技術ロードマップの役割と有効利用 · 3...
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技術ロードマップの役割と有効利用
独)産業技術総合研究所 技術情報部門 関根重幸[email protected]
2006年9月20日日本機械学会2006年度年次大会特別企画(110周年委員会 企画)
「ワークショップ 技術ロードマップの現状と課題―JSME技術ロードマップの役割―」
@熊本大学
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目次
1.技術ロードマップって?2.技術ロードマップの3つの役割(作成目的)3.ロードマップ作成の前に(ビジョンが先)4.海外事例5.エントリーマーケット(シナリオのポイント)6.ロードマップを利用する研究者はどうする?
(上手な利用法)7.デメリット8.おまけ
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プロジェクトなどの目標に向かって効率的に事業(研究)を行っていくためのツール
仮説:そもそも技術ロードマップとは
単に技術的な展望を示すものではなく、研究テーマ設定、研究の実施に必要な情報が整理されたものである。(未来予測だけでは不十分)
研究の進捗や、社会、産業界などの顧客からの要請により、臨機応変に更新するものである。(いきものであること)
利害関係者(研究実施者、マネージャー、技術の利用者等)との意志疎通のツールとして有効な手段である。(全てのステークホルダーで情報を共有)
1.技術ロードマップって?
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ロードマップにはどんな情報が必要?
ユニーク? 価格?
発売時期?
ライバルは? 全て自社開発?
開発コスト?
開発チーム? 市場規模?
よくある基本的なロードマップの書き方の説明
1.技術ロードマップって?
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RMはマネージメントツールだよね?
直感=「シナリオ主導の研究開発」を実践するツール
役割=円滑なコミュニケーション
内容=単に技術の将来のみを展望したものではない。研究テーマ設定やプロジェクト運営に必要な情報が、利用者全員に理解できるように整理されていなければならない。
体裁=主に時間軸を横軸に書かれた図表を指すが、必要に応じ、技術テーマの分類をしたポートフォリオなども含めてロードマップという言葉が使われる。
1.技術ロードマップって?
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勘違い?
ロードマップは、意志疎通のためのツールであるから、ビジョンや戦略そのものではない。言い換えれば、ビジョンや戦略なしに作成されたロードマップには、ほとんど価値がない。
1.技術ロードマップって?
ロードマップは、マネージメントツールの中で、コミュニケーションの効率化に役立てるもの。全能ではない。他のツールとの適切な組み合わせが必要。
Q:では、どの範囲のコミュニケーションに使うの?
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7
・技術ロードマップ作成においては、作成参加者の参加意識の向上、参加者間でのアウトプットイメージの共有などの意味で、その役割・目的(=使われ方)を明確に打ち出すことが不可欠である。
・ロードマップを作成する目的は、おおよそ3つに大別される。
・組織のロードマップとプロジェクトのロードマップの明確な区別をしていない。これは、現実には両者は依存関係にあることが多いためである。
技術RMの役割(作成目的)を明確に
2.技術ロードマップの3つの役割
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目的による3タイプ
2.技術ロードマップの3つの役割
目的が違うのだから、当然、見る人も違う
戦略型
広報型 戦術型
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・組織のビジョンを達成するための道筋や、プロジェクトのゴールまでの道筋を、要素技術を盛り込みながら、数枚の図表でわかりやすく示すものである。
・この中では、例えば、競合技術のある研究開発テーマの選択を決定するマイルストーンなどが描き込まれる。
