています。これからもそのような学習を大切にしていきます。
低学年など、お子さんの実態によっては、援助を自ら要請することは難しい場合もあるかと思います。そのような場合は、ご家庭で、学校生活上の困り感などを聞き取っていただき、担任や「学びの教室」にお伝えください。「学びの教室」では、これまで蓄積した様々なケースをもとに、どのような支援や配慮が適切か検討するお手伝いをさせていただきたいと考えています。
<10月の発達相談>・日時:10月31日(土) 9時~12時(お1人30分程度)
・場所:駒本小学校「学びの教室」
・対応:原則としてお子さんの個別指導担当教員
・連絡先:駒本小学校特別支援教室「学びの教室」(直通:3827-5575)
※相談したいことがあるけれどこの日ではどうしても都合が合わない場合、緊急を要する場合などにつ
いては、調整の上、平日の放課後に相談を設定できることもあります。大切なお子さんに関わること
です。どうかお気軽にご連絡ください。お待ちしております。
10月のコミュニケーションタイムの学習予定
「みんなで1・2・3」
みんなで、数字を昇順で唱えるゲームです。新型コロナウイルス感染症対策ため、今回は、車座
にならず、椅子に着席したまま行います。
「なるべく大きな数字に辿り着けるように、ルールを遵守したり、場の雰囲気を読んだりする姿勢を
育む。」「誰が唱えたか、他者の声の違いを聞き分けられるようにするために、注意集中を持続させ
る力を向上させる。」を主なめあてとしています。
*学習指導要領自立活動
2 心理的な安定
(1)情緒の安定に関すること
3 人間関係の形成
(2)他者の意図や感情の理解に関すること
「わたしは誰でしょう」
「わたし」が、解答者への質問を繰り返すことを通して、自分の背中に付けられた動物カードが何で
あるか当てるクイズ型式の活動です。
「短期記憶やワーキングメモリーの向上を図る。」「聴覚的情報をもとに、推論する力を高める。」を
主なめあてとしています。
*学習指導要領自立活動
3 人間関係の形成
(3)自己の理解と行動の調整に関すること
(4)集団への参加の基礎に関すること
4 環境の把握
(2) 感覚や認知の特性についての理解と対応に関すること
「動画(Zoom)で名探偵」
「名探偵(教員)」が撮影した動画やタブレットなどでリアルタイムで映し出す画像を視聴し、物や場
所を当てるクイズ型式の活動です。
「視覚的情報をもとに、推論する力を高める。」ことを主なめあてとしています。学年等の実態に応じ
て、ZoomなどのWeb会議サービスを活用する場合は「オンラインコミュニケーションの特性を意識し
たやりとりをする力を高める。」こともねらっていきます。
*学習指導要領自立活動
6コミュニケーション
(5)状況に応じたコミュニケーションに関すること