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レーザー溶接プログラム USER’S MANUAL 平成23年2月 Advanced Algorithm and Systems

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レーザー溶接プログラム

USER’S MANUAL

平成23年2月

Advanced Algorithm and Systems

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目次 1. チュートリアル 3 1.1 チュートリアル 1 3 1.2 チュートリアル2 7 1.3 チュートリアル3 14 1.4 チュートリアル4 20 1.5 チュートリアル5 31 2. 入力ファイルの説明 34 2.1 input.txt 34 2.2 material.txt 47 2.3 reference.txt 51 2.4 boundary.txt 52 2.5 geometry.txt 60 2.6 laser_schedule.txt 60 2.7 laser_profile.txt 61 1. チュートリアル

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1.1 チュートリアル1 最初に基本的な計算手法になれるためにいくつかの簡単な計算をしてみましょう。work デ

ィレクトリの下の tutorial ディレクトリに入ります。ここで ls とすると、 $ ls boundary.txt geometry.txt material.txt pole_up_dim_1.6mm.txt chair_dim.txt input.txt pole_down_dim.txt reference.txt cubic_dim.txt input_org.txt pole_down_dim_1.6mm.txt edge_up_dim_1.6mm.txt laser_schedule.txt laser_profile.txt pole_up_dim.txt などと表示されます。 このうち計算に直接必要なファイルは input.txt reference.txt boundary.txt material.txt geometry.txt laser_schedule.txt laser_profile.txt の7つですが、最後の3つ geometry.txt laser_schedule.txt laser_profile.txt は、input.txt の設定によっては、必要ありません。その他に chair_dim.txt cubic_dim.txt pole_up_dim_1.6mm.txt pole_down_dim_1.6mm.txt edge_up_dim_1.6mm.txt pole_up_dim.txt pole_down_dim.txt 等のファイルがありますが、これらは geometry.txt の入力例として用意したファイルで、

適宜、名前を geometry.txt に変更して、用います。 現在のディレクトリの状況を確認したところで、実際に計算を実行してみましょう。環境

により異なりますが、例えば以下のようにう実行します。 $ ../../Release/welding.exe

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num_itr time(sec) num_fs div_v div_v/div_pv dp_L2/dp_B2 v_max dt_L2 dt_Diff avr_tmp v/v0 10 0.00001 0 0.00000E+00 NaN NaN 0.00000E+00 0.11521E+00 0.11265E+00 0.14999E+04 0.10000E+01 20 0.00002 0 0.00000E+00 NaN NaN 0.00000E+00 0.10501E+00 0.10242E+00 0.14998E+04 0.10000E+01 30 0.00003 0 0.00000E+00 NaN NaN 0.00000E+00 0.97885E-01 0.95302E-01 0.14997E+04 0.10000E+01 40 0.00004 0 0.00000E+00 NaN NaN 0.00000E+00 0.92691E-01 0.90147E-01 0.14995E+04 0.10000E+01 50 0.00005 0 0.00000E+00 NaN NaN 0.00000E+00 0.88737E-01 0.86244E-01 0.14994E+04 0.10000E+01 60 0.00006 0 0.00000E+00 NaN NaN 0.00000E+00 0.85615E-01 0.83185E-01 0.14993E+04 0.10000E+01 70 0.00007 0 0.00000E+00 NaN NaN 0.00000E+00 0.83078E-01 0.80721E-01 0.14992E+04 0.10000E+01 80 0.00008 0 0.00000E+00 NaN NaN 0.00000E+00 0.80957E-01 0.78671E-01 0.14991E+04 0.10000E+01 90 0.00009 0 0.00000E+00 NaN NaN 0.00000E+00 0.79140E-01 0.76937E-01 0.14990E+04 0.10000E+01 100 0.00010 0 0.00000E+00 NaN NaN 0.00000E+00 0.77570E-01 0.75438E-01 0.14989E+04 0.10000E+01 などと表示されて計算が終了します。ディスプレイに表示される内容については後ほど述

べます。まず現在のディレクトリの内容を確認してみましょう。 $ ls

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SDF000100.data sdf000100.bin Temperature000100.data mass_fraction000100.bin sdf_prms000100.bin pressure000100.bin temperature000100.bin velocity000100.bin restart000100.txt 上記のファイルが出力されていることがわかります。このうち SDF000100.data Temperature000100.data は表示用の Tecplot 出力ファイルです。それ以外の sdf000100.bin mass_fraction000100.bin sdf_prms000100.bin pressure000100.bin temperature000100.bin velocity000100.bin restart000100.txt は計算を改めて再スタートさせたいときに必要になるファイルです。上記.data ファイルが

なくてもこれら.bin ファイルと restart*****.txt があれば計算は再開できますし、出力用の

ファイルも再現できますので、多くの場合これらだけ保存しておけばいいです。(今回、モ

ニタがちゃんと決まっていなかったので、仕方なくこのようにしました。本来であれば、

モニタに合わせて圧縮したファイルをこのような目的に使用すべきですので、また次の機

会にということで。) SDF000100.data を表示させてみますと、以下のようになります。

これは signed distance 関数の 0 等値面を出力したものですが、これが気相と固液相の境界

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を表します。また、以下に signed distance 関数の正の部分を赤く、負の部分を青く色分け

して表示します。

正の赤い部分が、気相をあらわします。また負の青い部分が、固液相を表します。初期条

件におけるこれらの気相、固液相界面の設定は簡単なものは、input.txt で設定できます。

複雑なものは、geometry.txt に所定のフォーマットに従って設定していただけます。 固液相の内部でどのように溶液が固体部分から溶けて出てくるか、あるいは溶液部分がど

のように固体に凝固していくか等については他のファイル、LiquidMassFraction、あるい

はSolidMassFractionをモニタするとわかります。これらはフラグひとつで出力できます。 つぎに温度を見てみましょう。

これは気相と固相の界面の温度分図です、z軸の上方から見た図です温度を縦軸にとって

温度プロファイルを見た図が以下です。

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z軸上方より下方に向けて 1kW の Gaussian beam を照射した結果としてセンタの温度が

上昇している様子がわかります。Laser beam は各種の設定ができ、また時間とともに設定

を変化させたり、制御することができます。それらは、laser_schedule.txt、laser_profile.txt等を用いて行います。今行ったの計算では最高温度が 1567.87K ですのでまだ Solidus temperature に達していません。ですからまだ溶融は起きていません。次のチュートリア

ルでは、今回の計算結果を利用して再スタートし、液相が生じる様子を確認してみましょ

う。 1.2 チュートリアル2 チュートリアル1で使用したディレクトリ(work/tutorial)に入ります。必要があれば、

コピーを別のディレクトリに保存しておくと、何か手違いが起きたときにすぐに復旧でき

ます。 前回計算は、100 回の iteration まで終了しています。100 回目の計算から再出発するため

には、チュートリアル1で説明した7つのファイル以外に、以下のファイルが必要です。 sdf000100.bin mass_fraction000100.bin sdf_prms000100.bin pressure000100.bin temperature000100.bin velocity000100.bin restart000100.txt これらがあることを確認したら、まず restart000100.txt を restart.txt に copy します。 例えば以下のようにします。 $ cp restart000100.txt restart.txt

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次に、input.txt を編集します。 start_condition = initial と記されている部分を以下のように書き換えてください。 start_condition = restart 次に number_of_iteration = 100 と記されている部分を以下のように書き換えてください。 number_of_iteration = 5000 計算回数は 5000 回にまで拡張されます。 次に interval_write = 100 と記されている部分を以下のように書き換えてください。 interval_write = 1000 1000 回ごとに計算結果を出力します。 次に write_liquid_mass_fraction = .false. と記されている部分を以下のように書き換えてください。 write_liquid_mass_fraction = .true. LiquidMassFraction*****.data が出力されます。 次に include_surface_tension = .false. と記されている部分を以下のように書き換えてください。 include_surface_tension = .true. 表面張力の効果を計算に組み込みます。以上の変更が終了したら、計算を実行します。例

えば以下のようにして計算を実行します。 $ ../../Release/welding.exe num_itr time(sec) num_fs div_v div_v/div_pv 110 0.00011 0 0.00000E+00 NaN NaN 120 0.00012 0 0.00000E+00 NaN NaN 130 0.00013 0 0.00000E+00 NaN NaN 140 0.00014 0 0.00000E+00 NaN NaN 150 0.00015 0 0.00000E+00 NaN NaN 160 0.00016 0 0.00000E+00 NaN NaN 170 0.00017 0 0.00000E+00 NaN NaN 180 0.00018 0 0.00000E+00 NaN NaN

