容量/デジタル・コンバータを使って 水位センサー …...analg ialgue 9-04 1...
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Analog Dialogue 49-04 1
容量デジタルコンバータを使って
水位センサーを構築著者Jiayuan Wang
はじめに 液体を注入する工程ではその量を正確に把握しなければなりませんつまり液体の水位を正確に検知できるようにするために高精度で容易に実現可能な手法が必要になります本稿では分解能が24ビットの容量デジタルコンバータを使用して高い精度で液体の水位を検知する手法を紹介します
容量の基礎
容量(キャパシタンス)はコンデンサ(キャパシタ)がどれだけの電荷を蓄積できるのかを表す指標です容量Cは次式で求められます
C = QV
この式でQはコンデンサに蓄積された電荷Vはコンデンサの両端の電圧です
図1に示すコンデンサでは面積がAの2枚の金属板が距離dの間隔を保って平行に配置されていますこの場合の容量Cは次式で表されます
O RAd
ε εtimes= C
この式についての詳細は以下のとおりです
bull Cは容量で単位はF(ファラド) bull Aは2枚の板がオーバーラップしている部分の面積で ありatimesbで求められる
bull dは2枚の板の間の距離 bull εRは比誘電率 bull εOは真空の誘電率でその値は約8854times10 -12Fm -1
bd
a
図 1 2枚の平行板で形成される容量
容量デジタルコンバータ
続 い て 容 量 デ ジ タ ル コ ン バ ー タ ( C D C Capac i t ance - to -Dig i t a l Conver te r)の具体例を紹介しますアナログデバイセズ(ADI)は高分解能のシグマデルタ(ΣΔ)方式C D Cを提供しています「A D 7 7 4 5」は 1チャンネル「A D 7 7 4 6」は 2チャンネルのC D C製品でいずれも入力に直接接続された容量の値を測定することができます分解能はミッシングコードなしの 2 4ビットで有効分解能は 2 1ビットですまた直線
性はplusmn 0 0 1精度はplusmn 4 f F(工場からの出荷時に校正)といずれも高い性能を実現しています両製品は水位 位置圧力などの物理パラメータの測定に使用するセンサーとして最適です
A D 7 7 4 5とA D 7 7 4 6は機能的に完結した製品ですマルチプレクサ励起用のソース入力容量の調整に使用するスイッチドキャパシタ方式のDAコンバータ(CAP DAC)温度センサー電圧リファレンスクロックジェネレータ制御 キャリブレーション(校正)用のロジック回路 I 2C互換のシリアルインターフェース電荷平衡型の2次ΣΔモジュレータと3次デジタルフィルタで構成される高精度のコンバータコアを内蔵していますこのコンバータコア(CDCコア)は容量入力に対してはCDCとして動作し電圧入力に対してはADコンバータ(ADC)として動作します
測定の対象となる容量C xはΣΔモジュレータ(C D Cコア)の入力と励起用のソースの間に接続します励起信号としては矩形波を使用しますこの信号は変換動作の間C xに印加されますΣΔモジュレータはC xの電荷を継続的にサンプリングし0と1のストリームデータに変換しますデジタルフィルタはΣΔモジュレータの出力である0と1のストリームデータを処理し1の密度で表される容量値を求めますフィルタの出力はキャリブ レーション係数によってスケーリングされます最終的な結果は外部のホストからシリアルインターフェースを介して読み取ることができます
図 2に示した 4種の構成図はいずれもC D Cを使用した容量検知方法を表したものですそれぞれシングルエンド差動接地型浮動型のセンサーアプリケーションに対応します
シールドCx
CIN++
ndash
励起
CDCコア
シールドCx
CIN+
CINndash
励起
+
ndash
Cy
CDCコア
Cx
CIN+
EXC
励起
+
ndashCDCコア
Cx
CIN+
CINndash
励起
+
ndash
Cy
EXC
CDCコア
(a)シングルエンド接地型センサー
(b)差動接地型センサー
(c)シングルエンド浮動型センサー
(d)差動浮動型センサー
シールドCx
CIN++
ndash
励起
CDCコア
シールドCx
CIN+
CINndash
励起
+
ndash
Cy
CDCコア
Cx
CIN+
EXC
励起
+
ndashCDCコア
Cx
CIN+
CINndash
励起
+
ndash
Cy
EXC
CDCコア
(a)シングルエンド接地型センサー
(b)差動接地型センサー
(c)シングルエンド浮動型センサー
(d)差動浮動型センサー
Analog Dialogue 49-042
