文部科学省の取り組み ~トランスレーショナル・リ...

29
文部科学省の取り組み ~トランスレーショナル・リサーチ~ 文部科学省研究振興局ライフサイエンス課 平成25年度 治験推進地域連絡会議

Upload: others

Post on 06-Feb-2020

4 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

文部科学省の取り組み

~トランスレーショナル・リサーチ~

文部科学省研究振興局ライフサイエンス課

平成25年度 治験推進地域連絡会議

基礎研究成果から臨床応用の間の「死の谷」

死の谷 学術機関が生み出す研究の成果と、医薬・医療技術の実用化の間には大きなギャップ「死の谷(Death Valley)」が存在

アカデミアでの基礎研究成果 臨床応用による患者還元

• 研究者のマインドセット

• 人材、設備、資金の不足

橋渡し研究支援の必要性

1

橋渡し研究支援 イメージ図

治験等を経て 医療として定着

橋渡し研究支援拠点 (アカデミア)

人材 ・開発企画・知財・契約・企業交渉 ・生物統計家 ・データマネージャー ・CRC

支援設備の整備 ・細胞調製設備

・GMP製剤設備 ・データセンター

・知財等のDB、管理体制

シーズ

橋渡し研究 支援機関による支援を得て加速化

拠点によるシーズ開発支援

基礎研究成果

• 開発戦略策定

• 試験物製造

• 進捗管理 など

2

橋渡し研究支援拠点に求められるもの

1. 開発に必要な設備の提供

GMP準拠の細胞調製設備(CPC)および試験物製造施設、データセンターなど

2. 専門知識を持つ人材の提供

プロジェクトマネジャー、知財専門家、薬事専門家、生物統計家、データマネジャー、 CRCなど

3. 開発ノウハウの提供

標準手順書(SOP)の整備、種々の書類作成、規制当局との対応、治験・臨床試験プロトコル作成、企業との折衝など

4. 新たなシーズの発掘、育成

シーズリクルートシステム、シーズの「目利き」、ネットワークの構築など

3

医療としての実用化が見込まれる有望な基礎研究の成果を開発してい

る大学等のアカデミアを対象に、開発戦略策定、薬事法を前提とした試

験物の製造といった橋渡し研究の支援を行う機関を拠点的に整備

プログラムの4つの柱

1. 橋渡し研究支援機関の機能強化

2. 橋渡し研究支援を行うための人材の確保・登用・育成

3. 橋渡し研究支援

4. 橋渡し研究支援機関の活動・連携の促進

「橋渡し研究支援推進プログラム」 (H19年度~H23年度)

各拠点、治験2件の開始 5年後の達成目標 4

【PD】 猿田享男(慶応義塾大学名誉教授)

【PO】 古賀貞一郎(第一三共(株))

【サポート機関】 先端医療振興財団(PD・POと連携して各拠点に支援ノウハウを提供)

報告

助言・ サポート

推進組織

第一期プログラム 拠点と実施体制

橋渡し研究支援拠点(7拠点)

・ オール北海道 札幌医科大学

北海道大学

旭川医科大学

・ 東北大学

・ 東京大学

・ 京都大学

・ 大阪大学

・ 先端医療振興財団

・ 九州大学 5

成果:TR基盤整備度評価スケール(7拠点平均)

TR基盤整備度評価スケール

① シーズを評価・選定する体制 シーズ管理、目利き、知財権の評価、優先順位付け、知財権の強化

② 試験物の製造を促進・管理する体制 仕様決定、製造施設、委託製造、非臨床試験、院内製剤化

③ 臨床試験を準備する体制 プロトコル開発、文書化、研究倫理、標準作業手順書、規制当局対応

④ 臨床試験を実施する体制 試験物管理、文書管理、データ管理、モニタリング、被験者保護

⑤ プロジェクトを管理する体制 開発戦略策定、進捗管理、出口戦略、情報集約、契約管理

0

1

2

3

4

5①シーズ評価

②試験物製造

③臨床試験計画④臨床試験実施

⑤プロジェクト管理

平成19年10月

平成23年10月

6

成果: 橋渡し研究支援推進プログラム(H19年度~H23年度) 治験計画届書届が提出された研究シーズ(平成24年3月末時点)