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190 0.00019 0 0.00000E+00 NaN NaN 200 0.00020 0 0.00000E+00 NaN NaN 210 0.00021 0 0.00000E+00 NaN NaN 220 0.00022 0 0.00000E+00 NaN NaN ・・・・・・ 計算の初期においては速度の計算を行っていないため、NaN などが出力されています。こ

れは溶解が始まる前から速度場も含めて計算すると肝心な溶融状態の計算に入るまでの、

固体の温度を溶解温度まで持っていくまでに、膨大な計算時間を要してしまうことから、

気相が固相の温度上昇に影響する等の事実はひとまず無視して、温度場の計算だけを、溶

解が始まるまでは、行うというやり方をデフォルトとして採用していることによります。

他の方法として、より近似の強い解析解を初期値として与えてやるという方法もあるでし

ょう。 450 0.00045 0 0.00000E+00 NaN NaN 460 0.00046 0 0.00000E+00 NaN NaN 470 0.00047 0 0.00000E+00 NaN NaN 480 0.00048 0 0.00000E+00 NaN NaN 490 0.00049 0 0.00000E+00 NaN NaN 500 0.00050 0 0.00000E+00 NaN NaN 510 0.00051 0 0.00000E+00 NaN NaN 520 0.00052 0 0.00000E+00 NaN NaN 530 0.00053 0 0.00000E+00 NaN NaN 540 0.00054 0 0.00000E+00 NaN NaN 550 0.00055 0 0.50799E-03 0.48499E+00 560 0.00056 0 0.84761E-03 0.31388E+00 570 0.00057 0 0.11050E-02 0.21969E+00 580 0.00058 0 0.17205E-02 0.19828E+00 590 0.00059 0 0.25822E-02 0.18494E+00 600 0.00060 0 0.38619E-02 0.17664E+00 610 0.00061 0 0.56849E-02 0.17361E+00 620 0.00062 0 0.79804E-02 0.16819E+00 630 0.00063 0 0.10624E-01 0.16099E+00 640 0.00064 0 0.13885E-01 0.15426E+00 650 0.00065 0 0.17837E-01 0.14781E+00 660 0.00066 0 0.30004E-01 0.18856E+00 670 0.00067 0 0.40543E-01 0.19298E+00

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以上を見ると、iteration=540 から iteration=550 の間で、速度場計算が ON していること

がわかります。この間に固相の最高温度が、eutectic temperature の 1766.0K あるいは

solidus temperature に達したことがわかります。ここで fluid solver の収束判定について

2,3 考えてみましょう。まず、ディスプレイに表示している、div_v は発散 udivの絶対値

の空間における最大値を無次元量で表現したものです。多くの場合、気相の速度が著しく

変化するような領域で生じ、時々刻々生じる場所は変化します。今計算で採用している

criterion はかなり甘いものですが、その感覚を得るために、次元化してみましょう。発散

は時間の逆数の次元を持っていて、本計算における代表時間は 10.0sec ですので、今回の発

散の criterion は 1210 −− s

となります。これは、もしこの値を発散が同じ空間のある地点において 1sec の間維持した

ら、その空間セル内の1%の mass が損なわれるか、あるいは付け加わってしまうよ、とい

う類の量です。多くの実用計算でははるかに強い拘束を課すのですが、気相と固液相の計

算ではあまり実用的ではありません。いくつかのいいわけをするならば、つねに固液相の

発散は、気相のそれよりひとけたから、ふたけた値が小さいこと、空間の大部分では、も

っと小さい発散量を維持していること、発散の criterion を著しく上げてもそれほど計算結

果に差が出ないことが多いなどがあげられますが、より良い値が得られることが好ましい

ことに相違ありません。また今回は reinitialization においてはもちろんのこと(実はナ

イーヴに計算した場合には、reinitialization で上述の何百倍ものマスが失われます。)level setの発展方程式においてもマスを完全に保存する拘束を課すことができるようになってい

ます。正当性については、計算結果を待つしかないように思います。 では、計算結果を見ていきましょう。

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以上は time=0.001secから time=0.005secの間の liquid mass fractionの0.25等値面です。

温度が最も早く上昇する、中心部で溶解が始まり、徐々に回りに広がっていきます。 次に速度場を確認してみましょう。先ほど input.txt を編集した際に速度場を出力するフラ

グを立てなかったので、速度場は出力されていないはずです。最初から計算しなおす必要

はありません。まず、restart.txt を以下のように変更します。 $ cp restart005000.txt restart.txt 次に input.txt を以下のように修正します。 write_velocity = .false. を write_velocity = .true. と修正する。 これで、例えば以下のように計算を実行すると、 $ ../../Release/welding.exe num_itr time(sec) num_fs div_v div_v/div_pv と、計算がすぐに終了します。VelocityS005001.data を表示すると、以下のようになりま

す。表面張力が温度の勾配によりドライヴされている様を観察できます。今回の物質は温

度勾配係数が負ですので高温領域から、低音領域へ溶融物が流されています。つまり、表

面においては、中心部から周辺部へ溶融物は流れ、内部領域では逆向きに、周辺部から中

心部へ向けて流れが生じています。

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速度場

温度場

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1.3 チュートリアル3 本チュートリアルでは、geometry.txt を簡単に編集して、少し複雑な形状を laser beam で

加熱溶解してみましょう。まず work/tutorial3 に移動しましょう。本題に入る前に、計算

領域について説明します。計算領域は、実際に以下の物理場や補助関数が計算される、空

間領域で、直方体をしています。 計算領域で定義される物理量

Velocity Pressure Temperature Liquid mass fraction Solid mass fraction Signed distance function

計算領域は、input.txt の nx = 40 ny = 40 nz = 40 dx = 0.00004 # [m] dy = 0.00004 # [m] dz = 0.00004 # [m] (現在のところ dx=dy=dz しかサポートしていません。) の6つの entry から以下の8点を定義して、それから張られる直方体として定義できます。 ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( )NMLNMNLNMLML ,,,,,0,,0,,,0,0,0,,,0,,0,0,0,,0,0,0 ここで

( )mdxnxL ×= )(mdynyM ×= )(mdznzN ×=

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今回行う計算では、 0016.000004.040 =×=L 0016.000004.040 =×=M 0016.000004.040 =×=N

ですので、一辺が 1.6mm の立方体が計算領域になっています。 この計算領域に、様々な形の物質を配置するのが geometry.txt です。geometry.txt のフォ

ーマットは以下のようになります。 num_polygon

111 zyx

222 zyx

333 zyx

444 zyx ………………………. ………………………..

3_3_3_ ××× polygonnumpolygonnumpolygonnum zyx

細かい三角形をいくつか配置して形状を表現します。

111 zyx

222 zyx

計算領域

x-axis

y-axis

z-axis

(0,0,0)

(L,0,0)

(0,M,0)

(0,0,N)

(L,M,0)

(L,0,N) (L,M,N)

(0,M,N)

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333 zyx が最初の三角形の3つの空間座標を表します。以下

444 zyx

555 zyx

666 zyx が2番目の三角形の3つの空間座標を、

777 zyx

888 zyx

999 zyx が3番目の三角形の3つの空間座標を表します。 三角形は好きなだけ配置することができます。 三角形には向きがあって、右ねじの向きに(座標が記述された順番に従って右ねじを回し

たときに右ねじが進む方向)signed distance 関数は正の値をとります。そしてそれは気相

が配置される側になります。

例1

mmz 8.0= を通って、z軸に垂直な平面で気相-物質界面をつくり、 mmz 8.0> を気相で

満たし、 mmz 8.0< を物質で満たしたいときは、 2 -0.0001 -0.0001 0.0008 0.0017 -0.0001 0.0008

-0.0001 0.0017 0.0008

② ③

気相

固液相

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-0.0001 0.0017 0.0008 0.0017 -0.0001 0.0008

0.0017 0.0017 0.0008 などとします。やり方は一通りではありません。

それでは実際にためしてみましょう。 上の例に従って geometry.txt を編集してください。あるいは、example1.txt に同じことが

すでに記されていますので、それを geometry.txt にコピーしてください。 次に input.txt の関係箇所を書き換えます。 sdf_initial_mode = plane # plane, sphere, file_input となっている部分を以下のように書き換えます。 sdf_initial_mode = file_input # plane, sphere, file_input #以降はコメント文なのでコンピュータには読み込まれません。これで、signed distance 関数が、geometry.txt から読み込まれて初期化されます。signed distance 関数が出力される