容量式の水位検知システムのハードウェア 2つの容量測定チャンネルを備えたAD7746は水位検知の用途に非常に適しています図4にそのためのシステムのブロック図を示しましたこのシステムでは容量式センサーとリファレンスの容量値がデジタルデータに変換されますそれらのデータは I 2Cポートを介してホストPCまたはマイクロコントローラに送信されます
デジタルフィルタ
24ビットのΣΔ
モジュレータ
クロックジェネレータマ
ルチプレクサ
温度センサー
リファレンス
容量式センサー
CIN1(+)
CIN2(+)
CAP DAC
CAP DAC
電圧リファレンス
制御キャリブレーション用のロジック
AD7746
ホストシステムセンサー Σ-Δ ホスト
EXC 1
EXC 2
I2C互換のシリアルインターフェース
励起
図 4 容量式の水位検知システム
正確な測定のためにプリント回路基板の設計が非常に重要です図5はセンサー用のボード(4層のプリント回路基板)とCDCの接続を表しています精度を得るためにAD7746は基板の表面の2枚の金属板にできるだけ近い位置に実装しますグラウンドプレーンは基板の背面で露出されていますこのアプリケーションでは2つの入力チャンネルを使用します図 6に実際の基板の外観を示します
C
グラウンド(シールド)
グラウンド(液体に浸す)
AD7746などの部品
センサー(基板内部
の電極)
IN1
C EXCA
C IN2
C EXCB
水位C 1
C 2
水位の測定C 1
リファレンスC 2
CDC
CDC デジタルデータ
処理
図 5 センサー用の基板(左)C D Cとの接続(右)
Ground Plane
Coplaner Tracks on Inner Layer of PCB
図 6 基板の表面と背面
このセンサー用の基板は2枚の平行板ではなく2枚のコプレーナ線路(金属板)を使用して設計されています平行板の場合誘電体はプリント基板の材料空気液体によって形成されます一方基板内部のコプレーナ層は直接液体に触れる必要はありませんコプレーナ線路長当たりの容量は次の式で近似できます
シールドCx
CIN++
ndash
励起
CDCコア
シールドCx
CIN+
CINndash
励起
+
ndash
Cy
CDCコア
Cx
CIN+
EXC
励起
+
ndashCDCコア
Cx
CIN+
CINndash
励起
+
ndash
Cy
EXC
CDCコア
(a)シングルエンド接地型センサー
(b)差動接地型センサー
(c)シングルエンド浮動型センサー
(d)差動浮動型センサー
シールドCx
CIN++
ndash
励起
CDCコア
シールドCx
CIN+
CINndash
励起
+
ndash
Cy
CDCコア
Cx
CIN+
EXC
励起
+
ndashCDCコア
Cx
CIN+
CINndash
励起
+
ndash
Cy
EXC
CDCコア
(a)シングルエンド接地型センサー
(b)差動接地型センサー
(c)シングルエンド浮動型センサー
(d)差動浮動型センサー
図 2 各種センサーアプリケーション向けの構成
容量式の水位検知方法
続いて液体の水位を監視する簡単な方法を説明しますこの方法では図3に示したように液体の中に平行板コンデンサを浸します水位が変化したら平行板の間の誘電体の値が変化するため容量値も変化します図中でC 2として示した第2の容量センサーはリファレンスとして使用します
C asymp 0 Ra b
d
リファレンス
水位の測定C 1
水位
容量センサー
容量センサー
C 1
C 2
C 2 εRの補正
図 3 容量式の水位検知方法
εR(Water )はεR(Air )より十分に大きいためセンサーの容量は液体に浸された部分の容量によって近似できますしたがって液体の水位は以下に示すようにC 1 C 2として算出できます
C O RLevel times
d
C O RRef times
db
b
Level asymp
asymp
asymp
C1
1
2
C2
ε ε
ε ε
ここでLeve lは液体に浸された部分の平行板の長さRefはリファレンスセンサーの平行板の長さを表します
Analog Dialogue 49-04 3
= Cl
πε εR(eff ) O
π( ) w t
+ 1+
d wndashln )(
この式の詳細について以下にまとめます
bull dは2本の平行線路の中間点間の距離
bull lは線路の長さ
bull wは各線路の幅(線路の幅は等しいと仮定)
bull tは線路の厚さ
bull 実効比誘電率εR(eff )はdとhの比によって決まる (hはプリント基板の厚さ)
bull d hが1より十分に大きい場合εR(eff )はほぼ1 bull d hがほぼ1の場合εR(eff )は (1+εR) 2
