トヨタ生産方式を活用した業務改善...トヨタ生産方式を活用した業務改善...
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トヨタ生産方式を活用した業務改善
皆で作ろう!心と体がハッピーになる職場
社会福祉法人 若竹大寿会
介護老人福祉施設 わかたけ富岡
生活相談員 井口 拓
ケアスタッフ 飯沼 寛史
心身疲弊=退職
取り組みの課題
介護人材難 超高齢化社会 現場の重度化
介護保険の
低利益率
制度財源下での給与向上は困難
職員の身体的・
精神的負担増加
1
より良いケアを行いたい 介護は楽しい仕事だ もっと負担を少なくしたい
介護老人福祉施設 わかたけ富岡
現場の忙しさ 改善が続かない やりたいことができない
取り組みの目的
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職員負担の軽減と、モチベーションの維持・向上
・「改善」手法・トレーナー技法習得 ・株式会社 OJTソリューションズ(トヨタとリクルートの合弁会社)
・生産業界で確立された改善手法 ・「人づくり」「しくみづくり」が継続して改善が進む「強い現場」をつくり出す
トヨタ生産方式の「改善」
外部コンサルタント
・モデル施設わかたけ富岡で実践 ・法人内の全事業所(29箇所)へ展開
介護老人福祉施設 わかたけ富岡
具体的な取り組み
3 介護老人福祉施設 わかたけ富岡
① プロジェクトの発足
1) 「5S活動」
2) 「作業改善」
② トヨタ生産方式の改善実施
① プロジェクトの発足
4
• 現場の中核となる職員を集め、プロジェクトを発足
「トヨタ生産方式」の改善から介護現場で活用できる手法を学ぶ
介護老人福祉施設 わかたけ富岡
具体的な取り組み
② トヨタ生産方式の改善
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具体的な取り組み
• 「トヨタ生産方式」とは
介護老人福祉施設 わかたけ富岡
生産現場における「ムダ」の徹底的排除の思想に基づき、自社の生産を最適化するために考案した仕組みの総称
・問題を「見える化」し、全員で日々改善しつづける
本質は「改善を通じた人材育成」
「5S活動」 「作業改善」
• 整理: 「捨てること」で、必要なものだけを残し、不要品を処分
• 整頓: 置き場所・置き方を決め、探すというムダな行動を一掃
• 清掃: 必要なものをきれいな状態に保ち、いつでも使える
• 清潔: 「整理」 「整頓」 「清掃」が維持された状態
• 躾 : 決められたことを守り、習慣化
1) 5S活動の実施
6 介護老人福祉施設 わかたけ富岡
具体的な取り組み
今 までとはここが違う!
7 介護老人福祉施設 わかたけ富岡
具体的な取り組み
5S活動の実施
• 「片づけ」「大掃除」
数ヵ月で元に戻る
目的
維持する仕組み
徹底した「ムダ」の排除
繰り返す
継続しない
※5S「整理」の例
いつか何かに
使うかも・・・
捨てるのは
もったいない
34品目⇒4品目
88%削減
職 場の現状と課題
8 介護老人福祉施設 わかたけ富岡
• 「いつか使うかも…」「無くなると困る」
具体的な取り組み
5S活動の実施
過剰な在庫を抱え保管場所を圧迫
• 置き場が定まっていない
探すムダ 取りに行くムダ
• 常態化
改善が必要ととらえる職員が少ない
5 S活動の実施
9 介護老人福祉施設 わかたけ富岡
具体的な取り組み
5S活動の実施
不要品の処分 整頓
清掃 清潔
定位・定品・定量+明示
責任者を明確 日々の清掃実施 管理監督者のチェック体制
「捨てる基準」➡ 処分 「目で分かる」 「皆が分かる」
清掃=「点検」兼ねる 3Sパトロールの実施 整理・整頓・清掃
最適な 置き場
躾
全員参加
ルールを守る 整理 整理 整理 整頓 整頓
清掃 清掃 清潔 清潔
躾
5 S活動の結果
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具体的な取り組み
5S活動の実施
Before After 低コストで成果を出せる
誰もが参加でき、職場の変化を共有できる
キレイな職場は気持ちが良い
職場が「良くなる」という変化のプロセス
作業効率 改善意欲 問題視点
5S活動
の狙い
片づけ
美化活動
地下倉庫 汚物処理室 ステーション 笑顔を見せる職員 ➡ 福祉業界でも十分に通じる手法と確信
2) 作業改善の実施
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具体的な取り組み
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業務
直接業務 ムダ
ポイント
間接業務の短縮とムダな動きの排除
食事、排泄介助等
直接的なケア 物を探す、往復動作作業のやり直し
