介護施設における介護職員の モチベーションとスト …研究目的...
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介護施設における介護職員のモチベーションとストレス
に関する調査研究
研究代表者
社会福祉法人椎の木福祉会
特別養護老人ホーム第二瑞光の里 生活相談員:目次 哲也
研究等実施者
社会福祉法人椎の木福祉会
特別養護老人ホーム 瑞光の里 生活相談員 岡崎 将司
特別養護老人ホーム 第二瑞光の里 生活相談員 森川武彦
特別養護老人ホーム 第二瑞光の里 生活相談員 西本誠司
特別養護老人ホーム 第二瑞光の里 介護職員 山下正義
2012/5/26
研究目的
介護施設に勤める介護職員のモチベーションとストレスの実際(内実)を明らかにする。
研究背景
1、介護職員の離職率が年々深刻化を増している。
2、介護報酬により若干の処遇改善は見られるものの給与以
外に処遇改善の変化は見られていない。
3、そのため、各事業所の実状に合わせ、具体的案を検討す
ることが求められている。
2012/5/26
調査対象法人概要
社会福祉法人
運営事業
・特別養護老人ホーム α (短期入所併設)
従来型、一部ユニット型
(定員:130名 短期入所生活介護:20名)
・居宅介護支援事業所
・特別養護老人ホーム β(短期入所併設)
ユニット型
(定員:90名 短期入所生活介護:10名)
・通所介護
(定員:30名)
・法人職員:217名 (平成24年4月1日現在)
2012/5/26
研究方法とその過程
8月 先行研究
質問紙調査の対象者 調査項目の確認・決定9月 質問紙診断調査実施回収
10月 質問紙調査結果のデータ入力、集計(静岡県立大学短期大学部助教佐藤桂子氏へ委託)
11月,12月分析結果に基づくグループ分け(聞き取り調査の対象者(対象ユニット、フロアー、調査内容の確認・決定)
2月、3月、4月参与観察、聞き取り調査逐語起こし、分析結果のまとめ
5月 分析結果に基づく法人内の対応モデル(職員研修等)の検討・作成
2012/5/26
研究方法
第1段階調査
質問紙調査 「MBI(Maslach Burnout Inventory」 田尾翻訳改訂版
目的:質問紙調査結果から、施設全体のバーンアウト傾向の把握する。
調査期間:平成24年10月14日~21日 (アンケート配布及び回収)
対象:対象職員 総数 125 名
集計方法:SPSS(集計ソフト)による集計、分析(静岡県立大学短期大学部助教佐藤桂子氏へ委託)
※施設α、βアンケート調査の結果は、インタビュー対象フロア・ユニットの選定や、インタビューガイドの質問項目を作成するための基本資料として活用しました。
2012/5/26
バーンアウト診断検査「MBI(Maslach Burnout Inventory)」田尾翻訳改訂版
配属先: (ブロック名又はユニット名)
あなたは最近6か月くらいの間に、次のようなことを程度経験しましたか。表1の右欄のあてはまると思う番
号に○印を付けてください。(注意:人事考課等の評価目的でなく、研究調査アンケートです)
いつもある
しばしばある
時々ある
まれにある
ない
1 「こんな仕事、もうやめたい」と思うことがある 5 4 3 2 12 我を忘れるほど仕事に熱中することがある 5 4 3 2 13 こまごまと気配りすることが面倒に感じることがある 5 4 3 2 14 この仕事は私の性分に合っていると思うことがある 5 4 3 2 15 同僚や利用者の顔を見るのも嫌になることがある 5 4 3 2 16 自分の仕事がつまらなく思えて仕方のないことがある 5 4 3 2 17 一日の仕事が終わると「やっと終わった」と感じることがある 5 4 3 2 18 出勤するのが嫌になって、家にいたいと思うことがある 5 4 3 2 19 仕事を終えて今日は気持ちの良い日だったと思うことがある 5 4 3 2 110 同僚や利用者と、何も話したくなくなることがある 5 4 3 2 111 仕事の結果はどうでもよいと思うことがある 5 4 3 2 112 仕事のために心のゆとりがなくなったと感じることがある 5 4 3 2 113 今の仕事に、心から喜びを感じることがある。 5 4 3 2 114 今の仕事は、私にとってあまり意味がないと思うことがある 5 4 3 2 115 仕事が楽しくて、知らないうちに時間がすぎることがある 5 4 3 2 116 体も気持ちも疲れ果てたと思うことがある 5 4 3 2 117 我ながら、仕事をうまくやり終えたと思うことがある 5 4 3 2 1
質問紙調査用紙 (以下の質問用紙を用いて調査を実施)
以上です。ご協力ありがとうございました。2012/5/26
