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はじめに ............................................................4CADプログラム ....................................................4

ヒートトレース設計概要 .........................................5優れた設計の基礎 ..............................................5-14 ステップ1:設計パラメータの確立 .........................5 ステップ2:熱損失の決定 ..................................6-7 ステップ3:適切なサーモンヒーターケーブル の選定 ........................................ 8-12 ステップ4:ヒートトレースの回路長の決定 ............ 1 3 ステップ5:オプション/アクセサリーの選択 .......... 14設計のヒント .....................................................15設計ワークシート ..........................................16-17一般仕様 .....................................................18-19このデザインガイドでは、可能な限り英国式およびメートル法の数値を表示しています。表によっては、スペースの制限のため英国式の数値のみを表示しているものもあります。メートル法の表をご希望の場合はサーモンまでお問い合わせください。

複雑な配管向けデザインガイド 自己制御型ヒーターケーブル用

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複雑な配管向けデザインガイド自己制御型ヒーターケーブル用

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はじめにこのデザインガイドでは、複雑な配管におけるヒートトレースの要件について説明します。用途が小規模なプロジェクトであっても、または配管や装置で構成される完全なネットワークであっても、サーモンの自己制御型ヒーターケーブルを使用すれば、複雑な配管向けの電気ヒートトレースシステムの設計は簡単です。本デザインガイドに記載された情報は、以下の項目に基づいて適切なヒーターケーブルを選ぶための手順をステップごとに説明しています:

本デザインガイドの手順に従えば、ヒートトレースシステムの部品表の設計、選択、指定、確定ができるようになります。通常、複雑な配管はプロセスユニット内に施工され、比較的短いパイプにT字が多く配置されるほか、インラインバルブやポンプ、ヒートトレースが必要な関連のプロセス装置から構成されます。回路の長さは数フィート(1メートル未満)から数百フィート(メートル)まで多岐にわたりますが、平均的なものは通常100フィート(30メートル)以下です。必要な長さに切って使えるサーモンの自己制御型並列抵抗ヒーターケーブルは、水道管の凍結防止から、最高300°F (149°C)のプロセス温度保持にいたる用途に利用できます。断熱処理した配管の熱損失のばらつき(装置やサポート、保温によるもの)を、ヒーターケーブルのPTC(正の温度係数)特性により補正します。サーモンでは、様々な用途に応じてヒーターケーブルを個別に設計・製造し、認定を受けた製品を提供しています。BSX™ 150°F(65°C)以下の凍結防止および温度保持のために設計されたBSXは、金属と非金属両方の配管および装置に最適です。

VSX™ 最高300°F (149°C)のプロセス温度保持または凍結防止を目的とした設計となっており、通電時の間欠耐熱温度は最高450°F (232°C)、非通電時の間欠耐熱温度は最高482°F(250°C)、非通電時の連続耐熱温度は400°F(204°C)までです。

CADプログラムサーモンは、高度でありながら使いやすいコンピュータプログラム、CompuTrace®を開発しました。このプログラムは設計と性能の詳しい情報を提供します。CompuTraceを使用すれば、用途に固有の情報をプログラムに入力して、電気や温度の性能に関する詳しい情報を入手することができます。プログラムで実行される計算は、IEEE標準515の公式に基づいています。CompuTraceへの入力データ、およびこのプログラムで生成されるデータは印刷が可能で、「ロード一覧」の情報を含む概要レポートはエクスポートして他のプログラムで使用することができます。CompuTraceは、ヒートトレースシステムを設計する際に役立つものであり、本ガイドで説明する設計の手順は、適切に作動するヒートトレースシステムを確立するうえで必要な設計プロセスを確認する際の基本となります。

1.ニッケルメッキ銅母線2.半導体加熱マトリクスおよび フッ素樹脂絶縁被覆

3.ニッケルメッキ銅編組4.高温フッ素樹脂オーバージャケット

1.ニッケルメッキ銅母線2.放射線架橋半導体加熱マトリクス3.ポリオレフィン絶縁被覆4.錫メッキ銅編組5.ポリオレフィンまたはフッ素樹脂オーバージャケット

•配管サイズ•熱絶縁の種類と厚さ•望ましい保持温度•最高耐熱温度

•最低外気温度•ヒーターケーブルの初期温度•使用可能な電源•電気区分

RSX™ 15-2 電力密度の要件により標準範囲のBSXケーブルが使用できない場合の用途向けに設計されています。

1.ニッケルメッキ銅母線2.放射線架橋半導体加熱マトリクス3.ポリオレフィン絶縁被覆4.錫メッキ銅編組5.ポリオレフィンまたはフッ素樹脂オーバージャケット

HTSX™ 最高250°F(121°C)のプロセス温度保持または凍結防止を目的とした設計となっており、通電時の間欠耐熱温度は最高420°F (215°C)、非通電時の間欠耐熱温度は最高482°F(250°C)、非通電時の連続耐熱温度は400°F(204°C)までです。このケーブルはスチームパージ時の耐熱温度にも耐えられます。

11.ニッケルメッキ銅母線2.半導体加熱マトリクスおよびフッ素樹脂絶縁被覆

3.錫メッキ銅編組4.フッ素樹脂オーバージャケット

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サーモン The Heat Tracing Specialists®

ヒートトレース設計概要次に示す5つのステップが、電気ヒートトレースシステムの設計および選択プロセスの概要となります。この概要に沿った詳しい手順を読み進めていただくことにより、完全な機能を備えた電気ヒートトレースシステムを設計、選択、特定するのに必要となる詳細な情報を理解することができます。ステップ1:設計パラメータの確立 関連するプロジェクトデータの収集: a.配管/装置 •直径—長さ—材質1

b.温度 •最低外気温—始動時温度 •保持温度 •高温—限界/逸脱 c.保温材 •種類—厚さ—同じサイズ/大型? d.電気 •動作電圧—ブレーカー容量 •電気区分ステップ2:熱損失の決定 ステップ1で収集した情報とともに、 次の基準を考慮します: a.熱損失一覧表/表 b.コンピュータデザインプログラム—

CompuTraceステップ3:適切なサーモンヒーターケーブルの選定 基準: a.用途要件 •保持温度 •最高耐熱温度 b.電力密度要件 •保持温度での出力 c.電気的設計 •供給電圧 •ブレーカー容量 •低温始動の影響 d.承認要件 •防爆認定—コード要件ステップ4:ヒートトレース回路長の決定 次の各要素に適したケーブルの選定、電気的 設計、および許容範囲の配管長さを考慮しま

す: •バルブ、ポンプ、サポート、その他装置 •回路構成およびスプライスキットステップ5:オプション/アクセサリーの選択 最小限の施工アクセサリー: a.電源部処理および端末部処理キット b.ケーブル固定用テープ オプションの施工アクセサリー: •サーモスタットコントロール・モニタリング

優れた設計の基礎このページ以降に示す5段階のステップに従って設計を進めることで、適切な設計の電気ヒートトレースシステムの要件について理解を深めることができます。必要な手順と情報を確認したら、本書の巻末にある設計ワークシートを使って、その手順を複雑な配管に適用してください。ステップ1: 設計パラメータの確立 次の設計パラメータに関連する情報を 収集します:用途の情報 •配管サイズまたはチューブ直径 •配管長さ •配管材質(金属または非金属) •バルブ、ポンプまたはその他の装置の種類 •パイプサポートの種類予想最低外気温度 一般に、この数値は地域について集められた気象データから取り込まれ、記録された履歴データに基づいています。ただし、最低外気温度が戸外の気温でない場合もあります。例えば、配管や装置が地下や屋内に設置されている場合などです。最低始動時温度 この温度は、ヒーターケーブルがより高い外気温度で電力供給されるという点で、予想最低外気温度とは異なります。この温度は、所定の用途の最大回路長とブレーカーサイズに影響します(7~10ページの回路長の表を参照)。保温材質および厚さ 本デザインガイドに記載された一覧表は、表2.2~2.7に表示された厚さのファイバーガラス保温材に基づいています。ファイバーガラス以外の材質を使用する場合、表2.1に表示された保温補正因子を参照するか、またはサーモンの工場担当者に連絡して設計支援を依頼してください。供給電圧 サーモンの自己制御型ヒーターケーブルは、110~130Vacおよび208~277Vacの2つの電圧範囲で設計されています。ヒートトレースを使用する施設に応じて電圧の高さを決定します。注1.本デザインガイドの情報はすべて、金属製配管に基づいています。非金属用途については、サーモンまでお問い合わせください。