コプレーナで構成したセンサーの線路長当たりの容量はほぼ一定ですそのため上式から測定された容量値は液体に浸された部分の長さに比例することがわかります「LabVIEW reg」(Nat iona l Ins t ruments社製)によって開発したソフトウェアを使用しシステムのキャリブレーションを実行することでさらに高い精度を得ることができます
LabVIEWで開発したソフトウェア
LabVIEWを用いてPC上で動作するソフトウェアを開発しましたこのソフトウェアではC D Cから I 2C互換のシリアルインターフェースを介してデータを取り出す処理を実行します図7に示したのはPC向けに開発したGUI(Graphica l User In te r face)です液体の水位を検知するデモ用システムの稼働中に水位周囲温度電源電圧の各値がリアルタイムで表示されます
図 7 P Cに表示されたシステムのG U I
液体の水位は次式によって得られます
C C DRY Gain OffsetC C DRY
Level times= ndash ndash ndash
1
2
1
2
LabVIEWで開発したプログラムには基本的なキャリブレーション機能と高精度の測定を実現するための高度なキャリブレーション機能を用意しています「Dry(基本)」キャリブレーションは上式のC 1 D RYとC 2 D RYを求めるために使用します上式のGainとOffse tは0(インチ)と4におけるキャリブレーションによって求められますつまり各キャリブレーションで決まる二元一次方程式を解くことで求められますなおリファレンスコンデンサはキャリブレーションと測定処理の実行中は液体に浸しておく必要があります
まとめ
本稿では容量式センサーを使って液体の水位を検知するデモ用システムを紹介しました
関連資料
AD7746の評価用キット
AD7746 Evalua t ion Board Technica l Documenta t ion (AD7746の評価用ボードに関する技術資料)
Ning J ia「ADI Capaci tance- to-Digi ta l Conver te r Technology in Heal thcare Appl ica t ions」Analog Dia logue 46-05
J im Scar le t t「容量‐デジタルコンバータにより 診断システムのレベル検出を容易化」Analog Dia logue 48-04
Char les S Walker「Capaci tance Inductance and Cross ta lk Analys is」Artech House 1990 ISBN 978-0890063927
著者
J iayuan Wang( j i ayuan wanganalog com)は2013年にADIに入社しましたマサチューセッツ州ウィルミントンにあるカスタマソリューションイネーブルメント部門にアプリケーションエンジニアとして所属しています2013年にコーネル大学で修士号を取得しています
Jiayuan Wang
Analog Dialogue 49-042
容量式の水位検知システムのハードウェア 2つの容量測定チャンネルを備えたAD7746は水位検知の用途に非常に適しています図4にそのためのシステムのブロック図を示しましたこのシステムでは容量式センサーとリファレンスの容量値がデジタルデータに変換されますそれらのデータは I 2Cポートを介してホストPCまたはマイクロコントローラに送信されます
デジタルフィルタ
24ビットのΣΔ
モジュレータ
クロックジェネレータマ
ルチプレクサ
温度センサー
リファレンス
容量式センサー
CIN1(+)
CIN2(+)
CAP DAC
CAP DAC
電圧リファレンス
制御キャリブレーション用のロジック
AD7746
ホストシステムセンサー Σ-Δ ホスト
EXC 1
EXC 2
I2C互換のシリアルインターフェース
励起
図 4 容量式の水位検知システム
正確な測定のためにプリント回路基板の設計が非常に重要です図5はセンサー用のボード(4層のプリント回路基板)とCDCの接続を表しています精度を得るためにAD7746は基板の表面の2枚の金属板にできるだけ近い位置に実装しますグラウンドプレーンは基板の背面で露出されていますこのアプリケーションでは2つの入力チャンネルを使用します図 6に実際の基板の外観を示します
C
グラウンド(シールド)
グラウンド(液体に浸す)
AD7746などの部品
センサー(基板内部
の電極)
IN1
C EXCA
C IN2
C EXCB
水位C 1
C 2
水位の測定C 1
リファレンスC 2
CDC
CDC デジタルデータ
処理
図 5 センサー用の基板(左)C D Cとの接続(右)
Ground Plane
Coplaner Tracks on Inner Layer of PCB
図 6 基板の表面と背面
