防衛省大型機の民間転用構想について...平成22年4月23日...

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平成22年4月23日 川崎重工業株式会社 航空宇宙カンパニー 防衛省大型機の民間転用構想について 防衛省大型機の民間転用構想について 資料5-2

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Page 1: 防衛省大型機の民間転用構想について...平成22年4月23日 川崎重工業株式会社 航空宇宙カンパニー 防衛省大型機の民間転用構想について

平成22年4月23日

川崎重工業株式会社

航空宇宙カンパニー

防衛省大型機の民間転用構想について防衛省大型機の民間転用構想について

資料5-2

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目目 次次

1. 全般

2. XC-2 転用貨物機事業の構想2-1 XC-2転用貨物機の概要と他機との比較2-2 XC-2を転用することのメリット2-3 YCXの代表的な運用例2-4 YCXの特徴2-5 YCXの市場2-6 民間輸送機にするために必要な変更2-7 防衛省所有データ等の有効活用2-8 事業体制の例2-9 民転事業による波及効果2-10 事業化判断

3. XP-1開発成果の活用3-1 XP-1開発成果の活用①3-2 XP-1開発成果の活用②

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P-3C哨戒機

C-1輸送機

Embraer170

Boeing777

Boeing767

STOL実験機

Boeing787

1. 1. 全全 般般 :: 国産民間輸送機へ向けて国産民間輸送機へ向けて

国産民間輸送機へ向けて

弊社は、大型機を含む70年近くに及ぶ航空機の生産、開発を経て、数多くの航空機の根幹技術を練磨し、設計及び生産基盤を整備してきた。

現在、これらの経験を踏まえ、システムインテグレーション技術やデジタルフライバイワイヤ/フライバイライト技術等新技術を用いてXP‐1とXC‐2を開発し、その玉成に注力している。さらに、この経験を生かして、民間輸送機の世界に出ていきたいと構想している。

大型機の民間転用大型機の民間転用

大型官需機同時開発 XP-1&XC-2

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【XC-2転用貨物機】

•XC-2転用貨物機は、ほぼそのままの形で民間貨物機の市場に出せる可能性がある。•現段階では市場調査や、事業のスキーム、転用の具体的なやり方などについて、検討して準備中。•母機XC-2の開発完遂の目処が得られた後に、上記の検討の結果により事業化のGo/NoGoを判断。•民間機として改造設計、試作、試作機による飛行試験を経て型式証明を取得し市場投入。

【XP-1開発成果を活用した将来の民間機】

•XP-1をほぼそのまま転用した旅客機は市場性に乏しく、新規に近い大幅な設計変更が必要となり成立性が難しい。•ただし、将来の民間機の開発に際し、グラス・コックピット、フライバイライト操縦系統、低コスト軽量複合材尾翼などの開発成果適用が考えられる。

•相当の開発費が必要な事業であるため、今後もスタディを継続しつつ、まず、XC-2転用貨物機事業を実現させた後、事業化は慎重に判断する。

以上より、以上より、XCXC--22転用貨物機事業を先行的に取り組みたい。転用貨物機事業を先行的に取り組みたい。

1. 1. 全全 般般 :: 民間輸送機の構想民間輸送機の構想

••ほぼそのまま貨物機として転用する。ほぼそのまま貨物機として転用する。

••民間規格適合、民間運用対応のため、民間規格適合、民間運用対応のため、一部の改修等を行う。一部の改修等を行う。

XC-2 XC-2転用貨物機

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XP-1をほぼそのまま転用した旅客機の成立性は以下の点から難しい。

•エンジンXP-1は任務上の要求から小型エンジンの4発機であるが、旅客機化する場合は経済上の要求から双発機とする必要がある。双発とする場合、エンジンは1クラス上の推力の物に換装することとなる。また、エンジン取り付け構造も再設計となる。油圧系統、電気系統もエンジンの基数により系統設計が全面変更となる。

