ec加熱用ジャイロトロンの高出力化と高効率化 -...

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EC加熱用ジャイロトロンの高出力化と高効率化 坂本慶司,今井 (日本原子力研究所〉 (1994年12月6日受理) Development of High Power and High Efficien for Electron Cyclotron Heat血9 SAKAMOTO Keishi and IMAI Tsuyoshi 1〉α加.F%3加1~6s召αγoんE3励」づs勧乞翻,ノ砂伽∠4渉o?競E惚γgy1~εsεα舶1質s‘伽‘ε, 乃α鵤観311・11,ノ4ραπ. (Received6December l994〉 Abstract Gyrotron is the heart o∫the ECH system for beating and curren reactor. Recent progress of the gyrotron development in Japa (Gycom)and USA(Varlan)initiated the170GHz,1MW,CW hi development for ITER. Key technologies of the high efficien gyrotron deve正opmentare described。 The energy recovery gyro 50%efficiency in JAERI is ma重nly describe(i as an example of t Keywords= gyrotron,e夏ectron cyclotron heating,tokamak fusion reactor,cu ITER,cavity,quasi optical mode converter,vacuum window, 1.はじめに ジャイロトロンはサイクロトロン共鳴メーザー 作用によるミリ波帯の大電力電磁波発振用電子管 であり11],主として核融合プラズマの電子サイ クロトロン加熱(ECH)用として開発が行われて きた.ECHに使われるミリ波帯(100-300GHz) は電磁波として導波管を用いて伝送できると同時 に,光ビームとしての取り扱いも可能なことおよ び伝送電力密度の大きいことから,Fig.1に示す 如く,アンテナシステムの熱負荷対策や中性子遮 蔽に極めて有利(遠方入射,小さな開口部と曲げ 自在)である.実際の核融合炉像が明確になるに つれて,EC装置の炉環境との整合性の良さが注 目され,その心臓部となる高周波源一ジャイロト ロンの開発への期待が年々大きくなっている.物 理的にもEC加熱は大きな魅力を持っている.プ ラズマの加熱はもちろんであるが,トカマクの定 常化に不可欠な電流駆動機能(ECCD),予備電 5

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灘EC加熱用ジャイロトロンの高出力化と高効率化

坂本慶司,今井 剛 (日本原子力研究所〉

 (1994年12月6日受理)

Development of High Power and High Efficiency Gyrotron

       for Electron Cyclotron Heat血9

       SAKAMOTO Keishi and IMAI Tsuyoshi

1〉α加.F%3加1~6s召αγoんE3励」づs勧乞翻,ノ砂伽∠4渉o?競E惚γgy1~εsεα舶1質s‘伽‘ε,

           乃α鵤観311・11,ノ4ραπ.

(Received6December l994〉

Abstract

  Gyrotron is the heart o∫the ECH system for beating and current drive oftokamak fusion

reactor. Recent progress of the gyrotron development in Japan (JAERI/Toshiba),Russia

(Gycom)and USA(Varlan)initiated the170GHz,1MW,CW high efficiency gyrotron

development for ITER. Key technologies of the high efficiency,high power,long pulse

gyrotron deve正opmentare described。 The energy recovery gyrotronwhich recently achieved

50%efficiency in JAERI is ma重nly describe(i as an example of the development。

Keywords=

gyrotron,e夏ectron cyclotron heating,tokamak fusion reactor,current drive,energy recovery,

ITER,cavity,quasi optical mode converter,vacuum window,

1.はじめに

 ジャイロトロンはサイクロトロン共鳴メーザー

作用によるミリ波帯の大電力電磁波発振用電子管

であり11],主として核融合プラズマの電子サイ

クロトロン加熱(ECH)用として開発が行われて

きた.ECHに使われるミリ波帯(100-300GHz)

は電磁波として導波管を用いて伝送できると同時

に,光ビームとしての取り扱いも可能なことおよ

び伝送電力密度の大きいことから,Fig.1に示す

如く,アンテナシステムの熱負荷対策や中性子遮

蔽に極めて有利(遠方入射,小さな開口部と曲げ

自在)である.実際の核融合炉像が明確になるに

つれて,EC装置の炉環境との整合性の良さが注

目され,その心臓部となる高周波源一ジャイロト

ロンの開発への期待が年々大きくなっている.物

理的にもEC加熱は大きな魅力を持っている.プ

ラズマの加熱はもちろんであるが,トカマクの定

常化に不可欠な電流駆動機能(ECCD),予備電

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RF Source(Gyrotron)

