援助要請行動の意思決定過程の分析1,2 · 大学生72名.但...

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The Japanese Journal of Psychology

1995, Vol. 66, No, 4, 269-276

援助要請行動の意思決定過程の分析1,2

白梅学園短期大学 島田泉3・ 関西大学 高木修

An analysis of decision-making process in help-seeking behaviorIzumi Shimada (Shiraumegakuen Junior College Counseling Room, Ogawa-cho, Kodaira 187) and Osamu Takagi (Department of Sociology, Kansai University, Yamate-cho, Suita 564)

The purpose of this study was to analyze decision-making process in help-seeking behavior with the information monitoring method. Four simulated situations were prepared in which help became necessary. Eight categories of further situational information were explained, and 67 subjects were asked to indicate which categories of information they would like to see before actually seeking others' help in each of the four situations. The number and categories of information requested, together with their order, were recorded. Also, questions were asked concerning the difficulty, hesitation, and confidence they had felt during the task, and ratings were made regarding how adequate the eight information categories and how real the four situations were. Results suggested that (1) only two steps were taken before a help-seeking decision was made in every situation, and (2) it was made in a fairly fixed pattern in term of the help's possible cost and probable attibutitons of why it became necessary.

Key words: help-seeking behavior, decision-making process, information monitoring method.

社会 心理 学 の領域 にお ける 援助 行動 の研 究 で は援助

す る こ とを促進 す る,あ るい は抑 制 す る要因 が多 く解

明 されて きた.ま た,従 来 の研究 で解 明 され て きた諸

要因 を段階 的 に図示 し,意 思決定 過程 に関す るモ デル

を提案 す る研究 も進 ん でい る.こ れ らの研 究 は,援 助

状 況や 援助 者 の動機 を類 型化 した研究(例 えば高木,

1982, 1983な ど)と 併せ て,研 究 者 が個 々 に取 り上 げ

て きた援助 行動 に関す る諸変 数 を体 系化 す る上 で大 き

な成果 を もた らしてい る.一方

,竹 村 ・高木(1985)は 献 血 や臓器 提供 とい っ

た援助 行動 につい て,マ イ ク ロ コン ピュー タの デ ィス

プ レイ を用 い た情報 モ ニ タ リング法 を開発 し,情 報 探

索ス トラテ ジーの時 間 的推移 を解 明 した.例 えば,被

験 者 は意思 決定 過程 の初 期 に,自 分 の損 失 につ いて考

慮 し,そ の後 に,相 手 の被害 の軽 減性 や個 人 的 な道 徳

的義 務 感 を考 慮 す る とい う傾 向 の存 在 を明 らか に し

た.

松 井(1990)は,援 助 行動 のモ デル化 ア プロー チ に

お いて焦 点 とな る順 序性 を,要 因間 をパ ス解析 等 に よ

っ て分 析 した統計 的因 果性 に基 づ く “因果 的順 序性 ”

と,時 間 によ つて変容 す る認 知 を分析 す る “時間 的順

序性 ” とを区別 した.そ して,情 報 モニ タ リング法 を

用 いた時 間的順 序性 のア プロー チで意 思決 定過 程 の分

析 を行 い,援 助 状況 の違 いに よって,意 思 決定 時 に生

起 す る情報 検 索過程 が 異 な るこ とを立 証 して い る.す

なわ ち援助 の意 思 決定 にか かわ る認知 過程 が事 態 の理

解 と関与 の責任 性 を判 断す る第1段 階 と,コ ス トや利

得 な どの分析 を行 う第2段 階 に分 離 され てい る こ とを

明 らか に した.

ところで,援 助行 動 とは対 人 関係 の中 での一 連 の行

動 で あ り,援 助 を与 え る(help-giving behavior)行 動

の みに て成 り立 つ もの とは言 えない.与 え られた援助

に対 して は必 ず,そ の 援 助 を 受 け,そ れ に応 じ る

(help-receiving and reaction to help)立 場 が あ る.ま

た 逆 に 被 援 助 者 が 能 動 的 に 援 助 を要 請 す る行 動

(help-seeking behavior)も 存 在 す る.そ れ に もかか わ

らず,従 来 の研 究 で はそ のほ とん どが 援助 を与 える行

動 のみ を研 究対 象 として いた.援 助行 動 を一連 の対人

行 動 として考 えるな らば当然,そ の行 動 を全 体 的 な流

れ の中で と らえるべ きで ある.こ の よ うな観 点 か ら近

1 本研 究 は,青 山学院大 学文学 研究 科へ 提 出 した修 士論 文 に

加筆 ・訂正 を加 えた もので ある。 また本 研究 の一 部 は,日 本心

理学 会第58回 大会,日 本社会 心理 学会第35回 大会 で発表 され

た.2 本研 究 を行 うにあた りまして御指 導頂 きま した 青山学 院大

学文 学部能 見義博教授 には心 よ り御礼 を申 し上 げ ます.ま た,

本研 究で使 用 した プログ ラム は松 井(1990)で 使 用 され た もの

を改 変 した もので す.御 協力 を頂 きま した聖心 女子 大学 の松井

豊:助教授 に深 く感謝致 します.