シーズ名 拠点名 対象疾病

新規人工手関節の開発と臨床応用【医師主導治験】 HTR 慢性関節リウマチ

ゆるむ事のない人工関節開発へのブレークスルーの橋渡し研究 【医師主導治験】

HTR 変形性股関節症

N-アセチルノイラミン酸の安全性及び薬物動態の検討 【医師主導治験】

東北大学 縁取り空胞を伴う遠位型 ミオパチー

筋萎縮性側索硬化症に対する新規治療 東北大学 筋萎縮性側索硬化症

術後癒着防止材の開発 東京大学 開腹手術後

低心機能患者における頻脈症治療薬の開発 東京大学 低心機能患者

小児用体外式補助人工心臓装置の治験実施【医師主導治験】 東京大学 小児における重症心不全

全身性脂肪萎縮症に対する新規治療法【医師主導治験】 京都大学 脂肪萎縮症

難治性皮膚潰瘍を対象とした創傷治癒に関する探索的臨床試験 【医師主導治験】

京都大学 難治性皮膚潰瘍

再発・進行卵巣癌に対する免疫療法の開発【医師主導治験】 京都大学 再発・進行卵巣癌

WT1がん抗原ペプチドによるがん免疫療法 大阪大学 白血病、固形がん

重症心不全に対する自己筋芽細胞シート移植 大阪大学 重症心不全

下肢血管再生治療のための医療機器の治験【医師主導治験】 先端医療 振興財団 慢性重症下肢虚血

培養自己軟骨細胞による膝関節軟骨損傷の再生治療 【医師主導治験】

先端医療 振興財団 限局性膝関節軟骨損傷

血管内皮細胞選択的DDS技術【医師主導治験】 九州大学 慢性重症虚血肢 7

第一期プログラムの課題

① シーズ育成機能の不足 • 出口を見据えたマネージメントが必要

• シーズの早期発掘システムの構築、重複・類似研究への方向付け、ネットワークの

強化等による戦略的かつ安定的なシーズ創出が必要

• 治験の実施及び薬事承認の難易度を見据えたシーズの「目利き」が重要

② 拠点の自立化 • 人材の定員化、アウトソーシング化などによる人件費の確保が必要

• 各拠点のCPC維持費用等の確保のために、CPC等業務の受託、コンサルテー

ショ ン等の自立化策について更なる検討が必要

• シーズの継続的な発展のため、企業からの支援による産学官共同研究を含む、多

様な研究資金確保の方策が課題

③ ネットワーク構築 ・ 患者レジストリの整備や登録システムの構築

・ 拠点間ネットワークの構築

・ 全国レベルでの多施設による臨床試験のネットワーク化

8

5年後の達成目標 各拠点、医師主導治験3件以上の開始、自立化

「橋渡し研究加速ネットワークプログラム」 (H24年度~H28年度)

画期的な医薬品・医療機器等を効率的・効果的に国民へ還元することを目指し、大学等発の有望な基礎研究成果の臨床研究・治験への橋渡しをさらに加速するため、「橋渡し研究支援拠点のシーズ育成能力を強化する」こと、及び「拠点における自己収入の確保を促進すること等により恒久的な橋渡し研究支援拠点を確立させる」ことを目的としている。

目的

実施内容

① シーズ育成機能の強化: ・ 拠点内外のシーズを探索し、途切れないR&Dパイプラインを確立する

・ 様々な開発段階にあるシーズを戦略的に最適な規模の資金で支援

・ 国際展開に関する支援

② 拠点の自立化: ・ 5年以内に国からの基盤整備に係る費用を受けずとも運営できるよう人員

の定員化や自己収入等で充当可能な体制へ移行

・ ライセンスアウト収入等の外部収入基盤の確立

③ ネットワークの構築

・ 拠点間のネットワーク化によるシーズの実用化の加速を図る

9

【PD】 猿田享男(慶応義塾大学名誉教授)