Window

Wavegulde、

Mirror

lERFl

プラズマ・核融合学会誌 第71巻第1号  1995年1月

Gaussian Beam

  Blanket

Wa”

RF Output

臨職欝e椀、v。

日ectron Beam

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『樋

1..」;

Output Window

Co響Iecto『

  ORadial distance

Fig。1ConceptuaMew of electron cyclotron heating and

  current drive system,and the RF filed distribution

  of the Gaussian beam in the injection port.

離等のプラズマ立ち上げ補助機能,分布制御機能

と,ほとんど必要な機能を備えており[2],炉心

プラズマの能動制御手段としての期待は大きい.

しかしながら,高周波源である100GHz帯の大出

力ジャイロトロンの開発が難しく,大型トカマク

でのこれらの機能の実証が他の加熱法に比べて遅

れていること,また,ジャイロトロンの発振効率

が30%前後と他の加熱法に比して低いことから,

ITER等の次世代の核融合実験炉には時期尚早と

の評価が大勢であった.これを克服すべく開発を

進めた日本,ロシア,米国,欧州の最近の成

果[3-7]により,遂に,ITERでの本格的なジャ

イロトロン開発が開始された.この高効率化と高

出力化の開発努力について,日本(原研/東芝)の

開発例を中心に話を進める.

2.ジャイロトロンの原理

ジャイロトロン電子サイクロトロン共鳴メーザ

ー(CRM)[8級1]の原理に基づく発振管であ

り[1],基本的構成をFig.2に示す.マグネトロ

ン入射型電子銃(MIG)でそれぞれの位置でジャ

園灘醐   }   MIGtype   Electron Gun

Fig.2Conceptual view of the gyrotron,

イロ運動をする円筒状の電子ビームを生成させ,

ミラー効果でピッチファクタ(垂直速度/平行速

度)を1~2に圧縮した後,空胴共振器に入射す

る.その回転運動エネルギーが強磁場の印加され

た円筒型の共振器(open空胴共振器)内の非常に

限られた空間内でCRMにより電磁波のエネルギ

ーに変換される.具体的には,空胴共振器のカッ

トオフ周波数より少し低めの相対論的電子サイク

ロトロン周波数に対応する磁場を印加し,電磁波

と電子の結合が最も強い位置に円筒ビームを打ち

込むことによって行われ,ほぼカットオフ周波数

の発振周波数をもつ電磁波の発振が得られる.

Fig.3(a),(b)にそれぞれ空胴形状,空胴内RF

強度の軸方向分布を示す.図中左側は電子ビーム

の入り口で,空胴半径がわずかに絞ってあるが,

これによりRFはカットオフとなり全反射され

る.また,右側は出力側で半径は広がっており,

ここでのインピーダンス変化により反射が生じ共

振器となりうる.このように,何の変哲もない円

筒であるが,ここにBg.3(b)のようなRF分布

が形成され,図中右側にRF電力は出力される.

発振は電子ビームから空胴内RFへ供給される電

力Pi.が空胴から逃げるRF電力P。、t(出力電力)

を上回った場合に起こり(この電力差が共振器内

RFとして蓄積されてゆく),最初ノイズレベル

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解  説

Input

EC加熱用ジャイロトロンの高出力化と高効率化

          うレ Elec雪ron Beom

一 一一一一一一 一 }3レ

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坂本,今井

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20

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O 20    40Z lmml

Fig.3(a)TypicaI shape of high power gyrotron cavity for

    110GHz/TE22,2mode.  (b)Axial profile of streng廿10f RF electric fie[d・

  (c)Chan9e of electron energy in the cavity.20

    electrons are shown、

であった共振器内RF電力およびPi、,.P。、tが指

数関数的に大きくなり,Pi、,.P。、t両者が平衡に

達したところで発振電力が決まる.Fig.3(c)は

平衡状態におけるRFとの相互作用による電子エ

ネルギーの変化である.RF位相に対し等分配さ

れた初期電子は空胴共振器左側より入射される.