3 学生相談 室.

年 の援 助行 動 の研 究 で は,困 窮 状 態 に直面 した潜在 的

被 援助 者 が積極 的 に援助 を求 め る援 助 要請行 動 の研 究

も見 られ るよ うにな って きた.

相川(1989)や 高木(1991)は 援助 要請行 動 の意 思

決 定過 程 を次 の よ うなモ デル で示 して い る.ま ず援助

要 請行 動 の意 思決定 は,直 面 した問 題 につ いて,個 人

の通常 の状 態 との比 較 が行 われ,“(1)問 題 の存在 へ の

気 付 き” が なされ る。 次 にそ の問題 につい て,“(2)重

要 性 ・緊 急 性 の査 定” “(3)自己 の 能 力 との関 係 の査

定 ”が な され,“(4)援 助 要請 にかか わ る コス トと利益

の大 き さに関 す る査 定 ”が行 わ れ,“(5)適 切 な援 助者

はい るか ”,更 に援助 者 に直接 要 請 す るの か,第 三 者

を介 す るの か,な ど とい った “(6)援助 要 請 の 方略 の

検討 ” が な され た上 で,意 思 決定 に至 る とい う過程 モ

デ ルで あ る.

島田 ・高木(1994)は,援 助 要 請行 動 の抑制 要 因 の

構 造 と個 人特 性 との つ なが りを状 況別 に分 析 した.す

なわ ち,研 究 対 象 とす る行 動 を,高 木(1982)に よ っ

て示 された"援 助 コス ト"の 次元 に注 目 し,潜 在 的援

助 者 に対 して労働 の提 供 を求 め る行 動 と,情 報 の提 供

を求 め る行 動 を 日常生 活 の中 で考 え られ る よ うな状 況

で設定 し,パ ス解 析 を用 いて それ らの行 動 を抑 制 す る

状 況認 知 要因 の構 造 を明 らか に して い る.

本研 究 は,援 助 要請 の意 思決 定 にお け る情 報検 索 の

過 程 を探 索的 に究 明 す るため に,状 況認 知 要因 の時 間

的順序 性 を情報 モ ニ タ リン グ法 によ って,ま た,情 報

検 索時 お よび決 定 時 の内的 心理状 態 を質 問紙 調査 法 に

よ って明 らか にす るこ とを 目的 とす る.

方 法

被験 者

大学 生72名.但 し回答 に不 備 の あ る もの な どの5

名 を除 外 し,最 終 的 に男 子28名 女 子39名,計67名

を分 析対 象 と した.

場面 設定

島田 ・高木(1994)は 援助 要請 行動 を支 え る個人 特

性 の一 つ として,予 備 調査 の結果 か ら自尊 心 を挙 げて

い る.高 木(1991)に よ る と,援 助 を要請 す る状況 の

困窮状 態 の原 因 の位置 に よって そ こで 生 じる援 助 の意

味 あいが 大 き く異 な る と論 じて い る.す なわ ち,そ の

状 況 の原 因 の位置 が本 人 に あ るのか,本 人 以外 にあ る

の か によっ て援助 を要 請 す る際 の 自尊 心 の傷 つ き方 に

は大 きな違 いが生 じる として い る。 つ ま り,援 助 を必

要 とす る状 況 の原 因が 本人 にあ る場 合,自 尊 心 の傷 つ

きは大 き く,原 因 が本 人以 外 に あつた場 合 は 自尊 心 の

傷 つ きは小 さい と指摘 してい る.

また,高 木(1982)は 援 助 行 動 を,“ 社 会 的 規 範 の

指 示”,“個 人 的規範 の指示 ”,“援助 コス ト” とい う三

つ の次元 か ら特徴 づ け られ る としてい る.本 研究 で は

そ の うちの一 つ であ る援助 コス ト,特 に,援 助 コス ト

の内容 に注 目 し,こ れ と困 窮状 態 の原因 の位 置 との組

合 せ に よ り次 の4場 面 を設定 した.

Table 1

設定 場 面

場面1  “気分 が悪 くて道 端 に座 り込 む”  この場 面

は援助 コス トが労働 を伴 う もの で あ り,場 面 の特性 と

して,困 窮 状態 の原 因 が本人 以外 の と ころにあ る,外

的な原 因位 置 とい う性質 を もつ.

