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8 BUSINESS SUPPORT FUKUOKA 2015.2
独自開発のエジソンハード処理で西日本の金型産業を支える
情報取引企業訪問 No.58 エジソン熱処理は真空焼入れと、
自社開発した特殊窒化技術「エジソ
ンハード処理」により金型や治工具、
機械部品などの熱処理加工を請け
負っている。熱処理はモノづくりに
おける縁の下の力持ちといえる技術
だが、この技術なくして高い品質を
保持できない。世界で高い評価を受
けるメード・イン・ジャパン製品を
裏で支えている。
自社技術には絶対の自信を持つ 同社の創業は 1990 年。真空焼入れを手がけるリヒト精光(京都市南区)のグループ企業として、大阪府摂津市に営業所を開設した。当時は日本の半導体産業が全盛で、中でも九州は「シリコンアイランド」と呼ばれ国内生産の 30%超を担う一大半導体生産基地となっていた。熱処理需要も多く、また大手電機メーカーからの進出要請もあり、92 年に福岡市と北九州市双方へのアクセスに優れる福岡県飯塚市に福岡工場を建設、九州に進出した。 取り扱う業務はほぼ、真空焼き入れとエジソンハードに絞り込んでいる。北部九州は半導体のほか自動車産業も数多く集積しているため、競合する熱処理事業者も複数社ある。同社は得意分野に資源を集中することで顧客からの信頼を勝ち得ている。 特徴はやはりエジソンハード処理だ。一般的な金型への表面処理には、コーティングや窒化処理があるが、被膜剥離や熱変形、価格、納期など課題も多い。エジソンハード処理は窒化処理時に生成する化合物層を極小に抑え、溶接補修しやすくしたほか、480℃以下の低温処理により熱変形がほとんど無い。 また被膜ではなく浸透型の表面硬化法で、耐摩耗性や耐疲労強度を向上することができ、あらゆる鉄
系金属に適した処理法といえる。山下芳隆社長は「技術ではどこにも負けない自負がある」と、自社技術に胸を張る。
企業の強み
加圧式真空ガス冷炉
エジソン熱処理 株式会社独自開発のエジソンハード処理で
西日本の金型産業を支える
9BUSINESS SUPPORT FUKUOKA 2015.2情報取引推進課 TEL:092-622-6680お問い合わせ
我が社の取引拡大事例
企 業 名 エジソン熱処理 株式会社代 表 者 取締役社長 山下 芳隆所 在 地 福岡県飯塚市長尾233T E L 0948- 72- 4121F A X 0948- 72- 4010
U R L www.edison-ht.co.jp社 員 数 23 人
事業内容 金属熱処理加工
企業概要
熱処理業務は金型の割れや歪などのリスクを伴う。当社はこのリスクを極力少なくする努力を続けている。品質、技術で負けないよう、全員が1級資格を取得しているのもその証だ。社内には電子線マイクロアナライザ(EPMA)や光学電子顕微鏡、3次元測定器などを設置して品質を管理している。エジソンハード処理は低温処理により熱変形が起きにくく、値段もコーティングより安価で、日数も中一日で対応できる非常に優れた処理方法だ。九州は自
動車や半導体産業が集積して需要は多いが、一方で競合他社も多く供給過剰の面がある。技術で優位に立ち、良質な製品を顧客に届けることが我が社の使命だと考えている。リヒト精光グループでは、四国を含めた広島県以西の西日本エリアは当社が業務を担当する。品質と技術はどこにも負けないので、熱処理のことなら何でも相談してもらいたい。
山下芳隆社長メッセージ
技術はどこにも負けない―と山下芳隆社長
工場は 24 時間稼働・営業を7班に分けて対応 半導体業界の長期低迷は九州経済に打撃を与えたが、日産自動車九州(福岡県苅田町)のほか、90 年代に入ってトヨタ自動車九州(同宮若市)とダイハツ九州(大分県中津市)が立地したことで一大自動車生産地へと変容した。エジソン熱処理も自動車産業への進出に成功した。また大分キヤノン(同国東市)などで生産するカメラ用レンズの鏡筒型表面処理を手がけるなど精密金型処理では同業他社をリードする。
同社は独自の営業スタイルを構築する。営業人員を福岡、北九州、大分、佐賀、熊本など地域別に7班に分け、営業と受注した金型の集配業務を行う。工場は 24 時間稼働、土・日曜なしで対応しており、熱処理を施した金型は、翌日営業人員が顧客に送り届ける。従業員のほぼ全員が熱処理技能検定1級の資格を取得しており、顧客の細かな要望から悩み、相談事まできめ細かに対応し、提案型の営業を心掛けている点も、リピーターの評価を得ている。
ショットブラスト
ガス冷・油冷真空熱処理炉