治験説明リーフレットの目的 - jpma · 2016-04-06 ·...

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「くすりの候補」は、「くすり」に成長するプロセスの中で、治験 を実施しないと「くすり」になることができません。治験は、患者 さんのご協力がないと実施できません。 そこで、治験説明リーフレット(治験の用語とフロー)では、治験 責任医師やCRCの方が、患者さんに治験を説明するときに、治験 に関わる主要なイベントを判りやすく説明し、患者さんが正しく理 解して、安心して治験に参加していただけることを目的に作成しま した。 治験説明リーフレットは、「主要な用語を説明する説明リーフ レット」と「時系列でわかりやすく説明するフローリーフレッ ト」の2種類を作成しています。 治験で理解して欲しい主要な用語をわかりやすく説明したリーフ レットです。 治験に参加されてから治験が終了するまでに、どのようなことが 行われるか、時系列にあわせて簡単に説明したリーフレットです。 治験責任医師やCRCの方等が患者さんに治験に関する 説明をする際に使用することを考えて作成しています。 説明する内容に応じて、該当する治験説明リーフレットを使用して ください。 治験説明リーフレットの目的 治験説明リーフレットの構成 治験説明リーフレットを使用する場面 時系列で説明するフローリーフレット 主要な用語を説明する説明リーフレット 治験説明リーフレット作成の理由 日本製薬工業協会 治験啓発継続チーム

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Page 1: 治験説明リーフレットの目的 - JPMA · 2016-04-06 · 「くすりの候補」は、「くすり」に成長するプロセスの中で、治験 を実施しないと「くすり」になることができません。治験は、患者

「くすりの候補」は、「くすり」に成長するプロセスの中で、治験を実施しないと「くすり」になることができません。治験は、患者さんのご協力がないと実施できません。そこで、治験説明リーフレット(治験の用語とフロー)では、治験責任医師やCRCの方が、患者さんに治験を説明するときに、治験に関わる主要なイベントを判りやすく説明し、患者さんが正しく理解して、安心して治験に参加していただけることを目的に作成しました。

治験説明リーフレットは、「主要な用語を説明する説明リーフレット」と「時系列でわかりやすく説明するフローリーフレット」の2種類を作成しています。

治験で理解して欲しい主要な用語をわかりやすく説明したリーフレットです。

治験に参加されてから治験が終了するまでに、どのようなことが行われるか、時系列にあわせて簡単に説明したリーフレットです。

治験責任医師やCRCの方等が患者さんに治験に関する説明をする際に使用することを考えて作成しています。説明する内容に応じて、該当する治験説明リーフレットを使用してください。

治験説明リーフレットの目的

治験説明リーフレットの構成

治験説明リーフレットを使用する場面

時系列で説明するフローリーフレット

主要な用語を説明する説明リーフレット

治験説明リーフレット作成の理由

日本製薬工業協会 治験啓発継続チーム

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番号

資料名 内容

種類※

説明 フロー

●治験に関する内容

① 「くすり」ができるまで 医薬品開発のプロセス ○

② 治験のスケジュール 治験参加から終了までのスケジュール ○

③ 治験と患者さんの同意について 同意説明時に理解して欲しい内容 ○

④ 同意説明で確認して欲しいこと 同意説明時に確認して欲しい内容 ○

●治験に関係する用語

⑤ 治験責任医師とは 治験責任医師の役割 ○

⑥ 患者さんと治験責任医師 治験中の被験者と治験責任医師の関わり ○

⑦ 治験コーディネーター(CRC)とは

CRCの役割○

⑧ 患者さんと治験コーディネーター(CRC)

被験者とCRCの関わり○

⑨ 治験審査委員会(IRB)と開催時期

IRBの役割、IRB委員の紹介、IRBの審議内容、開催時期

⑩ 治験審査委員会(IRB)の審査資料

IRBで審査される資料の紹介○

●治験における健康被害のこと

⑪ いつもと違う体調変化が起こったら

体調の変化が発現した時の連絡方法や注意事項

⑫ 健康被害に関する補償とは 健康被害の補償についての一般的事項 ○

⑬ 補償の手続き 補償に至る流れ ○

●治験に関係すること

⑭ 治験と法規制 治験に関する法規制 ○

⑮ 患者さんのデータが審査資料になります!

