リサイクル炭素繊維の省エネルギー 連続回収プロセスの開発 ·...

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戦略的省エネルギー技術革新プログラム フェーズ名:実用化開発 リサイクル炭素繊維の省エネルギー 連続回収プロセスの開発 事業実施法人名:カーボンファイバーリサイクル工業(株) 共同研究先:岐阜大学 研究開発期間:平成26年9月~平成29年2月

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Page 1: リサイクル炭素繊維の省エネルギー 連続回収プロセスの開発 · 2-2.研究開発内容 (1)前処理条件選定 confidential カーボンファイバーリサイクル工業㈱

戦略的省エネルギー技術革新プログラムフェーズ名:実用化開発

リサイクル炭素繊維の省エネルギー連続回収プロセスの開発

事業実施法人名:カーボンファイバーリサイクル工業(株)共同研究先:岐阜大学

研究開発期間:平成26年9月~平成29年2月

Page 2: リサイクル炭素繊維の省エネルギー 連続回収プロセスの開発 · 2-2.研究開発内容 (1)前処理条件選定 confidential カーボンファイバーリサイクル工業㈱

<位置付け、必要性、重要性>①CFRP需要拡大に伴う廃棄物量の増大②CFRPのリサイクル技術が未確立(現在 埋立)③炭素繊維製造は、エネルギー多消費型 → 省エネが必要

<市場動向>・比重は鉄の1/4、軽くて強く、高剛性 → 航空機、自動車用途などの産業用途に急成長

<国内外の技術動向>・熱分解法(炭素繊維協会法など):ミルド炭素繊維回収(用途が狭い)・溶解法:マトリックス樹脂などに制限を受ける・当社法:CFRP廃材自身のエネルギーを利用する2段階熱処理法

→ 素材の制限を受けず、低エネルギーで繊維状の炭素繊維を回収

1-1.研究開発の背景

CONFIDENTIAL

カーボンファイバーリサイクル工業㈱

技術分類 熱分解法 熱分解法 常圧溶解法 超臨界流体法 亜臨界流体法

研究機関カーボンファイバーリサ

イクル工業炭素繊維協会 日立化成工業 静岡大学 熊本大学

処理可能な樹脂の種類

熱分解性(非毒性)樹脂全て

熱分解性(非毒性)樹脂全て

エステル系 エステル系 エステル系

回収物 炭素繊維(長繊維) 炭素繊維(ミルド)炭素繊維(長繊維)

樹脂分解物炭素繊維(長繊維)

樹脂分解物炭素繊維(長繊維)

樹脂分解物

温 度 500℃ 500~700℃ 100~200℃ 250~300℃ 300~400℃

圧 力 常圧 常圧 常圧 5~10MPa 1~4MPa

前処理 なし 粉砕 なし 粉砕 なし

規 模 1,800トン/年(実用化)700トン/年

(パイロット試験)12トン/年 ラボスケール ラボスケール

国内の炭素繊維リサイクル技術

CONFIDENTIAL

カーボンファイバーリサイクル工業㈱

国 名 英 国 ドイツ 米 国

技術分類 熱分解法(ミルド)マイクロ波熱分解

流動層処理熱流体処理

熱分解法詳細不明

端材のインプラント回収

真空熱分解低温流体処理高温流体処理

マイクロ波熱分解

研究機関ELG Carbon

FibreUniv.of Nottingham CarboNXT Faser Institut

Adherant

Technologies

Firebird Advanced

Materials

エネルギー必要量

△ △ △ - △ △

規 模 1,000トン/年 実用化検討中 1,000トン/年 研究レベル パイロットプラント パイロットプラント

海外の炭素繊維リサイクル技術

エネルギー必要量:◎少<△<×多

国内の主要技術 海外の主要技術炭素繊維の生産量と市場規模(世界)

出典:経済産業省資料

1

Page 3: リサイクル炭素繊維の省エネルギー 連続回収プロセスの開発 · 2-2.研究開発内容 (1)前処理条件選定 confidential カーボンファイバーリサイクル工業㈱

