関東ローム丘陵・台地における土地利用別の浸透能 ·...

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関東ローム丘陵・台地における土地利用別の浸透能 誌名 誌名 水利科学 ISSN ISSN 00394858 著者 著者 安藤, 義久 管, 明芳 岡本, 哲夫 浅羽, 晴夫 巻/号 巻/号 148号 掲載ページ 掲載ページ p. 1-23 発行年月 発行年月 1982年12月 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat

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関東ローム丘陵・台地における土地利用別の浸透能

誌名誌名 水利科学

ISSNISSN 00394858

著者著者

安藤, 義久管, 明芳岡本, 哲夫浅羽, 晴夫

巻/号巻/号 148号

掲載ページ掲載ページ p. 1-23

発行年月発行年月 1982年12月

農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センターTsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research CouncilSecretariat

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関東ローム丘陵・台地における

土地利用別の浸透能

目 次

緒論

I. 浸透能の測定方法と測定対象地区の概要

2. 多摩エュータウン地区の土地利用別の浸透能

3. 練馬地区の土地利用別の浸透能

4. 東京大学地区の土地利用Jjljの浸透能

5. 最終浸透能による浸透域区分と対応する土地利用

結論

緒論

浸透は,水循環過程の中で重要な過程の一つであり,従来から多くの研究がさまざ

まな観点から行なわれてきている。降水の土中への浸透過程に関する理論的研究は,

Duninllが詳細にレビューしているよ うに,今世紀に大きく発展した。また,浸透に

関する現地実験的研究も,農業水文学の分野の研究u,引と森林水文学の分野の研究«>,•>

では着実な発展がみられているが,都市水文学の分野の研究はまだ緒についたばかり

と考えられる。

わが国においては,近年, 流域の都市化の進行により流出機構が変化し, そのこと

が都市水害の頻度や規模を糟大させていることが指摘されている。都市化流域の洪水

流出解析の有効降雨の算定にと って,各土地利用の浸透能の評価は有用である と考え

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冠水型浸透計の概要第 1図

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九れる。本稿では,上記のようなねらいのもとに,関東ローム丘陵 ・台地の3地域で

行なった土地利用別の浸透能の測定結果と考察について述べる。

浸透能の測定方法と測定対象地区の棟萎

(1) 浸透能の測定方法

中野心は,浸透計による浸透能の測定方法を次の 3つに分類している。

(a) 冠水型浸透計による方法

(b) 流水型浸透計による方法

(c) 散水型浸透計による方法

本研究では,土地利用の異なる多くの地点で測定する必要があるので,比較的実施

が容易な冠水型浸透計 (二重円筒浸透計)により,浸透能を測定する。

冠水型浸透計による浸透能の測定は,第 l図に示すように,円筒を設置し,地表流

下を限止した状態で単位時間当りの供給水量を測定する方法である。供給水量の測定

は,マリオット ・タンクによって行なう。このタンクは器内に貯えた水量の変化にか

かわらず,つねに一定の水圧で給水するものである。実験の手順は3参考文献 6)に詳

述してあるが,次のとおりである。

(a) 実験対象地点を選定し,内枠シリンダーと外枠シリンダーを打ち込み,マリオ

ット ・タンクを設置する。

(紛 マリオット ・タンク内に注水する。マリオット ・タンクからホースによりフッ

ク・ゲージをつけた内枠シリンダーに給水し,内枠シリンダー内の水位が一定の

水深(約10cm)になり,安定するのを待つ。外枠シリンダー内にも注水する。

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安藤・管・岡本 ・浅羽 ・関東ローム丘隙・ 台地における土地利用)JI]の浸透飽 3

第2図測定対象地区の位置

~丘陵

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(資料) 関東ローム研究グループ 「関東ロームj,築地書館, p.50, 3-1図, 1965.