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複雑な配管向けデザインガイド自己制御型ヒーターケーブル用

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ステップ2:熱損失の決定所定の設計条件下における配管の熱損失を決定する方法はいくつかあります: •IEEEStd515(IEEEStandardfortheTesting,

Design,Installation,andMaintenanceofElectricalResistanceHeatTracingforIndustrialApplications)に詳しく規定されたものなどの熱損失計算。

•ユーザーが用途に応じて詳細情報を入力できるコンピュータ支援設計プログラム。(サーモンのCompuTrace®設計および選択プログラムは、IEEEStd515の計算式に基づいてこの機能だけでなくその他の機能も提供します。)

•選択した配管径、温度差および保温材質に基づいた熱損失表。

本ガイドは、IEEEStd515に記載された計算式から派生した熱損失表に基づいています。1表2.2~2.7に表示された値は、1フィート当たりのワット数で、ファイバーガラス保温材に基づいています。 1.最低外気温度と保持温度の温度差(∆T)以上2の熱

損失表を選択します。 2.使用する配管径に基づいて、保温材の厚さの列と

照らし合わせると、選択した条件下の熱損失がわかります。

ファイバーガラス以外の保温材については、下記の表2.1を使って適切な乗数を選択します。硬質保温材を使用する場合、乗数を適用する前にヒーターケーブルに合わせて次に大きいサイズの配管の熱損失を選択してください。3

注1.熱損失計算は以下の規定に従い、IEEEStd515、EquationB.1に基づいて行われます:

•ASTMStdC547に従ってグラスファイバーで保温された配管。 •風速25mph、外気温0°Fの屋外にある配管。 •20%の安全率が含まれています。2.∆Tが2つの温度範囲の間である場合、線形補間を使用して熱損失を概算することができます。

3.直径が1¼"以下の配管で柔軟な保温材を使用している場合、ヒーターケーブルを適合させるために配管サイズより1サイズ大きい保温材にする必要があります。例えば、保温する配管の直径が¾"の場合、直径1"の配管用の保温材を使用します。

表2.2 配管熱損失@50 °F∆T

表2.1 代替保温材の乗数

表2.3 配管熱損失@ 100 °F∆T

事前形成された配管保温材 保温材の種類の乗数保温材の「kファクター」 (Btu•in/hr•ft2•°F) @

68°Fポリイソシアヌレート 0.73 0.183ファイバーガラス 1.00 0.251

鉱物綿 0.95 0.238ケイ酸カルシウム 1.41 0.355多泡ガラス 1.30 0.326パーライト 1.80 0.455

配管 サイズ

保温材の厚さ

½" 1" 1½" 2" 2½" 3" 3½" 4"½" 2.2 1.5 1.2 1.1 1 0.9 0.9 0.8¾" 2.6 1.9 1.5 1.3 1.1 1 1 0.91" 3 2 1.6 1.4 1.3 1.2 1.1 11¼" 3.7 2.6 1.8 1.7 1.5 1.3 1.3 1.21½" 4.1 2.6 2.1 1.6 1.5 1.4 1.3 1.22" 5 3.1 2.4 2 1.8 1.6 1.5 1.42½" 5.9 3.6 2.5 2.1 1.9 1.7 1.6 1.53" 7 4.2 3.2 2.7 2.3 2.1 1.9 1.73½" 7.9 4 3.2 2.7 2.4 2.1 2 1.84" 8.8 5.1 3.9 3.2 2.8 2.4 2.2 25" 10.7 6.4 4.7 3.8 3.2 2.8 2.6 2.36" 12.6 7.7 5.6 4.4 3.7 3.3 2.9 2.68" -- 9.4 6.7 5.4 4.4 3.9 3.5 3.210" -- 11.5 7.9 6.4 5.4 4.7 4.2 3.812" -- 13.4 9.2 7.4 6.2 5.4 4.8 4.314" -- -- 10.7 8.4 7 6 5.3 4.816" -- -- 12.1 9.5 7.8 6.7 5.9 5.318" -- -- 13.5 10.5 8.7 7.4 6.5 5.920" -- -- -- 11.6 9.5 8.2 7.2 6.424" -- -- -- 13.7 11.2 9.6 8.4 7.530" -- -- -- 16.8 13.8 11.7 10.2 9.1

配管 サイズ

保温材の厚さ

½" 1" 1½" 2" 2½" 3" 3½" 4"½" 4.4 3.1 2.5 2.3 2 1.9 1.8 1.7¾" 5.2 3.8 3 2.6 2.2 2.1 2 1.91" 6.2 4 3.3 2.8 2.6 2.4 2.2 2.11¼" 7.5 5.2 3.7 3.4 3 2.8 2.6 2.41½" 8.4 5.3 4.2 3.4 3 2.8 2.6 2.52" 10.2 6.3 4.9 4.1 3.7 3.3 3.1 2.92½" 12.1 7.3 5 4.4 3.9 3.6 3.3 3.13" 14.3 8.7 6.5 5.4 4.7 4.3 3.9 3.63½" 16.1 8.2 6.5 5.5 4.9 4.4 4 3.84" 17.9 10.5 7.9 6.5 5.6 5 4.5 4.25" 21.9 13.2 9.7 7.9 6.6 5.8 5.3 4.86" 25.8 15.7 11.4 8.9 7.6 6.7 5.9 5.48" -- 19.3 13.8 11.1 9 7.9 7.1 6.510" -- 23.5 16.2 13 11 9.6 8.6 7.812" -- 27.5 18.9 15.1 12.7 11 9.8 8.914" -- -- 22 17.2 14.3 12.3 10.9 9.816" -- -- 24.8 19.4 16 13.8 12.1 10.918" -- -- 27.6 21.5 17.8 15.2 13.4 1220" -- -- -- 23.7 19.5 16.7 14.7 13.124" -- -- -- 28 23 19.7 17.2 15.430" -- -- -- 34.5 28.3 24 21 18.7

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サーモン The Heat Tracing Specialists®

表2.4 配管熱損失@ 150 °F∆T

表2.5 配管熱損失@ 200 °F∆T

表2.6 配管熱損失@ 250 °F∆T

表2.7 配管熱損失@ 300 °F∆T

配管 サイズ

保温材の厚さ

½" 1" 1½" 2" 2½" 3" 3½" 4"½" 6.8 4.8 3.9 3.5 3.1 2.9 2.7 2.6¾" 8 5.9 4.6 4 3.5 3.2 3.1 2.91" 9.6 6.2 5.1 4.4 4 3.7 3.5 3.31¼" 11.6 8.1 5.7 5.3 4.7 4.3 4 3.71½" 13 8.2 6.5 5.2 4.7 4.3 4.1 3.82" 15.7 9.8 7.5 6.4 5.6 5.1 4.8 4.42½" 18.6 11.3 7.8 6.7 6 5.5 5.1 4.83" 22 13.4 10.1 8.4 7.3 6.6 6 5.53½" 24.8 12.6 10.1 8.6 7.6 6.8 6.2 5.84" 27.6 16.3 12.3 10.1 8.7 7.7 7 6.55" 33.8 20.4 15 12.2 10.2 9 8.2 7.46" 39.7 24.3 17.6 13.8 11.8 10.3 9.1 8.38" -- 29.7 21.4 17.1 13.9 12.2 11 10.110" -- 36.3 25.1 20.1 17 14.8 13.2 1212" -- 42.5 29.2 23.3 19.6 17 15.2 13.714" -- -- 33.9 26.6 22.1 19 16.8 15.116" -- -- 38.3 29.9 24.8 21.3 18.8 16.918" -- -- 42.7 33.3 27.5 23.6 20.7 18.620" -- -- -- 36.6 30.2 25.9 22.7 20.324" -- -- -- 43.3 35.6 30.4 26.6 23.830" -- -- -- 53.3 43.7 37.2 32.5 28.9