よう、 write_signed_distance = .true. となっていることを確認したらソルバーを実行します。 $ ../../Release/welding.exe num_itr time(sec) num_fs div_v div_v/div_pv 10 0.00001 0 0.00000E+00 NaN NaN 20 0.00002 0 0.00000E+00 NaN NaN

① ②

x

y

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30 0.00003 0 0.00000E+00 NaN NaN 40 0.00004 0 0.00000E+00 NaN NaN 50 0.00005 0 0.00000E+00 NaN NaN 60 0.00006 0 0.00000E+00 NaN NaN 70 0.00007 0 0.00000E+00 NaN NaN 80 0.00008 0 0.00000E+00 NaN NaN 90 0.00009 0 0.00000E+00 NaN NaN 100 0.00010 0 0.00000E+00 NaN NaN 計算が終了したら、正しく物質領域が定義されているか、SDF000100.data をチェックし

てみましょう。

図では赤い部分が正の部分、青い部分が負の部分になっていますので、正しく領域が配置

されたことがわかります。 〔追記〕この例にあるぐらいの物質形状だと、わざわざ geometry.txt を編集しなくても input.txt を以下のように編集しても同じことができます。これらに関する詳細な説明は、

入力ファイルの説明を行う章で改めて、行います。 sdf_initial_mode = plane # plane, sphere, file_input sdf_initial_radius = 0.010 # [m] sdf_initial_center = 0.0008 0.0008 0.0008 # [m] sdf_initial_direction = 0.0 0.0 1.0 以下の例を実際にやってみる場合には、 sdf_initial_mode = file_input になっていることを、しっかり確認してください

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19

例 2 pole_up_dim_1.6mm.txt pole_up_dim_1.6mm.txt を geometry.txt に copy してソルバーを実行します。 以下の物質形状が得られます。

例 3 pole_lay_dim_1.6mm.txt pole_lay_dim_1.6mm.txt を geometry.txt に copy してソルバーを実行します。 以下の物質形状が得られます。

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20

例 4 edge_up_dim_1.6mm.txt edge_up_dim_1.6mm.txt を geometry.txt に copy してソルバーを実行します。 以下の物質形状が得られます。

1.4 チュートリアル4 本チュートリアルでは、レーザービームの制御の仕方を学習します。今回、実装したのは、

Gaussian beam

( ) ( )[ ]( ) ( ) ( )

+−

+−

+−

=

zRyxik

zwyx

zwziikzzyxu

2expexp2,,~

22

2

2221

ψπ

Hermite-Gaussian Mode

( ) ( ) ( )[ ]( ) ( ) ( ) ( ) ( )

+−−

++

=

zRyxikikz

zwyH

zwxH

zwnzwmznmizyxu nmnmnm 2

exp22!2!2

1exp2,,~222

1

ψπ

( )

+−

zwyx

2

22

exp

Laguerre-Gaussian Mode

( ) ( )( ) ( )( )[ ]

( ) ( ) ( )

−+++

=zw

rLzwr

zwzmpi

pmpzru m

p

m

pm 2

20 2212exp

!!2,,~ ψψ

πθ

( ) ( )

−−−−

zwrim

zRrikikz 2

22

2exp θ

Page 21: レーザー溶接プログラム USER’S MANUAL · 2 "á 4. 1. 4Xo;] ^ 3 1.1 4Xo;] ^ 1 3 . 1.2 4Xo;] ^9Þ 7 . 1.3 4Xo;] ^9ß 14 . 1.4 4Xo;] ^9à 20

21

ここで

( )2

0 1

+=

Rzzwzw

( )z

zzzR R2

+=

( )

= −

Rzzz 1tanψ

20

202

1 wkwzR λπ

==

です。 Gaussian beam の profile は waist size 0w と、beam の波長 λだけで決まることがわかり

ます。以上の 3 つは wave equation の paraxial approximation から導出されますが、以下

のファイルから読み込む任意形状用の laser beam はそれよりもいい加減なもので、wave equation の解にはなっていませんが、便宜上の理由で実装しました。 ファイルからの任意形状

( ) ( )[ ]( ) ( )

+−

+−=

zRyxik

zwziikzyxzyxu

2expexp),Pr(,,~

22ψ

ここで ),Pr( yx は適当に規格化された形状関数です。 以下に Gaussian beam の伝播の様子を示します。

waist

02w

0

tanwπλθ =

θ

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22

beam が最も絞れているところを waist(ウェスト)と呼びます。waist における beam 幅が大

体 02w です。 0w が小さけれべ小さいほど、また beam の波長λが、大きければ大きいほど

遠方で beam は大きく広がります。input.txt を見てみると、beam を特徴づける entry と

して以下のものがあります。 # Laser beam parameters include_laser_beam = .true. use_laser_schedule = .false. laser_wave_length = 1.064e-6 # [m] power_transmitted_by_the_beam = 200 # [W] waist_size = 1.2e-3 # [m] waist_position = 0.0008 0.0008 0.0008 # [m] beam_direction = 0.0 0.0 -1.0 # [non dim] up_direction = 0.0 1.0 0.0 # [non dim] laser_mode = Gaussian # Gaussian # Hermite_Gaussian # Laguerre_Gaussian # file_input laser_order_m = 3 laser_order_n = 3 times_diffraction_limited = 5 quality_factor = 1.2 ここではまず、waist_position、beam_direction、up_direction の説明をします。 waist_position は beam を最も絞った点の中心の座標を表します。beam_direction は

laser_beam のエネルギーの流れる方向を表す、方向ベクトルです。Hermite-Gaussian Mode や任意形状プロファイルでは、beam_direction に垂直な面内における座標を特定す

る必要が生じますが、up_direction は beam に垂直な面内において y 軸方向を定義するの

に用いられます。この y 軸は、前のチュートリアルで定義した、空間領域を定義するため

に用いた座標とは異なります。

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それでは実際に計算してこれらのパラメータの意味を確認してみましょう。まず、計算領

域は、前チュートリアルの例1と同じものを選びます。つまり、1.6mm 四方の立方体の空

間領域に、0.8mm までの高さの物質を満たします。そのために、input.txt の関連箇所が以

下のようになっていることを確認しましょう。 sdf_initial_mode = plane # plane, sphere, file_input sdf_initial_center = 0.0008 0.0008 0.0008 # [m] sdf_initial_direction = 0.0 0.0 1.0 次に、この物質に対して鉛直上方から(z 軸の正の側から)z 軸の負の方向へ向けて、

mmw 2.00 = の Gaussian beam を照射しましょう。また up_direction は実際の y 軸と一致

するように選びます。input.txt の関連箇所が以下のようになっていることを確認しましょ

う。 include_laser_beam = .true. レーザービームを計算に加えることを指定します。 laser_wave_length = 1.064e-6 # [m] レーザーの波長を指定します。 power_transmitted_by_the_beam = 200 # [W] レーザーが総量として単位時間当たりのエネルギー量を指定します。 waist_size = 0.2e-3 # [m] 上で与えた式における、 0w の値を指定します。

waist_position

up_direction

x_direction beam_direction

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waist_position = 0.0008 0.0008 0.0008 # [m] ビームのウェスト位置を計算領域の中央に指定します。 beam_direction = 0.0 0.0 -1.0 # [non dim] ビームの照射方向を z 軸の負の方向に決めます。 up_direction = 0.0 1.0 0.0 # [non dim] ビームの照射方向に垂直な面内における y 方向を計算領域の y 方向と一致させます。 laser_mode = Gaussian Gaussian beam を照射します。 以下のように温度の計算結果が出力されるよう設定されていることを確認しましょう。 write_temperature = .true. それでは計算を実行しましょう。 $ ../../Release/welding.exe num_itr time(sec) num_fs div_v div_v/div_pv 10 0.00001 0 0.00000E+00 NaN NaN 20 0.00002 0 0.00000E+00 NaN NaN 30 0.00003 0 0.00000E+00 NaN NaN 40 0.00004 0 0.00000E+00 NaN NaN 50 0.00005 0 0.00000E+00 NaN NaN 60 0.00006 0 0.00000E+00 NaN NaN 70 0.00007 0 0.00000E+00 NaN NaN 80 0.00008 0 0.00000E+00 NaN NaN 90 0.00009 0 0.00000E+00 NaN NaN 100 0.00010 0 0.00000E+00 NaN NaN 計算が終了したら、温度分布を Temperature000100.data などで確認してみましょう。 x軸の正の方向から見た温度分布では、物質の界面がレーザーにより照射されて温度が上

