＜17＞　2018年7月7日　土曜日

「妊活セミナー in熊本 ～知っているようで知らない妊活のウソ・ホント～」をレポート

５月20日に行われた「妊活セミナー」

︵主催／ジネコ・特別協賛／ソフィアレ

ディースクリニック水道町︶。現在不妊

治療中のご夫婦や、将来の妊娠を希望す

るカップルが講演に熱心に耳を傾けまし

た。その内容の一部をレポートします。

ソフィアレディースクリニック水道町

妊活のカギは、情報収集と夫婦の協力、心のケア

不安な気持ちや自分を責めてしまいそうですが、先生（堀田講師）も同じ思いを抱えていらっしゃったと思い、安心しました。仕事と妊活の両立で不安を抱えていましたが、気持ちが軽くなりました

● ●

肥後銀行●

パークシティ　　　24ｈ●

水道町交差点

水道町

バス停

国道３号線

鶴屋テトリア

下通り

上通り

ローソン

●ソフィア

メルパルク

専用駐車場

●

●●診療／月・火・木・金・土 曜 ＝10:00 ～ 14:00　　　　　　　　　　　　　　　16:00 ～ 19:00 　 水曜＝9:00 ～ 13:00、14:00 ～ 18:00　　　　日曜・祝日＝8:30 ～ 12:30●住所／熊本市中央区水道町9-5-1

ソフィアレディースクリニック水道町

診療科目／婦人科 ☎096（322）2996

第 1 部

第 2 部

第 3 部

私の不妊治療中央／カウンセリングルーム with 代表

堀田 敬子さん

知っておきたい男性不妊の基礎知識左／横山裕クリニック＋泌尿器科 院長　　 ソフィアレディースクリニックで男性不妊外来を担当

横山 裕先生知っているようで知らない妊活のウソ・ホント

右／ソフィアレディースクリニック水道町 院長岩政 仁先生

男性不妊は不妊の50％だとは知っていたが、実際にどんな原因があって、どんな治療法があるのかは知らなかったため、知ることができてよかった。ありがとうございます

不妊の原因もさまざまあることを知りました。いま排卵誘発剤を使う治療を始めていますが、はじめから薬を使うことに抵抗を感じる部分もあります。考え直すきっかけになりました

「妊活セミナー」

に参加して⋮

◎不妊治療中に起こりがちな心理状態とは⇒たくさんの“喪失体験”

①治療の失敗：受精卵を失う。授かるはずだった命を失う②高額な治療費：経済的喪失③治療のための離職：職の喪失、社会的地位の喪失④「妻」「娘」としての立場：安定した人間関係の喪失⑤自尊心・アイデンティティの喪失⑥機能する身体：自分の身体のコントロール感の喪失⑦描いていた子ども像・家庭のイメージ⑧プライバシーの喪失

◎ケアの方法は？◆不妊治療は喪失を伴うものということを知っておく◆頑張っている自分を認めてあげる◆思いを抱え込まず「話す」＝「放す」◆泣くことを自分に禁止しない、　そして楽しむ

浄化作用＝カタルシス効果

◎男性不妊の原因は？◆精子の数が少ない、精子の動きが悪いなどの　「造精機能障害」が約80％

・無精子症　・乏精子症　・精子無力症　・奇形精子症

◆精路（精子の通り道）の通過障害が約15％

◆その他、勃起障害や射精障害などが約5％

◎精索静脈瘤とは？⇒精巣から心臓へ戻る静脈で血液の逆流が起こり　静脈が拡張した状態（＝静脈瘤）

◆思春期以降、左側に発生することが多い

◆一般男性で15％、男性不妊患者では40％　　※超音波検査で探せばもっと高頻度◆自覚症状はほとんどない　　陰嚢部の違和感や鈍痛、陰嚢腫大、　　陰嚢内の腫瘤に気づく場合がある

◆手術後の精液所見の改善率が57％、妊娠率が約36％　　⇒最近では、顕微鏡を用いた手術の普及により　　　さらに成績は向上

◆同院では毎月1回「不妊治療教室」を実施。次回は7月22日（日）を予定しています

◎一般不妊治療で妊娠できない場合はどうしたらいいのでしょうか？　一般不妊治療で妊娠ができない場合は、体外受精-胚移植や顕微授精（ICSI）などの高度生殖医療（=ART、補助生殖医療とも呼ぶ）による治療が必要です。　ARTとは体外に取り出した卵を用いて不妊治療を行う医療技術です。最近進歩した高度生殖医療は、まだまだ改良の余地がありますが、従来の不妊治療を一変させました。

◎妊娠に至った治療方法の内訳

妊娠時最高年齢　タイミング療法　　AIH　　ART 　　　　　　　　45歳　　　　43歳　　46歳

タイミング27％タイミング27％

ART（体外受精）

61％

ART（体外受精）

61％

体外受精

AIH（人工授精）12％AIH（人工授精）12％

タイミング52％タイミング52％

ART（体外受精）

35％

ART（体外受精）

35％AIH（人工授精）

13％

AIH（人工授精）

13％

40歳以上（265件）全体（2518件）

第 3 部より 第 2 部より

第 1 部より

　第１部の講師を務めた

堀田先生は、大阪でカウ

ンセリングルームｗｉｔ

ｈを主宰。約10年に渡る

ご自身の不妊治療経験を

もとに、ＮＰＯ法人Ｆｉ

ｎｅ（現在・過去・未来

の不妊体験者を支援する

会）のスタッフとしても

活動されています。

　さまざまな喪失感を経

験する中で、支えとなっ

た治療仲間との出会い。

子どものいない人生を選

択し、心理学を学びカウ

ンセリングやセミナー活

動を行っています。

　心のセルフケアや夫婦

のコミュニケーションの

大切さなどをお話しいた

だく中で、共感し涙する

参加者も多数。「女性の

言えない気持ちまでわか

った。妻に対する対応が

変わってくる」という男

性の声もあがりました。

孤独感や無力感を抱えがちな不妊

治療。だからこそ心のケアが大切

　続く第２部では、横山

先生による「男性不妊の

基礎知識」をレクチャー。

不妊原因の約半数は男性

側にあるとも言われる昨

今。精液検査や身体検査、

陰嚢超音波検査、ホルモ

ン検査など、女性に比べ

負担が少なく検査を受け

ることもできます。

　さらに１００人に１人

ほどと言われる無精子症

でも、精巣内精子採取術

（ＴＥＳＥ）により、顕微

授精（ＩＣＳＩ）で妊娠の

可能性が広がることも報

告されました。

　第３部では、不妊原因

を見つけるための６大検

査やステップアップの考

え方、高度生殖医療の現

状など、岩政先生が総合

的に講演されました。

　諦めず、焦らず、一歩

ずつ、夫婦で前に進むた

めの治療と心のケアを提

供する同クリニック。不

妊治療に関心のある人

は、毎月行われる「不妊

治療教室」にご参加を。

進化する不妊治療。男女とも検査

で原因を究明することが第一歩