(c) 浸透能の測定を開始する。測定時間は原則として 1時間であり,最初の10分間

はl:分ごとに測定し,残りの50分間は5分ごとにマリオット ・タンクの水位と内

枠シリンダー内の水位を測定する。

(d) 実験対象地点の近傍で,深度5cm と15cm の土の試料を100ccサンプラーに

採取する。この土の試料をもち帰り,実験室内で簡易変水頭透水性測定器を用い

て透水係数を測定する。また,土試料の空隙率も測定する。

(2) 測定対象地区の概要

今回, iJllJ定対象とした地区は,第 2図に示すように,多摩ニュータウン地区, 練馬

地区,および東京大学地区の3地区である。第2図の出典は参考文献 7)である。第2

図をみるとわかるように,多摩ニュータウン地区は多摩丘陵の北端に位置する丘陵地

であり,練馬地区は武蔵野台地 (段丘)の中央部に位置する台地であり,東京大学地

区は本郷台の南部に位置する台地である。これら3地区は,丘陵地と台地という地形

上の相違はあるものの, いずれも風成の火山灰土である関東ローム層に厚く被覆され

ているという地質上の共通点をもっ。一方, 3地区の都市化の形態はまったく異な

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安藤・管・岡本・浅羽:関東ローム丘陵・台地における土地利用別の浸透能 5

第 q度 多摩ニュータウン地区における浸透能の現地測定地点の土地利用と表土

地点番号|土地利用| 表 土 抑制 土 刷用| 表 土

T -I 芝生地 砂 T -13 草地 砂混りローム

T-2 芝生地 ローム T -14 草地 砂混りローム

T-3 芝生地 ローム T -15 造成地 砂混りローム

T-4 芝生地 黒 土 T -16 造成地 砂混りローム

T-5 芝生地 黒 土 T -17 造成地 砂と小砂利混りローム

T-6 運動場 小砂利混りローム T -18 林地 黒土とローム

T-7 運動場 小砂利混りローム T -19 林地 黒土とロームT-8 道路法面 ローム T -20 畑地 ローム

T・ 9 道路法面 砂混りローム T -21 畑地 ローム

T -10 道路法面 ローム T -22 果樹園 黒土とローム

T -11 草 地 砂と小砂利混りローム T -23 果樹園 黒土とロームT -12 草地 砂と小砂利混りローム

り,多摩ニュータウン地区は大規模宅地造成を伴う中高層住宅地であり,練馬地区は

スプローJレによる市街化が進行中の地区であり,東京大学は江戸時代の武家屋敷を明

治時代に学校の敷地として改変された地区である。

2. 多摩ニュータウン地区の土地利用別の浸透能

ここで述べる多摩ニュータウン地区の土地利用別の浸透能については,筆者らが参

考文献 8)としてすでに発表していることをまず記しておく。

(I) 浸透能の現地測定の実施地点の概要

第3図には,多摩ニュータウン地区における浸透能の現地測定の実施地点の位置図

を示すが,今回対象とした地域は,多摩川水系乞悶川流域内の多摩ニュータウンの中

でももっとも初期に開発された永山および諏訪地区が主である。第3図中に示す地点

番号が No.I ~23の23地点で浸透能の現地測定を行なった。測定の時期は, 1981年 2

~11月である。第 l表には,多摩ニュータウ ンにおける浸透能の現地測定の実施地点

の土地利用と表土の一覧表を示す。土地利用の内訳は,芝生地 ・運動場・道路法面・

草地・造成地 ・林地 ・畑地・ 果樹園である。表土は,ほとんどがロームが主体であ

り,ー部に砂と黒土(腐植土)がみられる。

(2) 浸透能のlJl.IJ定結果と考察

第 4 図には,多摩ニュータウン地区における浸透能の測定結果の代表~Jを土地利用

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第 4図 多摩ニュータウン地区における浸透能の測定結果O'>

3000

-+-T-21 畑地

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-O- T-19 純地 __.... T-2 芝生相

2000~ \ ベト T-10 道箇佳面 -fr- T-11 車地

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安正面 ・管・岡本 ・浅羽:関東ローム丘隊 ・台地における土地利用別の浸透飽 7

第 5図 多摩ニュータウン地区の土地利用別の最終浸透能 icの分布

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ごとに 1例ずつ示す。第4図中の横執は分単位の時間であり,縦軸は mm/hr単位で

