令和元年度
ニュージーランド海外語学研修 グローバル化が進む社会において、将来生徒が国際社会で活躍できるよう、語学力やコミュニケーシ
ョン能力を培うこと、そして異なる文化や価値観を理解し、国際社会の平和や発展に貢献する態度を育
むことが求められています。
本校では,国際社会で大いに活躍できる有為な若者を育成するため、平成 4年度より、2年生を対象に
ニュージーランドでの語学研修を実施しています。
本年度も8月10日(土)~8月22日(木)の13日間にわたって、2年生20名(男子4名、女子16名)が、ニュ
ージランド北島の最大都市オークランドへ渡り、タカプナ・グラマー・スクールに受け入れていただき、語
学研修、現地生徒との交流、ホームステイなどの貴重な体験をしました。
13日間の研修の様子をお伝えします。
8 月 10 日(土) 1日目
朝 8:00 に関西空港に集合し、お昼過ぎには無事に経由地の香港に到着しました。現地のガイ
ドさんの案内で文武廟、ビクトリアピークを訪れました。世界第 2 位の夜景(昼間の訪問ではあり
ましたが)を眺めることができる場所ビクトリアピークから見えた景色は濃霧の影響で辺り一面
真っ白な世界。ガイドさんの機転でビクトリアピークでの滞在は短縮し、少し山を下って霧の晴れ
た場所からの景色を見させていただき、当初予定にはなかったアベニュー・オブ・スターズに立
ち寄っていただきました。空港に戻った際は、空港
内にはデモを行うため人々が多数集まり始めて
いました。参加者の数という意味では規模は大き
いですが、空港利用者の邪魔にならないように
マナーを守った静かな抗議活動といった様子で
した。日本では経験したことがないであろう光景
にしばらく釘付けになりました。このあと、香港を発
ち、ニュージーランド行きの機内で 1泊しました。
8 月 11日(日) 2日目
無事にニュージーランドに到着しました。日本を発ってから 24 時間以上経過し、少し疲れも見
られましたがみな安心した表情をしています。オークランド空港にて現地コーディネーターさん
と対面し、滞在中のアドバイスをいただきました。コーディネーターにはこれから 11 日間お世話
になります。空港で昼食、両替、sim カードの購入等を済ませタカプナ・グラマー・スクールに向か
いました。タカプナは滞在する町の名前でもあります。学校の前で順次迎えに来ていただいた
ホストファミリーに迎えられ、緊張もあるものの素敵な笑顔で挨拶を交わし各家庭へ向かいまし
た。
8 月 12日(月) 3日目
今日は初めて朝からタカプナ校に直接通学する日です。徒歩やバス、ホストファミリーの車等
登校手段は様々です。少し道に迷ったりもあったようですが、無事全員登校しました。
午前中はコーディネーターさんのオリエンテーションを受け、グラント先生にマオリ流の歓迎
の言葉をもらい、ジョン先生に校内を案内していただいたり、日本語の授業をとっている現地の
生徒と交流したりしました。日本語と英語で交流する予定でしたが、ほぼ英語で頑張っていまし
た。現地の生徒の中にもニュージーランド出身ではない生徒はたくさんおり、その子たちがとて
も流暢に英語を話すのをみて、とても刺激を受けている様子でした。午後はマオリの文化を習
いました。初めての言語で初めての踊りと歌を頑張って覚えました。指導してくださったビッキ
ー先生も大変喜ばれるほど、短時間で多くのことを吸収できました。
8 月 13日(火) 4 日目
今日は Pakiri Beach で乗馬を行いました。昨日、今日あたりからホストファミリーの送迎では
なく、バスや徒歩で学校まで来る生徒も増えてきました。学校に来るという普段何気ないこと
でも、でもバスから降りれなかったり、ホストファミリーに送迎してもらうのになかなか家を出な
かったりと普段と異なる環境や文化の洗礼を受ける子もいました。無事学校に集合し、バスで
