計画段階環境配慮書 - 国土交通省 九州地方整備局地域高規格道路...

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計画段階環境配慮書 平成 28 年 3 月 九州地方整備局

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Page 1: 計画段階環境配慮書 - 国土交通省 九州地方整備局地域高規格道路 中九州横断道路(熊本市~大津町) 計画段階環境配慮書 平成28年3月

地地域域高高規規格格道道路路

中中九九州州横横断断道道路路((熊熊本本市市~~大大津津町町))

計画段階環境配慮書

平成 28年 3月

九州地方整備局

Page 2: 計画段階環境配慮書 - 国土交通省 九州地方整備局地域高規格道路 中九州横断道路(熊本市~大津町) 計画段階環境配慮書 平成28年3月

― 目 次 ―

第 1章 第一種事業を実施しようとする者の氏名及び住所 .............. 1

1.1 事業の名称 ................................................... 1

1.2 第一種事業を実施しようとする者の氏名及び住所 ................. 1

第 2 章 第一種事業の目的及び内容 .................................. 1

2.1 事業の経緯 ................................................... 1

2.2 事業の目的 ................................................... 2

2.3 事業の内容 ................................................... 2

2.3.1 事業実施想定区域の位置 ..................................... 2

2.3.2 事業の規模 ................................................. 2

2.3.3 その他事業に関する事項 ..................................... 3

第 3 章 事業実施想定区域及びその周囲の概況 ........................ 5

3.1 自然的状況 .................................................... 5

3.2 社会的状況 .................................................... 8

第 4 章 計画段階配慮事項ごとに

調査、予測及び評価の結果をとりまとめたもの ......... 14

4.1 計画段階配慮事項の選定 ...................................... 14

4.2 計画段階配慮事項に関する調査・予測・評価の手法 .............. 15

4.3 計画段階配慮事項に関する調査・予測・評価の結果 .............. 16

第 5 章 その他環境省令で定める事項 ............................... 19

5.1 環境影響評価第三条の七に基づく

配慮書の案についての意見と事業者の見解 ............. 19

5.1.1 一般の環境の保全の見地からの意見と事業者の見解 .......... 19

5.2 関係する地方公共団体の長からの意見と事業者の見解 ............. 20

「本書に掲載した地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行

の 5 万分の 1 地形図を複製したものである。(承認番号 平 27

九複、第 30 号)

承認を得て作成した複製品を第三者がさらに複製する場合に

は、国土地理院の長の承認を得る必要があります。」

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第1章 第一種事業を実施しようとする者の氏名及び住所

1.1 事業の名称 地域高規格道路 中九州横断道路(熊本市~大津町)

1.2 第一種事業を実施しようとする者の氏名及び住所

事業予定者の名称 : 国土交通省 九州地方整備局

代 表 者 の 氏 名 : 国土交通省 九州地方整備局長 鈴木す ず き

弘之ひろゆき

住 所 : 〒812-0013 福岡県福岡市博多区博多駅東 2丁目 10 番 7号

第2章 第一種事業の目的及び内容

2.1 事業の経緯

地域高規格道路 中九州横断道路(熊本市~大津町)は、熊本県菊池郡大津町~熊本県

熊本市に至る路線事業の効率的な実施に関し、平成 25 年度から計画段階評価の手続き

を実施しており、構想段階における道路計画のアンケート調査や、「社会資本整備審議

会 道路分科会 九州地方小委員会(以下、九州地方小委員会)」を3回実施しまし

た。

現在は、アンケート調査や関係する地方公共団体の長からの意見、九州地方小委員会

での有識者の意見等を踏まえ、ルート帯等を総合的に決定することを目指すとともに、

整備効果などを調査・検討しています。

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2.2 事業の目的

中九州横断道路は、大分市と熊本市を結ぶ延長約120kmの地域高規格道路であり、

大分都市圏と熊本都市圏とを相互に連絡するとともに、高規格幹線道路である九州縦貫

自動車道、東九州自動車道等とあわせて広域交通ネットワークを形成するものです。

本事業は、大分県と熊本県の交流を促進するとともに、沿線地域の産業発展、地域活

性化、大規模災害時等における救助・救急活動、広域的な物資輸送の円滑化等に寄与す

る事を目的とした道路です。

中でも熊本市~大津町間は、幹線道路の不足により、国道 57 号等の道路に交通が集中

している状況であり、本事業により、「物流・産業」「医療」「観光」「暮らし」の観点に

おいて、より良い地域づくりに寄与する事を目的としています。

また、上記の地域の課題や将来象等を踏まえ以下の4つの政策目標を設定しています。

1.高速性や走行性の確保による産業の活性化

2.救急医療機関等への速達性・確実性の向上

3.高速性の確保による観光振興の促進

4.渋滞緩和による生活環境の改善

2.3 事業の内容

2.3.1 事業実施想定区域の位置

事業実施想定区域の位置は図 2-1 に、起終点は以下に示すとおりです。

起 点:熊本県菊池郡大津町

終 点:熊本県熊本市

2.3.2 事業の規模

規 模:約 15~20km

中九州横断道路(熊本市~大津町)

図 2-1 事業実施想定区域の位置図

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2.3.3 その他事業に関する事項

1)位置等に関する複数案の設定についての考え方

本事業に係る計画段階配慮事項についての検討にあたっては、事業実施想定区域の位

置又は規模に関する複数の案(以下、「位置等に関する複数案」という。)を適切に設定

する必要があります。

位置等に関する複数案としては、政策目標や地形・地質条件、自然環境、生活環境、

コスト縮減などを踏まえて設定します。

2)複数案の設定にあたっての考え方

政策目標の達成に寄与する複数案として、熊本県菊池郡大津町と熊本県熊本市を結ぶ

案とし、表 2-1 及び図 2-2 に示す複数案を選定します。

複数案のルート選定にあたっては、解決すべき課題から求められる政策目標(2.2 事業

の目的)の達成度について、経済面、社会面、環境面などを総合的に比較検討し、3案

を選定しました。

表 2-1 ルートの概要

【案①】

別線整備案(北ルート)

【案②】

別線整備案(南ルート)

【案③】

現道改良案

ルートの

概要

速達性に配慮し、全線を別

線として九州縦貫道・熊本環

状連絡道路と接続する案

速達性に配慮し、全線を

別線として九州縦貫道と

接続する案

沿道からの利用しやすさに

配慮し、全線において既存の現

道を改良して活用する案

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- 4 -図 2-2 計画段階評価における複数案の位置図