入り口付近では,その位相に応じて空胴内RFに

より減速あるいは加速される.減速/加速により

電子のエネルギーが変化し,電子の相対論的質量

が変化することによりその回転速度がそれぞれ早

く/遅気なる.これにより電子の位相集群が生じ

るが,低めの磁場を印加することにより,エネル

ギーの低い状態に電子が長く滞在するようにな

り,図のようにほとんどの電子が減速された状態

ができる.ここで再加速される前に相互作用を終

結させる(ここに空胴出口をもってくる).図中

の相互作用前後の電子のエネルギーギャップが発

振エネルギーに対応する.最適の磁場,相互作用

長(空胴共振器の長さ),RFの強度(空胴共振器

のQ-factor)を選択することにより,効率の良い

発振が得られる.

 発振周波数五 (空胴のカットオフ周波数畑。)

は,

∫~あn=αm、/α

 で与えられる.ここでん、はカットオフ周波

数,αは空胴半径,6は光速,κm、はん(∬)=0

(加’(認)は勉次ベッセル関数の1次微分)の0を

除くπ番目の根であり,別,%は円筒導波管内の

電磁波モード(TE窺,%モード)に対応する.熱

負荷を許容値(ピーク値で2kW/cm2程度)に保

ったまま出力を上げるには,空胴の半径を大きく

する必要があるが,そのためには上式からわかる

ように必然的に高次の発振モード(回廊モード,

体積モード)を選択する必要がある[12].発生し

た高周波は,初期のジャイロトロンではFig.2

に示したように,ボディ部やコレクター部自身を

導波管にして,上部に組み込まれた出力窓から取

り出されていたが,高出力,長パルス化には,後

節で述べる高周波出力を横方向の窓から取り出す

ための準光学モード変換器内蔵が不可欠となる.

3.開発の現状 日本,米国,ロシアが大型のPトカマク装置に向

けて110GHz~140GHzのジャイロトロンの開発

にしのぎを削り,まず,いち早く,準光学モード

変換器内蔵型のジャイロトロンを採用したロシア

が,500kWレベルで数秒のジャイロトロンの開

発に成功し,高出力,長パルスの口火を切った.

周波数100GHz以上の高出力ジャイロトロンの開

発の状況を示したのが,Table1である.ロシア

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プラズマ・核融合学会誌 第71巻第1号  1995年1月

Table l Present status of gyrotron development   (>100GHz,Iong pulse)CPD:Gyrotron with

   energy reCOVery SyStem。

hs書i電uteFrequency(GHz》 CavityMode E緬cien {%) OutpuUDura樋o(kW》 (secゆ

Notes

JAERI/Toshiba

110(170) ’『E22,2TE22,6TE22,12σE、22,e) 50483027(50) 610/0.0535015.0660/0,OO1700’O,001(500/1。0》

Mitsubishi 120 TE15.2 31 102010.00{ W,G。mode ouゆut

GYCOM(Russia)

140158.5 正、22。5TE24,プ 423430 500/3.0970’0.3700/0.7

Va面an(USA) 110 TE22,6TE22,2 2535 50010,001500/2.5

W。G。mode oUput

KfK(Germany 140.2 TE’104 48 500/0,008 CPDThomson(France》 118 ’『E22,6 29 500/0,OO1(500/210》

(Designvalue》

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   鯉!◆へ  ◆US RussiaP「esent・〆▲Status

