複合語と句の強勢harp.lib.hiroshima-u.ac.jp/hju/file/9725/20120121050127/5...this paper...

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英語英米文学研究第 5 号(1 996) 複合語と句の強勢 Stress of Compounds and Phrases Yasuhide KOBA YASHI This paper describesthe stress of compoundsandphrasesaccor- dingto the theory ofmetricalconstituent construction. In SPE (1968) stressof compoundsandphrases isderived bythecyclic ap- plicationofCompoundandNuclearStressRules butinthispaper itisderivedeithercyclicallyornoncyclically. A stress pattern is not always determined by embedded bracketedcategories (compoundsorphrases) becausetheapplica- tionoftheRhythmRulesometimeschangesitspaterntoincrease eurhythmy. 1 はじめに 本稿は Chomsky& Halle (以下 SPE)(1968) Liberman& Prince (1977) Kiparsky (1979) Prince (1983) Hayes (1984) Selkirk (1984) 等によって述べられてきた複合語と句の強勢の記述が, Halle & Vergnaud (以下 H&V)(1987) の韻律構成素構造の枠組みでは,ど のようになされるかを論じるものである。 SPE では復合語と句の強勢は,次のような複合規則 (Compound Rule) と核強勢規則 (NuclearStressRule) によって付与される。 13

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英語英米文学研究第5号(1996) 13~39

複合語と句の強 勢

林 泰 秀

Stress of Compounds and Phrases

Yasuhide KOBA Y ASHI

This paper describes the stress of compounds and phrases accor-

ding to the theory of metrical constituent construction. In SPE

(1968), stress of compounds and phrases is derived by the cyclic ap-

plication of Compound and Nuclear Stress Rules, but in this paper,

it is derived either cyclically or noncyclically.

A stress pattern is not always determined by embedded

bracketed categories (compounds or phrases), because the applica-

tion of the Rhythm Rule sometimes changes its patern to increase

eurhythmy.

1 はじめに

本稿は Chomsky& Halle (以下 SPE) (1968), Liberman & Prince

(1977), Kiparsky (1979), Prince (1983), Hayes (1984), Selkirk

(1984)等によって述べられてきた複合語と句の強勢の記述が, Halle

& Vergnaud (以下 H&V) (1987) の韻律構成素構造の枠組みでは,ど

のようになされるかを論じるものである。

SPE では復合語と句の強勢は,次のような複合規則 (Compound

Rule) と核強勢規則 (NuclearStress Rule) によって付与される。

13

14 小林泰秀

( 1) SPE (p.18)

[lh k V]NAVl(a)C叩 I山→[1 stressJ / ¥ ,

lV…… J ( b) Nuclear Stress Rule

(1)の規則は,次の blackboard eraserに括弧区分の深い語から循環

的に適用されている。

( 2) SPE (p. 21)

a. [[blackJA [[boardJN [eraserJNJ NJNP

Rule(la) Rule(lb)

b. [[[blackJA [boardJNJN [eraserJNJ N

Rule(la) Rule(la)

c. [[[blackh [boardJNJNP [eraserJ NJN

2.韻律構成素構造

Rule(1b) Rule(la)

SPEの強勢ノξターンが H&Vの枠組みではどのようにして派生され

るか見てみよう。

核強勢規則を H&Vは次のように定式化している。

( 3) Nuclear Stress Rule (H & V, 1987: 264)

a. Parameter settings on line N (N ~ 3) are [ -BND, + HT,

rightJ.

b. Interpret boundaries of syntactic constituents composed of

two or more stressed words as metrical boundaries.

複合語と句の強勢 15

c. Locate the heads of line N constituents on line N + 1. 単一の語の第 1強勢はライン 3上に星印が付与されるのであるが,二

つ以上の語からなる構成素がある場合には, (3) の核強勢規則に従っ

て非有限構成素構築を行い,構成素境界を右に取る星印の一つ上のライ

ン上に星印を付加する。次の A,B, Cはそれぞれ一つの語で、ある。

( 4 ) a. 本創刊n白

川内

A↓

B*A

「-u本

別対C

同怖い

RU

山内側

A↓

本山町円し

ゅ内RU

A

b

本別刷問C

山内山町RU

A↓

本附C

本山町

B体

A

( 4 )の句が複数の語からなる複合語である場合には, H&V は次の

ような複合語強勢規則 (CompoundStress Rule) を適用している。

( 5) Compound Stress Rule (H & V, p. 272)

In a constituent C composed of two or more words, retract

the right boundary of C to a position immediately before the

head of C, provided that C is dominated by a lexical

category and that the head of C is located in the last word

of C.

( 2語以上からなる構成素Cにおいて, Cの右境界をCの主要

部の直前の位置に左方移動せよ o ただし, cが語嚢範障によ

って支配され,さらにCの主要部がCの最後の語にある場合

にである。)

( 5 )の複合語強勢規則は,ある構成素の右境界を主要部の直前の位置

に左方移動するものであり,次のように適用される。

( 6 ) a.