配管 サイズ

保温材の厚さ

½" 1" 1½" 2" 2½" 3" 3½" 4"½" 9.3 6.6 5.4 4.8 4.2 4 3.8 3.6¾" 11 8.1 6.4 5.5 4.8 4.5 4.2 41" 13.1 8.5 7 6.1 5.5 5.1 4.8 4.51¼" 15.9 11.1 7.9 7.3 6.4 5.9 5.5 5.21½" 17.8 11.3 9 7.1 6.5 6 5.6 5.32" 21.6 13.4 10.4 8.8 7.8 7.1 6.6 6.12½" 25.5 15.6 10.7 9.3 8.3 7.6 7 6.63" 30.3 18.5 13.9 11.6 10.1 9.1 8.2 7.63½" 34.1 17.4 13.9 11.8 10.4 9.3 8.6 84" 38 22.4 16.9 13.9 12 10.6 9.6 8.95" 46.5 28.1 20.7 16.8 14.1 12.5 11.3 10.26" 54.5 33.4 24.3 19.1 16.2 14.3 12.5 11.58" -- 41 29.5 23.6 19.2 16.9 15.2 13.910" -- 50.1 34.6 27.8 23.5 20.5 18.3 16.612" -- 58.6 40.3 32.2 27.1 23.5 20.9 18.914" -- -- 46.8 36.7 30.5 26.3 23.2 20.916" -- -- 52.9 41.3 34.2 29.4 25.9 23.318" -- -- 58.9 46 38 32.6 28.6 25.720" -- -- -- 50.6 41.7 35.7 31.4 28.124" -- -- -- 59.8 49.2 42 36.8 32.830" -- -- -- 73.7 60.4 51.4 44.9 39.9

配管 サイズ

保温材の厚さ

½" 1" 1½" 2" 2½" 3" 3½" 4"½" 12 8.5 7 6.2 5.5 5.2 4.9 4.7¾" 14.3 10.5 8.2 7.2 6.2 5.8 5.5 5.21" 17 11 9.1 7.9 7.1 6.6 6.2 5.91¼" 20.5 14.4 10.3 9.4 8.4 7.6 7.1 6.71½" 23 14.7 11.7 9.3 8.4 7.8 7.3 6.82" 27.9 17.4 13.5 11.4 10.1 9.2 8.5 7.92½" 33 20.2 13.9 12.1 10.8 9.9 9.1 8.53" 39.1 23.9 18.1 15.1 13.1 11.8 10.7 9.93½" 44.1 22.5 18 15.3 13.5 12.1 11.2 10.44" 49.1 29.1 22 18.1 15.7 13.7 12.5 11.65" 60.1 36.4 26.9 21.8 18.3 16.2 14.7 13.36" 70.5 43.4 31.5 24.8 21.1 18.6 16.3 158" -- 53.2 38.3 30.7 25 22 19.8 18.110" -- 65 45 36.1 30.5 26.6 23.8 21.612" -- 76.1 52.4 41.9 35.2 30.6 27.2 24.614" -- -- 60.8 47.7 39.6 34.2 30.2 27.216" -- -- 68.7 53.7 44.5 38.3 33.7 30.318" -- -- 76.6 59.8 49.4 42.4 37.3 33.420" -- -- -- 65.8 54.3 46.4 40.8 36.524" -- -- -- 77.8 64 54.6 47.8 42.730" -- -- -- 95.7 78.5 66.8 58.4 52

配管 サイズ

保温材の厚さ

½" 1" 1½" 2" 2½" 3" 3½" 4"½" 14.9 10.6 8.7 7.8 6.8 6.4 6.1 5.9¾" 17.7 13 10.3 9 7.7 7.2 6.9 6.61" 21.1 13.8 11.3 9.8 8.9 8.2 7.7 7.31¼" 25.5 17.9 12.8 11.8 10.4 9.6 8.9 8.41½" 28.6 18.3 14.6 11.6 10.5 9.7 9.1 8.62" 34.8 21.8 16.8 14.2 12.7 11.5 10.7 9.92½" 41 25.2 17.4 15.1 13.5 12.4 11.4 10.73" 48.7 29.9 22.6 18.9 16.5 14.8 13.4 12.43½" 54.9 28.2 22.6 19.2 17 15.2 14 13.14" 61.1 36.3 27.5 22.7 19.6 17.2 15.7 14.55" 74.8 45.5 33.6 27.3 22.9 20.3 18.4 16.66" 87.8 54.2 39.4 31 26.4 23.2 20.4 18.88" -- 66.4 47.9 38.4 31.3 27.5 24.8 22.610" -- 81.2 56.3 45.2 38.2 33.3 29.8 2712" -- 95.1 65.6 52.4 44.1 38.4 34.1 30.914" -- -- 76.1 59.7 49.7 42.8 37.8 3416" -- -- 86 67.3 55.8 47.9 42.3 3818" -- -- 95.8 74.8 61.9 53.1 46.7 41.920" -- -- -- 82.4 68 58.2 51.1 45.824" -- -- -- 97.4 80.1 68.4 59.9 53.530" -- -- -- 119.9 98.4 83.7 73.2 65.1

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複雑な配管向けデザインガイド自己制御型ヒーターケーブル用

8

ステップ3:適切なサーモンヒーターケーブルの選定ステップ1および2で収集した温度、電気および熱損失情報を下記の項目に適用して、用途のニーズに最適なサーモンの自己制御型ケーブルを決定します。表3.1では、サーモンの自己制御型ヒーターケーブル製品、BSX、RSX15-2、HTSX、およびVSXの様々な特長を比較しています。BSX、RSX15-2、HTSX、VSXのケーブル固有の性能については、7~10ページで詳しく説明しています。断熱処理された配管の熱損失が希望するケーブルの出力を超過する場合、次の点に注意する必要があります。 a)複数のケーブル経路を使用する、 b)出力が高いケーブルに切り替える、または c)保温材を厚くするか、「kファクター」の低い保温

材を使うことで熱損失を減らす(4ページの表2.1「代替保温材の乗数」を参照)。

温度要件 ステップ1で収集した温度情報を適用して、要件以上のケーブルを決定することができます。危険(分類対象)場所に施工する場合、異常事態でも安全な操作ができるよう、ヒーターケーブルが温度分類定格、T-レイティングも満たす必要があるかもしれません。電力密度(加熱)要件 使用可能な電力密度は、ケーブルごとに表示されています。これらの定格出力値は、120および240Vacで断熱処理(IEEEStd515の手順を使用)された金属配管にケーブルを施行する際、50°F (10°C)を維持するという条件に基づいています。自己制御ケーブルの熱出力は温度上昇時に下がるため、グラフ3.1~3.5を使用して保持温度における出力を決定してください。グラフの下軸で、特定のケーブルに対応する配管温度を見つけることから開始します。この温度が出力曲線と交わる点で、フィート当たりのワット数 (w/m)出力軸を読み、所定の温度におけるケーブルの熱出力を特定します。