(GYCOM〉のジャイロトロンの特徴はほとんど

モード変換器内蔵であるが,出力窓に周辺冷却の

窒化ボロンを使用していることから,パルス幅が

制限されている.米国ではM皿などの大学レベ

ルの研究を除き80年代に,28-60GHzのジャイ

ロトロンで世界を制覇したバリアン社の開発が主

体である.110GHz/450~500kW/2.5秒の記録

を得た後[13],ここ数年は足踏み状態であった

が,最近は長パルス化に重点を置き,核融合科学

研究所と共同で84GHlzで50KWであるが1時問

の連続運転に成功している114].日本では原研と

東芝が共同で開発を進め,ロシアに少し遅れて,

モード変換器内蔵型ジャイロトロンの開発に成功

し,高出力化への基礎作りを行った[15,16].世

界に先駆けて,高効率化の鍵であるエネルギー回

収型ジャイロトロンの開発を推進し,これまでの

効率を2倍近く上回る50%の世界最高効率を達

成した[7].また,ほぼ同じ高効率で350kW,5

秒の100GHz以上としては世界最大の出力エネル

ギー1.75MJを達成した.三菱は短パルスなが

ら,1MWの出力を120GHzで得ており[17],ま

た,欧州では,KfK(カールスルエ)等の研究所

が,モード変換器やエネルギー回収技術を組み込

んだ開発[6]をすすめるとともに,電子管メーカ

ーであるトムソン社と共同で長パルス化に取り組

んでいる.Fig.4は性能の指標として出力エネル

ギー(10秒以上が連続として10秒で評価)と効率

   100     500Frequency(GHz)

Fig.4 0utput energy vs.frequency.

の積をとり,横軸周波数に対して現状と上記の目

標を示すものである.日,露,米の最近の成果に

より,ITERの目標である170GHz/1MW/連続

出力ジャイロトロン開発の目処が出てきており,

ITERでは1996年半ばまでに,170GHz,500kW

のジャイロトロンを日本とロシアが中心となり開

発し,その後,ITERの工学設計期間が終了する

1998年までに,1MW連続の高効率ジャイロトロンを開発する計画である[圭8].

4.高出力,高効率ジャイロトロンの開発(1)高出カジャイロトロンの開発

 原研において大型トカマクにおけるECH/ECCD用ジャイロトロンの検討を1983年か

ら始め,本格的に開発を開始したのは1987年で

ある.高出力化には従来より高次の共振モードが

必要との判断からTE12,2回廊モードを使用し,

1988年に最初の500kWレベルの発振に成功し,

120GHz,520kW,1ミリ秒を得た.このジャイ

ロトロン(Fig.5(a))は2節で述べたようにコレ

クタが導波管を兼ねているため大きくできず,熱

負荷が過大となり長パルス,高出力化に不向きで

あった.また,出力窓等で出力が反射されやす

く,発振に影響を与えやすい.そこで,次のステ

ップとしてFig.6に示すようなモード変換器を

内蔵し出力を準光学的にガウスビームとして外部

に出力することにした.これにより,(i)コレク

タはもはや導波管ではないためそのサイズを大き

くできると同時に,(ii)外部でガウス型ビームに

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解  説 EC加熱用ジャイロトロンの高出力化と高効率化

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坂本,今井

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Fig.5Picture oI JA吐H卜losnlDa gyrolrons.

  (a〉TE122whispering gallery mode gyrotron. (b)First gyrotron with quasi-optical mode converter.

  (c)Long pulse gyrotron which achieved420kW,1.3sec.at110GHz.(d)High e廷iciency gyrotron with energy

  recovery system,which achieved50%efficlency.

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Fig.6Conceptual view of built-in mode converter gyrotron with e“ergy recovery system.

モード変換する必要がなく,(iii)出力窓からの

RFの反射による影響をなくすことができ,(iv〉

さらに後に述べるようにエネルギー回収システム

の導入も可能であるという一石四鳥の方法であ

る.ただ,モード変換器からの反射の影響やモー

ド変換器からのもれRFによる発振に対する影響

等の心配はあった.しかし,実際に実験を行って

みると極めて安定な発振が得られることが確認さ

れ,これにより長パルス化,大電力化への道が開

けた.(この方法は,すぐ後になって当時情報を

公開していなかったソ連ですでに行われていたこ

とがわかった.〉.また,原研のクライストロン用

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プラズマ・核融合学会誌 第71巻第1号  1995年1月