昇している様子を確認できます。また、レーザーの照射方向である、z軸の正の方向から

見た温度分布では、レーザーが界面に垂直に照射し Gauss 分布らしく完全な円対称が確認

できます。

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x 軸の正の方向から見た温度分布

z 軸の正の方向から見た温度分布

z-axis

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26

次に up_direction の意味がわかりやすい例を考えて見ましょう。そのために、laser_modeとして Hermite_Gaussian を選択します。以下のように、input.txt を編集してください。 laser_mode = Hermite_Gaussian laser_order_m = 3 laser_order_n = 2 これで beam に local な座標系で x 軸方向のオーダが 3、y 軸方向のオーダが 2 の

Hermite-Gaussian beam が先ほどと同じ方向へ照射されることになります。それでは、実

行してみましょう。 $ ../../Release/welding.exe num_itr time(sec) num_fs div_v div_v/div_pv 10 0.00001 0 0.00000E+00 NaN NaN 20 0.00002 0 0.00000E+00 NaN NaN 30 0.00003 0 0.00000E+00 NaN NaN 40 0.00004 0 0.00000E+00 NaN NaN 50 0.00005 0 0.00000E+00 NaN NaN 60 0.00006 0 0.00000E+00 NaN NaN 70 0.00007 0 0.00000E+00 NaN NaN 80 0.00008 0 0.00000E+00 NaN NaN 90 0.00009 0 0.00000E+00 NaN NaN 100 0.00010 0 0.00000E+00 NaN NaN 計算が終了したら、温度分布を Temperature000100.data などで確認してみましょう。 z軸の正の方向から物質界面の温度分布を観察してみると、x軸方向に 3 つの零点が、y 軸

方向に2つの零点が確認できると思います。それでは次に、input.txt の up_direction を以

下のように書き直してもう一度計算を実行してみましょう。 up_direction = 1.0 0.0 0.0 Hermite-Gaussian Mode の実際のビームの幅はおおよそ以下のように広がります。

( )zwn2≈

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up_direction=(0.0, 1.0, 0.0)の時の表面の温度分布

up_direction=(1.0, 0.0, 0.0)の時の表面の温度分布

本チュートリアルの最後に、ファイルからビームのプロファイルを読み込む形の、レーザ

ービーム照射について学習しましょう。この mode はあまり正確ではありませんが、いろい

ろなビーム形状をとにかく試してみたいというときに便利かもしれません。 ビームのプロファイルを設定するには、laser_profile.txt を編集します。laser_profile.txtのフォーマットは以下のようになります。

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num_data1 num_data2 data(1,1) data(2,1) data(3,1) data(num_data1,num_data2)

ここで num_data1 と num_data2 は必ずしも等しくとる必要はありませんが、どちらも奇

数を指定してください。data(i,j)には図に示した、対応する点のレーザ強度を記述してくだ

さい。強度は、相対的なものでいいです。内部で適切に規格化を行います。では、例とし

て以下の強度分布を持つレーザビームの、laser_profile.txt を作成してみましょう。

x axis

y axis

(1,1) (num_data1,1)

(1,num_data2) (num_data1,num_data2)

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まず、以下のフォートランプログラムを作成します。 program main

implicit none

integer:: i,j,n

real:: x,y,d,int

n=21

d=2.0/(n-1)

write(6,'(2i5)'),n,n

do j=1,n

y=-1.0+d*real(j-1)

do i=1,n

x=-1.0+d*real(i-1)

int=exp(-x**2-(y*10.0)**2)+exp(-(x*10.0)**2-y**2)

write(6,'(e19.6)') int

end do

end do

end program main 上述のプログラムを例えば、beam_profile.exe という名前でコンパイルしてから、以下の

x axis

y axis

(1,1) (num_data1,1)

(1,num_data2) (num_data1,num_data2)

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ように実行します。 $ ../Debug/laser_profile.exe > laser_profile.txt すると laser_profile.txtが作成されますが、こうして作られた、laser_profile.txtが tutorial4の中にすでに入っています。これだけではまだソルバーは laser_profile.txt を読みにいって

くれません。input.txt に以下の修正を加えます。 laser_mode = Hermite_Gaussian とあるのを以下のように修正してください。 laser_mode = file_input これで、ソルバーを実行できます。 $ ../../Release/welding.exe num_itr time(sec) num_fs div_v div_v/div_pv 10 0.00001 0 0.00000E+00 NaN NaN 20 0.00002 0 0.00000E+00 NaN NaN 30 0.00003 0 0.00000E+00 NaN NaN 40 0.00004 0 0.00000E+00 NaN NaN 50 0.00005 0 0.00000E+00 NaN NaN 60 0.00006 0 0.00000E+00 NaN NaN 70 0.00007 0 0.00000E+00 NaN NaN 80 0.00008 0 0.00000E+00 NaN NaN 90 0.00009 0 0.00000E+00 NaN NaN 100 0.00010 0 0.00000E+00 NaN NaN

z軸の正の方向からみた温度分布

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1.5 チュートリアル5 今回はレーザービームを走査させるなど、時間とともにレーザーのパラメータを変化させ

る方法を学びます。そのために使うのが、laser_schedule.txt です。フォーマットは以下の

通りです。 number_of_data time1(sec) power1(Wat) waist_size1(m) waist_position1(m)(x,y,z)…………. time2(sec) power2(Wat) waist_size2(m) waist_position2(m)(x,y,z) …………. time3(sec) power3(Wat) waist_size3(m) waist_position3(m)(x,y,z) …………. ..... waist_size を例にとると

時刻 t1 以前の値は、時刻 t1 の値 w1 と時刻 t2 の値 w2 を線形に外挿して決めます。

時刻t ji ttt <≤ の値は時刻 ti の値 wi と時刻 tj の値 wj を線形内挿して決めます。

時刻 maxt 以降の値は時刻 1max−t の値 1max−w と時刻 maxt の値 maxw を線形に外挿して決めます。

それでは実際にレーザービームを走査した例を計算してみましょう。まず、計算領域は、

前チュートリアルと同じものを選びます。つまり、1.6mm 四方の立方体の空間領域に、

0.8mm までの高さの物質を満たします。そのために、input.txt の関連箇所が以下のように

なっていることを確認しましょう。

time(sec)

waist_size(m)

t1 t2 t3 tmax-1 tmax

w1 w2

w3 wmax-1 wmax

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sdf_initial_mode = plane # plane, sphere, file_input sdf_initial_center = 0.0008 0.0008 0.0008 # [m] sdf_initial_direction = 0.0 0.0 1.0 次に laser_schedule.txt を以下のように編集します。 5 0.0000 200 0.2e-3 0.0002 0.0002 0.0008 0.0 0.0 -1.0 0.0 1.0 0.0 0.0001 200 0.2e-3 0.0008 0.0014 0.0008 0.0 0.0 -1.0 0.0 1.0 0.0 0.0002 200 0.2e-3 0.0014 0.0002 0.0008 0.0 0.0 -1.0 0.0 1.0 0.0 0.00021 200 0.2e-3 0.0005 0.0008 0.0008 0.0 0.0 -1.0 0.0 1.0 0.0 0.0003 200 0.2e-3 0.0011 0.0008 0.0008 0.0 0.0 -1.0 0.0 1.0 0.0 これだけでは、ソルバーは laser_schedule.txt を読みにいかないので、input.txt の以下の

部分を修正します。 use_laser_schedule = .false. を use_laser_schedule = . true. さらに、以下の部分を修正してください。 number_of_iteration = 100 を number_of_iteration = 300 それでは準備ができたので、計算してみましょう。 $ ../../Release/welding.exe num_itr time(sec) num_fs div_v div_v/div_pv 10 0.00001 0 0.00000E+00 NaN NaN 20 0.00002 0 0.00000E+00 NaN NaN 30 0.00003 0 0.00000E+00 NaN NaN 40 0.00004 0 0.00000E+00 NaN NaN 50 0.00005 0 0.00000E+00 NaN NaN 60 0.00006 0 0.00000E+00 NaN NaN ................................................................................ 260 0.00026 0 0.00000E+00 NaN NaN 270 0.00027 0 0.00000E+00 NaN NaN 280 0.00028 0 0.00000E+00 NaN NaN 290 0.00029 0 0.00000E+00 NaN NaN 300 0.00030 0 0.00000E+00 NaN NaN

