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機密性○情報 ○○限り
○ 薬用作物は、地域条件に応じた栽培技術が確立されておらず、専用の農業機械等がないことから生産が不安定で手作業が多い等の課題が
あるため、地域に適した品目の選定や栽培技術の確立に向けた実証、既存の農業機械等の改良等の地域の取組を支援。
〇 また、(独)農業・食品産業技術総合研究機構の委託プロジェクト研究において、主要な薬用作物の省力栽培技術等や除草技術を開発中
のほか、全国団体(日本漢方生薬製剤協会会員が設立)においても補助事業を活用して既存の農業機械等を専用機械に改良し、情報提供。
【対応状況】
◆ 地域に応じた栽培技術が確立されていないため、生産が不安定。
◆ 専用の農業機械等がないことや登録農薬が少ないため、人手や手作業が多い
◆ 地域の生産体制の強化を促進するため、地域に適
した品目の選定や栽培技術の確立に向けた実証、
既存の農業機械等の改良等の取組を支援
◆ 委託プロジェクト研究において、需要量の多い5
品目の栽培技術や除草技術を開発中
➢ 優良種苗の確保➢ 地域に応じた品目の選定(日本薬局方の規格
基準をクリア)➢ 地域の気象や土壌等の栽培条件に応じた栽培
技術の確立➢ 既存の栽培管理機や、乾燥調製機等の改良に
よる生産性の向上➢ 登録農薬の拡大
<地域の取組への支援>
<試験研究機関等における取組>
〇 補助事業により、以下の取組を支援(栽培技術関係)◆ 地域に適した品目の選定、安定生産のための栽培技術確立に向けた実証ほの設置や栽培マニュアル作成(ホームページで情報提供)
◆ 優良種苗の安定供給に資する体制確立のための実証ほの設置◆ 低コスト生産の確立に向けた農業機械の改良◆ 未収益期間の支援(初めて契約する品目について4万円/10a)(農薬関係)◆ 農薬の適用拡大に必要な試験の実施
〇 委託プロジェクト研究による技術開発の取組◆ トウキ、ミシマサイコ、カンゾウ、ニンジン、シャクヤクの省力
栽培技術を開発中(平成28年度~令和2年度)◆ カンゾウ、トウキ、センキュウの雑草管理技術を開発中(平成27年度~令和元年度)
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〇 補助事業により、以下の取組を支援◆ 薬用作物産地支援協議会による都道府県普及指導員、JA営農指導員、市町村職員等を対象とした全国7ブロックにおける栽培技術研修会の開催(座学や現地ほ場研修)、
◆ 技術アドバイザーの派遣、各産地の取組や安定生産技術開発の状況等の紹介を追加
◆ 日本薬用作物検討協議会(日本漢方生薬製剤協会会員4社で設立)による既存の定植、収穫、選別等の農業機械の専用機械への改良(ホームページ等で情報提供)
<全国的な取組への支援>
【栽培上の課題・問題点】
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〇 栽培技術研修会については、一般作物との違い、国内栽培の必要性、栽培上の課題などを内容として、1泊2日で初日に現地研修と座学、2日目に座学と意見交換が実施。
○ 地域における農業機械の改良については、労働負担の大きい収穫作業用の機械が多くなっており、次いで、洗浄作業や播種・定植作業用が多い。また、委託プロジェクト研究により開発中の省力化栽培技術については、大規模栽培や小規模栽培に応じた技術等の開発が行われており、一部の技術では市販化に向けてメーカーと調整が行われるなどの成果が見られている。
【補助事業により改良された農業機械数(26年度~30年度)】
【委託プロジェクト研究により開発中の省力化栽培技術等】
品目名 開発中の技術
トウキ大規模栽培の乾燥調製技術、小規模栽培の乾燥技術
ミシマサイコ 発芽促進技術、マルチによる雑草抑制技術
カンゾウ 既存機械の改良による収穫機械の開発
オタネニンジン 育苗期間の短縮化技術
シャクヤク 摘花作業の省力化技術
カンゾウ、トウキ、センキュウ
除草技術の体系化
播種・定植
管理 収穫 洗浄 乾燥その他
計
8 2 17 9 5 12 53
<カンゾウの堀取り機><ミシマサイコの種子の
発芽促進技術>
【栽培技術研修会の実施状況】
28年度 29年度 30年度
実施ブロック 7ブロック 7ブロック 7ブロック
