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2016年10月7日発行
第126号
講演会
製造技術 イノベーション 協議会ニュース
第1回3次元積層造形精密後加工技術WG講演会
第30回精密加工プロセス研究会講演会
(第9回ワイドバンドギャップ半導体デバイスに関わる
超精密加工プロセス研究会講演会)
開催報告
日時:平成27年11月13日(金) 13:10~17:05
会場:リファレンス駅東ビル 3階会議室H (福岡市博多区博多駅東1丁目16-14)
主催:産総研コンソーシアム「製造技術イノベーション協議会(旧:計測・診断システム研究協議会)」
精密加工プロセス研究会、精密加工プロセス研究会 3次元積層造形精密後加工技術WG
共催:ワイドバンドギャップ半導体デバイスに関わる超精密加工プロセス研究会
九州半導体・エレクトロニクスイノベーション協議会
第1部 第1回3次元積層造形精密後加工技術WG講演会
「脚光を浴びる新特殊技術による精密加工プロセスと3Dプリンティング後処理加工」
今年度の精密加工プロセス研究会は、新しい特殊加工技術を追究しながらこれまでの経緯を踏
まえて新たなビジネスチャンスの具現化を目指す段階に入っている。
今回は、前回設立された医療に関わる3Dプリンティングの後処理加工に関するワーキンググ
ループ(WG)の活動の進捗状況を報告していただいた。さらに、本研究会における新しい特殊加
工技術としての高効率研磨を目指す研磨パッド工具技術、レーザによる面取り加工、そして三次
元実装やMEMSに応用できる基板接合技術について、応用事例と今後の課題等について、その分野
の権威である方々から将来動向を展望していただいた。
【進捗報告】「これまでのWGの取組みとその概要」
ニッタ㈱ 技術顧問(3次元積層造形精密後加工技術WG 幹事) 木下 正治
要旨:今年の7月24日にWGが正式設立されてから、2回の勉強会を開催した。第1回目は7月31
日で6社11名の参加があり、主にWG設立の趣旨説明を行った。実質的な勉強会は9月24日の
第2回目からになる。この時には、20社30名と官学5名の参加者があり、本WGへの関心の高
さが見られた。
第2回勉強会では、3D Printing装置の概要とその適用状況、効果などの紹介と、3D造形品の後
加工への適用の参考となる加工技術のtutorialを行った。加工では、研磨加工、噴射加工、5軸NC
切削加工などの現状を紹介した。(次頁に講演抜粋)
講演会
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【講演1】 「産業分野における3Dプリンタの活用状況とその課題
~安価で、内部構造が見やすい臓器立体模型の製作~」
大日本印刷(株) 技術開発センター プリメディア研究所 グループリーダー 林 卓治
要旨: 2013年の低価格な3Dプリンタの出現以降、産業分野では3Dプリンタの活用範囲が大きく広がっている。
特に医療分野への展開は大きく期待されており、大日本印刷では2015年7月に筑波大学と共同で新しい臓器立体模
型を開発された。
今回は、開発に至るプロセスを紹介する中で、3Dプリンタが抱える課題についてもご報告いただいた。
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【講演2】「3D後処理を意識した研磨機構解析と関連する計測技術」
名古屋大学大学院 工学研究科 機械理工学専攻 准教授 鈴木 教和
要旨:積層造形物の後処理として研磨加工を適用し、むらなく効率的な加工を実現するには、研磨機構の特性をよ
く考慮した上で加工戦略を検討する必要が生じる。ここでは,半導体デバイス研磨における研磨機構解析の取り組
みについて紹介された。さらに、研磨特性に影響を与える要素として研磨パッドを取り上げ、半導体デバイス研磨
に用いられる研磨パッドの材料モデルと物性計測に関する取り組みについての紹介もしていただいた。
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本WG(3D後加工WG)の目的 3D Printingは造形の容易さから脚光を浴びており、今後ますま
す利用が拡大するものと期待されている。
しかしながら、造形後の後処理は人手に任されており、隠れた
課題となっている。
本WG(分科会)では3D printing造形品を3次元自由曲面モデル
として捉え、その形成技術・後処理技術の調査、研究を対象と
するものである。
特に造形物としては、まず、臓器造形モデルを取り上げ、その
後、技術成果を他の3D Printing造形物にも適用していくことを
目的としている。
今後の進め方
本WGはまだ発足したばかりであるので、こ
のような意見を参考にしながら、WGとして
の企画を行い、参加企業にとって有益な情報
を提供するとともに、3D Printing 後処理で
各社が抱えている課題を積極的に議論して、
解決策を見いだせるように運営していくこと
を考えている。