: 【案①】速達性に配慮し、全線を別線として九州縦貫道・熊本環状連絡道路と接続する案

: 【案②】速達性に配慮し、全線を別線として九州縦貫道と接続する案

: 【案③】沿道からの利用しやすさに配慮し、全線において既存の現道を改良して活用する案

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第3章 事業実施想定区域及びその周囲の概況

3.1 自然的状況

事業実施想定区域及びその周囲における主な自然的状況を把握した結果を表 3-1 及び

図 3-1 に示します。また、自然的状況の把握に用いた文献・資料を表 3-2 に示します。

表 3-1(1) 自然的状況

項目 事業実施想定区域及びその周囲の概況

大気環境の 状況

1.気象 熊本地方気象台における平成 26年の気象概況は、年平均気温が 16.8℃、年降水量が 1694.0mm、年最多風向は北北西、年平均風速は 2.3m/s である。菊池観測所における平成 26年の気象概況は、年平均気温が 15.6℃、年降水量が 1771.0mm、年最多風向は西北西、年平均風速は 1.9m/s である。益城観測所における平成 26年の気象概況は、年平均気温が 15.6℃、年降水量が 1535.5mm、年最多風向は東北東、年平均風速は2.5m/s である。 2.大気質 一般環境測定局が 5地点あり、平成 25 年度の二酸化窒素の1日平均値の年間 98%

値は 0.020~0.025ppm で、全ての地点で環境基準(長期的評価)を達成している。浮遊粒子状物質の1日平均値の年間 2%除外値は 0.059~0.080mg/ で、全ての地点で環境基準(長期的評価)を達成している。 自動車排出ガス測定局が 2 地点あり、平成 25 年度の二酸化窒素の1日平均値の年

間 98%値は 0.029~0.034ppm で、全ての地点で環境基準(長期的評価)を達成している。浮遊粒子状物質の1日平均値の年間 2%除外値は 0.059~0.062mg/ で、全ての地点で環境基準(長期的評価)を達成している。 3.騒音 国道 3号の 16 地点の調査結果は、53~77dB(昼間値。夜間は 48~75dB)であり、

4地点が昼間、夜間ともに環境基準を達成している。国道 57号の 17 地点の調査結果は、64~77dB(昼間値。夜間は、59~73dB)であり、8地点が昼間、夜間ともに環境基準を達成している。国道 208 号の 2地点の調査結果は、71~72dB(昼間値。夜間は、66~68dB)であり、全ての地点で環境基準を超過している。 4.振動 事業実施想定区域及びその周囲における振動に係る調査結果はない。 5.その他 事業実施想定区域及びその周囲における超低周波音に係る調査結果はない。

水環境の 状況

1.水象 事業実施想定区域及びその周囲には、主要な河川として合志川、白川、井芹川、坪井川、堀川、加勢川がある。 2.水質 測定地点が合志川 2地点、白川 4地点、井芹川 5地点、坪井川 7地点、堀川 2地点、加勢川 4地点の計 24地点あり、平成 25年度の浮遊物質量(SS)、水素イオン(pH)、溶存酸素(DO)、生物化学的酸素要求量(BOD)は、概ね環境基準を達成しているが、環境基準を超過している地点がある。大腸菌群数は全ての地点で環境基準を超過している。 3.水底の底質 測定地点が白川 1地点、井芹川 1地点、加勢川 1地点の計 3地点あり、ダイオキシ

ン類は、全ての地点で環境基準を達成している。 4.その他 熊本市、菊池市、合志市の 358 地点における平成 25 年度の地下水調査結果によると、熊本市の 23 地点で砒素、熊本市、合志市の 27地点でふっ素、熊本市、合志市の2地点でほう素、熊本市の 1地点で 1,2-ジクロロエチレン、熊本市の 4地点でトリクロロエチレン、熊本市の 9 地点でテトラクロロエチレン、熊本市、菊池市、合志市の 44 地点で硝酸性窒素及び亜硝酸窒素が環境基準を超過しているが、その他の項目については環境基準を達成している。大津町、菊陽町、益城町、西原村の 27地点における平成 25年度の地下水調査結果によると、全ての地点で環境基準を達成している。 また、事業実施想定区域及びその周囲には、多くの湧水がある。

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表 3-1(2) 自然的状況

項目 事業実施想定区域及びその周囲の概況

土壌及び地盤の状況

1.土壌 事業実施想定区域及びその周囲には、厚層黒ボク土壌の占める割合が多く、黒ボク

土壌、多湿黒ボク土壌が広く分布している。また、事業実施想定区域及びその周囲には「農用地の土壌の汚染防止等に関する法律」に基づき指定された農用地土壌汚染対策地域はない。2.地盤 事業実施想定区域及びその周囲には、「全国地盤環境情報ディレクトリ(平成 25 年度版)」(平成 26年、環境省 HP)によると、地盤沈下の被害として、局地的に井戸・橋梁の抜け上がり等が生じていたが、現在は沈静化している。また、「平成 25年度版熊本の環境~環境白書~」(平成 26 年 3月、熊本県)による

と、県内では熊本平野西部地域で地盤沈下が生じていたが、近年では節水の意識の高まり等から沈静化してきている。昭和 53年度から平成 18 年度まで地盤変動状況の調査を実施しており、平成 18 年度以降は調査は行われていない。

地形及び地質の状況

1.地形 事業実施想定区域及びその周囲は、主に火山灰砂台地、砂礫台地、中・高位段丘面、小谷底・ガリー底、谷底平野が分布している。また、事業実施想定区域及びその周囲には、「第 1 回自然環境保全基礎調査 すぐれた自然調査(昭和 51 年、環境庁)」に記載されているすぐれた自然のうち、「地形・地質・自然現象」に係る主なものとして、白川の河岸段丘、高遊原溶岩台地がある。 2.地質 事業実施想定区域及びその周囲には、主に火山性岩石(凝灰岩質岩石、岩滓・凝灰角礫岩・溶結凝灰岩、安山岩質凝灰角礫岩)、未固結堆積物(礫・砂・泥)が分布している。