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33

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34

現在の実装では、ray tracing 等を完全に実施しているわけではないので、実行上、不自然

な結果が出る可能性が、状況によっては起こりえますが、今後の課題にしておきたいと思

います。 2 入力ファイルの説明 2.1 input.txt nx : 計算領域の x 方向の分割数。 ny : 計算領域の y 方向の分割数。 nz : 計算領域の z 方向の分割数。 dx : x 方向のグリッド幅。単位はメートル。 dy : y 方向のグリッド幅。単位はメートル。 dz : z 方向のグリッド幅。単位はメートル。 現在の実装では、dx=dy=dz を仮定していて、それ以外は指定できません。 計算領域は、以下の8点により張られる直方体として定義できます。

t1

t2

t3

x 軸

y 軸

t4 t5

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( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( )NMLNMNLNMLML ,,,,,0,,0,,,0,0,0,,,0,,0,0,0,,0,0,0 ここで

( )mdxnxL ×= )(mdynyM ×= )(mdznzN ×=

dt : 計算時間ステップ幅。単位は sec、秒。 interval_of_velocity_calculation : 速度の計算は、dt×interval_of_velocity_calculationごとに、タイムステップ dt×interval_of_velocity_calculation で行われます。温度の計算

が律速になってタイムステップが取れない場合に、実行速度を速めるために使用します。

十分にタイムステップが取れる場合には、1 を指定すると最も精度が保障されます。 start_condition : initial を指定すると指定した初期条件にしたがって、時刻 0.0 から計

算が開始されます。restart を指定すると、restart.txt の内容に従って、計算が再実行され

ます。 initial_temperature : 計算開始時の温度をケルヴィン単位で指定します。 initial_velocity : 計算開始時の速度を MKS 単位で指定します。

計算領域

x-axis

y-axis

z-axis

(0,0,0)

(L,0,0)

(0,M,0)

(0,0,N)

(L,M,0)

(L,0,N) (L,M,N)

(0,M,N)

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36

number_of_iteration : 計算するステップの総数を指定します。 end_time : 計算する総時間を秒単位で指定します。 number_of_iteration あるいは end_time のどちらか一方の条件が満たされたときに計算は

終了します。 interval_display : ディスプレイに表示される計算状況の報告を何 iteration 毎に行う

かを指定します。 interval_write : モニタ用のデータおよび、再計算用のデータの出力を、何 iteration毎に行うかを指定します。 omega_temperature : 流体ソルバーを SCGZ にした場合のオーバーリラクゼーション

係数だが、現在のところ使用していません。 include_gravity : .true.を指定すると、計算に重力を加えます。.false.を指定すると重

力は計算しません。 gx : 重力の方向ベクトルのx成分。単位ベクトルで指定します。 gy : 重力の方向ベクトルのy成分。単位ベクトルで指定します。 gz : 重力の方向ベクトルのz成分。単位ベクトルで指定します。 calc_Buoyancy : .true.を指定すると、温度変化に伴う、密度変化を考慮して、牛力計

算を行います。.false.を指定すると、温度変化に伴う、密度変化を考慮しません。 include_surface_tension : .true.を指定すると、表面張力を計算に組み込みます。.false.を指定すると、表面張力は計算しません。 surface_tension_shift : 気相とそれ以外の相の界面は、signed distance 関数の値=0

で定義しますが、実際の物性は滑らかな Heaviside 関数により定義しています。そのため、

界面における諸量をそれに付随した滑らかなδ関数で定義してしまうと、本来、例えば、

固液相において吸収されるべきとして定義した、レーザエネルギーが気相と固液相に分散

して(文字通りδ関数を定義すると丁度半分ずつに分配されてしまいます。)。同様に表面

張力も、固液相をドライヴするものとして定義した量が、気相のドライヴにも使われてし

まう状況を観測できます。それに対する、対応策として、完全なものではないですが、δ

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37

関数を、幾分固液相にシフトできるように(マイナスを指定すれば、気相側へもシフトで

きます。)指定できるようにしました。単位はグリッドの幅(dx=dy=dz)です。0 を指定い

ただければ、従来のδ関数で計算することができます。 solid_velocity : 固相の速度を指定します。0 以外の値を指定するときには、接する外

部境界の速度も矛盾しないように設定します。 darcy_epsilon : mushy zone における Darcy force の特異点を除くための定数です。

Darcygg ε+>− 33

11

laser_power : 現在、未使用 spatial_laser_distribution : 現在、未使用 # Signed distance function parameters sdf_width : ×± dx (sdf_width)の範囲で signed distance 関数を計算します。それ以外

の範囲では、正の場合には、 ×+ dx (sdf_width)の値を、負の場合には、 ×− dx (sdf_width)の値を sdf に代入します。以下に3次元空間内の球の例を示します。

sdf_width=4.0 の場合の球の signed distance 関数の例

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38

heaviside_epsilon : 物性を定義するための Heaviside 関数は以下で定義されます。

( )

<

≤≤−

++

−<

=

φε

εφεεπφ

πεφ

εφ

φ

1

sin21

221

0

H (3)

ここでφは signed distance function です。heaviside_epsilon は上の式におけるε です。

sdf_initial_mode : sined distance 関数の初期値を設定します。plane,sphere,file_input の3種類が設定できます。 sdf_initial_mode = plane のときは、初期 sdf として平面が指定されます。 sdf_initial_center : 平面が通る点の座標を指定します。単位はメートルです。 sdf_initial_direction : 平面の法線ベクトルを指定します。法線ベクトルは、sdf 関数の

負の方向から正の方向へ向かうように指定します。また、これは、固液相から気相へ向か

う方向でもあります。

sdf_initial_mode = sphere のときは、初期 sdf として球面が指定されます。 sdf_initial_radius : 球面の半径を指定します。単位はメートルです。 sdf_initial_center : 球面の中心の座標を指定します。単位はメートルです。 球面内部が、負の値をとり、球面外部が正の値を取ります。現在のところこれがデフォル

トで逆はできません。

sdf_initial_direction

sdf_initial_center

Plane

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39

sdf_initial_mode = file_input のときは、外部ファイルにより sdf 関数を設定します。外部

ファイルとして、geometry.txt を用います。そのフォーマットはチュートリアルに書かれ

ていますが、再度繰り返しますと、 num_polygon

111 zyx

222 zyx

333 zyx

444 zyx ………………………. ………………………..

3_3_3_ ××× polygonnumpolygonnumpolygonnum zyx

細かい三角形をいくつか配置して形状を表現します。

111 zyx

222 zyx

333 zyx が最初の三角形の3つの空間座標を表します。以下

444 zyx

555 zyx

sdf_initial_radius

sdf_initial_center

Sphere

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40

666 zyx が2番目の三角形の3つの空間座標を、

777 zyx

888 zyx

999 zyx が3番目の三角形の3つの空間座標を表します。 三角形は好きなだけ配置することができます。 三角形には向きがあって、右ねじの向きに(座標が記述された順番に従って右ねじを回し

たときに右ねじが進む方向)signed distance 関数は正の値をとります。そしてそれは気相

が配置される側になります。

例については、チュートリアルならびに各 tutorial ディレクトリ内の、geometry.txt 等を

参照ください。 sdf_itr_max : 現在、未使用です。SCGZ にて使用します。 sdf_omega : 現在、未使用です。SCGZ にて使用します。 sdf_epsilon : 現在、未使用です。SCGZ にて使用します。 level_set_scheme : 以下の signed distance 関数の時間発展を計算する数値スキームを

選択、指定します。

( ) ( ) 0,,=∇⋅+

∂∂ trV

ttr

φφ

ここで ( )tr ,φ は signed distance 関数です。

② ③

気相

固液相

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41

lss_upwind_1st と lss_upwind_1st_cnstrnt を指定することができます。lss_upwind_1st を指定すると、up-wind の空間一次精度で計算します。lss_upwind_1st_cnstrnt を指定す