場面2  “路 上 で書 類 を落 と し,散 乱 させ た” この

場 面 は,援 助 が 場面1と 同様 に労 働 コス トを伴 う もの

であ り,場 面 の特性 と して,困 窮 状態 の原 因 が本人 自

身 に あ る,内 的 な原 因位 置 とい う性質 を もつ.

場 面3 “切 符 の 買 い方 が わ か ら な い”  この場 面

は,援 助 が 時間 の提供 を求 め る とい うもので あ り,場

面 の特性 として,困 窮状 態 の原因 は本人 自身 に ある と

い う内 的 な原 因位 置 とい う性 質 を もつ.

場 面4  “道 を尋 ね る”  この場 面 は,援 助 が場 面3

と同様 に時 間の提 供 を求 め る とい う もので あ り,場 面

の特 性 として,困 窮状 態 の原 因が本 人以 外 の ところに

あ る,外 的 な原 因位置 とい う性 質 を もつ.

装置 と質 問票

パ ー ソ ナ ル ・コ ン ピ ュ ー タ:日 本 電 気(株)製

PC9800シ リー ズ のパ ー ソナ ル コ ン ピュー タ に カ ラー

デ ィス プ レイ を接続 して使 用 した.

プ ログラム:松 井(1990)が 使 用 した コン ピュー タ

プ ログ ラム を本 研究 用 に改 変 した もので あ る.練 習試

行 課題 と4場 面 の本 試行 か ら構成 され てお り,本 試行

課 題 は4種 類 の初期 画面 と8種 類 の副画 面か ら構成 さ

れて い る.初 期 画面 で は画面 が三 つ に分割 され,援 助

要請場 面 の説 明文 ・行動 選択 肢.情 報 リス トが表 示 さ

れ る.場 面 の説 明文 にはTable 1で 示 された4種 類 の

場 面が1場 面 ずつ提 示 され る.な お系 列位 置効 果 に よ

る選択 数 の変動,例 えば最初 に提 示 され る場面 ほ ど情

報 選択 数が 多 くな る傾 向 を考 慮 して提 示順 序 は カウ ン

ターバ ランス を とつた.行 動 選択肢 に は援 助要 請 と援

助 非要請 の2種 類 が 表示 され る.情 報 リス トに は8種

類 の情報 の概 略 が一 覧表 示 され てい る。 また,被 験 者

が情 報 リス トを検 討 せず に情 報選択 を始 め る ことが な

い よ うに,初 期 画 面 が提 示 され て か ら約30秒 間 は ど

の キー を押 して も作 動 しない よ うに設定 した.初 期画

面 提 示30秒 後 に ブザ ーが 鳴 りキ ーが押 せ る こ と を被

験 者 に知 らせ る.被 験者 が情 報 リス トに示 され た番号

の キー を押 す と,副 画 面 に切 り替 わ り各 情報 の 内容 を

説 明 す る文 章 が提 示 され る.今 回 の研 究 はあ くまで情

報 検索 過程 を調べ る ことが 目的で あ り,検 索 した情報

の内容 に よって誰 もが即 座 に意 思決 定 を して し まう よ

うな極 端 な 内容 であ る と結 果 に ノイズ が生 じる恐 れ が

あ る.そ こで 各情 報 の内容 は,な るべ く,こ れ に よつ

て行動 意 図が 左右 されな い よ うな,中 性 的 な もの とし

た.一 例 を挙 げる と,場 面1“ 気 分 が悪 くて道 端 に座

り込 む” の 中 の “8.周 りが 助 け を求 め に くい雰 囲気

か” とい う情 報 につ いて は “考 えて い る余裕 はあ りま

せ ん” とい う内容 を表 示 した.副 画 面 は6秒 を過 ぎ る

と自動的 に初 期画 面 に戻 る.試 行 中 に行 動選 択肢 のキ

ー を押す と1試 行 が終 了 す る.押 され た キー はすべ て

記 録 され る.情 報 リス トはTable 2に 示 す.こ れ は島

田.高 木(1994)に おい て選定 した援助 要請 を差 し控

えさせ る原因.動 機 ・理 由,す なわ ち,要 請 の意思 決

定時 の15種 類 の代 表 的 な状 況認 知 要 因 を更 に大 まか

に ま とめた もの で あ る.

Table 2

情 報 リス トー 覧

試行 後 質 問票:1場 面 が終 わ るご とに質 問 へ の 回答

を求 め る.情 報検 索 時お よび決 定 時 の内的 心理状 態 の

分析 を 目 的 とし,杉 本(1983)を 参 考 に して,(1)行

動 を決定 す る際 の困難 度(1=全 く感 じなか った, 7=

非常 に感 じた)(2)行 動 を決 定 す る際 の迷 い度(1:全

く迷 わ なか った,7一 非 常 に迷 った)(3)決 定 した 行 動

に対 す る確信 度(1:全 く確信 してい な い, 7:非 常 に

確信 して い る)(4)情 報 数 につ い ての 意 見(1=非 常 に

少 なす ぎ る, 7:非 常 に多す ぎる)(5)課 題 の現 実度(1

=全 く現 実 的 で ない,7一 非 常 に現 実 的)に つ い て7

段 階で評 定 す る こ とを求 め た.最 後 に 自由記述 の欄 を

設 け,研 究 につ い て気付 いた こ との記 入 を求 めた.

