遠隔操作で脱着が可能な 高圧オシ配管連結用継ぎ手 -...
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遠隔操作で脱着が可能な遠隔操作で脱着が可能な遠隔操作で脱着が可能な遠隔操作で脱着が可能な高圧ガス配管連結用継ぎ手高圧ガス配管連結用継ぎ手高圧ガス配管連結用継ぎ手高圧ガス配管連結用継ぎ手
秋田大学大学院秋田大学大学院秋田大学大学院秋田大学大学院 工学資源学研究科工学資源学研究科工学資源学研究科工学資源学研究科
附属ものづくり創造工学センター附属ものづくり創造工学センター附属ものづくり創造工学センター附属ものづくり創造工学センター
講師講師講師講師 和田和田和田和田 豊豊豊豊
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継手とは継手とは継手とは継手とは
・ガスや液体を輸送する配管同士を結合するもの
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継手の分類継手の分類継手の分類継手の分類
・ガスと液体では構造に大きな違いはない
・流体の圧力,温度で様々なシステムが存在
・固定方式によって分類が可能
①ねじ式継手
②差し込み式継手
③ クランプ式・フランジ式継手
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従来技術の比較とその問題点従来技術の比較とその問題点従来技術の比較とその問題点従来技術の比較とその問題点
①ねじ込み式継手
GOOD: 高圧でもコンパクトなシステムとなる
POOR: 脱着時に工具を用いた作業が必要
②差し込み式継手
GOOD: 工具不要で脱着可能
POOR: 高圧での利用は不可(多くは10気圧以下)
③ クランプ式・フランジ式継手
GOOD: 高い耐圧性能,高い気密性を有する
POOR: 外径が大きくなりがちで脱着時に工具が必要
遠隔操作による取り外しはどの方式も困難
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エアロック式継手の提案エアロック式継手の提案エアロック式継手の提案エアロック式継手の提案
• 従来技術では困難な高圧ガス継手の遠隔操作による取り外しに簡素なシステムで成功した.
• 従来は配管を固定する目的での使用に限られていたが,大気圧を利用した固定方法を採用したことにより,遠隔操作性を有し,異常時の安全装置として機能安全性が付与された.
• 本技術の適用により、危険作業区域での配管取り外し作業が可能となり,また,高い安全性の確保が期待される.
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エアロック式継手の拘束原理1エアロック式継手の拘束原理1エアロック式継手の拘束原理1エアロック式継手の拘束原理1
• 高圧ガス流路の外周に低圧力面を配置する
高圧ガス流路
フランジA フランジB
耐外圧用Oリング
耐内圧Oリング
配管
真空ポンプへ
S
弁
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エアロック式継手の拘束原理2エアロック式継手の拘束原理2エアロック式継手の拘束原理2エアロック式継手の拘束原理2
エアロックが成立するためには F1<F2
フランジを引きはがそうとする
配管内圧力による力:F1
真空ポンプへ
S
弁(閉)
低い圧力領域
高い圧力領域
フランジを抑えつけよう
とする大気圧による力:F2
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エアロック式継手の解放パターン1エアロック式継手の解放パターン1エアロック式継手の解放パターン1エアロック式継手の解放パターン1
エアロックを解く場合は弁を開ける F1>F2≒0
フランジを引きはがそうとする
配管内圧力による力:F1
真空ポンプへ
S
弁(開)
低い圧力領域
高い圧力領域
フランジを抑えつけよう
とする大気圧による力:F2≒0
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エアロック式継手の解放パターン2エアロック式継手の解放パターン2エアロック式継手の解放パターン2エアロック式継手の解放パターン2
何かの原因で内部の圧力が上昇する F1>F2
フランジを引きはがそうとする
配管内圧力による力:F1
真空ポンプへ
S
弁(閉)
低い圧力領域
高い圧力領域
フランジを抑えつけよう
とする大気圧による力:F2
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②低圧状態を保持①ポンプで空気抜き
④遠隔で弁を開き固定を解除③継手として運用 (F1<F2状態を保持)
エアロック式継手の運用方法1エアロック式継手の運用方法1エアロック式継手の運用方法1エアロック式継手の運用方法1
• 外れる際に配管に与える衝撃が非常に小さい
真空ポンプへ
S
弁(閉)
S
弁(閉)
弁(閉)
S
弁(閉)
弁(閉)
S
弁(開)
弁(閉)
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②低圧状態を保持①ポンプで空気抜き