【PO】 景山 茂(東京慈恵医科大学)、稲垣 治(日本製薬工業協会)

【サポート機関】 先端医療振興財団(PD・POと連携して各拠点に支援ノウハウを提供)

報告

助言・ サポート

推進組織

第二期プログラム 拠点と実施体制

橋渡し研究支援拠点(7拠点)

・ オール北海道 札幌医科大学

北海道大学

旭川医科大学

・ 東北大学

・ 東京大学

・ 名古屋大学

・ 京都大学

・ 大阪大学

・ 九州大学 10

シーズ育成機能の強化

基礎研究 前臨床試験 臨床試験

シーズを開発段階に応じて以下の3つに分類し外部資金獲得までの育成費用を拠点に支援

シーズC シーズB シーズA 【対象課題】 治験又は高度・先進医療を実施し、 3年以内に臨床でのPOC取得を目指す課題

【対象課題】 3年以内に非臨床POC取得 及び治験届提出を目指す課題

【対象課題】 2年以内に関連特許出願を目指す基礎研究課題

【補助額】 最大500万円/1課題

【補助額】 最大5000万円/1課題 (平成26年度募集時)

【補助額】 最大8000万円/1課題 (平成26年度募集時)

【補助の条件】 拠点内の審査に基づく

【補助の条件】 課題選考委員会による審査に基づく

【補助の条件】 課題選考委員会による審査に基づく

【採択件数】 各拠点へ5000万円を上限として交付し、拠点の裁量において各シーズへ登録・配分可能としている

【採択件数】 平成24年度:5課題 平成25年度:12課題 平成26年度:16課題程度

【採択件数】 平成24年度:6課題 平成25年度:4課題 平成26年度:10課題程度

※支援期間は原則1年間(推進委員会による審査に基づき継続可)とし、他の競争的資金等の外部資金獲得に努めることを条件とする。 11

課題名:脳梗塞患者に対する自家培養骨髄間葉系幹細胞の静脈内投与による細胞療法の検討

支援拠点:北海道臨床開発機構

代表研究者:本望 修

研究概要

ヒト骨髄細胞群の中から神経系細胞へ分化する幹細胞を同定し、この幹細胞が脳梗塞における機能回復に極めて有効であることが、これまでの研究で明らかになっていることから、この細胞を静脈投与する方法により、脳の患部に到達させ、従来、治療が困難であった難治性の脳神経疾患の革新的な治療技術として、いち早く実用化に結びつけていくことを目的とする。

進捗状況

北海道臨床開発機構の支援シーズとして、平成21年度から5年計画で研究費を支援

これまで、臨床研究12例を実施、全例で運動機能改善効果が見られた

平成25年3月に医師主導治験開始。

治療2週間後 治療前 間葉系幹細胞 (骨髄幹細胞)

の分離 大量培養

保存

品質検査

凍結 照合

解凍

細胞培養センター(CPC) GMP準拠

病院

脳梗塞患者 骨髄細胞の採取

病院

静脈内 投与

保存

代表的な支援シーズ

12

課題名:胎児心電図実用化促進のための橋渡し研究

支援拠点:東北大学拠点

代表研究者:木村 芳孝

研究概要

胎児心電図装置の開発は100年前から産科領域での重要課題であった。本研究は新しい生体電位計測技術と、これに対応するノイズ処理技術を開発し、臨床で使用可能な心電図の計測機を開発する。本機械の使用により以下のことが可能になる。

•妊娠24週からの胎児モニタリングが可能になる(従来は31週から)

•従来のモニターでは計測できなかった心拍の細かい変動が計測可能になる(新生児死亡率減少に有用)