第1段階調査結果第1段階調査結果
質問紙調査実回答者数及び回答率
・施設 α 81名 (回収率 98.7%)
・施設 β 31名 (回収率 80.1%)
・施設βデイサービスセンター 4名 (回収率100%)
◎ 質問紙配布者総数 125名
内訳:施設α:82名 、施設β:39名
施設βデイサービス:4名
2012/5/26
第1段階調査記述統計平均値 集計グラフ
2012/5/26
記述統計平均値 集計グラフ
2012/5/26
記述統計平均値 集計グラフ
2012/5/26
第1段階調査からの分析
・各質問項目平均値の最下位の突出して多いユニット、フロアー施設α:B2 施設β:A3各質問項目平均値の最上位の突出して多いユニット、フロアー施設α:B4、施設β:A6
各ユニット、フロアーにモチベーションを上下するマイナスの要素、プラスの要素が多く存在している可能性が高い。(平均値の最下位、最上位ユニット、ブロックの抽出は通所部門をサービス提供上の違いから省いている。)
・各質問紙項目平均値の最下位ユニット、ブッロクは両施設の中で施設βのA3が突出して多く、モチベーションがかなり低い状態であると推測され、職員が疲弊している可能性が高い
2012/5/26
第1次調査分析による今後の調査の方向性
1、最上位、最下位のユニット、フロアーに対しインタビュー調査を実施する。
2、具体的なマイナス要素、プラス要素及びユニット、フロアーの実状に則したデータが収集を目指す。
3、なお、通所型部門は入居型とはサービス提供上特性が異なるが、平均値は最上位を示すことが多かったため、インタビュー調査は実施する。
2012/5/26
第2段階調査
インタビュー調査
目的:第1段階調査の結果のバーンアウト傾向の内実を具体例から把握す
ることを目的として、インタビューにてデータ収集する。
方法:インタビュー調査(施設α 平成24年3月23日実施、施設β 平成24年2月11日実施)
対象:第1段階調査において各質問項目の平均値の最下位、最上位点数の
フロアー、ユニットの職員
分析期間:施設α 平成24年3月24日~4月10日
(逐語起こし) 施設β 平成24年2月11日~2月27日
集計・分析方法:「比較軸を用いた質的分析」
「カードワークによるコーディング」・「図式化」
研究方法
2012/5/26
第2段階結果
第2段階調査結果インタビュー調査
施設α :10ユニット、フロアーの10名
施設β :5ユニットの5名 及び
施設βデイサービス :1名
インタビュー調査集計・分析
「比較軸を用いた質的分析」「カードワークによるコーディング」「図式化」により抽出した比較軸、ラベル数、カテゴリー数
施設α 比較軸:4
カテゴリー数: 11
ラベル数:26
施設β 比較軸:4
カテゴリー数: 8
ラベル数:262012/5/26
第2段階結果のラベル、カテゴリー仕分け施設 α
2012/5/26
施設 β
2012/5/26
①ケア実践 ②意識の変化 ③修正の過程 ④結果
ショート利用者
困難事例
認知症利用者
疲れ
過剰なプレッシャー
時間との戦い
モチベーション低下
モチベーション・ストレス変容4段階のプロセス(施設
α)
第2段階調査分析の図式
2012/5/26
①ケア実践②意識の変化 ③修正の過程
④結果
多様なニーズ
困難事例
チームワーク
疲れ
罪悪感時間との戦い
モチベーション低下
モチベーション・ストレス変容4段階のプロセス(施設
β)
改善・向上ルートが見受けられなかった。
2012/5/26
第2段階調査からの分析
◎修正過程によりモチベーションの回復、ストレスの緩和若しくはモチベーションの低下につながっている。
・モチベーションの低下につながる修正過程のカテゴリー
施設α: 他職員への期待、業務改善施設β: 勤務体制がありました。
・モチベーションの回復、ストレスの緩和につながるカテゴリー
施設α: 職員自身の自己意識の改善がありました。施設β: モチベーションの改善、向上のルートを見受け
られない。
2012/5/26
研究考察
・修正過程がモチベーションに上下に大きく関係している。
・各施設ともモチベーションの回復、ストレスの緩和につながる修正過程の弱さがある。
・改善修正ルートが存在しない。
2012/5/26
謝辞
• 本研究にご協力いただきました調査対象法人及び各施設の職員の皆様に厚く御礼申し上げます。本研究が微力ながら調査対象法人の今後の発展に寄与し、利用される高齢者の方の生活の質の向上へつなぐことができたと思っております。ご協力いただきました皆様のご厚意を無駄にすることなく邁進してまいります。今後ともご協力いただきますようお願いいたします。
ありがとうございました。
2012/5/26
ご清聴ありがとうございました。
2012/5/26