電気的要件 ヒートトレースに使用できる電源システムにはいくつかのオプションがある場合があります。電圧が選択できる場合、通常の240Vac操作用に設計されたヒーターケーブル使用時にはより長い回路を使用できるため、ヒートトレース回路の全体数が減る可能性があります。同様に、ヒートトレースに通電する分岐回路ブレーカーの定格電流は、最大回路長、およびそれによりシステムに必要な回路数に影響を与える可能性があります。特定の最大回路長は、ブレーカーサイズと始動時温度に基づいて、表3.5と3.6 (BSXおよびRSX 15-2)、表3.9と3.12(HTSX)、および表3.16と3.17(VSX)に表示されています(「低温始動の影響」を参照)。120または240 Va c以外の電圧でヒーターケーブルに電力供給している場合、表3.3と3.4 (BSXおよびRSX 1 5 - 2 )、表3 . 8と3 . 1 1 ( H T S X )、および表3 . 1 4と 3 . 1 5 ( V S X ) を使って、 適切な乗数を特定します。この乗数を、グラフ3.1~3.4を使って確立した電力密度熱出力値に適用します。低温始動の影響 ヒートトレースシステムは、通常、目標とする保持温度で配管の内容物を保持するよう設計されていますが、ケーブルはそれよりも低温で電圧が定期的に印加される場合もあります。自己制御型ヒーターケーブルの設計では、低い温度で熱出力を増加させる必要があるため、所定の分岐回路ブレーカーの最大回路長を決定する際、ヒートトレース回路の始動時温度を考慮する必要があります。認定 すべてのサーモン自己制御型ヒーターケーブルは、一般(分類対象外)区域および危険(分類対象)場所での使用が認められています。具体的な認定情報については、製品仕様書、サーモンフォームTEP0067(BSX)、TEP0048 (RSX15-2)、TEP0074 (HTSX)およびTEP0008 (VSX)を参照してください。米国におけるクラスI、区域1用途については、フォームTEP0080(D1-BSX)、TEP0077 (D1-HTSX)、およびTEP0009(D1-VSX)を参照してください。

表3.1 適合性比較

BSX RSX 15-2 HTSX VSX

最高保持温度 150°F(65°C) 150°F(65°C) 250°F(121°C) 300°F(149°C)

最高耐熱温度 連続非通電時 間欠通電時

185°F(85°C) N/A

185°F(85°C) N/A

400°F(205°C) 420°F(215°C)

400°F(204°C) 450°F(232°C)

T-レイティング 3,5,8T6 10T5 T5 T2C-T3 T3

電力密度 w/ft@50°F(w/m@10°C)

3,5,8,10 (10,16,26,33)

15 (49)

3,6,9,12,15,20 (10,20,30,39,49,66)

5,10,15,20 (16,33,49,66)

スチームパージ許容 いいえ いいえ はい はい

誘電材料 ポリオレフィン ポリオレフィン フッ素樹脂 フッ素樹脂

金属編組の材質 錫メッキ銅 錫メッキ銅 錫メッキ銅 ニッケルメッキ銅

オーバージャケットの材質 ポリオレフィンまたは フッ素樹脂

ポリオレフィンまたは フッ素樹脂 フッ素樹脂 フッ素樹脂

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サーモン The Heat Tracing Specialists®

BSXおよびRSX 15-2自己制御型ヒーターケーブル 表3.2とグラフ3.1に示す出力は、120Vacおよび240Vacの場合に、金属配管に施工されたケーブルに適用されます。120または240Vac以外の電圧でヒーターケーブルが動作している場合、120Vac公称ケーブルの場合は表3.3、240Vac公称ケーブルの場合は表3.4を使用してください。

表3.2 120 Vac、240 Vac時のBSXとRSX 15-2の出力

グラフ3.1 120 Vac、240 Vac時のBSXとRSX 15-2の出力曲線

フィートあたりのワット数

(W/m

)

4 (13)

6 (20)

配管温度°F (°C)

0

2 (6)

8 (26)

12 (39)

10 (33)

表3.3 BSXの出力乗数 (110-130 Vac)

表3.4 BSXおよびRSX 15-2の出力乗数 (208-277 Vac)

ブレーカーサイズ 使用するブレーカーのアンペア数に対応する最大回路長について、表3.5と3.6に示します。ブレーカーの容量は、米国電気規程、カナダ電気規程または現地あるいは適用される地域の法令に準拠している必要があります。ここに示す回路長は、公称電圧が120 Vacおよび240Vacの場合のものです。出力は適用電圧によって変化しますが、回路長には大きな違いはありません。ただし、詳しい回路情報については、CompuTraceを使用してください。

表3.5 BSXの回路長とブレーカーサイズ (120 Vac)

表3.6 BSXおよびRSX 15-2の回路長とブレーカーサイズ (240 Vac)

BSX 10

BSX 8

BSX 5

BSX 3

RSX 15-216(52)

18(59)

カタログ番号 120 Vac公称

カタログ番号 240 Vac公称

出力 @ 50°F (10°C)

W/ft (m)

BSX3-1 BSX3-2 3(10)BSX5-1 BSX5-2 5(16)BSX8-1 BSX8-2 8(26)BSX10-1 BSX10-2 10(33)

-- RSX15-2 15(49)

カタログ番号動作電圧 (Vac)

110 115 120 130BSX3-1 0.90 0.93 1.0 1.07BSX5-1 0.92 0.96 1.0 1.08BSX8-1 0.91 0.96 1.0 1.08BSX10-1 0.92 0.96 1.0 1.08

カタログ番号動作電圧 (Vac)

208 220 240 277BSX3-2 0.87 0.90 1.0 1.13BSX5-2 0.88 0.92 1.0 1.12BSX8-2 0.89 0.93 1.0 1.12BSX10-2 0.89 0.93 1.0 1.12RSX15-2 0.89 0.93 1.0 1.12

120 Vac供給電圧 最大回路長とブレーカーサイズ ft (m)

20A 30A 40A カタログ

番号始動時 温度

°F (°C)

BSX3-1

50(10) 360(110) 360(110) 360(110)0(-18) 325(99) 360(110) 360(110)-20(-29) 285(87) 360(110) 360(110)-40(-40) 260(79) 360(110) 360(110)

BSX5-1

50(10) 240(73) 300(91) 300(91)0(-18) 205(62) 300(91) 300(91)-20(-29) 185(56) 275(84) 295(90)-40(-40) 165(50) 250(76) 265(81)

BSX8-1

50(10) 190(58) 240(73) 240(73)0(-18) 150(46) 225(69) 240(73)-20(-29) 135(41) 200(61) 240(73)-40(-40) 120(37) 180(55) 215(66)

BSX10-1

50(10) 160(49) 200(61) 200(61)0(-18) 110(34) 170(52) 200(61)-20(-29) 100(30) 150(46) 200(61)-40(-40) 90(27) 135(41) 180(55)

240 Vac供給電圧 最大回路長とブレーカーサイズ ft (m)

20A 30A 40A カタログ

番号始動時 温度

°F (°C)

BSX3-2

50(10) 725(221) 725(221) 725(221)0(-18) 650(198) 725(221) 725(221)-20(-29) 575(175) 725(221) 725(221)-40(-40) 515(157) 725(221) 725(221)

BSX5-2

50(10) 480(146) 600(183) 600(183)0(-18) 395(120) 590(180) 600(183)-20(-29) 350(107) 525(160) 590(180)-40(-40) 315(96) 475(145) 530(162)

BSX8-2

50(10) 385(117) 480(146) 480(146)0(-18) 285(87) 425(130) 480(146)-20(-29) 255(78) 380(122) 480(146)-40(-40) 230(70) 345(116) 430(131)

BSX10-2

50(10) 280(85) 400(122) 400(122)0(-18) 225(69) 340(104) 400(122)-20(-29) 200(61) 300(91) 400(122)-40(-40) 180(55) 275(84) 365(111)

RSX15-2

50(10) 205(63) 320(98) 380(116)0(-18) 145(45) 225(70) 315(97)-20(-29) 130(40) 200(62) 280(86)-40(-40) 120(36) 180(55) 250(77)

30(-1)

50(10)

70(21)

90(32)

11043)

130(54)

150(66)

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複雑な配管向けデザインガイド自己制御型ヒーターケーブル用

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表3.8 HTSXの出力乗数 (110-130 Vac)

表3.9 HTSXの回路長とブレーカーサイズ (120 Vac)

120 VACで通電時の HTSX自己制御型ケーブル 公称電圧120VacのHTSXケーブルの出力および温度/出力曲線を表3.7とグラフ3.2に示します。その他の電圧については、表3.8を使用してください。電圧110~130 Vacで通電される120 Vac HTSXについて、表3.9に示す最大推奨回路長には大きな違いはありません。ただし、詳しい回路情報については、CompuTraceを使用してください。

表3.7 120 Vac時のHTSXの出力

グラフ3.2 120 Vac時のHTSXの出力曲線

フィートあたりのワット数

(W/m

)