1-2.研究開発の目的、目標

<従来の課題>

・CFRPリサイクル技術が未確立(現在 埋立)・炭素繊維製造は、エネルギー多消費型

<目的、目標>

・廃材自身のエネルギーを利用した省エネCFRP再生技術開発(新品炭素繊維製造エネルギーの1/30

以下)(航空機・自動車等の大型廃材を処理可能で、かつ、CFRPに再利用可能な繊維状炭素繊維の回収が

可能な技術)・再生炭素繊維の品質確保に必要な品質管理技術の開発・実用化のための事業化設備の設計

5

CONFIDENTIAL

カーボンファイバーリサイクル工業㈱

CFRP廃材樹脂熱分解

(炭化)

残留炭素除去

(焼成)再生炭素繊維

(繊維状)

樹脂熱分解ガスの燃料利用 残留炭素燃焼熱の燃料利用

プロセスの特徴・廃CFRPの持つ樹脂のエネルギーを利用

→省エネかつ経済的(エネルギー原単位8.5MJ/kg-CF)(新品炭素繊維製造エネルギー:290MJ/kg-CF、既存熱分解法再生炭素繊維:48MJ/kg-CF)・CFRP廃材中の炭素繊維を繊維状のままで回収→炭素繊維の機能を活かせるので用途が広い

・厚手塊状物を処理できる

炭素繊維リサイクル技術の特長

残留炭素除去(焼成炉)

樹脂熱分解(炭化炉)

樹脂熱分解ガスの燃料利用

開発技術(2段階熱処理法) 2

Page 4: リサイクル炭素繊維の省エネルギー 連続回収プロセスの開発 · 2-2.研究開発内容 (1)前処理条件選定 confidential カーボンファイバーリサイクル工業㈱

2-1.研究開発体制

共同実施先

研究開発責任者

カーボンファイバーリサイクル工業株式会社①前処理条件選定②炭化装置の省エネ③焼成装置の省エネ④品質管理技術確立⑤作業環境改善⑥全体システムの概念設計

岐阜大学①再生炭素繊維とその成形品の特性評価②エネルギー収支解析③微粒子の健康影響評価

3

Page 5: リサイクル炭素繊維の省エネルギー 連続回収プロセスの開発 · 2-2.研究開発内容 (1)前処理条件選定 confidential カーボンファイバーリサイクル工業㈱

2-2.研究開発内容

(1)前処理条件選定

CONFIDENTIAL

カーボンファイバーリサイクル工業㈱

実用化開発フェーズ/リサイクル炭素繊維の省エネルギー連続回収プロセスの開発

28

厚手塊状プリプレグ

厚手高圧容器(フィラメントワインディング廃材)

粉砕不能な厚手塊状廃棄物の例(当社得意処理技術)

実用化開発フェーズ/リサイクル炭素繊維の省エネルギー連続回収プロセスの開発

28

厚手塊状プリプレグ

厚手高圧容器(フィラメントワインディング廃材)

粉砕不能な厚手塊状廃棄物の例(当社得意処理技術)

ストリンガー(補強用縦通材)

厚手塊状プリプレグ

厚手高圧ガス容器(フィラメントワインディング廃材)

再生炭素繊維

CFRP廃材と再生炭素繊維

・バッチ式炭化炉⇒粉砕が困難な厚手大型CFRP廃材を塊状の

ままで処理可能(開発目標達成)

・CFRPと金属との接着成形物も解体せずに処理可能

(樹脂の熱分解後に金属を容易に分離できる)

多様なCFRP廃材 4

Page 6: リサイクル炭素繊維の省エネルギー 連続回収プロセスの開発 · 2-2.研究開発内容 (1)前処理条件選定 confidential カーボンファイバーリサイクル工業㈱

