注射オーダの留意点と抗菌薬適正使用について...注射オーダの留意点と抗菌薬適正使用について...

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注射オーダの留意点と抗菌薬適正使用について 平成26年度 モーニングセミナー 平成2662日(月) 薬剤部 黒川 幹夫

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Page 1: 注射オーダの留意点と抗菌薬適正使用について...注射オーダの留意点と抗菌薬適正使用について 平成26年度 モーニングセミナー 平成26年6月2日(月)

注射オーダの留意点と抗菌薬適正使用について

平成26年度 モーニングセミナー

平成26年6月2日(月)

薬剤部 黒川 幹夫

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生食注2ポート (バイアル専用)

注射オーダの留意点

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事例1(生食2ポートについて)

生食2ポート 100mL 生食 100mL

クリダマシン(アミカシン) クリダマシン(アミカシン)

クリダマシン、アミカシンはアンプル

生食2ポート 100mL 生食 100mL

セフメタゾールNa 0.5g セフメタゾールNa 0.5g

セフメタゾールNaは1gバイアル

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事例2(複数規格組み合わせ)

生食20mL 35mL 生食50mL(110円) 35mL

生食20mL 2A(122円)より生食50mLの方が安価

プレドニン50mg 25mg プレドニン20mg 20mg

プレドニン10mg 5mg

プレドニン50mg(490円)で請求される

)=329円

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事例3(オーダー単位に注意!)

ノイロトロピン 3A ノイロトロピン 1A(3mL)

ソルデム3A 1mL ソルデム3A 500mL(1本)

A、mLなどの単位に注意

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事例4 (エルネオパについて)

エルネオパ2号 1袋 エルネオパ2号 1袋

エレメンミック 1筒 エレメンミック削除

エルネオパには微量元素が配合されている

エルネオパ2号 1袋 エルネオパ2号 1袋

50%ブドウ糖 200mL 50%ブドウ糖 200mL

コメント:薬剤部で調製 コメント削除

エルネオパに50%ブドウ糖200mLを混合するにはエルネオ

パの隔壁を開通させる必要があり、前日調製ではビタミン

の安定性が保証されない

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事例5(定型コメント)

薬剤部で調製・・・・・Rp定型コメントで

フリーコメントで入力すると通常の入院注射で受付さ

れるので、コメントを見逃す恐れがある

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事例6(バック製剤)

セファゾリンNa1gバッグ 1組 セファゾリンNa1gバッグ 1組

生食2ポート100mL

セファゾリンNa1gバッグには生食100mLが付いている

他にもセフォチアムバック

ザイボックス注射液 600mg(300mL) ザイボックス注射液 600mg

生食100mL

ザイボックス注射液は液剤なので生食は必要なし

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事例7(投与方法)

ソルデム3A 500mL ソルデム3A 500mL

プリンペラン 1A プリンペラン 1A

コメント:プリンペランは側管より

プリンペランは30分以内に投与しないと効果が期待できない

ソルデム3A 200mL ソルデム3A 500mL

ビクロックス 750mg ビクロックス 750mg

ビクロックス 250mg 1A10mLあたり100mL以上の輸液で希釈したほうが、結晶析出による腎尿細管閉塞が起こりにくい

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事例8(安定性)

生食100mL 5%ブドウ糖100mL

フェジン40mg フェジン40mg

フェジンは電解質溶液と混合すると含糖酸化鉄のコロイド粒

子が凝集し、沈殿する

前後フラッシュも5%ブドウ糖20mLでお願いします。

※フェジン静注40mg(フラッシュ5%ブドウ糖要)

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事例9(配合変化)

Rp)生食50mL Rp)生食50mL

オメプラゾール注 1V オメプラゾール注 1V

Rp)生食20mL

オメプラゾールフラッシュ用

オメプラゾール注を溶解した液は強アルカリ性であり、他剤と

の接触で沈殿生成、着色など配合変化が多い

※ オメプラゾール注(フラッシュ生食20要)

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事例10(配合変化)

Rp)ソルデム3A 500mL Rp)ソルデム3A 500mL

ナファモスタット注 30mg ナファモスタット注 30mg

Rp)注射用蒸留水20mL

ナファモスタット溶解用

ナファモスタット注を直接ソルデム3Aで溶解するとナファモス

タットとソルデム3A中の塩素イオンが反応して塩酸ナファモ

スタットが生成され沈殿を生じる。 5%糖 水で完全溶解後

→希釈

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事例11(配合変化)

生食100mL 生食50mL

アレビアチン注125mg アレビアチン注125mg

アレビアチン注は強アルカリ性にすることで水溶液となってい

る。1A(250mg)あたり100mL以上の生食で希釈すると、pH低

下による沈殿が生じる。

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事例12(相互作用)

