上越地域医療センター病院当院薬剤科業務 •患者(介護者)視点の業務...

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上越地域医療センター病院 1

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  • 上越地域医療センター病院

    1

  • 薬剤科紹介

    •現在薬剤師3名、薬剤助手2名

    •DPC:未導入

    •平均在院日数:• 22.3日(一般病床)、50~60日(療養病床)

    •院外処方箋発行率:約93.9% 外来患者約150人/日• 外来処方箋:院内平均約6枚/日

    •薬剤管理指導件数:約120件/月

    •病棟薬剤業務実施加算:未実施

    •夜間休日対応:オンコール体制

    2

  • 医師や看護師とのカンファレンス患者状態に応じた処方提案

    現在の施設基準では加算とれず(参考:病棟薬剤業務実施加算100点/週)

    病棟業務を拡げているが、加算が取れない

    現在の薬剤科の主な業務

    3

    入院・外来患者の調剤業務

    現在でも最も多くの時間をかけることになる。(本来は薬剤師がすべて行う業務であるが、2人の助手がかなり業務を行っている)

    調剤技術基本料(42点/月)・調剤料(入院7点/日)

    ミキシング業務

    外来化学療法加算1A(580点/日)無菌製剤処理量(50点/日)

    薬剤管理指導業務

    約350点/回(月4回まで)

    入院時持参薬確認および処方提案

    現在の施設基準では加算とれず(参考:病棟薬剤業務実施加算100点/週)

    褥瘡回診

    現在は加算でなく、入院基本料へ含まれる

    NST回診

    NST実施加算100点/週

    ICTラウンド

    感染対策加算2(100点/入院初日)

    医薬品安全管理業務

    現在は病棟薬剤業務実施加算を行う上で必須

    病棟業務を拡げているが、加算が取れない

  • 当院薬剤科業務

    •患者(介護者)視点の業務

    •医療スタッフと協働した業務

    •地域の中での薬剤科業務

    4

  • 調剤業務を患者視点で

    •当院の多くの入院患者は高齢者•平成26年度平均入院患者年齢79.9歳

    •高齢になるほど服用薬剤数は増加する

    •自宅では自分もしくは家族(老々介護)が管理しなければならない場合が多い

    •しかし、多くの高齢者は自己管理できず、入院中は看護職員が配薬などを行う場合が多い

    5

  • 5.55

    5.95

    6.92

    7.43

    7.03

    0

    1

    2

    3

    4

    5

    6

    7

    8

    60歳以下

    (n=105)

    61歳以上70歳以下

    (n=155)

    71歳以上80歳以下

    (n=332)

    81歳以上90歳以下

    (n=512)

    91歳以上

    (n=221)

    平均持参薬数

    平成26年度年齢別持参薬数

    6

  • 入院前の主たる管理者

    56%

    6%

    5%

    5%

    7%

    21%

    全患者

    本人

    配偶者

    息子

    施設

    7

    45%

    7%7%

    7%

    9%

    25%

    75歳以上

    高齢者の半数以上は老々介護 ¼は家族が管理

  • 調剤支援システム(TOSHO-VP)

    8

    錠剤自動分包機制御PC

    調剤支援システムPC

  • 錠剤自動分包機

    9

    患者さんの服用間違い、看護師の配薬間違いを防止するため、当院では原則全て分包化

  • 薬袋

    10

    薬袋は入院中は原則使用せず、自己管理の患者さんのみに使用。その他の患者さんは配薬カートを用いて管理。

  • チーム医療の中での薬剤師の責務

    11

    医師看護師

    薬剤師

    介護福祉士

    リハビリ技師

    管理栄養士師 MSW

  • 当院の医療チームでの薬剤師の関わり

    •NST(栄養サポートチーム)• 週1回のNST回診への参加、月1回のNST委員会への参加など

    • ICT(感染対策チーム)• 週1回のICTラウンドへの参加、月1回のICT委員会への参加など

    • PUT(褥瘡対策チーム)• 週1回の褥瘡回診への参加、月1回の褥瘡委員会への参加など

    • PCT(緩和ケアチーム)• 毎日の回診への参加、週1回のカンファレンスへの参加など

    12

  • 薬剤師の業務イメージ(H23.中医協資料より抜粋)