動植物の生息又は生育、植生及び生態系の状況

1.動物 事業実施想定区域及びその周囲には、主要な動物として第 4次レッドリスト(環境省)による絶滅危惧 IA 類のニッポンバラタナゴ、タガメ、熊本県のレッドリストによる準絶滅危惧のヘイケボタルが生息するとされている。 2.植物 事業実施想定区域及びその周囲には、主要な植物として熊本県指定天然記念物の天神森の椋、合志市指定天然記念物の天神平の樟、菊陽町指定天然記念物の下津久礼日吉神社の楠、下津久礼日吉神社の銀南が生育するとされている。 3.生態系 事業実施想定区域及びその周囲には、生態系の保全上重要であって、まとまって存在する自然環境の阿蘇くじゅう国立公園、金峰山県立自然公園がある。 また、「山地に分布する樹林、草地」、「丘陵地に分布する樹林、草地、開放水域」、「低地に分布する樹林、草地、竹林、果樹園、茶畑、自然裸地、開放水域」を生息、生育基盤とする生態系が成立している。

景観及び人と自然との触れ合い活動の場の状況

1.景観 事業実施想定区域及びその周囲には、主要な眺望点として弁天山公園展望台、飯高

山公園展望台がある。また、主要な景観資源として大津街道菊陽杉並木、金峰山県立自然公園、阿蘇くじゅう国立公園がある。 2.人と自然との触れ合い活動の場 事業実施想定区域及びその周囲には、主要な人と自然との触れ合い活動の場として公園の竹迫城跡公園、蛇ノ尾公園、菊陽杉並木公園さんさん、清正公道公園、高尾野森林公園、キャンプ場の弁天山公園キャンプ場がある。

※動植物について、環境省レッドリスト、絶滅の恐れのある野生動植物の種の保存に関する法律、文化財保護法、

熊本県レッドリストにより重要種を把握し、位置情報の記載のある既存文献により対象種の生息・生育の有無

及び事業実施想定区域との位置関係を把握した。

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表 3-2 自然的状況の把握に用いた文献・資料

番号 資料名 発行年月 発行元 出典頁

1.気象 1 気象統計情報 平成27年6月 気象庁 HP

2.大気質 2大気・化学物質・騒音等

環境調査報告書 第49報平成26年9月 熊本県環境生活部 4-109

3.騒音 3平成22年度熊本管内道路環境センサス業務報告書

平成23年2月国土交通省熊本河川国道事務所

資料編

4.振動 - - - - -

5.その他 - - - - -

4 熊本県熊本土木事務所管内図 平成24年 熊本県熊本土木事務所 大判図

5 熊本県菊池地域振興局土木部管内図 平成23年3月 熊本県菊池地域振興局土木部 大判図

6 熊本県上益城地域振興局管内図 平成25年2月 熊本県上益城地域振興局 大判図

7 熊本県阿蘇地域振興局土木部管内図 平成20年3月 熊本県阿蘇地域振興局土木部 大判図

2.水質 8平成25年度水質調査報告書

(公共用水域及び地下水)平成26年10月 熊本県 50-56

3.水底の底質 9大気・化学物質・騒音等

環境調査報告書 第49報平成26年9月 熊本県環境生活部 48

10 湧水保全ポータルサイト 平成27年5月 環境省 HP

11 熊本市の湧水マップ 平成26年 熊本市水保全課 HP

12 くまもとウォーターライフ 平成26年 熊本市水保全課 HP

13 水の国くまもと 平成26年 熊本県環境生活部 HP

14 大津菊陽水道企業団水道ビジョン 平成21年3月 大津菊陽水道企業団 10

15平成25年度水質調査報告書

(公共用水域及び地下水)平成26年10月 熊本県 142-170

16 土じょう図 熊本 昭和33年 経済企画庁・熊本県 大判図

17 土じょう図 菊池・高瀬・御船

昭和55年8月

昭和46年8月昭和57年7月

熊本県 大判図

18全国地盤環境情報ディレクトリ(平成25年度版)