デパケン細粒(バルプロ酸) デパケン細粒

カルベニン点滴用 セフォン静注用

併用禁忌 クリダマシン注

カルベニンが肝臓での加水分解酵素阻害でデパケンの血中

濃度が低下し、てんかんの発作を再発することがある。

メロペン.他のカルバペネム抗菌薬も併用禁忌

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抗菌薬適正使用

竹田城址

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抗菌薬適正使用に関する病院機能評価

○ 抗菌薬の適正使用を促進させるための仕組みと活動を評価する。

1. 抗菌薬の採用・削除に関する検討

2. 院内における分離菌感受性パターンの把握

3. 抗菌薬の適正使用に関する指針の整備

4. 抗菌薬の使用状況の医師への定期的なフィードバック

5. 起炎菌・感染部位の特定

2.1.10 抗菌薬を適正に使用している

評価の要素

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抗菌薬適正使用に関する病院機能評価

○ 抗菌薬の適正使用を促進させるための仕組みと活動を評価する。

1. 抗菌薬の採用・削除に関する検討

2. 院内における分離菌感受性パターンの把握

3. 抗菌薬の適正使用に関する指針の整備

4. 抗菌薬の使用状況の医師への定期的なフィードバック

5. 起炎菌・感染部位の特定

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新電子カルテでは、抗菌薬オーダ時に使用届が完了します。

現在、コンテンツから使用届を発行していましたが

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届出抗菌薬適正使用システム

• VCM TEIC

• ABK オーダー時連絡

TDM関連抗菌薬の 開始報告

• 届出抗菌薬継続10日で連絡

届出抗菌薬の長期使用報告

病棟薬剤師

19

主治医

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抗菌薬適正使用症例

20

病棟薬剤業務でVCMのTDMでの介入例

LZDのモニタリングで副作用回避症例

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抗菌薬適正使用チェック表

日付

病棟 患者名 ID 年齢 科 主治医名抗菌薬 投与量/日開始日 感染部位  起炎菌

担当薬剤師確認  印

抗菌薬適正使用チェック表

抗菌薬適正使用チェック項目□:培養検査オーダーがされている□:薬剤感受性(Antibiogram)に基づいて抗菌薬が選択されている□:PK/PDを考慮した投与が行われている□:抗菌薬の効果判定が適宜行われ、漫然とした抗菌薬の使用が継続されていない□:TDMが適正に行われている

コメント

□:医師にフィードバックできている         注意!チェック後薬事課へ

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感染対策委員会報告のフィードバック

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900 キュビシン 350mg ※

ザイボックス 600mg ※

バクトロバン軟膏3g

テイコプラニン200mg ※

塩酸バンコマイシン0.5g※

アルベカシン100mg ※

フィニバックス0.5g ※

メロペン0.5g ※

カルベニン0.5g ※

セフェピム1g

オメガシン0.3g ※

モベンゾシン1g

シプロフロキサシン300mg

パシル500mg

クラビット500mg

届出抗菌薬使用量 (2014年4月)

※議事録にPDFで添付

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抗菌薬適正使用に関する病院機能評価

○ 抗菌薬の適正使用を促進させるための仕組みと活動を評価する。

1. 抗菌薬の採用・削除に関する検討

2. 院内における分離菌感受性パターンの把握

3. 抗菌薬の適正使用に関する指針の整備

4. 抗菌薬の使用状況の医師への定期的なフィードバック

5. 起炎菌・感染部位の特定

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菌 名

菌数

ペネシリンG

ビクシリン

ペントシリン

ピシリバクタ

セフ

ァゾリン

セフォタ

ックス

モベンゾシン

イミペネム

メロペン

シプロキサン

タリビ

ット

アミカシン

ゲンタシン

ホスミシン

クリンダマシン

テイコプラニン

バンコマイシン

黄色ブドウ球菌(MSSA) 217 100 75 100 100

黄色ブドウ球菌(MRSA) 158 100 100

Enteroccus faecalis 腸球菌 110 96 100 85 99

Enteroccus feacium 44 85 100

Enteroccus avium 16 70 85 90 100

肺炎球菌(PSSP) 96 100 100 100

肺炎球菌(PISP) 123 84 79

肺炎球菌(PRSP) 92 75 55

A群連鎖球菌 2 100 100

B群連鎖球菌 33 99 100

大腸菌 252 60 65 84 99 96 100 81 81 100 88

Citrobacter freundii 33 78 82 93 100 100 100 100 100

肺炎桿菌 82 79 93 100 99 100 99 99 100 99

Klebsiella oxytoca 41 62 81 80 100 97 100 95 98 100 100

Enterobacter cloacae 60 57 61 77 92 100 97 98 98 98

Enterobacter aerogenes 13 82 94 100 100 100 100 100 100

セラチア 15 95 86 98 100 90 93 100 98

Proteus mirabilis 21 71 69 90 98 98 98 88 90 100 100

Proteus vulgaris 5 100 75 100 100 100 100 100 100

Morganella morganii 15 96 96 100 96 100 100 100 100

緑膿菌 131 92 86 64 67 86 68 99 75

Stenotrophomonas maltophilia 41 59

総合計菌数 1600

グラム陽性球菌

グラム陰性桿菌

91~100%の感受性

71~ 90%の感受性

51~ 70%の感受性

主な分離菌の感受性率(antibiogram)

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