電磁非破壊検査・数値解析 調査研究委員会 - 京都大学b] h[a/m]...
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電磁非破壊検査・数値解析調査研究委員会
委員長 後藤 雄治(大分大学)
幹事 小坂 大吾(職業能力開発総合大学校)
笹山 瑛由(九州大学)
研究委員会設立目的
実際のプラントで使用された構造物や配管
等に適用し、その実用化の可能性を検討
○電磁非破壊検査法を支援する新しい電磁界解析技術や逆問題解析法の検討
○電磁気現象を利用した新しい非破壊検査法の調査・研究
本日の発表内容
解析法・電磁界解析技術(磁気特性の非線形モデリング)
・逆問題解析法(燃料電池の電流分布)
非破壊検査手法(高リフトオフ)
実際のプラント等への適用
電磁非破壊検査・数値解析調査研究委員会で
取り扱う内容の“一部“を紹介
磁気特性の非線形のモデリング法の検討
研究背景
𝐻
𝐵
𝐻
𝐵
ヒステリシスループおよびマイナーループを考慮した計測手法や評価法,解析手法の開発が求められる
初磁化曲線
ヒステリシスループ ヒステリシスループ
マイナーループ
・単一周波磁界から,直流磁界+交流磁界,多重周波磁界への拡張
電磁気現象を利用した非破壊検査法の適用範囲および検査手法の多様化
磁気特性の影響(非線形,ヒステリシス,マイナーループ)
・鋼材非破壊への非破壊検査への適用
磁気特性のモデリング法の検討
プレイヒステロンを用いてヒステリシス特性を表現するモデル
𝐻
𝑝
𝑝 = 𝐻 + 𝑧
𝑧
−𝑧𝑧
−𝑧
(𝐻が増加時のみ使用)
(𝐻が減少時のみ使用)
𝑧 : プレイヒステロンの幅
水平移動
水平移動
𝑝 𝐻 = max min 𝑝0, 𝐻 + 𝑧 , 𝐻 − 𝑧 𝑝0 : 1ステップ前の𝑝
プレイヒステロンの作るヒステリシスループは
反時計回り
磁界H の入力に対して磁束密度B を出力とするヒステリシス特性を表現
0
◎プレイモデル法
𝑝 = 𝐻 − 𝑧
磁気特性のモデリング法の検討
◎プレイモデル法
𝑧の異なる複数のヒステロンを重ね合わせ、分解能を上げる
𝑁p:プレイヒステロンの数
𝑓n:形状関数
各プレイヒステロンに形状関数を導入し、実測BH曲線に合わせる。
𝐵 𝐻 =
𝑛=1
𝑁p
𝑓n 𝑝 𝐻
マイナーループ計算例(直流+交流磁界)
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1
1.2
0 500 1000 1500 2000 2500 3000
0.2T
B[T
]
H[A/m]
0.2T
0.2T
直流磁界(0.4T, 0.7T, 1T)+交流磁界(0.2T)
マイナーループ計算例(交流+交流磁界)
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1
1.2
1.4
1.6
-1000 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000
0.2
0.2
0.2
0.2T
B[T
]
H[A/m]
交流磁界(0.3T, 0.6T, 1.2T)+交流磁界(0.2T)
磁気特性のモデリング法の非破壊検査への適用
◎プレイモデル法
複雑な合成磁気特性の電磁界解析が可能
+ 有限要素法による電磁界解析
◎低周波磁界+高周波合成磁界 ◎多重周波数評価法
◎増分透磁率評価法◎直流磁界+大きな交流磁界 ◎ヒステリシス+渦電流を考慮した位相評価
燃料電池を支援する逆問題解析法の検討
燃料電池
原理:水素と酸素の化学反応から発電を行う
MEA*
酸素出口
セパレータ(カーボン)
電流入口(Idc=3A) 集電板
(銅)
水素出口水素入口
酸素入口
電流の流れ
電流出口
磁界センサ
x
y
z
http://jp.autoblog.com/2015/01/16/1-15-mirai/
http://panasonic.co.jp/ap/FC/doc03_00.html
構造 応用例
*MEA (Membrane Electrode Assembly): 膜・電極接合体
普及への課題
発電性能・寿命の向上、低コスト化が必要
MEA
内部での発電状況を知る必要がある
新たな手法を検討
物質移動
≒ 電流分布
目的
燃料電池周囲の空間磁界から内部の発電電流分布を推定(逆問題)
MEA空間磁界 電流分布
空間磁界の測定 推定欠損の発生
MEA
単セル燃料電池の周回磁界測定モデルH2 gas entrance H2 gas exit
3軸MIセンサ
3 軸MIセンサ
4面の3軸磁界センサによる周回磁界測定
3軸磁界センサ MI (magneto-impedance) センサ群
アモルファスワイヤーの磁気-インピーダンス効果を利用し、1×10-10 T までの微小磁界の測定が可能
3軸磁界センサMI (magneto-impedance) センサ
𝑊 =
𝑚=1
36
𝐵𝑟𝑥 − 𝐵0𝑥2 + 𝐵𝑟𝑦 − 𝐵0𝑦
2
MEA内の電流計算
I:発電電流
r:磁界センサとMEAの距離
B:空間磁界
i:MEA分割数
●目的関数𝐵𝑟:計算値(変数)
𝐵0 :実測値(定数)
●空間磁界の計算(MEAを25分割した場合)
m:磁界センサ数
アンペールの法則
1 2 3 4 5 6 7 8 9101112131415161718
27 26 25 24 23 22 21 20 19
3534333231302928
36
磁界センサ
MEA
磁界センサのNo.
m=
磁界センサ
磁界センサ
磁界センサ
x
yz
𝑚:磁界センサ数
MEA内を無限長の導線と仮定
𝐵𝑚 =
𝑖=1
25𝜇0𝐼𝑖2𝜋𝑟𝑖
(𝑚 = 1,… , 36)
MEA内の発電電流密度分布の逆問題解析(焼鈍し法)結果
非発電領域
x
y
x
zy
(b) x-y 平面図(a) 鳥瞰図
2500
I (A/m2)
200015001000500200
2440A/m2
1800A/m2 1512A/m2
452A/m2
152A/m2
908A/m2
0A/m2
220A/m2120A/m2
Idc=3A, 100 elements
電流分布を算出する逆問題解析法の開発
焼鈍し法
x
zy
進化戦略法(1+1ES)
レベルセット法
など
開発項目
高リフトオフの電磁非破壊検査
高リフトの電磁非破壊検査手法の開発
パルス磁界
高温超伝導コイル励磁法
など
保温材や外装板金の外側から内側の鋼管の減肉検査を行う
開発項目
鋼管
外装板金
保温材
励磁コイル・プローブ等
リフトオフ
実際のプラントで使用された構造物や配管等への適用
検査対象物
・各研究機関で開発した新検査技術の比較・検討・ 〃 新電磁界解析結果との比較・検討
例)実際のプラントで使用された配管