手続 き

調 査 は,調 査 者 か らの趣 旨の説 明 の後,コ ンピ ュー

タのデ ィス プ レイ に表 示 され た教示 に従 って実施 され

た.被 験 者 は練習 課題 に答 えて反応 の仕 方 を学習 し,

本試 行 に移 った。 本試 行 で は,デ ィス プ レイ に表 示 さ

れ た各 場面 の説 明文 を読 み,必 要 な情 報 を調 べ て, 2

種類 の行 動 の どち らか を選 択 す る ように教 示 された.

教示 におい て は,決 定 の早 さは課題 に何 ら関係 な い こ

と,普 段 判 断 してい る よ うに決 定 して欲 しい こ と,初

期 画面 が提 示 され てか ら約30秒 間 はキ ー を押 して も

作動 しない ので表 示 され て い る情報 リス トの 内容 をす

べ て読 む こ と,情 報 リス トの内容 をた だ番号 順 に調 べ

る ような情報 選択 の仕 方 は避 ける こ と,情 報 は繰 り返

し調 べ て も よい し全 く調 べ な くて もよい こ と,な どを

強調 した.そ して,被 験者 が行 動 を選択 して一 試行 が

終 わ るた びに試行 後質 問票 へ の 回答 を求 めた.本 試行

は4場 面 につ いて行 わ れ, 10分 程度 の時 間 を要 した.

なお,調 査 は個別,あ るい は10人 以 下 の グル ー プ で

行 われ被 験者 が選 択 してい る問,実 験者 は被 験者 の質

問 に対応 で きる ように同 室で待 機 していた.

結 果

情報 検索 回数 の分 析

Tab1e 3-1は 場 面 ご との平 均情 報 選択 回数 を示 した

もの であ る.こ の表 を見 て み る と “気 分が 悪 くて道 端

に座 り込 む”場 面 にお いて情報 選択 回数が 最 も高 く,

続 い て “路 上 で書 類 を落 と し,散 乱 させ た ”場 面,“道 を尋 ね る”場 面

,“切 符 の買 い方が わ か らない” 場

面 の順 に回数が 少 な くな ってい る.場 面 の援助 コス ト

と帰属 とを繰返 しのあ る被験 者 内要因 とす る2元 配 置

の分 散 分 析 を行 った 結 果,コ ス ト条 件(F(1,66)=

41.62, p<.01)と 帰 属 条 件(F(1,66)=11.05, p<

.01)に 有 意 な主効 果 が認 め られ た.但 し,交 互 作 用

は有意 で なか った.

つ ま り,“気 分 が悪 くて 道 端 に座 り込 む”や “路 上

で書類 を落 とし,散 乱 させ た” の労働 コス ト条 件 の場

面 の 方 が,場 面3“ 切 符 の買 い 方 が わ か らな い” や“道 を尋 ね る” の時 間 コ ス ト条 件 の場 面 よ り も

,情 報

選 択 回数 が多 か った.ま た,帰 属 条件 で は外 的原 因で

あ る “気 分 が悪 くて 道端 に座 り込 む” や “道 を尋 ね

る” の場面 の 方が,内 的原 因で あ る “路上 で書 類 を落

とし,散 乱 させた ”や “切符 の 買い 方が わか らない”

の場面 よ り も,情 報 検 索回 数が 多か った.

次 に,各 場面 にお いて,決 定 され た行動 の内容(要

請 す るか.要 請 しな いか)別 に被 験者 を2群 に分 けて

平 均情 報検 索 回数 を算 出 し,そ の平均 値 の差 の検定 を

行 った.検 定 結果 はTable 3-2に 示 すが,い ずれ の場

面 で も有意 な差 は見 られ なか った.す なわ ち,情 報 検

索 回数 は決定 した行 動 によっ て相 違 しない こ とが 示 さ

れ た.