電源をジャイロトロン電源に改造することにより

10秒までの長パルス運転が可能になり,開発の

基盤を整えた[19].1991年に発振モードとして

Fig.5(c)に示すTE22,2回廊モードを用いた

110GHz/500kW/1秒のジャイロトロンの開発

に着手した.コレクタはJT-60用クライストロン

で実績のある蒸発冷却型を用いた.出力モードは

ガウスビームであるので,出力窓の中心付近にパ

ワーが集中し,出力窓周辺部での放電破壊等の心

配はないという長所がある.その反面)中心部で

の発熱が大きくなり,発熱面の直接冷却が必要と

なる.そのため,長パルスで問題となる真空窓に

ついては,サファイアの2重窓(2重窓の間に

RF吸収の小さい液体冷却材を流し,窓を面冷却

する)を採用した.このジャイロトロンですぐに

当時の最高レベルのデータ500kW/1秒に追いつ

くはずであったが,ここにきて大きな壁に突き当

たった.電子ビームの立ち上げ過程で徐々に20

アンペアに立ち上げるはずが,突然40アンペア

以上に上昇し,ビームパラメータの制御が不能に

なるという現象である.これに対して,立ち上げ

過程でピッチファクタの大きい成分が生成され,

それがミラー磁場で電子銃部まで逆流することが

原因となっているとの仮説を立て,印加電圧の立

ち上げシナリオを変更することでこの現象を制御

することに成功した.これにより1993年の秋に

当初の目標である410kW,1.3秒のデータを達成

した[3].この経験は同時進行で行われた次のエ

ネルギー回収型ジャイロトロンの設計や試験装置

の改良に反映された.(例えば,電子ビームの特

性が理解され,これに応じた最適の発振設計を行

うことにより,Fig.5(d)のエネルギー回収型ジ

ャイロトロンでは設計通りの発振を得ることがで

きた.)

(2)高効率化一エネルギー回収型ジャイロトロン

  の開発[7]

 ジャイロトロンの発振過程においては,らせん

運動する電子ビームのエネルギーの内電磁波に変

換させるのは主に回転成分のみであり,軸方向エ

ネルギーはただコレクターに吸収されるだけであ

る.したがって,このエネルギーを回収すること

により,大幅な効率の改善が見込まれる[20].使

用済み電子ビームの最低エネルギーは少なくとも

電子の軸方向エネルギー以上である.原理的には

このエネルギーに対応する逆バイアス電圧の印加

が可能である.Fig.6にエネルギー回収ジャイロ

トロンとその電源構成の概念図,この時の軸方向

のポテンシャル分布および磁場分布を示す.構造

はモード変換器内蔵型ジャイロトロンのボディ部

を絶縁体で囲み,さらにコレクタとボディ部の間

を13cm程度のセラミックで絶縁している.これ

によりボディ部に高電圧を印加することができ

る.電子ビームは電子加速電源[21]から印加さ

れた電圧γ、で加速される.電子1ま空胴共振器で

の相互作用を経てコレクタに流れる.電子はボデ

ィ部には流れないのでこの加速電源でのエネルギ

ー消費はほとんど0であり,エネルギーの供給は

主電源により行われる.従来型の運転では%=

7Cであるが,ここでもし%を一定のまま隣を

減少させるど,発振はそのまま継続し(発振は7。

には依存しない),相互作用を終えた電子ビーム

がボディ部とコレクタ間に発生した電圧(%一

殊)により減速させることになる.この失った電

子ビームの運動エネルギーは電源部に静電的に回

収される.これによって,効率は次のように改善

される.

     P。、t P。ut%_ %  ηt・talr冨「夏π}ηrfπ

 ここでηt。t、i,η,fはそれぞれエネルギー回収有

り/無し時の効率,P。、tはRF出力電力,1,はビ

ーム電流である.このように,エネルギー回収を

行うことにより,効率はファクタ(瑞/yl)だけ

改善されることになる.例えば,初期エネルギー

76keV/27A,ピッチファクタ=1.4の電子ビー

ムにより発振を行った時,軸方向エネルギー成分

は約26keVであるので,相互作用後の電子ビー

ムのエネルギーはこれ以上の領域に分布する.

Fig.7はこのパラメータでシミュレーションを行

ったものであるが,使用済み電子ビームのエネル

ギー一は予想どおり28keV以上に分布しているこ

とがわかる.したがって約28kVの逆バイアスの

印加が可能であり,結果として約1.6倍のエネル

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解  説 EC加熱用ジャイロトロンの高出力化と高効率化 坂本,今井

10.O

8.O

ε6.0

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2.O

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 O 20 40  60E{keVl

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lO 15 20 25   Vr《kVl

30 35

Fig.7Simulation resuit of the energy distribution of the

  e書ectron beam after osci闘ation. Initial energy is

  77keV,and the initial pitch factor is14.