平成26年 環境省 HP

19 平成25年度版熊本の環境~環境白書~ 平成26年3月 熊本県 71-72

20 地形分類図 熊本 昭和33年 経済企画庁・熊本県 大判図

21 地形分類図 菊池・高瀬・御船昭和55年8月昭和46年8月

昭和57年7月

熊本県 大判図

22第1回自然環境保全基礎調査すぐれた自然調査

昭和51年 環境庁 大判図

23 表層地質図 熊本 昭和32年 経済企画庁・熊本県 大判図

24 表層地質図 菊池・高瀬・御船

昭和55年8月

昭和46年8月昭和57年7月

熊本県 大判図

25第1回自然環境保全基礎調査

すぐれた自然調査昭和51年 環境庁 大判図

26第2回自然環境保全基礎調査

動物分布調査昭和54-56年 環境庁 大判図

27第2回自然環境保全基礎調査

特定植物群落調査昭和55年 環境庁 大判図

28第3回自然環境保全基礎調査特定植物群落調査

平成元年 環境庁 大判図

29第4回自然環境保全基礎調査巨樹・巨木林調査

平成3年 環境庁 大判図

30熊本県の保護上重要な野生動植物リスト-

レッドリスト2014-平成26年7月 熊本県 115-116

31 自然環境保護関連法令集 平成13年 熊本県環境生活部自然保護課 CD-R

32 熊本市の指定文化財一覧表 平成25年6月 熊本市 HP

33 合志市指定文化財 平成25年7月 合志市 HP

34 菊池市の文化財 平成25年7月 菊池市教育委員会 HP

35 菊陽の文化財 平成23年4月 菊陽町教育委員会 HP

36 文化財マップ 平成23年12月 大津町 HP

37 くまもとホタルの里100選 平成3年3月 熊本県ホタルを育てる会 34-35

38 くまもとの自然公園 平成22年11月 熊本県自然保護課 HP

39 第6回・第7回自然環境保全基礎調査植生調査 平成11年~ 生物多様性情報システム HP

40第3回自然環境保全基礎調査熊本県自然環境情報図

平成元年 環境庁 大判図

41 自然環境保護関連法令集 平成13年 熊本県環境生活部自然保護課 CD-R

42 くまもとの自然公園 平成22年11月 熊本県自然保護課 HP

43 日本の道100選 昭和61年 建設省 HP

44 全国観光情報データベース 平成27年6月 日本観光振興協会 HP

45 市町村要覧 平成27年6月熊本市・菊池市・合志市・菊陽

町・大津町・益城町・西原村

HP・パン

フレット

46 観光関連資料 平成27年6月熊本市・菊池市・合志市・菊陽

町・大津町・益城町・西原村

HP・パン

フレット

47 熊本・玉名・菊池・御船 地形図 平成7-13年 国土地理院 大判図

48 全国観光情報データベース 平成27年6月 日本観光振興協会 HP

49 市町村要覧 平成27年6月熊本市・菊池市・合志市・菊陽

町・大津町・益城町・西原村

HP・パン

フレット

50 観光関連資料 平成27年6月熊本市・菊池市・合志市・菊陽

町・大津町・益城町・西原村

HP・パン

フレット

51 くまもとホタルの里100選 平成3年3月 熊本県ホタルを育てる会 34-35

大気環境の状況

項目

水環境の状況

景観及び人と自然との触れ合い活動の場の状況

1.景観

2.人と自然との触れ合い活動の場

1.土壌

4.その他

1.水象

1.動物2.植物

3.生態系

動植物の生息又は生育、

植生及び生態系の状況

1.地形

2.地盤

土壌及び地盤の状況

地形及び地質の状況

2.地質

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3.2 社会的状況

事業実施想定区域及びその周囲における主な社会的状況を把握した結果を表 3-3 及び

図 3-1 に示します。また、社会的状況の把握に用いた文献・資料を表 3-4 に示します。

表 3-3(1) 社会的状況

項目 事業実施想定区域及びその周囲の概況

人口及び産業の状況

1.人口 熊本市、菊池市、合志市、大津町、菊陽町、益城町、西原村が熊本県全体の約 52%の人口を占めている。 2.産業 熊本市、菊池市、合志市、大津町、菊陽町、益城町、西原村での産業別就業者数の構成比は、第 3次産業の占める割合が高く約 75%、第 2次産業の占める割合は約 19%、第 1次産業は約 5%である。

土地利用の状況 事業実施想定区域及びその周囲の山地・丘陵地は主に疎林地として利用されており、低地部は畑、住宅地として多く利用されている。

河川、湖沼及び海域の利用並びに地下水の利用の状況

熊本県では、水利用全体の約 8割を農業用水が占めており、農業用水はその9 割近くが河川やダム、ため池等の地表水を使用している。工業用水の約 6 割は回収水、約 3割は地表水を使用している。水道水の約 7割は地下水を使用している。熊本市、菊池市、合志市、大津町、菊陽町、益城町、西原村での地下水利用は、水道用水としての利用が約 7割で最も多く、農業用水と工業用水の利用がともに約 1割である。

交通の状況 事業実施想定区域及びその周囲には、高速自動車国道として九州縦貫自動車道がある。また、主要な一般国道として一般国道 3号、一般国道 57号がある。鉄道は、九州新幹線、JR豊肥本線がある。

学校、病院その他の環境の保全についての配慮が特に必要な施設の配置の状況及び住宅の配置の概況

熊本市、菊池市、合志市、大津町、菊陽町、益城町、西原村には、それぞれ人口集中(DID)地区がある。また、その他にも多数の集落が形成されている。事業実施想定区域及びその周囲には、多くの学校・病院がある。

下水道の整備の状況

下水道普及率は、熊本市約 88%、菊池市約 57%、合志市約 95%、大津町約70%、菊陽町約 98%、益城町約 89%である。なお、西原村は公共下水道事業未実施である。

環境の保全を目的として法令等により指定された地域その他の対象及び当該対象に係る規制の内容その他の状況

1.都市計画法第八条第一項第一号の規定により定められた用途地域 事業実施想定区域及びその周囲には、用途地域が定められている。

2.環境基本法第十七条の規定により策定された公害防止計画の策定の状況 熊本市、菊池市、合志市、大津町、菊陽町、益城町、西原村には、公害防止

計画が策定された地域はない。

3.大気汚染防止法第五条の二第一項の規定により定められた指定地域

事業実施想定区域及びその周囲には、指定地域はない。 4.自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法第六条第一項及び第八条第一項の規定により定められた窒素酸化物対策地域及び粒子状物質対策地域 事業実施想定区域及びその周囲には、対策地域はない。

5.幹線道路の沿道の整備に関する法律第五条第一項の規定により指定された沿道整備道路 事業実施想定区域及びその周囲には、沿道整備道路の指定はない。

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表 3-3(2) 社会的状況

項目 事業実施想定区域及びその周囲の概況

環境の保全を目的として法令等により指定された地域その他の対象及び当該対象に係る規制の内容その他の状況

6.環境基本法第十六条第一項の規定により定められた騒音に係る環境基準の類型の指定状況 騒音に係る環境基準の類型の指定状況については、第一種低層住居専用地

域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域がA類型、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、風致地区(A類型を除く)、熊本市(画図町重富、画図町所島、画図町下無田、城山半田一丁目から三丁目、城山薬師1丁目、城山薬師二丁目、小島二丁目、小島三丁目、小島五丁目、小島上町、中原町、中島町のうち、用途地域以外の地域)がB類型、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域、工業専用地域、用途地域以外の地域(B類型の区域を除く)がC類型とされている。 7.騒音規制法第三条第一項及び第十七条第一項に基づく指定地域内における自動車騒音の限度、地域指定状況、区域の区分、時間の区分の状況 騒音に係る環境基準の地域の類型がAの地域がa区域、騒音に係る環境基準

の地域の類型がBの地域がb区域、騒音に係る環境基準の地域の類型がCの地域がc区域とされている。

8.土壌汚染対策法第六条第一項の規定により指定された区域

事業実施想定区域及びその周囲には、要措置区域はない。 9.世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約第十一条二の世界遺産一覧表に記載された文化遺産及び自然遺産の区域 事業実施想定区域及びその周囲には、世界遺産一覧表に記載された文化遺産

及び自然遺産の区域はない。 10.絶滅のおそれがある野生動植物の種の保存に関する法律第三十六条第一項の規定により指定された生息地等保護区の区域 事業実施想定区域及びその周囲には、生息地等保護区の区域はない。

11.特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約第二条一の規定により指定された湿地の区域事業実施想定区域及びその周囲には、湿地の区域はない。

12.文化財保護法第百九条第一項の規定により指定された名勝又は天然記念物 事業実施想定区域及びその周囲には、文化財保護法により指定された国指定

天然記念物、県指定天然記念物、市町指定天然記念物がある。なお、文化財保護法により指定された名勝はない。 13.自然公園法第五条第一項の規定により指定された国立公園、同条第二項の規定により指定された国定公園又は同法第七十二条の規定により指定された都道府県立自然公園の地域 事業実施想定区域及びその周囲には、阿蘇くじゅう国立公園、金峰山県立自

然公園がある。 14.自然環境保全法第十四条第一項の規定により指定された原生自然環境保全地域、同法第二十二条第一項の規定により指定された自然環境保全地域又は同法四十五条第一項の規定により指定された都道府県立自然環境保全地域 事業実施想定区域及びその周囲には、自然環境保全地域はない。