ると、up-wind の空間一次精度に global な mass を保存する拘束条件をつけたものを計算

します。ここでいう global な mass とは、

( )( )[ ]∫Ω

Ω− dtrH ,0.1 φ

でΩは、計算領域全体を、 ( )φH は Heaviside 関数を、 ( )tr ,φ は signed distance 関数を表

します。 redistance_scheme は signed distance 関数、 ( )tr ,φ を最初期化するための数値スキームを

指定します。以下の6種類が指定可能です。 rds_upwind_1st rds_upwind_1st_cnstrnt rds_fast_marching_1st rds_eno_3rd rds_eno_3rd_cnstrnt rds_weno_5th rds_upwind_1st を指定すると

( ) ( )( )trsignt

tr ,0.1)(,0

φφφ∇−=

∂∂ (1)

を upwind の空間一次精度で解きます。 rds_upwind_1st_cnstrnt を指定すると、上記、redistancing の方程式(1)を、各グリッ

ドセル内の mass を保存するという拘束条件をつけて解きます。ここでいう、各グリッドセ

ル内の mass とは

( )( )[ ]∫Ω

Ω−ijk

ijkdtrH ,0.1 φ nxi ≤≤1 、 nyj ≤≤1 、 nzk ≤≤1

で、 ijkΩ は ( )kji ,, 番目のグリッドセル内の空間領域を、 ( )φH は Heaviside 関数を、 ( )tr ,φ

は signed distance 関数を表します。 rds_fast_marching_1st を指定すると、空間一次精度の Fast Marching で redistancing を

行います。 rds_eno_3rd を指定すると、eno(essentially non-oscillatory scheme)の空間 3 次精度で上

記,redistancing の方程式(1)を解きます。 rds_eno_3rd_cnstrnt を指定すると、上記、redistancing の方程式(1)を、各グリッドセ

ル内の mass を保存するという拘束条件をつけて、eno(essentially non-oscillatory scheme)

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42

の空間 3 次精度で解きます。 rds_weno_5th は現在のところ予約してありますが、未実装です。 # Fluid solver parameters convection_scheme : 流体ソルバーの convection 項の数値スキームを指定します。以

下の3つが指定できます。 upwind_c upwind_nc eno2nd

upwind_c を指定すると、convection 項に ( )iuu∇ の保存型を仮定して、upwind の空間一次

で解きます。upwind_nc を指定すると、convection 項を iuu ∇⋅

として、upwind の空間一

次で解きます。eno2nd を指定すると、convection 項を iuu ∇⋅

として、eno の空間 2 次で解

きます。 max_itr_scgs : SCGZ 用に用意した変数ですが、現在のところ未使用です。 max_itr_fs : fractional stepにおいてpressureをprojectするときに解く以下のpoisson solver の最大繰り返し回数を指定します。

tVp∆⋅∇

=

∇∇

*1

ρ (2)

eps_v : 式(2)を解く poisson solver の収束条件を下で述べる、fluid_solver_norm を用いて、divergence あるいは、divergence_relative で指定したときの、閾値を与えます。 eps_p : 式(2)を解く poisson solver の収束条件をを下で述べる、fluid_solver_norm を用いて、p_res_l2_relative で指定したときの、閾値を与えます。 omega_velocity : SCGZ 用に用意した変数ですが、現在のところ未使用です。 omega_pressure : 式(2)を解く poisson solver の over relaxation を与えます。 fluid_solver_norm : 式(2)を解く poisson solver の収束条件として何を用いるかを

指定します。以下の 3 つを指定できます。

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43

divergence divergence_relative p_res_l2_relative divergence を指定すると、収束条件は以下のようになります。

<udivkji

),,(max eps_v

divergence_relative を指定すると、収束条件は以下のようになります。

( )

( )<

∗udiv

udiv

kji

kji

,,

,,

max

max eps_v

p_res_l2_relative を指定すると、式(2)を数値的に離散化したものを行列で以下のよう

に表したとき、

bpA

=

収束条件は以下のようになります。

<−

2

2

L

L

b

pAb

eps_p

ここで L2-norm 2L• は以下で定義されるスカラー量です。

( )∑=

kjikji

L pp,,

2,,

2

また、行列Aは対角項が1になるように規格化してとります。 # Laser beam parameters include_laser_beam : レーザービームの照射を計算に加えるかどうかを指定するため

のフラグです。.true.なら温度の計算にレーザービームの照射は考慮されます。.false.の場

合には、レーザービームの照射は考慮されません。 use_laser_schedule : レーザービームのパラメータの経時変化を記述するのに、 laser_schedule.txt を使用するかどうかを指定するためのフラグです。.true.なら laser_schedule.txt を使用します。.false.なら使用しません。laser_schedule.txt のフォー

マットについては、チュートリアル5、もしくは laser_schedule.txt の章を参照してくださ

い。

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44

laser_wave_length : レーザービームの波長をメートル単位で指定します。 power_transmitted_by_the_beam : 実際にレーザービームによって単位時間当たり運

搬されるエネルギー量を W 単位で指定します。 waist_size : チュートリアル、あるいは以下で述べる式における、 0w を表します。

Gaussian beam においては最もビームが絞られた点におけるビーム幅がおおよそ 02w にな

ります。より高次の Herimite-Gaussian beam においては最もビームが絞られた点におけ

るビーム幅がおおよそ x 方向で、 02 wm 、y 方向で 02 wn になります。ここでいうm、n

とは以下で述べる、laser_mode_m と laser_mode_n のことです。 waist_position : 最もビームが絞られた点(ウェスト)の空間座標を指定します。 beam_direction : ビームによって運搬されるエネルギーの方向を単位ベクトルで指定

します。 up_direction : ビームが流れる方向と垂直な面内における y 方向を単位ベクトルで指定

します。

waist

02w

0

tanwπλθ =

θ

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45

laser_mode : レーザービームの種類を指定します。以下の4つを指定できます。 Gaussian Hermite_Gaussian Laguerre_Gaussian file_input Gaussian を指定すると Gaussian beam が選択されます。 Hermite_Gaussian を指定すると Hermite_Gaussian beam が選択されます。 Laguerre_Gaussian を指定すると Laguerre_Gaussian beam が選択されます。 file_input を指定すると、ビームの断面形状を laser_profile.txt で決めることができます。 Gaussian beam

( ) ( )[ ]( ) ( ) ( )

+−

+−

+−

=

zRyxik

zwyx

zwziikzzyxu

2expexp2,,~

22

2

2221

ψπ

Hermite-Gaussian Mode

( ) ( ) ( )[ ]( ) ( ) ( ) ( ) ( )

+−−

++

=

zRyxikikz

zwyH

zwxH

zwnzwmznmizyxu nmnmmn 2

exp22!2!2

1exp2,,~222

1

ψπ

( )

+−

zwyx

2

22

exp

waist_position

up_direction

x_direction beam_direction

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46

Laguerre-Gaussian Mode

( ) ( )( ) ( )( )[ ]

( ) ( ) ( )

−+++

=zw

rLzwr

zwzmpi

pmpzru m

p

m

pm 2

20 2212exp

!!2,,~ ψψ

πθ

( ) ( )

−−−−

zwrim

zRrikikz 2

22

2exp θ

ここで

( )2

0 1

+=

Rzzwzw

( )z

zzzR R2

+=

( )

= −

Rzzz 1tanψ

20

202

1 wkwzR λπ

==

です。その他の詳細はチュートリアル4を参照してください。 laser_order_m : Hermite-Gaussian Mode の添え字 m、Laguerre-Gaussian Mode の

添え字 m、を指定します。 laser_order_n : Hermite-Gaussian Mode の添え字 n、Laguerre-Gaussian Mode の添

え字 p、を指定します。 times_diffraction_limited : 現在、未使用です。 quality_factor : 現在、未使用です。 include_radiation_heat_transfer : 固液界面の熱輻射による冷却を計算に組み込むかど

うかを指定するためのフラグです。熱輻射によるエネルギー損失は以下の式で与えられま

す。 ( )44

∞−= TTqR σε 2/ mW ここでσ は Stefan-Boltzmann constant、ε は emissivity、 ∞T は ambient temperature で

す。 ambient_temperature : ambient temperature をケルヴィン単位で指定します。

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47

# TecPlot file write_velocity : 速度の計算結果を出力をするかしないかを指定するためのフラグで

す。.true.で出力します。.false.で出力しません。 write_pressure : pressure の計算結果を出力をするかしないかを指定するためのフラ

グです。 .true.で出力します。.false.で出力しません。 write_temperature : 温度の計算結果を出力をするかしないかを指定するためのフラグ