2-2.研究開発内容

(2)炭化装置の省エネ

発生した可燃性ガスを再利用

新品の80%の強度

を目指す

省エネのポイント

①樹脂の熱分解時に炭化炉で発生する可燃性ガスを加熱ボックスの外側から間接加熱の熱源に利用

②焼成炉で残留炭素の燃焼熱を利用して加熱用電気代を大幅に低減

世界最高の省エネ性と経済性を実現

炭化炉の灯油消費量

50%減

焼成炉の電気代70%減

1kgを取り出す燃料費は製造時の

1/30に

省エネを実現する炭化炉1次加熱:炭化炉

2次加熱:焼成炉

加熱ボックス

送風機

CFRP廃材

補助バーナー

低温燃焼 高温燃焼

達成したエネルギー原単位:炭化5.2MJ/kg-CF+焼成2.2MJ/kg-CF+その他(切断・分級)1.1MJ/kg-CF=計8.5MJ/kg-CF開発目標値達成

・CFRPマトリックス樹脂の熱分解ガスを燃料として利用

・運転条件、加熱方法の改善

炭化炉消費灯油消費量の従来比50%低減を実現

(開発目標達成)

炭化炉構造

炭化炉外観 5

Page 7: リサイクル炭素繊維の省エネルギー 連続回収プロセスの開発 · 2-2.研究開発内容 (1)前処理条件選定 confidential カーボンファイバーリサイクル工業㈱

2-2.研究開発内容

(3)焼成装置の省エネ

焼成炉外観

・排熱の有効利用・装置、運転条件の改善

焼成炉電気代の従来比70%低減を実現(開発目標達成)

予備加熱帯 予熱帯 燃焼帯 冷却帯

入口⇒ ⇒出口

図 焼成ネットキルン炉内気流のコントロール図(本年度改造箇所)

昨年度(平成27年度)

本年度(平成28年度)

:炭化炉排ガス熱交換熱風吹込

:焼成炉残存炭素燃焼排ガス吹込

改造

図 焼成ネットキルン炉内気流のコントロール図(本年度改造箇所)

昨年度(平成27年度)

本年度(平成28年度)

:炭化炉排ガス熱交換熱風吹込

:焼成炉残存炭素燃焼排ガス吹込

改造

焼成炉構造(ネットキルン)

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Page 8: リサイクル炭素繊維の省エネルギー 連続回収プロセスの開発 · 2-2.研究開発内容 (1)前処理条件選定 confidential カーボンファイバーリサイクル工業㈱

2-2.研究開発内容

(4)品質管理技術確立 開発目標達成

品質特性 導入した評価法

解 繊 度 透過光画像解析法

繊 維 形 態 走査型電顕

繊維長分布 スキャナー撮影画像パソコン自動分析法

残留炭素量 熱天秤法

強 度 オートサンプラー付きオートグラフ

その他1.運転操作マニュアル2.品質管理体系3.製品来歴データ管理システム(トレーサビリティー管理)

7

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2-2.研究開発内容

(5)作業環境改善スポット吸引等の工程改善により

粉塵管理濃度≦厚生労働省粉塵管理濃度基準(開発目標達成)

35炭素繊維健康影響評価 (岐阜大学)

マウスの気管と腹腔に再生炭素繊維含有生理食塩水を直接注入(4mg-CF/mL))

腹腔内注入試験:カーボンナノチューブの発ガン性が約1ヶ月の試験で確認

図10 腹腔内に各炭素繊維を注入後11週目に開腹した。

上部は、開腹写真、下部は肝臓の写真である。部分的に炭素繊維の付着が観察される。

溶媒炭化後 焼成後 バージン

溶媒のみ 新品繊維 炭化後 焼成後上部:開腹写真、下部:肝臓

腹腔内注入試験(11週後)

溶媒 炭化後 焼成後バージン1 mm

図5 リサイクル炭素繊維関連試料の気管内注入試験後の肺切片写真

各組織切片画像は上方が腹側で下方が背側黒棒と赤棒は切片の位置を示している。変化の見られるところは、赤枠で囲んだ。

組織変性は認められなかった。

A バージン B 炭化後 C 焼成後

図6 各処理群の溶媒群と比較した遺伝子発現解析

各群の各遺伝子発現量について、溶媒群の遺伝子発現量と比較した。横軸は溶媒群の遺伝子発現量で、縦軸が、バージン、炭化後、焼成後、各処理の各遺伝子発現量をプロットした。