6(20)

9(30)

配管温度°F (°C)

0

3(10)

12(39) HTSX 12

HTSX 9

HTSX 6

HTSX 3

HTSX 15

HTSX 20

120 VACでのHTSXのブレーカーサイズ使用するブレーカーのアンペア数に対応する最大回路長について、表3.16と3.17に示します。ブレーカーの容量は、米国電気規程、カナダ電気規程または現地あるいは適用される地域の法令に準拠している必要があります。ここに示す回路長は、公称電圧が120 Vacおよび240Vacの場合のものです。出力は適用電圧によって変化しますが、回路長には大きな違いはありません。ただし、詳しい回路情報については、CompuTraceを使用してください。

カタログ番号 120 Vac公称

出力 @ 50°F (10°C)

W/ft (m)

HTSX3-1 3(10)

HTSX6-1 6(20)

HTSX9-1 9(30)

HTSX12-1 12(39)

HTSX15-1 15(49)

HTSX20-1 20(66)

カタログ番号動作電圧 (Vac)

110 115 120 130HTSX3-1 0.83 0.90 1.0 1.13

HTSX6-1 0.88 0.93 1.0 1.12

HTSX9-1 0.90 0.95 1.0 1.10

HTSX12-1 0.91 0.96 1.0 1.08

HTSX15-1 0.93 0.97 1.0 1.07

HTSX20-1 0.94 0.97 1.0 1.05

120 Vac供給電圧 最大回路長とブレーカーサイズ ft (m)

20A 30A 40A カタログ

番号始動時 温度

°F (°C)

HTSX3-1

50(10) 360(109) 360(109) 360(109)0(-18) 360(109) 360(109) 360(109)-20(-29) 360(109) 360(109) 360(109)-40(-40) 360(109) 360(109) 360(109)

HTSX6-1

50(10) 235(71) 250(77) 250(77)0(-18) 235(71) 250(77) 250(77)-20(-29) 235(71) 250(77) 250(77)-40(-40) 235(71) 250(77) 250(77)

HTSX9-1

50(10) 170(52) 205(62) 205(62)0(-18) 170(52) 205(62) 205(62)-20(-29) 170(52) 205(62) 205(62)-40(-40) 165(50) 205(62) 205(62)

HTSX12-1

50(10) 135(41) 175(54) 175(54)0(-18) 135(41) 175(54) 175(54)-20(-29) 135(41) 175(54) 175(54)-40(-40) 125(38) 175(54) 175(54)

HTSX15-1

50(10) 100(30) 160(48) 160(49)0(-18) 95(29) 150(46) 160(49)-20(-29) 90(27) 145(44) 160(49)-40(-40) 85(26) 135(41) 160(49)

HTSX20-1

50(10) 85(26) 130(40) 140(42)0(-18) 80(24) 120(37) 140(42)-20(-29) 75(23) 115(35) 140(42)-40(-40) 70(21) 110(33) 140(42)

15(49)

18(59)

21(69)

0(-18)

50(10)

100(38)

150(66)

200(93)

250(121)

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11

サーモン The Heat Tracing Specialists®

表3.11 HTSXの出力乗数 (208-277 Vac)

表3.12 HTSXの回路長とブレーカーサイズ (240 Vac)

240 VACでのHTSXのブレーカーサイズ使用するブレーカーのアンペア数に対応する最大回路長について、表3.16と3.17に示します。ブレーカーの容量は、米国電気規程、カナダ電気規程または現地あるいは適用される地域の法令に準拠している必要があります。ここに示す回路長は、公称電圧が120 Vacおよび240Vacの場合のものです。出力は適用電圧によって変化しますが、回路長には大きな違いはありません。ただし、詳しい回路情報については、CompuTraceを使用してください。

240 VACで通電時の HTSX自己制御型ケーブル 公称電圧240VacのHTSXケーブルの出力および温度/出力曲線を表3.10とグラフ3.3に示します。その他の電圧については、表3.11を使用してください。電圧208~277 Vacで通電される240 Vac HTSXについて、表3.12に示す最大推奨回路長には大きな違いはありません。ただし、詳しい回路情報については、CompuTraceを使用してください。

表3.10 240 Vac時のHTSXの出力

グラフ3.3 240 Vac時のHTSXの出力曲線

フィートあたりのワット数

(W/m

)

配管温度°F (°C)

HTSX 3

HTSX 6

HTSX 9

HTSX 12

HTSX 15

HTSX 20

カタログ番号 240 Vac公称

出力 @ 50°F (10°C)

W/ft (m)

HTSX3-2 3(10)

HTSX6-2 6(20)

HTSX9-2 9(30)

HTSX12-2 12(39)

HTSX15-2 15(49)

HTSX20-2 20(66)

カタログ番号動作電圧 (Vac)

208 220 240 277HTSX3-2 0.80 0.87 1.0 1.27

HTSX6-2 0.78 0.87 1.0 1.25

HTSX9-2 0.82 0.89 1.0 1.18

HTSX12-2 0.84 0.91 1.0 1.15

HTSX15-2 0.88 0.93 1.0 1.11

HTSX20-2 0.93 0.97 1.0 1.05

240 Vac供給電圧 最大回路長とブレーカーサイズ ft (m)

20A 30A 40A カタログ

番号始動時 温度

°F (°C)

HTSX3-2

50(10) 710(217) 710(217) 710(217)0(-18) 700(214) 710(217) 710(217)-20(-29) 615(187) 710(217) 710(217)-40(-40) 530(162) 710(217) 710(217)

HTSX6-2

50(10) 470(143) 505(154) 505(154)0(-18) 435(132) 505(154) 505(154)-20(-29) 390(120) 505(154) 505(154)-40(-40) 355(108) 505(154) 505(154)

HTSX9-2

50(10) 340(104) 410(125) 410(125)0(-18) 310(95) 410(125) 410(125)-20(-29) 290(88) 410(125) 410(125)-40(-40) 265(81) 410(125) 410(125)

HTSX12-2

50(10) 270(82) 355(109) 355(109)0(-18) 245(74) 355(109) 355(109)-20(-29) 230(70) 355(109) 355(109)-40(-40) 215(65) 340(104) 355(109)

HTSX15-2

50(10) 200(61) 315(96) 315(96)0(-18) 175(53) 275(84) 315(96)-20(-29) 165(51) 260(79) 315(96)-40(-40) 155(48) 245(74) 315(96)

HTSX20-2

50(10) 155(48) 245(75) 275(84)0(-18) 140(42) 215(65) 275(84)-20(-29) 130(40) 205(62) 275(84)-40(-40) 125(38) 190(59) 265(80)

6(20)

9(30)

0

3(10)

12(39)

15(49)

18(59)

21(69)

0(-18)

50(10)

100(38)

150(66)

200(93)

250(121)

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複雑な配管向けデザインガイド自己制御型ヒーターケーブル用

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VSX自己制御型ヒーターケーブル 表3.13とグラフ3.4に示す出力は、120 Vacおよび240Vacの場合に、金属配管に施工されたケーブルに適用されます。120または240Vac以外の電圧でヒーターケーブルが動作している場合、120Vac公称ケーブルの場合は表3.14、240 Vac公称ケーブルの場合は表3.15を使用してください。

表3.13 120 Vac、240 Vac時のVSXの出力

グラフ3.5 120 Vac、240 Vac時のVSXの出力曲線

フィートあたりのワット数

(W/m

)

10(33)

15(49)

配管温度°F (°C)

VSX 20

VSX 5

0

5(16)

20(66)

VSX 10

VSX 15

表3.14 VSXの出力乗数 (110-130 Vac)

表3.15 VSXの出力乗数 (208-277 Vac)

ブレーカーサイズ使用するブレーカーのアンペア数に対応する最大回路長について、表3.16と3.17に示します。ブレーカーの容量は、米国電気規程、カナダ電気規程または現地あるいは適用される地域の法令に準拠している必要があります。ここに示す回路長は、公称電圧が120 Vacおよび240Vacの場合のものです。出力は適用電圧によって変化しますが、回路長には大きな違いはありません。ただし、詳しい回路情報については、CompuTraceを使用してください。