です。.true.で出力します。.false.で出力しません。 write_signed_distance : signed distance 関数の計算結果を出力するかしないかを指定

するためのフラグです。.true.で出力します。.false.で出力しません。 write_liquid_mass_fraction : liquid mass fraction の計算結果を出力するかしないか

を指定するためのフラグです。.true.で出力します。.false.で出力しません。 write_solid_mass_fraction : solid mass fraction の計算結果を出力するかしないかを指

定するためのフラグです。.true.で出力します。.false.で出力しません。 2.2 material.txt # air gas_density : 気相の密度を指定します。単位は、

3/ mkg です。 gas_specific_heat : 気相の定圧比熱を指定します。単位は、 ( )KkgJ ⋅/ です。 gas_viscosity : 気相の粘性係数を指定します。単位は、 ( )sec/ ⋅mkg です。 gas_thermal_conductivity : 気相の熱伝導率を指定します。単位は、 ( )mKW / です。 gas_volume_expansion : 気相の体膨張率を指定します。単位は、 K/1 です。 # solid solid_density : 固相の密度を指定します。単位は、

3/ mkg です。

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48

solid_specific_heat : 固相の定圧比熱を指定します。単位は、 ( )KkgJ ⋅/ です。 solid_thermal_conductivity : 固相の熱伝導率を指定します。単位は、 ( )mKW / です。 solid_volume_expansion : 固相の体膨張率を指定します。単位は、 K/1 です。 # liquid liquid_density : 液相の密度を指定します。単位は、

3/ mkg です。 liquid_specific_heat : 液相の定圧比熱を指定します。単位は、 ( )KkgJ ⋅/ です。 liquid_thermal_conductivity : 液相の熱伝導率を指定します。単位は、 ( )mKW / です。 liquid_viscosity : 液相の粘性係数を指定します。単位は、 ( )sec/ ⋅mkg です。 liquid_volume_expansion : 液相の体膨張率を指定します。単位は、 K/1 です。 surface_tension : 気液界面の表面張力σ を指定します。単位は、 mN / です。

dsurface_tension_dt : 表面張力の温度微分dTdσ

を指定します。単位は、 ( )mKN / です。

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49

# thermodynamics 現在の実装では、解析的な取り扱いが容易になるように、Fe-C 系の phase-diagram の特徴

をあらかじめ取り込んだ形になっています。ですが、いくつかの注意と近似のもとに、か

なり一般の系に適用することができます。

まず最初の近似は、Solidus line と Liquidus line が直線で近似できるとするものです。多

くの系では近似的にしか成り立ちませんが、こうすることで内部の処理が大幅に高速化し

ます。 latent_heat_of_fusion : 融解熱を指定します。単位は、 kgJ / です。

latent_heat_of_vaporization : 気化熱を指定します。単位は、 kgJ / です。ただし、今

回の実装では、vaporization については、考慮していません。 melting_temperature : 融点を指定します。単位は、 K です。図の mT を指定してくだ

さい。 normal_boiling_temperature : 沸点を指定します。単位は、 K です。ただし、今回の

実装では、vaporization については、考慮していません。 critical_point_temperature : 臨界点を指定します。単位は、K です。ただし、今回の

mass fraction (wt%)

Temperature(K)

Mushy Region

Tm

Te

Liquidus

Solidus

fe f fm fme

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50

実装では、vaporization については、考慮していません。 eutectic_temperature : 共融点を指定します。単位は、 K です。図の eT を指定してく

ださい。 eutectic_concentration : 図の me ff − を指定してください。単位は、下の concentrationと同一にとってください。多くの場合、weight-%を用います。

equilibrium_partition_ratio : 図のme

mme

ffff

−−

を指定してください。無次元量です。

concentration : 今考えている系の concentration を f としたとき、図の mff − を指定

してください。単位は上の eutectic_concentration と同一にとってください。多くの場合、

weight-%を用います。fの値としては、fmから feまでを指定できます。

phase-diagram が以下のようにかかれる場合には、eutectic_concentration と concentration が正になるように上の記述を変更してください。すなわち、

eutectic_concentration : 図の em ff − を指定してください。単位は、下の concentrationと同一にとってください。多くの場合、weight-%を用います。

mass fraction (wt%)

Temperature(K)

Mushy Region

Tm

Te

Liquidus

Solidus

fe f fm fme

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51

concentration : 今考えている系の concentration を f としたとき、図の ffm − を指定

してください。単位は上の eutectic_concentration と同一にとってください。多くの場合、

weight-%を用います。fの値としては、feから fmまでを指定できます。

laser_absorptivity : レーザーの absorptivity を指定します。無次元量です。 laser_emissivity : レーザーの emissivity を指定します。無次元量です。 permeability_coefficient : 現在、未使用です。 primary_dendrite_arm_spacing : primary dendrite arm spacingを指定してください。

単位はメートルです。Darcy force の permeability coefficient を以下の式から算出していま

す。

240 100.6 δ××= −K ここでδは primary dendrite arm spacing です。

Permeability coefficient を指定したいときは、上の式を逆に解いて、

40

100.6 −×=

から primary_dendrite_arm_spacing を指定してください。 2.3 reference.txt reference_length : 対象とする系の代表的な長さを指定してください。単位はm です。 reference_velocity : 対象とする系の代表的な速度を指定してください。単位は

2sec/mです。 base_temperature : 対象とする系の代表的な温度を指定してください。単位は K です。 difference_temperature : 対象とする系の代表的な温度の変化分を指定してください。

単位は K です。 base_pressure : 対象とする系の代表的な圧力を指定してください。単位は Pa です。

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52

2.4 boundary.txt

上の図に示した表記で、計算領域の各境界面を、表します。つまり x_minus : 0=x 表面 x_plus : dxnxLx ×== 表面 y_minus : 0=y 表面 y_plus : dynyMy ×== 表面 z_minus : 0=z 表面 z_plus : dznzNz ×== 表面 速度の境界条件としては wall と dirichlet の2つを指定できます。 wall を指定すると下の図に示すように、境界上で指定した速度と内部領域で計算された速

度を用いて、外部領域における速度が外挿により決められます。 dirichlet を指定すると、境界上、および外部領域における速度は、指定した速度で決めら

れます。

x

y

z

z_plus

z_minus

x_plus

x_minus

y_minus y_plus

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53

x_minus_velocity_bc : x_minus 境界面における速度の境界条件を指定します。wall

速度の dirichlet 境界条件

計算領域内部

計算領域外部

境界条件として指定

した速度

計算領域境界

速度の wall 境界条件

計算領域内部

計算領域外部 境界条件として指定

した速度

計算領域境界

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54

と dirichlet のふたつを指定できます。 x_minus_velocity : x_minus 境界面における速度を指定します。単位は sec/m です。 x_plus_velocity_bc : x_plus 境界面における速度の境界条件を指定します。wall と dirichlet のふたつを指定できます。 x_plus_velocity : x_plus 境界面における速度を指定します。単位は sec/m です。 y_minus_velocity_bc : y_minus 境界面における速度の境界条件を指定します。wall と dirichlet のふたつを指定できます。 y_minus_velocity : y_minus 境界面における速度を指定します。単位は sec/m です。 y_plus_velocity_bc : y_plus 境界面における速度の境界条件を指定します。wall と dirichlet のふたつを指定できます。 y_plus_velocity : y_plus 境界面における速度を指定します。単位は sec/m です。 z_minus_velocity_bc : z_minus 境界面における速度の境界条件を指定します。wall と dirichlet のふたつを指定できます。 z_minus_velocity : z_minus 境界面における速度を指定します。単位は sec/m です。 z_plus_velocity_bc : z_plus 境界面における速度の境界条件を指定します。wall と dirichlet のふたつを指定できます。 z_plus_velocity : z_plus 境界面における速度を指定します。単位は sec/m です。 圧力の境界条件としては、grad_zero と dirichlet の2つを指定できます。 gard_zero を指定すると、境界上で境界面に垂直な方向への圧力の交配が0になるように計

算領域外部の圧力を設定します。 dirichlet を指定すると、指定した圧力で計算領域外部の圧力が設定されます。下の図を参

照してください。

Page 55: レーザー溶接プログラム USER’S MANUAL · 2 "á 4. 1. 4Xo;] ^ 3 1.1 4Xo;] ^ 1 3 . 1.2 4Xo;] ^9Þ 7 . 1.3 4Xo;] ^9ß 14 . 1.4 4Xo;] ^9à 20