B

牢附A↓

本別B

川内

A本

C

本刻一例

B

池内側

A↓

本刑制C

山内RU

体MmA

LU 本

C

B体

A↓

本判例C

川崎い山川

RU

山内

A

FL

SPEでは複合語規則によって,直接二つの語の強勢の強さを決める

のに対して, (5)の複合語強勢規則は, (3)の核強勢規則の適用の後に

適用されるものである。それは SPEで第 1強勢を取る二つの語に(1)

の規則が適用される条件と同じである。二つの語が同じライン上に星印

を取る規則を H&Vは強勢均等化規約 (StressEqualization Conven-

次のように定式化している。

泰林16

tion)として,

Stress Equalization Convention (H & V, p.265)

When two or more constituents are conjoined into a single

(7)

higher-level constituent, the asterisk columns of the heads of

the constituents are equalized by adding asterisks‘to the

lesser column (s).

(2語以上の構成素が単一の上位の構成素に連結されるとき,

構成素の主要部の星印の柱は,より低い柱に星印を付加する

ことによって均等化される。)

(7)の強勢均等化規約は,循環的に強勢規則が適用される際に,括弧

区分の外にある語の第 1強勢を,括弧区分内の第 1強勢と同じ強さにす

るものであり,次のようになる。

本木 本

(本木本.)(本木)

本(本)牢(牢本)(本)* (本)

[A [B C][D]J→[A [B C[D~

b. *牢本

木 ( 本 木 本 )(木本)

[A [B C]]→[A [B C]]

( 8) a.

]

))]

nu

本木

本(*)(本

本本)(*) (牢D]]]→[A [B [C

本( 本

牢 (NSR) 木(牢)(本

D]]]ー-o> [A [B [C

牢 本

木*(*) (* DJJJ→[A [B [C

c.

牢本(*

[A [B [C

では,規則の適用前の語には常に第 1強勢が与えられているの

で, H&Vの強勢均等化規約は必要ない。強勢均等化規約の重要性は,

第 I強勢を除き,括弧区分の外にある語ほど格子(grid)の柱(column)

が高いことを示していることにある。

SPE

では(2 )のように最も深い括弧区分から循環的に複合語強勢規SPE

複合語と句の強勢 17

則と核強勢規則を適用して強勢パターンを派生しているが,これまで述

べた H&Vの規則を用いると,どのような派生になるか見てみよう。

( 9 ) a. 本本

木(木本 (CSR) * (*l 牢

[[blackJA [[boardJN [eraserJNJNJNP一一予 blackboard eraser

木 line5 本木 ( 木 本 line4

(SEC) (*l (*l 本 (NSR) (*l (*l * line 3 一一寸ぅ blackboard eraser -→~ black board eraser

LU

本 木

(本 木) 牢 (白R) 岡本木 (SEC)[[[blackJA [boardJNJN [eraserJNJN -ぅ blackboard eraser-ー争

本 木

本本 (本 木 (*l 本

(*l *本 (NSR) (:本)本(本 (CSR) (本)本(本)

black board eraser -一~black board eraser -一~black board eraser

C. 本 木本

(本 木 * (SEC) ( 本 木l (*l [[[blackJA [boardJNJNP [eraserJNJN一一ぅ blackboard eraser

本木

(木本本)本

(NSR) ( 本木l (本 (CSR) (木本l (本)

一~black board eraser 一一~black board eraser

SPEで複合語規則の適用されるところには複合語強勢規則が適用さ

れ, SPEで核強勢規則の適用されるところには H&Vの枠組みでの

核強勢規則が適用されている。したがって, SPEの派生と(9 )の派生

は実際は同じものである。

(9 blの複合語には,さらに複合語が埋め込まれているので,複合語

強勢規則が二回適用されているのであるが 二回目の適用では構成素の

右境界を主要部の直前の位置に左方移動せず, レベル 4の構成素内での

主要部の前の星印に,右境界を左方移動している。(9b)の次の部分が

そうである。

18 小林泰秀

00= 9 b) 木本

( 木 本 牢 ) 本

(本) *本 (CSR) (本) *木)black board eraser -一+むlackboard eraser

主要部の直前の語は boardであるが, (10)の場合は boardへは左方

移動していない。それは最初の複合語強勢規則の適用によって,board

がレベル 3に於いて blackと一つの構成素を構築できなくなったからで

ある。このことは(5 )の複合語強勢規則に,移動先の位置が左境界を

取ることの条件を加えれば,一層明らかになる。

(11) The position to which the right boundary of C is retracted

has to have a boundary on its left.

(構成素Cの右境界が左方移動する位置は,その左側に境界が

なければならない。)

以上 SPEと H&Vは,複合語と句の強勢記述に関して本質的に同

じであることを見てきたが, SPEでは強勢パターンを句全体のリズム

の面からはとらえていなし、。二つの強い強勢を持つ音節,あるいは語が

隣接している場合,一方が弱い強勢になるのは英語の一般的な規則であ

る。 H&Vは複数の語からなる句の弱強強リズムを強弱強リズムに変

えるリズム規則を次のように提案している。

(12) Rhythm Rule (H & V, p. 267)

In a constituent C composed of two or more words, retract

the right boundary of the prefinal subconstituent S of C to a

position immediately before the head of S, provided that the

head of S is located in the last word of S (with further

restrictions if the subconstituent S consists of a single word).

