面 人 一戻 な こ 好 が 動 言 く 自 き よ っ 消 整 転 を 生 自 っ ... ·...
TRANSCRIPT
転
す
る
」
の
です
。
内観
を
し
て、自
分
の人
間関係
が新
しく
整
理しな
お
され
、
それ
以前
の行動
の癖
が
消
え
ていく
と
、自
分
が深
いと
ころ
で変
わ
っていく
のがわ
か
りま
す
。
し
かも
、
こ
の
ような変
化
は永
遠
に続
いていく
の
です
。
私
たち
は、心を
う
つ言葉
に出
会
ったと
き
、
そ
の言葉
が
心
の奥
深く
に根
を下
ろし、
自
分
に影響
を与
え
はじめ
る
こと
に気
が
つ
く
こと
があ
りま
す
。
そし
て、自
分
が
そ
の
言葉
どお
り
にふ
るま
ったと
き
、自
分
の行
動
が変
わ
った
こと
に気
づき
ま
す
。生
き方
が変
わ
った
のです
。
し
かし
、
このような
好
まし
い変
化を
さ
ら
にすす
め
ていく
には、
この変
化
に常
に注意
を払
って
いなく
ては
な
りま
せ
ん。
そうしな
いと
、再
びも
と
に
一戻
ってしま
う恐
れ
があ
るから
です
。
自分
自身
を
見
つめ
て
いく
こと
によ
って、
人生を好
ま
し
い方
向
に変
え
、自分
のよ
い
面を
のば
し
、好
ま
しく
な
い部
分
は芽
のう
ち
に気づ
い
て、
それを
(うま
く
いけば
)
摘
みと
る
こと
が
でき
ま
す
。
さら
に
つき
つ
め
て自
己を
見
つめ
ていけば
、自
分自
身
の
性
格
に新
し
いも
のを
見
つけ
ても
、も
はや
驚
く
こと
はなく
な
りま
す。
す
で
にそ
の萌
芽
に気づ
い
てお
り、
それ
が
ゆ
っく
りと育
ってく
る
のを
見
つめ
てき
ている
の
で、む
し
ろそれを積極
的
に受
け
いれ
る
こと
が
で
き
る
のです
。
そ
のよう
にし
て私
たち
は、自
己
の本来
の姿
に近づ
いて
いく
の
です。
本来
の姿
と
は、 ――他
者
によ
って命
を
与
えられ
、他
の人
々と
とも
にあ
って生
か
さ
れ、他
の人
々に与
え
る人生
の中
にそ
の
最高
の意
味
を
見
いだ
す
――
そ
のような姿
です。
2_l
「汝
自身
を知
れ
」と
いう格
言
に私
が出
会
った
のは、確
か
ハイ
テ
ィー
ンの頃
だ
っ
た。ギ
リ
シ
ャの神
殿
に書
か
れ
ていたと
い
う
この格
言
をめ
ぐ
って、
ソク
ラテ
ス、プ
ラト
ンを
はじめ東
西
の優
れ
た哲
学
者
が
二千
年
に渡
って、自
己を
問
い
つめ
てき
た。
そし
て今
、私
も
大哲
学者
と同
じ
よう
に自
己を知
り
た
い
と思
いをめ
ぐら
せ
ている。
プ
ラト
ンは
「自
己
を知
る
」ため
に
ソク
ラテ
ス的対
話
術
を推
奨
し、
書物
は思考
の墓場
に過ぎな
いと言
った。彼
は自分
の全
生
涯を
か
け
て、
師
と仰
ぐ
ソク
ラテ
スの対
話
を戯
曲
風
に後
代
へ伝
え
て
いる。彼
は自著
によ
って、
「も
し
君
が自
己を知
り
たければ
、
ソク
ラ
テ
スの
モデ
ル
にな
ら
っ
て対話
しな
さ
い」と教
え
ている
のだ
ろう。
問題
は
こ
こに
ソク
ラ
テ
スが
いな
いと
いう
こと
であ
る。誰
が
