高岡商工会議所会報 11 · 2017-11-01 ·...

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高岡商工会議所会報

特集産業観光で企業・地域活性化 ~モノを魅せ、コトを伝える~

特集産業観光で企業・地域活性化 ~モノを魅せ、コトを伝える~

112017

NO.715

高岡御車山祭

高岡のものづくりにふれて

22017.11 高岡商工会議所会報

●日本の産業観光

 

国内の産業観光については、1960年代に集客

を意図した工場がみられるようになり、公害問題へ

の反省等から、製品の信頼・安全面のPRや企業イ

メージの向上等を意識した工場見学コースが設けら

れたとされています。その後は、人々の求めに応じ

て伝統工芸や産業遺産、農林漁業、最先端産業、デ

ザインやアニメといったコンテンツ産業など、様々

な産業が産業観光の対象として捉えられてきました。

(※2)

●産業観光の分類

 

産業観光の分類については切り口により様々な考

え方がありますが、企業・参加者それぞれの目的を

もとにしたものでは以下の例があるとされています。

⑴工場見学型:ビジネスに直結する取引先や新規顧

客等への説明、自社製品のPRの場として活用

⑵産地振興型:幅広い来訪者を受入れ、産地として

のPRや産地ブランドの継続を目的とする

⑶一般観光型:広く一般観光客を受入れ、商品や企

業のPR、物販・飲食施設による観光事業を展開

⑷ものづくり人材育成型:主に小中学生の社会科見

学等を受入れ、地元や社会への貢献をめざす

⑸リクルーティング型:就職を見据える学生を受入

れ、企業への関心を高め、人材を確保することを

目的とする(※3)

 

経産省の調査では、産業観光実施の目的として挙

げられている上位項目が「地域住民への理解促進等、

CSRの一環として」「一般顧客向け自社及び自社製

品の広報・PR」となっており分類の⑴及び⑷に該当

します。

●富山県、高岡市での産業観光の動き

 

富山県は日本海側屈指の工業集積を誇る一方、豊

かな伝統産業も根付く地域であり、産業観光を通じ

て交流人口の拡大や地域・企業の活性化を進める強

い可能性を有しています。県商工会議所連合会およ

び県内8商工会議

所では、県内の産

業観光施設やモデ

ルコース、観光施

設などを紹介する

「富山県産業観光図

鑑」を2015年か

 

近年、新しい観光形態

「ニューツーリズム」が注

目されています。ニュー

ツーリズムとは、従来の

物見遊山的な観光旅行に

対して、これまで観光資

源としては気付かれてい

なかったような地域固有

の資源を新たに活用し、

体験型・交流型の要素を

取り入れた旅行の形態で

す。(※1)このニューツーリズムの一つである「産

業観光」は、企業が工場や技術を一般に公開する

もので、ものづくりの現場や職人、製品を「見る」

「学ぶ」「体験する」ことで、その地域特有の歴史

文化を構成する産業をより深く知ることができる

と年々人気が高まってきています。

産業観光で企業・地域活性化

  ~モノを魅せ、コトを伝える~

3 高岡商工会議所会報 2017.11

ら発刊しています。

2017年度版図

鑑には、150施

設を超える産業施

設が掲載され、県

内中学・高校の授

業や新入社員研修

での活用のほか、

就職セミナーでは

企業研究等にも使

われています。今

春には東京の高校

生約250名が産

業観光に市内をはじめ県西部地域を訪れるといった

実績もでてきています。

 

図鑑では市内31企業・施設が紹介されていますが、

掲載施設以外にも、新たに見学や体験を意識した工

場を整備し、モノからコトを通じ、企業と地域のファ

ンづくりに取り組む企業も生まれはじめるなど、そ

の動きはますます活発化しています。

●産業観光のメリットと課題

 

現代は、モノが売れない時代と言われています。

体験や思い出、サービスといった目に見えない価値

に消費を行う傾向である「コト消費」が主流となって

きており、産業観光といった「コト」を通じて、理念

や商品についてじっくり見て、聞いてもらうことで

持続的に好意を持ってもらえるファンづくりに非常

に効果があると言えます。

 

また、体験の機会が増えると地域への滞在時間、

日数の積み増しにも繋がることで旅行消費額の底上

げにも期待が持てるといった面もありますが、中小

企業や小規模事業者が産業観光を実施するには「人手

不足」や「整備費用確保」といった課題がある他、CS

RやPRが目的である場合、必ずしも短期間では実

施に要した投資額の回収が見込めるわけではないと

いう点もあります。つまり、企業がどのような手法

で産業観光に取り組むかは、製品や設備、人的資源

などに左右されますが、目的を定めて実施すること

が何より重要であるといえるのではないでしょう

か。

 

10月13日㈮、伝統産業部会と観光・サービス

業部会が、福井県鯖江市の作り手の仕事場を見

て、知って、体験しながら、ワークショップや

作品の購入を楽しむ体験型マーケット「RENE

W」と和紙製造の石川製紙㈱、打刃物製造の鍛冶

工房いわいを見学。視

察会の参加者からは「地

域にある産業を間近で

見、知ることで“地域ら

しさ”

を知ることができ

た。」「自社にとっても

参考になった」との声が

聞こえ、同地域や企業

の産業観光への取り組

みについても関心が高

まったようです。

●あなたの会社だけの魅力を伝えよう

 