( 2語以上の語からなる構成素Cにおいて, Cの語末前の下位

構成素Sの右境界を, Sの主要部の直前の位置に左方移動せ

よo ただし, sの主要部がSの最後の語にある場合にである

複合語と句の強勢 19

(下位構成素 Sが単一の語からなるなら,さらに制限があ

る)0)

(12)のリズム規則は次のように適用される。

(13) a . 本叫町一例

C本

B

体側

A↓

本別刷問

C

崎い叫んhRH

山内

A

本別MmM川

D

本附

C*B

A↓

本別刷問附

D

川内叫町

Mm円し

B

川河川間

A

LU

C AU

本州側一附

D

本側

C

体Mm叫町

B

川崎い

AA↓

本別MmM附

D

川内山町川川Fし

出向山町

EU

川河

A

本羽川州側

D本

C

本附

B

崎沖附側一

A↓

本別阿川川

D本

C

体制一例

B

A

(12)のリズム規則は句全体に適用するものであるが, (13a)は A と

B, (13b)は A と C,(13c)は B と C,(13d)は A と B の弱強反転

(iambic reversal)が起こっている。この点では(12)のリズム規則は循

環的に適用される SPEの複合規則と同じものと思われよう。しかし

リズム規則はあくまでも句の韻律を好ましいものにするためのものであ

り,単にその範暗によって強勢の強弱を決める複合語強勢規則や核強勢

規則とは別のものである。

リズ、ム規則は弱強強パターンを強弱強パターンにするものであるか

ら,対象となる句には少なくとも三つの強勢音節がなくてはならない。

これまでは(2 )や(9 )のように一番深く埋め込まれた括弧区分から循

環的に複合語規則を適用して,正しい強勢ノξターンを派生してきたが,

次のように,核強勢規則と強勢均等化規約を適用して派生した句全体の

パターンに, リズム規則と複合語強勢規則を適用しても,正しい強勢ノf

ターンが得られる。

20 小 林泰 秀

(14) a . 本木(牢 牢本木)(本本木 (CSR) (本) (本)本

[[blackJA [[bo訂dJN[eraserJNJNJNP 一一~black board eraser

LU

木本(本一一一一一本) 仰 木)

(木 本本 阻1 (牢)本体)[[[blackJA [boardJNJN [eraserJNJN一一争 blackboard eraser

(*)本(CSR) (*)本(*)一一~ black board eraser

C. 木 本( 木本本*

(本 木(*)白Rl (本木) (本)[[[blackJA [boardJNJNP [eraserJNJN一一争 blackboard eraser

d. 草木

(本 一一 十一 本本 木)(木本(*) (RRl 岡本(*)

[[black boardJNP [makerJNJNPーーラ blackboard maker

e. 本木(*一一一一本本 本)

(木 本本 (RR) 阿木(本)[[black board J N [maker J N J NP一一ぅ blackboard maker

f. 本

(本 木)(* )本 木)

[[expensiveJA [black boardJNPJNP

g. 本

(* *) (*)本木)

[[crowdedJA [Madison AvenueJNJNP

(I4a)にはリズム規則は適用されないが (14b)には二つの星印の柱

間で強勢衝突が起こっているので, リズム規則が適用されている。 04

b)と(I4c)は共に全体が複合語であるが, (I4b)にのみ複合語強勢規則

の前にリズム規則が適用されている。

複合語と勾の強勢 21

(14b)にリズム規則が適用されるのは, blackと boardで複合名詞を

形成しているからであり, (14c)にリズム規則が適用されないのは,

blackと boardで名詞句を形成しているからである。そのように考えて

みると, (14)のように核強勢規則と強勢均等化規約を循環的に適用し,

リズム規則と複合語強勢規則を非循環的に順に適用する(14)の派生は,

結局は複合語強勢規則,強勢均等化規約,核強勢規則を循環的に適用す

るのと同じことである。

3.強勢パターン

3-1. 3語からなる複合語と句の強勢パターン

black board eraser のような三つの語からなる複合語と句の強勢ノξ

ターンは, (14)のように 4種類考えられるが,それぞれの強勢パター

ンについて H&Vの例を加えてまとめてみよう。 H&Vでは強勢を

表す数字が多いほど強勢が強いのであるが,本稿では SPEにしたがい,

一番強L、強勢を 1とし弱くなるにつれて 2, 3, 4と数字を多くして

いる。

A. 213強勢パターン

(15) a. [black [board eraserJNJNP

b. [kitchen [towel rackJJ, [teachers [pension fundJ],

[evening [chemistry c1assJJ (H & V, p.273)

213強勢ノfターンは, (15)のように全体が名詞句で,その右要素が複

合名詞であるものである。

B. 132強勢ノfターン

(16) a. [Madison StreetJ, [evening c1assJ, [teachers unionJ,

b. [[black boardJN eraserJN, [evening c1assJ teacher],

22 小 林泰 秀

[[Madison StreetJ busJ, [[teachers unionJ presidentJ (H & V, p.271)