    13

    • 薬剤師の病棟での業務は、薬剤管理指導業務とその他の薬剤関連業務に分類できる。• 後者は、現状では、医師、看護師等が実施している場合が多いが、医師等の業務負担や医療安全上の問題につながっているものと考えられる。

    現状

    薬剤師の積極的活用

    調剤業務(薬剤部門等における業務を含む) +

    病棟での業務比率は小さい

    病棟での業務

    薬剤管理指導業務

    その他薬剤関連業務• 病棟における抗がん剤のミキシング• 処方変更への迅速な対応• 退院時における保険薬局との連携• 病棟配置薬の管理• 持参薬の鑑別

    薬剤師が実施 (多くの場合)医師、看護師等が実施

    調剤業務(薬剤部門等における業務を含む)

    →業務量不変 +病棟での業務比率が大きくなる

    病棟での業務 → 業務量増大

    薬剤管理指導業務

    その他薬剤関連業務• 病棟における抗がん剤のミキシング• 処方変更への迅速な対応• 退院時における保険薬局との連携• 病棟配置薬の管理• 持参薬の鑑別

    その他薬剤関連業務を含めて薬剤師が実施 医師等の負担軽減、医療安全の向上

  • 病棟薬剤業務の具体例① 患者背景及び持参薬の確認とその評価に基づく処方設計と提案

    入院患者への面談後の処方設計や処方提案

    ② 患者状況の把握と処方提案

    副作用などの患者モニタリング、情報のフィードバック

    ③ 医薬品の情報収集と医師への情報提供等

    ④ 薬剤に関する相談体制の整備

    ⑤ 副作用等による健康被害が発生した時の対応

    薬事法に基づく、副作用報告など

    ⑥ 多職種との連携

    病棟回診やカンファレンスへの参加

    ⑦ 結核病棟におけるDOTS(直接監視下短期化学療法)の取り組み

    ⑧ 抗がん薬等の適切な無菌調製

    ⑨ 当該医療機関及び当該病棟における医薬品の投与・注射状況の把握

    ⑩ 当該病棟における医薬品の適正な保管・管理

    14薬剤師の病棟業務の進め方(Ver.1.0) 日本病院薬剤師会より

  • 入院から退院までの流れ

    15

    入院時、持参薬(前医処方薬)鑑別

    入院時、患者(家族)面談。面談情報、入院時検査データ、心電図、X線画像、バイタルなどから薬剤師の視点での当院入院後処方提案。

    毎日、看護師、リハビリスタッフ、介護師、MSWなどとの全体カンファレンスに参加

    2週間に1回の定期処方箋指示受け

    1週間に1回のNST、ICT、PUTへの参加

    退院時に薬剤情報サマリーを全患者に作成。

  • 処方指示受け時の取り組み

    16

    医師 処方箋~~~~~~~~~

    薬剤師

    処方の指示受け

    病棟

    処方箋~~~~~~~~~

    薬剤師

    監査

    薬局

    処方の指示受け時に行うこと

    入院カルテ、看護記録、血圧や脈拍数、便の回数・性状(下痢の有無)、喫食率、血液検査データなどの患者情報の確認

    医師へ使用薬剤の変更や中止、減量を提案変更や中止、減量後の患者状態を確認

  • アドヒアランスをよくするための処方

    • 服薬数を少なく:降圧薬や胃薬など同薬効2~ 3剤を力価の強い1剤か合剤にまとめる

    • 服用法の簡便化:1日3回服用から2回あるいは1回への切り替え

    短時間作用型から長時間作用型薬剤への切り替え

    食前,食直後,食後30分など服薬方法の混在を避ける

    介護者が管理できる服用方法;出勤前,帰宅後などにまとめる

    • 一包化調剤の指示:服薬管理に問題がある場合

    長期保存できない,途中で用量調節できない欠点

    緩下剤や睡眠薬など症状によって飲み分ける薬剤は別に

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  • 退院時サマリー

    18

    •かかりつけ医に対して作成。

    •様式は日病薬療養病床委員会にて作成したものを使用。

    •備考欄には薬剤師の視点で処方変更した旨や、入院時の患者状態、必要最低限の検査結果などを記載

  • 薬剤管理サマリー

    19