表示された浸透能である。第4図をみると,全地点のi!!IJ定結果に共通して, 測定開始

から10~30分で浸透能が一定値に漸近しており, 1時間後の浸透能は最終浸透能と考

えられる。また,筆者ら引は第4図に示す浸透能曲線に対する①式の Horton式の適

合性は良好であることを指摘している。

i = i0 +( 1。- •c) e×p (-nt)… ・・・・・ ・・・…・- ……… …一一一・・・・… …ぃー・…①

ただし, i:時間 t経過後の浸透能,i0:;最終浸透能,i。. 初期浸透能, n:定数, t:時

間である。

本研究の主題である土地利用別の浸透能の比較に当って, どの指標を用いるかが問

題となるが, Dunne9'が最終 浸透能を指標にして土地利用 ・表土別に整理しているの

に準じて,本研究でも最終浸透能を指標として扱う。

第5図には,多摩ニュータウン地区の土地利用別の最終浸透能 icの分布を示す。第

5図に基づき,以下に考察を加える。

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8

(a) 畑地 ・林地 ・果樹園などの自然的な土地利用の最終浸透能は,芝生地 ・草地 ・

造成地 ・運動場などの都市的な土地利用の最終浸透能に比べてかなり大きい。

(b) 土地利用別の最終浸透能 icは,

①畑地では850~I,200 mm/hr,

② 林地では350~I,000 mm/hr,

③ 果樹園では350~430mm/hr,

④道路法面では34~250mm/hr,

⑤ 芝生地ではO~600mm/hr,

⑥ 草地ではO~300mm/hr,

⑦造成地では0~7mm/hr,

③ 運動場では0mm/hr,

であり,同じ土地利用でも icが大きく異なる場合がある。

(c) 自然状態の林地であるT 18, 19,および果樹園 (栗林)であるT-22, 23にお

いては,最終浸透能は350mm/hr以上であり,きわめて大きな値である。上記の

4地点とも,ローム層の上に黒土(腐植土)が厚く堆積しており,浸透能が高い

ことは当然と考えられる。この結果は,安藤 ・虫明10)および安藤 ・高橋 ・虫明日

が多摩ニュータウン地区の自然試験流域の降雨と流出のデータに基づいて示し

た,林地への降雨はほぼ全量浸透するという結果と符合する。

ω) 畑地であるT-20,21の最終浸透能は,今回のil!IJ定では850mm/hr以上とひじ

ように大きく,自然の林地の最終浸透能を上回る結果であった。

(e) 道路脇の人工的な法面であるT-8,9, 10の最終浸透能は34~250mm/hrであ

り, 都市的な土地利用の中では比較的大きな値を示している。これは, 人工的法

面といっても,草木が生えており,人の侵入もほとんどなく,自然的状態に近い

ためと考えられる。

(f) 芝生地であるT-1~5の最終浸透能はO~600mm/hrとひじように大きくパ

ラついている。 T-1とT-3の最終浸透能はO~3mm/hrであり, T-2とT--5

のは25~35mm/hrであ り, T-4のは600mm/hrである。この最終浸透能の相違

は, T-1とT-3の芝生地は子供の遊び場になっており,踏み固められているの

に対して,T-2とT-5の芝生地は駐車場の脇などにあり,あまり踏み固められ

てなく, T-4の芝生地はまったく踏み固められておらず,土質も粗いためと考

えられる。

(g) 公圏内の草地であるT-I l~l 4は,第3図に示すよ うに,同じ公園内に位置す

るにもかかわらず,最終浸透能の値は0~300 mm/hrと大きくパラついている。

T-13の最終浸透能が0mm/hrであるのは,表土が充分に締め閏められているた

めと推察される。 T-12の最終浸透能が10mm/hrと比較的小さいのは, 築山と

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安藤・管 ・岡本 ・浅羽:関東ローム丘陵・台地における土地利用別の浸透飽 9

第S図 多摩ニュータウン地区における最終浸透能 icと表土の飽和透水係数Kとの相関図

。 椋地

@ 畑婚

。 県樹園 ic=k

⑩ 道路底面

ム草地

. 芝生地

ロ 造成地

(弔). 運動.

