プログラミング教育のポイント・・・動かし · 3.疑似農薬散布を行う。...
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高松北ブロック <研究授業>(授業者 高松市立太田南小学校 黒川 幸宣)
第5学年 社会科「これからの食料生産とわたしたち」 ○主張点
① プログラミングして実際にロボット(ドローン)を動かすこ
とを通して、プログラミングの楽しさや達成感を味わうことが
出来る。(フィジカル教材を用いる理由) ② 実社会で活用されている姿に近い「ドローン」を教材として
扱うことで、社会がコンピュータ等の情報技術に支えられてい
ることに気付くとともに、よりよい社会を築くための視点とし
てもつことが出来る。(なぜドローンなのか) 〇本時の学習指導
(1)本時の目標 擬似的に設定したドローンでの農薬散布を行い、プログラミングすることの楽しさ
や達成感を味わうことが出来る。 (2)学習指導過程 〇研究討議
【授業説明】 ・ ドローンの可能性・・・授業者自身がおもしろいと感じた。そして子供も楽しめる
と考えて、その可能性に挑戦したいと考えた。
学 習 活 動 児 童 の 意 識 の 流 れ 教 師 の 支 援 と 評 価 (前時)本時のめあてをもつ。 1.プログラムの説明を聞く。 2.条件を確認する。 3.疑似農薬散布を行う。 (1) プログラミングを組む
(2) ドローンを動かす 4.ふり返りをする。
・本時の見通しを持てるよう、前時にプロ
グラミングでドローンを飛ばすことを共
有しておく。 ・一斉で説明を行うが、後の活動で確認し
たくなることが予想されるので、プログラ
ムの説明を記したヒントカードをグルー
プごとに渡しておく。 ・データ通信の不具合等でうまく動かな
いことも予想されるので、事前に教師が把
握している不具合と改善策について伝え
ておく。 ・「ドローンの1㎡四方に農薬を撒くこと
が出来る」という条件を提示しておくこと
で、ドローンを飛ばすルートの最適案をグ
ループで検討できるようにする。 評ドローンのプログラミングを条件に即
して適切に行うことが出来たか。(ワーク
シート、話し合い) ・「自分が生産者ならドローンを用いて事
業を行いたいか」を問い、プログラミング
を用いることの良し悪しやこれからの社
会について考えられるようにしたい。
ドローンをプログラミングしての農薬散布に挑戦しよう。
ドローンを飛ばすための指示はこうなっているのか。
・1㎡ということは、端っこをとばすともったいないな。 ・田んぼは長方形。縦、横の長さは何mかな。
まずは田んぼに1m
の区切りをいれたい
な。
ジグザグに動かせ
ば全体に農薬が撒
けそうだな。
図の通りに動かそうと思
ったら、どうプログラミ
ングすればいいのかな。
区切りを入れると正確に
動かせているかどうかが
よくわかるな。
横にジグザグに動
かす方が指示が少
なくなりそうだ。
思っていたように動かな
かった。プログラムをど
う書き直せばいいかな。
・ドローンをプログラムで動かすことが出来て楽しかった!
・うまく動かない時もあったけれど、ドローンで正確に農薬散布が出来
てうれしかった。自分で操作したらもっとずれたりすると思う。
・ プログラミング教育のポイント・・・動かし
て楽しかったと感じる体験も大切だが、リアル
な課題設定が重要となる。例えば、プログラム
がどのようなシチュエーションで使われている
かを考えると、防災ロボット、自動運転、スマ
ート農業など多岐にわたる。今回はドローンに
よる農薬散布に着目した。
・ 本時における変更点・・・本時でドローンを
初めて扱うことを想定していたが、離陸して着
陸するプログラムを組むだけで 1 時間かかるこ
とが分かった。そこで、事前に操作方法を習得
する時間を設定した。これにより、児童が自立
して解決する場面ができた。 【質疑応答】 ・ 前時までの活動と学習内容について →総合学習の時間を 1 時間とってスクラッチの操作方法を習得する時間を確保した。
また、社会科の学習としては、食料自給率を高めるための取り組みを調べる過程で加
工者・消費者・生産者それぞれの立場で工夫があることを知った。その中で生産者の
取り組みとして、スマート農業に着目させ、ドローンの農薬散布へとつないだ。 ・ プログラミング教育の手引きに示された学習活動の分類に今回の授業をあてはめる
と →C分類(各学校の裁量により実施するもの)の授業になる。