132の強勢ノfターンは全体が複合語で,その左要素がより深い括弧区

分内の複合語である場合であり, リズム規則と複合語強勢規則が適用さ

れる。リズム規則は左要素である複合語の強勢を強弱リズムにするもの

でもあるので,実際には循環的に SPEの複合語規則が適用されるのと

同じである。

C. 312強勢パターン

(17) a. [[black boardJNP eraserJN

b. [[Tom PaineJ StreetJJN, [[antique shopJ zoningJN,

[[free verseJ c1ubJN

312強勢ノfターンは全体が複合名詞であるが,左の要素は名詞句ある

いは21強勢を取る複合語である。(17)の例のように,名詞句が名詞を

修飾して複合名詞を形成するのはまれである。というのは,複合語は一

般的にその意味が特殊化し,独立した語として見なされるものであるか

らである。 blackboard eraserの意味が「黒い板の拭くもの」であれば

一つの慣用語として見なすのは難しく,名詞句と見なされるのが普通で

ある。

D. 231強勢ノfターン

(18) a. [Madison AvenueJ, [Mary-ElizabethJ, [Marcel ProustJ, [Fawce仕-MajorsJ,

[Harvard University J, [Penn StationJ, [Grand CentralJ

b. [[black bo紅dJNIP)JmakerJNP

c. [expensive [black boardJNP JNP, [crowded [Madison Avenue J J,

[traditional [Harvard UniversityJJ, [Farrah [Fawcett-MajorsJJ,

[a hundred [twenty fortificationsJJ

d. [[Mary-ElizabethJ MathersJ, [[Grand CentralJ StationJ,

[[Harvard University J presidentJ, [[Penn StationJ platformJ,

複合語と句の強勢 23

[[Madison AvenueJ busJ (H & V, p.272)

(16a)の MadisonStreetや eveningclassなどは前の語に第 1強勢が

あるが, (18a)の語は同じような複合語でありながら後ろの語に第 I強

勢がある。

名詞句の231強勢パターンは,左の要素は21強勢であろうと, 12強勢

であろうと構わないが,右の要素は21強勢の複合語でなければならな

い。(18)のような名詞句には,強勢衝突の起こる場合にのみリズム規則

が適用される。全体が句の場合に231強勢ノξターンが多くなるのは,好

リズムを形成するためにリズム規則が適用されるので当然である。

3-2. 4語からなる句の強勢パターン

これまで3語の強勢ノξターンについて論じてきたが,次に 4語からな

る複合語と句の強勢ノfターンについて見てみよう。核強勢規則によって

最後の語に第 1強勢の付く名詞句には,三つの強勢ノfターンがある。

A. 2431強勢ノfターン

(19) a. [[Maine [New YorkJJ RouteJ. [[loving [oven-bakedJJ

breadJ. [[remarkably [well-butteredJ J toastJ

b. [[[New YorkJ MaineJ RouteJ. [[[Benjamin FranklinJ

RoadJ exit rampNJ. [[[thirty-twoJ twenty J bluesJ.

[[[Washington-grownJ appleJ shippingJ (Hayes, 1984:62)

(19)の名詞句は,一番右の語が括弧区分の最も外にあり,全体としては

左枝分かれである。(19)の括弧区分内の語に,特に複合名詞としての指

定がない限り,次のように複合語強勢規則は適用されず,核強勢規則が

適用される。

24 小 林泰 秀

(20) a. 木 本 本

*本 木) 本 (SEC) (*)木本)本 (NSRl

[[M泊ne[New YorkJJ RouteJ 一一~ MaineNewYorkRoute -.:.:.二会

木 本木( 木本 木本)(*) (*J (木本)本 (SEC) 牢) (本牢) (本 (NSRI

Maine New Y or k Route -ー~ Maine New Yor k Route -争

本 木( 牢一 本本 削

除本)(本本*(牢)(本) (木本) (本(RR) 本) (:本本) (牢)Maine New York Route - ぅ MaineNew York Route

b. 本 本木

(本木* 本 (SEC) (本車) (本* (NSR)

[[[New YorkJ [MaineJ RouteJ 一一~ New Yor k Maine Route -ーう

一間取て

.M

M

動一

'

py--

!

:400仰

中小

Ok--*at

}

R寸4

)

)

Ijjm

本木本h

d

k

(

U

N

HN円ι山こ

p

,刀

h

u

L

1

4

J

yu

ψ

((NJutN

J

p一

S一

(ト

J

E

ψ

小川*剣山町倒木川町叫町山町制ズ

M

J

U

(

(

J

U

(

(

J

U

U

は本h

*

h

*

h

M

l

:

:

:

Jh

N

t

t

N

t

c

c

N

)

j

?

?

b

d

河町おい、

AU

マ、

沼山川の

N

いる。

(20a)の派生の最後の構造には,次のようにリズム規則の適用が可能

である。

複合語と句の強勢 25

木 本(本木本木)(木 本一 (*l 岡本 (本)(本1 ( 本 本 本 (RR) 本) (*)本(*)Maine New York Route ~ Maine New York Route

(21)のような第3強勢と第4強勢間での弱強反転については, Hayes

(1984) は必要であるとし, Selkirk (1984) はどちらでも良いとし,

Prince (1883) は疑問を持っている。本稿では, (l9a)のような句を

(21)

2431強勢ノξターンに入れているが, Hayes のように2341強勢パターン

を主張する学者も居ることを申し述べておく。 (20b)の最後の構造では

York Maineが一つの構成素を構築していないので, リズム規則の適用

はない。

強勢均等化規約と核強勢規則を適用して派生された句全体にリーズム規

則を適用しでも,正しい強勢パターンが得られるかどうか見てみよう。

(22) a.