15.首都圏近郊緑地保全法第三条第一項の規定により指定された近郊緑地保全区域 事業実施想定区域及びその周囲には、近郊緑地保全区域はない。

16.瀬戸内海環境保全特別措置法第十二条の七の規定により指定された自然海浜保全地区 事業実施想定区域及びその周囲には、自然海浜保全地区はない。

17.近畿圏の保全区域の整備に関する法律第五条第一項の規定により指定された近郊緑地保全区域 事業実施想定区域及びその周囲には、近郊緑地保全区域はない。

18.都市緑地法第五条第一項の規定により指定された緑地保全地域又は同法第十二条第一項の規定により指定された特別緑地保全地区の区域 事業実施想定区域及びその周囲には、緑地保全地域、特別緑地保全地区の区

域はない。

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- 10 -

表 3-3(3) 社会的状況

項目 事業実施想定区域及びその周囲の概況

環境の保全を目的として法令等により指定された地域その他の対象及び当該対象に係る規制の内容その他の状況

19.都市緑地法第四条第一項により市町村が定める緑地の保全及び緑地の推進に関する基本計画 緑地の保全及び緑化の推進に関する基本計画として、熊本市では緑の基本計

画が策定されている。なお、菊池市、合志市、大津町、菊陽町、益城町、西原村では緑の基本計画は策定されていない。 20.鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律第二十八条第1項の規定により指定された鳥獣保護区の区域 事業実施想定区域及びその周囲には、鳥獣保護区が 6箇所ある。

21.都市計画法第八条第一項第七号の規定により定められた風致地区の区域 事業実施想定区域及びその周囲には、風致地区がある。

22.景観法第八条第一項により景観行政団体が定める良好な景観の形式に関する計画(景観計画) 熊本県では、「熊本県景観計画」(平成 20年 4月)が策定されている。また、

熊本市では、「熊本市景観計画」(平成 22年 1 月)が、西原村では、「西原村景観計画」(平成 27年 5 月)が策定されている。事業実施想定区域及びその周囲において、「熊本県景観計画」では、熊本空港周辺を景観形成地域、「熊本市景観計画」では、7箇所を重点区域、熊本空港周辺を景観形成地区、「西原村景観計画」では、熊本空港周辺を景観形成地域として、それぞれ指定している。なお、菊池市、合志市、大津町、菊陽町、益城町では景観計画は策定されて

いない。 23.地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律第五条第 1 項の規定により市町村が定める歴史的風致の維持及び向上に関する計画(「歴史的風致維持向上計画」) 事業実施想定区域及びその周囲には、歴史的風致維持向上計画はない。

24.その他の環境の保全を目的として法令等に規定する区域等の状況 事業実施想定区域及びその周囲には、「保護林の再編・拡充について」(平成

元年林野庁長官通達)の規定に基づく保護林の区域が 2箇所ある。 事業実施想定区域及びその周囲には、熊本県自然環境保全条例により定めら

れた郷土修景美化地域がある。

その他の事項 特になし

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表 3-4 社会的状況の把握に用いた文献・資料

番号 資料名 発行年月 発行元 出典頁

1.人口 1 平成26年熊本県統計年鑑 平成27年3月 熊本県統計協会 HP

2.産業 2 平成26年熊本県統計年鑑 平成27年3月 熊本県統計協会 HP

3 土地利用図 熊本 昭和60年8月 国土地理院 大判図

4 平成26年熊本県統計年鑑 平成27年3月 熊本県統計協会 HP

5 熊本の水資源データ集 平成21年1月 熊本県環境生活部環境立県推進課 HP

6 平成25年度 地下水採取量 平成27年4月 熊本県環境生活部環境立県推進課 HP

7 平成22年度道路交通センサス一般交通量調査 平成23年10月 国土交通省道路局 HP

8 学校一覧 平成26年5月 熊本県教育委員会 HP

9 県内の社会福祉施設検索 平成27年6月 熊本県社会福祉協議会 HP

10健康福祉行政の概要【別冊】健康福祉関連施設

一覧平成26年12月 熊本県健康福祉部 HP

11 各市町村ホームページ 平成27年6月熊本市・菊池市・合志市・菊陽町

大津町・益城町・西原村HP

12 病院一覧 平成27年4月 熊本県医療政策課 HP

13 熊本県内公共図書館一覧 平成25年8月 熊本県立図書館・近代文学館温知館 HP

14 平成26年熊本県統計年鑑 平成27年3月 熊本県統計協会 HP

環境の保全を目 15 熊本市都市計画総括図 平成24年6月 熊本市 大判図

16 合志市都市計画図 平成20年1月 合志市都市建設部都市計画課 大判図

17 菊陽町都市計画基本図 平成22年3月 菊陽町 大判図

18 大津都市計画図 平成21年8月 大津町 大判図

19 熊本都市計画図(益城町) 平成26年2月 益城町 大判図

6.環境基本法第十六条第1項の規定により定められた騒音に係る環境基準の類型の指定状況

20 騒音・振動・悪臭規制区域等について 平成27年6月 熊本県環境生活部環境保全課 HP

7.騒音規制法第三条第1項及び第十七条第1項の規定に基

づく指定地域内における自動車騒音の限度、地域指定状況、区域の区分、時間の区分の状況

21 騒音・振動・悪臭規制区域等について 平成27年6月 熊本県環境生活部環境保全課 HP

22 熊本市の指定文化財一覧表 平成25年6月 熊本市 HP

23 合志市指定文化財 平成25年7月 合志市 HP

24 菊池市の文化財 平成25年7月 菊池市教育委員会 HP

25 菊陽の文化財 平成23年4月 菊陽町教育委員会 HP

26 文化財マップ 平成23年12月 大津町 HP

13.自然公園法第五条第1項の規定により指定された国立公園、同条第2項の規定により指定された国定公園又は同法

第七十二条の規定により指定された都道府県立自然公園の区域

27 くまもとの自然公園 平成22年11月 熊本県自然保護課 HP

19.都市緑地法第四条第1項に

より市町村が定める緑地の保全及び緑地の推進に関する基本計画(「緑の基本計画」)