ギー改善が見込まれる.(これに対し,ロシアの

グループ等からジャイロトロンの発振後の電子ビ

ームには測定してみると予想外の低エネルギー成

分が含まれており,逆バイアス電圧をかけるとこ

れが逆流しエネルギー回収は結局うまくいかない

だろうとのコメントをもらっていた.)

 1992年から設計を開始し,製作は1994年初め

に完了した.実験では発振の劣化や真空度上昇等

を心配しながら逆バイアスを上昇させていった.

しかし,途中ロシアグループが指摘した懸念によ

るような兆候は全く見られず,予測したとおりの

逆バイアス電圧まで何の変化もなく印加できた。

しかもさらに電圧を上昇させても発振電力の減少

は見られるものの発振自体は極めて安定という驚

くべき結果を得た.Flg.8はエネルギー回収実験

の代表例であり,出力,ηt。t、1,ηRFおよびボディ

部への電子拡散によるリーク電流のバイアス電圧

依存性を示している.この時の初期ビームエネル

ギー/電流は76keV/27A,パルス幅は50ミリ秒

である.発振電力は約600kWで発振効率は30%

であるが,バイアス電圧印加にもかかわらず,

77=30kVまでほほ∀定の出力が得られている.

この結果,W=30kVにおいて効率が30%から

50%まで大幅に改善された.砂>30kVでは出

力が下がり始め,ボディヘのリーク電流が現われ

Fig.8Experimental result of energy recovery. Beam

  energy is77keV.Pulse duration is50msec.

る.これは使用済み電子ビームのうち,低エネル

ギー成分がボディーコレクタ間のポテンシャルを

乗り越えることができずジャイロトロン内に閉じ

込められた結果であるが,注目すべき点は例えば

砂=33kVにおいて,シミュレーションの予測

では約600mA以上の電流成分が反射されるにも

かかわらず約10mAのリーク電流しか観測されて

いないことである.さらに,多量の電子が閉じ込

められれば管内の真空度の劣化,ビームの質の劣

化がおこり発振自体が不安定になることが予想さ

れるが,得られた発振は極めて安定なものであっ

た.この結果は次の機構により説明できる.反射

した低エネルギー電子はFig.6のように1kG以

上の強い磁場によってトラップされ同じ磁力線上

を移動する。そして,電子銃部のポテンシャル

(約80kV)とコレクタ部のポテンシャル(約

30kV)問を往復することになるが,その際に空

胴共振器部を通過する.この空胴共振器にはもち

ろん強いRFがあり,さらに電子サイクロトロン

共鳴条件に近い磁場が存在しているため,電子は

強い相互作用を受け電子サイクロトロンメーザー

の逆過程により,ほとんどの低速電子はRFを吸

収し加速されることになる.加速された電子はコ

レクタ部のポテンシャル障壁を乗り越えることが

でき,コレクタに吸収される.この結果,トラッ

プされた電子が多い場合には発振出力は電子加速

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プラズマ・核融合学会誌 第71巻第1号  1995年1月

に消費され減少はするものの,電子のジャイロト

ロン内での蓄積は起こらず,ボディ部へのリーク

電流はほとんど流れないことになる.このため長

パルス運転時でもジャイロトロンの破損の心配が

ない.この結果を受け,エネルギー回収を行った

F状態で長パルス化を行ったが,逆バイアスの印加

によりコレクタヘの熱入力が減るためコンディシ

ョニングに要する時問は従来に比べ大幅に短縮さ

れた.現在までに,出力350kWで効率48%,パ

ルス幅5秒までの非常に安定な発振が得られてい

る.また同様に,出力420kW,パルス幅3。3秒で

も同様の安定な発振が得られている.

 エネルギー回収ジ、ヤイロトロンはジャイロトロ

ン自身に大きな変更を要求することなく効率の大

幅な向上をもたらすが,これにより電源,冷却系

等の容量は大幅に減少する[22].また,逆バイア

スの印加によりコレクタヘの熱負荷は約1/3にな

り,コレクタのサイズを小型化できる.また,こ

こから発生するX線量も大幅に減少する.実験

では約1/10へX線量の減少が観測されている.