4

0L

t

木本木白草加。し

、/-m

a

(山

MU

--、/ii、

VA

側(

N

i

ρ・νρ

L

t

t

)

)

)

I

)

)

)仁

ψ小本町M

α

n

m

(パJ山

本ネ一牢-創本白木.副

(

(

M

(

M

'

b

u

A

L

M

a

(

y

y

y附;

本 木(木本木本)

(木市) (*)木 本) (本)(本木) (本) (本 (RRl (本) * (*) (本 (RRl

New York Maine Route ~ New York Maine Route一一う

( 木本)C*) 本(*)(本) * C*) (*) New Y ork Maine Route

(22a)のように最も高いレベルに最初にリズム規則を適用すると,それ

以上リズム規則は適用されない。一方, (22b)のように低いレベルから

高いレベルへとリズム規則を順次に適用するのが可能なのは, リズム規

LU

則を循環的に適用するのと同じだからである。従ってリズム規則の適用

26 小林 泰秀

は,構成素構造理論の枠組みでは,循環的にあるいは低いレベルからな

されることになる。

B. 2341強勢パターン

(23) [Nobert's [twenty [old shirtsJJJ, [Benjamin [didn't [see AliceJJJ,

[Oliver's [ten [little kidsJJJ (Hayes, 1984目62)

(23)の句は右枝分かれのものであり,一番右の要素は21強勢の名詞句

である。

(24) 本 木本木 本( 本木 (SEC) *本)(本牢)

[Nobert's [twenty [old shirtsJJJ 一一~ Nobert's twenty old shirts

木本 木(木本本本木)

(NSR) 本 (本) (本*) (SEC) (*)本) (本本)一一ぅ Nobert'stwenty old shirts 一一~ Nobert's twenty old shirts

( 本 木 )(*)木本)

(NSR) (本本) (本木)一~Nobert's twenty old shirts

(23)の語には(24)の派生に見られるように強勢衝突がないので, リズ

ム規則の適用はない。したがって, (19a)の句に見られるような2431強

勢パターンか2341強勢ノfターンかと Lみ問題は, (23)の語には起こらな

L 、。

C. 4231強勢パターン

(25) [[[Tom PaineJ StreetJN BluesJ, [[[antique shopJ zoningJN boardJ,

[[[free verseJ clubJN art festivalJ (Prince, 1983: 39)

(25)も句全体は左枝分かれをなしているが,一番後ろの語と姉妹関係

にあるのは,複合名詞とみなされる。

複合語と句の強勢 27

(26) a . 蜘↓

s

l

1

2

)

、一,

c↓

E

E-

B

N

S

t

*

)

)

)

)

)

*

j

5

(

(

(

(

J

!

?

B

B

B

n

u

ι

1

f

L

L

?

(

I

(

r

(

r

E』

&

E

L

ι

l

t

n

q

u

P

3

q

u

E

/

k

F

i

-

-

E

E

n

F-山川市/同体

wmkN*ぱKN

匹、一d

本im

(一

(

T

(

T

(

T

l

J

h

p

h

F

h

F

M同

/

E9

5一

QU

Fし

B

(

(

し川

g

s

s

;

E

)

)

)

E

2

1

ψ命

E

M

M

33

nE

n

D

n

D

t

t

l

)

)

E

)

)

E

)

)

2

1J本

ψ市

JB

本j

(

I

(

(

r

(

r

M

f

t

t

、lf

E

q

u

q

u

n

b

e

E

E

E且

I

f

n

i

-

n

n

m

vhN

O

i¥中1

2

n

t

*m

hU/iiii乍i

/

1

、中A

/

1

、中A

LU

* 本 本 (本木 )(*) * (本本*(本)

(木 本本) (*) (NSR) (本木本) (本)Tom Paine Street Blues -一~ Tom Paine Street Blues

(26a)にはリズム規則を句全体に適用し. (26b)には複合語強勢規則

を循環的に適用している。どちらも正しい強勢ノfターンを派生するので

あるが,本稿では均等化強勢規約と核強勢規則を循環的に適用し終えた

あとで,好リズムを派生するためにリズム規則を適用すると考える。

Tom Paine Streetにリズム規則が適用されないのは,それ自体が複合

名詞だからである。

3-3. 4語からなる複合語の強勢パターン

匂の強勢ノfターンについて述べてきたが,次に 4語からなる複合語の

強勢について見てみよう。次の複合語は左枝分かれをなしてるが,埋め

込まれた語には複合語強勢規則が適用されるものである。つまり,

teachers unionは12強勢であり .teachers union ρresident は132強勢で

ある。

28 小 林泰 秀

A. 1432強勢ノξターン

(27) [[[teachers unionJN presidentJN electionJN,

(28)

[[[Madison StreetJ busJ scheduleJ

(本木)(本木(*) 牢 (RR)

[[[teachers unionJ presidentJ electionJ一 一う

体 制C*) * C*) 本 (SEC,NSR)

teachers union president election -一一→ー本

( 木本 )( 本 木 ( * )(本 * (*)本 (RR)

teachers union president election - ーう

( 本牢)(*) *本)( 本)本体本 (CSR)

teachers union president election - ー争

(*l 牢

( 本* C*) (本* (*)牢)teachers union president election

(H & V, p. 271)