•主翼面積XP-1はその運用目的から、高速・高空性能と同時に低速・低空性能にも重点を置いている。このため、高速・高空巡航を主要な設計点としている旅客機としては主翼が過大であり、主翼面積を60%程度に縮小して再設計が必要である。

• 胴体構造XP-1は任務装備等のため、床下が非与圧であるが、旅客機は一般に床下を含む胴体全体を与圧する。このため、胴体構造を大幅に変更する必要がある。

1. 1. 全全 般般 :: (補足)(補足)XPXP--11転用旅客機の成立性転用旅客機の成立性

XP-1

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2. 2. XCXC--2 2 転用貨物機事業の構想転用貨物機事業の構想

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22--1 1 XCXC--22転用貨物機の概要と他機との比較転用貨物機の概要と他機との比較

•• YCXYCXははCC--130130ととCC--1717の中間の機体規模である。の中間の機体規模である。

•• 貨物輸送市場の拡大と共により大型の機体が求められる傾向であるため、貨物輸送市場の拡大と共により大型の機体が求められる傾向であるため、YCXYCXははCC--130130のの後継機に最適である。後継機に最適である。

•• A400MA400Mは機体規模、搭載能力がは機体規模、搭載能力がYCXYCXと競合。但しプロペラ機なので、と競合。但しプロペラ機なので、YCXYCXが高速性能に優れる。が高速性能に優れる。なお、同クラスでなお、同クラスでTCTC取得したランプ扉型機取得したランプ扉型機*は無い(は無い(2010.42010.4現在)現在)

*ランプ扉型機:後部に大型のランプ扉を有し、車両の自走搬入搬出を含む大型不定形貨物に対応出来る貨物輸送機

・全長 約44m・全幅 約44m・全高 約14m・離陸重量 約140ton

以下、XC-2転用貨物機をYCXと呼ぶ。

A400MA400M

CC--130130

YCXYCX

CC--1717

AnAn--124124

離陸重量 70 ton

離陸重量 130 ton

離陸重量 140 ton

離陸重量 265 ton

離陸重量 400 ton

最も多く使用されている軍用輸送機1954年初飛行現在も製造中、2,300機を越えるL-100として民間でも約100機使用

エアバス社が開発中2009年12月初飛行XC-2とほぼ同じ機体規模

米空軍の大型輸送機1991年初飛行英空軍、豪空軍も導入合計約200機

量産された世界最大の輸送機1982年初飛行民間でも超大型貨物の運搬事業に運用されている

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22--2 2 XCXC--22を転用することのメリットを転用することのメリット

1.1. XCXC--22を基本的にそのまま民間機に転用できる。を基本的にそのまま民間機に転用できる。

2.2. 十分な貨物室寸度が確保された機体規模である。十分な貨物室寸度が確保された機体規模である。

3.3. ターボファン・エンジンの双発機であるため経済性に優れる。ターボファン・エンジンの双発機であるため経済性に優れる。

4.4. 高速・高空性能を有し、民間旅客機に混在して航空路を制限なく飛行高速・高空性能を有し、民間旅客機に混在して航空路を制限なく飛行できる。できる。

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22--3 3 YCXYCXの代表的な運用例の代表的な運用例

トレーラートラック

民間規格コンテナ(20フィート海上コンテナ)

大型ジェットエンジン(GE90を含む世界で使用されている全てのジェットエンジンを搭載可)

民間規格コンテナ(航空貨物用LD-3型)

大型不定形貨物が搭載可能、2段ラックにより民間コンテナも効率的に搭載できる。

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22--4 4 YCXYCXの特徴の特徴 -- ①①搭載能力搭載能力

• YCXは十分な貨物室寸度を確保しつつ、使いやすい適切な機体規模である。• A400Mは貨物室寸度、機体規模ともYCXに近いが、天井高についてはYCXが勝る。•なお、C-17およびAn-124はYCXを上回る貨物室寸度であるが、 FAAおよびEASAのTCは未取得。

十分な天井高(A400M,C-17に勝る)

民間貨物機市場における競合機(ランプ扉型機)との概寸比較

C-130An-12

An-124

ランプ扉

A400M

IL-76

YCX ( 4mH x 4mW x16mL)