直接業務に関わる準備や片付け
間接業務とムダな時間が、
実は多くの割合を占めている
目的
ケアの質向上
間接業務
作 業改善の流れ
: 改善すべき点がどこか、何に取り組むかを決める
: 事実を把握し、問題点を洗い出す
: 問題の真の原因は何か、どのように手を打つか考える
: 効果的な対策を検証し、実行する
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具体的な取り組み
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① テーマ設定
② 現状把握
③ 原因の追究
④ 改善案実行
① テーマ設定
介護老人福祉施設 わかたけ富岡
記録業務
入浴
排泄
食事
ショートステイ受入 職員負担 取り組みやすさ
ケアの質
コスト 事故
トラブル
満足度
時間短縮
具体的な取り組み
作業改善の実施
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1~3点評価 入浴 食事 排泄 ショート 記録 時間短縮 2 3 2 3 3 職員負担 2 2 2 1 2 ケアの質 2 3 3 2 1 コスト 2 3 2 2 3 満足度 3 3 3 2 3
事故トラブル 2 2 2 2 2
合計 13 16 14 12 14
優先順位をつける
テーマ
食事準備
の時間短縮
職員の作業時間
個人差が最大20%!!
② 現状の把握
介護老人福祉施設 わかたけ富岡
・作業内容の把握(食事準備) ⇒業務の中で、どのような動作を行っているか分類する
・問題点の洗い出し ⇒職員の動きをビデオ撮影し、問題点把握
作業の手順や
内容に違い
改善前 Aスタッフ 1時間22分 Bスタッフ 1時間18分 Cスタッフ 1時間 7分
ベテラン 新人 中堅
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具体的な取り組み
作業改善の実施
③ 原因の追究
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具体的な取り組み
作業改善の実施
なぜ① 20%の個人差があったのは何故か?
なぜ② 職員によって手順や内容が違う
なぜ③ 効率の良い作業が共有されていない
なぜ④ 共有する仕組みがない 根本的な原因
真の原因(=真因)が見えてくる
なぜなぜ分析の活用
なぜ?
を繰り返す
④ 改善案実行と結果
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具体的な取り組み
作業改善の実施
<今まで>介護マニュアル(直接業務中心)
<今 回>準備のマニュアル(間接業務中心) 一番スムーズな職員を基準
40
50
60
70
80
90
Aスタッフ Bスタッフ Cスタッフ
食事準備の時間 改善前 改善後
新人 ベテラン 中堅 <職員の個人差>
20%⇒10%
<3人の合計時間>
224分⇒183分
80H/月 減! 82分 78分 67分 ⇒64分 ⇒58分 ⇒61分
活動の成果と課題
成果1) 業務内容の効率化による時間短縮
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具体的な取り組み
作業改善の実施
目的 1)職員負担の軽減 2)モチベーションの維持・向上
成果2) 職員の意識向上、自発的な取り組み増
今後の課題
モデル施設
・法人内全事業所へ
展開
・改善風土、文化の
定着
0% 100% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90%
40%
37.5%
43.4%
44%
39%
38%
25%
30%
35%
40%
51.4%
50%
H29/3 ゴール
事業所名 :若竹苑 対象エリア:入所介護全般
事業所名 :リハリゾートわかたけ対象エリア:ST 、事務所、デイ、 栄養科
事業所名 :わかたけ富岡 対象エリア:
事業所名 :リハリゾート青葉 対象エリア:ミニステ,倉庫,フロア
事業所名 :わかたけ青葉 対象エリア:全ユニット、事務、 医務、デイ
事業所名 :わかたけ鶴見 対象エリア:事務所・1階倉庫 全ユニット共用倉庫
事業所名 :品川杜松 対象エリア:事務所・GH・特養 看護小規模多機能
事業所名 :GH小机 対象エリア:キッチン回り 事務所
事業所名 :GH西菅田 対象エリア:キッチン回り 事務所
事業所名 :ほのぼの(GH) 対象エリア:事務所、倉庫、納戸、 相談支援室
事業所名 :東白楽事業所 対象エリア:
事業所名 :わかたけの杜 対象エリア:サ高寿、訪問介護
12事業所 5S実施状況 H28/12 スタート
ご清聴ありがとうございました
皆で作ろう!
心と体がハッピーになる職場