28 熊本市緑の基本計画 平成17年3月 熊本市 HP

20.鳥獣保護及び狩猟の適正化に関する法律第二十八条第1項の規定により指定された鳥獣保護区の区域

29 熊本県鳥獣保護区等位置図 平成26年10月 熊本県環境生活部環境局自然保護課 大判図

21.都市計画法第八条第1項第一号の規定により定められた風致地区の区域

30 熊本市都市計画総括図 平成24年6月 熊本市 大判図

31 熊本県景観計画 平成20年4月 熊本県土木部(道路都市局) HP

32 熊本市景観計画 平成22年1月 熊本市都市建設局開発景観課 HP

33 西原村景観計画 平成27年5月 西原村 HP

34 九州森林管理局管内保護林一覧 平成26年5月林野庁九州森林管理局計画保全部計画課

HP

35 熊本県自然環境保護関連法令集 平成13年 熊本県環境生活部環境自然保護課 CD-R

項目

人口及び産業の

状況

土地利用の状況

河川、湖沼及び海域の利用並びに地下水の利用状況

交通の状況

学校、病院その他の環境の保全についての配慮が特に必要な施設の配置の状況及び住宅の配置の概況

下水道の整備状況

1.都市景観第八条第一項第一号の規定により定められた用途地域

12.文化財保護法第百九条第一項の規定により指定された名勝又は天然記念物

22.景観法第八条第1項に基づ

く景観行政団体が定める良好な景観の形成に関する計画(「景観計画」)

24.その他の環境の保全を目的として法令等に規定する区域等の状況

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図 3-1(1) 自然的状況、社会的状況(その1)

: 【案①】速達性に配慮し、全線を別線として九州縦貫道・熊本環状連絡道路と接続する案

: 【案②】速達性に配慮し、全線を別線として九州縦貫道と接続する案

: 【案③】沿道からの利用しやすさに配慮し、全線において既存の現道を改良して活用する案

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- 13 -図 3-1(2) 自然的状況、社会的状況(その2)

: 【案①】速達性に配慮し、全線を別線として九州縦貫道・熊本環状連絡道路と接続する案

: 【案②】速達性に配慮し、全線を別線として九州縦貫道と接続する案

: 【案③】沿道からの利用しやすさに配慮し、全線において既存の現道を改良して活用する案

※騒音に係る環境基準の類型指定範囲及び騒音規制法第 3 条第 1 項に基づく地域の指定範囲は、熊本県内全域である。

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第4章 計画段階配慮事項ごとに調査、予測及び評価の結果をとりまとめたもの

4.1 計画段階配慮事項の選定

文献で得られた情報により、重大な影響を受けるおそれのある環境の要素について検

討し、計画段階配慮事項を選定します。計画段階配慮事項として選定する環境要素と選

定理由は、表 4-1 に示すとおりです。

表 4-1 計画段階配慮事項の選定結果とその理由

影響要因

環境要素

土地又は工作物の

存在及び供用 選定理由

道路の

存在

自動車の

走行

環境の自然的構成

要素の良好な状態

の保持を旨として

調査、予測及び評

価されるべき環境

要素

大気

環境

大気質 ○

事業実施想定区域及びその周囲に

は、集落・市街地が分布する。自動

車の走行に伴い、大気質への環境影

響を及ぼすおそれがあるため選定

した。

騒音 ○

事業実施想定区域及びその周囲に

は、集落・市街地が分布する。自動

車の走行に伴い、騒音への環境影響

を及ぼすおそれがあるため選定し

た。

生物の多様性の確

保及び自然環境の

体系的保全を旨と

して調査、予測及

び評価されるべき

環境要素

動物 ○

事業実施想定区域及びその周囲に

は、重要な動物種が生息し、鳥獣保

護区が指定されている。道路の存在

に伴い、動物への環境影響を及ぼす

おそれがあるため選定した。

植物 ○

事業実施想定区域及びその周囲に

は、重要な植物群落、巨樹・巨木林、

天然記念物が生育し、郷土修景美化

地域、保護林が指定されている。道

路の存在に伴い、植物への環境影響

を及ぼすおそれがあるため選定し

た。

生態系 ○

事業実施想定区域及びその周囲に

は、まとまって存在する自然環境と

して、自然公園が指定されている。

道路の存在に伴い、生態系への環境

影響を及ぼすおそれがあるため選

定した。

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4.2 計画段階配慮事項に関する調査・予測・評価の手法

計画段階配慮事項に関する調査・予測・評価の手法は、概ねのルートの位置や基本的な

道路構造等を検討する段階における、事業計画の熟度や検討スケールに応じた環境配慮

を適切に実施できる手法とします。調査は、複数案が含まれるエリア全体を広域的に調

査できる既存資料に基づき、計画段階における環境配慮が必要な対象である検討対象(大

気質や騒音では集落・市街地、動物であれば重要な種の生息地など)の位置・分布を把

握する方法とし、把握できたものについて、表 4-2 に示します。また、予測は、環境の

状況の変化を把握する方法とします。評価は、環境影響の程度を整理、比較する方法と

します。

表 4-2 計画段階配慮事項に関する調査、予測、評価の手法

計画段階配慮事項 検討対象 調査手法 予測手法 評価手法

自動車の走行によ

る大気質

集落・市街地※1の位置 既存資料 集落・市街地の位置

と複数案との位置

関係を把握

回避又は通過

の 状 況 を 整

理・比較 自動車の走行によ

る騒音

道路の存在による

動物

重要な種の生息地等

・重要な動物種※2

・鳥獣保護区※3

既存資料 重要な種の生息地

等の位置と複数案

との位置関係を把

回避又は通過、

分断の状況を

整理・比較

道路の存在による

植物

重要な種・群落の生育地等

・重要な植物群落※4

・巨樹・巨木林※5

・天然記念物※6

・郷土修景美化地域※7

・保護林※8

既存資料 重要な種・群落の生

育地等の位置と複

数案との位置関係

を把握

回避又は通過、

分断の状況を

整理・比較

道路の存在による

生態系

生態系の保全上重要であっ

て、まとまって存在する自

然環境

・自然公園※9

既存資料 生態系の保全上重

要であって、まとま

って存在する自然

環境との位置関係

を把握

回避又は通過、

分断の状況を

整理・比較

※1)集落・市街地の既存資料:人口集中地区及び用途地域(工業専用地域を除く)を基本にS=1/2,500地形図からの読み取りによるものを補足して設定。

※2)重要な動物種の既存資料:第 1 回自然環境保全基礎調査 すぐれた自然調査(昭和 51 年、環境庁)、第 2 回自然環境保全基礎調査 動物分布調査(昭和 54-56 年、環境庁)、くまもとホタルの里 100 選(平成 3年 3月、熊本県ホタルを育てる会)

※3)鳥獣保護区の既存資料:熊本県鳥獣保護区等位置図(平成 26年 10 月、熊本県環境生活部環境局自然保護課)

