【支援ナビ】 のご案内€¦ · 6.プロジェクトマネジメントの実践強化...
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平成22年に中小企業庁「中小企業支援人材の強化・育成に関する研究会」
から、必要とされる支援人材像として「プロジェクト・マネジャー型(以下、
PM型)支援人材」が提唱されました。この中で、PM型支援人材とは、地域
の中小企業の相談に対応し、支援行為を仕切る人材と定義されています。
特に、他機関との連携、外部専門人材等の活用等、外部資源を有効に活用しな
がら支援内容を組み立てることを重要視しています。実際は、経験や立場の異
なる支援人材同士が、チーム支援の機会を活用し、情報交換、意志疎通を有効
に実行することは容易なことではありません。支援業務の効率化と円滑なチー
ム運営のために、業務を支援する実践的ツールが不可欠です。
支援業務の効率化と円滑なチーム支援を実践するために、PM型支援人材が
活用する【支援ナビ】をご案内します。【支援ナビ】とは、企業支援に関する
基本的な考え方(支援プロセス、支援手法、支援ノウハウ 等)を提示するも
のです。支援機関指導員、外部専門家、支援先企業、チームスタッフの方と、
課題解決の進め方・手順等をすり合わせをする際に、活用いただける業務ツー
ルです。
【支援ナビ】 のご案内
支援ナビ
支援業務の効率化とチーム支援の実践をサポートする
業務ツール
発行:中小機構 連携支援課 ※無断転載・複製を禁ず
PM型支援人材には、2つの業務を一元的に実践することが要請されています。中小企業の高度専門的な経営課題の解決を支援すると同時に、支援機関指導員、外部専門家、他の支援機関を交えたチーム支援を実践することです。
PM型支援人材は高度で緻密な対応を求められるため、前述業務を実践する際に、支援業務の【標準】となる支援プロセスや支援ツールの活用が重要です。具体的には以下のような狙いや期待効果を想定したものです。
P M 型 支 援 人 材 が 活 用 す る 【 支 援 業 務 の 標 準 】
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1.支援の質の向上
1)的確な支援プロセス(標準)の適用2)有効な支援ツール・手法の選択3)支援のコツの事前理解
① 商品アイデアや経営問題の聞き取り
② SWOT分析、BSC手法等による経営分析 ③ 資金繰り診断、実行可能性評価
⑧ マッチング・メディア活用によるマーケティング実行支援
④ コンセプト・テーマ(支援テーマ)の設定
⑤ 支援内容・手法・支援編成に関する計画
⑥ 事業及び商品開発計画のブラッシュアップ
⑦ 事業・商品開発実行及びマネジメント支援
⑨ 資金繰り・設備導入等の実行支援
⑩ 販路開拓・サプライチェーン構築支援
4.他の支援機関職員のOJTへの活用
1)OJTの教本としての活用2)指導を受ける支援職員の意識醸成3)指導する支援ノウハウの明確化
2.支援の見える化による顧客満足度向上
1)支援全体のシナリオの事前理解2)支援の進捗把握が容易3)段階的な支援成果の創出
5.成果創出に向けての責任意識共有
1)成果創出までの道筋の理解促進2)成果創出の勘所の認識共有3)関係者の想い共有化促進
3.関係者とのコミュニケーション活性化
1)焦点を絞った検討会で議論が活発化2)メンバー全員による支援のコツの理解3)メンバーの信頼関係の醸成促進
6.プロジェクトマネジメントの実践強化
1)情報共有化によるチーム活動の加速2)チーム業務・作業の効率的アップ3)助成金制度、支援施策(専門家、新現役活用等)、マッチングの活用機会の増大
中小企業応援センター事業~ネットワーク強化事業における模範的支援事例を分析したところ、優れた支援事例には共通する支援の基本プロセスがあることが判明しました。この支援プロセスは、下図の標準モデルに集約され、成功する支援の必要条件になっています。これを原型として、支援テーマ毎に【支援ナビ】を作成します。
模 範 的 支 援 事 例 に 共 通 す る 支 援 プ ロ セ ス
発行:中小機構 連携支援課 ※無断転載・複製を禁ず
支 援 ノ ウ ハ ウ の 展 開 の た め の 【 支 援 ナ ビ 】
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【 支 援 ナ ビ 】 の 位 置 づ け
プラス