・技術以外の要素(社会、市場、法規制など)も書き込む。
・つまり、ビジネスモデルそのものを記述したロードマップであり、経営者と事業部や研究開発部隊との意思疎通のために用いられる。
戦略型ロードマップ2.技術ロードマップの3つの役割
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・ご都合主義のシナリオではダメ
・都合の悪いこと(リスク)は、評価した上で記入
・自己優位とリスクを検討した上で、ビジョン達成のためのオプションが書き込まれるべき
・世界No.1でないなら、デファクトを主たるオプションとしない
戦略型ロードマップの価値2.技術ロードマップの3つの役割
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・ある技術群が発達してできる社会の未来像(ビジョン)を広く社会に示すことで、技術開発にかかわる産業界、政策や社会そのものなどの方向性の合意を形成しようとするロードマップである。
・デファクト戦略と連動することで効果を発揮
・公的機関の技術ロードマップ (協調を誘導???)補助金や規制などの政策との連動で効果を発揮
広報型ロードマップ2.技術ロードマップの3つの役割
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・プロジェクトマネージメントのツールとして存在するもの。
・プロジェクトの目標、中間のマイルストーン、それらへの達成時期、競合関係、連携関係やアウトプットの受取手などが明快に整理されたもの。
・プロジェクトごとに作成されるが、社内統一フォーマットとし、マネージメント担当者が、多くの並行プロジェクトを俯瞰的に見渡すことを可能にする。
戦術型ロードマップ2.技術ロードマップの3つの役割
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2004 2005 200607-09 2010-
技術名関連商品名
膜圧制御技術
膜圧 10μmσ=1μm
10μm σ=0.1μmES作成速度1000枚/日
膜圧 5μm σ=0.1μm
07 08 09 10 11
ES04MS05
ES08MS(09)
エッチング技術
ES06MS
T装置との連動ES05
商品A(06-10発売)
リソ技術
商品B
商品C
商品A
商品C
商品A…(X大学へ委託)
ES04MS05
S社より装置購入 処理速度
……
○○部○○グループ 研究計画
左側に要素技術
右側に製品
四角内にマイルストーン
ES:エンジニアリングサンプルの達成時期。MS:大量生産の達成可能時期全てのグループで、統一の規格で表を作成
グループの表を統合し、右側の商品名で表をソートすれば、その商品の実用化に必要な要素技術全てが網羅されていること
全社の全プロジェクトが同じフォーマットで書かれている
戦術型の例(架空)2.技術ロードマップの3つの役割
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・それぞれの目的に合わせて、最適な書きぶりがある
・汎用型という意識で作成せず、専用とする事が大切である
・最初に自社のビジネスモデルを正確に表現した戦略型ロードマップを作成
・その中から、広報型ロードマップを切り出して、外部環境を自社ビジネスに有利な方向に導く
汎用型はダメ(1)2.技術ロードマップの3つの役割
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・一方、ビジネス(研究開発プロジェクト等も)を管理する戦術型RMは、戦略型RMを実行するのに必要な、全ての項目を網羅し、そして、必ず管理者が俯瞰できる様式で作成する。
・戦術型ロードマップの進捗状況は、ステージ・ゲート方式等によってモニタリングするのが、管理者側、実施者側のいずれからの立場にも納得されやすい。
汎用型はダメ(2)2.技術ロードマップの3つの役割
戦略型
広報型 戦術型
ダメ
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企業インタビュー情報を元に想像A社情報化社会の進化速度はこんなものだよ(広く公表)業界共通の見かけの技術目標(デファクト戦略と連動)
B社移動体通信の未来像は我が社が創る(関係企業に公表)
C社人と自動車の共存する未来社会(全体像は公表せず)その未来に向けた戦略を着実に!