観光は物語が大切と言われます。企業や地域の物

語をいかに伝え、ファンの形成を通じ、消費に繋げ

られるのかといった点が企業・地域活性化の実現に

大きな影響を与えます。中小企業や小規模事業者は

経営資源が限られているものの、より地域に根付い

た魅力的な物語がたくさん存在しており、知る、見る、

体験することを提供することはファンづくりに繋げ

られる可能性を秘めています。産業観光を通じ、物

語を伝えることで“ここだけにしかない”魅力を発信

しながら企業や地域の価値をより高めていく取り組

みとして実施してみてはいかがでしょうか。

出典

※1 

観光庁HPより

※2 

国土交通省「産業観光ガイドライン」より抜粋

※3 

中部経産局「平成17年度中部地域における産業

観光インフラ整備に関する調査」より

産業観光レポート

市内産業観光企業・施設を掲載しています

高岡商工会議所では、産業観光

に取り組む市内中小企業、小規

模事業者ならびに施設を専用サ

イト「高岡産業観光ガイド」に無

料で掲載しています。掲載につ

いてはお気軽にお問い合わせく

ださい。

サイトURL http://takaoka-sangyokanko.net/

【お問合せ】高岡商工会議所 

観光振興課 

TEL0766︱23︱5000

当所HP「高岡産業観光ガイド」

掲載施設募集のご案内

〈伝統産業部会&観光・サービス業部会合同〉

オープンファクトリー&体験型マーケットイベント

「RENEW」と伝統産業の匠の技を見学

OTOHP

YRARBIL

初めてでもわかる商圏分析セミナー地域特性をつかみ、

集客や売上向上に活かそう 統計情報を売上向上の仕組み作りに役立てる商圏分析セミナーが高岡商工ビルで行った。セミナーでは河合中小企業診断士・社会保険労務士事務所 代表の河合正尚氏より、「初心者でも2時間で分かる統計」と題し、聞き慣れない統計用語や統計データの読み方、活かし方等といった統計の基本的な考え方について解説があった。この講座は2回講座で、25日には経営戦略への活かし方について説明を行う「誰でも簡単に行える!外部環境の分析」が開講された。

一宮商工会議所との交流ゴルフ大会議員ゴルフ同好会と親睦を深める

 当所ゴルフ同好会主催で高岡商工会議所と友好提携を結ぶ一宮商工会議所議員とで交流ゴルフ大会を開催し、36名が参加した。当日は晴れ間が広がり、会場の高岡カントリークラブでは秋らしい爽やかな自然を楽しみながらプレーを通じ親睦を深めた。優勝は一宮商工会議所副会頭の森正志氏、準優勝は当所議員の田辺千秋氏。プレー後には商工レストランにて表彰式および懇親会が行われ、プレーを振り返りながら懇親を深めた。

IoTセミナー 時代を勝ち抜く!製造業の未来を先取り!

全国で注目を集める講師より教示 製造業におけるIoTとはどのようなものなのか、何から取り組めばよいかをテーマに、IoT技術の導入事例等を紹介するIoTセミナーが高岡商工ビルにて開催され、61名が参加した。セミナーでは旭鉄工㈱ i Smart Technologies㈱ 代表取締役社長の木村哲也氏より自身が取り組んだIoTでの生産現場の改善事例について紹介があり、参加者は興味深くその内容に聞き入っていた。セミナーは長慶寺工場協会が主催、慶信会、富山県金型協同組合、当所共催。

10.11 10.11

秋季簿記講座日商簿記検定試験3級合格を目指し

秋季講座を開講 秋季の簿記講座を開講し20名が受講した。秋季講座は10月下旬まで全12回行い、11月19日実施される日商簿記検定3級合格を目指す。簿記は企業の経営活動を記録・計算・整理して、経営成績と財政状態を明らかにする技能で、3級は経理関連の適切な処理や青色申告書類の作成など初歩的な実務が身に着くことから年々需要が高まってきており、当所では基礎的な簿記理論の修得を目的として毎年春季と合わせ2回開講している。

9.26 9.25

OTOHP

YRARBIL

たかおかウィークエンドマルシェ市内商業者がワークショップ等を通じ、

商店街で魅力発信 まちゼミ事業の一環として、商店街に商業者らが一堂に介し、ワークショップ等を通じて個店の魅力を体感してもらうたかおかウィークエンドマルシェを御旅屋通りで開催し、多くの親子連れで賑わった。当日はハロウィンをテーマに14店が御旅屋通りに並び、ハロウィンカードを作ろう、ブレスレットを作ろう、ハロウィンメイクをしてみようといった企画が実施され、来場した子どもたちは楽し気な様子でワークショップに取り組んでいた。

創業講座スムーズな創業実現のため全4回講座開講

 創業予定者やまもない方、興味がある方を対象とし、基礎知識としてマーケティングや税務、経理等の経営における必要な知識を学ぶ創業講座を高岡商工ビルで開講し、17名が参加した。初回講座では、たいこう経営代表で中小企業診断士の布目大剛氏より創業の心構えについて、畠山労務管理事務所所長で特定社会保険労務士の畠山義明氏より労働保険の必修知識について解説があった。 参加者らは最終回まで事業計画書作成のポイントを学びながら計画書策定を行う。

 モノづくり企業の様々な製品や地元産業の紹介・PRする多業種総合展示会が長野市ビッグハットで行われ、広域連携推進・観光振興両常任委員会が訪問しオープニングに出席した。 また高岡から伝統産業の漆器や銅器、富山らしい食を象徴する昆布〆や蒲鉾の他、観光情報の発信の計5ブースが出展し、ブースに訪れた参加者は様々な展示品を手に取りながら高岡の魅力に触れていた。

10.22

10.20~21

10.15

産業フェア

in

信州2017

地域最大級の多業種総合展示会で高岡の伝統産業、食をPR

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