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減衰振動、強制振動
Made by R. Okamoto (Emeritus prof., Kyushu Inst. of Tech.)
filename=vibration-dampted-summary100603a.ppt
目次
1.(フックの力による)単振動+現実的効果
2.(フックの力+速度比例抵抗)の下の振動
3.(フックの力+周期的に変化する外力)の下の振動
4.(フックの力+速度比例抵抗+周期的に変化する
外力)の下の振動
2
1.理想化された単振動から現実的振動へ
現実の振動的運動:有限の空間的領域内、
有限の時間だけ持続、
最終的には減衰し、消滅する。
複雑な挙動。
単振動:無限の空間的領域内、
無限の時間持続し、減衰しない。
単純な挙動。
現実的効果:抵抗力、周期的外力
3
単振動 減衰振動
強制振動(共振) 減衰する強制振動
速度比例抵抗力
周
期
的
外
力
周
期
的
外
力
k
x
m
速度比例抵抗力
4
(フックの力+速度比例抵抗力)の下の振動:減衰抵抗 2.
2
2
22
202 [ ] /
2d x
mdt
d x
dxmkx
dxx k m
dt d
dt
t
微分方程式同次
フックの力(k:バネ定数)
質量mの物体の、つりあい位置からの変位をxとすると、
任意の時刻tにおいて
速度に比例する抵抗力
(2γは単位質量あたりの
抵抗力の比例係数)
時刻tにおける変位x(t)の値が未知:
時間tについての2階の微分方程式
(1)
5
数学的準備
純虚数の指数関数についてのオイラーの公式 ie cos i sin [ : ] 実数
0 0
210 0 0 0 02!
210 2!
( ) ( )
( ) '( )( ) ''( )( ) .
0 ( ) (0) '(0) ''(0) .
f x f x x x
f x f x x x f x x x
x f x f f x f x
の場合:
(証明) 関数f(x)の点x=x0近傍におけるテーラー展開公式
2 31 1 12! 3! !
2 41 12! 4!
3 51 13! 5!
e 1 ,
cos 1 ,
sin .
x n
nx x x x
x x x
x x x x
これらの式を用いると証明される。
(準備)
i -i'e 'e ( ' ')cos i( ' ')sin
cos sin , [ ( ' '), i( ' ') ]
t ta b a b t a b t
a t b t a a b b a b
6
解法(1): 解の候補としてx(t)=eλtとおいて、λを求める。
2t 2 t
2e , e
dx d x
dt dt
22
22 0 ( / )
d x dxx k m
dt dt
関数xをtで微分
(1)式に代入して、λを決める方程式を得る:
(1)
2 22 0
しかし、括弧内の符号(ωとγの大小関係)が分からないと
これ以上解けないので場合わけする!
(2)
7
解法(2): 解の候補としてx(t)=y(t) e-γtとおいて、
y(t)を求める。
2 2- t - t - t - t 2 - t
2 2e e , e 2 e e
dx dy d x d y dyy y y
dt dt dt dt dt
22
22 0 ( / )
d x dxx k m
dt dt
関数xをtで微分
(1)式に代入して、yを決める方程式を得る:
(1)
22 2
2( ) 0
d yy
dt
しかし、括弧内の符号(ωとγの大小関係)が分からないとこれ以上解けない!
(2)
8
固有振動数と抵抗の強さを比較した場合ごとの一般解
(a) (弱抵抗)の場合 0
(c) の場合:臨界減衰
- teA
2 2
0( , , :A 積分定数)
振幅 :時間とともに減衰
周期 2 2
T
減衰振動
2 2( , , :p A B 積分定数)
振動しない(過減衰) (b) < ( ) 強い抵抗の場合:過減衰
t
0( ) e cos( )x t A t
( ) ( )( ) e ep t p tx t A B
( ) ( )e tx t At B
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減衰振動、臨界減衰の実例
衝撃吸収装置付のドア:
ドアを開けて初速度ゼロでそっと手を離したとき、
ドアが音を立てることなく閉じるようになっている。
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(フックの力+周期的に変動する外力)の下の振動: 強制振動と共振
2
02cos
d xm kx mf pt
dt
00 2 2
cos( ) cosf
x A t ptp
0
0
sin2
lim sin2
2
sin( )2
p
pt
f px t t
ppt
ft t
x
t
共振(共鳴、Resonance)
3.
単振動(自由振動)
強制振動
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共振(共鳴)の実例
1.遊具の「ブランコ」の、動きの調子に合わせて力を加える
と次第に揺れが大きくなる
2.架橋後すぐに風の影響で落橋したタコマナローズ橋
アメリカ合衆国、ワシントン州のピュージェット湾にある海峡、タコマナローズ (Tacoma Narrows)
に架かる吊り橋。1940年7月1日に開通。全長1,600m、吊径間853m、幅11.9m。太平洋側有数の
港湾都市タコマ市と、アメリカ海軍有数の海軍工廠(造船所)があるブレマートン市などの位置する
キトサップ半島地区を結ぶ目的で建設された。当時の最新理論に基づいて設計されており、
架橋当時は世界で第3位の長さだった。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%82%B3%E3%83%9E%E3%83%8A%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%BA%E6%A9%8B
12
参考:強制振動における振幅と位相のずれの
外力振動数依存性
2
0 0( ) / /p f p
1 cos( ) (cos cos sin sin )x pt pt pt
0
2 20; ( )
( )
fp
p
発散する!
現実には抵抗力など働き、
発散は抑制される
0( ) /p
1(共鳴)
1(共鳴)
0
δ
π
13
参考:(フックの力+速度比例抵抗力+周期的に変化する
外力)の下の振動
2
2
22
02
02 cos( )
2 cos( )
d xm
dt
d x dxx
dt
kxdx
m mf ptdt
f ptdt
4.
1 2
t
1 0
2
,
e cos( ),
cos( )
x x x
x A t
x pt
一般解
減衰振動
強制振動
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参考:速度比例抵抗がある場合の、
強制振動の振幅と位相の外力振動数への依存性
位相(という情報)は、光学、力学、波動だけではなく、量子力学における
干渉性など物理学の諸分野においても重要な役割を果たす。また、ある種の魚は
敵からの回避、餌の捕獲において位相情報を利用していることも知られている。
「外部からの刺激」に対する「系の応答」についての情報
0
2 2 2 2
2 2
; ( )( ) (2 )
2tan ; ( )
( )
fp
p p
pp
p
15
0
0
2
( 0)p
f
強制振動の振幅増幅率(感受率)と位相(のずれ)
2 2 2 20
2
( ) 1; ,
2(1 )
/tan
1
p pQ
Q
Q
抵抗力の相対的弱さ
共振の鋭さ
固有角振動数で換算された
外力の角振動数
最大振幅
参考
16
0
( )p
Q=1
Q=5
Q=10
共振(共鳴)
Q=10 Q=5
Q=1
振幅増幅率(感受率)
1
2
/tan
1
Q
位相のずれの外力振動数依存性
注意:逆tan関数の主値は通常の定義とは異なることに注意。
(HP別紙、逆三角関数@物理のための数学を参照
共振(共鳴)
参考