2.技術ロードマップの3つの役割
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・企業における戦略型ロードマップでは、達成すべき目標の設定と合意が、暗黙のうちになされている場合がほとんどである。(存在目的そのもの)
・そうした企業でも、社会貢献のロードマップのように、本来の存在目的以外のプロジェクトでは、公的機関のケースと同様で、目的や対象が不明確になる。
ロードマップはビジョン無しには作れない(1)
3.ロードマップ作成の前に
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・公的機関においては、その活動目的が企業ほど単純明快ではないことから、戦略型ロードマップの役割や関係者(作成者・利用者)を民間企業ほど明確にすることは困難である。
・そのため、少なくともロードマップに示そうとする活動のビジョン、あるいはプロジェクトのアウトカムを、ある程度限定して定義しなければならない。(長期エネルギービジョンなど)
ロードマップはビジョン無しには作れない(2)
3.ロードマップ作成の前に
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・技術ロードマップ作成への研究者の参加意識を高めるためには、そのプロセスを正当な業務の一環として位置付け、できあがったロードマップをオーサライズする必要がある。
・そのため、技術ロードマップ作成の責任者としては、組織のトップ(事業部長や研究所長)あるいはそれに順ずるクラスの管理者を位置付けることが重要である。決してボランティア的な扱いをしないことで、意義あるロードマップとなり得る。
トップのコミットメントが重要3.ロードマップ作成の前に
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・作成プロセスに参加することに意義があると言われてきたが、いまや、いかに有効に利用できるかが問われている。
・一般にロードマップは、作成者が利用者の一部ではあるが、全体ではない。
・作成者の都合を優先せず、無理にでも利用者の立場に立った様式での作成が必要である。
練習から実践の時代へ
3.ロードマップ作成の前に
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・大切なことは、「技術ロードマップは、単純な未来予測ではなく、組織やプロジェクトの意志が表現されたものである。」ということ
・それを何のために作るのか、どう使うのか、という役割と目的を明確にし、研究者・エンジニア等と共有することができれば、「技術ロードマップ」と言うコミュニケーション・ツールを利用して効率的で合理的なビジネスモデルの実施が可能となるであろう
・研究開発現場では、研究以外の要素(知財戦略や規格の活用など)を考慮する経験が不足がちであることから、過去の事例分析なども参照して、ロードマップで考慮すべき事項をリストアップすべきであろう
3章のまとめ:意志表現がポイント3.ロードマップ作成の前に
こうした努力により、開発された技術を、より効果的・効率的に社会へ実装していくことが期待できる。
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欧州委員会(European Commission)・欧州委員会では数年単位で科学技術基本計画(Framework Programme (FP))を作成・現行計画であるFP6で最もプログラムが進捗しているICT (Information and Communication Technology)分野では技術ロードマップを活用し事業を推進・技術ロードマップは業界団体が自ら作成。欧州委員会が作業に携わることはない・業界団体等(ETP; European Technology Platform)により策定された技術ロードマップはEUにおける新規研究開発プロジェクトの案件採択プロセスに活用・評価委員会の委員選定には苦慮
4.海外事例
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EUにおけるTRMとプロジェクトマネージメント
FP- Health- Food, Agriculture and Biotechnology- Information and Communication
Technology (ICT)- Nanosciences, Nanotechnologies, Materials
and new Production Technologies- Energy- Environment- Transport- Socio-economic Sciences and the
Humanities- Security and Space
ISTWP(プログラム枠組み)
評価委員会(事前評価と採択案件決定)
プロジェクト実施
ISTAG
ETP(民間企業による業界団体的な枠組み)
重要プラットフォーム- Nanoelectronics- Embedded systems- Network electronics-Software and distributed systems- Mobile communication and grid computing- Robot
ETPが作成した技術ロードマップを活用
StrategicObjective(1-2年)
FET (長期)
4.海外事例
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英国貿易産業省DTI(Department of Trade and Industry)
・産業界主導で実施する技術分野についてTRM作成等を支援・DTIが主導して進めてきた自動車関係業界の取り組み=フォーサイトビークル=がモデルとなり、現在はDTIに限らず全省庁横断的なフォーサイトプログラムとして発展・エネルギー分野では、フォーサイトプログラムとは別になるが燃料電池等の産業応用分野でTRMを活用し、ファンディングすべきテーマ選定に活用・近年設立したエネルギーリサーチセンターでマッピング等の手法についての研究を開始
4.海外事例
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英国貿易産業省(DTI)におけるTRMとプロジェクトマネージメント
4.海外事例
DTI Funding Project
ストラテジーポリシー
academic
Roadmap
Project優先順位
Technology barrierPolicy barrier の描出
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市場動向、政策動向から読みとれるニーズを整理する。見つけにくいニーズほど、ビジネスチャンスにつながるはず。
潜在的ニーズの発掘
高度な探索が必要
「コーヒーを持ってきてください」
「のどが渇いたので飲み物をください」
具体性
「あの人はきっと1時間後にのどが渇くので手配しておこう」
「のどは渇いてませんか?」
ニーズの把握
wants
5.エントリーマーケット
顕在化したニーズへの対応
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エントリーマーケット
「エントリーマーケット」とは「新規参入に適した市場」という意味。製造業におけるエントリーマーケットとして下記のような特徴を持つことが多い。
–市場規模(個数)が小さい。–高付加価値(高価格)商品。
5.エントリーマーケット
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エントリーマーケットの探索(1)●市場規模が小さく付加価値が高いマーケットとは?