患者さんのデータが「くすりの候補」の審査データになること

⑯ 国際共同治験とは 国際共同治験の説明 ○

⑰ 治験に関する情報を得るには 治験について公開している内容およびアクセス方法

⑱ 日本製薬工業協会のホームページ

日本製薬工業協会ホームページの紹介○

治験説明リーフレットの種類と使用方法

※「説明」は主要な用語を説明したもの、「フロー」は業務や事象の流れを時系列で説明したもの

日本製薬工業協会 治験啓発継続チーム

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くすりの候補

製造販売後調査

病気のメカニズムを研究し、「くすりの候補」を選択

非臨床研究

第Ⅰ相臨床試験

第Ⅱ相臨床試験

第Ⅲ相臨床試験

くすりの誕生

申請・審査

臨床試験(治験)

承認審査

発売以降

「くすりの候補」の性質*の確認動物を用いた安全性や効果の確認

健康な方に少ない量から「くすりの候補」を使用し、安全性を確認(抗がん剤等は、患者さんから実施することもあります。)

比較的少数の患者さんに使用して効果と安全性を調べ、適切な用量を検討

実際の医療現場における「くすりの候補」の効果と安全性を確認するために、既存の「くすり」やプラセボ**

(偽薬)と「くすりの候補」をどちらかわからないように用いて、多くの患者さんで比較します。

「くすりの候補」の性質、非臨床研究、臨床試験の結果をまとめて、厚生労働省に提出し、専門家が審査

有効性や安全性が確認されれば、承認され、「くすりの候補」は「くすり」になります。

治験に参加していない多くの患者さんにも使用が可能となります。

「くすり」が発売された後、さらに多くの患者さんに使用されたときの安全性や有効性などの情報を集め、それを分析・評価して医療関係者などに連絡

「くすり」ができるまで

承認

研究を始めた化合物が新薬として世に出るのは1/20,000の確率

日本製薬工業協会 治験啓発継続チーム

治験説明リーフレット-①

*「くすりの候補」の物理的・化学的な研究

発売

非臨床研究から承認・発売までに9~17年

**「くすりの候補」と外観等は同じですが、「くすり」の成分を含まない偽薬のこと

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服用時の注意・指示されたとおりに服用してください。・ご自分の判断で、服用を止めたり服用量を

変えたりしないでください。・治験中、市販薬をふくめ、服用できない

お薬があることにご注意ください。・体調に違和感があったら連絡してください。

来院時の注意・決められた日に来院してください。・来院の都合が悪くなったら連絡してください。・服用してからの体の具合や調子を説明してく

ださい。・来院時に治験のための検査を実施します。

説明を受けたときの注意・直ぐに結論を出さずに、ご自身で時間をかけ

て参加するかどうかを考えてください。・ご家族の方と相談することも可能です。・納得のいくまで何度でも確認してください。・治験の参加は、患者さんの自由意思です。・参加しなくても不利益を受けることはあり

ません。・同意文書に署名すると治験参加となります。

・治験に参加できるかどうかを確認します。

治験のスケジュール

治験参加の打診

治験の説明

治験参加の同意

治験開始

事前検査

服用開始

来院

服用終了

事後検査

治験終了

治験参加の検討

治験期間

日本製薬工業協会 治験啓発継続チーム

治験説明リーフレット- ②

いつでも参加を取りやめることができます。

・服用後の健康状態を確認します。

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医師は、あなたや、あなたと同じ病気を持つ多くの患者さんを治療するため、新しい「くすりの候補」が効果があるかもしれないと考えており、あなたの同意が得られれば、治験に参加して欲しいと考えています。新しい「くすりの候補」については、効果や安全性を明らかにするために治験の参加条件を細かく決めて慎重に開発が進められています。医師は、あなたが「くすりの候補」の治験の参加条件に適合していたので参加をお願いしています。

治験では、新しい「くすりの候補」を治験薬と呼びます。また、プラセボも治験薬にはいります。プラセボとは「くすりの候補」と外観等は同じですが、「くすり」の成分を含まない偽薬のことです。

治験は、医師が一人で実施しているものではありません。治験責任医師をはじめ、治験コーディネーター(CRC)等の多くの医療スタッフが患者さんをサポートしています。

治験に参加するには、新しい「くすりの候補」のこと、治験のスケジュール、守ってもらいたいこと等の説明を受け、納得して、ご自身の自由意思で参加を決めてください。参加について、ご家族の方等と相談することも可能です。同意書に署名すると治験に参加することになります。