※4)重要な植物群落の既存資料:第 1 回自然環境保全基礎調査 すぐれた自然調査(昭和 51 年、環境庁)、第 2 回自然環境保全基礎調査 特定植物群落調査報告書(昭和 55 年、環境庁)、第 3 回自然環境保全基礎調査 特定植物群落調査報告書(平成元年、環境庁)、熊本県の保護上重要な野生動植物リスト-レッドリスト 2014-(平成 26年 7 月、熊本県)

※5)巨樹・巨木林の既存資料:第 4 回自然環境基礎調査 巨樹巨木林調査(平成 3 年、環境庁)、自然環境保護関連法令集(平成 13 年、熊本県環境生活部自然保護課)

※6)天然記念物の既存資料:熊本市の指定文化財一覧表(平成 25年 6月、熊本市)、合志市指定文化財(平成 25 年 7月、合志市)、菊池市の文化財(平成 25 年 7月、菊池市教育委員会)、菊陽の文化財(平成 23年 4 月、菊陽町教育委員会)、文化財マップ(平成 23年 12 月、大津町)

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※7)郷土修景美化地域の既存資料:自然環境保護関連法令集(平成 13 年、熊本県環境生活部自然保護課)

※8)保護林の既存資料:九州森林管理局管内保護林一覧(平成 26 年 5 月、林野庁九州森林管理局計画保全部計画課)

※9)自然公園の既存資料:くまもとの自然公園(平成 22 年 11月、熊本県自然保護課)

4.3 計画段階配慮事項に関する調査・予測・評価の結果

計画段階配慮事項に関する調査は、既存資料に基づき表 4-2 の「検討対象」の位置・分布

を把握し、図 4-1 に調査の結果として記載しました。予測では、表 4-3 に回避等の状況を記

載し、環境の状況の変化を把握しました。

選定された計画段階配慮事項のルート毎の影響の程度は、表 4-3 に示すとおりです。自動

車の走行による大気質、騒音については、【案①】別線整備案(北ルート)及び【案②】別線

整備案(南ルート)は、影響を与える可能性は小さいものと評価し、【案③】現道改良案は、

影響を与える可能性があると評価します。また、道路の存在による動物、植物、生態系につ

いては、いずれのルートも影響を与える可能性は小さいものと評価します。

そこで、具体的なルートの位置や道路構造を決定する段階では、できる限り集落・市街地、

重要な種の生息地等、重要な種・群落の生育地等、生態系の保全上重要であって、まとまっ

て存在する自然環境を避けて計画します。

なお、各検討対象について、回避が困難又は、必ずしも十分に低減されないおそれのある

場合には、今後の環境影響評価の中で調査・予測・評価を行い、必要に応じて適切な環境保

全措置を検討します。

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- 17 -図 4-1 計画段階配慮事項の調査結果

: 【案①】速達性に配慮し、全線を別線として九州縦貫道・熊本環状連絡道路と接続する案

: 【案②】速達性に配慮し、全線を別線として九州縦貫道と接続する案

: 【案③】沿道からの利用しやすさに配慮し、全線において既存の現道を改良して活用する案

<既存資料>

鳥獣保護区:熊本県鳥獣保護区等位置図(平成 26年 10 月、熊本県環境生活部環境局自然保護課)

自然公園:くまもとの自然公園(平成 22年 11 月、熊本県自然保護課)

重要な動物種:第 1回自然環境保全基礎調査 すぐれた自然調査(昭和 51年、環境庁)、第 2回自然環境保全

基礎調査 動物分布調査(昭和 54-56 年、環境庁)、くまもとホタルの里 100 選(平成 3年 3月、熊本県ホタ

ルを育てる会)

重要な植物種(巨樹・巨木林、天然記念物):第 4回自然環境基礎調査 巨樹巨木林調査(平成 3年、環境庁)、

自然環境保護関連法令集(平成 13年、熊本県環境生活部自然保護課)、熊本市の指定文化財一覧表(平成 25

年 6月、熊本市)、合志市指定文化財(平成 25年 7月、合志市)、菊池市の文化財(平成 25年 7月、菊池市

教育委員会)、菊陽の文化財(平成 23 年 4 月、菊陽町教育委員会)、文化財マップ(平成 23 年 12 月、大津

町)

重要な植物群落:第 1回自然環境保全基礎調査 すぐれた自然調査(昭和 51年、環境庁)、第 2回自然環境保

全基礎調査 特定植物群落調査報告書(昭和 55年、環境庁)、第 3回自然環境保全基礎調査 特定植物群落

調査報告書(平成元年、環境庁)、熊本県の保護上重要な野生動植物リスト-レッドリスト 2014-(平成 26

年 7月、熊本県)

郷土修景美化地域:自然環境保護関連法令集(平成 13年、熊本県環境生活部自然保護課)

保護林:九州森林管理局管内保護林一覧(平成 26年 5月、林野庁九州森林管理局計画保全部計画課)

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表 4-3 計画段階配慮事項に係る予測・評価の結果

計画段階

配慮事項

【案①】

別線整備案(北ルート)

【案②】

別線整備案(南ルート)