C-17

長さ : ランプ扉を含まない天井高 : 主翼桁下における天井高

出典C-1 : 日本航空宇宙学会誌第20巻 第224号C-130H 、C-17 : 米空軍HPA400M : エアバスミリタリー社資料IL-76 : ボルガ・ドニエプル航空資料An-12 : チャップマン・フリーボーン・エアチャーターリング社HPAn-124 : ポレット貨物航空資料

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22--4 4 YCXYCXの特徴の特徴 -- ②②航続性能(1)航続性能(1)

5,600 km(3,000 nm)

最大

※1 No Wind, ISA + IFR Reserve (MIL-C-5011A)

※2 機体の移動を目的とした貨物を運送しない運航

※3 エアバスミリタリー社資料より

※4 米海軍HPより

10,000 km

(5,400 nm)フェリー

※2

8,900 km

(4,800 nm)12トン

航続距離※1

ペイロード

• 航続性能に優れるため、二地点間輸送が多いと想定される大型不定形貨物の輸送に適する。

• YCXは12トンのペイロードを搭載してオーストラリア、アジア地域を完全にカバーできる。

※3 ※

4

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22--4 4 YCXYCXの特徴の特徴 -- ②②航続性能(2)航続性能(2)

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22--4 4 YCXYCXの特徴の特徴 -- ③③経済性と高速・高空性能経済性と高速・高空性能

YCXYCX::ターボファン双発ターボファン双発(実績ある(実績あるCF6CF6××22))

A400MA400M::ターボプロップターボプロップ44発発(新開発のターボプロップエンジン(新開発のターボプロップエンジン××44+新開発のプロペラ+新開発のプロペラ××44、内側と外側では逆回転)、内側と外側では逆回転)

経済性

複雑で整備コスト大

シンプルで整備コスト小

貨物室寸度および機体規模が競合するA400Mと比較して、YCXは、整備コストが低く、高速・高空性能も勝るため、民間運用に適する。

YCXYCX A400MA400M

高空性能(最大巡航高度)

0

5,000

10,000

15,000

高度

(m)

※ エアバスミリタリー社資料より

高速性能(最大巡航速度)

YCXYCX

A400MA400M

0.0マッハ数

0.2 0.4 0.6 0.8 1.0

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日本航空機開発協会の市場調査により、米国、欧州、中東を中心とする50社近くの顧客候補を訪問し、市場の状況を把握した。

大型貨物の空輸需要は以下に示す様な用途に対し、安定した成長が見込まれる。

・ 大陸内陸部への大型貨物輸送

・ 被災地への救難物資輸送、平和維持活動における物資輸送

YCXが属する「ランプ扉型貨物機」は、CIS・中国を除く地域で2026年までに約230機の市場規模となる事が予想される。

【特殊大型貨物機の市場予測(CIS・中国を除く)】

0

50

100

150

200

250

2006年 2026年

機数

新造機

既存機

日本航空機開発協会(JADC)予測

22--5 5 YCXYCXの市場の市場

【エアラインのコメント】

•YCXは、An-124/Il-76/L-100等の後継機の候補となる

•想定貨物は、半導体製造装置, 発電設備, 掘削機, 航空宇宙部品, 競争馬等である

•An-124は大きくリース料も高額なので、小さめのカーゴではYCXに分がある

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22--6 6 民間輸送機にするために必要な変更民間輸送機にするために必要な変更

・貨物室床面等の仕様変更

・予備座席の追加貨物室、コックピットの一部変更機内

備考変更方針対象

機内クレーンなど民間運用オプション装備追加その他

米国GE社 CF6-80C2変更なしエンジン

耐用寿命の延長、貨物室仕様の変更等にともなう構造改修

市場要求に適合するため一部を改修機体構造

自機防御系統、暗号無線機、空中投下系統等の自衛隊機特有の装備は転用しない。

任務機器はYCXに搭載しない任務機器

搭載電子機器のソフトウェアを含む

民間規格に適合するための改修

及び

一部民間規格適合品に換装

装備品

そのまま機体形状

XC-2を、ほぼそのまま転用するが、民間規格適合、民間運用対応のため一部、改修等を行う。

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有効活用する技術データ・ XC-2の設計・解析、試験に関連する技術文書 (以下例示)