Pakiri Beach に向かいました。ビーチに近づくにつれて羊やファンテール(ニュージーランドの
鳥)、マヌカの木といったニュージーランドならではの自然が増えていきました。到着後、2 班に
分かれて乗馬を行いました。皆初めてですが、手綱を引いて止める、脇腹をけって発進する、曲
がりたいときは、曲がる方向の手綱を引くという説明を受け、なんとか馬をコントロールしよう
と頑張りました。時々、下に生えている草を食べたり、急に少し走ったりと意図しない行動もとり
ましたが、なんとかインストラクターのアドバイスも聞きながら川と丘を越えて海岸に出て、また
丘を越えて戻ってくるという 1時間のコースを回ることが出来ました。前後半に分かれて体験を
行い、乗馬に出ていないグループは乗馬をしている子の写真を撮ってあげたり、歩いてビーチ
に行ったり、昼ご飯を食べたりして過ごしました。後半グループがまもなく帰って来るというタ
イミングでそれまでの晴天が嘘のように突然の大雨に見舞われました。洋服がそのまま水につ
かったかのように濡れてしまいましが、これもニュージーランドの自然体験の一部となりました。
8 月 14 日(水) 5 日目
今日は 1日学校で過ごしました。昨日、乗馬中に雨に濡れてしまった子の体調が若干心配され
ましたが、みな元気に登校し一安心です。今日はジョン先生の授業のほかに、ジェイク先生の日
本語のアドバンスクラスや体育のクラスにも現地の生徒とともに参加しました。
日本語のクラスでは、ジェスチャーゲームや同じグループの子が書いた絵を文章であてるク
イズ、お箸を使ったアクティビティなどをしました。ゲームやクイズのお題も日本やニュージー
ランドの文化に関するものを選んでくださり、とても楽しめました。
体育のクラスでは体育館を目いっぱい使い、バスケット、ラグビー、サッカーなどをもとにしい
た数種類のミニゲームを目まぐるしく入れ替えて、走り回っていました。一連のゲームの説明を
受けた後、2 チームに分かれて体育館両サイドの壁に待機します。先生がその都度、何人がその
ゲームに参加するのかを伝え、コート中央に投げ入れられたボールでゲームを判断します。先
生が 3人と叫んで、サッカーボールが投げ入れられれば、3対 3のサッカーが始まるという感じ
です。得点時やきりのいいタイミングで、メンバーとゲームが入れかわっていきます。生徒は大
盛り上がりでした。
学校生活にも慣れてきたのか、昼休み等に現地生徒と混じって話をしたりサッカーをしたりす
る子が増えてきました。また日本からの長期留学生とも出会ったりし、刺激を受けている様子も
見られました。
8 月 15 日(木) 6日目
今日はオークランドを観光しました。学校からバスでオークランド博物館に向かいました。開館
前に到着したため、少し小さな植物園を見学しました。2 つの建物があり、綺麗な花ばかり並べ
られている建物と、食虫植物等が展示されている建物に分かれていました。博物館ではニュー
ジーランドの歴史や戦争に関する展示物が多く、日本に関する展示も少なからず見られました。
お昼前にはマオリのショーを鑑賞しました。マオリの授業を受けていたので、馴染みのあるダン
スや歌や掛け声が出てきてとても親しみやすいショーでした。マオリの表情豊かで迫力あるパ
フォーマンスに皆釘付けになっていました。
その後、スカイタワーに上りオークランド市内を 360 度見渡すことが出来ました。そこから各
自、持ってきたランチを食べたり、市街にでて昼食をとったりした後、市内観光をしたり、おみや
げを買ったりして過ごしました。タカプナ校へは戻らず、フェリーでデボンポートまで戻り、そこ
で自由解散となりました。
8 月 16日(金) 7日目
今日は 1 日学校でジョン先生の授業を受けたり、日本語クラス、ビジネスのクラスに参加したり
