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EPA協定の原産地規則 平成29年1月19日 財務省 函館税関 EPA活用セミナー資料

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Page 1: EPA協定の原産地規則 - 税関2017/01/19  · (2)付加価値基準 産品に一定以上の価値を付加すること 日タイEPA 品目規則 第87.03:原産資格割合が40%以上であること。

EPA協定の原産地規則

平成29年1月19日

財務省 函館税関

EPA活用セミナー資料

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本日の説明事項

1.EPA原産地規則の基本

2.原産地基準

3.積送基準

4.手続的規定

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関税上の特恵待遇

貨物の輸入に際し、一般の関税率よりも低い関税率(特恵税率)が適用されること

経済連携協定(EPA:Economic Partnership Agreement)特恵税率

EPA相手国の原産品に対して、一般の関税率よりも低い関税(EPA特恵税率)を適用。

特恵制度では、相手国を原産地とする貨物(相手国の 原産品)に対してのみ特恵待遇を与える。

1.EPA原産地規則の基本原産地規則の基本

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原産地規則とは何か? 1.EPA原産地規則の基本

物品の原産地(又は原産国)を決定するための規則

ワインの原産地はどこ?

ぶどうを収穫 醸造 ビン詰め

相手国(A国)

○相手国(A国)ですべてが完結している場合

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1.EPA原産地規則の基本

ワインの原産地はどこ?

相手国(A国) 第3国

ぶどうを収穫

醸 造 ビン詰め

○第3国のぶどうを使用し、A国で醸造・ビン詰めした場合

原産地を決定するためには、何らかのルールが必要

原産地はルール(原産地規則)により決定されるもの

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①EPA税率(の有無) 輸出入される産品にEPA税率が設定されているか

EPA税率適用のための3つのステップ

※運送の途上で「原産品」という資格を失っていないこと(=原則として直送されることなど、運送の要件(積送基準)を満たしていること)

1.EPA原産地規則の基本

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日本

EPA

締約国

②原産地基準を満たすか その産品(貨物)が「原産品」で

あること(=原産地基準を満たしていること)

③手続的要件(原産地手続) 税関に対して「原産品」であること

を申告すること(原産地証明書、原産品申告書、運送要件証明書を提出するなど、必要な手続を行うこと)

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“EPA特恵税率が設定されていること”の確認

(税関ウェブサイト 実行関税率表) http://www.customs.go.jp/tariff/

設定されていない品目があることに注意!!

物品を日本に輸入する場合のEPA特恵税率は、税関のウェブサイトの 「実行関税率表」で調べることができます。

1.EPA原産地規則の基本

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原産地規則

原産地基準

① 完全生産品

③ 実質的変更基準を満たす産品

積送基準

手続的規定

実質的変更基準の例外

d. 累積

a. 関税分類変更基準

c. 加工工程基準

b. 付加価値基準

e. 僅少の非原産材料

f. 原産資格を与えることとならない作業

② 原産材料のみから生産される産品

品目別規則

・原産地証明書等

・運送要件証明書

・事後確認手続等

3種類の原産品

原産地規則の 3つの構成要素

EPA原産地規則の三大構成要素の内容

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1.EPA原産地規則の基本

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2.原産地基準

3種類の原産品

①完全生産品

②原産材料のみから生産される産品

③実質的変更基準を満たす産品

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日タイ経済連携協定

WO:完全生産品

PE:原産材料から生産される産品

PS:実質的変更基準を満たす産品

※第8欄には、WO、PE、PSのいずれかが必ず記入されなければならない。

協定本体 第28条 原産品 1 この章に別段の定めがある場合を除くほ

か、次のいずれかの産品は、締約国の原産品とする。

(a) 当該締約国において完全に得られ、又は生産される産品であって、2に定めるもの

(b) 当該締約国の原産材料のみから当該締約国において完全に生産される産品

(c) 非原産材料をその全部又は一部につき使用して当該締約国において完全に生産される産品であって、附属書2に定める品目別規則及びこの章の他のすべての関連する要件を満たすもの