対象品目数 16品目 22品目 19品目
受講者数 95名 105名 100名
注:全国を7ブロックに分けて、各ブロック内で毎年実施県を変えるなどして、都道府県の普及指導員、JA営農指導、市町村職員等の地域の指導者を対象に実施。
<ミシマサイコの洗浄機> <オウギ半自動茎切り機>
<トウキ実生苗定植機> <トリカブト塊根分別機>
【開発機械の例】
<除草機>
機密性○情報 ○○限り
○ 平成31年1月に、農水省で薬用作物の産地化に向けたシンポジウムを開催し、行政、企業、生産者、試験研究機関など幅広い関係者約300名が参加。
○ 産地からの先進的な取組事例発表のほか、漢方薬の国内需要の動向や薬用作物の栽培技術の開発状況について、関係団体から発表。
【シンポジウムの様子】シンポジウムの内容
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1. 漢方薬の国内需要動向と中国の状況
(薬用作物産地支援協議会)
2. 補助事業による薬用作物の産地化に向けた取組状況(農林水産省)
3. 薬用作物の栽培技術の開発について
(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構)
4. 産地の取組事例紹介
① 長野県薬草生産振興組合(長野県)
② 加美町薬用植物研究会(宮城県)
③ 高浜町(福井県)
④ あさぎり薬草合同会社(熊本県)
5. 意見交換(質疑応答を含む)
※会場では、薬用作物に関する技術や産地の取組の展示も実施。
会場全体 発表の様子
意見交換の様子 生薬現物とパネル展示
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○ 加美町薬用植物研究会(宮城県加美町)(栽培品目:ムラサキ、トウキ)
○ 長野県薬草生産振興組合(長野県)(大規模生産向け:トウキ、シャクヤク)(小規模生産向け:11品目(カノコソウ、ウイキョウ、オオバコなど))
耕作放棄地の活用や農家の所得向上等を目的に、町、JA、大学と連携して、2016年より試験栽培を開始。試験栽培の結果ムラサキが適していることが確認でき、「薬用作物産地支援協議会」の開催する「地域相談会」でのマッチングの結果、製薬会社と試験栽培契約を交わすことができた。2018年からは実需者との契約栽培を開始。また、ムラサキは古くから染料として使われていることから、町
内の染織家の協力を得て、染料としての活用も検討しており、商品開発等6次産業化に向けた取組も進めている。
[ムラサキで染色したポケットチーフ]
○ あさぎり薬草合同会社(熊本県あさぎり町)(栽培品目:ミシマサイコ)
長野県や実需者と連携し、大規模生産者向けには契約栽培の推進を、小規模生産者向けには11品目(2018年時点)を推進品目と定める等、需要に見合った薬草の生産体制整備を県単位で進めている。薬作植物は、栽培する地域における天候により収量が左右された
り、需要の変化等で価格が大きく変わるため、栽培希望者には指針として、栽培品目や「薬用作物購入参考価格」を提示している。
[推奨11品目の生薬]
薬草を含む有用植物を活用した、まちづくりを目的に、青葉山麓研究所を立ち上げ、東京生薬協会と連携しながら、ゴシュユやキキョウ等の栽培に取り組んでいる。販売先の確保(生薬問屋)、種苗確保のための育苗センターの整備、修治方法の検討を高浜町が自ら行う等、行政の積極的な取組による、産地化がすすめられている。また国内では高浜町にしか自生していないと言われているゴシュ
ユを活用した商品開発等を行う等、戦略的な薬用作物の栽培を進めている
○ 高浜町(福井県)(栽培品目:ゴシュユ、キキョウ、ゴシュユ、コウホネ)
平成30年度栽培面積:15.6ha品目数:33種類
行政の企業誘致をきっかけに、行政、漢方メーカーと協力し、生産組合として、ミシマサイコの栽培を開始。他作物の栽培で培った農業技術を応用し、除草の省力化に成功。現在ではあさぎり町のほか、8市町村で作付けをしており、地域単位での生産者同士の協力や、行政や漢方メーカーの支援をもとに、2008年に0.5haだった面積は、2018年には73haと、約10年間で規模を急拡大し、2015年には法人化している。
[収穫作業の様子]
[乾燥中の収穫物][栽培の様子][育苗の様子] [ゴシュユを活用したお守り] 16