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1 ナノ複合粒子の新規製法と それを用いた複合材の製造方法 豊橋技術科学大学 工学部 物質工学系 准教授 武藤 浩行

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Page 1: ナノ複合粒子の新規製法と それを用いた複合材の製 …...1 ナノ複合粒子の新規製法と それを用いた複合材の製造方法 豊橋技術科学大学

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ナノ複合粒子の新規製法とそれを用いた複合材の製造方法

豊橋技術科学大学

工学部 物質工学系

准教授 武藤 浩行

Page 2: ナノ複合粒子の新規製法と それを用いた複合材の製 …...1 ナノ複合粒子の新規製法と それを用いた複合材の製造方法 豊橋技術科学大学

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新技術の概要

集積複合粒子

微構造制御複合材料

複合材料原料粉末機能性微粒子各種添加剤・・・・・・・・・

導電性セラミック高熱伝導セラミック耐熱衝撃セラミック・・・・・・・・・

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•研究背景従来法における問題点微構造制御ナノ複合材料の概念

•ナノ複合粒子の新規製造法交互吸着法の概要ナノ複合粒子(集積複合粒子)の作製例

•集積複合粒子を用いた複合材料製造例(アルミナ-炭素微小球)特性発現の実例(機械・電気的特性)

新技術の概要

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想定される用途

• 平面・立体面への微粒子ナノコーティング集積ナノ複合粒子

高表面積複合粒子→触媒、太陽電池多元複合化→各種添加物

• 微構造制御ナノ複合材料高分散型、連続層導入型

構造材料→高強度・靱性、弾性率制御、耐熱衝撃

機能材料→高熱伝導性、電気導電性

*材料を選ばず、金属、セラミック、高分子への適用が可能である

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研究背景

Nano grain

Matrix grain

ナノ複合材料

ナノ添加物がどのようにマトリックス内に存在するかが、特性発現には重要

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研究背景2

(a) (b)

高機能化のための微構造デザイン

任意微構造を制御(創製)することが重要

高分散型 連続層導入型

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従来技術とその問題点

機械的混合メディアからの汚染

生産量が制限

特殊装置を必要とする

微構造のデザインができない

コロイド法スラリー調整に知識が必要

微構造デザインに不向き

g rin d in g p o tb a ll

s a m p le

d is k

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• 安価で短時間

• 汎用性が高い

• 生産性の高い

• 微構造をコントロール

できる複合材料製造法の確立

本技術が目指すもの

新技術の内容

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新技術の内容

微構造制御ナノ複合材料の製造コンセプト(a) (b) (c) (d)

(e) (f) (g) (h)

集積複合粒子の調製→ナノ複合材料

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新技術の内容

(a-1)

(b-1)

(a-2) (a-3)

(b-2) (b-3)

集積複合粒子からの微構造制御イメージ

集積複合粒子の構造を反映した微構造を有するナノ複合材料

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交互吸着法

高分子電解質 +

+ +++

高分子電解質-

---

-

--

--

--

-

- ---

-

- - - - - - - -

+ + +++

+

++

+ + +++ +

-- -

---

静電相互作用

高分子電解質-

---

-

高分子電解質 +

+ +++

- -- -

- -- -

-

- - - - - - -

+ + +

-

-- - - - - - -

---

-

+ + +++ +

++ ++ +

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ZrO2 – Al2O3

SiO2 – Al2O3

Al2O3 – C

Al2O3 – ZrO2

マトリックス粒子添加物粒子 添加物粒子

マトリックス粒子SiO2 – SiO2

本技術を適用した例

新技術の内容

いかなる組み合わせも可能

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造粒アルミナ 炭素微小球

集積複合粒子作製の一例

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-----

-

DS-31

LbL

[ PSS / PDDA / PSS]集積複合粒子

CMS

LbL

[ PDDA / PSS / PDDA]

焼結

++ +

++ 複合材料

複合材料作製フロー

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0 2 4 6

-50

0

50

Number of Layers

ζ- p

oten

tial [

mV]

--

-

- ---

-

- - - - - - - -

+ + +++

+

++

+ + +++ +

-- -

---

Surface - PSS/PDDA

-

- - - - - - -

+ + +

-

-- - - - - - -

---

-

+ + +++ +

++ ++ +

Surface – PDDA/PSS

○ : Al2O3

● : CMS○, ● : PSS coated○, ● : PDDA coated

AA

B B

粒子の表面電荷制御

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QCM substrate

polyelectrolyte

CMS

QCM image

++

++

++

0 5 100

10

20

30

40

50

Wei

ght o

f ads

orpt

ion

[μg/

cm2 ]

Number of layers

Untreated LbL PSS PDDA CMS

ナノ粒子の吸着例

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15 μm15 μm

(a) (b)

高分子電解質処理あり 高分子電解質処理なし

炭素アルミナ

+ =交互吸着

提案する手法の有用性

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2 μm100 μm

+

複合粒子の製造例(アルミナ+炭素)

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微構造制御複合材料(アルミナ+炭素)

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C vol.% R[Ω・m] ρ[g/cm3]Density[%]

Alumina 0 ∞ 3.94 98.5Comp #1 0.7 0.55 3.82 95.9Comp #2 1 0.21 3.86 97.0

アルミナ+炭素複合材料の諸物性電気伝導性

弾性率 表面損傷抵抗

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複合粒子の製造例

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新技術の特徴

• 従来技術の問題点であった、汚染、分散性、汎用性、低価格、量産性、、、が解決できた。

• 集積複合粒子を用いることで、任意の微構造を有する複合材料が製造できた。

• 微量の添加物で、セラミックに導電性、破壊損傷抵抗を付与できた(アルミナ-炭素)。

• 本技術は、汎用性が高く、種々の材料に適用可能である(組み合わせ次第)。

従来技術との比較

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実用化に向けた課題

• 現在、集積複合粒子の調製において、高分子電解質、添加物の被覆は、バッチ式である。

• 添加物を高分子電解質中にあらかじめ高分散させる必要がある。

高分子電解質 +

+ +++

高分子電解質-

---

-

--

--

--

-

- ---

-

- - - - - - - -

+ + +++

+

++

+ + +++ +

-- -

---

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企業への期待

• 連続式処理装置の開発

• 必要とする複合材料(組み合わせ)の提案形態:ナノ粒子、ゾル、ファイバー、ナノチューブ、ナノシート

材料:アルミナ、ジルコニア、炭素、シリカ、チタニア、窒化アルミ

• 種々の材料(セラミック、金属、高分子)への展開

集積粒子:粉体、化粧品、食品、塗料メーカー等

複合材料:セラミック素材メーカー等との共同研究を希望

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本技術に関する知的財産権

• 発明の名称 :セラミック複合粒子の製造法および

機能性セラミック複合材料

• 出願番号 :特願2008-235772• 出願人 :国立大学法人豊橋技術科学大学、

兵庫県立大学、

国立大学法人名古屋大学

• 発明者 :武藤浩行、松田厚範、逆井基次、

大幸裕介、片桐清文

関連特許や技術移転については、

とよはしTLOにお問合せくださいPhone: 0532 - 44 - 6975 FAX: 0532 - 44 - 6980Mail: [email protected] 担当: 技術移転アソシエイト 白川正知