治験の参加は、患者さんの自由意思です。同意しても、いつでも参加を取りやめることができます。治験に参加しなくても、取りやめても、一切不利益はありません。

治験と患者さんの同意について

治験薬とは

大切なこと

同意説明

治験のスタッフ

あなたに説明した理由

日本製薬工業協会 治験啓発継続チーム

治験説明リーフレット- ③

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医師は、患者さんの病気を治療するために、新しい「くすりの候補」が、患者さんに効果があるかもしれないと考えており、治験への参加の話をしています。

同意説明で確認して欲しいこと

◆治験についての説明内容は、法規制で細かく決められています。◆医師及び治験コーディネーター(CRC)がわかりやすく説明します。◆もし不明な点やわからない点がありましたら、納得がいくまで医師・治

験コーディネーター(CRC)に質問してください。◆説明を聞く場合は、以下の事項を確認してください。

◆患者さんの病気の状態は?◆治験以外に他の治療法はあるの?◆治験で何を調べるの?◆期待される効果、予想される副作用は?◆どのような方法で実施するの?◆病院に何回来院するの?◆健康被害が起きたらどうするの?◆プライバシーは守られるの?◆いつもより費用はかかるの?◆何に注意したらいいの?◆いつでも取りやめることができるの?◆治験に参加しなくても不利益はないの?◆治験の参加は、自由意思なの?

わからないことはありませんか?患者さんが納得するまで質問してください

治験に参加するかどうかは、その場で決める必要はありません。家に帰り、ご家族の方等と相談してから決めることも可能です。

患者さんに治験の話をした理由

同意説明の手順

同意説明を聞く場合の確認事項

日本製薬工業協会 治験啓発継続チーム

治験説明リーフレット- ④

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◆病院内で治験全体を監督する役目を担う責任者です。

◆治験を担当する医師やスタッフを指導します。

◆患者さんの病気に関する専門家としての豊富な臨床経験、治

験を適切に実施できる十分な治験の知識があります。

◆全国の多くの医師の中から治験依頼者(製薬企業)によって

選ばれた医師です。

◆治験薬の性質、動物のデータ、既に終了した治験の確認

◆治験計画の確認

◆患者さんに説明する同意文書の作成

◆治験審査委員会(IRB)に提出する資料の作成

◆治験審査委員会(IRB)への出席及び治験の説明

◆治験参加基準に適合している患者さんの確認

◆患者さんへの治験内容の説明と文書による同意取得

◆服薬指導・観察・問診・検査の実施

◆患者さんの副作用の確認、副作用の適切な処置

◆患者さんの検査データ等の治験依頼者(製薬企業)への報告

◆患者さんの質問、疑問、不安などの相談への対応

治験責任医師とは

治験責任医師とは

治験責任医師の主な業務

日本製薬工業協会 治験啓発継続チーム

治験説明リーフレット- ⑤

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治験薬の性質・治験計画の確認

患者さんと治験責任医師

治験実施準備・スタッフの任命・指導

病院長への治験実施の申込・IRB審査

治験の参加条件に適合した患者さんの選定

患者さんへの治験内容の説明

事前検査・参加適格性の再確認

治験薬の服用開始

治験薬の服用状況の確認

症状の観察・問診・検査

治験薬の服用終了

事後検査

患者さんの検査等のデータ提出

製薬企業 患者さん

協力

スタッフに適切な対応がとれるように指導

文書による同意取得

病院長 製薬企業

治験開始前 治験実施中 治験終了

確認 提出

日本製薬工業協会 治験啓発継続チーム

治験説明リーフレット- ⑥

説明

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◆治験を行う医師や医療スタッフ(薬剤師、看護師、検査技師

など)をサポートし治験がスムーズに進むようにします。

◆治験に参加している間、患者さんの相談窓口になります。

◆来院した際に治験の検査等の準備・手配を行います。

◆治験責任医師や医療スタッフとの治験計画の確認

◆患者さんが治験に参加する際の同意説明の補助

◆患者さんのスケジュール管理(来院日程の確認など)

