多職種合 研修会 秋田県における ict を活用した情...

17
2015年度在宅医療助成(後期)テーマ指定公募② 「地域包括ケアを目的とした在宅医療推進のための多職種研修会への助成」 多職種合同研修会 秋田県における ICT を活用した情報共有システム ~ナラティブブック秋田の取組み~ 2016 8 29 日提出 医療法人 正和会 地域連携部 菅原 則次

Upload: others

Post on 07-Mar-2020

1 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

2015年度在宅医療助成(後期)テーマ指定公募②

「地域包括ケアを目的とした在宅医療推進のための多職種研修会への助成」

多職種合同研修会

秋田県における ICT を活用した情報共有システム

~ナラティブブック秋田の取組み~

2016 年 8 月 29 日提出

医療法人 正和会 地域連携部

菅原 則次

【はじめに】

これまで在宅医療・介護に関し、ほとんどが各市町村単位での問題として、また、各職

域の問題としてとらえられており、連携して対応するといった視点が欠けていると考えら

れました。そうした現状を踏まえ、当事業所もその連携をどのようにしたら構築できるだ

ろうかという思いで、これまで「在宅医療連携拠点事業」にあたってきました。

「地域包括ケアシステム構築」の推進もあり、その必要性は、徐々にではありますが、

身近なものとして考えられるようになってきました。

そこで今回は、秋田県において、取組みの遅れている「 ICT を活用した情報共有」を紹

介し、多職種を対象に、広く関心を持っていただくとともに、職種間の連携の重要性を知

っていただきたく講演会を開催いたしました。

【開催概要】

テーマ:多職種合同研修会

秋田県における ICT を活用した情報共有システム

~ナラティブブック秋田の取組み~

日 時:平成 28 年 7 月 2 日(土) 15:00~16:30

会 場:さきがけホール

秋田魁新報社 1 階 多目的ホール

講 師:伊藤伸一先生(医師)

東京医科大学卒業。東京医科大学外科講師等を経て、平成 12 年由利本荘市に

伊藤医院開院、院長。由利本荘医師会副会長及び秋田県医師会常任理事。

その他、秋田県健康づくり審議会母子分科会委員、秋田県医薬品安心安全使用

促進協議会委員、秋田県准看護試験委員会委員長、秋田県医療・介護・福祉連

携専門促進協議会委員、由利本荘・にかほ「医療と介護と在宅をつなぐ会」世話

人代表。

【ナラティブブック秋田の概要】 伊藤伸一先生

これからは地域包括ケアシステムのなかで情報の共有は極めて重要であり、その人の情

報を集約した在宅連携ツールが求められています。

本来情報はその人個人のものであるはずです。具体的には本来その人のものである情報を

本人、家族や各職種が ICT 上で確認できるシステムを実現したいと考えており、それが在

宅医療・介護連携 ICT ツール「ナラティブブック秋田(自分のものがたり手帳)」です。

この ICT ツールのナラティブブックは個人情報をクラウド上で一元化し、情報はその人

個人が認証した人だけが Web 上で見られるようにするものです。

個人情報を個人が必要な人にのみ認証して開示するという点で、医療カルテや他の情報

共有ツールとは異なり、「ナラティブブック秋田」では本人、家族、医師、薬剤師、看護師、

介護士などだれでも簡単に入力できるのも特徴です。

使用端末機種は iPad 又は iPhone 及び既存のネット環境を有する PC で、ナラティブブ

ックには基本情報、既往歴、疾患名、現病歴、家族歴、検査データ、お薬手帳の内容、訪

問看護記録、介護保険情報、ADL 等に加えて個人史、人生観、死生観、終末期における治

療の希望(CPR の希望の有無)等を自分手帳として書き込むことができる様になっていま

す。

この ICT 事業を試行するにあたり、国の地域医療介護総合確保基金いわゆる新たな財政

支援制度の資金を確保できました。これは秋田県の補助事業でもあり、これを「ナラティ

ブブック秋田」と称して H27 年の秋から由利本荘医師会地域で始めました。

【感想】

今回の講演会は、70 名ほどの参加者となりました(職種等、アンケート結果参照)。

広く参加者を集いたい思いもあり、講演会場を秋田市としたことで、関心をもたれた方

は遠方より参加してくださった反面、地元である潟上市・南秋田郡からの参加が少ない結

果となってしまいました。リーフレットは、関連職種の職能団体および研修会開催者等に

協力をお願いし、広範囲に配布したつもりでしたが、中途半端になってしまったとの思い

が残ります。

伊藤先生のお話には参加者の皆さんが聴き入り、 ICT の活用が身近なものとなってきて

いることを感じていただけたものと思います。アンケートの自由記載にも、「多くの職種の

理解と連携が必要と感じた」など、 9 割以上の方が内容に満足との結果を得ています。

こうした活動に助成してくださる財団に、感謝いたします。

(公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団の助成により開催いたしました)