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Q:「原産地規準」ってどこに書かれているの? 参考

A:原産地証明書の 原産地規準欄 「Origin Criterion」 「Preference Criterion」 に記号で記載

• 現在、我が国が締結しているEPA(15本)上の原産地証明書における必要的記載事項

• 記載に不備の無い原産地証明書を用意することが大原則

• 税関ウェブサイトに掲載

http:/www.customs.go.jp/ roo/text/index.htm

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(a)生きている動物であって、

当該締約国において生まれ、かつ、成育されたもの (家畜等)

(b)当該締約国において狩

猟、わなかけ、漁ろう、採集又は捕獲により得られる動物 (捕獲野生動物等)

(c)当該締約国において生きている動物から得られる産品 (牛乳、卵等)

(d)当該締約国において収

穫され、採取され、又は採集される植物及び植物生産品 (果実、切り花等)

(e)当該締約国において抽出

され、又は得られる鉱物その他の天然の物質 (原油等)

(f)当該締約国の船舶により、

両締約国の領海外の海から得られる水産物その他の産品 (公海で捕獲した魚等)

(l)当該締約国において(a)から(k)までに規定する産品

のみから得られ、又は生産される産品 ( (a)に該当する牛を屠殺して得られた牛肉等)

(g)~(k) 略

①完全生産品

当該締約国において完全に得られ、又は生産される産品

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【日タイEPAの例】

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(例)EPA締約国で製造するオリーブ石鹸

日本

締約国 原産材料

オリーブオイル

オリーブ石鹸

オリーブ

非原産材料

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②原産材料のみから生産される産品

当該締約国の原産材料のみから当該締約国において 完全に生産される産品

○生産に使用される材料はすべて原産材料。

○原産材料に少なくとも一つは非原産材料を使用している。

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実質的変更基準を満たす産品のイメージ

締約国

最終産品

実質的変更 (大きな変化)

第三国

非原産材料

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③実質的変更基準を満たす産品

非原産材料を使用した産品で、実質的変更基準を満たすもの

非原産材料をその全部又は一部につき使用して 当該締約国において完全に生産される産品

品目別規則

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実質的変更基準の種類

①関税分類変更基準:分類の変更

②付加価値基準:価値の付加

③加工工程基準:特定の加工

いずれの基準を適用するかは各EPAの品目別規則に規定

HS番号ごとに基準が定められている

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A国

(1)関税分類変更基準 非原産材料と最終産品との間に特定の関税分類変更があること

日マレーシアEPA 品目別規則 第20.07:第20.07項の産品への他の類からの変更

(注)非原産材料について 記載されている!

マレーシア

B国

オレンジ 第08.05項

砂糖 第17.01項

マーマレード 第20.07項

非原産材料

HS番号

類 (2桁):20類

項 (4桁):20.07項

号 (6桁):2007.91号

非原産材料

8類

17類

20類

日本

③実質的変更基準

マーマレード

マーマレード

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類変更

類変更

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日アセアンEPA 品目別規則 1905.90:CC 他の類からの変更 (第11.05項からの変更を除く)

日本から輸出する場合は?

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チョコレートケーキ(第19.05項)

チョコレートケーキ 第19.05項

日本

バター(第04.05号)

卵(第04.07号)

小麦粉(第11.01号)

砂糖(第17.01号)

19類

③実質的変更基準

チョコレート 第18.06号

非原産材料

18類

原産材料 A国

タイ

類変更

CC:類変更

CTH:項変更

CTSH:号変更

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タ イ 日本

非原産材料価額

(CIF) 労務費 原産材料価額 製造経費 利益 その他

産品の価額(FOB):10,000米ドル

付加された価値

非締約国

3,000米ドル 10,000米ドル

原産資格割合 ≧ 40% = 10,000米ドル-3,000米ドル

10,000米ドル

70% =

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(2)付加価値基準 産品に一定以上の価値を付加すること

日タイEPA 品目別規則 第87.03:原産資格割合が40%以上であること。 (第87.02項から第87.04項までの各項産品への関税分類の変更を必要としない。)

※日メキシコ協定及び日アセアン協定 においては域内原産割合

③実質的変更基準

産品の価値のうち、全体の40%以上の価値が 締約国で付加されたら、原産品とする考え方

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域内原産割合 ≧ 40% =

1,000米ドル-200米ドル

1,000米ドル 80% =

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モルトウィスキー(第22.08項)

③実質的変更基準

日本から輸出する場合は?