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第2部 第30回精密加工プロセス研究会講演会
【招待講演】 「オプトエレクトロニクスに欠かせない各種基板の
超精密研磨技術と最適工具の開発」
立命館大学 理工学部 機械工学科 教授 谷 泰弘
要旨: オプトエレクトロニクスにおいて使用されるシリコン基板、ガラス基板、サファイア基板などの高精度研磨技術につ
いて紹介がなされた。特に、それらの研磨特性を研磨工具による砥粒保持性の観点から改善するために、研磨工具に求
められる特性について説明し、それを実現した粗研磨用のラップ工具と鏡面研磨用の研磨パッドについてご紹介いただい
た。
【講演1】 「CO2レーザによるガラス板材の曲線切断と面取り技術のスマホへの応用」
ファインテック(株) 代表取締役社長 中川 考一
要旨: CO2レーザによるガラス板材の切断は、切断面にマイクロクラックを発生させず、ガラス自体の強度を低下させるこ
とのない、またクリーン環境を汚染することのない切断方法である。ロシアのコンドラチェンコ氏によってその原理が開発さ
れて以来、その将来性に大きな期待がかかっていた。 我々FOXCONN Groupは、この技術の活用開発に取り組み、曲線切
断と面取り加工技術の開発を行った。FOXCONN Groupでは、この技術を実際の生産に適用し始めたので、その内容をご
紹介いただいた。
面をとる
使用するレーザはこちらもCO2(波長10.6ミクロン)。レーザ光をある特定方向から特定の光学形状で照射することで、ガラス端面を熱膨張させ面取りすることが可能。
面取りされた面も鏡面。強度の低下は見られない
03-5735-0888 www.fine-tech.co.jp
ガラス面取り部
ガラス平面部
洗浄不要クリーンプロセス
曲げ強度維持
研削と異なりガラス粉(カレット)の発生はない。面取りカスは糸状になり、簡単に除去可能。面取り後の洗浄工程も不要。
面取り後のC面内にもクラックの発生はなく鏡面。そのためガラス板本来の曲げ強度を維持している。
研削加工で面取りしたガラスの断面
CO2レーザ加工で面取りしたガラスの断面
クラック
CO2レーザでクラックレスの面取りが可能に!
クラックレス
コストダウン洗浄工程不要。更には砥石を使わないため、ランニングコストの大幅なダウン。
CO2レーザを使ったガラスの切断方法の原理
長さ1mm程度の初期クラックをダイヤモンドや超硬刃でつける。
このクラックにレーザ光を照射。CO2レーザの10.6ミクロンの波長はガラスを透過せず吸収され熱になる
するとガラスはレーザ光によって与えられた熱により、部分的に膨張しようとする。膨張する反力で、ガラス板上では圧縮応力が働く。
その直後に、水やガスによりガラス板を急冷することでクラックを成長させる。 ガラス板上では引張応力が働いている。
これを連続して行うことで、最終的にはガラス板を所定の形状に切断する。
①
②
③
④
⑤
⑥ ブレイク
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【特別講演】 「革新的三次元実装・MEMSデバイスを目指す大口径基板の
常温接合による界面創成技術
~さらなる応用分野を探索するために精密加工プロセスへ期待するもの~
東京大学 工学部 精密工学科 教授 須賀 唯知
要旨: 常温接合は、イオン衝撃による表面活性化と原子レベルの平滑化を組み合わせ、常温ないしは150℃以下の低温
での接合を実現する手法である。半導体の3D集積化、MEMSなどの電子デバイスや、太陽・燃料電池、パワーエレクトロニ
クスなどのエネルギー関連デバイスの製造プロセスとして、産業界からも期待されている。また、接合のみならず、接合部を
分離・剥離する可逆的接合も新しいデバイス製造のキーテクノロジとなりつつある。この新しい界面創成技術を中心に据え
た日本学術振興会産学協力委員会第191委員会がこの (編集注:平成27年) 10月1日発足した。この常温接合の現状と将
来動向をご紹介いただいた。
講演会のお知らせ
*「製造技術イノベーション協議会 第19回プラズマ技術研究会・第9回ミニマル3DICファブ開発研究会」 講演会
開催日時:平成28年10月25日(火)13:00~17:00
開催場所:リファレンス駅東ビル 3階会議室H
(福岡市博多区博多駅東1-16-14:JR博多駅筑紫口より徒歩約10分)
*「先端技術を事業に -産総研の橋渡しのご紹介-」 講演会
開催日時:平成28年10月21日(火)10:30~12:00
開催場所:北九州学術研究都市 産学官連携フェア 講演番号A-3
(北九州市若松区ひびきの 北九州学術研究都市:折尾駅西口より無料シャトルバスもしくは路線バスにて)
編集・発行: 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 九州産学官連携推進室内 製造技術イノベーション協議会事務局
〒841-0052 佐賀県鳥栖市宿町 807-1
公式HP: http://unit.aist.go.jp/kyushu/amic/index.html