/ @

|グ 。

司・ ロ 4‘ 。 500 1000 1500

k ~)

築山の聞の谷状地に位置し,水みちにあたるためと考えられる。 T-1lの最終浸

透能が20mm/hrとT 12に比べて大きいのは,公圏内の築山の上に位置するた

めと考えられる。

(h)造成地であるT-15-17の最終浸透能が0-7 mm/hrとひじように小さいの

は,造成地の表土が充分に締め固められているためと考えられる。

(i)運動場の裸地であるT-6,7の最終浸透能は,いずれも 0mm/hrである。こ

の結果は,この地点の表土がよく締め固められているうえ,野球場として利用さ

れて踏み固められているためと解釈できる。

(j) 第6図には,多摩ニュータウン地区における名地点の最終浸透能 icと表土(深

度O~20cm)の飽和透水係数 K との相関図を示す。第6図をみると, icとKの

聞に正の相関関係があり,表土の透水性が最終浸透能の規定要因の一つになって

いることがわかる。

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第7図 練馬地区における浸透能の現地測定の実施地点の位偉

- Cコ

9 . 2QOrn

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安藤・管・岡本・浅羽:関東ローム丘降・台地における土地利用B'Iの浸透能 II

第 2表 練馬地区における浸透能の現地測定地点の土地利用と表土

地点番号| 土地利用 ! 表 土 |[地点番号| 土地利用 i表 土

N -1 公闘裸地 黒 土 I N -14 芝生地 黒土

N-2 公園裸地 黒土 N -15 芝生地 黒土

N -3 公園棟地 黒 土 N -16 樹木関 黒 土N -4 畑地 黒土 N -17 樹木園 黒 土N -5 畑地 黒 土 樹木園 黒土N-6 畑地 黒 土 N -19 樹木園 黒 土N-7 畑地 黒 土 N -20 庭の裸地 砂混りローム

N -8 果樹園 黒土 N -21 庭の棟地 砂混りロームN -9 果樹園 黒土 II N -22 庭の裸地 ローム

N -10 果樹園 黒土 !! N -23 庭の裸地 砂1昆りロームN -II 果樹園 黒 土 Ii N -24 校庭の運動場 砂混り ロームN -12 芝生地 黒土 JI N -25 校庭の運動場 砂混りロームN -13 芝生地 黒 土 11 N -26 校庭の運動場 砂混り ローム

(3) まとめ

多摩ニュータウン地区における土地利用別の浸透能の現地測定の結果をま とめると

次のようになる。

(a) 土地利用男IJの最終浸透能は自然的土地利用に比べて都市的土地利用の値は小さ

く,

① 林地 ・果樹園 ・畑地では350mm/hr以上,

② 草木のある道路法面では30~250 mm/hr,

③ 芝生地 ・草地ではO~600mm/hr (大部分はO~35mm/hr),

④ 造成地 ・運動場ではO~10mm/hr,

である。

(b) 同じ土地利用でも,表土の土質および踏み固めや締め固めの程度や水みちとの

関連で,浸透能が異なることが示された。

(c) 最終浸透能と表土の飽和透水係数との閑に正の相関がみられた。

3. 練馬地区の土地利用別の浸透能

(1) 浸透能の現地測定の実施地点の概要

第7図には,練馬地区における浸透能の現地測定の実施地点の位置図を示すが,今

回対象と した地域は,石神井川流域内の石神井町7丁目付近である。第7図中に示す

地点番号が No.I~26の26地点で浸透能の現地測定を行なった。 il!IJ定の時期は, 1982

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第’図 練馬地区における浸透能の測定結果

4‘ 2000

4ト N-4 畑地

『 b N-11 果樹園

1剛 H -e-N-1 6 •*• 可1.- N-1 5 芝生憎

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13 安藤・管・岡本・浅羽:関東ローム丘陵・台地における土地利用別の浸透能

練馬地区の土地利用別の最終浸透能 icの分布

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第g図

k

校庭の運動.