ソク
ラ
テ
スの役を
し
て
く
れ
る
のか。答
え
は自
分
自
身
であ
る。自
分
が
ソク
ラテ
スにな
って、
ソク
ラテ
スの
問
いを自分
に課す
る他
にな
い。
では如
何
な
る問
いか。
ソク
ラテ
スが国
の法
律
によ
って、
死
刑を官一告
され
、友
人
のク
リト
ン
に逃亡
を
勧め
られ
る場
面
が思
い出
され
る。
ソク
ラ
テ
スは誕生
以来
、
自
分
が国
から
「し
ていただ
いた
こ
と
」を
つぶさ
に調
べる。次
に、自
分
が
国
にし
て返し
た
こと
を
調
べる。
最後
に、
この国
を逃亡
す
る
こと
が
国
に益
をも
たらす
か
、
それとも害
をも
たらす
かを
問
う。
ここ
で
ソク
ラ
テ
スが自
分
に課し
た問
いは、危機
に直
面
し
て自
分
が
何
をす
る
べき
かを決
め
るため
の問
いであ
った。
この問
いが、
わ
が内
観
法
と全
く
同
じ問
い
であ
る
こと
に、私
は脱帽
す
る。
15
町葺
田苺
のご
お母さん勉
強
会
「内
観
を
や
ってみた
い。
でも
、 一週間
も家を留守
にす
る
のはち
ょ
っと
心
配
」、
そんな
お母
さ
ん
のため
の
一日内
観
が、
玉
川学
園文
化
セ
ンタ
ーで開催
さ
れ
ていま
す
。
参加者
は全
員女性
。主
婦
の方
々を中
心
に、
一日五時
間
の内
観
に真
剣
に取
りく
ん
で
い
ます。
「初
め
は、雑念
で集
中
でき
な
か
った。
小
さな
こと
から
必死
に考
え
るうち
に、
母
のし
てく
れ
た
こと
が愛
情
と
し
て感
じと
れ
た
」、 一日内観
は
これ
で四度
目
のお母
さ
ん
の感想
。
座談会
では、内
観
の感
想
か
ら
近所付
き
合
いの方
法
ま
で、お茶
を飲
みな
がら
ワイ
ヮイと。
一日内
観
の効
果
に
つい
て、
「短時
間
で
深
い内観
が
でき
ます
。
これを柱
にし
て、
日常生活
に内
観
を取
り入
れ
て
いく
こと
が
大事
です
」と
面接
を
し
てくだ
さ
った石井
先
生
。常
に自
己を
見
つめ
ていく
こと
の大
切
さ
が胸
に染
みます
。
「より多
く
の方
に心
の波動
を感
じと
っ
て欲
し
い」、
そんな
願
いが
この
一日内観
の会
を実
現
させまし
た。主催
者
の石
川
さ
よ子先生
は、
この会
以外
にも
町
田市
民講
座
、
町
田お母
さ
ん
の会
に、主
に内
観
に携
わ
る人
を講師
と
し
て招
い
ています
。
最
近
では、応
用心
理学
の面か
ら内
観
を
取
り入
れ
、登校
拒否
児
や高校中
退後
、復
学
を望
ん
でいる人
たち
のため
の教
室
を
開
い
ている、
ホ
ノ
ルル大
学教授
の菊
地藤吉
00
″ |′ 1多 :務秘 粥 花 ″ 褪 秘 吸 ぃ 勢 秘 吸 ぃ 必 朽 ち%跨S
先生
を
お呼び
し
て勉
強
を
つづ
け
ていま
す
。
「物
質
でな
く
、自
然
の法
則を
心得
た教
育
をし
てく
だ
さ
る先
生
を集
め
ています
」
お
目当
ての先
生
を招
く
ため
に、六
ヶ月も
狂奔
す
る
ことも
あ
ったと
か。
毎
日、育
児
や家
事
に追
われ
る生
活
の中
で、人
間
の本
質
、自
分
の本当
の姿
を見失
いがち