日アセアンEPA 品目別規則 2208.30:RVC(域内原産割合)40パーセント以上

産品の価額(FOB):1,000米ドル

非締約国

大 麦 (第10.03号)

ウィスキー

第22.08項

ウィスキー

マレーシア

労務費 原産材料価額 製造経費 利益 その他

付加された価値

非原産材料価額 (CIF)

ウィスキー

日 本

ウィスキー 200米ドル 1,000米ドル

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日 本

非締約国

プロピレン

オーストラリア

化学反応

グリセリン グリセリン

※アルコールの一種で化粧品等に使用される

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(3)加工工程基準

産品に特定の加工工程がなされること

日オーストラリアEPA 品目別規則 第2905.45:製造国において化学反応の工程(新たな構造の分子を生ずること) を経ていること

非原産材料 HS番号2905.45項

③実質的変更基準

(注)非原産材料について記載

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ラベンダー石鹸(第34.01項) 日タイEPA 品目別規則 第34.01:化学反応、精製、異性体分離の各工程若しくは 生物工学的工程を経ること

化学反応

ラベンダー石鹸(第34.01項)

③実質的変更基準

日本から輸出する場合は?

ラベンダー精油(第33.01号)

精製水(第22.01号)

オリーブ油(第15.09号)

非原産材料

苛性 ソーダ

A国

苛性ソーダ(第28.15号)

原産材料

タイ

日本

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品目別規則の読み方

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【日タイEPA協定

附属書二

品目別規則】

① ② ③

第39.01項~第39.14項の品目別規則 ① 他の項の材料からの変更、 ② 原産資格割合が40%以上であること (関税分類の変更を必要としない。)又は、 ③ 使用される非原産材料についていずれかの締約国において化学反応、精製、異性体分離の各工程若しくは生物工学的工程を経ること(関税分類の変更を必要としない。)。

関税分類変更基準

付加価値基準

加工工程基準

3つの基準が併記されているが、 いずれか一つを満たしていれば良い

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日アセアンEPA 日スイスEPA 日ベトナムEPA

日インドEPA その他のEPA

一般ルール (協定本文)

他の項の材料からの変更 又は 付加価値40%以上

他の号の材料からの変更 及び 付加価値35%以上

全ての産品について品目別規則が規定されているため一般ルールは存在しない

品目別規則に規定のない産品は、一般ルールを適用する。

項Tariff Heading(4桁):(例)第73.09項 号Tariff Sub-heading (6桁):(例)第7309.00号

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一般ルールについて 協定本文に規定

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①累積(ACU)

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生産に使う他国の原産品を自国の原産材料とみなす

ベトナム

日ベトナムEPA 品目別規則 第1604.11 他の類の材料からの変更 (第3類の材料からの変更を除く)

※原産地証明書に「ACU」の記載が必要

ベトナム原産品の資格を獲得し易いという大きなメリットがある。

累積の考え方を適用すると

ベトナム 日本

日本の 原産材料

輸入

ベトナムにとっては非原産材料

輸入

ベトナムの原産材料とみなす

日本

日本の 原産材料

ベトナム

鮭(第3類)

調味料(第21類)

鮭フレーク

第1604.11号

非原産材料

調味料(第21類)

非原産材料

鮭(第3類)

原産材料

累積を適用

第16類

③実質的変更基準・例外

Page 25: EPA協定の原産地規則 - 税関2017/01/19  · (2)付加価値基準 産品に一定以上の価値を付加すること 日タイEPA 品目規則 第87.03:原産資格割合が40%以上であること。

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②僅少の非原産材料(DMI) 原産地基準を満たさないごく僅かな非原産材料は考慮しない