進捗状況

東北大学拠点の支援シーズとして、平成21年度から5年計画で研究費を支援

東北大学拠点の支援により臨床プロトコール作成、胎児心電図研究会の運用支援、データマネジメント体制の確立、薬事相談支援を進めてきた。

アトムメディカル社との共同開発を実施中

平成24年8月に治験届を提出、平成25年3月から治験開始。

代表的な支援シーズ

13

課題名:虚血肢治療用低侵襲ナノ粒子製剤の実用化

支援拠点:九州大学拠点

代表研究者:江頭 健輔

研究概要

独自に開発し、疾患モデルでの有効性を実証した血管内皮細胞選択性ナノDDS技術を活用して、重症虚血肢に対する革新的低侵襲ナノ医療を実用化するための臨床治験を実施する。具体的には、現行の薬物療法によって症状の改善が見られない、且つ、血管外科手術の適応の無い重症(FontaineⅢ度およびⅣ度)の末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症)患者を対象として、ピタバスタチン封入ナノ粒子製剤を筋肉内投与し、本製剤の安全性、薬物動態および有効性を実証する。

進捗状況

九州大学拠点の支援シーズとして、平成21年度から5年計画で研究費を支援し、興和(株)との共同研究により、動物実験を進めてきた。

九州大学拠点により、治験のプロトコール作成や薬事関連事項、知的財産管理などを支援してきた。

平成24年8月に治験を開始した。

代表的な支援シーズ

14

ネットワーク構築事業について

●シーズの実用化を加速させるために、7拠点において以下の3つのネットワークを構築する。

① 被験者リクルート促進体制構築 シーズの開発促進を目指し、迅速に症例集積が可能な体制の構築

② 相互モニタリング体制構築 各拠点がモニターを配置し、自拠点のみならず拠点間での相互モニタリング・監査

体制の構築

③ 共有リソース活用 拠点リソースの共有システムの構築(オンラインカタログ、CPC共同利用) 15

協力拠点 協力拠点 協力拠点

治験・臨床研究 実施拠点

条件に合致する患者を検索し、その情報を入力する(CRC等の協力)

患者情報入力システム

入力された患者情報をもとに

被験者としてのリクルートを検討

■目的

共有可能な拠点リソースの有効活用によるシーズ開発の加速を目指し、拠点リソースの共有システムを構築することを目的とする。具体的には、全拠点が双方向アクセス可能なオンラインカタログを作成し、共有可能なリソース(※)を有効利用する。

※例として、人材であれば、薬事、知財、CPC調整専門家、共有モニター等、設備であればCPCの空き情報等 ■全体計画 上記目的を達成するため、各拠点は

①自拠点のリソースを双方向アクセス可能なシステムに登録し、オンラインカタログを整備し、随時更新する。 ②シーズ開発を加速するため共有リソースを有効利用する。 ③各拠点担当者(1~2名程度)から構成されるワーキンググループ(以下、WGという)を定期的に開催し、CPC共同利用シーズの選定、懸案事項等に関する検討を行う。

共有リソース活用について

16

第1期・第2期プログラム登録シーズの開発実績 (H19年8月~H25年8月1日)

治験届提出(22)

(下線は医師主導治験) ライセンスアウト(23)

先進医療承認(10) (A、B/旧第2、3項)

人工手関節 北海道 GVHD研究用試薬 北海道 膵島移植 東北・京都

人工股関節 北海道 金マーカ刺入キット 北海道 遠赤外線乾式均等和温装置 東京

SVN-2B ペプチドワクチン 北海道 胃癌アッセイキット 北海道 ゼラチンハイドロゲル 京都

自家骨髄間葉系幹細胞 北海道 X線治療装置用動体追跡装置 北海道 レプチン 京都

Nアセチルノイラミン酸 東北 エキノコックス症迅速キット 北海道 γδT細胞(腎癌) 京都

HGF 東北 Aconitate,i-methyl adenosine 東北 γδT細胞(乳癌) 京都

胎児心電図装置 東北 高弾性ステント 東北 エポエチンβ 大阪

ボルテゾミブ 東北 トレハロース 東京 脊髄損傷治療技術 大阪

トレハロース 東京 ナノミセル 東京 自家培養口腔粘膜細胞シート 大阪

頻脈治療薬 東京 培養骨芽細胞様細胞 東京 培養自家口腔粘膜上皮シート 財団

小児補助人工心臓 東京 胃癌・膵癌バイオマーカー 東京

人工真皮 京都 抗FGF2アプタマー 東京

レプチン 京都 レプチン 京都 製造販売承認取得(4)