表3.16 VSXの回路長とブレーカーサイズ (120 Vac)

表3.17 VSXの回路長とブレーカーサイズ (240 Vac)

カタログ番号 120 Vac公称

カタログ番号 240 Vac公称

出力 @ 50°F (10°C)

W/ft (m)

VSX5-1 VSX5-2 5(16)VSX10-1 VSX10-2 10(33)VSX15-1 VSX15-2 15(49)VSX20-1 VSX20-2 20(66)

カタログ番号動作電圧 (Vac)

110 115 120 130VSX5-1 0.88 0.94 1.0 1.12VSX10-1 0.91 0.95 1.0 1.09VSX15-1 0.93 0.97 1.0 1.06VSX20-1 0.94 0.97 1.0 1.05

カタログ番号動作電圧 (Vac)

208 220 240 277VSX5-2 0.82 0.88 1.0 1.22VSX10-2 0.86 0.92 1.0 1.14VSX15-2 0.90 0.94 1.0 1.09VSX20-2 0.92 0.96 1.0 1.07

120 Vac供給電圧 最大回路長とブレーカーサイズft (m)

20A 30A 40A 50A カタログ

番号始動時 温度

°F (°C)

VSX5-1

50(10) 205(63) 335(102) 335(102) 335(102)0(-18) 205(63) 335(102) 335(102) 335(102)-20(-29) 195(60) 335(102) 335(102) 335(102)-40(-40) 185(56) 315(97) 335(102) 335(102)

VSX10-1

50(10) 135(41) 220(66) 265(80) 265(80)0(-18) 135(41) 220(66) 265(80) 265(80)-20(-29) 125(38) 210(63) 265(80) 265(80)-40(-40) 115(36) 190(58) 265(80) 265(80)

VSX15-1

50(10) 100(30) 160(48) 235(71) 235(71)0(-18) 100(30) 160(48) 235(71) 235(71)-20(-29) 95(29) 155(47) 230(70) 235(71)-40(-40) 90(27) 145(44) 215(65) 225(69)

VSX20-1

50(10) 70(21) 105(32) 150(45) 200(62)0(-18) 60(18) 90(28) 125(39) 170(52)-20(-29) 55(17) 85(26) 120(36) 160(48)-40(-40) 50(16) 80(25) 110(34) 150(45)

240 Vac供給電圧 最大回路長とブレーカーサイズft (m)

20A 30A 40A 50A カタログ

番号始動時 温度

°F (°C)

VSX5-2

50(10) 415(126) 685(209) 685(209) 685(209)0(-18) 415(126) 685(209) 685(209) 685(209)-20(-29) 395(120) 685(209) 685(209) 685(209)-40(-40) 365(112) 630(193) 685(209) 685(209)

VSX10-2

50(10) 270(82) 435(133) 565(172) 565(172)0(-18) 255(78) 420(128) 565(172) 565(172)-20(-29) 235(72) 385(117) 565(172) 565(172)-40(-40) 220(66) 350(107) 535(163) 565(172)

VSX15-2

50(10) 200(61) 315(97) 465(142) 530(161)0(-18) 175(53) 275(84) 405(123) 525(161)-20(-29) 165(50) 260(79) 375(115) 485(148)-40(-40) 155(48) 245(75) 355(108) 450(138)

VSX20-2

50(10) 145(45) 230(70) 325(99) 405(124)0(-18) 125(39) 195(60) 275(84) 375(114)-20(-29) 120(37) 185(56) 260(79) 350(106)-40(-40) 115(34) 175(53) 245(75) 325(100)

50(10)

100(38)

150(66)

200(93)

250(121)

300(149)

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ステップ4:ヒートトレースの回路長の決定ヒートトレースの回路長はいくつかの条件に基づいていますが、これらは同時に考慮する必要があり、次のようなものが含まれます: •選択したヒーターケーブル(種類および電力密度) •配管の長さ(追加許容値を含む) •動作電圧 •使用可能な分岐回路ブレーカーサイズ •予想始動時温度 •最大許容回路長ステップ3で、使用可能な分岐回路ブレーカーサイズと始動時温度に基づいたケーブルタイプ、電力密度、動作電圧および最大回路長が決定されました。今度はこの情報に基づいて、用途ごとの回路長を決定することができます。各ヒートトレース回路には、様々なスプライスと端末部処理を行うための追加ヒーターケーブルが必要です。バルブ、ポンプ、その他の装置およびパイプサポートに余剰な熱を提供して、これらの品目に関連して増加した熱損失を相殺するためにも、追加のヒーターケーブルが必要となります。次のガイドラインを使って、必要な追加ケーブルの量を決定してください。

例:吐き出し管は、フランジ配管と装置を通して貯蔵タンクに製品を排出します。管の特徴:配管長 60' 配管径 4" パイプサポート 8@6"(ウェルデッド) ポンプ 直径1—4" バルブ 直径2—4"この例をヒートトレースするために必要なヒーターケーブルの量(一回通過と仮定)は次の通りです: 品目 必要なケーブル 配管=60' 60' パイプサポート=(6"x2)+15"=27"x8 18' ポンプ=1x10'(表4.1) 10' バルブ=2@5'(表4.1) 10' 電源部処理 1' 必要なケーブル合計 99'

表4.1 バルブおよびポンプの許容値 1

•電源部処理 各ヒーター回路につき2'(61cm)のケーブルを追加できます。

•スプライス 部品の各ヒーター回路につき2'(61cm)のケーブルを追加できます。(例えば、各インラインスプライス接続には4'(122cm)、Tスプライス接続には6'(183cm)を使用できます。)

•パイプサポート断熱処理されたパイプサポートには、追加のヒーターケーブルは必要ありません。断熱処理がされていないサポートの場合、パイプサポートの長さの2倍に15"(40cm)の ヒーターケーブルを足した長さが許容されます。

•バルブおよびポンプ表4.1の許容値を使用します。

電源部処理

スプライス

パイプサポート

配管 サイズ

バルブ許容値 ポンプ 許容値 フランジ

許容値ネジまたは ウェルデッド フランジ バタフ

ライ ネジ

½" 1' 1' N/A 1' 1'¾" 1' 2' N/A 2' 2'1" 1' 2' 1' 2' 2'1¼" 1' 2' 1' 2' 2'1½" 2' 3' 2' 3' 2'2" 2' 3' 2' 4' 2'3" 3' 4' 3' 7' 2'4" 4' 5' 3' 10' 3'6" 7' 8' 4' 16' 3'8" 10' 11' 4' 22' 4'10" 13' 14' 4' 28' 4'12" 15' 17' 5' 33' 5'14" 18' 20' 6' 39' 6'16" 22' 23' 6' 46' 6'18" 26' 27' 7' 54' 7'20" 29' 30' 7' 60' 7'24" 34' 36' 8 72' 8'30" 40' 42' 10' 84' 10'

注1.ここに示すバルブ許容値は、バルブに施工された追加ケーブルの合計長です。複数のトレーサーが使用されている場合は、合計バルブ許容値が個々のトレーサーによって分割される可能性があります。合計バルブ許容値は、ヒートトレース回路の複数バルブに対してトレーサー間で変化する可能性があります。許容値は150ポンドのバルブを想定しています。定格が高いバルブにはより長いケーブルが必要となります。プロジェクトごとの許容値については、ヒートトレースアイソメトリック図面を参照してください。

最短3" 最短3"

サポート

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ステップ5:オプション/アクセサリーの選択サーモン自己制御型ヒートトレースシステムには通常、以下の部品が含まれます。1.BSX/RSX、HTSXまたはVSX自己制御型ヒーターケーブル(適切なケーブルについてはステップ3を参照してください)。

2.ターミネーターまたはPCA電源部処理キット(1本、2本または3本のケーブルを電源に接続可能)。

3.ターミネーターまたはPCS中間接続/Tスプライスキット(2本または3本のケーブルを接合)。

4.ターミネータービーコンまたはETケーブル端末部処理。5. FT-1LまたはFT-1H固定用テープ(ケーブルを配管に固定するには、12”間隔、または法令で指定の通りに貼付)。テープ要件を決定するには、表5.1「固定用テープの許容値」を参照してください。