更 に各場 面 におい て頻 繁 に選択 された情 報選 択肢 の

分析 を行 った. Table 3-3は 各選 択 肢 が選 択 された 比

率 を示 してい る.ま た選択 回数 の高 い ものか ら順位 を

つ けた.選 択 された 回数 の多 か った情報 は,各 場面 と

も,“1.重 大 か” “2.緊急 か” “3.自分 で解決 で きるか”“6

.援助 を頼 め そ うな人 はい るか ” とい っ た もので あ

った.場 面 間で選 択 に何 らか の関連 性 が あ るか ど うか

を検 討 す るた めに,こ れ らの順 位 につい てス ピア マ ン

の順 位相 関係 数 を算 出 した(Table 3-4を 参 照).各

組合 せ の相 関係 数 は,す べ て に おい て0.7を 超 え る非

常 に高 い有意 な もので あ り,特 に “気分 が 悪 くて道端

に座 り込 む”場 面 と “切符 の買 い方が わか らない”場

面 とは高 い相 関 係数 を示 してい た.そ の結 果, 4場 面

を通 じて頻繁 に選 択 され る情報 に は同様 の傾 向が あ る

と言 え る.

Table 3-1

場面 ごとの平均情報検索 回数 と標準偏差

Table 3-2

決 定 行動 別 に見 た情 報 検 索 回数

Table 3-3

各情 報 選 択肢 の被 選 択 率a)

a)数 値 は総被験者 内の選択者 の割合。単位 は%,()は 場面内での順位

Table 3-4

各 場 面 間 の順 位 相 関係 数

情報選択順序の分析

各情報がどのような順序で選択されたかを明らかに

するために,松 井(1990)を 参考に以下の3種 類の分

析を行った.は じめに,各 場面において複数の情報を

選択した被験者について,情 報選択回数を2分 して前

半と後半に分け,各 情報の選択が前半後半のどちらに

入るかをカウントした.こ の際,検 索回数が奇数の場

合には中央順位の選択肢が集計から除外された.こ う

して算出された前半 と後半の情報検索回数を,2回 以

上の情報選択を行った被験者に限って,情 報選択肢ご

とに集計 した.こ の集計法では,前 半の総情報選択回

数と後半の総情報選択回数が同一になるはずである.

そこで各選択肢について,前 半と後半の情報検索回数

が同一であるという帰無仮説のもとに,分 布の適合度

の検定を行つた.こ の検定結果が有意であれば,そ の

選択肢は前半か後半のどちらかに片寄つて有意に多 く

選択されていることを意味する.検 定の結果10%以

下の水準で前半か後半のどちらかに有意に多く選択さ

れた情報選択肢がTable 4-1に 示されている.

次に各情報選択肢が最初に選択された比率に関する

分析を行った.情 報選択を全 く行わなかったものを除

く被験者について,何 人がどの選択肢を何番目に選択

したかが集計された.各 情報選択肢について,最 初に

選択された比率(そ の選択肢が最初に選択された数/

その選択肢が選択された総数)を 算出し,他 のすべて

の情報選択肢が最初に選択された比率(他 のすべての

選択肢が最初に選択された数/他の情報選択肢が選択

された総数)と 比較して,比 率の差の検定を行った.

比 率 の差 の検 定 の 結果,最 初 に選 択 され た比 率 を10

%以 下 の水 準 で有意 に多 い情 報選 択肢 がTable 4-2に

示 す.

Table 4-1

前 ・後 半 の検 定 の 結果,有 意差 が見 られ た情 報 選 択肢

+p< .1, *p<.05, **p<.01

Table 4-2

最 初 に有意 に多 く選択 さ れた 情 報

+p< .1, *p<.05, **p<.01

Table 4-3

最 後 に有 意 に多 く選 択 され た情 報

+p< .1, *p<.05

更 に,各 情報 選択 肢 が最後 に選 択 され た比 率 につ い

ての分 析 も行 った.最 初 に選 択 され た比 率 の分析 と同

様 に,各 情 報選 択肢 が行 動 決定 を行 う直 前 に選択 され

た比率 が算 出 され,他 のす べ ての選 択肢 が最 後 に選択

され た比率 と比 較 して,比 率 の差 の検定 を行 った.こ

の検 定 の結果,有 意 に多 く最後 に選 択 され た情報 選択

肢がTable 4-3に 示 され てい る.

以 上 の分析 の結 果,有 意 な検 定 結果 が得 られた情 報

選択 肢 を,場 面 ご とに以下 に整 理 して示す.

場 面1  “気分 が悪 くて道 端 に座 り込 む” まず 最 初

に は,“3.自 分 で解 決 で きるか ” につ い て 多 く選 択 さ

れ た.ま た,“8.周 りが助 け を求 め に くい雰 囲 気 か”

が,特 に多 数 回選択 された.

場 面2  “路 上 で書 類 を落 と し,散 乱 させ た” まず

最 初 に は,“3.自 分 で解 決 で き るか” につ い て多 く選

択 され,前 半後 半 で は前 半 に有意 に多 く選 択 され て い

た.

場 面3 “切 符 の 買 い方 がわ か らな い” まず 最 初 に

は,“3.自 分 で解 決 で きるか ”が 多 く選 択 さ れ,し か

も前 半 に有 意 に多 く選 択 され て いた.ま た 後 半 に は“8

.周 りが助 け を求 め に くい雰 囲気 か ”が 多 く選択 さ

れ,“2.緊 急 か” と “6.援助 を頼 めそ うな人 はい るか ”

は最 後 に多 く選択 されて いた.

