河野 純也加速まとめ ・コースレイアウト 0.0 → 5.0 m/s 加速は 6:1 の方が...
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勝てるマイコンカーを設計するために
河野 純也
2018. 8.10 @全国高等学校総合文化祭
河野 純也
自己紹介
・MCR歴2002年 MCR横須賀大会に初参加RMCR2016夏,2017夏 優勝
・他Robot戦績2004,2005年 ロボトレース全日本大会 優勝2004年 第9回ロボットランサー競技 優勝
・本業は自動車関係
Contents
・常識?
・コースレイアウト
・加速と速度
・ショートホイールベース
・コーナリング
・ホイールベースとヨー・加速と速度
・速度と距離
・加速の検討
・加速まとめ
・ホイールベースとヨー
・まとめ
・加速まとめ
***注意 Caution***内容は完全に私見です。内容は完全に私見です。間違い勘違いが含まれている可能性があります。本情報の使用は自己責任でお願いします。
常識?
減速比が大きい方が加速が良い (8:1>6:1)
低重心の方が旋回性能が高い
→そんなに単純じゃない
低重心の方が旋回性能が高い
車重が軽い方が旋回性能が高い
→正解
→単純じゃないが概ね正解
ショートホイールベースの方が旋回性能が高い
→単純じゃないが概ね正解
→そんなに単純な話じゃない
加速とホイールベースについて考えてみる
コースレイアウト
直 線 : 約30m (46%)曲 線 : 約30m (46%) 6ヶ所 LC : 約2.5m (4%) 4ヶ所 LC : 約2.5m (4%) 4ヶ所クランク: 約2.5m (4%) 4ヶ所
コースレイアウト
・速度の推定
直 線 : 30m ÷ 5.0m/s = 6.0sec
(Advanced Class 優勝者 15.37sec)
占有率
39.5%直 線 : 30m ÷ 5.0m/s = 6.0sec
曲 線 : 30m ÷ 4.0m/s = 7.5sec
LC : 2.5m ÷ 4.0m/s = 0.7sec
クランク: 2.5m ÷ 2.5m/s = 1.0sec
39.5%
49.3%
4.6%
6.6%クランク: 2.5m ÷ 2.5m/s = 1.0sec
Total 15.2sec
6.6%
上記速度を基に検討を進める
加速と速度
6
7
8
6
7
8
2
3
4
5
2
3
4
5
0
1
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.40
1
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4
・加速の検討
m/s)
(車重700g タイヤ径48mm 指定モータ4個)
減速比6:1
6
7
8
SIM
速度
(m/s)
実測2
3
4
5
SIM
時間(sec)
0
1
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4
m/s)
速度
(m/s)
SIM6:1実測6:1
時間(sec)
SIM8:1SIM6:1
実測とシミュレーションが概ね合致速度上昇に伴って加速が鈍る
速度と距離
・加速と時間/距離の検討
6
7
8
2
3
4
5
0
1
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4
m)6
7
8
6:1
距離
(m)
2
3
4
5
8:16:1
時間(sec)
0
1
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4
m/s) 交差
約1sec 交点
速度
(m/s)
6:1 積分
交差約1sec約3.5m
時間(sec)
8:16:1 積分
スタート直後は8:1の方が速い約3.5m走行すると6:1が8:1を追い越す
加速の検討
2.85
2.9
6
7
8
2
3
4
5
0
1
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4
・発進加速:0→5.0m/s
m/s) 6
7
8
速度
(m/s)
6:1 2
3
4
5
時間(sec)
8:16:1
0
1
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4
m)
約0.8sec2.55
2.6
2.65
2.7
2.75
2.8
距離
(m)
0.172m
距離
(m)
6:1
2.5
2.55
0.7 0.75 0.8 0.85 0.9
時間(sec)
約0.8sec
時間(sec)
8:16:1
0.172m ÷ 5.0m/s = 0.034sec0.172m ÷ 5.0m/s = 0.034sec
0→5.0m/s 加速は8:1の方が 0.034sec速い
加速の検討
1.75
1.8
5
6
2
3
4
0
1
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4