(28)の派生はリズム規則を循環的に適用し全体が複合語であるため,

最後に複合語強勢規則を適用したものである。循環的にリズム規則を適

用することは,一番深く埋め込まれた括弧区分から順に複合語強勢規則

を適用することと同じであり,これは SPEのやり方と同じことになる。

しかしリズム規則の適用はあくまでも好韻律 (eurhythmy) を派生す

るためのものであり,複合語強勢規則の適用と同種類のものではない。

その場合,複合語強勢規則はリズム規則の適用されない複合語に適用さ

れるものと限定できる。

強勢均等化規約と核強勢規則を循環的に適用して派生された構造に,

リズム規則と複合語強勢規則を適用してみよう o

(29)

複合語と句の強勢

(木本)(本木(*)

(本 木(*)本 (RR)

teachers union president election ~ 木

(木 本)( 木本(*)( *) 木 ( 本 ( * ) (RR)

teachers union president election -ーさ〉

* (本木)(本*牢)(*) * (*) (*) (CSR)

teachers union president election -→ー本

(* ) 本(本* (*) (本* 牢 ( * )teachers union president election

29

(29)のようにリズム規則を低いレベルから 2回適用して派生した2431

強勢は, (22b)の New York Maine Route と同じである。 teachers

unzonρresident electionは全体が複合語であるので, (29)のように最後

に複合語強勢規則を適用している。このことから分かるように,埋め込

まれた括弧区分の範鴎が複合語で、あろうと句であろう Jこ, リズム規則は

同じように適用されている。

リズム規則をレベルの高いものから順に 2回適用できないことは,前

に(22a)の NewYork Maine Roufeで、見たが,teachers unionρresident

election のような複合語には,次のように高いレベルから複合語強勢規

則を適用しても正しい強勢ノξターンが得られるようにも思われる。

(30) 本

(本 木)(本木(*)

( 木市本本 (CSR)

teachers union president election ~

30 小 林泰 秀

(本*(本木)附

( 本 木 本 本 (CSR)

teachers union president election -ーテ

* C*) 本

C*) 本 ( 本 )

(本木 C*) 本 (CSR)

teachers union president election一一争

( 牢 ) 本阿木(本)

(本)本 C*) C*) teachers union president election

(30)の複合語強勢規則の適用では,どの構成素に規則を適用するのか

はっきりしない。したがって,複合語強勢規則の適用は SPEのように

循環的におこなうか,あるいは複合語全体にリズム規則一→複合語強勢

規則の順に適用するのが正しいであろう。但し,好リズムを派生するた

めに,複合語強勢規則の適用された構造に,再度リズム規則を適用する

ことは十分考えられる。

B. 2313強勢パターン

二つの複合語が結合して構成される句の強勢ノfターンは2313となる。

(31) [[law schoOI]N language exam]N]NP, [[labor union] [vacation colony]]

(H & V, p.273)

まず, (31)の句に循環的に規則を適用してみよう。

(32) 木 本 本 木

(本本) (本 本 (CSR) (本j 本(本) 本

[[law school]日anguageexam]]一一予 lawschoollanguage exam

* 木 本)

(NSR) (:本) 本体) 本一一ぅ lawschoollanguage exam

(31)のような句全体に複合語強勢規則を適用しても,次の (32)のよう

に同様の強勢ノξターンが得られる。前に [black[board eraser JNJNPで

複合語と句の強勢 31

も触れたように,一番右の要素が2語からなる12強勢の複合語である句

には,複合語強勢規則が適用されなければならない。

(33) 本 本

(串 本牢 牢 )

( 木市 ) (本 木 (CSR) (木本)(牢)・本

[[Iaw school]日anguageexamJNJNPーーラ lawschoollanguage exam

体 制(RR) ( : 本 * (本)本

一←イ~law schoollanguage exam

(33)では句全体に複合語強勢規則を適用しており, SPE では許され

ないことである。 (33)のリズム規則の適用は,好韻律を派生するためで

あり,次のように左の要素が複合語である必要はない。

(34) 本

( 本本)

( 本木本 木 (CSR)

[[pretty difficultJAP [language exam]NJNP一 一 う

本 木

( 本 木 本 木)

(本 本樹 木(阻) (本) * (*) * pretty difficult language exam -一~ pretty difficult language exam

4. 好韻律とリズム規則

好韻律は,簡単に言えば,その句の第 1と第2の強勢間のリズムが,

英語として好ましいものである。

この節で扱う句の例は主に Hayes (1984) からのものである。彼は

樹状図と格子を用いて句の韻律を記述 Lているが,本稿の韻律構成素構

造の枠組みではどのように表されるか見てみよう。 Hayes によると,

次の構造は好韻律である。

32

(35) 本

(本木)(*) ---(本木)(本木) (本市) (木本)

林 泰 秀

(QR: Quadrisyllabic Rule) (DR: Disyllabic Rule)

[Farrah [Fawcett-MajorsJJ (Hayes, 1984: 48)

(36) a . 本

(木本)(木牢)ー(本)

b.

