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調査事業報告 「欧米を中心としたスマートグリッドに係る 技術や標準化の動向及び海外関連機関との 有効な連携方法に関する検討」 事業期間:平成29年度 平成30年11月29日 スマートコミュニティ部 成果報告会 株式会社三菱総合研究所 環境・エネルギー事業本部 主席研究員 志村 雄一郎 1/ 19

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調査事業報告

「欧米を中心としたスマートグリッドに係る

技術や標準化の動向及び海外関連機関との

有効な連携方法に関する検討」

事業期間:平成29年度

平成30年11月29日

スマートコミュニティ部

成果報告会

株式会社三菱総合研究所環境・エネルギー事業本部主席研究員 志村 雄一郎

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目次

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1. はじめに1-1. 調査の背景1-2. 調査の目的1-3. 調査の実施内容

2. 調査結果の概要2-1. 欧米のスマートグリッドに関する技術や標準化動向

に関する情報収集・分析2-2. 海外のスマートグリッド等の推進団体を通じた

最新動向と有効な連携方法の検討

3. まとめ

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1-1.調査の背景

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欧米では、スマートグリッドといった枠に限定されることなく、スマートグリッドと他のシステムとの連携についての検討が本格化している。

国際電気標準会議(IEC)においても、スマートグリッドと他のエネルギーの連携について検討するSyC Smart Energyが設置された。

一方日本では、平成28年1月に発表された「日本工業標準調査会標準第二部会スマートグリッド戦略専門委員会報告書」により、国際標準化において注力すべき18領域と20の優先テーマが選定され、これからの取組で考慮すべき方針が示された。

今後は、これら優先テーマの標準化に向けた取組が進められる一方で、国内外の動向を踏まえた、新たな領域や優先テーマの探索についても、継続的に実施していく必要がある。

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1-2.調査の目的(ねらい)

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スマートグリッド関連技術及びIoT等、エネルギー分野への展開が予想される技術の動向、並びに標準化動向の調査、整理の実施

我が国におけるスマートグリッド等に関して、新たに技術開発・標準化すべきテーマについて検討に資する基礎資料を提供

我が国のスマートコミュニティ技術の普及を目的として、GSGF(Global Smart Grid Federation)のような国際的なスマートグリッド等の推進団体の最新動向を調査

日本産業界にとって有益な情報収集・発信を行うための連携方法の提案

調査研究の目的

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1-3.調査の実施内容

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調査研究は、以下の2つの実施内容で構成される。

アドバイザリーボード

1.欧米のスマートグリッドに関する技術や標準化動向に関する情報収集・分析

(1)スマートグリッド分野の標準化の動向に関する整理と分析

(2)スマートグリッド分野の標準化に向けて注目されている技術分野の把握

(3)スマートグリッドと他のシステムとの連携に関する検討の方向性の把握

2.海外のスマートグリッド等の推進団体を通じた最新動向と有効な連携方法の検討

(1)GSGFの活動を通じた最新情報の収集(2)その他のスマートグリッド関連組織との連携に

ついての検討

国内有識者からのフィードバック

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2.調査結果の概要

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調査項目 結果

欧米のスマートグリッドに関する技術や標準化動向に関する情報収集・分析

スマートグリッド分野の標準化の動向に関する整理と分析

• 欧米におけるスマートグリッド関連技術の動向、並びに標準化動向について検討状況を整理し、さらに新たなコンセプトのスマートグリッド分野への導入に関する標準化の検討の方向性を整理した。

スマートグリッド分野の標準化に向けて注目されている技術分野の把握

• スマートグリッド分野の標準化の検討状況について整理した。

スマートグリッドと他のシステムとの連携に関する検討の方向性の把握

• 電力分野のみならず、他のエネルギー(熱等)との連携や、他の社会システム(電力系統のみならず社会インフラストラクチャー)とのスマートグリッド分野における標準化の連携状況について、その検討の方向性を把握した。

海外のスマートグリッド等の推進団体を通じた最新動向と有効な連携方法の検討

• 諸外国のスマートグリッド関連の機関をとりまとめているGSGF及びGSGF加盟団体の活動状況を把握し、日本としてのGSGFとの連携のあり方や連携分野、情報発信の内容を検討した。