・一部の少数ユーザーが高付加価値の商品を購入している状況にある。
・ユーザーニーズを取り込んでカスタマイズが求められることが多く、製品の検証、改善を行ないやすい。
・初期に大量生産のための大規模設備投資を必要とせず、生産規模を徐々に拡大していくことができる。
5.エントリーマーケット
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エントリーマーケットの探索(2)
・チャレンジングで、壮大すぎるターゲットを選定したがために、成果が生まれにくいケースが有る。
・この状況を打開するため、大目標を掲げると同時にマイルストーンとしてエントリーマーケットを設定し、実際の成果を積み上げていくという形での研究開発が必要であると考える。
5.エントリーマーケット
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ターゲットマップ(架空例)-潤滑剤-
顧客不明
顧客想定可能
ニーズ確認済
パートナー有
ニーズの確度
実現時期
1年後 3年後 5年後 10年後
MEMS用潤滑剤
HDD用潤滑剤
自動車軸受用潤滑剤エントリー
低摩擦低摩耗抗酸化性
低摩擦低摩耗極薄密着性
低摩擦低摩耗極薄密着性
エントリーマーケットから大きな市場へのシナリオ5.エントリーマーケット
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顧客不明
顧客想定可能
ニーズ確認済
パートナー有
ニーズの確度
実現時期
1年後 3年後 5年後 10年後
最終目標
–ターゲットとしては最終目標よりも実現性が高く、ニーズ確度が高い、つまり最終目標よりも左下にマッピングされるものを選択する。
–また、どんなに実現性があっても、顧客不明のテーマは基本的には選択しない。
–最終目標に至るまでのターゲットには、なるべく最終目標に要求される性能・技術が含まれているものを選ぶ。
ターゲットマップ作成上のルール
5.エントリーマーケット
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あなたの研究グループは 「主演」か?「助演」か?
・現実的に成果へ繋がる研究開発を行っていくための考え方の一つが研究開発における「主演」と「助演」
・技術ロードマップ作成の際、先ず、自身の専門研究分野、所属する組織やWGなどの研究分野(あるいは研究テーマ)がどちらの立場であるかを明確に自覚することが効果的な研究テーマ設定・実施に重要
・これにより、自らの研究実施計画(戦術型ロードマップ)作成に考慮すべきポイントが明確になり、検討軸がぶれることなく、常に成果の出口を指向できる
6.ロードマップを利用する研究者はどうする?
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戦略ロードマップ作成開始
1.立場を明確にする
主演/助演
2.最終目標を設定
最終目標の探索
最終目標の評価
最終目標設定
3.マイルストーンを設定
目標の探索
目標の評価
マイルストーン設定戦略ロードマップ作成
各技術開発者招集
技術要件・時間を詰める
戦術ロードマップ作成
4.戦術ロードマップ作成
主演
自らの強みを育てる
2.技術の営業
情報収集
営業活動
助演
3.プライマリーテーマ設定
主演者のテーマ情報の整理
主演者のテーマ情報の評価
役割分担の設定戦略ロードマップ作成
主演者とのミーティング
技術要件・時間を詰める
戦術ロードマップ作成
4.戦術ロードマップ作成
セカンダリーテーマ設定
研究現場の戦略6.ロードマップを利用する研究者はどうする?