庭の視地

公園視地

芝生地

樹木圃

果樹園

年 4~6 月である。

第2表には,練馬地区における浸透能の現地測定の実施地点の土地利用と表土の一

覧表を示す。土地利用の内訳は,公園裸地 ・畑地・ 果樹闘 ・芝生地 ・樹木園・庭の裸

地・校庭の運動場である。果樹園は梅林であり, 樹木園とは植木用の樹木圏であり,

庭の裸地とは民家の庭の裸地である。表土は, N-1~19は黒土(腐植土)であり,地

表から深度 60cmの層厚をもち,その下にローム層がある。 N-20~26の表土は N-

22以外は砂混りロームである。

(2) 浸透能の測定結果と考察

第8図には,練馬地区における浸透能の測定結果の代表例を土地利用ごとに 1例ず

つ示す。第8図の横軸は分単位の時間であり,縦軸は mm/hr単位で表示された浸透

能である。第8図をみると,第4図に示す多摩ニュータウンの場合と同様に,全地点

の測定結果に共通して, 測定開始からJO~30分で浸透能が一定値に漸近しており, I

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14

第10図 練馬地区における最終浸透能 icと表土の飽和透水係数

Kとの相関図

@畑地 ic=k @ 樹木阻

。泉町隅

" 芝聖地

"' 公園寝地

le 1000

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(~) ャノ @ 。e '‘ ..

4‘ @

。500 1000 1500

k (克)