このように,将来ECH/ECCDの大幅なコストダ

ゥンを図ることができる.

5.高出力化に対する今後の課題

 ITER等の大型核融合装置のECH/ECCDには

周波数170GHz,連続出力,また電力としては

50MW以上のシステムを構成するため1台あた

り1MW以上の出力のジャイロトロンが要請され

ている.このパラメータはこれまで開発されたジ

ャイロトロンのそれを大きく上回るものである.

今後の開発上特に問題となるものは,

 (1)大電力電磁波が発振する空胴共振器の発

   熱

 (2)内蔵型モード変換器からの回折損により

   発生した漏洩電磁波によるジャイロトロ

   ン内の発熱

 (3)真空封じ用出力窓の発熱

等である.このように高周波数化,大出力化,長

パルス化に際しては,大電力機器では当然のこと

ながら,熱の発生を如何に抑えるか,また如何に

冷却するかが主要なテーマとなってくる.

(1)空胴共振器

 共振器内壁のオーミック損失による熱負荷は同

一モードの場合,一般に出力および周波数の2.5

乗に比例して大きくなる.したがって,第2節に

述べたように,空胴共振器への熱負荷を2kW/cm2程度に抑えるには,これまでよりもさ

らに高次のモードを選択する必要がある.(例え

ば,500kW出力ではTE22,6,1MW出力ではTE3、,8程度)この場合,複数のモードが同時に発

振条件を満たすようになり,いわゆるモード競合

の恐れがでてくる[23-26].これを発振モードが

TE22,6モードについて時間依存のマルチモードコ

ード[25]により解析を行った.その結果競合モ

ードはTE2、,6,TE23,6,TE、g,7になるが,発振の初

期では各モードが成長するものの,最も強い

TE22,6モードが軍子ビームを自分の発振に都合の

いいように変えてしまい,他のモードが抑制され

てしまうという結果が得られた.結局メインモー

ドであるTE22,6のみが成長し単独発振することに

なるが,これはジャイロトロンのパワーを取り出

す立場からみるとモード変換器の最適化(高効率

化)が非常に容易となり都合がよい.原研では,

次の170GHz/500kWのジャイロトロンの発振モ

ードとしてTE22,6を考えており,そのための予備

実験として短パルスジャイロトロンを製作し

110GHzにおいてTE22,6の発振テストを行った.

その結果,上記マルチモードコードの予測とほぼ

一致した安定な発振出力が得られ,このモードを

用いた170GHz,500kWジャイロトロンの見通

しが得られている.今後,170GHz,1MWジャ

イロトロン用としてさらに高次のモード発振実験

を計画しているが,同様の研究を行う必要があ

る.

 また,熱負荷対策として,冷却技術の開発や高

温時の機械的特性に優れたアルミナ分散銅材料の

使用等の材料の面からのアプローチも重要である.

(2)モード変換器

 ジャイロトロン内蔵型モード変換器としてはこ

れまでブラゾフらによって提案されたいわゆるブ

ラゾフ変換器[27]を用いてきた(珂g。9)。これ

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解  説 EC加熱用ジャイロトロンの高出力化と高効率化

は導波管を軸方向に直線に切込を入れた放射器と

これからほぼ円筒状に放射される電磁波を受け平

行ビームに変換する放物面状ミラーから構成され

るきわめて簡単な構造を持ったものである.欠点

は変換効率が80%程度と低くジャイロトロン自

身の効率を下げてしまうことに加えて,モード変

換損として発振電力のうちの約20%の電力がジ

ャイロトロン内に閉じ込められ,ジャイロトロン

内壁の発熱等を引き起こすことである.我々のジ

ャイロトロンでも冷却していない内壁の部分の温

度上昇が生じ,ジャイロトロン内の真空度劣化に

より長パルス化が制限されるという経験があっ

た.これに代わる新方式として,最近ロシアの

Denisovにより考案された導波管内型モード変換

器が登場した[4].これは導波管内壁に凹凸を持

たせ,放射前にガウス型パワー分布を形成し,回

折損失を抑え効率の向上を図ったもので,変換効

率として95%が可能と発表された.現在では,

この概念に基づくモード変換器の研究がさかんに

なっており,一部ジャイロトロンヘも適用されて

いる[4,28].原研では次のジャイロトロン用モー

ド変換器として導波管型モード変換器の1種であ

る単らせん型モード変換器(Denisov型は2重ら

せん型に対応する)[29]を採用する予定である.