【全体討議】 ・ ドローンのプログラムを考えながら、児童が試行
錯誤する様子が見られた。「こうじゃない?あーでは
ない。」といった対話が生まれていた。 ・ どうやったらうまく動くか、人間がモデルになっ
て動いて考える場面が見られた。 ・ 3 人グループで 1 台のドローンを操作していたが、
タブレットPCに触っていない児童でも一生懸命に
試行していたように感じた。 ・ 上手に動かない原因が「児童のプログラミング」
によるものなのか「機械トラブル」によるものなの
か見極める必要がある。もし、「機械トラブル」によ
るものであるならば、次の時間に再挑戦する時間を
設定することで、意欲を維持したい。 ・ 児童の振り返りの中に、最初はうまくいかなかったけれど、うまくいってうれしか
った、楽しかったという記述がたくさんあった。そこにプログラミングの面白さがあ
った。 ・ ワークシートが用意されていたので、どうすればドローンが効率よく動くことがで
きるか、まずはワークシート(紙)上で考えて、タブレットPC上で入力していった
らよかった。 ・ プログラミング教育でフィジカル教材を使うためにクリアしないといけない壁があ
る。1 点目が安全面である。ドローンが手や体にあたってけがをしないかといった視点
をもって指導する必要がある。2 点目が価格である。1 台が高いため、自校だけでは必
要台数を確保することが難しい。周辺の学校でシェアするなどの対策を考えないとい
けない。3 点目に時間である。今回の準備時間の大半を占めていたのが、設定や練習の
時間だ。いかにして短くできるか課題となる。
【指導】 (指導者 高松市総合教育センター 河田 祥司 指導主事) ・ 今回の授業の位置づけとして、メディア教育部会の
研究主題と関連して「情報活用能力の育成」に重点が
置かれている。情報活用能力には①基礎的スキル②情
報モラル③情報の科学的な理解(プログラミング)が
含まれている。 ・ 主張点を資質能力の観点から整理すると主張点①
(フィジカル教材を用いる理由)が「思考力・判断力・
表現力」等にあたり、主張点②(なぜドローンか)が「知識・技能」や「学びに向か
う人間性」にあたる。 ・ 社会科のねらいとプログラミングのねらいの合致した授業がいい授業である。今回
の場合は、「ドローン体験から生産者の立場の理解が促され、日本の食を守るために食
料生産に対する考えに変容が生まれたか」ということが大切になる。 ・ プログラミング教育では、「難しかったけれどおもしろい」と児童が思えるのが一番
成功している授業といえる。今回、児童の振り返りの中でそのような言葉がたくさん
出ていた。 ・ 教室付のパソコンでスクラッチを使える環境を整えていた。ゲームを作る児童がい
るなど、日常的に操作スキルを整える方策が考えられていた。ドローンも遊びで飛ば
しておくと、さらにスキルが向上する。 ・ 振り返り場面で「(ドローンでの農薬散布は)手作業と比べると楽だと思った。また、
友達とドローンを飛ばしたいです。」と発表した児童がいた。社会科の勉強とつなげら
れている児童がいることから、日ごろの指導により、児童が育っている。
高松北ブロック <研究授業>(授業者 高松市立牟礼小学校 辻 徹)
第3学年 算数科 「あまりのあるわり算」 ○主張点
・ あまりのあるわり算の計算をする際に必要となるアルゴリズムを整理し一般化する活動を
通して、児童のプログラミング的思考(論理的思考)を育成することができる。
・ 計算にはきまりがあることに気付き、様々な課題解決の場面で「きまりを見つけ活用する」
姿勢を身に付けることができる。
○本時の学習指導
(1)本時の目標
・ わり算の計算には、きまった手順があることに気づき、その手順を使って計算できる。
・ 手順を使う良さを味わい、他の場面でも手順やきまりを意識することができる。
(2)学習指導過程
(3)評価 ・ わり算の計算マニュアルを使って、わり算の計算や、そのあまりを正確に求めることがで
きたか。
・ 手順やきまりのよさに気づき、振り返ることができたか。 ○研究討議
【授業説明】
・ アンプラグドの実践に挑戦した。令和2年度からの本格実施に向けて「プログラミング的
思考」を育成するために、第3学年段階で扱うものとして、手順を示す「マニュアル」と条
件分岐の必要な「チャート」を取り入れた。 ・ 本単元は「小学校段階のプログラミングに関する学習活動の分類」の「B 学習指導要領
