ブルース 1.ブルースのフォーム(blues form) 2.ブ...
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ブルース
1.ブルースのフォーム(Blues Form)
ブルースは、奴隷としてアフリカからアメリカへ渡った黒人達から始まったと言われている。ブルースは発展してロックやジャズになった。
Ex.2
Ex.1
Ex.3
もっとも典型的なブルース・フォームは12小節で、初期にはメロディーは即興で歌われ、4小節単位のフレーズを3回歌ったのがその原型になっている。現在のロックやジャズでは12小節を2回かそれ以上繰り返してテーマとする。また、8小節や16小節のブルースも稀にある。
2.ブルースのハーモニー(Blues Harmony) ブルースではトニック・コードはⅠ7で、セブンス・コードになる。この7thの音はブルー・ノートと呼ばれる音の1つ。5、6小節はサブドミナントがくる。サブドミナントもセブンス・コードになる。
基本的なブルース進行
Ⅰ7
Ⅳ7
Ⅳ7 Ⅰ7Ⅴ7
Ⅰ7 Ⅳ7 Ⅰ7
Ⅳ7 Ⅰ7 Ⅴ7/Ⅱ
Ⅱm7 Ⅴ7 Ⅰ7 Ⅱm7 Ⅴ7
ジャズブルースの進行
Ⅰ7 Ⅳ7 Ⅰ7
Ⅳ7 #Ⅳdim7 Ⅰ7 Ⅲm7(♭5) Ⅴ7/Ⅱ
Ⅱm7 Ⅴ7 Ⅰ7 Ⅴ7/Ⅱ Ⅱm7 Ⅴ7
より複雑なジャズブルースの進行
Ⅰ7
3.ブルースのメロディ(Blues Melody)
Ex.4
1. A - A - Bタイプ
Ex.5
ブルースのメロディには、大きく分けて4つのタイプがある。一般的なブルースのメロディは4小節単位で進む。
初期のブルースのメロディは、5音階のスケールからできていた。これをブルース・ペンタトニック・スケールという。
2. A - A’ - Bタイプ
3. Riff(リフ)タイプ
4. スルー・コンポーズ・タイプ
Blues Pentatonic
Blues Scale
メジャー・スケールにはなく、ブルースのスケールに含まれる、♭3rd、#4th、♭7thをブルース特有の音としてブルー・ノート(Blue Note)という。
ブルースのメロディのスケールもハーモニーのように発展して複雑になった。現在一般的に使われているブルース・スケールは次の通り。
1~4小節目のメロディが全く同じか、ほぼ同じ形で5~8小節目に繰り返され、それと違った形のメロディが9小節目から現れるもの。
5~8小節目のメロディが1~4小節目のバリエーションであるもの。
4小節のフレーズがそのまま3回繰り返されるもの。
繰り返しやバリエーションが全くないもの。
ドミナント・コードの代理コード
ドミナント・コード・サウンドの特徴は、3度(3rd)と7度(7th)のトライトーンにある。
Ex.2
Ex.1
Ex.3
トライトーンのインターバルは、短6度(m6)に解決しようとする。
この例ではトライトーンのインターバルは、長3度(M3)に解決しようとする。目的のコードはEx.2同様Cmaj7。
Ex.4
Ex.3の譜例にD-Db-Cの半音階の動きを加えると、D♭7ができる。
G7とD♭7は、共通のトライトーンを持っているため、解決する方向も同じ。このような場合、G7とD♭7はお互いに代理コードの関係にあると言える。また、どちらも同じトライトーンを持っているので、「トライトーン・サブスティテューション(Tritone Substitution)」という。 すべてのセブンス・コードは同じ方法で代理コードに置き換えることができる。元のコードのルートの増4度上の音をルートするセブンス・コードが代理コードとなる。
C7 → G♭7 D7 → A♭7 E7 → B♭7 F7 → B7 G7 → D♭7 A7 → E♭7
1.代理コードのディグリー・ネーム
Ex.5
代理コードのディグリー・ネームは次のように表す。
ドミナント・セブンス・コードの代理コードは、ディグリー・ネームの前にsubを付けて区別する。またプライマリー・ドミナントの代理コードをsubⅤ7ではなく♭Ⅱ7と表す場合もある。代理コードを使うことによって半音進行になったツー・ファイブ、ドミナント・モーションは、実線ではなく破線を使う。
Ex.6
(1)プライマリー・ドミナントの代理コード
(2)セカンダリー・ドミナントの代理コード
(3)マイナー・キーのドミナントの代理コード
Ex.7
Cmaj7 A7 Dm7 G7 Dm7 D♭7 Cmaj7
Ⅰmaj7 Ⅴ7/Ⅱ Ⅱm7 Ⅴ7 Ⅱm7 subⅤ7 Ⅰmaj7(♭Ⅱ7)
Cmaj7 G♭7 Fmaj7 E♭7 Dm7 A♭7 G7 D♭7
Ⅰmaj7 subⅤ7/Ⅳ Ⅳmaj7 subⅤ7/Ⅱ Ⅱm7 subⅤ7/Ⅴ Ⅴ7 subⅤ7
Cm7 Dm7(♭5) D♭7 Cm7 Dm7(♭5) G7(♭9)
Ⅰm7 Ⅱm7(♭5) subⅤ7 Ⅰm7 Ⅱm7(♭5) Ⅴ7
2.リレイティッド・ツー・マイナー・セブンと代理コードEx.8
Ex.10
(1)上の譜例のⅤ7に代理コードを使ったもの
(2)D♭7のリレイティッド・ツー・マイナー・セブンを使ったもの
Ex.9
Ex.11
Dm7 G7 Cmaj7
Ⅱm7 Ⅴ7 Ⅰmaj7
Dm7 D♭7 Cmaj7
Ⅱm7 subⅤ7 Ⅰmaj7
A♭m7 D♭7 Cmaj7
A♭m7 G7 Cmaj7
RelatedⅡm7 subⅤ7 Ⅰmaj7
RelatedⅡm7 Ⅴ7 Ⅰmaj7
3.代理コードのコード・スケール
Ex.13
(2)Gオルタード
(3)D♭7リディアン♭7
Ex.12
一般的に代理コードには、リディアン♭7を使う。
GオルタードとD♭リディアン♭7は、スタートの音が異なるものの、構成音は同じになる。 リディアン♭7以外にもドミナント・セブンス・コードに使用可能なコード・スケールはすべて使用可能だが、前後のコード進行やメロディの兼ね合いで決定する。
(1)Gミクソリディアン
Ex.14