遺伝子発現解析のスキャタープロットから大きな遺伝子の変動はないものと推定

新品繊維 炭化後 焼成後

各群の各遺伝子発現量について、溶媒群の遺伝子発現量と比較。横軸:溶媒群の遺伝子発現量、縦軸:新品繊維、炭化後、焼成後の各遺伝子発現量

遺伝子発現解析

組織学的評価

溶媒のみ 新品繊維 炭化後 焼成後

上方:腹側、下方:背側 黒棒と赤棒は切片の位置

気管内注入試験(6カ月後)

1mm

図10 腹腔内に各炭素繊維を注入後11週目に開腹した。

上部は、開腹写真、下部は肝臓の写真である。部分的に炭素繊維の付着が観察される。

溶媒炭化後 焼成後 バージン

図10 腹腔内に各炭素繊維を注入後11週目に開腹した。

上部は、開腹写真、下部は肝臓の写真である。部分的に炭素繊維の付着が観察される。

溶媒炭化後 焼成後 バージン

遺伝子発現解析

炭素繊維健康影響評価(岐阜大学)

スポット吸引

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Page 10: リサイクル炭素繊維の省エネルギー 連続回収プロセスの開発 · 2-2.研究開発内容 (1)前処理条件選定 confidential カーボンファイバーリサイクル工業㈱

2-2.研究開発内容

(6)全体システムの概念設計

背景の色、アイコンは側で調整致します。 世界最高レベルの省エネCFRPリサイクル技術を開発

プロジェクト実施者 カーボンファイバーリサイクル工業(株)、共同研究先:国立大学法人岐阜大学

プロジェクト実施期間 2014~2017年度

英数字は半角、カタカナは全角、年号は西暦標記で統一ください。

炭素繊維複合材料(CFRP)から、再使用可能な繊維状の炭素繊維を低いエネルギーで回収する技術を工業的規模で開発。

事業化:再生炭素繊維と加工製品販売、高品質廃材ノ安定的確保

研究開発:顧客ニーズに合致した開発

事業化規模のCFRP省エネ回収技術開発

事業概要 成果

廃材のエネルギーを利用して省エネ化に成功

事業基盤確立と顧客動向に密着した研究開発

今後の展望

省エネ効果量(万kL/年)=指標A×B(原油換算)

事業化開始2017年度

廃材自身のエネルギーを利用して省エネCFRP再生技術を工業的規模で開発。航空機・自動車等の大型廃材も処理可能。

(20pt、35文字程度、リーフレットと同じものを記載)

2020年 2030年指標A

(kL-原油/トン-CF)7.38 7.38

指標B(トン-CF/年)

4,800 29,500

原油換算省エネ効果(万kL/年)

3.54 21.8

発生した可燃性ガスを再利用

新品の80%の強度

を目指す

省エネのポイント

CFRP から炭素繊維を回収する工程は、炭化炉での熱分解と、焼成

炉での残留炭素除去に大きく分けられる。

省エネ化のカギを握るのは樹脂を熱分解した時に炭化炉で発生する

可燃性ガス。これを加熱ボックスの外側から間接加熱の熱源に利用す

れば、追加燃料の投入が不要となり、大幅なコスト削減を実現できる。

また、焼成炉で残留炭素の燃焼熱を利用すれば、その加熱用電気代

を大幅に低減できる。

世界最高の省エネ性と経済性を実現

炭化炉の灯油消費量

50%減

焼成炉の電気代70%減

1kgを取り出す燃料費は製造時の

1/30に

省エネを実現する炭化炉1次加熱:炭化炉

2次加熱:焼成炉

加熱ボックス

送風機

CFRP廃材

補助バーナー

低温燃焼 高温燃焼 チョップド繊維(射出成形、不織布原料)

撚 糸(一軸配向成形材、織物状成形材料)

炭素繊維紙(湿式不織布)

炭素繊維不織布(乾式不織布)

深絞り成形品(抄造法)

構造材(樹脂注入成形法)