抗体(癌領域) 京都 生体活性チタンデバイス 京都 内視鏡手術ナビゲーター 北海道

レザフィリンPDレーザ 京都 人工真皮 京都 金マーカ刺入キット 北海道

WT1ペプチドワクチン 大阪 WT1ペプチドワクチン 大阪 X線治療装置用動体追跡装置 北海道

筋芽細胞シート 大阪 BK-UM 大阪 レプチン 京都

マラリアワクチン 大阪 HVJ-E 大阪

BK-UM 大阪 筋芽細胞シート 大阪 保険医療化(4)

細胞分離装置 財団 フィーダーフリー・ゼノフリー培養基材

大阪 内視鏡手術ナビゲーター 北海道

膝関節軟骨再生 財団 低侵襲子宮着床能測定装置 大阪 金マーカ刺入キット 北海道

PLGAナノ粒子 九州 強度を持つ三次元コラーゲン軟骨補填材

大阪 X線治療装置用動体追跡装置 北海道

生体吸収性GBR膜 財団 レプチン 京都 17

■ 【健康・医療戦略】 (平成25年6月14日) 1.(1) 4) ② キ ii 実用化が期待される基礎研究の成果を臨床へとつなげるための橋渡し研究支援拠点を充実・ 強化し、新たな研究手法による画期的な医薬品・医療機器等の創出につながる橋渡し研究を

推進するための拠点とする。

1.(1) 5) ① イ

これまで大学において整備してきた橋渡し研究支援基盤の成果も活用し、各橋渡し研究支援

拠点のシーズ育成能力・拠点間のネットワークをさらに強化する。

■ 【医療分野の研究開発関連予算の要求の基本方針】 (平成25年8月8日 健康・医療戦略推進本部) 2.重点化すべき研究分野

(3)臨床研究・治験への取組

アカデミア等における画期的な基礎研究成果を切れ目なく一気通貫に治療法、医薬品及び

医療機器の実用化に繋ぐ体制を構築するとともに質の高い臨床研究の実施体制の実現を目

指す。このため、(略)橋渡し研究支援拠点及び(略)高度かつ先進的な臨床研究を中心となっ

て行う拠点を一体的に整備し、更に強化する。

橋渡し研究に関する今後の行政の方針

18

「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」 アクションプランにおける位置づけ(重要部分抜粋)

報告書本文 具体的な取組内容

2.日本発の革新的な医薬品、医療機器等創出に向けた取組(イノベーション)

○有望な基礎研究の成果を実用化に繋げる橋 渡し研究を重点的に推進する体制の在り方については、「橋渡し研究加速ネットワークプログラム」で採択した橋渡し研究支援拠点のシーズ開発及びネットワーク構築の状況等を評価しつつ検討を進め、具体的な成功例を提示する。

• 橋渡し研究加速ネットワークプログラムのプログラムディレクター(PD)及びプログラムオフィサー(PO)による進捗管理を行う。

• 平成24~28年度の5年間で1拠点あたり新規シーズ3

件以上の医師主導治験の開始を目指す。

• 国からの基盤整備にかかる補助を受けずとも運営できるよう、人員の定員化や自己収入等で充当可能な体制になるよう整備を進める。

• 橋渡し研究加速ネットワークプログラム成果発表会を毎年開催する。

• 橋渡し研究加速ネットワークプログラム及び早期・探索的臨床試験拠点事業の進捗管理を行う。

• 厚生労働科学研究、治験推進研究の研究費のさらなる充実を図る。

• 各拠点は、早期段階から実用化を見据えて知的財産としての価値を評価し、特許を取得する等の知財戦略を立てつつ開発を進めるとともに、研究者に対して知財教育を行う。

○医療機関等が各施設で医薬品・医療機器の開発・改良を行う場合には、将来的な企業による製造販売を見据えつつ、関連企業等と連携して、治験薬GMP、GLP、QMS、GCPに対応できる体制(外部委託を含め)を確保する。