• GSGFの加盟団体に限らず欧米や新興国におけるスマートグリッド分野の関連機関の動向を調査し、各組織との連携のあり方・情報発信の内容を検討した。

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2-1.欧米のスマートグリッドに関する技術や標準化動向に関する情報収集・分析

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スマートグリッド分野の標準化の動向に関して以下のような調査対象の情報を取集・分析した。

項目 調査対象

1.標準化の動向に関する整理と分析

• 米国ついては、2017年より新たに組織されたSEPA(Smart Electric Power Alliance)の活動内容、米国エネルギー省でのGMLC(Grid Modernization Laboratory Consortium)での標準化に関する議論を整理

• 欧州については、Smart Energy Grid Coordination Group(CG-SEG)での活動状況を調査

2.注目されている技術分野の把握

• 上記のSEPA、GMLC、CG-SEGにおいて注目されている技術分野を調査

3.他のシステムとの連携に関する検討の方向性の把握

• 米国のNISTを中心として、スマートシティに関する取組を支援するGlobal City Teams Challenge(GCTC)という活動と、国際的なWGを組織し、IoTを活用したスマートシティのフレームワーク(IoT-Enabled City Framework)の策定に向けた活動状況を調査

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2-1.欧米のスマートグリッドに関する技術や標準化動向に関する情報収集・分析

スマートグリッド分野の標準化の動向に関する整理と分析(米国:SEPA)

米国においては2009年に設立されたSGIP(Smart Grid Interoperability Panel)にて、スマートグリッド分野の標準化に関する包括的な検討がなされてきた。

その後、2017年4月にSGIPは、 SEPA(Smart Electric Power Alliance)に吸収合併され、SEPAとして標準化活動を実施することになった。

SEPA

SGIP 2.0

2013年4月から移行•米国連邦政府からの経済的な支援が削減•会員メンバーからの拠出金による運営体制に移行•実施体制も刷新

SGIP )

2017年4月に併合•SGIPはSEPA(Smart Electric Power Alliance)に吸収合併•標準化の活動はSGIP時代のものを維持

2009年11月から移行•スマートグリッドに関連する企業等の関係組織によって構成される官民パートナーシップ

SEPA (主な活動)

定例会議の開催 SEPA Utility Conference Grid Evolution Summit

自主研究レポートの発表 PV関連、EV関連、DR関連、電力制度関連

Webinarの実施 Reinventing Demand Response with DERs Understanding Community Choice Aggregation Reinventing Demand Response with DERs

Working Groupの実施 Community Solar、Cybersecurity、Electric

Vehicles、Energy Storage Grid Architecture、Grid Management、Home

Building and Industry to Grid、Microgrids、Testing and Certification、Transactive Energy Coordination

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2-1.欧米のスマートグリッドに関する技術や標準化動向に関する情報収集・分析

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スマートグリッド分野の標準化の動向に関する整理と分析(米国:SEPA)

Working Group 検討内容

Transactive Energy• Transactive Energyに関するコンセプトモデル/ビジネスモデル/規制/ロードマップ/

シミュレーション・モデリング

Grid Management Working Group

• DERMSの要件定義を検討。DERMSをグリッドアーキテクチャの中にどのように位置付けるか、機能要件の情報フロー検討をどのように表すか

Grid Architecture• DER普及率が非常に高い系統におけるアーキテクチャの在り方、グリッドアーキテク

チャに関する教育プログラム提供、サイバーフィジカルシステム(CPS)のレジリエンシー、オントロジー

Implementation Method

• 標準の活用に向けたケーススタディ

Testing and Certification

• インターオペラビリティを実現するためのProcurement Language (仕様書での記載方法)についての議論

Micro Grid• マイクログリッドに関する試験認証ニーズの検討、系統連系規定の在り方の検討、

規制の在り方の検討等が候補

(Energy Service Interface Task Force)

• 複数のSEPA内のワーキンググループを横断したタスクフォース。*Energy Service Interface(ESI)とは、エネルギーサービスプロバイダとエネルギーカスタマーをつなぐインターフェースのこと。