場 面4 “道 を尋 ね る” まず 最初 に は,“3.自 分 で解

決 で き るか ” と “2.緊急 か” につ い て多 く選 択 され,

それ らは ともに前半 に多 く選択 され た.ま た後 半 に は“8

.周 りが 助 けを求 め に くい雰 囲 気 か” が多 く選 択 さ

れ,最 後 に は “6.援助 を頼 めそ うな人 はい るか” が多

く選 択 されて いた.

課題 試 行時 の 内的心 理状 態の 分析

試行 後質 問票 の各 問 につ いて 回答 の傾 向 を見 てい く

(Table 5-1),

困難 度  行 動 の決 定 に どの くらい難 しさを感 じた か

とい う問 い につ いて は,場 面 の コス トと帰属 とを被験

者 内変数 とす る2元 配 置 の分散 分析 を行 った結果,コ

ス ト条 件 に有 意 な 主 効 果 が 見 ら れ た(F(1,66)=

35.26, p<.01).す な わ ち,労 働 コ ス ト条 件 と時 間 コ

ス ト条件 で は,労 働 コス ト条件 の方が課 題 が よ り困難

で あ る と評定 されて いた.

迷 い度  行 動 を決 定す る際 に どの くらい迷 ったか と

い う問 い につ いて も,同 様 の分散 分析 の結 果,コ ス ト

条 件 に有 意 な主 効 果 が 見 られ た(F(1,66)=28.18, p

<001).す なわ ち,困 難 度 と同様 に労働 コス ト条件 の

方 が課 題 にお いて い っそ う迷 いを経験 して いた.

確信 度  選択 した行動 がベ ス トの決 定 で あ る とどの

くらい確信 して い るか とい う問 い につ い て は, 2元 配

置 の分 散分 析 の結 果,コ ス ト条件 に有意 な主効 果 が見

られ た(F(1,66)=9.40, p<.01).す なわ ち,時 間 コ

ス ト条件 の方 に高 い確 信度 が見 られた.

情 報の 量  検索 で きる情 報数 が多 す ぎ るか,そ れ と

も少 なす ぎるか とい う問 い に つ いて は, 2元 配 置 の分

散分析 の結果,コ ス ト条件 に有 意 な主効 果 が見 られ た

(F(1,66)=6.79, p<.05).全 体 的 に評 定 値 は 中 央 の“どち らと も言 えな い” か ら “やや 多 す ぎた” とい う

回答 に傾 い ていた.呈 示 した情 報数 は8項 目で あ り,

4場 面 を通 して平 均選 択 回数 が2回 か ら3回 ぐ らい で

あ る こ とを考 えれ ば この数 が多 す ぎた と評定 す るの は

当然 の結果 で あ ろ う.そ の中 で も時 間 コス ト条件 で特

に その傾 向が見 られた こ とにな る.

Table 5-1

試 行 後 質 問票 の平 均値 と標 準偏 差

現実 度  この課題 が どの くらい現 実的 に思 われ た か

とい う問 い につ いて, 2元 配 置 の分 散分 析 の結 果,コ

ス ト条 件 に 有 意 な 主 効 果 が 見 られ た(F(1,66)=

36.97, p<.01).す な わ ち,時 間 コス ト条 件 の場 面3

と場面4の 方 が評定 値 が高 く,現 実 に近 い場 面で あ る

と評定 されて いた.し か し,全 体 を通 して比較 的 高 い

評 定 を得 てい たの で,本 研究 で 用 いた場面 が想 定場 面

として適切 で あ つた と解 釈 され る.

次 に決定 行動 に よる内的心 理状 態 の差異 を場 面 ご と

に見 てい く.

場 面1“ 気分 が悪 くて道 端 に座 り込 む” で は,現 実

度 を 除 い た す べ て の 項 目 で 有 意 な 差 が 見 られ た

(Table 5-2).つ ま り “援 助 要 請 を しな い” と決 定 し

た者 は “援助 要請 をす る” と決定 した者 に比 べ,行 動

の決定 に よ り難 しさ を感 じ,迷 って いた.ま た その決

定行 動 に対 す る確 信 度 は低 く,更 に提 示 され た情報 数

が 少 ない と感 じて いた.こ れ らの結果 か ら,こ の場 面

で は援助 要請 を しない ことを決定 しなが らも,行 動 決

定 の手 がか りに 自信 が もてず に,不 安 を感 じてい る者

の姿が浮 き彫 りに され てい る.