※原産地証明書に 「DMI」の記載が必要

日アセアンEPA 品目別規則 第1604.30:他の類の材料からの変更(第3類の材料からの変更を除く)

僅少を適用

アセアン(タイ)

イクラ

イクラ

鮭卵(第3類)

原産材料

醤油(第21類)

みりん(第22類)

魚介エキス(第16類)

非原産材料

鮭卵(第3類)

原産材料

醤油(第21類)

みりん(第22類)

魚介エキス(第16類)

非原産材料

類変更

ごく僅かな量は考慮しない

日本

類変更

※僅少を適用できる品目、閾値はEPAごとに異なる。

第16類

③実質的変更基準・例外

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主な僅少の非原産材料の適用対象品目の比較表 *適用できる品目、閾値はEPAごとに異なる。

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参考

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主な僅少の非原産材料の適用対象品目の比較表 *適用できる品目、閾値はEPAごとに異なる。 参考

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(注)日シンガポールEPA、日スイスEPAの各原産地証明書には記載されない。

原産地証明書に記載される原産地基準の記号 参考

28 ※日インドEPAの一般ルールはHS6桁変更

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③原産資格を与えることとならない作業

※作業の内容は協定毎に異なることに留意が必要

特定の作業が行われることのみをもって、品目別規則に定める関税分類変更基準、 又は加工工程基準を満たすものとはしないという規定

日アセアン包括的経済連携協定第30条

(a)輸送又は保管の間に産品を良好な状態に保存することを確保する作業

(乾燥、冷凍、塩水漬け等)その他これに類する作業

(b)改装及び仕分

(c)組み立てられたものを分解する作業

(d)瓶、ケース及び箱に詰めることその他の単純な包装作業

(e)一の産品として分類される部品及び構成品の収集

(f)物品を単にセットにする作業 (g)(a)から(f)までの作業の組合せ

包装用 段ボール

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③実質的変更基準・例外

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まとめ~「原産品」であることの決定方法

生産のための材料について、

①生産のための全ての材料に協定締約国(1ヶ国)(注1)のみが関与しているか?

はい いいえ

完全生産品 ②生産において厳密には協定締約国以外の国も関与しているが、最終産品の生産のための材料に、協定締約国(1ヶ国)(注1)のみが関与しているか?

はい いいえ

原産材料のみから生産される産品 ③最終産品の生産のための材料に、協定締約国 以外の国が関与している場合、産品は品目別規則 (注2)を満たしているか?

はい

実質的変更基準を満たす産品 ④累積、僅少の非原産品等のその他の規定 の適用によって、品目別規則(注2)を満たす ことができるか?

はい

実質的変更基準を満たす産品 原産品とは認められない

いいえ

いいえ

(注1)メキシコ協定の場合は、日本を含む両締約国 (注2)品目別規則が設定されていない産品については、協定本文の規定(一般ルール)を満たしているか検討する。 (注3)原産材料のみから生産される産品の概念は、インド協定を除く14のEPA特恵原産地規則において規定されている。

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(注3)

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日本

第三国

3.積送基準

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①直接運送されること A国

第三国を経由する場合には、当該第三国において 許容される作業は、積卸し及び産品を良好な状態に 保存するために必要な作業のみ

貨物が日本に到着するまでに原産品としての 資格を失っていないかどうかを判断する基準

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①、②を 輸入申告時に提出すること

(関税法施行令第61条第4項、8項)

①原産地証明書

②運送要件証明書

•課税価格の総額が20万円以下の貨物(少額特恵) …原産地証明書及び運送要件証明書の提出免除

※EPAにおいては、輸入国が提出を免除する産品の指定はない

【提出免除】

原則 4.手続的規定

例外

①通し船荷証券(通しB/L)の写し

②積替国の税関、官公署が発給した証明書

③税関長が適当と認めるもの

32

※原産地申告:日スイス・日メキシコ・日ペルーEPA ※原産品申告書:日オーストラリアEPA

第三国を経由し日本に運送された場合。

①~③のいずれかを提出。

【提出猶予】 下記のいずれかの場合、原則として2か月以内の適当な期間、原産地証明書

等の提出猶予の取扱いが可能 (関税法基本通達68-5-15, 16)

-災害その他やむを得ない理由がある場合

-許可前引取(BP)を行なう場合

提出を免除するのみ。

原産地規則は満たしていることが必要!