(3)真空封じ用出力窓

 信頼性の高い大電力ミリ波の透過が可能な真空

封じ用出力窓はジャイロトロンに必須であり,現

在1MW/170GHz,連続出力用の出力窓の開発が

急がれている.出力窓材料の条件としては,電磁

波の吸収係数が低く熱伝導特性,機械強度特性に

優れていること等であるが,これまでの長パルス

ジャイロトロンの出力窓としては,以前は石英,

アルミナ等,現在ではサファイアの2重窓や窒化

     Porobolic Reflec雪or                 F『ont Vlew     ハまヨぱ  ヘヨユル     OIUご V陽宙

坂本,今井

ボロンなどの材料が用いられている.また,最近

General Atomic社のMoellerにより分散型出力

窓なるものが提案された[30].これはFig.10の

ように金属板に細長い数多くのスリットを並列に

開けここにサファイアをろう付けする.個々のサ

ファイアの幅は1mm程度,長さは『6cm程度であ

る.金属部は図のようにナイフエッジに加工して

あり,これによりガウス型の電磁ビームを入射し

てもそのままの形を保存して出力される.サファ

イアの幅が薄く冷却された金属との距離が短く,

またサファイアと金属部はろう付けされているた

め熱伝達が良くサファイアの温度上昇が抑制され

る.日米協力によってこの出力窓の大電力実験を

原研において行った.その結果,110GHzにおい

て800kW,連続出力に相当する電力伝送密度を

達成し,ジャイロトロン出力窓の有力な候補とな

った.その他のアイデアとして極低温型出力窓が

ある.これはサファイアには電磁波の吸収係数が

絶対温度の2乗に比例して減少し,さらに30K

付近では熱伝導係数が常温の1000倍に向上する

という性質に着目し,サファイアを冷凍機で極低

温に冷やしながら真空封じ窓として利用しようと

いうものである.原研において実際にこれを試作

し,約20Kにおいて400kW/1秒までの大電力伝

送実験を行ったところ,放電や破損なしに安定な

電力伝送が得られることが確認された[31].さら

に最近の低電力における吸収係数測定実験で,サ

ファイア等の他にもいくつかの候補が見つかって

いる.今後,順次大電力実験を行い,最適材料/

-Fig.9Conceptual view of VIasov converter・

h調_一,

璽 P・werin一     Electric     Field

Sapphire

Metaiも....軸。_乙乙乙j  W」ater

Vane         ChanneI

⊥1.1cm

「「

CorrugatedWaveguide

Fig.10Conceptual vlew of distributed window[30]。

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プラズマ・核融合学会誌 第71巻第1号  1995年1月

最適方式の選定を行う必要がある.

6.おわりに

 ジャイロトロンを発振源とするEC加熱は炉環

境に非常に適した方式であり,高出力,長パルス

のジャイロトロンで50%の効率が達成された意

義は大きい.すなわち,EC加熱の核融合炉にお

ける役割をこれまでの立ち上げ補助としての役割

から,主加熱・電流駆動まで含めた中心装置とし

ての役割へと大きく変革させうるものである。こ

れらのジャイロトロンの開発の進展や,JFT-2M,WT-3,‘T-10,DIII-Dを中心とするト

カマク装置でのECH/ECCD実験成果により,

ITER(国際熱核融合実験炉)の加熱電流駆動の主

要候補となった.また,3年後に実験を開始する

核融合科学研究所の大型ヘリカル装置(LHD)の

EC加熱装置用ジャイロトロンにも,日本での開

発の成果であるエネルギー回収型の採用が決定さ

れている[32].ここでは,1MW,CWに向けた

高効率,高出力化技術に的を絞って議論したが,

この他にもさらに高出力を狙った同軸型ジャイロ

トロン[33,34]や,サブミリ波帯の発振を目的と

した高調波発振のジャイロトロン[35]の研究も

行われている.今後,ジャイロトロンの研究開発

が益々活発になるものと思われる.

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