これまでSGIPにおいて注力されていた標準化に関連する検討は、SEPAに移行後もワーキンググループとして引き継がれている。

ワーキンググループの中で標準化に関する検討内容の主なものは以下のとおり。具体的な標準化の議論の前の段階が多い。

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2-1.欧米のスマートグリッドに関する技術や標準化動向に関する情報収集・分析

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スマートグリッド分野の標準化の動向に関する整理と分析(米国:SEPA)

SEPAにおける新たな標準化活動は、米国エネルギー省(DOE)が実施しているスマートグリッドの標準化プロジェクトの連携が強まった。

DOEのプロジェクトに対する関係者からの意見集約といった機能も有する。

(注)DOEプロジェクト: GMLC-Interoperability Requirements and Measurement

Grid Modernization Initiative(今後3年間で88プロジェクト、総額$220Milllion)のうちの一部として実施。

国立研究所を中心としてGMLC (Grid Modernization Laboratory Consortium)が設置され、この中で標準化に関する検討(GMLC-Interoperability Requirements and Measurement)が進められる。(SEPAとの連携も謳われている。)

GMLCでは、次のようなアウトプットを予定している。• インターオペラビリティ実現に向けたビジョンの策定

• インターオペラビリティの進展度合いの測定ツールの開発

• ビジョンを実現するためのロードマップの作成の方法論の確立

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2-1.欧米のスマートグリッドに関する技術や標準化動向に関する情報収集・分析

スマートグリッド分野の標準化の動向に関する整理と分析(欧州:SEG-CG )

SM-CG

EM-CG

Set of

Standards

Cyber Security

Privacy

AHG

CEP

Steering

Committee

Coordination Group

OnSmart Energy Grids

海外関連機関NIST

インド等

EC

Smart GridTaskforces

CG-SEG

メンバーシップ

CEP(Clean Energy Package)

関連の連携

連携

欧州委員会

欧州では、CEN/CENELEC/ETSIによりSEG-CG(Smart Energy Grid-Coordination Group)が改組され、スマートグリッド分野の標準化と、電力のみならず、熱なども含めたエネルギーに関する標準化をしている。

SEG-CGでは、標準化すべき項目(Gap)に対して、後から追加すべき項目が出てきた場合、それを検討に組む込む体制ができている。

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2-1.欧米のスマートグリッドに関する技術や標準化動向に関する情報収集・分析

スマートグリッド分野の標準化の動向に関する整理と分析(欧州: SEG-CG )

2016年の検討により、下表の5つのテーマが新たなギャップとして特定され、標準化活動が開始されている。

<特長>

• グリッドコードの標準化を重要と認識

• 新しいレギュレーションへの支援(標準化からどのような支援ができるか)も論点

• インターオペラビリティ(IOP)の支援のため、共通オントロジーの作成を支援

検討項目 備考

• “Power” related Grid Codes Impact assessment グリッドコード関連

• “IT” related RfG and DCC Grid Codes impact assessments

グリッドコード関連

• Access to remotely sored metering data and provision of data service to Consumers

データ活用

• IEC61850 standardized profiling 既存標準の拡張

• Further development of distributed line communication (DLC) in the frequency range 148.5

通信関連

RfG :requirements for generators , DCC:Demand Connection Code

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2-1.欧米のスマートグリッドに関する技術や標準化動向に関する情報収集・分析

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スマートグリッド分野の標準化に向けて注目されている技術分野の把握(米国)

米国のSEPAにて検討されている内容

トランザクティブエネルギー

• シミュレーション・モデリング• ブロックチェーン技術の適用

OpenFMB • 電力会社等でのOpenFMBの実装状況の報告• 今後は、SEPAとして、OpenFMBのテストを支援し、カタログオブテストプ

ログラムを立ち上げ、NISTスマートグリッドフレームワーク4.0作成を支援する。

アーキテクチャ • DERMS(分散電源管理システム)の要件定義• サイバーセキュリティに関する検討• 関連用語の整理(オントロジー)

ImplementationMethod(相互運用可能なシステムの導入方法)