に例示されてはいないが、学習指導要領に示される各教科等の内容を指導する中で実施する
もの」にあたる。プログラミングに関する内容だけでなく、教科の学びをより確実にするこ
とを意識してデザインした。本時取り扱ったプログラミング的処理は、第4学年「わり算の
筆算」でも活用することができる。 【グループ討議】 <成果>
・ 普段の生活場面をフローチャートに表現する常時活動の
おかげで、児童はフローチャートに慣れ親しんでいた。 ・ ヒントカードが十分に用意されており、支援を要する児童
も取り組むことができた。 ・ 全体として、フローチャートにまとめることを楽しんで学
習する児童の姿が見られた。 ・ 算数科としての論理的思考が促されており、B 分類の実践
として、効果があった。 <課題>
・ ヒントカードに頼りすぎ、写すだけになってしまった児童
の姿があった。 ・ 本時でマニュアルとフローチャートの2つを扱うのは内
容が多すぎた。フローチャートに絞ると思考がすっきりした
のではないか。また、その良さを味わうところまでは至らな
かった。 ・ 本時であれば、フローチャートは、商を代入し、剰余と除
数を比較することで始めに戻るという処理を、1から順に全
ての値で行うことで正しい答えを導く図である。人間が見当
をつけて処理するのとは異なっており、その点を確認すべき
だった。 ・ 授業の冒頭、教師の間違いを指摘する場面で、児童になぜ
違うか考えさせ、言葉で整理しておくと、フローチャートの
条件分岐が書きやすかった。
〈児童の作ったフローチャート〉
〈全体で作ったフローチャート〉
【指導】 (指導者 高松市総合教育センター 大胡 賢太郎 指導主事) ○ プログラミング教育のねらい・分類
・ 「小学校プログラミング教育の手引き(第2
版)」で示されている概念や授業の分類を知っ
て、実践に移してほしい。 ・ エンジニアを育てることが目的なのではな
い。学びの支援のためにある。 ・ 言語能力、問題発見・解決能力等と同様に情
報活用能力が学習の基盤となる資質能力であ
る。 ・ プログラミング教育の分類として学校内外を
あわせてA からF まである。 ・ ICT 機器を使わないアンプラグド、ソフトウェアを使うビジュアル、ソフトウェアにロボ
ットを組み合わせたフィジカルがある。人間は指示の意図をくみ取って忖度してしまいがち
であり、正確なプログラムのためには機器を用いた学習も不可欠である。 ○ 授業について
・ 何のためにプログラミングをしているか明確にすることが必要。(「全員が正確に割り算を
できるような共通のルールを作ろう」など)
・ プログラムの組み方には3つのレベルがある。 ① 元々あるプログラムをそのまま使う。(インターネット上にスクラッチ用のプロ
グラムが配布されているものもある。) ② 元々あるプログラムを真似して作る。
③ 0から自分たちで作る。 本時は③のレベルだった。児童にとっては難しすぎたのではないか。既習のチャートを修
正するなど、レベルを下げることで、最後に児童が「いいものができた」と納得できるとよ
かった。
〈小学校プログラミング教育の手引き(第2版)より〉
〈グループワークの様子〉 〈実際の板書〉
高松南ブロック
<研究授業>(授業者 高松市立大野小学校 南 智之)
第1学年 道徳科「生活を見直そう」
○研究主題に迫る主張点
・ グループで絵の中のあぶないところについて話し合ったり、「この先、どんなことが起きるの
か」という点をクラス全体で共有したりすることで、公共の場でのきまりについて考えることがで
きる。また、「自分はどうだろうか」と振り返る時間を設けることで自分事として捉えることがで
きる。
○本時のねらい
・ 資料から公共の場での約束やきまりについて考え、しっかり守ろうとする意欲や態度を育てる。
指導にあたっては、情報モラルの基礎の部分である「モラル」の指導を充実させていく。個人で
資料の中のあぶないところに丸をつけさせ、ペアで交流させるようにする。全体交流の場面では丸
を付けたところを確認するとともに、「この先どんなことが起こるのか」を考えることを通して、
みんなが安心して生活するために必要な約束やきまりを守ることの大切さを実感できるようにす
る。資料の中には、スマートフォンやゲーム機を使っている人物が出てくる。小学校1年生の児童
の中には、扱ったことのない情報機器も多く存在するであろう。そこで、身の回りにある通信機能
を持った情報機器の写真を提示し、どのような使われ方があるのか児童とともに確認することで身