○シーズ探索においては、各医療機関内のみならず、全国的に広く検索する。

19

「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」 アクションプランにおける位置づけ(重要部分抜粋)

報告書本文 具体的な取組内容

2.日本発の革新的な医薬品、医療機器等創出に向けた取組(イノベーション)

○ 大学や研究機関における臨床研究の支援組織(いわゆるARO:Academic Research

Organization等)については、その機能が、

橋渡し研究支援拠点、臨床研究中核病院や日本主導型グローバル臨床研究拠点に求められる機能に含まれていることから、それらの整備の進捗状況を評価しつつ、その具体的な在り方の検討を進める。

• 橋渡し研究支援拠点は、有望な基礎研究成果を臨床へつなぐシーズ育成機能の強化を行いつつ、それらの進捗状況を評価しながら、ARO等に期待される役割や機能等について検討を進める。

○ 臨床研究の効率的な運用に向けて、共用データセンターの設置を検討する。具体的には、共用データセンターについては、臨床研究中核病院や日本主導型グローバル臨床研究拠点に求められる機能に含まれていることから、それらの整備の進捗状況を評価しつつ、多施設共同臨床研究におけるセントラル(共用データセンター)及びローカル(各参加機関)のデータマネージメント業務の在り方等について検討する。

• 臨床研究中核病院、日本主導型グローバル臨床研究拠点、橋渡し研究支援拠点は、他施設からの依頼を受け入れることができるデータセンターの体制整備を行う。

• 国は、臨床研究中核病院、日本主導型グローバル臨床研究拠点、橋渡し研究支援拠点のデータセンターの整備状況、活動状況等を把握する。

20

「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」 アクションプランにおける位置づけ(重要部分抜粋)

報告書本文 具体的な取組内容

2.日本発の革新的な医薬品、医療機器等創出に向けた取組(イノベーション)

○ 質の高い臨床研究を実施できる人材を育成するため、「Ⅱ.1.(3)医師等の人材育成及び確保」の事項に加えて次の施策に取り組む。

• 臨床研究の企画・立案ができる臨床医の育成と配置を着実に実行していく。

• 臨床研究を支援する人材(CRC、データマネージャー、生物統計家、プロジェクトマネージャー、開発戦略と知的財産戦略の担当者、薬事に精通する者、倫理審査委員会等事務局担当者等)の育成とその配置を充実させる。

• 各拠点は、臨床研究の企画・立案ができる医師および研究を支援する人材の配置と育成を進める。

• 臨床研究・治験活性化協議会において、医師の研修とその他の職種の研修の実施状況について、情報交換を行い、厚生労働省のウェブサイト等で公表する。

○ 医療機器(特に植込み型医療機器等)の臨床

研究・治験の質を向上させるために、医療機器の臨床研究・治験を実施する臨床研究中核病院等の体制を整備する。

• 医療機器には多様性があることを考慮し、臨床研究中核病院、早期・探索的臨床試験拠点、橋渡し研究支援拠点は医療機器の臨床研究・治験を実施する体制を整備する。

21

22

橋渡し研究支援拠点の人材雇用状況(7拠点合計)

職能分類 FTE(※)

開発企画 19

プロジェクトマネジメント 18

知財・契約 15

製剤 22

毒性 8

薬事 12

臨床試験管理 (スタディリーダー)

9

データマネジメント 31

生物統計 13

CRC 119

職能分類 FTE(※)

モニタリング 11

安全性情報 7

ITシステム 14

品質管理 2

品質保証(監査) 5

文書管理 16

事務 69

広報 4

その他 60

合計 453

平成25年5月現在 (※)Full-time Equivalents(常勤換算)

23

知財戦略の強化に関する取組

★ 特許調査支援 橋渡し研究支援拠点が支援するシーズの競合調査(競合製品・市場の詳細分析)や特許調査(特許の侵害可能性や動向の調査)を、サポート室が支援し、橋渡し拠点の知財戦略の強化を目指す。

(H24年度:5件、H25年度:10件程度(予定))