• 既存システムの相互運用性レベルの評価方法• 相互運用可能なシステムの導入に向けたロードマップ策定のあり方

試験・認証 • OpenFMBに関する試験・認証への対応についての検討*現在はUCAIugへ移行

• IPRM(Interoperability Program Reference Manual)のユーザーズガイドの発行(ウェビナーの実施、試験プログラムに関するカタログ(CoTP:Catalogue of Test Program)の作成に向けた活動、試験認証用の調達ラングエッジモデルの作成への貢献

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2-1.欧米のスマートグリッドに関する技術や標準化動向に関する情報収集・分析

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スマートグリッド分野の標準化に向けて注目されている技術分野の把握(米国)

DERMS(分散電源管理システム: Distributed Energy Resources Management Systems)の要件定義

米国の電力会社を中心に非公開で議論がなされ、そのドラフトが2017年11月末に公開された。

SEPAのGrid Management Working Groupがとりまとめを行い、関係者からの意見集約がなされた。

Southern California Edison、 Duke Energy 、 ComEdといった米国の大手電力会社が支援している。

MDMS OMS GIS

Utility CIM

DMSMicrogrid

Controller/DERMS

DER Services

SCADA/Field Networks

Sensors, Switches,Capacitors,Regulators

DERMの位置づけ

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2-1.欧米のスマートグリッドに関する技術や標準化動向に関する情報収集・分析

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スマートグリッド分野の標準化に向けて注目されている技術分野の把握(米国)

トランザクティブエネルギー SEPAではトランザクティブエネルギーの考え方を具体化するユースケースを検討し、これを

レポートにまとめている。以下に、SEPAが検討したユースケースの概要を示す。

ユースケース 内容

Peak Heat Day and Energy Supply

暑さのピーク日におけるエネルギー供給

系統容量の状況が厳しく追加の負荷削減及びシフト

または蓄電リソースが必要な状況

Wind Energy Balancing Reserves

風力発電のバランシング予備力

風力リソースの平準化のため、設置箇所及び経済性

に応じて分散電源を稼動する状況

High-Penetration of PV

PVの高導入比率

屋根置きPVの高導入比率により、配電網の電圧が

変動する状況

EV on the Neighborhood Transformer

近隣地域の変圧器におけるEV導入

EV急速充電器を設置した複数需要家のぶら下がる

変圧器を管理しなければならない状況

Islanded Microgrid Energy Balancing

マイクログリッドの自立運転と需給バランス

マイクログリッドコントローラーがローカルなリ

ソース及び負荷を管理し、自立運転時にも電力供給

を維持する状況

System Constraint Resulting in Sudden Loss

of Supply

システム不具合による突然の供給損失

送電システムにおける突然の不具合によって緊急の

負荷削減を行わなければならない状況

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2-1.欧米のスマートグリッドに関する技術や標準化動向に関する情報収集・分析

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スマートグリッド分野の標準化に向けて注目されている技術分野の把握(欧州)

IECのシステム委員会(System Committee, SyC)での検討

IEC SyCでは、複合領域が対象となるような機能を実現するための標準化を検討している。IEC SyC Smart Energyでは、電力と熱・ガスとの連携に関する標準化が議論されており、次のような分野が注目されている。

項目

1 相互接続性向上のための標準プロファイリングのサポート

2 分散電源(DER)の系統連系・適合性確認ルール

3 複数電源の安全性を考慮した設置ルール

4 ダイナミック・システム・マネジメント

5 IEC 61850の拡張に関するガイダンス

6 DERに関するIEC 61850-7-420のプロモーションと拡張

7 スマート・ホーム/ビルディング・オートメーションシステム

8 大規模蓄電システムの系統連系要件に関する規格

9 IPv4とIPv6の長期相互接続性サポートに関する戦略

10 スマートエナジーのサイバーセキュリティ要求条件

11 熱・ガスシステムを考慮したアーキテクチャモデル拡張

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Global City Teams Challenge IES-City(IoT-Enabled Smart City)Framework