の回りにたくさんの情報機器があることに気づかせたい。また、公共の場での情報機器の正しい使
い方や家族とのきまりを守ることの大切さを児童とともに確認することで情報モラルの指導の一歩
になればと考えている。
○本時の学習指導案
○本時の学習の様子
○討議より
<成果>
・ 公園を使うルールと同じように、情報機器を使う際にもルールが必要だと分かった。
・ 資料や実生活の話をすることで、身の回りには多くの情報機器があることに気づくことができ
た。
・ 情報機器の写真や実物に触れたりすることで、より具体的に理解することができた。
・ 発達段階を踏まえた ICT 機器の操作などがない学習展開で、児童にも分かりやすかった。
・ 情報モラル教育のはじまりとして、様々なきまりがあることを知る学習となってよかった。
・ 身近な場面として公園を題材に取り上げていたのが効果的であった。
<課題>
・ 資料にある歩きスマホや DS(通信ゲーム)は、みんなが気持ちよく公園で過ごすために、良いのか
悪いのかはっきりとさせておくべきではなかったか。特に DS を公園でするのはなぜだめのなか。
・ ICT 機器を全ての児童が主体的に活用できる場を設定してほしい。
・ 公共の場での情報機器の使い方のルールの作成にあたっては家庭との連携が必要である。
・ 使い方によるマイナス面だけではなく、情報機器は便利なものだということもおさえたい。
・ 情報モラルについては、使う場所や時間などの視点があると考えやすかった。
・ 公共の場のマナーを含めた資料だったので、情報機器に絞り込むときに意識がつながらなかっ
た。
○指導 (指導者 高松市教育委員会 大胡 賢太郎 指導主事)
高松市 ICT 教育推進計画では、「ICT を主体的に活用することを通して、社会を豊かにできる人間
を育てる」を目的として、ICT を活用した新しい時代に必要な資質・能力の育成を目ざしている。そ
のために、①児童生徒の情報活用能力の育成、②教員の授業における ICT 活用能力の育成、③ICT 環
境の整備の3つの方策を通して目標の実現を目ざしている。世間からは ICT を活用し、未来を背負
う人材を育てるための教育が求められている。各教科の内容を身に付ける土台としても、情報活用能
力(プログラミング、基礎的スキル、情報モラル)が必要とされている。そのような中で、高松市では、
ICT 教育推進委員を立ち上げ、小学校 6名、中学校 5名の教員を中心としてどのような ICT 機器の活
用があるのかを提案している。高松市教育委員会では、情報活用能力を身に付けるための ICT 環境
の整備として、①高松型 5点セットの設置、②デジタル教科書、学習ツールの導入、③パソコン室の
PC のタブレット化を進めている。また、ICT 活用を促す研修会として、電子黒板活用研修会、授業が
変わるプレゼン作り研修会、プログラミング教育指導者養成研修会、タブレットを活用した学び合い
研修会、情報モラル教育研修会など、様々な研修会があるので、先生方には積極的に参加していただ
きたいと思う。本時の授業は児童の発達段階に合った ICT 機器を活用する授業であった。しかし、1
時間の中で行うには学習内容が多すぎたので、学びに深まりがなかったように思う。学習内容と授業
の組み立ては良かったので、2時間構成にすればよりよい授業になる。本時は情報活用能力の中で特
に、情報モラルについて取り上げていた。一般的なモラルと関連付けて、身近な生活場面からの導入
が効果的であったように思う。子どもたちの様子をみていると、先生が普段から ICT 機器を活用し
た学習活動を展開していることが伝わってきた。メディア教育を進めるためには、まず先生方から
ICT 機器を活用していってほしいと思う。次に子どもが活用できるように指導を進めることが望まし
い。メディア教育に関して、どのような教材を使ったらいいのかというご質問を受けるが、文部科学
省からも数多く教材が提供されている。現在、校務用パソコンで文部科学省が提供している映像教材
を YouTube から視聴することができるので、どんどん活用してほしい。最近、ネットいじめとして
「LINE」が取り上げられているが、LINE「SNS ノート」情報モラル編という教材が出ているので活用
してほしい。高松市は「スマートシティたかまつ」と銘打って、データを積極的に施策に活用しよう