です
。
「忙
し
い主
婦
の方
に、 一日内
観
はぴ
っ
たり。内
観
はち
ょ
っと
、と
いう方
も
、講
演会
に是非
とも
いらし
てくだ
さ
い」と
石
川
さ
よ子先
生
。
みな
さ
ん
の参加
を
お待
ち
し
ています
。
☆連絡先
(〇
四
二七
―二五
―四六
〇七
石川
さ
よ子宅
)
(文
責
松村
)
19
ゝ画
〈ロング
ウ
ェイ
・ホ
ーム〉
(一九
八
一ア
メ
リ
カ
。
ロバ
ート
・
マ
ー
コウ
ィ
ッツ監
督
)
幼い頃両親に捨てられ、離れば
なれにな
った二人の兄弟が再会す
るまでの苦難の道のりを、実話を
もとに描いています。
自分を捨てた両親を憎むことを
バネにして生きてきた主人公の青
年が、その苦しみを乗り越え、力
強く生きていこうとする姿は胸を
うち、涙なしでは見られません。
タ
ノ
タ
~`
・
И
:|トサ
i)夕 〕 サ
'7i子
:lξ ミ
1,,'ド
)
ちび っこは きが だ いす き…
(「 おおきな木」か ら)
ノ
ノ
ノ
タ
甲
〈
「讐
桑
二
―
〉
(シ
ェル
・シ
ルヴ
ァ
スタ
イ
ン作
・
絵
。
本
田錦
一郎
訳。
篠
崎
書
林
刊
8
0
0円
)
一本
のり
ん
ご
の木
と
一人
の男
の
話。お
おきな木が大好きで、木の回
りで遊び、疲れると木にもたれて
眠る、そんな少年時代を過ごした
男は、やがて結婚して木から離れ、
年老いてまた戻
ってきます。おお
きな木は葉も枝も、幹さえその子
に奪われてもそれでもしあわせで
した。
おおきな木とは、母親のことで
しょうか。母の愛は強く、そして
深い。そんなことを気づかせてく
れる
一冊です。
(文
責
松
村
)
nυ
04
親子関係と内観
日
F
,
0
1
神戸芸術工科大学教授
〓一 木 韮口 彦
心理学
のゼ
ミ生が卒業す
る時、 一人
ひ
とり
にあわせ
て詩を贈
った
ことがありま
す。そのうち
の
一つ。
理想
の親子関係を研究せし
中林悦子
に贈
る歌
親は子どもを選ばれず
子どもは親を選
べな
い
大空
の
星と星とが出会
うほど
まれな偶然
この二人
相
手
が
理想
でなく
っても
許
す
心をも
ちま
し
ょう
それ
が
内
観法入
門
さ
私
たち
は友人
、夫婦
な
ど
いろ
いろな人
間関係を結
びま
す
が、
そ
の中
でも
絶対
に
選択
でき
な
いも
の、それ
は親
子関係
です
。
子
ども
は親
の保護
の下
で長期
間育
てられ、
親
か
らさまざ
ま
な
影響を受
けま
す。
内
観
は親
を
理想
化す
る
こと
や、子
ども
に親
が犠
牲的
献身を
す
る
ことを求
め
てい
るわけ
ではあ
りま
せ
ん。
この
シリ
ーズ
で
は、ど
のような親子
関係
が健康
な精神
の
発
達
にと
って望
まし
いかを考
え
ていき
た
■イリー
ズム
親子関係の心理〕■
一持しン瀬
tヽ
と田
い
ます
謀す
ル二冒 下ヽ
0乙
9
一
■シ一り一■一ズ
健康
と内観法
幹〔そ
の
一〕
福井県立精神病院長 草 野 亮
私
は頭医者
にな
って三十
年
程
にな
る。
長
い間
や
ってき
たも
のだと思
う。
私
が頭医者
にな
った頃
は、
からだ
の病
気
を治す
のが医者
で、精神科
な
ぞ余
程
の
も
の好
き
でな
いと
な
らな
か
った。
当時
、か
らだ
の病
気
でど
んど
ん死
ん
で
い
った
の
