食物アレルギーの教職員研修 - higashiosaka · アナフィラキシーとは...

21
食物アレルギーの教職員研修 東大阪市立縄手東小学校

Upload: others

Post on 26-Jun-2020

1 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 食物アレルギーの教職員研修 - Higashiosaka · アナフィラキシーとは アレルギー反応により、皮膚症状、消化器症状、呼吸器症 が複数同時にかつ急激に出現した状態。

食物アレルギーの教職員研修

平 成 2 7 年 9 月 9 日

東大阪市立縄手東小学校

Page 2: 食物アレルギーの教職員研修 - Higashiosaka · アナフィラキシーとは アレルギー反応により、皮膚症状、消化器症状、呼吸器症 が複数同時にかつ急激に出現した状態。

本日の研修の流れ

1.食物アレルギーについて

○食物アレルギーとは

○アナフィラキシーとは

○エピペン®(アドレナリン自己注射製剤)について

2.緊急時の対応

○緊急時対応の流れ

○エピペンの正しい打ち方(実習)

Page 4: 食物アレルギーの教職員研修 - Higashiosaka · アナフィラキシーとは アレルギー反応により、皮膚症状、消化器症状、呼吸器症 が複数同時にかつ急激に出現した状態。

○食物アレルギーとは

食べたり、触ったり、吸い込んだりした食物に対して、体を

守るはずの免疫システムが過剰に反応して起きる有害な症状。

Page 5: 食物アレルギーの教職員研修 - Higashiosaka · アナフィラキシーとは アレルギー反応により、皮膚症状、消化器症状、呼吸器症 が複数同時にかつ急激に出現した状態。

食物アレルギーの症状

<皮膚症状> かゆみ、むくみ、

じんましん 皮膚が赤くなる

<粘膜症状> 眼のかゆみ、充血、 瞼の腫れ、くしゃみ、 鼻汁、鼻がつまる 口の中やのどの違和 感やはれ、のどのかゆ み、イガイガ感

<消化器症状> 腹痛、

気持ちが悪い 吐く、下痢

<呼吸器症状> のどが締めつけられる、 咳き込む、 声がかすれる、 犬のような咳、 ぜーぜー、呼吸困難

<全身性症状> アナフィラキシー、 アナフィラキシーショック

Page 6: 食物アレルギーの教職員研修 - Higashiosaka · アナフィラキシーとは アレルギー反応により、皮膚症状、消化器症状、呼吸器症 が複数同時にかつ急激に出現した状態。

食物アレルギーのタイプ①

<即時型> 原因食物を食べて2時間以内に症状がでて、じんましんのような軽いもの

から生命の危険も伴うアナフィラキシーショックに進行するものまである。

<口腔アレルギー症候群> 果物や野菜、木の実類に対するアレルギーに多い病型で、食後5分以内

に口の中の症状が出現する。

<食物依存性運動誘発アナフィラキシー> 原因食物を摂取して2時間以内に一定量の運動量の運動をすること

によりアナフィラキシー症状を起こす。

Page 7: 食物アレルギーの教職員研修 - Higashiosaka · アナフィラキシーとは アレルギー反応により、皮膚症状、消化器症状、呼吸器症 が複数同時にかつ急激に出現した状態。

食物アレルギーのタイプ②

年齢によって起こりやすいタイプがある

Page 8: 食物アレルギーの教職員研修 - Higashiosaka · アナフィラキシーとは アレルギー反応により、皮膚症状、消化器症状、呼吸器症 が複数同時にかつ急激に出現した状態。

○アナフィラキシーとは

アレルギー反応により、皮膚症状、消化器症状、呼吸器症

が複数同時にかつ急激に出現した状態。

その中でも、血圧が低下して意識の低下や脱力を来たすよう

な場合を、特にアナフィラキシーショックとよび、直ちに対応しな

いと生命にかかわる重篤な症状である。

<原因>

ほとんどは食物だが、それ以外に昆虫刺傷、医薬品、

ラテックス(天然ゴム)など。まれに運動でも起きる。

Page 9: 食物アレルギーの教職員研修 - Higashiosaka · アナフィラキシーとは アレルギー反応により、皮膚症状、消化器症状、呼吸器症 が複数同時にかつ急激に出現した状態。

アナフィラキシーの重症度とその対応 グレード 1 2 3

皮膚症状 部分的な赤み、軽度のかゆみ 全身の赤み、強いかゆみ

粘膜症状 口唇・瞼の腫れ、 口・喉のかゆみ、違和感

顔全体の腫れ 飲み込みづらい

喉や胸が締めつけ られる、声枯れ

消化器症状 弱い腹痛(がまんできる) 嘔気、単回の嘔吐・下痢

明らかな腹痛 複数回の嘔吐・下痢

強い腹痛 (がまんできない) 繰り返す嘔吐・下痢

呼吸器症状 鼻水、鼻づまり、くしゃみ 弱く連続しない咳

時々連続する咳、咳込み 弱い喘鳴

強い咳込み、犬の遠吠え様の咳、明らかな 喘鳴、呼吸困難、 チアノーゼ

全身症状 やや元気がない 明らかに元気がない 横になりたがる

ぐったり、 意識低下~消失、失禁

エピペン® × △ ○

医療機関 受診

△ ○(応じて救急車) ◎(救急車)