としている。レンタサイクルに GPS をつけて観光客の滞在先を調査している。他にも水路や護岸に
水位センサーを付けて防災対策を行っている。高松市の未来を支える子どもたちのメディア教育を、
今ここにいる先生方が中心になって進めていっていただきたいと思う。
高松南ブロック
<研究授業>(授業者 高松市立林小学校 木戸隆也)
第4学年 社会科「水はどこから」
〇主張点
〇単元の目標
・ 地域で飲料水を確保するための事業や、それを含めた水道の循環などを具体的に理解するととも
に、地域を問わず上水環境の向上や節水のために尽くしてきた人々の工夫や想いにふれて、自分たち
の水利用の在り方について見つめ直す。
・ 地域の水事情について、地図や映像資料などメディアを活用して理解を深める。また学習成果を
どんな方法で表現するとよいか話し合い、実践に移す。
〇本時の目標
香川県の水事情が改善されたかどうか話し合うことを通して、香川県のかかえる問題に気付き、
資源としての水を大切にする取り組みの必要性を理解する。
(1)子どもの主体性を生み出す「選択」の場
話し合いのテーマに基づく立場を自分で選択することで、子どもたちの学びに対する主体性
が生み出されるだろう。自分の立場を示すということは、問題解決の見通しがもてている、つ
まり自分の意見をもっていることが前提となる。立場を選択する場を設定することで、子ども
全員の学びに向かう姿を生み出すことができるだろう。
(2)タブレット PC を用いての話し合い
(1)でも述べた、「選択」をタブレット上で行うことで、自分の意見の根拠となる資料を比
較・類別しながら話し合いに参加することができると考える。一つの意見だけでなく様々な意
見を聞いた後に、自分がどの立場であるか、似た意見はないかを視覚で捉えやすくすることで、
話し合いに参加しやすい環境を作ることができるだろう。
〇本時の学習指導案
〇研究討議
【授業説明】
本時までにタブレットを使って浄水場の方のお話を動画で観る活動を行った。繰り返し観ること
ができるという良さを感じた。
本時の学習では、「水を大事にする。」ということを到達点として授業に取り組んだが、社会科的
には不十分であったように思う。
ジャストスマイルの模造紙の付箋に「いいね。」機能があり、子どもたちの自己肯定感を高める
ためにも取り入れた。
【全体討議】
<成果>
・ どの児童も上手にタブレットを使うことができていた。電子黒板に映す時もスムーズにできてい
た。
・ タブレットの良さを生かして資料(写真やグラフ)を提示することができている。
・ 自分の意見が見えることで、意欲をもって取り組むことができている。
<課題>
・ 付箋の整理に時間がかかった。「いいね。」機能が人気投票になる恐れがある。
・ 話し合いでの交流不足を感じた。グループの人数も考える必要がある。
・ 自分の考えをタブレット上で変える時間をとれば、意識の移り変わりが分かってよい。
〇指導 (指導者 高松市総合教育センター 河田 祥司 指導主事)
情報活用能力は、全ての時間で育てることが大切である。そのためにも横断的な視点をもって取
り組むことが必要になってくる。そのために3つの方策を進めている。その3つの方策でこの授業
を考えてみると、
方策1 「児童生徒の情報活用能力の育成の視点から」
・ 基礎的スキルの習得(日常化)
・ 間違いを見つけて修正を促す。
・ 情報収集(必要な情報を集める)
・ 写真からその意味を考える。(関連付け、判断)
・ 突然のトラブルを回避するための方法を考える。
・ 自分の考えをPCを使って表す。
・ プレゼンに対して手元を見て考える。
・ 評価し合う。(称賛を瞬時に受けられる)
・ 「いいね。」の数により意見の良さの段階が見られる。
方策2 「教員の ICT 活用能力の育成」
・ グループの進行状況を電子黒板にライブで映す。
・ プレゼンや動画を流す。
方策3 「ICT 環境の整備」
・ 一人一台のタブレットと電子黒板→パソコン室のタブレット化、アクセスポイントを活用して取
り組んでほしい。
・ 画面が良く見えるように電気を消す。
・ 全体で話すときは PCを閉じる。
授業全体を通して、前半は個に応じた授業で、後半は一斉での授業になっていた。一斉授業では
ない個に応じた授業を参観する際には、実は参観しにくいものである。今回の授業は個に応じた授
業になっていた。
もう一つ進めて、個→全体→個でまとめることができると良い。そのためにも、まとめに入る前
に振り返りを行ってみるのはどうか。