55

x_minus_pressure_bc : x_minus 境界面における圧力の境界条件を指定します。

圧力の dirichlet 境界条件

計算領域内部

計算領域外部

計算領域境界

圧力

境界条件として指定

した圧力

圧力の grad_zero 境界条件

計算領域内部

計算領域外部

計算領域境界

圧力

等しい 等しい

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grad_zero と dirichlet のふたつを指定できます。 x_minus_pressure : x_minus_pressure_bc が dirichlet のときに、x_minus 境界面に

おける圧力を指定します。単位は Pa です。 x_plus_pressure_bc : x_plus 境界面における圧力の境界条件を指定します。 grad_zero と dirichlet のふたつを指定できます。 x_plus_pressure : x_plus_pressure_bc が dirichlet のときに、x_plus 境界面における

圧力を指定します。単位は Pa です。 y_minus_pressure_bc : y_minus 境界面における圧力の境界条件を指定します。 grad_zero と dirichlet のふたつを指定できます。 y_minus_pressure : y_minus_pressure_bc が dirichlet のときに、y_minus 境界面に

おける圧力を指定します。単位は Pa です。 y_plus_pressure_bc : y_plus 境界面における圧力の境界条件を指定します。 grad_zero と dirichlet のふたつを指定できます。 y_plus_pressure : y_plus_pressure_bc が dirichlet のときに、y_plus 境界面における

圧力を指定します。単位は Pa です。 z_minus_pressure_bc : z_minus 境界面における圧力の境界条件を指定します。 grad_zero と dirichlet のふたつを指定できます。 z_minus_pressure : z_minus_pressure_bc が dirichlet のときに、z_minus 境界面に

おける圧力を指定します。単位は Pa です。 z_plus_pressure_bc : z_plus 境界面における圧力の境界条件を指定します。 grad_zero と dirichlet のふたつを指定できます。 z_plus_pressure : z_plus_pressure_bc が dirichlet のときに、z_plus 境界面における

圧力を指定します。単位は Pa です。 温度の境界条件としては、adiabatic と dirichlet と heat_transfer の3つを指定できます。

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adiabatic を指定すると、境界上で境界面に垂直な方向への温度の交配が0になるように計

算領域外部の温度を設定します。いわゆる断熱境界条件になります。 dirichlet を指定すると、指定した温度で計算領域外部の温度が設定されます。いわゆる定

温境界条件になります。 heat_transfer を指定すると、境界における熱流速が以下の関係式を満たすように、計算領

域外部の温度が設定されます。

( )∞−=∂∂

− TThnTk Boundary

BoundaryB

ここで、 Bk は当該境界面に接する、計算領域内部の熱伝導率です。n∂∂

は境界に垂直に境

界内部から外部に向けて取った、微分作用素です。 BoundaryT は境界面の温度、 ∞T は、系を

取り巻く雰囲気の温度で、先述の ambient temperature の値を用いています。この境界条

件は、Newton の冷却則が成立するような系において、そのときの気相の convection に由

来する熱損失を、モデル化するものとして使用しています。 h は heat transfer coefficientで、系の冷却曲線などから決めることのできる定数です。 それぞれ下の図を参照してください。

温度の adiabatic 境界条件

計算領域内部

計算領域外部

計算領域境界

温度

等しい 等しい

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温度の heat_transfer 境界条件

計算領域内部

計算領域外部

計算領域境界

温度 TB T∞

hkB

温度の dirichlet 境界条件

計算領域内部

計算領域外部

計算領域境界

温度

境界条件として指定

した温度

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x_minus_temperature_bc : x_minus 境界面における温度の境界条件を指定します。 adiabatic と dirichlet と heat_transfer の3つを指定できます。 x_minus_temperature : x_minus_temperature_bc が dirichlet のときに、x_minus境界面における温度を指定します。単位は K です。 x_plus_temperature_bc : x_plus 境界面における温度の境界条件を指定します。 adiabatic と dirichlet と heat_transfer の3つを指定できます。 x_plus_temperature : x_plus_temperature_bc が dirichlet のときに、x_plus 境界面

における温度を指定します。単位は K です。 y_minus_temperature_bc : y_minus 境界面における温度の境界条件を指定します。 adiabatic と dirichlet と heat_transfer の3つを指定できます。 y_minus_temperature : y_minus_temperature_bc が dirichlet のときに、y_minus境界面における温度を指定します。単位は K です。 y_plus_temperature_bc : y_plus 境界面における温度の境界条件を指定します。 adiabatic と dirichlet と heat_transfer の3つを指定できます。 y_plus_temperature : y_plus_temperature_bc が dirichlet のときに、y_plus 境界面

における温度を指定します。単位は K です。 z_minus_temperature_bc : z_minus 境界面における温度の境界条件を指定します。 adiabatic と dirichlet と heat_transfer の3つを指定できます。 z_minus_temperature : z_minus_temperature_bc が dirichlet のときに、z_minus境界面における温度を指定します。単位は K です。 z_plus_temperature_bc : z_plus 境界面における温度の境界条件を指定します。 adiabatic と dirichlet と heat_transfer の3つを指定できます。 z_plus_temperature : z_plus_temperature_bc が dirichlet のときに、z_plus 境界面

における温度を指定します。単位は K です。

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heat_transfer_coefficient : heat transfer coefficient の値を設定します。単位は ( )KmW ⋅2/ です。

temperature_extrapolation_order : 現在、未使用です。 2.5 geometry.txt geometry.txt についてはチュートリアル3で説明しています。そちらも参照してください。 geometry.txt は signed distance 関数を初期化するために読み込まれるファイルです。計算

初期における、気相とその他の相(固相と液相)の界面を決めます。input.txt 内で sdf_initial_mode = file_input と指定すると、ソルバーから読み込まれます。 フォーマットはチュートリアル3および、input.txt の sdf_initial_mode の説明の項で述べ

てありますので、そちらを参照してください。 2.6 laser_schedule.txt laser_schedule.txt についてはチュートリアル5で説明しています。そちらも参照してくだ

さい。laser_schedule.txt はレーザービームの各種パラメータを時間的に変化させるときに

用います。レーザービームの各種パラメータについてはチュートリアル4、ならびに、

input.txt の以下の項目を参照してください。 # Laser beam parameters include_laser_beam use_laser_schedule laser_wave_length power_transmitted_by_the_beam waist_size waist_position beam_direction up_direction laser_mode laser_order_m laser_order_n laser_schedule.txt は input.txt の use_laser_schedule を.true.にすると本体のプログラム

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から読み込まれます。フォーマットは以下の通りです。 number_of_data time1(sec) power1(Wat) waist_size1(m) waist_position1(m)(x,y,z)…………. time2(sec) power2(Wat) waist_size2(m) waist_position2(m)(x,y,z) …………. time3(sec) power3(Wat) waist_size3(m) waist_position3(m)(x,y,z) …………. ..... waist_size を例にとると

時刻 t1 以前の値は、時刻 t1 の値 w1 と時刻 t2 の値 w2 を線形に外挿して決めます。

時刻t ji ttt <≤ の値は時刻 ti の値 wi と時刻 tj の値 wj を線形内挿して決めます。

時刻 maxt 以降の値は時刻 1max−t の値 1max−w と時刻 maxt の値 maxw を線形に外挿して決めます。 より詳細は、チュートリアル5を参照してください。 2.7 laser_profile.txt laser_profile.txt についてはチュートリアル 4 で説明しています。そちらも参照してくださ

い。laser_profile.txt はレーザービームに垂直な断面内におけるレーザービームの強度をユ

ーザが自分で指定したいときに用います。input.txt の laser_mode を file_input に指定す

ると、プログラム本体から読み込まれます。 laser_profile.txt のフォーマットは以下のようになります。

time(sec)

waist_size(m)

t1 t2 t3 tmax-1 tmax

w1 w2

w3 wmax-1 wmax

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num_data1 num_data2 data(1,1) data(2,1) data(3,1) data(num_data1,num_data2)

ここで num_data1 と num_data2 は必ずしも等しくとる必要はありませんが、どちらも奇

数を指定してください。data(i,j)には図に示した、対応する点のレーザ強度を記述してくだ

さい。強度は、相対的なものでいいです。内部で適切に規格化を行います。 より詳細はチュートリアル4を参照してください。

x axis

y axis

(1,1) (num_data1,1)

(1,num_data2) (num_data1,num_data2)