このセンサー用の基板は2枚の平行板ではなく2枚のコプレーナ線路(金属板)を使用して設計されています平行板の場合誘電体はプリント基板の材料空気液体によって形成されます一方基板内部のコプレーナ層は直接液体に触れる必要はありませんコプレーナ線路長当たりの容量は次の式で近似できます
シールドCx
CIN++
ndash
励起
CDCコア
シールドCx
CIN+
CINndash
励起
+
ndash
Cy
CDCコア
Cx
CIN+
EXC
励起
+
ndashCDCコア
Cx
CIN+
CINndash
励起
+
ndash
Cy
EXC
CDCコア
(a)シングルエンド接地型センサー
(b)差動接地型センサー
(c)シングルエンド浮動型センサー
(d)差動浮動型センサー
シールドCx
CIN++
ndash
励起
CDCコア
シールドCx
CIN+
CINndash
励起
+
ndash
Cy
CDCコア
Cx
CIN+
EXC
励起
+
ndashCDCコア
Cx
CIN+
CINndash
励起
+
ndash
Cy
EXC
CDCコア
(a)シングルエンド接地型センサー
(b)差動接地型センサー
(c)シングルエンド浮動型センサー
(d)差動浮動型センサー
図 2 各種センサーアプリケーション向けの構成
容量式の水位検知方法
続いて液体の水位を監視する簡単な方法を説明しますこの方法では図3に示したように液体の中に平行板コンデンサを浸します水位が変化したら平行板の間の誘電体の値が変化するため容量値も変化します図中でC 2として示した第2の容量センサーはリファレンスとして使用します
C asymp 0 Ra b
d
リファレンス
水位の測定C 1
水位
容量センサー
容量センサー
C 1
C 2
C 2 εRの補正
図 3 容量式の水位検知方法
εR(Water )はεR(Air )より十分に大きいためセンサーの容量は液体に浸された部分の容量によって近似できますしたがって液体の水位は以下に示すようにC 1 C 2として算出できます
C O RLevel times
d
C O RRef times
db
b
Level asymp
asymp
asymp
C1
1
2
C2
ε ε
ε ε
ここでLeve lは液体に浸された部分の平行板の長さRefはリファレンスセンサーの平行板の長さを表します
Analog Dialogue 49-04 3
= Cl
πε εR(eff ) O
π( ) w t
+ 1+
d wndashln )(
この式の詳細について以下にまとめます
bull dは2本の平行線路の中間点間の距離
bull lは線路の長さ
bull wは各線路の幅(線路の幅は等しいと仮定)
bull tは線路の厚さ
bull 実効比誘電率εR(eff )はdとhの比によって決まる (hはプリント基板の厚さ)
bull d hが1より十分に大きい場合εR(eff )はほぼ1 bull d hがほぼ1の場合εR(eff )は (1+εR) 2
コプレーナで構成したセンサーの線路長当たりの容量はほぼ一定ですそのため上式から測定された容量値は液体に浸された部分の長さに比例することがわかります「LabVIEW reg」(Nat iona l Ins t ruments社製)によって開発したソフトウェアを使用しシステムのキャリブレーションを実行することでさらに高い精度を得ることができます
LabVIEWで開発したソフトウェア
LabVIEWを用いてPC上で動作するソフトウェアを開発しましたこのソフトウェアではC D Cから I 2C互換のシリアルインターフェースを介してデータを取り出す処理を実行します図7に示したのはPC向けに開発したGUI(Graphica l User In te r face)です液体の水位を検知するデモ用システムの稼働中に水位周囲温度電源電圧の各値がリアルタイムで表示されます
図 7 P Cに表示されたシステムのG U I
液体の水位は次式によって得られます
C C DRY Gain OffsetC C DRY
Level times= ndash ndash ndash
1
2
1
2
LabVIEWで開発したプログラムには基本的なキャリブレーション機能と高精度の測定を実現するための高度なキャリブレーション機能を用意しています「Dry(基本)」キャリブレーションは上式のC 1 D RYとC 2 D RYを求めるために使用します上式のGainとOffse tは0(インチ)と4におけるキャリブレーションによって求められますつまり各キャリブレーションで決まる二元一次方程式を解くことで求められますなおリファレンスコンデンサはキャリブレーションと測定処理の実行中は液体に浸しておく必要があります
まとめ
本稿では容量式センサーを使って液体の水位を検知するデモ用システムを紹介しました
関連資料
AD7746の評価用キット
AD7746 Evalua t ion Board Technica l Documenta t ion (AD7746の評価用ボードに関する技術資料)