設備等の利用・ 防衛省所有の試験施設・設備等の利用

・試験管理規程・試験計測規程・試験設備管理規程、等に相当する資料

・試験実施計画書・試験実施要領書・試験実施方案・試験成果報告書、等

・設計基準書・設計計算書・設計検討書・製造図面、等

試験関連(関連試験, 技術確認試験, 全機静強度・疲労強度試験, 技術・実用試験等)

設計・解析関連

防衛省所有の技術データや設備を、XC-2の開発作業に支障のない範囲で利用することで、YCXの設計・TC取得・市場調査を、今後も引き続き効率的に実施でき、XC-2民間転用が円滑に行える。

22--7 7 防衛省所有データ等の有効活用防衛省所有データ等の有効活用

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22--8 8 事業体制の例事業体制の例

需要の拡大に対応するため最終組立を海外メーカーに分担させて、事業リスクの低減を図る観点からSPCを設立する。

•SPC : Special Purpose Company (特別目的会社)

年産2~4機程度の需要であれば、できるだけ現在のXC-2試作体制を踏襲する。

•民間仕様に対応する一部の装備品や部位については、XC-2試作では参画していないメーカーや海外装備品メーカーが対応することもありうる。

•民間規格適合や民間運用対応においては、公的機関(JAXA等)の協力を視野に入れる。

•MRO : Maintenance Repair & Overhaul

②②他国企業と協業し他国企業と協業しSPCSPCを設立する体制を設立する体制①①KHIKHIを主体とした体制を主体とした体制XCXC--22試作体制試作体制(参考)(参考)需要が拡大した場合には事業リスクの低減のため新会社を設立