【支援ツール】を収納するところ
<支援ナビ> 事例集の中で支援事例の紹介 研修で事例研究、経験交流 優秀事例の発表会 情報(意見)交換会での事例紹介 など
実践的な【標準】の提案 チームによる支援活動で実践し精緻化する 勉強会等のテキスト資料で理解を促す 支援機関との連携活動でさらに普及を図る
これまで基本的な取組み手法
PM型支援人材の【標準】確立に向けた取組み
中小企業支援に共通する業務支援ツール
高度な属人的支援ノウハウ
様々な支援ツールを活用する手法
統合化した支援手法
・ファシリテーション・プロジェクトマネジメント・コーディネーション
【支援ナビ】の 位置付け・狙い
・SWOT分析 ・親和図法(KJ法)・動作・動線分析 ・キャッシュフロー分析・ワークサンプリング ・ポートフォリオ分析
・QC7つ道具(QCサークル活動ツール)・経営診断システム(財務分析支援ツール)・バランススコアカード(課題抽出と統合)
企業診断の基礎的な手法
中小機構支援体制サポート室では、支援機関及び支援機関指導員の支援能力の向上が業務目的の1つになっており、優れた支援ノウハウを、支援機関指導員に展開することが期待されています。そのために、過去の事業で蓄積した支援ノウハウを、可能な限り形式知化(手順書、Q&A等)し、日常的に活用できる業務ツールとして提供することに努めてきました。
今般、平成24年度の【支援ナビ】を、PM型支援人材を目指す支援機関指導員を対象とした記載表現に改訂しました。引き続きの活用を期待します。
PM型支援人材の業務に必要とされる支援手法は、以下のような階層が考えられます。 【支援ナビ】は、様々な支援ツールを活用する手法に位置づけられます。
発行:中小機構 連携支援課 ※無断転載・複製を禁ず
【 支 援 ナ ビ 】 の 内 容 構 成
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【 支 援 ナ ビ 】 の 活 用 の 場 と 活 用 方 法
【支援ナビ】には、PM型支援人材が業務を遂行する際に活用する支援ツール(仕事道具)が収納されます。ここで言う支援ツールとは支援手法や帳票等を指します。
プロジェクト・、マネジャー型 支援人材のための
【 支 援 ナ ビ 】
PM型支援人材が、他の支援機関、企業へのアドバイス業務を遂行する際の枠組みと支援ツールを集積したもの。
支援ナビの内容構成
当該業務の目的、定義、期間、目標など
当該業務の進め方手順 (支援モデル)
活用する手法・帳票等の一覧
PM型支援人材の役割、支援機関との業務分担
支援ナビを活用する際の留意事項 等
支援ノウハウの盛込み
*暗黙知をさらに形式知化するために・・・
Q&A方式等で、当該業務を実施する際のノウハウを紹介
典型的な実施事例を紹介
【支援ナビ】に収納される 支援ツール(仕事道具)
PM型支援人材が他の支援機関への支援、企業へのアドバイス業務を遂行する際に活用する手法や帳票等を指します。
手法とは:
SWOT分析、PPM分析等の分析手法
ガントチャート、PERT等の計画管理手
チーム運営手法 等
帳票とは:
診断チェックリスト、コンセプトチャート、分析表、進捗管理表 等
支援ツール(仕事道具)の内容構成 (例)
仕事道具の目的、特徴
仕事道具を使うステップ・手順
帳票様式、チェックリスト等の記載事例
仕事道具を使う際の留意事項 等
集積体
中小企業経営者に対する支援提案の時
(1)支援提案書または支援計画書を提案(2)支援プロセス、支援スケジュールを例示(3)実際の検討事項、検討内容を例示(4)必要となる社内体制を提示
専門家と支援計画を議論する時
(1)支援提案書または支援計画書を作成(2)支援プロセス、支援スケジュールを議論(3)支援各回の具体的成果物を議論
他の支援機関の職員と 帯同支援を実行する時
(1)支援プロセス、支援スケジュールを確認(2)実際の検討事項、検討内容を例示(3)使用する帳票・ツールを説明
プロジェクトチームの運営をする時
(1)プロジェクト計画書を提示(2)参画メンバーの役割を説明(3)活動プロセス、活動スケジュールを例示(4)使用する帳票・ツールを説明
制作著作 独立行政法人中小企業基盤整備機構 経営支援部 連携支援課
地域支援機関等サポート事業 ホームページhttps://www.smrj.go.jp/supporter/regional/index.html
発行:中小機構 連携支援課 ※無断転載・複製を禁ず