で、ど
うし
た
ら病
気
を治
し
、命
を助
け
るか
が最大
の関心
であ
った。
こ
こ
ろ
の病気
では死
ぬ
こと
はな
いの
で、世
間
の人
々には関心
がな
か
った。
私
は、終
戦後
の苦
し
い時
代
に肺結
核
を
患
い、
二年
間生
死
の間を
さま
よ
った。
そ
の後
、内科
医
にな
るか精神
科
医
にな
るか
、
さ
んざ
ん迷
ったあげ
く
、精神
科
医を
選
ん
だ
。内科
医
の気
持
ち
で精神
科
を
診
るよう
にな
った
が、
田舎
医者
とし
ては
この方
が
良
か
ったかも
し
れな
い。
さ
て、時
代
と
とも
に、病気
の様
子
が変
わ
ってき
た。
か
つては病
気
と
いえば
、結
核
や
そ
の他
の感
染
症
(細菌
。ウ
ィル
ス
o
寄生虫
な
ど
で起
こる病
気
)
であ
り、
それ
が死
の原
因
であ
った
が、現代
医学
の進歩
により、治
るよう
にな
った。
それ
に代
わ
って、
心身症
や成人
病
な
ど
スト
レ
スの関
連
す
る病
気
が増加
の
一途
を
たど
って
いる。
さら
に、
ノイ
ローゼ
や心因反応
、
う
つ
病
な
ど
こころ
の病気
が
マス
コミを
賑わす
よう
にな
った。
平
均寿
命
が延び
、天寿
を全
うす
るま
で、
いか
により
よ
い人生
を生
き
るか
が
、われ
わ
れ
の命
題とな
った。
内観
が、
われ
われ
の健康
や人
生
に与
え
てく
れ
るも
のを
医者
の立
場
か
ら
、
いろ
い
ろ考
え
てみようと思
う。御期
待
を乞
う。
23
■,
一り一■一ズーー=====ll=========
す
べてを
みれば
よ
いの
です。
そ
のため
の
具体的
な方
法
が
「内
観
」な
の
です
。
この
「内観
」は、自分
を知
る方
法
と
し
て、故
吉
本伊信
先生
が、誰
に
でも
でき
る
よう
に
考
え出
され
た方
法
です
。
内
観
の根
本
は、
「正
しく
見
る
」
こと
で
あ
り、内
観
は私
たち
が正
しく
見
る
ことを
身
に
つけ
る具体
的
な方
法
です
。正
しく
見
る
こと
が
でき
て
いけば
、
「正
しく
思
う
」
ことも
、
「正
しく語
る
」
ことも自
然
と
で
き
るよう
にな
っていく
も
のです
。ま
た、
「内
観
」は、私
たち
が生
ま
れ
てか
ら今
日
ま
での環境
、教育
、思想
、
習慣
のな
か
で
つく
ってしま
った私
たち
の不
調和
な想念
行為
(自
己中
心的な
思
いと行
い)を徹底
的
に調
べていく方法
でも
あ
りま
す
。
自
分
の不調和な想念
行為
の多
さを知
れ
ば
知
るほど
、感謝
の心
が湧
い
てき
ます。
なぜ
なら
、
それ
ほど
罪深
い自分
が無事
に
生
か
され
て
いる
こと
が奇
跡
に感
じら
れ
て
ス
ト
レ
ス
内観
による
の解消
T)
原
瞑想
研修
所
原
久 子
内観
と
は何か
「汝自
身
を知
れ
」と
いう、
ソク
ラ
テ
ス
の有名
な言
葉
があ
りま
す
。
では、
ど
うす
れば自分
を知
る
こと
が
でき
る
の
でし
ょう
か。自
分
を知
る
には、生
ま
れ
てか
ら今
日ま
での私
たち
の思
った
こと、
行
った
こと
の
く
るからな
の
です
。
つま
り