CONFIDENTIAL

カーボンファイバーリサイクル工業㈱

実用化開発フェーズ/リサイクル炭素繊維の省エネルギー連続回収プロセスの開発

28

厚手塊状プリプレグ

厚手高圧容器(フィラメントワインディング廃材)

粉砕不能な厚手塊状廃棄物の例(当社得意処理技術)

実用化開発フェーズ/リサイクル炭素繊維の省エネルギー連続回収プロセスの開発

28

厚手塊状プリプレグ

厚手高圧容器(フィラメントワインディング廃材)

粉砕不能な厚手塊状廃棄物の例(当社得意処理技術)

ストリンガー(補強用縦通材)

厚手塊状プリプレグ

厚手高圧ガス容器(フィラメントワインディング廃材)

再生炭素繊維

CFRP廃材と再生炭素繊維

多様なCFRP廃材を処理可能な省エネ炭素繊維回収技術

発生した可燃性ガスを再利用

新品の80%の強度

を目指す

省エネのポイント

CFRP から炭素繊維を回収する工程は、炭化炉での熱分解と、焼成

炉での残留炭素除去に大きく分けられる。

省エネ化のカギを握るのは樹脂を熱分解した時に炭化炉で発生する

可燃性ガス。これを加熱ボックスの外側から間接加熱の熱源に利用す

れば、追加燃料の投入が不要となり、大幅なコスト削減を実現できる。

また、焼成炉で残留炭素の燃焼熱を利用すれば、その加熱用電気代

を大幅に低減できる。

世界最高の省エネ性と経済性を実現

炭化炉の灯油消費量

50%減

焼成炉の電気代70%減

1kgを取り出す燃料費は製造時の

1/30に

省エネを実現する炭化炉1次加熱:炭化炉

2次加熱:焼成炉

加熱ボックス

送風機

CFRP廃材

補助バーナー

低温燃焼 高温燃焼

多様なCFRP廃材

再生炭素繊維製品

新品炭素繊維製造エネルギーの1/30実現(開発目標達成)

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Page 11: リサイクル炭素繊維の省エネルギー 連続回収プロセスの開発 · 2-2.研究開発内容 (1)前処理条件選定 confidential カーボンファイバーリサイクル工業㈱

3-1.研究開発成果

廃材のエネルギーを利用して省エネ化に成功

炭化炉灯油消費量の従来比50%低減を実現

(新品炭素繊維製造エネルギーの1/30以下)

焼成炉 電気代の従来比70%低減を実現

概念設計 事業化設備の設計

品 質 管 理 技 術 確 立

品質特性 導入した評価法

解 繊 度 透過光画像解析法

繊 維 形 態 走査型電顕

繊維長分布 スキャナー撮影画像パソコン自動分析法

残留炭素量 熱天秤法

強 度 オートサンプラー付きオートグラフ

CFRPに再利用可能な繊維状炭素繊維の回収が可能

航空機・自動車等の大型廃材を処理可能

・実用化のための事業化設備の設計10

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3-2.今後の展望

(1)成果の実用化 ⇒ 2017年度中に事業化開始①ユーザー開拓②高品質CFRP廃材の安定的確保

(2)波及効果①社会全体の省エネに対する貢献②環境負荷低減への貢献(LCA評価の高いエコプロダクツ)③次世代自動車等の技術革新への貢献④地域産業への貢献(東海地区産業振興)

(3)事業化体制①受託リサイクル加工②リサイクル炭素繊維販売③再生炭素繊維使用中間製品の販売(撚糸、不織布、成形材料等)④CFRPリサイクル装置販売

(3)研究開発の推進①自動車、航空機等の業界ニーズに密着した研究開発②品質管理体制の拡充強化

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3-3.省エネルギー効果

2020年時点: 3.5万kL/年(事業化開始3年後)

2030年時点: 21.8万kL/年

30原油換算省エネ効果

実用化開発フェ ーズ/リ サイクル炭素繊維の省エネ ルギー連続回収プロセ スの開発

4

202 0 年(本格生産3年後) 2030年

国内 国外 匡内外計(世界) 国内 国外 匡内外計(世界)

指標A(効果量)