◆治験依頼者(製薬企業)が行う治験の調査

(モニタリング)などの支援

◆治験に関わる検査データの記録管理

◆治験薬の服用状況の確認

◆患者さんの質問、疑問、不安などの相談への対応

治験コーディネーター(CRC)とは

治験について、よく分からないこと、医師に確認したいこと、言いにくいことなどがあれば、どんなことでも遠慮せずにご質問ください。

CRCとは

CRCの主な業務

日本製薬工業協会 治験啓発継続チーム

治験説明リーフレット- ⑦

CRC : Clinical Research Coordinator

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治験薬の性質・治験計画の理解

患者さんと治験コーディネーター(CRC)

治験の準備・検査部門等との確認

参加条件に合致した患者さんの確認

患者さんへの治験内容の説明の補助

同意取得・治験スケジュールの確認

事前検査の手配

治験薬服用開始の補助

来院時の準備・検査の手配

服用状況・体調等の確認

服用終了の補助

事後検査の手配

患者さんからの相談に対応

治験責任医師 患者さん

協力

患者さんのフォロー

患者さん

治験開始前 治験実施中 治験終了

日本製薬工業協会 治験啓発継続チーム

治験説明リーフレット- ⑧

協力 協力

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治験審査委員会(IRB)と開催時期

治験が科学的・倫理的に正しく実施できるかを審査する委員会です。医薬品の開発に携わる医師、製薬企業等から独立した第三者機関です。患者さんの人権保護と安全確保の観点から公正に審議します。

患者さんの人権保護と安全確保を目的に、患者さんの目線からも公正に審議できる以下の委員から構成

・専門委員:医師、看護師、薬剤師など医学等の専門知識を有する人

・非専門委員:医学等の専門知識を有しない人

・外部委員 :医療機関と利害関係のない人

<IRBの情報公開について>IRBは、IRBの手順書、委員名簿、審査の内容・結果を公表することが規制法で義務付けられており、IRBの情報はWebやIRB事務局で公表されています。【医薬品医療機器総合機構のHPアドレス】・http://www.pmda.go.jp/operations/shonin/info/chikenkanren.html・http://www.pmda.go.jp/operations/shonin/info/chikenkanren/file/irb.pdf

*検査項目の追加・変更、投与期間の変更など

治験開始前 治験実施中 治験終了

治験依頼者(製薬企業)からの治験実施の依頼

治験計画*の変更

治験薬の安全性情報

継続の可否を判断するための状況報告

終了

初回審査 継続審査 終了報告変更に対する

審査安全性情報に対する審査

IRBとは

IRB委員(以下を含む5人以上で構成されています)

治験においてIRBを開催する時期

治験説明リーフレット- ⑨

日本製薬工業協会 治験啓発継続チームIRB : Institutional Review Board

IRBの審議内容

・治験の計画は科学的か?・医療機関が治験を計画通りに実施できるか?・患者さんの人権・安全・福祉が守られているか?・患者さんの治療に不利益にならないか?

開 始 前 実 施 中

・治験が正しく実施されているか?・安全性に問題はないか?・治験を継続して大丈夫か?