場 面2 “路 上 で書 類 を落 とし,散 乱 させ た” で は,

す べて の項 目にお いて “援 助 要請 をす る” と決 定 した

者 の方 が高 い評定 値 を示 す傾 向が あ ったが,有 意 な差

で は なか った(Tab1e 5-3).

Table 5-2

決定行動別 に見た内的心理状態

場面1“ 気分が悪 くて道端 に座 り込む”

a)N=56 ,b)N=11*p< .05, **p<.01

Table 5-3

決定行動別 に見た内的心理状態

場面2“ 路上で書類 を落 とし,散 乱 させた”

a) N=44 , b) N=23

Table 5-4

決定行動別に見 た内的心理状態

場面3“ 切符の買い方がわか らない”

a) N=62, b) N=5

**p< .01

場 面3“ 切 符 の買 い 方が わ か らない” で は,各 項 目

の 中で唯 一,決 定 行動 につ いて の確 信度 にお いて のみ

有意 差 が認 め られた(Table 5-4).つ ま り “援助 要 請

をす る” と決 定 した者 は “援助 要請 を しない” と決 定

した者 に比 べ,決 定行 動 に対 す る確 信度 が 高か っ た.

場 面4“ 道 を尋 ね る” も場面3と 同様 に,決 定 行 動

につ い て の確 信 度 にお い て の み有 意差 が認 め られ た

(Table 5-5)。 す なわ ち,“ 援助 要請 をす る” と決定 し

た者 は “援助 要請 を しない” と決 定 した者 に比 べ,決

定行 動 に対 す る確 信度 が 高か っ た.

但 し,こ の結果 に関 して は,要 請率 の違 い にお いて

い くぶ ん不安 定 で あ る.今 後 はサ ンプル を増 や して更

に検 討 をす るこ とが必 要 で あ る.

Table 5-5

決 定 行動 別 に見 た 内 的心 理 状 態

場 面4“ 道 を尋 ね る”

a)N=61 , b)N=6

**p<01

考 察

本 研究 で は, 2種 類 の研 究 法 に基 づ き援 助 コス トの

内容 と困窮 状 態 の原 因 の位 置 の組 合 せ に よ る場 面 別

に,援 助 要請 にい た る意 思決 定過 程 の特徴 を見 て きた

が,い くつ か の分析 によ って条件 問 での有 意差 が 明 ら

かに な つた.

情 報検 索 回数 の分 析 にお いて,平 均 情報 検 索 回数 は

コス ト条件 問 で は,労 働 コス ト条 件 の方 が時 間 コス ト

条 件 よ りも有意 に多 か った.ま た,帰 属条 件 問 で は,

外 的 原 因 の 方 が 内的 原 因 よ り も有 意 に多 か っ た.な

お,こ の結 果 に は設 定状 況 の もつ"援 助 コ ス ト"と"困窮 状 態 の原 因 の位 置"以 外 の属 性

,例 えば求 め る

援 助行 動 の明瞭 性,つ ま り何 を して も らい たい のかが

は つき りして い るのか否 か,と い う よ うな属 性 も影響

して い る こ とが推 察 され,今 後 の 課 題 と して残 さ れ

る.

試行 後質 問票 に よる内的 心理状 態 の分 析結 果 にお い

て は,コ ス ト条 件 問 の差 が か な り顕 著 に見 られ た.す

なわ ち,行 動 決定 の困難 度,迷 い度 は労働 コス ト条件

の方 が高 く,逆 に,決 定行 動 の確信 度,情 報 の量 で は

時間 コス ト条件 の方が 高 か った.更 に設 定場 面 の現 実

度で は時 間 コス ト条件 の方 が高 か った.

従 来 の援助行 動 の研 究 で は何 人 かの研 究者 が援 助行

動 の分 類 を試 み て きた.そ の 中 で, Bar-Ta1(1976)

は,日 常 生活 場面 に見 られ る援 助場 面 を緊 急場 面 と非

緊急 場面 に分 けて定義 して い る.本 研 究で取 り扱 われ

た労 働 コス ト条件 の場 面 は どち らか と言 え ば緊 急場 面

に,時 間 コス ト場 面 は非 緊急場 面 に対 応す る と考 え ら

れ る.従 って時 間 コス ト条件 を低 コス ト非 緊急 場面 と

して考 え るな らば,情 報検 索 回数 と内的心 理状 態 の分

析 で得 られ た結 果 か ら,時 間 コス ト条 件 の場面 にお い

て行 わ れ る意思 決定 過程 はス ク リプ トに よる情 報処 理

過程 と関連 して考 え る ことが可能 で あ ろ う.

竹 村 ・高 木(1985)は ス ク リプ トの定義 をAbelson

(1981)か ら引 用 し,“ ステ レオ タ イプ化 され た事 象系

列 につい ての概 念 的表象 で あ り,-連 の出来事 が そ の

文 脈 で生起 す る と期 待 され る もの” と規定 して い る.