サブコンサブコン

MHI

FHI

設計請負

部分部位製造

設計参画引き入れ

KHIKHI航空宇宙航空宇宙カンパニーカンパニー

調達

プロダクトサポート

設計・開発

製造・組立

国内装備品メーカー海外装備品メーカー

防衛省防衛省

試作契約

事業体制

サブコンサブコン

MHI

FHI

設計請負

部分部位製造

設計参画引き入れ

KHIKHI航空宇宙航空宇宙カンパニーカンパニー

調達

プロダクトサポート

設計・開発

製造・組立

国内装備品メーカー海外装備品メーカー

防衛省防衛省

試作契約

事業体制

サブコンサブコン

MHI

FHI

その他製造メーカー

国内装備品メーカー海外装備品メーカー商社

設計請負

部分部位製造

設計参画引き入れ

MRO/エアライン

防衛省防衛省

商社、コンサル

母機設計関連情報等

運航不具合情報等

KHIKHI航空宇宙航空宇宙カンパニーカンパニー

調達

プロダクトサポート

販売/マーケティング

設計・開発

製造・組立

情報利用及び相互情報管理

事業体制

サブコンサブコン

MHI

FHI

その他製造メーカー

国内装備品メーカー海外装備品メーカー商社

設計請負

部分部位製造

設計参画引き入れ

MRO/エアライン

防衛省防衛省

商社、コンサル

母機設計関連情報等

運航不具合情報等

KHIKHI航空宇宙航空宇宙カンパニーカンパニー

調達

プロダクトサポート

販売/マーケティング

設計・開発

製造・組立

情報利用及び相互情報管理

事業体制

支払

請負契約

出資/配当請負契約

SPCSPC

プロジェクト管理

・販売/マーケティング

・調達

・プロサポ本部

KHIKHI航空宇宙航空宇宙カンパニーカンパニー

調達

設計・開発

製造・組立

プロダクトサポート

販売/マーケティング

出資/配当

海外メーカー海外メーカー・最終組立・飛行試験・製造・ミッション機材開発・プロサポ

・ベーシック機材開発・製造・パーツ、サブASSY

生産情報等

防衛省防衛省

母機設計関連情報等

運航不具合情報等

情報利用及び相互情報管理

事業体制

支払

請負契約

出資/配当請負契約

SPCSPC

プロジェクト管理

・販売/マーケティング

・調達

・プロサポ本部

KHIKHI航空宇宙航空宇宙カンパニーカンパニー

調達

設計・開発

製造・組立

プロダクトサポート

販売/マーケティング

出資/配当

海外メーカー海外メーカー・最終組立・飛行試験・製造・ミッション機材開発・プロサポ

・ベーシック機材開発・製造・パーツ、サブASSY

生産情報等

防衛省防衛省

母機設計関連情報等

運航不具合情報等

情報利用及び相互情報管理

事業体制

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【【わが国の航空機生産基盤の維持わが国の航空機生産基盤の維持//効率化効率化】】

製造機数が増加するので、量産効果により以下の効果が期待できる。

• 国内の関連メーカーの作業量が増加し生産基盤が安定する。

• 部品生産量の増加により部品製作/購入における効率が向上しコストが低減する。

【【防衛省機の技術及び後方支援基盤の維持防衛省機の技術及び後方支援基盤の維持//効率化効率化】】

運用機数が増加するので、以下の効果が期待できる。

• 後方支援に必要な技術作業のボリュームが確保され、技術基盤が安定する。

• 補用品の必要総数が増加するため、補用品供給基盤が安定すると同時に製造効率が向上する。

• YCX海外サポート体制が構築されるので、防衛省機の海外展開時の利便性が増す。

22--9 9 民転事業による波及効果民転事業による波及効果

愛知神奈川

東京

凡例

航空機メーカー

機器、電気、電子

一般部品、材料

KHI 外注加工等

主要な国内のXP-1,XC-2関連メーカー(約300社)

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22--10 10 事業化判断事業化判断

• 母機の開発完遂の目処が得られること(技術実用試験完了目処:FY2013末頃)

• TCの取得にあたって防衛省データが活用できること• 事業性ありと会社が判断できること・市場があり目標の販売機数に目処が得られる

・開発、生産、プロサポ体制に目処が得られる

・顧客にコミットする内容が確定できる

(機体仕様、性能、機体価格等)

事業化判断の条件は以下の事項につき確信が得られ、且つ、社内的な準備が整うことである。

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3. 3. XPXP--11開発成果の活用開発成果の活用

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33--1 1 XPXP--11開発成果の活用①開発成果の活用①

XP‐1を同じ規模で、ほぼそのまま転用すれば、小型ー長距離型の旅客機になるが、エアライン調査の結果では、小型ー長距離型機材への需要は小さい。

北米大陸横断

NY

C-L

AX大圏距離

2145

nm(3

973k

m)

大西洋線

NYC

-CD

G大圏距離

3156

nm(5

845k

m)

太平洋線

NR

T-LA

X大圏距離

4730

nm(8

760k

m)

NR

T-N

YC

大圏距離

5850

nm(1

0832

km)

航続距離[nm]

座席数

90席

50席XP-1機体規模相当

横4列座席

横6列座席

横7列座席

※MD-XXシリーズ、737-3/4/500シリーズは省いた。

70席

MRJ70MRJ90

RJ100

RJ70RJ85

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33--1 1 XPXP--11開発成果の活用②開発成果の活用②

活用可能な成果の例-【フライバイライト操縦系統】

XP-1で実用機として世界初のフライバイライト操縦系統を実現した。飛行制御信号に光信号を使用しているので、他の電子機器からのノイズや雷による電磁干渉を受けないため、(フライバイワイヤの利点に加えて)安定した確実な作動を保証できる。

旅客機市場に適合するためには、機体の基本形状から変更する必要があり、成立性が難しい。

ただし、将来の民間機の開発に際し、グラス・コックピット、フライバイライト操縦系統、低コスト軽量複合材尾翼など母機の装備品、系統、構造の一部と設計技術等を活用することが考えられる。