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治験実施計画書

治験責任医師や治験依頼者(製薬企業)が作成し提出します。

治験審査委員会(IRB)の審査資料

治験薬概要書

症例報告書の見本

同意・説明文書

治験責任医師の履歴書

健康被害の補償に関する資料

被験者への支払いに関する資料

治験参加募集手順の資料

安全性等に関する資料 継続審査の資料

*全ての医師がこの計画に沿って実施・治験の目的、方法・どのような人が参加できるか・治験に必要な検査 など

*治験薬に関する全ての情報が収載・治験薬の性質・動物実験の結果・既に行われた国内外の治験の結果・有効性と安全性に関する情報 など

*治験で得られる検査データ等の記録用紙・電子的にデータを収集する場合もある

*患者さんに治験内容を分かりやすく説明・治験の目的や期間、検査内容・効果と副作用・健康被害の補償・治験に関する問い合わせ先・同意書 など

*治験責任医師の学歴、職歴、専門性、治験経験、学会認定情報 など

・治験を行う治験責任医師の適格性を判断するための資料

*治験に参加している患者さんに健康被害が生じた場合の補償対象や内容、手順 など

・製薬会社はあらかじめ必要な措置(保険加入など)を行っておかなければならない

*患者さんに支払われる負担軽減費(通院のための交通費相当)の根拠資料

・治験参加への意思をゆがめるような額であってはならない

*治験参加の募集広告(院内ポスター、新聞広告、ホームページ、車内広告 など)の資料

・広告の記載(誘因的表現は不可)は適切でなければならない

*治験を継続できるか検討するための 資料・同じ薬を国内外で使用して起こった副作用

情報・実施中の治験で起こった副作用など

*治験期間が1年以上の場合、1年に1回以上の報告が必要・治験の実施状況や患者さんの情報(治験薬の効果や副作用)などを報告

日本製薬工業協会 治験啓発継続チーム

治験説明リーフレット- ⑩

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いつもと違う体調変化が起こったら‥

服用開始

守っていただきたいこと・医師から受けた指示通りに服用してください・ご自分の判断で服用を止めないでください

いつもと違う体調変化が起こったら

「くすりの候補」は、・慎重に非臨床研究や治験を行っていますが、今まで確認できていない予期

しない症状が起こる可能性もあります。・治験を通じて、多くの患者さんが安心して「くすりの候補」を使用できる

ように安全性を確認することになっています。

したがって、どんな些細な体調の変化も「くすりの候補」の安全性を確認するために非常に重要な情報になります。

適切な処置のためにお尋ねすることのある主な内容です- ご自分に起こっている体調の変化- 他に服用している「くすり」があれば その「くすり」の名前- 他に通院しているのならば その病院の名前と医師の名前

体調の変化を確認するために、来院をお願いすることがあります極めてまれですが、検査のために入院をお願いすることもあります『他院(他科)の先生』と連絡を取った上で、『他院(他科)の先生』の受診をお願いすることもあります

次回の来院(指示されている来院日)来院時に服用中の体調の変化等は報告してください。

日本製薬工業協会 治験啓発継続チーム

治験説明リーフレット- ⑪

(治験を行っている医師、あるいは治験コーディネーター(CRC))

まず、医療機関に連絡してください

医師の指示に従ってください

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「くすりの候補」は、患者さん*の安全性を十分確認しながら慎重に開発していますが、予期せぬ健康被害が生じる場合もあります。健康被害が起き、補償対象と判断された場合に法律に則り患者さんの不利益について補償をいたします。

補償とは?補償とは、治験依頼者(製薬企業)あるいは医療機関などに法令違反や落ち度がなくても、治験によって患者さんに生じた不利益が補償対象と判断された場合、治験依頼者(製薬企業)が補填することを言います。補償の内容としては一般に「医療費」、「医療手当」、「補償金」の事を言います。

「医療費」とは?医療費とは、患者さんの治療に要した診療費及び薬剤費を言います。

「医療手当」とは?医療手当とは、入院を必要とするような健康被害の場合は、治験依頼者(製薬企業)が定める補償制度に従い支払われる、定められた費用を言います。

「補償金」とは?死亡または後遺障害が生じた場合には治験依頼者(製薬企業)が定める補償制度に従い補償金を支払います。

賠償とは?賠償とは、治験依頼者、医療機関などが法令に違反したことによって生じた不利益に対して損害を補填することです。賠償責任が裁判などで認められた場合に、賠償金が支払われることになります。

その他の具体的な補償内容は、治験ごとに詳細な内容が異なりますので、治験責任医師もしくは治験コーディネーター(CRC)にご確認ください。

健康被害に関する補償とは日本製薬工業協会 治験啓発継続チーム

治験説明リーフレット- ⑫

*ワクチンなど一部の薬剤では健康な方を対象とする場合もあります。

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同意説明時補償に関する説明

健康被害発生時 健康被害に対する処置及び評価

健康被害に関する内容の確認

補償条件の設定

補償の手順の作成

同意した場合、補償内容に関して合意したことになります

保険会社等の手配

患者さん 医師/病院 製薬企業

どういう健康被害が補償の対象となるか確認

補償

補償に関する費用の支払い

補償内容の確認

補償の手続き

補償内容について確認 補償内容について説明

補償に関する費用の受領

日本製薬工業協会 治験啓発継続チーム

治験説明リーフレット- ⑬

どういう健康被害が補償の対象となるか確認

補償内容の確認

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治験の計画・準備期間 患者さんの治験期間

治験審査委員会(IRB)

治験の計画

「くすりの候補」の概要

患者さんに説明する内容

(同意・説明文書)