6. CL「電気ヒートトレース」ラベル(剥離紙を剥がしてすぐに使用できるラベルを絶縁防湿材に10’間隔または法令で指定の通りに貼付)。

7.熱絶縁および防湿材(他社製品)。金属電源部処理キット(カタログ番号ECA-1-SR)および中間接続/Tスプライス接続キット(カタログ番号ECT-2-SR)もサーモンからお求めいただけます。詳しい情報については、SX™自己制御型ヒーターケーブルのシステムアクセサリー製品仕様書(フォームTEP0010)を参照してください。それぞれの自己制御ヒートトレース回路には、ターミネーター、PCAまたはECA電源部処理キット、PETK、ET-6またはET-8回路端末部処理キャップおよびFT-1LまたはFT-1H固定用テープが1つずつ必要です。必要なヒーターケーブルの配管径と合計長を基に必要なFT-1H固定用テープ2のロール数を計算するには、表5.1を参照してください。(表5.1は、配管の長さに沿って12"ごとに円周上に巻くことを前提にしています。)

表5.1 固定用テープの許容値(テープ1ロール当たりの配管長)

注• すべてのヒートトレースラインには熱絶縁が必要です。• すべての凍結防止と温度保持ヒートトレースの用途には、サーモスタット制御が推奨されます(15ページを参照)。

• 地絡保護装置がすべてのヒートトレース回路に必要です。

テープ長さ

配管径(インチ)½"-1" 1¼" 1½" 2" 3" 4" 6" 8" 10" 12" 14" 16" 18" 20" 24" 30"

108'ロール 130' 115' 110' 95' 75' 65' 50' 40' 35' 30' 26' 23' 21' 19' 16' 13'

180'ロール 215' 195' 180' 160' 125' 105' 80' 65' 55' 50' 43' 38' 35' 31' 27' 22'

5

43

7

1

2

6

4

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設計のヒントヒートトレースシステムを適切に操作し、初回ユーザーによく見られるエラーを回避するためには、次のヒントを参考にしてください。1.ヒートトレース配管が施設に入る際、配管温度を維持するために、ヒーターケーブルを約12" (305mm) 建物の内部に向けて延長する必要があります。これにより、熱絶縁の空隙や圧迫による温度降下を防ぐことができます。

2.地上の配管が地下に伸びる際も同様の状況となります。配管がある時点で凍結線を下回り、それにより凍結から保護される可能性はあるものの、表面(等級)と凍結線間の距離は保護する必要があります。これは、通常の水位線上で端末処理が行われたヒーターケーブルでループを作成することにより実現できます。用途が温度保持である場合、周辺環境の違いにより、等級を上回る部分と下回る部分を別の回路として制御する必要があります。

3.凍結防止用途に、短いブランチラインが接続されたメインラインがある場合、メインラインのヒーターケーブルはブランチラインでループできます(2回通し)。これにより、Tスプライスキットを施工する必要がなくなります。

4.すべてのヒーターケーブル電源部処理点は、配管に固定する必要があります。ヒーターケーブルは、空中を通って隣接する配管に連結してはいけません。代わりに、コンジットに相互接続した複数の電源部処理キットと現場配線を 使います。

サーモスタット制御設計および選定プロセスにおける5つのステップにより、ユーザーは、複雑な配管に対する自己制御型ヒートトレースシステムの設計、選定、指定に必要となる詳細な情報を理解することができますが、ある種の制御が必要となるのが一般的です。必要となる制御の種類と洗練度は、ヒートトレース対象となる配管の用途によってまったく異なります。自己制御型ヒーターケーブルは、さまざまな設計条件下で温度制御を使用せずに作動できますが、通常はある種の制御方法が使用されます。そのなかでも最も一般的な2つの方法は外気温検知とライン検知です。それぞれの方法ごとに利点があり、その中にも様々なオプションがあります。外気温検知 調整可能なサーモスタットで、曝露環境での設置を想定して設計されており、外気温を感知します。この温度が設定点を下回ると、一連の接触点が閉じて、ヒーターケーブルに電力供給します。ヒーター回路の電気負荷がサーモスタットスイッチの定格を上回る場合、機械式接触器を使用することができます。何十個ものヒートトレース回路に通電する配電パネル全体に、外気温検知サーモスタット経由で電力供給することができます。電気ヒートトレース回路の外気温検知制御の主な用途は、水および水溶液の凍結防止(冬季装備)です。凍結防止のために外気温検知制御を使う利点は、直径と保温材の厚さが様々な配管を1つの回路で制御できるという点です。外気温検知制御でヒートトレースを制御することにより、ヒートトレースされた配管の状態(流れている/いない)を考慮する必要がなくなります。ライン検知 自己制御型ケーブルは周囲の条件に合わせて熱出力を自己調整しますが、ヒートトレースの最もエネルギー効率がよい制御方法はライン検知サーモスタットです。これは、流れている配管は、適温に保つために熱を加える必要がないためです。配管システムにはT字があり、つまり複数の流路があるため、複数のサーモスタットが必要となる可能性があります。サーモスタットが複数必要となる状況には次のようなものが考えられます: •配管の直径または保温材の厚さが様々に異なる。 •地上/地下への移動や屋内/屋外への移動など、外気

条件が変化する。 •相互接続した配管内に、流れているまたは流れてい

ないという異なる状態が存在する。 •温度に敏感な製品が関与する用途。

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次のワークシートを使って、情報を特定の用途に適用します。

ステップ1:設計パラメータの確立関連プするプロジェクトデータの収集:

配管に関する情報 回路番号 直径 長さ 材質1

電気的情報 動作電圧 ブレーカー容量 電気区分

保温材に関する情報 種類 厚さ 大型(ケーブルに対応)はい いいえ

温度に関する情報 低外気温 始動時温度 保持温度 高温温度保持

装置に関する情報回路番号 数量 直径 概要2 種類3

ステップ2:熱損失の決定表2.2~2.7の使用最低外気温度と保持温度の温度差 (∆T)に基づいて表を選択します。 回路番号 表/使用したΔT 熱損失

注1.非金属配管を使用する場合は、サーモンまでお問い合わせください。2.装置の種類(バルブ、ポンプ、ストレーナーなど)3.フランジ、ウェルデッドまたはネジ。

ステップ3:適切なサーモンヒーターケーブルの選定基準: •保持温度 •耐熱温度 •保持温度での必要出力 回路番号 選定したケーブル 電力密度

保温補正因子を 表2.1から適用する回路番号 熱損失 乗数 補正された熱損失

x =

x =x =

x =

設計ワークシート

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ステップ4:ヒートトレースの回路長の決定次に対して十分な長さ:

配管長サポート (2x長さ+15")xサポート数

装置バルブポンプその他

端末部処理/スプライス電源部処理 (回路当たり1')インラインスプライス (スプライス当たり3'xスプライス数)Tスプライス (スプライス当たり3'xスプライス数)ケーブル合計長回路当たりのケーブル合計長が、ブレーカーサイズと始動時温度に基づいて選定したケーブルタイプと電力密度の上限を超えないようにしてください。

ステップ5:オプション/アクセサリーの選択電源部処理/スプライスキットターミネーター非金属キットは、一般区域およびディビジョン2の危険区域に対して認可されています。このキットは、最大サービス温度定格が482°F (250°C)です。TracePlus™非金属キットは、一般区域およびディビジョン2の危険区域に対して認可されています。このキットは、最大サービス温度定格が400°F(204°C)です。ターミネーターDP、TracePlus PCA-HまたはTracePlus PCA-Vは、自己制御型ヒーターケーブル3本までの端末部を電源接続用に処理し、インラインまたはTスプライス接続キットとして使用することを目的として設計されています。ターミネーターDS/DE、TracePlus PCS-HまたはTracePlus PCA-Vは、アクセスしやすい保温材外スプライスのために設計されています。ターミネーターDE-B、DL、TracePlus VIL-6HまたはTracePlus VIL-6Vは、加圧されたヒーター回路を視覚的に示すよう設計されています。