講演会参加者 アンケート結果

病院・診

療書14%

訪問リハ2%

訪問介護5%

地域包括9%

居宅介護

支援事業

所33%

デイ・デイケア2%

ショートス

ティ2%

老健9%

グループ

ホーム2%

行政14%

その他7%

所 属看護師

2%

リハビリ

9%

栄養士

2%

ケアマネ

40%

介護職

7%

福祉用

5%

相談援

助職員

12%

行政

14%

事務

7%

施設長・管理者

2%

職 種

満足70%

どちらかと言

えば満足21%

どちらでもない2%

無記入7%

講演会満足度

男性

44%

女性

56%

性 別

1~2人

30%

3~5人

7%

なし

33%

無記入

30%

顔見知りになれた数

20代

9%

30代

23%

40代

28%

50代

35%

60代~

5%

年 齢

本日の講演の内容はいかがでしたか

利用者様の物語について考えていきたいと思いました。

全県への広がりを期待しています!

ナラティブブック秋田が拡がっていくことを願います。

いつも感動させられます。

(看取りのない)施設職員です。在宅で最後を迎えられる方がとても多いことにおど

ろき、感激しました。

ナラティブブックの内容について、実際の画面を見ながら知ることができました。セ

キュリティの問題等、広めることはまだまだ大変だと思いますが、またこのような講

演がありましたら、参加したいと思います。

時代はいつになっても“個人に寄り添って”を大切にすることがその人の満足した人

生につながるんだと改めて思いました。

施設職員だが必要性を理解した。

伊藤先生の講演は 3 回目ですが、毎回感銘を受けています。

とても勉強になりました。一人ひとりの思いを大切にしながらこれからも関わってい

きたいと思います。

利用者様、ご家族様を支援する上でのナラティブブックの活用性が理解できました。

ナラティブブックが全国的にもっと拡がればいいなと思うような大変興味深い講演で

した。

ナラティブブックについて、知ることができた。情報共有や連携のやり方を改めてい

かないといけないと感じた。

ナラティブブックを知ることができた。

ここの人生には物語があり、それぞれの物語を主人公であるご本人と関係者が共有さ

せていただくことにより、ご本人の最期が満足したものとなることを感じ取ることが

できた。ブレているかもしれませんが、今日は企画いただきありがとうございました。

ICT システムだけでない、生活や生き様の視点なども改めて考える機会となりました。

在宅医療連携については、多くの専門職の理解が無ければ困難だと感じた。秋田とい

う土地で可能な在宅医療連携について多くの人と考える場になったと思う。ありがと

うございました。

連携の意味・意義について再考できた。

もっと広い視野にて支援する方法を見つけた思いです。

自分史をネット上で共有し、タイムラインで知るというのはとてもおもしろいと思い

ました。

ケアマネのモニタリングは月 1 回。各事業所で都度ご本人ご家族より伺った情報を入

力・共有できることは本人らしい生活を支援できると思います。

とても魅力のある研修でしたが、私の都合でどうしても途中退場しなければいけない

のがとても心残りです。

前半しか参加できなかったが、地域包括ケアのキーワードや多職種連携の「連携」の

意味が学べた。

今後、企画してほしい研修会や講習会・勉強会を教えてください

在宅へのケアをもっともっと知りたい。

同じ内容も、今後御継続して頂きたい。

秋田県医療学術交流会で講演してほしい。

なんでも感じたことを自由に記入してください

グループワークなどもやりたい。

ぜひ導入してほしいシステムだと感じた。ご家族を含めた包括的な関わりの重要性を

再認識できた。

後回しにせず、やれることは今やることが大切。今日を精一杯生きることが大切。自

分自身の生き方も考えることができました。ありがとうございました。