治験の内容説明

治験参加の同意

事前検査

服用開始

服用終了

各種検査

事後検査

個人情報保護法

薬事法

各種関係法規の遵守

治験が終了してからの期間

データの収集と解析

承認申請

治験と法規制日本製薬工業協会 治験啓発継続チーム

治験説明リーフレット- ⑭

GCP・各種治験に関係する厚生労働省の通知

GCP(医薬品の臨床試験の実施の基準): Good Clinical Practice

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治験の全データ提出完了

治験開始

他病院

あなた

Aさん

病院としての

治験開始

病院のデータ提出

あなたにとっての期間

他院にとっての治験期間

治験の全データの評価

病院にとっての治験期間

他病院の

データ提出

あなたの病院 治

験終了

Aさんのデータ

あなたのデータ

申請・審査

非臨床研究データ 臨床試験(治験)データ

病院としての治験終了

患者さんのデータが審査資料になります!

Bさんのデータ

Bさん

日本製薬工業協会 治験啓発継続チーム

治験説明リーフレット- ⑮

同意取得

同意取得

同意取得

審査データくすりの候補

くすりの誕生

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最近話題になっている「ドラッグラグ」を改善する方法の1つとして、国際共同治験に日本も参加することがあります。「ドラッグラグ」とは、欧米では「くすり」として承認され発売している「くすり」が、日本ではまだ「くすりの候補」なので使用できない期間の差のことを指します。

国際共同治験とは日本製薬工業協会 治験啓発継続チーム

治験説明リーフレット- ⑯

米国日本

アジア

欧州

世界中で使用できるようにするために、参加した国で得られた患者さんのデータは1つにまとめられ、参加した国の機関(日本では厚生労働省、米国ではFDA(Food and Drug Administration)、欧州ではEMA(European Medicines Agency)へ申請され、審査され、それぞれの国で「くすり」の誕生となります。

製薬会社:複数の国で同じ時期に新薬の治験を依頼

国際共同治験とは

国際共同治験は、新しい「くすりの候補」を早期に世界中で使用できるように、複数の国又は地域で、同時に実施する治験(臨床試験)のことを指します。主に、第Ⅲ相臨床試験で実施されることが多く、世界中の多くの患者さんが参加することになります。

日本が国際共同治験へ参加する目的

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治験実施中

治験終了

治験のことを知っていただくために、厚生労働省、治験を実施している病院や製薬企業などはホームページ等で、治験に関する情報を公開しています。

• 公開場所-病院の専用窓口(治験事務局)-病院のホームページ

• 公開情報-審査委員の名簿-審査の手順-審査の内容・結果 など

治験審査委員会(IRB)に関する情報

• 公開場所(以下のホームページ)-日本医薬情報センター 臨床試験情報-日本医師会 治験促進センター など

• 公開情報-治験計画の概略-対象患者-治験薬の用法・用量-治験の方法 など

治験の計画・内容に関する情報

• 公開場所(以下のホームページ)-日本医薬情報センター 臨床試験情報-日本医師会 治験促進センター など

• 公開情報-治験結果の概略-参加患者数-治験の方法-有効性・安全性の結果 など

治験結果に関する情報

• 公開場所(以下のホームページ)-厚生労働省-医薬品医療機器総合機構

• 公開情報-承認審査の概要-承認申請資料の概要

薬の承認・審査に関する情報

治験に関する情報を得るには日本製薬工業協会 治験啓発継続チーム

治験説明リーフレット- ⑰

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『委員会からのお知らせ』

『委員会からのお知らせ』をクリック

『医薬品評価委員会』から『資料集』をクリック

次の画面で必要な資料を選択

現在公開中の治験啓発資料

『治験啓発パンフレット治験の疑問に答えます』

『くすりと治験』『治験実施チェックリスト』

日本製薬工業協会(製薬協)では、治験の啓発などを目的に治験に関する資料をホームページで公開しています。是非一度ホームページへアクセスください。

<製薬協のホームページ>(http://www.jpma.or.jp/)

『製薬協トップページ』

治験に関する資料への

アクセス方法

日本製薬工業協会のホームページ

治験啓発に対するご意見・ご感想等、

皆様方と意見交換できれば幸いです。

日本製薬工業協会 治験啓発継続チーム

治験説明リーフレット- ⑱

「アクセス場所」トップから『新薬・治験情報』の『治験とは』を選択