Ning J ia「ADI Capaci tance- to-Digi ta l Conver te r Technology in Heal thcare Appl ica t ions」Analog Dia logue 46-05
J im Scar le t t「容量‐デジタルコンバータにより 診断システムのレベル検出を容易化」Analog Dia logue 48-04
Char les S Walker「Capaci tance Inductance and Cross ta lk Analys is」Artech House 1990 ISBN 978-0890063927
著者
J iayuan Wang( j i ayuan wanganalog com)は2013年にADIに入社しましたマサチューセッツ州ウィルミントンにあるカスタマソリューションイネーブルメント部門にアプリケーションエンジニアとして所属しています2013年にコーネル大学で修士号を取得しています
Jiayuan Wang
Analog Dialogue 49-04 3
= Cl
πε εR(eff ) O
π( ) w t
+ 1+
d wndashln )(
この式の詳細について以下にまとめます
bull dは2本の平行線路の中間点間の距離
bull lは線路の長さ
bull wは各線路の幅(線路の幅は等しいと仮定)
bull tは線路の厚さ
bull 実効比誘電率εR(eff )はdとhの比によって決まる (hはプリント基板の厚さ)
bull d hが1より十分に大きい場合εR(eff )はほぼ1 bull d hがほぼ1の場合εR(eff )は (1+εR) 2
コプレーナで構成したセンサーの線路長当たりの容量はほぼ一定ですそのため上式から測定された容量値は液体に浸された部分の長さに比例することがわかります「LabVIEW reg」(Nat iona l Ins t ruments社製)によって開発したソフトウェアを使用しシステムのキャリブレーションを実行することでさらに高い精度を得ることができます
LabVIEWで開発したソフトウェア
LabVIEWを用いてPC上で動作するソフトウェアを開発しましたこのソフトウェアではC D Cから I 2C互換のシリアルインターフェースを介してデータを取り出す処理を実行します図7に示したのはPC向けに開発したGUI(Graphica l User In te r face)です液体の水位を検知するデモ用システムの稼働中に水位周囲温度電源電圧の各値がリアルタイムで表示されます
図 7 P Cに表示されたシステムのG U I
液体の水位は次式によって得られます
C C DRY Gain OffsetC C DRY
Level times= ndash ndash ndash
1
2
1
2
LabVIEWで開発したプログラムには基本的なキャリブレーション機能と高精度の測定を実現するための高度なキャリブレーション機能を用意しています「Dry(基本)」キャリブレーションは上式のC 1 D RYとC 2 D RYを求めるために使用します上式のGainとOffse tは0(インチ)と4におけるキャリブレーションによって求められますつまり各キャリブレーションで決まる二元一次方程式を解くことで求められますなおリファレンスコンデンサはキャリブレーションと測定処理の実行中は液体に浸しておく必要があります
まとめ
本稿では容量式センサーを使って液体の水位を検知するデモ用システムを紹介しました
関連資料
AD7746の評価用キット
AD7746 Evalua t ion Board Technica l Documenta t ion (AD7746の評価用ボードに関する技術資料)
Ning J ia「ADI Capaci tance- to-Digi ta l Conver te r Technology in Heal thcare Appl ica t ions」Analog Dia logue 46-05
J im Scar le t t「容量‐デジタルコンバータにより 診断システムのレベル検出を容易化」Analog Dia logue 48-04
Char les S Walker「Capaci tance Inductance and Cross ta lk Analys is」Artech House 1990 ISBN 978-0890063927
著者
J iayuan Wang( j i ayuan wanganalog com)は2013年にADIに入社しましたマサチューセッツ州ウィルミントンにあるカスタマソリューションイネーブルメント部門にアプリケーションエンジニアとして所属しています2013年にコーネル大学で修士号を取得しています
Jiayuan Wang