★ シーズAでの特許獲得支援 シーズAの研究費の使途として、主に以下の支援を行うこととしている。

・知財確保までの目標等について検討するための費用

・競合特許調査に要する費用

・特許出願のために、必要とされるデータ補強のための研究費

・研究成果の特許出願に要する費用

★ 研究費選考における特許の重視 シーズB,Cの研究費公募の申請条件として、「大学等による関連特

許が出願済みであること。」としており、選考の際に重視している。

文部科学省における医療分野の研究開発等の推進

○ 日本再興戦略等に基づき、我が国の医療分野の研究開発の司令塔機能の下、関係府省と連携し、革新的な 医療技術の実用化を加速

○ iPS細胞研究等による世界最先端の医療の実現や、疾患の克服に向けた取組、臨床研究・治験への取組等を 強力に推進

概 要

平成25年度当初予算額 平成26年度予算案 対前年度増減額

新独法 対象経費

447億円 (厚労省402、経産省163、計1,012)

570億円 (厚労省476、経産省169、計1,215)

123億円

インハウス研究 機関経費

155億円 (厚労省476、経産省81、計713)

200億円 (厚労省455、経産省85、計740)

44億円

主な取組

【世界最先端の医療の実現】 26年度予算案(25年度当初予算額)

✓ 再生医療実現拠点ネットワークプログラム 90億円(90億円) ✓ オーダーメイド医療の実現プログラム 18億円(14億円) ✓ 東北メディカル・メガバンク計画 36億円(42億円)

【がんや精神・神経疾患等の克服】 ✓ 次世代がん研究シーズ戦略的育成プログラム 59億円(36億円) ✓ 脳科学研究戦略推進プログラム・脳機能ネットワー クの全容解明プロジェクト 55億円(35億円)

【臨床研究・治験の実施体制の強化等による、医薬品・医療機器開発の推進】 ✓ 橋渡し研究加速ネットワークプログラム 65億円(30億円)

iPS細胞

実用化 基礎研究

切れ目のない実用化支援 基礎研

究 応用研究

臨床試験

(治験)

審査

・承認

保険

適用

[25年度補正予算案:30億円]

[25年度補正予算案:31億円]

24

① 革新的医療技術創出拠点プロジェクト 1

文部科学省と厚生労働省の連携 ・文科省及び厚労省が一体となって新たな事業を創設することにより、両省の強みを生かしながら、アカデミア等における画期的な基礎研究成果を一気通貫に実用化に繋ぐ体制を構築するとともに、各開発段階のシーズについて国際水準の質の高い臨床研究・治験を実施・支援する体制の整備もおこなう。

・拠点組織や研究費を大幅に拡充・強化し、革新的な医薬品・医療機器が持続的にかつより多く創出される体制を構築する。

2015年度までの達成目標 ・医師主導治験届出数 20件(年間) ・FIH試験※(企業治験含む)25件(年間)

2020年度までの達成目標 ・医師主導治験届出数 40件(年間) ・FIH試験※ (企業治験含む)40件(年間)

【関連指標】 ・臨床研究・医師主導治験の増加 ・我が国発の革新的な医薬品・医療機器の増加

基礎段階から実用化までシーズを育成 国際水準の臨床研究・治験の実施環境の整備

(H26: 65億円) (H26: 56億円) (H25補正:14億円)

臨床研究中核病院整備事業等※ 橋渡し研究加速ネットワークプログラム

基礎研究 前臨床研究 臨床研究・治験

革新的シーズのより太いパイプライン 切れ目ない一気通貫の支援

実用化

シーズを育成し、国際水準の臨床研究・治験を実施 ○PD、PO、サポート機関等の推進体制及び事業運営委員会、拠点調査等の運営を一元化 ○人件費、設備維持費等の拠点経費及び研究費を統合し、拠点の組織・機能を一元化 ○一気通貫に実用化に繋ぐ体制を整備するとともに、国際水準の質の高い臨床研究・治験を実施・支援する体制も整備 ○基礎段階から実用化させるまでに必要な専門人材を大幅拡充し、シーズ育成能力を大幅拡充