Langer, Blank, & Chanowitz(1978)は 日常 生活 にお

け る多 くの社会 的行 為 はス ク リプ ト化 され てお り,出

会 った情報 の構 造 が スク リプ ト化 された行 動 に関 す る

情 報 と一致 して い る場合,自 動 的 にそ の行 動 が生 じる

と主張 してい る.更 に,こ れ らの認知 過 程 は思考 を働

かせ ない(mindless)行 動 と考 え る.

この理論 を時間 コス ト条件 下 の援助 要 請行 動 に適応

すれ ば,潜 在 的援助 要請 者 は場 面 の状 況 につい て少 な

い情報 の 中か ら困 窮状 態,つ ま り援助 要 請が 必要 な こ

とを認 知 し,そ れ が 自分 自身 の既有 の知 識構 造 と一致

すれ ばす ぐにス ク リプ ト化 された援助 要 請行 動 を開始

す る.す なわ ち気軽 に もの を尋 ね るの であ る。時 間 コ

ス ト条件 で の行 動 は労働 コス ト条件 で の行動 よ りも検

索情 報 数 が 少 な く,行 動 決 定 の困 難 度,迷 い度 が 低

い.逆 に,決 定行 動 の確信 度 や,設 定場 面 の現実 度 が

高 い.つ ま り,時 間 コス ト条件 下 で は数 少 な い情 報量

の 中か ら,確 信 の もて る意 思決 定 を してい る と考 え ら

れ る。 この よ うな結果 か ら,明 らか にス ク リプ トに よ

る情 報処 理が 行 われ てい た と考 え られ よう.

また,多 く選択 され る情 報 や行動 決定 に至 る情 報選

択順 序 に は場 面 を通 じて一 定 の ものが見 られた.選 択

順 序 の分 析 で は 冒 頭 で 紹 介 した 相 川(1989)や 高木

(1991)の 仮 説 モ デル の検 証 を試 みた の で あ っ たが,

結果 と して は “重 要性 ・緊急性 ・自己 の能 力 との関係

の査 定” とい った問題 へ の査定 か ら “適 切 な援助 者 は

い るか”,“周 囲 の雰 囲気 ” とい った 自他 の関係 につ い

て情 報 を求 め る とい う2段 階 の認知 過程 が あ り,そ れ

が あ る程 度 ス ク リプ ト化 され る もの と考 え られ る.そ

の過 程 か らズ レが生 じるの は潜在 的援助 要 請者 で あ る

被験 者 自身 と対 象(潜 在 的援助 者,も し くは状 況)と

の 間 に何 か し ら特殊 な関係 が あ る ときで あ る.本 研 究

で設 定 した場 面 で は情 報 リス トの内容 が極 端 でな く中

庸 で あ った た め,そ う した特殊 な関係 が生 じに くか っ

た こ とが考 え られ る.

以上 の よ うに本研 究 の結果 は,援 助 要請 行動 に関 す

る研 究 の基 礎資 料 として位 置 づ け られ るであ ろ う.

援助 要請 行動 は実 際 の臨床 場面 で見 られ る受 療行 動

とい う文脈 で とらえ る こ とも可能 で あ る.す なわ ち,

精 神 的 な問題 の発生 を認 知 して か ら,実 際 に専 門家 で

あ る援 助者 を求 めて相談 機 関 を訪 れ るまで にク ライエ

ン トで ある援助 要請 者 は,さ まざ まな葛藤 の経 験 を含

む意 思決定 過程 を経 て い る.ま た,そ の ような来談 ま

での意 思決 定 は,あ る程 度,ど の よ うな専 門相 談機 関

かによって異なることが予想される.精 神保健にかか

わる専門相談機関には,学 生相談室,職 場の社員相談

室,開 業心理相談室をはじめとする各種心理相談室や

神経科.心 療内科の外来クリニック,総 合病院そして

単科の精神病院といつた医療機関,各 都道府県や市町

村に認置されている児童相談所や教育センター,精 神

保健福祉センター等さまざまな種類がある.し かしい

ずれの相談機関にせよ,“なぜ,こ の時期に,こ の相

談機関に来談したのか” という問題が,ア セスメント

時においてクライエントの主訴や病態等を理解する上

で非常に重要な意味をもつ.各 専門相談機関が固有に

もつ来談抑制要因と,明 らかに他者の助けが必要だと

認知しているにもかかわらず助けを求めないという対

人行動の特徴を把握することは,社 会心理学者のみな

らず相談機関の現場に立つ,心 理臨床をはじめとする

さまざまな職種の臨床家にとっても重要な問題であろ

う.

今後は更に,研 究対象を臨床場面にも広げ,さ まざ

まな相談機関における援助要請意思決定を検討するこ

とが必要と思われる.

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