時間後の浸透能は最終浸透能と考えられる。

第9図には,練馬地区の土地利用別の最終浸透能 icの分布を示す。第9図に基づ

き,以下に考察を加える。

(a) 畑地 ・果樹園 ・樹木園などの自然的な土地利用の最終浸透能は,公園裸地・庭

の裸地 ・校庭の運動場などの都市的な土地利用の最終浸透能に比べてかなり大き

U、。(b) 土地利用別の最終浸透能 icは,

①畑地では190~830mm/hr,

② 果樹園では400~800mm/hr,

③ 樹木薗では140~600mm/hr,

④ 芝生地では280~450mm/hr,

⑤ 公園棟地では50~85mm/hr,

・⑤ 庭の線地では23~50mm/hr,

⑦ 校庭の運動場ではO~2.5 mm/hr,

であり,同じ土地利用でも icが大きく異なる場合がある。

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π討寺山伊仲惨さ適坦」

3期縦割問

- U唱

東京大学地区における浸透能の現地測定の実施地点の位置第II図

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16

(c)畑地 ・果樹園・樹木闘の最終浸透能は, N-7の畑地と N-19の樹木園を除 く

と, 300mm/hr以上ときわめて高い。 N-7とN-19の最終浸透能が若干小さい

のは,それぞれ畑の通路と樹木函の通路に当り,踏み固められているためと推察

される。

(d) この練馬地区の芝生地の最終浸透能が 200mm/hr以上と多摩ニュータウン地

区の芝生地に比べてひじように高い値であるのは,練馬地区の芝生地は芝生の圃

場であり,人の侵入が制限されているためと考えられる。

(e) 公園裸地の最終浸透能が50-85mm/hrと比較的小さいのは,子供の遊び場に

なっており,踏み固められたためと解釈される。

(f) 民家の庭の裸地の最終浸透能が20-50mm/hrと低いのは,造成に伴う締め闘

めと人の踏み固めによると推察される。

(g)校庭の運動場の最終浸透能がO~2.5 mm/hrときわめて低いのは,運動場の

表土が締め固めと踏み固めを受けてひじように固くなっているためと考えられ

る。

(h) 第10図には,練馬地区における最終浸透能 i.と表土の飽和透水係数 Kとの相

関図を示す。第10図をみると,第6図の多摩ニュータウンの場合と同様に i.と

Kの問に正の相関関係があることがわかる。また,畑地・果樹園の中で N-7と

N -19の通路に位置するものの最終浸透能が低いのは表土の透水性が低いこ とと

対応している。したがって,踏み固め,あるいは締め固めが表土の透水性を低下

させて,最終浸透能の低下を招いていると考え られる。この結果は, Murai,

Iwasaki, and Ishii12>が山地における林地から牧草地への変換に伴う浸透能の低下

が機械による締め固めや家畜による踏み固めによる表土の園結によるものだとい

う結果と本質的に符合する。

(3) まとめ

練馬地区における土地利用別の浸透能の現地jJIJJ定の結果をまとめると次のようにな

る。

(a) 土地利用別の最終浸透能は自然的土地利用に比ベて都市的土地利用の値は小さ

く,

① 畑地・果樹閤・樹木閤・芝生地では140mm/hr以上,

② 公園裸地では50~85mm/hr,

③ 民家の庭の裸地では20~50mm/hr,

④ 校庭の運動場では0-2. 5 mm/hr,

である。

(b) 同じ土地利用でも,踏み固めや締め固めの程度により表土の透水性が異なり,

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安藤・管・岡本・浅羽:関東ローム丘陵・台地における土地利用別の浸透能 17

第 3表東京大学地区における浸透能の現地測定地点の土地利用と表土

地点番号|土地利用| 表 土 |地点番号|土地利用| 表 土

U -I 草地 小砂利混りローム

u -2 草地 小砂利混りローム

U-3 草地 小砂利混りローム

U-4 草地 小砂利混り黒土

u -5 草地 砂混りローム

u -6 運動場 砂混りローム

U-7 運動場 砂混りローム

u -8 運動場 砂混りローム

U-9 運動場 砂混りローム

u -10 植栽地 黒土とローム

U -II 植栽地 砂混りローム

最終浸透能が異なると推察された。

4. 東京大学地区の土地利用別の浸透能

(1) 浸透能の現地測定の実施地点の概要

u -12 植栽地 黒土と ローム

u -13 植栽地 黒土と ローム

u -14 植栽地 黒土とローム

u -15 芝生地 黒土と砂

u -16 芝生地 黒土と砂利

u -17 芝生地 黒土とローム

u -18 芝生地 黒土と ローム

u -19 林地 黒土とローム

u -20 林地 黒土とローム

u -21 林地 黒土とローム

第ll図には,東京大学における浸透能の現地測定の実施地点の位置図を示すが,今

回対象とした地域は,神田川流域内の東京大学本郷構内である。第11図中に示す地点

番号が No.I~21の21地点で浸透能の現地測定を行なった。測定の時期は, 1982年 3

~ a 月 である。

第3表には,東京大学における浸透能の現地測定の実施地点の土地利用と表土の一

覧表を示す。土地利用の内訳は,草地 ・還動場・植栽地 ・芝生地 ・林地である。表土

は,ロームに小砂利や砂や黒土(腐植土)が混在している。

(2) 浸透能の測定結果と考察

第12図には,東京大学構内における浸透能のlJllj定結果の代表例を土地利用ごとに 1

例ずつ示す。第12図の横軸は分単位の時間であり,縦軸は mm/hr単位で表示された

浸透能である。第12図をみると,多摩ニュータウンと練馬と同様に,全地点のlJllj定結

果に共通して, lJllj定開始から 10~30分で浸透能が一定値に漸近ーしており, 1時間後の'・'

浸透能は最終浸透能と考えられる。

第13図には,東京大学地区の土地利用別の最終浸透能 i.の分布を示す。第13図に

基づき,以下に考察を加える。

(叫土地利用別の最終浸透能 i0は,

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第12図 東京大学地区における浸透能の測定結果

2000

1500

市 1000

500

3140

--0-- U-20 跡 地

一+ U-13 植草埼

10 20 30 40 50 60

t(mln)

800押

700

600

500

(弔}

400

300

200

100

ー∞

企 U-16 芝生組

A u-2 草 地. U-7 運.,・

10 20 30 40 50 60

t(mln)

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安藤 ・管・岡本・浅羽 :関東ローム丘陵 ・台地における土地利用別の浸透能 19

①林地では

680-1, 900 mm/hr,

② 植栽地では

55,..,, 450 mm/hr,

③ 草地では

20~650 mm/hr,

④芝生地では

第13図 東京大学地区の土地利用別の最終浸透能 ic

の分布

5

〈〉

〈》

〈〉

•• 0・'

' ~i;