概要

• 2014年より開始。• 課題を抱える都市/コミュニティと技術開発

を行う企業・学術機関がチーム(アクションクラスター)を組んで参加するネットワーク活動。

• 2016年からは、目的を同じにするステークホルダーを束ねたスーパークラスターを設置。

• 2016年3月より開始。• 国際的なWGを組織し、IoTを活用したスマー

トシティ・アプリケーションの相互運用を実現する上での重要点を明確化し、スマートシティに関わる国際的な標準化活動に一貫性をもたせるフレームワークの策定を目指した活動を実施。

参加者

• 都市/コミュニティの計画立案者、プロジェクトマネージャー(自治体等)

• 技術開発者(企業、学術機関、政府機関)• スマートシティ/IoTプロジェクトのスポン

サー

• ANSI(米国規格協会)

• ENEA(イタリア共和国経済振興省・新技術エネルギー環

境局)

• 韓国未来創造科学部• ETSI(欧州電気通信標準化協会)

• USGBC(米国グリーンビル協会)

• FIWARE(欧州のスマートシティプラットフォーム)

主な動き

• GCTC Expo 2017において、2018 GCTCの活動では、サイバーセキュリティの課題に焦点を当てる「GCTC-SC3(Smart and Secure Cities and Communities Challenge)」を国土安全保障省と共同で実施することを発表。

• 左記のGCTC-SC3のキックオフ会議の開催に合わせて、 2018年2月8日にワシントンD.C.にて、フレームワーク公表に伴うワークショップを開催した。

2-1.欧米のスマートグリッドに関する技術や標準化動向に関する情報収集・分析

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スマートグリッドと他のシステムとの連携に関する検討の方向性の把握(米国)

スマートシティに関する検討

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2-2.海外のスマートグリッド等の推進団体を通じた最新動向と有効な連携方法の検討

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GSGF を中心に、海外のスマートグリッド等の推進団体の動向を調査し、日本産業界にとって有益な情報収集・発信を行うための連携方法を検討するために最新情報を収集した。

GSGFの活動を通じた最新情報の収集

GSGFの活動状況の把握

GSGFのメンバー機関の活動状況の把握

その他のスマートグリッド関連組織との連携についての検討

GSGFの加盟団体との連携のあり方の検討

その他の組織との連携のあり方の検討

国 団体名

インド India Smart Grid Forum

フランス Think Smartgrids

日本 Japan Smart Community Alliance

韓国 Korea Smart Grid Association

メキシコ Smart Grid Mexico

台湾 Industrial Technology Research Institute-Taiwan

米国 GridWise Alliance

タイ Electricity Generating Authority of Thailand

南アフリカ Eskom

国 団体名

ベルギー Flux50

ノルウェー Norwegian Smartgrid Centre

アイルランド SmartGridIreland

GSGFのメンバー(2018年3月時点)

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3.まとめ

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本調査では、欧米のスマートグリッドに関する技術や標準化動向に関する情報収集・分析と、海外のスマートグリッド等の推進団体を通じた最新動向と有効な連携方法を検討した。

諸外国のスマートグリッド関連の機関をとりまとめているGSGF及びGSGF加盟団体の活動状況を把握し、日本としてのGSGFとの連携のあり方や連携分野、情報発信の内容を検討した。GSGFの加盟団体に限らず欧米や新興国におけるスマートグリッド分野の関連機関の動向を調査し、各組織との連携のあり方・情報発信の内容を検討した。

海外のスマートグリッド等の推進団体を通じた最新動向と有効な連携方法の検討

欧米におけるスマートグリッド関連技術の動向、並びに標準化動向について検討状況を整理し、さらに新たなコンセプトのスマートグリッド分野への導入に関する標準化の検討の方向性を整理した。そのような検討の中で注目されている技術のうち、エネルギー分野への展開が予想される技術に関して、その検討状況について整理した。

さらに、電力分野のみならず、他のエネルギー(熱等)との連携や、他の社会システム(電力系統のみならず社会インフラストラクチャー)とのスマートグリッド分野における標準化の連携状況について、その検討の方向性を把握した。

欧米のスマートグリッドに関する技術や標準化動向に関する情報収集・分析