、
「内観
」を
す
る
こと
によ
って、今
ま
で当
然
と思
って
き
た
こと
が当然
でな
い
こと
がわ
か
ってく
る
のです
。
例
えば
、各人
が生
ま
れ
てか
ら成人
にな
るま
でに、両
親
が私
たち
にかけ
てく
れ
た
養育費
を計
算
し
てみ
ると
、大
学
ま
で出
し
ても
ら
った
ような人
であ
れば
、生
ま
れ
て
から小
学校
卒業
ま
で
の間
は、両
親
の手
を
わず
らわ
せ
ている
の
で、両
親
への日当
を
一日八千
円支払
ったと
し
て、
そ
の他
住
居
費
、食費
、学
費
、衣
服代な
ど
を計
算
しま
す
と、ざ
っと計
算
し
ても
二億
円位
かか
っ
ている
の
です。
この事実
だ
け
見
ても
、親
の愛
は太
陽
と
同
じく無償
の愛
であ
る
こと
に気
づく
こと
が
できます
。
それ
に対
し、私
たち
は親
に
対
し
てど
れだ
け
の恩
返しを
し
たかを考
え
ます
と、
返し
た
こと
のあま
り
の少
な
さ
に
がくぜ
んとし
てしま
うと
同時
に、 一生
か
か
っても
返せ
そうも
な
い
こと
に気
づ
き
ま
す。す
ると今
ま
で両
親
に対
し
て、
こう
いう
親
だ
ったらと自分
の理想
と違
う部分
のみ
を
見
て不満
を感
じ
て
いた自分
が恥ず
かし
くな
り、両
親
に
いろ
いろな
こと
を要
求す
るど
ころか、
ど
うや
って今
ま
でし
て
いた
だ
いた
こと
に対
し
て報
いたら
い
いのかを
悩
む
よう
にな
り、今
ま
での不平
、
不満
の
心
は消
え
て
い
ってしま
います
。
(次
号
に続
く
)
☆参
考
図書
原
久
子著
『自
己実
現
瞑想法
』
,
7
■
(土
屋書店
)
マ
ザ
04
キ
げ
檄
S
県
中
部
の高
校
二
十
二
校
の
、
教
育
相
談
係
の先
生
方
が
「内
観
法
って何
だ
ろ
う
」
と
、
こ
の
湯
の
里
分
校
に集
ま
って来
ま
し
た
。
相
談
月
例
会
です
。
湯
の
里
分
校
は
、
「内
観
法
」
を
全
面
的
に取
り
入
れ
、
生
徒
指
導
・教
育
相
談
の核
に
し
て
二
年
目
にな
って
いま
し
た
。
内
観
係
の
I
先
生
の
「内
観
の話
」
に出
てく
る
生
徒
の変
容
し
て
いく
姿
に
、
本
当
か
な
あ
?
と
、
首
を
か
し
げ
る
先
生
も
い
た
よ
う
です
。
び
ょう
ぶ
の中
に
一週
間
座
って自
分
を
調
べる
だ
け
で、
そ
ん
な
大
き
な
変
化
を
も
た
ら
す
な
ん
て信
じ
ら
れ
な
い、
と
。
話
が
す
す
む
と
、
I
先
生
は
一人
の生
徒
を
、
会
議
室
に呼
び
入
れ (‘・上) αυ
9
一
∞0
中一〇
ま
し
た
。
校
則
違
反
で
、
つ
い
こ
の
間
、
内
観
一週
間
終
え
た
ば
か
り
と
い
う
、
眼
鏡
を
か
け
た
色
の
黒
い
、
気
の
弱
そ
う
な
男
の
子
で
す
。
「内
観
し
て
、
ど
ん
な
と
こ
ろ
が
よ
か
った
で
す
か
」
「ハイ
、
父
や
母
に
対
し
て
、
い
ろ
い
ろ
し
て
く
れ
る
の
が
当
た
り
前
で
、
私
が
し
て
返
す