    病名を記載するため、同意を得られた患者のみ発行

    入院中の主な検査結果を記載

    服薬状況や調剤方法、食事の内容などを記載

    入院中の下剤と睡眠薬の使用状況を記載

    その他、処方が変更になった場合はその経緯等を記載。入院中の点滴を含め、特記すべき事項を備考欄へ記載

  • 薬剤や病態の把握し、処方解析できる能力

    • 用法・用量の確認

    • 投与方法の確認

    • 相互作用の確認

    • 配合変化の確認

    一般的な薬剤師能力

    • 処方せんから疾患や患者背景を読み取る能力

    • 患者のバイタルや検査結果などを考慮した処方提案

    • 退院後の患者を考えた処方提案

    一歩進んだ臨床薬剤師

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  • 薬剤師としてのアクティビティ:学会参加・発表・資格取得

    • 平成25年7月20日~21日 第15回日本褥瘡学会 神戸国際会議場

    『シンポジウム 褥瘡管理におけるチーム医療の展開』

    • 平成25年8月31日~9月1日 第43回日本病院薬剤師会関東ブロック大会 朱鷺メッセ

    『シンポジウム チームで取り組む褥瘡対策〜薬剤師はどう関わったらよいのか〜』

    • 平成25年9月20日 平成25年度日本病院薬剤師会病院薬局協議会 仙台国際センター

    『経管投与患者への安全で適正な薬物投与法に関する調査・研究』

    • 平成25年9月21日~22日 第23回日本医療薬学会 仙台国際センター

    『シンポジウム 褥瘡チームへの薬剤師参加による医師・看護師および患者に及ぼすメリット』

    • 平成26年2月14日~15日 第29回日本環境感染症学会 グランドプリンスホテル新高輪

    『新潟県下7施設におけるMRSA分離率と緑膿菌耐性率に寄与する因子の検討』

    • 平成26年2月27日~28日 第29回日本静脈経腸栄養学会 パシフィコ横浜

    『全国徳洲会病院「経管投与実態アンケー調査」集計結果~今後の病棟薬剤業務に生かすには~』

    • 平成26年3月1日 第6回新潟県在宅褥瘡セミナー 長岡赤十字病院講堂

    『シンポジウム 褥瘡を予防するケア ~現場での実践と課題~』

    21

  • 薬剤師としてのアクティビティ:学会参加・発表・資格取得

    • 平成26年6月12日 第56回日本老年医学会学術集会 福岡国際会議場

    『外来通院患者の服薬状況に関する検討』

    • 平成26年7月6日 第7回新潟県在宅褥瘡セミナー ときめいと

    『褥瘡の治療~薬剤~』

    • 平成26年8月29日~30日 第16回日本褥瘡学会学術集会 名古屋国際会議場

    『シンポジウム 褥瘡の適切な薬物療法を目指して』

    『褥瘡治療に関わる薬剤師の現状調査』

    • 平成26年8月30日~31日 第44回日本病院薬剤師会関東ブロック大会 ソニックシティ

    『食思不振患者に対するミルタザピンの食欲改善効果の検討』

    • 平成27年1月17日 ケアカフェ「薬剤師とケアマネとの連携」 上越市民プラザ

    『在宅へ向けた薬物療法支援~病院薬剤師の取り組み~』

    • 平成27年2月12~13日第30回日本静脈経腸栄養学会学術集会 神戸国際会議場

    『薬物有害事象による栄養障害への薬剤師の取り組み』

    • 平成27年2月21日 第1回外用療法研究会 星薬科大学

    『薬剤師による褥瘡医療への参画の実態』

    • 平成27年3月7日 第9回新潟NSTフォーラム 朱鷺メッセ

    『薬物有害事象による栄養障害への薬剤師の取り組み』22

  • 理想的な薬剤師を目指して

    • スペシャリストの前にジェネラリスト

    •薬剤師という職業に自信と責任をもつ

    •自分が理想とする薬剤師像をもつ(目標の設定)

    • チーム医療や地域医療の中で、患者をはじめ医療スタッフから頼ら

    れる薬剤師

    • チーム医療の中で薬剤師にしかできないことに取り組む

    •患者や他医療スタッフの視点にたった薬剤師業務

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