【案③】

現道改良案

自動車の走

行による大

気質

・ルートは、集落・市街地を概

ね回避していると予測しま

す。大気質・騒音に影響を与

える可能性は小さいものと

評価します。

・ルートは、集落・市街地を概

ね回避していると予測しま

す。大気質・騒音に影響を与

える可能性は小さいものと

評価します。

・ルートは、集落・市街地を通

過すると予測します。大気

質・騒音に影響を与える可能

性があると評価します。 自動車の走

行による騒

道路の存在

による動物

・ルートは、重要な種の生息地

等を回避していると予測し

ます。動物に影響を与える可

能性は小さいものと評価し

ます。

・ルートは、重要な種の生息地

等を概ね回避していると予

測します。動物に影響を与え

る可能性は小さいものと評

価します。

・ルートは、重要な種の生息地

等を概ね回避していると予

測します。動物に影響を与え

る可能性は小さいものと評

価します。

道路の存在

による植物

・ルートは、重要な種・群落の

生育地等を概ね回避してい

ると予測します。植物に影響

を与える可能性は小さいも

のと評価します。

・ルートは、重要な種・群落の

生育地等を概ね回避してい

ると予測します。植物に影響

を与える可能性は小さいも

のと評価します。

・ルートは、重要な種・群落の

生育地等を概ね回避してい

ると予測します。植物に影響

を与える可能性は小さいも

のと評価します。

道路の存在

による生態

・ルートは、生態系の保全上重

要であって、まとまって存在

する自然環境から離れてお

り、生態系に影響を与える可

能性は小さいものと評価し

ます。

・ルートは、生態系の保全上重

要であって、まとまって存在

する自然環境から離れてお

り、生態系に影響を与える可

能性は小さいものと評価し

ます。

・ルートは、生態系の保全上重

要であって、まとまって存在

する自然環境から離れてお

り、生態系に影響を与える可

能性は小さいものと評価し

ます。

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第5章 その他環境省令で定める事項

5.1 環境影響評価法第三条の七に基づく配慮書の案についての意見と事業者の見解

5.1.1 一般の環境の保全の見地からの意見と事業者の見解

対策案(ルート帯案)を検討する際に重視すべき事項として、「生活環境(騒音など)への

影響が少ないこと」及び、「自然環境(動植物など)への影響が少ないこと」の2項目につい

て意見聴取を行い、「特に重視すべき」、「やや重視すべき」、「どちらでもない」、「あまり重視

すべきでない」、「重視する必要なし」の5段階で回答していただきました。その結果、重視

すべきという意見(“特に重視すべき”“やや重視すべき”)は、「生活環境(騒音など)への

影響が少ないこと」が78%、「自然環境(動植物など)への影響が少ないこと」が75%と

いう結果でした。また、自由意見の中で環境に関する意見が多数寄せられ、その代表的な意

見及び事業者の見解を表 5-1 に示します。

【生活環境(騒音など)への影響が少ないこと】 【自然環境(動植物など)への影響が少ないこと】

一般住民(企業団体含む)からの意見N=5340

43% 35% 17%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

2%1%

2%

表 5-1(1) 一般住民(企業団体含む)からの主な意見と事業者の見解

項目 一般住民からの意見 事業者の見解

環境全般

・生活環境や自然環境への影響は極力小さいことが望ましい。

・生活環境や自然環境に配慮したルートにしてほしいです。

・生活や自然に影響が少ない形でお願いします。 ・生活環境、自然環境への最大限の配慮をお願いします。 ・自然環境、生活環境の保護は道路の利便性より重視されるべきと思う。

・生活環境や自然環境を重視してください。 ・生活環境の悪化や自然破壊などは車社会がもたらす一番の弊害なのでそれを最小に抑えたい。

・生活環境や自然環境への影響を回避してほしい。 ・環境への負担が少ない事は必要だと思う。 ・生活・自然環境は他の項目に比べ生活するうえで重要

他 5件

・対策案(ルート帯案)の検討にあたっては、本事業の目的を勘案しつつ、環境面について配慮します。

・今後の環境影響評価の手続きにおいて、より詳細なルートの位置・構造の検討を行う際に詳細な影響予測を行い、必要に応じて環境保全措置等の配慮を行います。

特に重視すべき やや重視すべき どちらでもないあまり重視すべき

ではない重視する必要なし 無回答

凡例

一般住民(企業団体含む)からの意見N=5340

40% 35% 19%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

3%1%

2%

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表 5-1(2) 一般住民(企業団体含む)からの主な意見と事業者の見解

項目 一般住民からの意見 事業者の見解

生活環境(

大気質・騒音)

・生活環境(騒音、排気ガスなど)への影響が少ないこと。

・騒音(近隣住民)への影響を注意していただきたい。 ・住宅環境(生活(騒音)に支障があってはいけない。 ・騒音に配慮した道路を。 ・騒音への配慮も大切だと思います。 ・生活環境に支障なきよう対策を望む。 ・高速道路が整備されることによって排気ガス、騒音問題が気になるので対策をきちんとしてほしい。

他 64 件

・対策案(ルート帯案)の検討にあたっては、本事業の目的に勘案しつつ、集落・市街地の大気質・騒音の影響に配慮します。

・今後の環境影響評価の手続きにおいて、より詳細なルートの位置・構造の検討を行う際に詳細な影響予測を行い、必要に応じて環境保全措置等の配慮を行います。

自然環境(

動植物・生態系)

・熊本の緑(自然)を残しつつ、道路を作ってもらいたい。

・自然環境に配慮した整備。 ・自然環境に配慮した道路づくりをしてもらいたい。 ・自然環境の激変を考慮した建設・工事を強く望む。 ・自然と調和した整備が良い。 ・環境を悪化させ先住の動植物の生活をゆがませてしまうのはいかがなものか。

・動植物にもやさしい対策が望ましい。 ・動物の居場所を失くすようならしなくていい。 ・自然や生態系の破壊をきたす方向に進んでは決していけない。

・生態系を破壊しないように注意してほしい。 ・生態系に配慮したコース取りにしてほしい。

他 71 件

・対策案(ルート帯案)の検討にあたっては、本事業の目的に勘案しつつ、重要な動植物の生息・生育地等への影響に配慮します。

・今後の環境影響評価の手続きにおいて、より詳細なルートの位置・構造の検討を行う際に詳細な影響予測を行い、必要に応じて環境保全措置等の配慮を行います。

5.2 地方公共団体の長からの意見と事業者の見解

道路事業の計画段階評価に関わる意見照会において、計画段階環境配慮書の意見も兼ねて

熊本県知事及び熊本市長に意見聴取を実施し、その意見と事業者の見解を表 5-2 に示します。

表 5-2 地方公共団体の長からの意見と事業者の見解

No 地方公共団体の長からの意見 事業者の見解

1 熊本県知事

・事業実施に向けては、重要な動植物の生息・生育地等に配慮し、地域の生活環境及び自然環境への影響をできる限り回避・低減に努めていただきますようお願いします。

・事業実施に向けては、本事業の目的を勘案しつつ、重要な動植物の生息・生育地等について配慮します。

・今後の環境影響評価の手続きにおいて、より詳細なルートの位置・構造の検討を行う際に詳細な影響予測を行い、地域の生活環境及び自然環境への影響をできる限り回避・低減に努め、必要に応じて環境保全措置等の配慮を行います。

2 熊本 市長

・九州縦貫自動車道との接続部は、熊本環状連絡道路の道路計画もあり、道路交通の集中が見込まれることから、地域への大気質、騒音等の生活環境への影響に配慮し、地域への影響をできる限り回避・低減に努めて頂きますようお願いします。

・事業実施に向けては、本事業の目的に勘案しつつ、集落・市街地の大気質・騒音等の影響に配慮します。

・今後の環境影響評価の手続きにおいて、より詳細なルートの位置・構造の検討を行う際に詳細な影響予測を行い、必要に応じて環境保全措置等の配慮を行います。