※上記対応は基本原則で最小限の方法である。状況に併せて現場で臨機応変に対応することが求められる。 ※症状は一例であり、その他の症状で判断に迷う場合は中等症以上の対応をおこなう。

厚生労働省 保育所におけるアレルギー対応ガイドライン より

Page 10: 食物アレルギーの教職員研修 - Higashiosaka · アナフィラキシーとは アレルギー反応により、皮膚症状、消化器症状、呼吸器症 が複数同時にかつ急激に出現した状態。

一般向けエピペン®の適応(日本小児アレルギー学会)

エピペン®が処方されている患者でアナフィラキシーショックを 疑う場合、下記の症状が一つでもあれば使用すべきである。

消化器 の症状

・繰り返し吐き続ける ・持続する強い(がまんできない)おなかの痛み

呼吸器 の症状

・のどや胸が締め付けられる ・声がかすれる ・犬がほえるような咳 ・持続する強い咳込み ・ゼーゼーする呼吸 ・息がしにくい

全身の症状

・唇や爪が青白い ・脈を触れにくい、不規則 ・意識がもうろうとしている ・ぐったりしている ・尿や便をもらす

Page 11: 食物アレルギーの教職員研修 - Higashiosaka · アナフィラキシーとは アレルギー反応により、皮膚症状、消化器症状、呼吸器症 が複数同時にかつ急激に出現した状態。

○エピペン®(アドレナリン自己注射製剤)について

エピペン®とは、アドレナリンを注射の形で投与できるよう

にしたもの。

アドレナリンには、心臓の働きを強める・血圧を上げる・

気道を拡張する作用がある。

注射後5分以内に効果が現れ、約20分持続する。

小児には 副作用は ほとんどない

Page 12: 食物アレルギーの教職員研修 - Higashiosaka · アナフィラキシーとは アレルギー反応により、皮膚症状、消化器症状、呼吸器症 が複数同時にかつ急激に出現した状態。

エピペン®の使用について

・アナフィラキシー救命現場に居合わせた教職員が、

エピペン®を自ら注射できない状況にある児童生徒

に代わって注射することは、医師法違反にならない

と考えられる。

(学校におけるアレルギー疾患対応マニュアルより)

・エピペン®は、医療機関外での一時的な緊急補助治療薬のため、エピペンを使用した後は速やかに医療機関を受診しなければならない。

Page 13: 食物アレルギーの教職員研修 - Higashiosaka · アナフィラキシーとは アレルギー反応により、皮膚症状、消化器症状、呼吸器症 が複数同時にかつ急激に出現した状態。

学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)

Page 15: 食物アレルギーの教職員研修 - Higashiosaka · アナフィラキシーとは アレルギー反応により、皮膚症状、消化器症状、呼吸器症 が複数同時にかつ急激に出現した状態。

緊急対応のミニドラマ <適切に対応できなかった例>

Page 16: 食物アレルギーの教職員研修 - Higashiosaka · アナフィラキシーとは アレルギー反応により、皮膚症状、消化器症状、呼吸器症 が複数同時にかつ急激に出現した状態。

原因物質を食べた→すぐに口からださせたり吐かせたりして (可能性も含む) 口をすすぐ。 原因物質に触れた→洗い流す。 (可能性も含む) 目の症状がある→洗顔後、点眼薬があれば点眼する。 ※軽い症状がでた場合は、保健室で経過観察する。

Page 17: 食物アレルギーの教職員研修 - Higashiosaka · アナフィラキシーとは アレルギー反応により、皮膚症状、消化器症状、呼吸器症 が複数同時にかつ急激に出現した状態。

○エピペンの正しい打ち方(実習)

練習用のエピペントレーナー

を使って実際に打ってみましょう。

まずは自分に打ってみましょう!

Page 18: 食物アレルギーの教職員研修 - Higashiosaka · アナフィラキシーとは アレルギー反応により、皮膚症状、消化器症状、呼吸器症 が複数同時にかつ急激に出現した状態。

準 備

①ケースのカバーキャップを開け、

エピペン®を取り出す。

②オレンジ色のニードルカバーを

下に向け、利き手で持つ。

“グー”で握る!

③青い安全キャップをはずす。

危険なので、先端はおさえないようにする

Page 19: 食物アレルギーの教職員研修 - Higashiosaka · アナフィラキシーとは アレルギー反応により、皮膚症状、消化器症状、呼吸器症 が複数同時にかつ急激に出現した状態。

注 射

④太ももの外側にエピペン®の先端(オレンジ色の部分)を

軽くあて、“カチッ”と音がするまで強く押しあてそのまま5つ数える

注射した後すぐに抜かない!

押しつけたまま5つ数える!

<注射する部位>

・服の上から、打つことができる

・太ももの付け根と膝の中央部

で、かつ真ん中よりやや外側

に注射する。

介助者が いる場合

子供の太ももの付け根と膝をしっかり抑え、動かないように固定する

Page 20: 食物アレルギーの教職員研修 - Higashiosaka · アナフィラキシーとは アレルギー反応により、皮膚症状、消化器症状、呼吸器症 が複数同時にかつ急激に出現した状態。

確 認 ・ 片づけ

⑤エピペン®を太ももから

離しオレンジ色のニードル

カバーが伸びているか

確認する

伸びていない場合は④に戻る

⑥使用済みのエピペンは、オレンジ色のニードルカバー側から携帯用ケースに戻す

無理に 押し込まない