C

(木本) (本木) (本)(本木)(本木)(本木)(本木)(牢牢J(本> IRRl

[[Missis sippi-Ala bamaJ rival riesJ一一争

(本木)(本一一本(*)

(本 *J (本) * (*) (本木)(本本)(木本)(本木)(本木)(*> (RRl

Missis sippi-Ala bama rival riesJ一一う

(木本)( 木 本 ( * )(*)本(*) * (*J (本木)(本木)(本木)(木本)(* *) (*> (RR)

Missis sippi-Ala bama rival riesJ一一 争

d ・本

(*----------------------*J 体)一 一一ー*一一一一一(*)(*J 木(本)*---(*)

(PR:Phrasal Rule) (QR) (DR)

(本木)(本木)(本木)(木本)(本木)(*>Missis sippi-Ala bama rival riesJ (ibid., p. 54)

Hayesは好韻律を派生するために, 次の三つの規則を提案している。

(37) a. Disyllabic Rule

The domains delimited on the level of scansion should be

divided evenly by a mark on the next lower grid

level. (ibid., p.48)

b. Quadrisyllabic Rule

A grid is eurhythmic when it contains a row whose marks

33 複合語と句の強勢

(ibid., p.46) are spaced close to four syllables apart.

Phrasal Rule C

Agrid is more eurhythmic if its second highest level bears

two marks, spaced as far apart possible. (ibid., p.52)

2音節規則 (DisyllabicRule)は二つの強勢間の三つの音節を弱強弱

4音節規則 (QuadrisyllabicRule)は二つのリズムにするものであり,

強勢の聞を 4音節間隔にするものであり,句規則 (PhrasalRule) は第

2強勢をできるだけ遠くに左方移動するものである。

(36a)と(36b)に適用されるリズム規則は 4音節間隔を導くものであ

り, (36c)に適用されるリズ、ム規則は,第 2強勢を一番左の強勢のある

音節に移動するものである。しかし Hayesの好韻律調整の規則は, 基

本的にはリズム規則とは別のものである。

次は強勢均等化規約と核強勢規則を適用して派生した構造に, (37)の

好韻律規則を適用したものである。

(本木)(木本) (*)本

本木本木 (本木)(木本)(木本)(木本 (SEC.NSRl

[twenty.seven [Missis sip pi legis lators J J一一一揖

(38) a .

( 本本 )

(*)本一一本)(*本本木) (*)本(本木)(本木) (木本)(木本)(本木)(本木 (QR)

twenty-seven Missis sippi legis latorsJJ一一争

LU

( 本木)(*)一一本 (*)

( 本 木 ヰ ) 本 ( 本 ) 本(木本)(本木) (木本J(本木)(木本)(木本 (Q丑 PR)

twenty-seven Mis sis sippi legis latorsJJ一一ーテ

C

34 小林 泰秀

d. 牢

(牢一 一一 一一 一本 PRC*) 一 一一本 一 体 QRC*)一 本一一一(*)一一本一一{*) 本 DR (* *)(木本) (本木)(本本)(本木)(牢木)

twenty‘seven Mis sis sippi legis latorsJJ (ibid., p. 54)

(38c)から (38d)を派生することは,本稿のリズム規則の枠組みでは

できない。これが Hayesの提案する好韻律規則の必要性になるのであ

ろう。しかしながら,弱強強を強弱強に反転するのがリズム規則である

から,好韻律調整はリズム規則の現象のーっと考えるべきでる。リズム

規則の適用は,あくまでも構成素構造が適用条件にかなっている場合に

なされるが,好韻律調整は句全体のリズムを好ましいものにするために

なされる。そして好韻律を生み出す構造は,ほとんどの場合リズム規則

の適用されるものである。したがって リズム規則をもっと広範囲に

好韻律を派生するための規則と解釈すれば,これら二つの規則は同じ規

則として扱える。

さらに, リズム規則の適用,不適用の際の問題について見ていこう。

リズム規則の適用は,弱強反転によって好ましい韻律構造を派生する

ことにあり,次の例がその典型である。

(39) a .本木(本本木

( 本 木) (牢本)本(*)(本本:)(木本:)(*) (RR) (本木)(本牢:)(本)achro mat ic lens ー←~ achro matic lens

LU

本木(本木牢 本)

(本本)(本) *本)本(*) * 体制(本)(本木)(本木(RR) (.木本)(:本)(木市)(本木)Tennessee legis lature -一~ Tennessee legis lature

英語の語には,語頭に強勢を取らないものがある。そのような音節に

は脱強勢化規則 (DestressingRule) が適用されるので,次の強勢を取

る音節と構成素を構築できず, リズム規則の適用条件を充たさないこと

になる。

35 複合語と句の強勢

(40) a 本木(木本牢牢)

(木本) (* )本 )(*) (*) C本木)(本本 (Dest) 本(木本)(牢牢)(RR)

Mon tana cowboy -一一う Montana∞wboyーづιぅ

b 木 本(本 木本一一本)

(本木 C*) C*) 本)C*) C*) C*) (Dest) 牢(*) C*) (RR)

gro tesque mask一一う grotesque maskーづ乙ーテ

次の (41a)は「カンガ?ルーの乗り手の鞍」の意味であり, (41b)は「カ

ンガルーに乗る人の鞍」の意味である。 Liberman& Prince (1977)は

次の (41b)にはリズム規則が随意的に適用され, 二つの強勢パターンが

あると述べている。それはリズム規則を低いレベルから循環的に適用す

るかどうかであろう。

(41) a . [[kangaroo rider'sJNP saddleJNP

b . [[kangaroo・rider'sJNsaddleJNP ~ [[kangaroo-rider'sJN saddleJNP

)

el

JU

本山町州附体制

03

)

r

ψ小

ρし

)

)

i

川山本川沖地押し町

/lti

、vi

)

mr

本則町本組

(((E

呉羽MU

‘同U

ψ

小川町別料木材

/JK/{¥/!¥

。。]

03

制リMU

本ー剣山町子氏

(

((r

))C

/11、

/11、vi

)

anζ0

川内山内蜘[

[

(42) a .