1000

500

20~470 mm/hr,’、⑤ 運動場では 、』

IC 0~10 mm/hr,

であり,閉じ土地利用

100

(雫) 50 でも icが大きく異な

る場合がある。

(同第14図には,東京大

学における最終浸透能

icと表土の飽和透水係

数Kとの相関図を示す

が,icとKの聞に正の

相関関係がある ことが

わかる。したがって,

同じ土地利用でもんが

大き く異なる場合があ

るのは,表土の透水性

10

。運動掴

芝生地

姐裁地

が締め固めや踏み固めの影響で異なるためと推察される。

(3) まとめ

東京大学における土地利用別の浸透能の現地測定の結果をま とめると次のようにな

る。

土地利用別の最終浸透能 icは,林地では600mm/hr以上,植栽地 ・草地 ・芝生地

では20-650mm/hr,運動場では0,..,,[0 mm/hrである。同じ土地利用でも最終浸透

能が異なるのは踏み固めや締め闘めの程度により表土の透水性が異なるためと考えら

れる。

4. 最終浸透能による浸透減区分と対応する土地利用

第15図は,多摩ニユ}タウン,練馬,および東京大学の全地区で&1ほEした70地点の

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第14図 東京大学地区における最終浸透能 icと表土の飽和透水係数Kとの相関図

0 跡 地

’c

. 細書E地

I:; 草地

。ic=k

(弔) ... 芝生亀. 運動. 。

1000

500 ‘ 4ミ .

a‘ / .

t; • ‘’a・a。 500 1000 1500

k (;Z-) 土地利用別の最終浸透能 icの分布を示す。この第 15図をみると,林地 ・畑地 ・果樹

園 ・樹木園のように最終浸透能が100mm/hr以上とひじよ うに高いクツレーフ.と運動

場 ・造成地のように最終浸透能がO~10mm/hrときわめて低いグルーフ。と植栽地 ・

道路法面 ・草地 ・芝生地 ・公園棟地 ・庭の裸地のように上記の2クツレープの中間に大

きくパラついているクツレープの 3グルーフ。に大別できることがわかる。

そこで,浸透域を最終浸透能の高低により次のように5つに分類することを提案す

る。

(1)極高浸透能域:最終浸透能が200mm/hr以上

(2) 高浸透能域:最終浸透能が100mm/hr以上で200mm/hr未満

(3) 中浸透能域:最終浸透能が50mm/hr以上で100mm/hr未満

(4) 低浸透能域:;最終浸透能が10mm/hr以上で50mm/hr未満

(5)極低浸透能域:最終浸透能がOmm/hr以上で10mm/hr未満

第4表には,最終浸透能による浸透域区分と対応する土地利用を示す。すなわち,

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安藤 ・管 ・岡本 ・浅羽:関東ローム丘陵 ・台地における土地利用別の浸透飽 21

第15回全地区の土地利用別の最終浸透能 i.の分布

1000

500

ic 100

(才750

10

5

••

'

線畑畢倒値遭車芝 公 底 ii = 増

地 地 樹圃 圃木 E岨 rま 地 生地 掴輝地 の橿地 動掴

第4表最終浸透能による浸透域区分と対応する土地利用

浸透域区分 最終浸透能ICI (mm/hr)

対応する土地利用

極高浸透能減 200 ~副c

高浸透能域 100孟icく200

H地|;中浸透能域 50 ~玉 i c く 100

低浸透能域 I10;玉icく50

極低浸透能域 i 。孟icく10

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林地 ・畑地 ・果樹園は極高浸透能域に属し,樹木園は極高 ・高浸透能域に属し,植栽