・中間加速:4.0→5.0m/s
m/s)
6
7
8
速度
(m/s)
6:1 2
3
4
5
時間(sec)
8:16:1
0
1
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4
m)
約0.35sec1.45
1.5
1.55
1.6
1.65
1.7
距離
(m)
0.055m
距離
(m)
6:1
約0.35sec 1.4
1.45
0.25 0.3 0.35 0.4 0.45
時間(sec)
約0.35sec
時間(sec)
8:16:1
0.055m ÷ 5.0m/s = 0.011sec
約0.35sec
0.055m ÷ 5.0m/s = 0.011sec
4.0→5.0m/s 加速は6:1の方が 0.011sec速い
加速の検討
2.75
2.8
5
6
2
3
4
0
1
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4
・中間加速:2.5→5.0m/s
m/s)
6
7
8
速度
(m/s)
6:1 2
3
4
5
時間(sec)
8:16:1
0
1
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4
m) 2.45
2.5
2.55
2.6
2.65
2.7
距離
(m)
0.075m
距離
(m)
6:1
約0.6sec 2.4
2.45
0.5 0.55 0.6 0.65 0.7
時間(sec)
時間(sec)
8:16:1
0.075m ÷ 5.0m/s = 0.015sec
0.6sec
0.075m ÷ 5.0m/s = 0.015sec
2.5→5.0m/s 加速は6:1の方が 0.015sec速い
加速まとめ
・コースレイアウト
0.0 → 5.0m/s 加速は6:1の方が 0.034sec遅い
・コースレイアウト曲線:6ヶ所 LC:4ヶ所 クランク:4ヶ所
・加速の検討0.0 → 5.0m/s 加速は6:1の方が 0.034sec遅い4.0 → 5.0m/s 加速は6:1の方が 0.011sec速い2.5 → 5.0m/s 加速は6:1の方が 0.015sec速い
・コース1周分の見積り発進加速:1×0.034= 0.034sec 曲線:6×-0.011= -0.066secLC:4×-0.011= -0.044sec クランク:4×-0.015= -0.09sec
・コース1周分の見積り
0.034 - 0.066 - 0.044 - 0.09 = -0.166sec0.034 - 0.066 - 0.044 - 0.09 = -0.166sec
6:1の方がコース1周で 8:1より 0.166sec速い
ショートホイールベース
・ショートホイールベースの方が旋回性能高い?
ショートホイールベースの方が小回りがきく?
→舵角を増せば同じRを回れる
ロングホイールベース
→舵角を増せば同じRを回れる
F1 2017年のホイールベースを確認
・メルセデス 3760mm
ショートホイールベース
・メルセデス 3760mm・フェラーリ 3594mm →メルセデスが166mmロング
ベース
しかし2017年チャンピオンはメルセデス
ホイールベースと旋回について考える
しかし2017年チャンピオンはメルセデス
コーナリング
・曲線⇒コーナリング
タコツボ(通称)
クルマで角を曲がるという意味で、モータースポーツではカーブを曲がることや、クルマの旋回運動を意
スネーク(通称)
味する
スネーク(通称)
曲線を走ると車両の向きが変わる
コーナリング
・車両の向きが変わる
ヨー
Z
ピッチ
ロール
X
Y
X
コーナリングはヨーの動き・ヨーレート
4.0m/s
定常円旋回
R450
定常円旋回
コース中心の距離3.77m4.0m/s÷3.77m=1.06周/sec360°×1.06 ≒382°/sec ← ヨー角速度・ヨーレート360°×1.06 ≒382°/sec ← ヨー角速度・ヨーレート
コーナリング
0°/secヨー
・直線⇒曲線
直線:ヨーレート 0°/secR450:ヨーレート 382°/sec
直線から曲線への進入時、ヨーレートの変化が必要
曲線から直線、曲線から曲線時も同様
コース変化時はヨーレートを変化させる必要がある
ホイールベースとヨー
・ヨーレートを変化させる
車両は質量≒慣性を持っているのでヨーレートを変化させるにはヨー慣性に打ち勝つ必要がある
ショートホイールベース
タイヤ~重心間距離A
Bロングホイールベース 重心
タイヤ~重心間距離B>A
B
ホイールベースが長いほど重心から遠くヨーレート変化時にタイヤの負担が少ない
まとめ
・減速比で加速特性が変わる
発進加速と中間加速を考慮して減速比最適化すべし
・ホイールベースで旋回性能が変わる
思い込みや都市伝説?に惑わされず現物と現実で車体設計を最適化すべし車体設計を最適化すべし
・課題
ホイールベースやトレッドを変化させた場合の走行ホイールベースやトレッドを変化させた場合の走行データの取得とシミュレーション化
Fin
ありがとうございました