臨床研究中核病院 ※ 早期・探索的臨床試験拠点 日本主導型グローバル臨床研究拠点

の整備

※ FIH(First in Human)試験:ヒトに初めて 新規薬物・機器等を投与・使用する臨床試験

平成26年度 新独法対象経費 121億円 (平成25年度補正 14億円)

文部科学省 厚生労働省

一体化

革新的医療技術創出拠点

府省連携

25

基礎研究段階より育成した革新的なシーズを、切れ目なく国際水準の質の高い臨床研究環境で開発することにより、国際市場を狙える医療技術をより多く創出する。

国際市場を狙える医療技術の創出

開発の質とスピードの向上 シーズ育成に強みを持つ人材と臨床研究の実施に強みを持つ人材等、両省事業の様々な強みをもつ人材が一体となってノウハウ等を共有しながら開発を行うことにより、開発の質やスピードの向上を図る。

産業界と連携し一貫した開発体制 製薬企業等にライセンスできるアウトシーズを、切れ目なく質の高い臨床研究環境(関連病院とのネットワークを含む)での企業主導治験につなげることにより、産業界(製薬企業等)と連携し一貫した開発体制を強化する。

開発の効率化 両省事業で相互利用が可能な設備、人材等を合理化、共有化することにより、効率的な開発を実施する。

(例)動体追跡陽子線治療装置、胎児心電図装置、マラリアワクチン

(例)データセンター、CRC、データマネージャー

赤字:文科省事業で整備してきたもの、青字:厚労省事業で整備してきたもの

革新的医療技術創出拠点における橋渡し研究・臨床研究の強化

医療として 実用化

・治験、先進医療 ・企業への知的財産の 移転

シーズを育成し、国際水準の臨床研究・治験を実施 ○厚生労働省事業と一体化 : PD、拠点調査、成果報告会など事業実施体制を一元化 ○専門人材を大幅拡充 : 知財関係、開発戦略、プロジェクトマネジャー、生物統計家、 臨床研究コーディネーター、データマネジャー、モニターなど ○研究開発費の大幅拡充 ○オーファンドラッグなどは検証的試験までも支援

革新的シーズのより太いパイプライン 切れ目ない一気通貫の支援

大学等発のシーズ ・医工連携による医療機器 ・全く新しい治療法 等

基礎研究 前臨床試験 臨床試験

今後の姿

橋渡し研究加速ネットワークプログラム 平成26年度予定額 : 6,512百万円 (平成25年度予算額 : 2,967百万円)

基礎段階から実用化までシーズを育成 国際水準の臨床研究・治験の実施環境の整備

臨床研究中核病院整備事業等

文部科学省 厚生労働省

一体化

革新的医療技術創出拠点

現状

橋渡し研究加速ネットワークプログラム

プログラム開始後の実績

(H19年8月~H25年10月) 計

医師主導治験 16

企業主導治験 6

企業へライセンスアウト 25

先進医療承認 10

製造販売承認 5

保険医療化 4

【平成26年度の取組】 ○拠点の機能強化及び充実 ・厚生労働省の事業と一体化することにより、実用化まで一気通貫に支援できる 体制を構築 ・人材の充実や教育訓練等による拠点機能を強化

○シーズ育成機能の大幅強化 ・研究開発費を大幅に拡充することにより、シーズの実用化を加速

○ネットワークの強化 ・臨床研究・治験等を円滑に実施するための拠点間のネットワークをさらに強化

厚生労働省の臨床研究中核病院整備事業等と一体化することにより、全国の拠点において、アカデミア等における革新的な基礎研究の成果を一気 通貫に実用化に繋ぐ体制を構築するとともに、各開発段階のシーズについて国際水準の質の高い臨床研究・治験を実施・支援する体制を整備し、 革新的な医薬品・医療機器等を持続的にかつより多く創出することを目指す。

概 要

(平成25年8月現在) 橋渡し研究支援拠点

北海道臨床開発機構

東北大学

東京大学

京都大学

大阪大学

九州大学

名古屋大学

橋渡し研究加速ネットワーク

ご静聴ありがとうございました。

28