④F1>F2状態になる場合③継手として運用 (F1<F2状態を保持)
エアロック式継手の運用方法2エアロック式継手の運用方法2エアロック式継手の運用方法2エアロック式継手の運用方法2
• 異常な圧力上昇で自動的にロックが解除
真空ポンプへ
S
弁(閉)
S
弁(閉)
弁(閉)
S
弁(閉)
弁(閉)
S
弁(開)
弁(閉)
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②低圧状態を保持①ポンプで空気抜き
④電源喪失時(電磁弁が開)③継手として運用 (F1<F2状態を保持)
エアロック式継手の運用方法3エアロック式継手の運用方法3エアロック式継手の運用方法3エアロック式継手の運用方法3
• 通常開の電磁弁(NO弁)仕様で電源喪失時に自動ロック解除
真空ポンプへ
S
NO弁(通電時閉)
S
弁(閉)
S
弁(閉)
S
NO弁(開)
弁(閉)
NO弁(通電時閉)
NO弁(通電時閉)
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エアロック式継手の最小外径寸法とエアロック式継手の最小外径寸法とエアロック式継手の最小外径寸法とエアロック式継手の最小外径寸法と高圧部の内径寸法の関係高圧部の内径寸法の関係高圧部の内径寸法の関係高圧部の内径寸法の関係
内径寸法と圧力の上昇で外径寸法が大きくなる
r: 高圧流路内半径
R: 外半径
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想定される用途1想定される用途1想定される用途1想定される用途1
• 高圧ガス充填作業のオートメーション化
• 打上直前のロケットや高い放射線環境中など,作業員が近づけない環境での配管結合解除
• 取り外し時に配管に衝撃を与えたくない場合
• 電源喪失時に確実に流体供給を停止する場合
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想定される用途2想定される用途2想定される用途2想定される用途2
• Oリングの種類を変更すれば極低温流体への適用も期待できる
• また,流路に狭窄部がないことに注目すると,非常に低い圧力損失で流体を輸送できる.
• 粉体の輸送への用途に展開することも可能と思われる.
• 継手に機能安全性が付与されている
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エアロック式継手のデメリットエアロック式継手のデメリットエアロック式継手のデメリットエアロック式継手のデメリット
• 内部圧力と流体経路断面積の上昇とともに外径が大きくなる.
• 真空ポンプラインが必要
• 遠隔操作には電磁弁の操作系が必要
• Oリングの最大使用圧力が上限となる
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実用化に向けた課題実用化に向けた課題実用化に向けた課題実用化に向けた課題
• 現在,エアロックの原理を用いて高圧ガス配管の結合が可能なところまで開発済み.しかし,気密性の定量化の点が未解決である.
• 今後、気密性について実験データを取得し、長時間ロックに適用していく場合の条件設定を行っていく.
• 実用化に向けて,大気圧変動と拘束力の精度を定量化できるよう技術を確立する必要もあり.
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企業への期待企業への期待企業への期待企業への期待
• 未解決の気密性の定量化については,安定した機械工作精度の達成技術により克服できると考えている.
• シール材であるゴム材料の成型技術を持つ企業との共同研究を希望.
• また,高圧流体の移送を取り扱う産業ラインを開発中の企業,宇宙開発分野,原子力関連分野への展開を考えている企業には,本技術の導入が有効と思われる.
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本技術に関する知的財産権本技術に関する知的財産権本技術に関する知的財産権本技術に関する知的財産権
• 発明の名称 :流体継ぎ手
• 出願番号 :特願2013-132115
• 出願人 :秋田大学
• 発明者 :和田 豊
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産学連携の経歴産学連携の経歴産学連携の経歴産学連携の経歴
• 2011年- 秋田県産業技術センターとの共同研究実施
• 2013年- JAXA宇宙輸送ミッション本部との共同研究実施
• 2012年-2013年 株式会社型善との共同研究実施
• 2013年-2014年 フィージビリティスタディ支援事業に採択
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お問い合わせ先お問い合わせ先お問い合わせ先お問い合わせ先
秋田大学 産学連携推進機構
リサーチ・アドミニストレーター
伊藤 慎一
TEL 018-889-2712
FAX 018-889-5356
e-mail [email protected]