設計ワークシート(続き)

回路 番号

キットの種類

電源部処理 スプライス 端末部処理

合計

サーモンの金属アクセサリーは、一般区域およびディビジョン2の危険区域に対して認可されています。キットでは、エポキシ樹脂塗装アルミニウムの接続ボックスとエクスペディターを利用します。ECA-1-SRは、自己制御型ヒーターケーブル1~2本の端末部を電源接続用に処理する、または2本のケーブルを接合することを目的として設計されています。ECA-2-SRは、自己制御型ヒーターケーブル3本までの端末部を電源接続用に処理する、または3本のケーブルを接合することを目的として設計されています。VIL-4C-SRは、加圧されたヒーター回路を視覚的に示すよう設計されています。PETKキットは、SXヒートトレース回路の両端末部を適切に処理するために設計されています。ET-6CおよびET-8C端末部処理キットは、SXヒートトレース回路の端末部(電源から離して)を適切に処理するために設計されています。電源部処理、スプライスおよび端末部処理キット:

回路番号

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次のサンプル仕様は、複雑な配管システムで自己制御型ヒーターケーブルの使用を指定する際に、適切なガイドラインを設けるためのツールをユーザーに提供するためのものです。この仕様とその他の仕様の印刷版および電子版をサーモンから入手していただけます。

第1部 一般配管ヒートトレースに特化してFactoryMutualResearch(FM)、UnderwritersLaboratoriesInc.および/またはカナダ規格協会(CSA)によって認可されたヒーターと部品の完全なシステムを設計、提供および施工します。ヒートトレースシステムは、次の規約および標準の該当要件の最新版に準拠するものとします。 •米国電気工事規程(NEC/NFPA70) •米国全国防火協会(NFPA) •米国労働安全衛生法(OSHA) •米国全国電機製造業者協会(NEMA) •米国規格協会(ANSI) •米国電気電子技術者協会(IEEE) •すべての該当する現地規約および標準

第2部 設計1.装置、材質および施工は、関与するエリアの電気区分に適合しているものである必要があります。エリアの境界線を特定するためのエリア区分図を使用する必要があります。

2.熱損失を決定する際には、最低安全率10%を使用するものとします。

3.熱損失計算には、ヒーターケーブルのための空間を確保するため熱絶縁が大型であるかもしれないということを考慮するものとします。

4.配管のヒーターケーブルの長さには、フランジ、ポンプ、バルブ、パイプサポート/ハンガー、ベント/ドレーン、および機器を含むがそれに限定されないすべてのインライン部品上のケーブルを含みます。

第3部 製品このプロジェクトで使用されているヒーターケーブルは、自己制御型であり、温度変化およびトレースされる配管の長さに対応して出力が変わってきます。ヒートトレース外注業者は、設計および動作環境要件に基づいて所定の用途のために使用されるヒーターケーブルの種類の選定を行う責任があります。次の自己制御型ヒーターケーブルは、このプロジェクトでの使用が認められています。

低温1.自己制御型ヒーターケーブル設計は、非通電時に最高

150°F(65°C)のプロセス温度と185°F(85°C)での連続暴露を維持できる必要があります。

2.ケーブルは、施工条件に合わせて希望する長さに切断することができ、連続ヒーター回路を形成する必要があります。

3.ヒーターケーブルは、連続マトリクス発熱体を形成する半導性高分子核に埋め込まれた2本の平行16AWGのニッケルメッキ銅製母線で構成されているものとします。ポリエチレン誘電層間絶縁ジャケットは、発熱体核上に押し出されます。

4.基礎ケーブルは、錫メッキ銅の金属編組で覆われているものとします。編組は、公称被覆率80%を提供します。

5.錫メッキ銅の編組ケーブルは、耐食ポリエチレン(含水無機化学物質に接触する場合)またはフッ素樹脂(有機化学物質または腐食剤に接触する場合)のオーバージャケットでさらに覆うものとします。

6.長期的安定性は、IEEEStd515に従った耐用年数性能試験によって確保されます。

中温1.自己制御型ヒーターケーブル設計は、通電時に最高250°F(121°C)の処理温度と420°F(215°C)に対する間欠暴曝露、および非通電時に400°F(204°C)連続パイプライン耐熱温度を維持できる必要があります。

2.ケーブルは、施工条件に合わせて希望する長さに切断することができ、連続ヒーター回路を形成する必要があります。

3.ヒーターケーブルは、連続マトリクス発熱体を形成する半導性高分子核に埋め込まれた2本の平行16AWGのニッケルメッキ銅製母線で構成されているものとします。フッ素樹脂誘電層間絶縁ジャケットは、発熱体核上に押し出されます。

4.基礎ケーブルは、錫メッキ銅の金属編組で覆われているものとします。編組は、公称被覆率80%を提供します。

5.錫メッキ銅の編組ケーブルは、耐食フッ素樹脂のオーバージャケットでさらに覆うものとします。

6.長期的安定性は、IEEEStd515に従った耐用年数性能試験によって確保されます。

高温1.自己制御型ヒーターケーブル設計は、通電時に最高300°F(149°C)の処理温度と450°F(232°C)に対する間欠暴曝露、および非通電時に400°F (204°C)連続耐熱温度を維持できる必要があります。

一般仕様

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2.ケーブルは、施工条件に合わせて希望する長さに切断することができ、連続ヒーター回路を形成する必要があります。

3.ヒーターケーブルは、連続マトリクス発熱体を形成する半導性高分子核に埋め込まれた2本の平行14AWGのニッケルメッキ銅製母線で構成されているものとします。高温フッ素樹脂誘電層間絶縁ジャケットは、発熱体核上に押し出されます。

4.基礎ケーブルは、ニッケルメッキ銅の金属編組で覆われているものとします。編組は、公称被覆率80%を提供します。

5.錫メッキ銅の編組ケーブルは、耐食フッ素樹脂のオーバージャケットでさらに覆うものとします。

6.長期的安定性は、IEEEStd515に従った耐用年数性能試験によって確保されます。

第4部 施工1.適切な施工とレイアウト方法については、製造元の施工要領書とデザインガイドを参照してください。これらの施工要領書に従わなかった場合は、性能が意図した目的から外れる恐れがありますのでご注意ください。

2.すべての施工と端末処理は、NECおよびその他すべての該当する国内または現地規制要件に準拠している必要があります。

3.すべてのヒートトレース回路には、該当する規制および標準に準拠した装置の地絡保護が搭載されている必要があります。

4.ヒーターケーブルは、螺旋重ねなしの1回通しで配管に施工することが推奨されます。断熱処理された配管の熱損失がケーブルの出力を超過した場合、所有者の技術者により螺旋重ねの許可承認を受けない限り、通す回数を追加する必要があります。

5. ヒーターケーブルは、最大1フィート(30cm)間隔で配管に取り付ける必要があります。

6.ヒーターケーブルは、ヒーターケーブルを切断せずにすべてのインラインデバイスと装置を簡単に取り外して再施工できる方法で施工する必要があります。

7.機械的破損を防ぐために、ヒーターケーブルはできるだけ水平配管を四分割した下の部分に施工するものとします。ケーブルは、45°と90°すべての配管エルボーの外側半径に位置づけます。

第5部 テスト1.ヒーターケーブルは、ヒーターケーブル母線とヒーターケーブルの金属編組との間で、メグオームメーター(メガー)を使ってテストを実施する必要があります。2,500Vdcメガーテストが推奨されますが、テストの最低許容レベルは500Vdcです。このテストは、次の時点で最低3回行う必要があります:a.ケーブルがリールに巻きついた状態で、施工前。b.ヒーターケーブルの施工と回路組立キット(スプライスキットを含む)の完了後、ただし熱絶縁の施工前。

c.熱絶縁の施工後、ただし電源接続前。2.回路長に関係なく、メガー測定値の最低許容レベルは20MΩです。

3.メガー測定の結果は、記録して建築管理者に提出する必要があります。

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