な
ど
思
っ
て
も
い
ま
せ
ん
で
し
た
。
内
観
を
し
て
、
あ
ん
な
に
私
の
こ
と
を
思
って
い
ろ
い
ろ
し
て
下
さ
った
の
に
、
有
り
難
い
と
も
思
わ
ず
、
た
く
さ
ん
の
迷
惑
ま
で
か
け
て
い
た
自
分
に
気
づ
き
、
こ
れ
か
ら
い
ろ
い
ろ
し
て
あ
げ
よ
う
と
思
い
ま
し
た
」
嫌
い
な
肉
類
が
、
食
べ
ら
れ
る
よ
う
に
な
った
と
言
い
、
お
ば
あ
さ
ん
に
心
痛
さ
せ
て
、
寿
命
よ
り
早
く
死
な
せ
た
の
は
自
分
だ
った
と
一涙
を
流
す
姿
に
、
先
生
方
は
感
動
さ
れ
ま
し
た
。
I
先
生
を
教
え
た
こ
と
の
あ
る
先
生
は
、
「君
を
指
導
し
た
先
生
よ
り
立
派
だ
よ
」
と
微
笑
さ
れ
、
別
の
二
人
の
先
生
は
、
早
速
内
観
研
修
に
行
か
れ
ま
し
た
。
(筆
者
は
高
校
教
諭
)
72
薫‖‖‖‖‖韓‖‖‖‖葺:マイ:ライ:フロマイ:なも:)かん
彼女
の顔色
は土気
色
で、
だ
れから
み
て
も健康
と
は思
えな
か
った。
三年
前
の某
内
観
研修
所
ではじめ
て彼
女
に会
った時
の
こ
と
であ
る。彼女
の隣
で内
観
を
し
ていた私
は、彼
女
の怒
り
、寂
し
さ、恨
み、憎
し
み、
そし
て悲
し
みが彼
女
か
ら伝
わ
っ
てく
る
のを感
じ
た。
死
ぬ
ことば
か
り考
え
ていた彼
女
が内観
でど
う変
わ
ったか
は、内
観数
日後
の彼女
の
手紙
を
み
る
こと
でよく
わか
る。
「前
略
…
(内
観
か
ら
帰
った)
翌
日は父
の納
骨
でH霊
園
に行
きま
し
た。内
観
のおかげ
でと
でも良
い心
境
で父と
のお別
れ
が
でき
た
よう
に思
います
。
そ
の時
、上
の姉
か
ら
は
『顔
が
変
わ
った、険
がと
れ
た
』と言
わ
れ、次
の
姉
にも
『変
わ
った、
心を開く
よう
にな
っ
た
』と言
われす
ご
く
う
れしか
った。内
観
を
通し、私
はほんと
う
に罪
深
い人
間
であ
り、他
の人
に迷惑
を
か
け、ま
たお世
話
に
な
っているか
が実感
でき
まし
た。
そんな
自分
でさ
え生
か
さ
せ
ていただ
い
ている
の
です
から
、私
が受
け
た愛
は少
し
でも
お
返
し
させ
ていただ
き
た
いと思
って意
識
し
て、
少
しず
つではあ
りま
す
が、行動
さ
せ
てい
ただ
い
ていま
す。
そんな自
分
が最
近と
ても
う
れし
いん
です
。職場
でも家
庭
も変
わ
ってき
た自
分
に気
づ
き
、楽
し
い近頃
です
。
…後略
…
」
内観最終
日、彼女
の顔
は真
っ白
になり、まさ
に生まれかわ
ったか
のようだ
った。それま
で抱
いてい
た父
への恨
み、自
分
を棄
てた男
への
憎
し
み、中
絶
し
た子供
への罪障感
か
ら解き放
たれ、
よう
やく本当
の自
己を
見
つけ
る
こと
が
でき
た
の
であ
る。
「ま
た
今度
会
いま
し
ょうね
」と言
って別
れ
た彼
女
の笑
顔
は、明
日
への希
望
で輝
い
ている
よう
に私
には思
え
た。
(文
責
森
田
)
28