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MEMS
時間3年後 5年後 10年後
:アイディアやニーズ:性能(機能)を実現
要求されるニーズ
低摩擦、低摩耗極薄(2-3nm)、密着性
自動車(軸受の)
低摩擦、低摩耗広い温度で粘度などの物性が変わらない抗酸化性
ハードディスク
低摩擦、低摩耗極薄、密着性
研究グループから見たターゲットの変遷
6.ロードマップを利用する研究者はどうする?
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最後に:悪循環のストーリー戦略性が高い
機密性が高くなる
公開範囲が狭くなる
公開原則で作成
戦略性が低くなる
重要性が低くなる
意思疎通が困難
このジレンマは必ず存在するので、あらかじめ、作成目的で、利用範囲を想定すること。
=使えないRM
7.デメリット
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ロードマップの功罪(私案)
国際的
功
罪
publicの度合い
社内 国家レベルナショプロ業界 コンソ内
人類の繁栄への貢献
効率の向上戦略の浸透etc
過剰秘密主義による孤立化
国内の意思統一(産学連携、企業間連携)重複の排除
足並みの統一
秘密保持の困難
非参加者の有利性(情報提供なしに、ライバルの情報を得る)
海外への情報流出
ぬけがけサブマリン特許
分野融合
7.デメリット
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まとめ(1)目次に沿って1.技術ロードマップって?最近は誰でも知っている使った経験はまちまち
2.技術ロードマップの3つの役割(作成目的)3つの目的・役割をベースに応用だだし、利用者の範囲は明確に
3.ロードマップ作成の前に(ビジョンが先)ビジョンが先、意志表現がポイント
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まとめ(2)目次に沿って4.海外事例
EUも英国も(誰もが)試行錯誤している
5.エントリーマーケット(シナリオのポイント)最初に買ってくれるのは誰?
6.ロードマップを利用する研究者はどうする?自分の強みを延ばすこととの整合性を
7.デメリットリスクを承知した上でメリットを延ばす戦略を
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補足:ありがちなロードマップ作成上の問題・課題(1)「技術」が発想の出発点になってしまっている。研究者がロードマップを作成すると、テーマ選定はどうしても「アプリケーション」からではなく「技術」から決められることとなり、技術のEXIT意識が乏しく、製品への貢献度が高まってこないという結果に陥っている。
(2)現実的なステップを想定できていない。研究者は往々にして「現実的であること」よりも「チャレンジングなテーマであること」を好んで選択する。それ自体は決して悪いことではないのだが、重要な点は、そのテーマで「研究の現実的なステップが想定できるかどうか」ということにある。大きな目標を掲げては見たものの、いつまでたっても実現できないという状況がしばしば見られる。
(3)マーケティングで出てくる課題は卑近か非現実的顧客(消費者)の意見から、革新的なテーマは出てこないと考えられる。また、そのテーマは競合相手にも伝わっていると想定すること。
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・インタビュー調査から、技術ロードマップへの参加に対するインセンティブを分析すると、手当てなどの即物的なものではなく、その活動に参加者自身が見出す、「研究者としての視野を広げる」、「自らの意思・考え方を活動(組織やプロジェクト)の方向決定に反映させる」といった精神的なインセンティブが中心となっているようであった。民間の研究者は、広い見識を持つことを要求され、また、それに答えようとする風潮が感じられた。そのため、積極的な社内広報や、作成に必要なスキルの教育など、研究員が自ら参加へのインセンティブを見出すことのできる環境整備が重要である。
参考:作成のインセンティブ