(本木)( 本* (*) (本)本(本牢)

(阻) (木本)C*)(牢本) (本木)一一ぅ kangaroo rid er' s saddle

眠?

)

'hz

nu

)

)

)

d

制nδ

)

r

ψATρL

4Mm凶作

-M

本山町羽山町∞

(

(

(

r

)

mr

/lii

、/(、Lua

-)

本'ML,nu

)

)

)

t

/11、/'t、〆lt、。。町

]

δ

)

r

ψATρし

)

)

d

川河本山内川河田町

本剣山町∞

(

(

r

)

mv

/1¥/t、L民

「tし

泰林

LU

36

(本木)(*) *本 )( 本 *(本(*)(* *)(削除本) (:本牢)

? kanga roo rid er' s saddle

(42a)は(41a)と(41b)の2431強勢ノξターンの派生を示している。 (42

リズムの強勢の維持であり,kangaroo-rider b)の4231強勢ノξターンは

規則の適用によって kangarooの弱強反転はおこなわれなL、。このこと

(25)の TomPaine Street Bluesが2431強勢パターンであるのと同

じことである。一方 Hayes(1984)によると, (42b)で'2431強勢ノfター

ンが派生されないのは,第 1と第2の間隔が 3音節から 5音節に広がり,

は,

好韻律を増すことにはならないからである。

次の (43)の句にリズム規則が適用できないのも,韻律を悪くするから

b. Minneapolis connections

である。

2 3

(43) a . Tennessee legislation (Hayes, 1984)

(44) a. 木本体制 (本 木)

(本木)一(本本本*(本木)(本木)(*)(:本本)(本木) (RRl 本木)(*)(**)(木本)Tennessee 1 egis lat ionーづLぅ?Tennessee legis lat ion

。。n

)

(

ψ小田

hu

)

)

C

e

((1

ω

¥

nb

1

/

¥

EI

-

)

O

-

)

[

ψ小

ψAYψ小

(

(

) 本

m品

mJ山恥↓n

b

nu

ヘゾ

O

ド・1

t

)

)

C

骨(

-)

f

/1¥/11FL

ヘゾ

S+・l

Aい¥11

)

O

体制山内

m吋

)

-m

((1

LU

37 複合語と句の強勢

。。nu

λJJAU

t

)

)

C

本木地内体即

∞FL

ヘゾ

S+・l

ノ仁¥11

)

O

勾(

)

enu

山内一附

rf伽事時↓

も次の例を挙げて述べている。 (46b)にリ

二つの強勢の間隔が聞きすぎるからであ

リズム規則の適用は,好韻律を派生するのでなければ好まれないこと

(1981) について, Bolinger

ズム規則が適用できないのは,

b _ fast -galloping gira妊E

る。

(45) a _ fast-trotting colt CBolinger, 1981:37)

(46) a _本 木(木本牢

(本本 C*) 本)本体)(本) (本牢) C本) (RR) (本) (木本) C*) fast-trotting colt一一ーテ fasHrottingcolt

OL

f

本紛糾山町ば

((r

-mr

¥》/nku

*n一

〆/¥、.,i

)

E

Ui

-

-

-

本木本,剖

(

(

:

t

)

E

-z

((f

阿↓O

L

)))f

ψATψ小

ψATψAT釘日時

(

r

)

川内山内・削幻炉

¥//ισh

。u

ψ牢小

n

ノr

〆、、、.. ヨι

)

E

ψA小叩町

υVγ

1

l

同休川

νK爪川休川川斜伊4EL

)

E

-E

(

(

i

LU

( 本木 )C*) * 附

(RR) (*) (木本)<*>本(本)一一→ー*fast-gallop ing gi raffe

おわり に

本稿では SPEの複合規則と核強勢規則が,韻律構成素構造にどのよ

うに適用されるかを見た。そして SPEでは循環的に適用される規則が,

非循環的にも適用され得ることを知った。また, Hayes (1984)

Liberman & Prince (1977)などで論じられている句のリズムが,韻律

5.

構成素構造理論の枠組みではどのように記述されるかも見た。 Hayes

の提案する好韻律な構造は,韻律構成素構造においても同様に好韻律な

38 小林 泰秀

ものとして記述されるべきものであり,英語のリズムとして固有のもの

である。強勢均等化規約による韻律構成素の構築は, Hayes で論じら

れている拍付加 (Beat Addition) が不可欠で、あることを証明するもの

である。

本稿は,拙著『英語強勢論』に紙面と日程の関係でくわしく論じられ

なかった,韻律構成素構造理論の枠組みでの複合語と句の韻律について

論じたものである。したがって,本稿では H&V の理論の紹介と筆者

の理論のくわしい説明は省カ通れている。不明な部分は拙著を参照してい

ただきたL、。

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