地は極高 ・高 ・中浸透能域に属し,道路法面は極高~低浸透能域に属す。草地 ・芝生

地は極高~極低の全浸透能域に属す。公園裸地は中浸透能域に属し,民家の庭の裸地

は低浸透能域に属すが,この結果は練馬地区のみの結果であり,両土地利用は低浸透

能域や極低浸透能域に属す地点、もある可能性をもっ。運動場 ・造成地は極低浸透能域

に属す。運動場の結果は3地区で共通して O~10mm/hrであるが,造成地に関して

は松原 ・橋本13》が多摩ニュータウン内の宅造地で最終浸透能が20mm/hrという結果

を得ているので低浸透能域にも属す場合もある。

結蛤

関東ローム丘陵 ・台地の多摩エュータウン,練馬,東京大学の 3地区の70地点で浸

透能の現地測定を行ない,土地利用別の浸透能に関して得たおもな成果は次のとおり

である。

(1) 林地 ・畑地 ・果樹園の最終浸透能は200mm/hr以上であり,極高浸透能域に属

す。 樹木園の最終浸透能は100mm/hr以上であり,高 ・極高浸透能域に属す。植

栽地の最終浸透能は50~500mm/hrであり,中~極高浸透能域に属す。道路法面

の最終浸透能は30~300mm/hrであり,低~極高浸透能域に属す。草地と芝生地

の最終浸透能は0~700 mm/hrであり,極低~緩高浸透能域のすべてに属す。公

園棟地の最終浸透能は50~85mm/hrであり,中浸透能域に属す。民家の庭の裸

地の最終浸透能は2o~ so mm/hrであり ,低浸透能域に属す。運動場と造成地の

最終浸透能はO~IOmm/hrであり,極低浸透能域に属す。

(2) 同じ土地利用でも,最終浸透能が大きく異なるのは,表土の土質や締め固め,

踏み固めの程度により表土の透水性が異なるためと考察された。

謝 辞

本研究を進めるにあたり,ご助言とご援助を賜わった東京大学工学部の高橋裕教授

と市川新助教授に深く感謝の意を表します。また, 浸透能の現地~lj定にご協力を賜わ

った東京都下水道局第2建設事務所の藤田昌一氏と小野田利泰氏,住宅都市整備公団

の井出鎮生氏,松下濡氏,および稲田隆一氏,上下水道開発コ ンサルタン トの向井正

直氏と梨和実氏,東京大学大学院の金尾健司氏には深謝の意を表します。

【重量考文献】

1) Dunin, F. X. Infiltration- its simulation for field conditions, in Rodda,

J. C. (editor): Facets of Hydrology, John Wiley and Sons, pp. 199~228, 1976.

2) Musgrave, G. W., and Holtan, H. N.: Infiltration, in Chow, V. T. (editor):

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安藤・管・岡本・浅羽:関東ローム丘陵・台地における土地利用別の浸透能 23

Handbook of Applied Hydrology, McGraw-Hill, Ch. 12, 1965.

3) 金子良:農業水文学,共立出版, pp.17~19, p. 109, 1973。

4) 中野秀章:森林水文学,共立出版, pp.73 ~ 93, 1976。

5) 村井宏:;林地の草地転換が地表流下,浸透および土砂流出に及ぼす影響,水

利科学, No.99, pp. 57 ~as, 1974。

6) 井出鎮生 ・松下潤・ 安藤義久 ・岡本哲夫:多摩エュータウンにおける土地

利用別の浸透能の現地実験とその考察,河)II, No. 422, pp. 27 ~37, 1981。

7) 関東ローム研究グfレーフ。:関東ローム,築地書館, p.50, 3 -I図, 1965。

8) 安藤義久 ・岡本哲夫・ 金尾健司・ 管明芳 :土地利用別の浸透能に関する現

地実験と考察,第26回水理講演会論文集,pp.307~312, 1982。

9) Dunne, T.: Field studies ofhillslope flow processes, in Kirkby, M. J. (editor):

Hillslope Hydrology, John Wiley and Sons, pp. 230~233, 1978.

10) 安藤義久 ・虫明功臣:丘陵地の自然状態の小試験流域における水循環機構,

第24回水理講演会論文集, pp.71~78, 1980。

11) 安藤義久 ・高橋裕・虫明功臣:丘陵地における洪水流出率と流域の地被条

件,第17回自然災害科学総合シンポジウム講演論文集, pp.201~204, 19800

12) Murai, H., Iwasaki, Y., and Ishii, M.: Effects on hydrological conditions by

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No. 117, pp. 457~464, 1975. 13) 松原重昭・橋本健:表面流についての現地実験とその解析,土木技術資料13

-2, pp. 18~25, 1971。

(安藤一…瑚管 :;東京大学大学院工学系研究科 I 岡本:三井共同建設コンサノレタント I 浅羽:上下水道開発コンサルタント I