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“The exporter of the products

covered by this document (認定輸出者の認定番号) declares that,

except where otherwise clearly

indicated, these products are of

(産品の原産地(Switzerland))preferential origin.“

スイス協定

“The exporter of the goods

covered by this document

(認定輸出者の認定番号)

declares that, except where

otherwise clearly indicated, these

goods are of Japan/Mexico

preferential origin under

Mexico-Japan EPA.”

メキシコ協定

“The exporter of the goods

covered by this document (認定輸出者の認定番号) declares that,

except where otherwise clearly

indicated, these goods are of

(産品の原産地(Peru))preferential origin under Peru-

Japan EPA.

(場所及び日付*)”

(* )「場所及び日付」については、原産

地申告が記載された商業上の文書上に別途記載がある場合は、省略可。

ペルー協定

・日スイスEPA,日ペルーEPA,日メキシコEPAにおいて採用 ・認定輸出者による自己証明制度 ・インボイス等の商業書類に特定の申告文を記載 ・原産地証明書と併用(どちらかを提出)

【原産地申告】

33

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【原産地証明書】 ※発給機関ACCI,AIGの2種類

【原産品申告書】

【原産品申告書】

・日豪EPAにおいて採用 ・輸入者等が自ら作成した輸入貨物が原産品である旨の申告書 ・原産地証明書と併用(どちらかを提出)

どちらか提出

34

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35

②原産地規則ポータル中「協定・法令等」をクリックします。

①税関ホームページ(http://www.customs.go.jp/)トップページから下にスクロールし、「ピックアップ」中

「原産地規則ポータル」をクリックします。

(ピックアップ・政策)

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③EPAの協定テキスト(品目別規則)及び原産地証明書記載要領等を確認できます。

品目別規則

原産地証明書記載要領

品目別規則が検索できます!

Page 36: EPA協定の原産地規則 - 税関2017/01/19  · (2)付加価値基準 産品に一定以上の価値を付加すること 日タイEPA 品目規則 第87.03:原産資格割合が40%以上であること。

輸入者の皆様へ

輸入通関をよりスムーズに行い、一層の正確性を期すため、

原産地認定 についての

「文書による事前教示」とは、 輸入を予定している貨物の原産地を税関に文書で照会し、文書で回答を受けることができる制度で、 ●事前に一般特恵税率や経済連携協定税率の適用が可能か知ることができる●輸入申告時に回答書を添付することにより、原産地の認定がスムーズに行われ、貨物の引取りが早くなる ●回答内容は、照会された商品の輸入通関審査に際し、3年間尊重される

などのメリットがあります。

◎ 《 文書による事前教示照会書の様式の入手方法 》 ・税関ホームページ(http://www.customs.go.jp)からダウンロードできます。

・トップページのピックアップ中「 税関手続きの案内 税関様式及び記載要領」 →「関税法関係[C]」で様式の一覧表が表示されます。

○ 原産地については、事前教示に関する照会書(原産地照会用) (C-1000-2)」

◎ 《 具体的な手続等に関しては、関税法基本通達7-17、7-18、7-19-2をご参照ください。》 ・税関ホームページ( http://www.customs.go.jp )からご覧になれます。

参考

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Page 37: EPA協定の原産地規則 - 税関2017/01/19  · (2)付加価値基準 産品に一定以上の価値を付加すること 日タイEPA 品目規則 第87.03:原産資格割合が40%以上であること。

ご不明の点があれば・・・

ご質問・ご不明の点等がありましたら、お近くの税関又は貨物を輸入申告する税関の原産地規則担当部門(下記参照)にご照会下さい。

上記の各税関原産地規則担当部門においては、原産地に係る文書による事前教示も受け付けておりますので、お気軽にご相談下さい。

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