(kL-原油/トン-CF)7.38 7.38 7.38 7.38 7.38 7.38

指標B(導入量)

(トン-CF/年)

4,800

(占有率60%)

2 ,940

(占有率30%)

7 ,740 29,500

(占有率60%)

18 ,000

(占有率30%)

47 ,500

省エネルギー効果量

(kL-原油/年)35,400 21,700 57,100 218,000 133,000 351,000

省エネ効果(まとめ) 省エネ効果量=A×B

・NEDO省エネ効果要件(販売開始3年後原油換算2万kL/年以上、2030年10万kL/年以上)を満足。

原油換算省エネ効果(国内分)

2020年時点: 3.54万kL/年(累計: 11.62万kL )

2030年時点: 21.80万kL/年(累計:112.19万kL )0.00

50.00

100.00

150.00

200.00

250.00

2010 2020 2030 2040 2050

年 度

250

200

150

100

50

0

事業化開始2017

原油

削減

量(国

内分

)(万

kL/年

)まとめ

NEDO省エネ効果要件(販売開始3年後≧2万kL-原油/年、2030年≧ 10万kL-原油/年)を満足

4.2.省エネ効果(2/2)CFRP廃材自身のエネルギーを利用する2段階熱処理法において、第1段階の炭化炉で発生する樹脂熱分解ガスの燃料としての利用技術改善と、第2段階の焼成炉での排熱利用の効率化により、炭化炉での灯油使用量の50%低減、焼成炉の電気代の70%低減を実現し、炭素繊維1kgを回収するのに必要な燃料費を新品炭素繊維製造時の1/30にすることに成功しました。この結果、世界最高レベルの省エネ性と経済性を実現しました。さらに、関連する品質管理技術を開発しました。

省エネ効果量(万kL/年)=指標A×B (原油換算)

2017年度から事業化を開始するために、生産拠点としての土地、建物を岐阜県御嵩町に取得するとともに、産学連携開発拠点として、岐阜大学研究機構・社会連携機構 炭素繊維リサイクル研究センター サテライト研究エリアを誘致しました。今後、CFRP廃材リサイクルの受託、再生炭素繊維と加工製品販売を事業の柱として事業基盤確立と、自動車業界等の顧客動ニーズに密着した研究開発を推進します。

カーボンファイバーリサイクル工業株式会社

〒505-0116 岐阜県可児郡御嵩町御嵩2193-102

電話 (0774)49-9836 FAX (0574)49-9837 URL http://698.Jp/cfri/

問い合わせ先をご記載ください。

年間2,000トンの炭化設備(世界最大級)

2020年 2030年指標A

(kL-原油/トン-CF)7.38 7.38

指標B(トン-CF/年)

4,800 29,500

原油換算省エネ効果(万kL/年)

3.54 21.8

事業化開始 2017年度

総面積 17,058坪・建物面積 6,784坪

事業化のためのインフラ整備 (御嵩工場)

製造ゾーン

原材料保管ゾーン

コンソーシアム企業ゾーン

製品保管ゾーン

岐阜大学分室 研究開発室

賃貸ゾーン

事務棟

10

実績1.生産拠点確保2.材料、製品保管管理3.岐阜大学産学連携拠点設置4.コンソーシアム構築計画中

敷地面積 56,291m2(17,058坪)建物面積 22,387m2(6,784坪)

総面積 17,058坪・建物面積 6,784坪

事業化のためのインフラ整備 (御嵩工場)

製造ゾーン

原材料保管ゾーン

コンソーシアム企業ゾーン

製品保管ゾーン

岐阜大学分室 研究開発室

賃貸ゾーン

事務棟

10

実績1.生産拠点確保2.材料、製品保管管理3.岐阜大学産学連携拠点設置4.コンソーシアム構築計画中

敷地面積 56,291m2(17,058坪)建物面積 22,387m2(6,784坪)

カーボンファイバーリサイクル工業㈱本社工場(岐阜県御嵩町)

NEDO省エネ効果要件(販売開始3年後≧2万kL-原油/年、2030年≧ 10万kL-原油/年)を満足

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