しました。ジョン先生のクラスでは現地の植物について教えてもらい、時には薬効のあるものを
口にしてみたりしていました。日本語クラスでは折り紙を教えていました。実演しながらなので
なんとかなりましたが、英語で説明するのには苦労したようです。また折り紙の折り方を忘れて
いる生徒も多く、スマートフォンで確認しながらいろいろなレパートリーを扱っていました。現地
の生徒も非常に喜んでいるようでした。ビジネスクラスではその週の講義は終わっていたよう
で、終始交流の時間となりました。先生からはビジネスに関する話をするようにと一応お題は出
たのですが、各グループ好きなことを話していました。市西生だけではなく、現地の生徒も楽し
く会話している様子でした。夜はスクールミュージカルが学校で行われるということで、20:00
から 22:30 頃まで 4 人の生徒が鑑賞しました。同じ高校生が 2 時間を超える演目を演じ切る様
子に刺激を受けているようでした。
8 月 17日(土) 8 日目
今日はワイトモ洞窟の観光をしました。
朝早くの出発でしたが、無事にほぼ定刻どおり出発しました。最初にハントリーという町の休憩
所に立ち寄りました。数人の子はそこで朝食をとっていました。注文や支払いもスムーズになっ
ています。休憩所の横を流れる川から大きな虹が出ていました。虹の始まりを見ることができ
たのは初めての子がほとんどだったのではないでしょうか。
ワイトモ洞窟は鍾乳洞そのものもライトアップされていて非常にきれいでした。洞窟の音響を利
用して、”Oh, Happy Day” を歌ってみると、とてもきれいに響きました。ボートから見る土ボタル
はとてもきれいで神秘的でした。日本ではできない体験ができてよかったです。その後立ち寄
った昼食のステーキ屋さんもお肉からデザートまでなんでもおいしく、ステーキを追加注文して
いる男子もいました。その後キウイハードの見学に行きました。
キウイは夜行性のために見学場所も暗室になっていました。すぐには現れてはくれませんでし
たが、なんとか暗闇のなかで動くキウイを確認することができました。一日に 4 時間ほどしか起
きていないということで貴重な体験ができました。またキウイハウスの方の説明も生徒は熱心
に聞いていました。訳がなくても半分くらいはわかりましたという子もいました。帰りの休憩で
立ち寄ったポケノでアイスクリームを食べ、オークランドで買い物をして学校に戻りました。長い
1日ですが、みな元気に過ごしました。
8 月18日(日) 9日目
全体集合なし。各家庭で過ごしました。
8 月 19 日(月) 10 日目
今日は 1日学校で過ごしました。1時間目はダン
スの授業を受けました。ウォームアップに参加し
た後、現地の生徒が今週行ったミュージカルの
一部を見せてもらいました。その後はそのダン
スの冒頭部分を少人数グループに分かれて、
現地の生徒から教えてもらっていました。最後
に通したときにはなかなかのパフォーマンスが
できていました。その後はジョン先生の授業で
ビーチの見学にいったりしました。5 時間目にはズンバの先生に来ていただき、1 時間ノンストッ
プで運動し続けました。
8 月 20 日(火) 11日目
今日はタカプナグラマースクールで過ごす最終日です。ジョン先生のクラスではマオリ伝統
の模様を使ってホストファミリーへの手紙を作成したり、英語でマオリ語の色を習ったりしました。
またジョン先生からは英語のなぞなぞで一つの視点に捕らわれないような考え方、意外なとこ
ろに答えはあるという考え方を教わりました。最後のランチは皆で Fish and Chips を囲みまし
た。大量の食事があっという間になくなりました。今日のメインイベント、フェアウェルパーティ
では現地で参加させていただいたいろいろなクラスの生徒が見に来てくれて 100 名を超える
オーディエンスの前で生徒のパフォーマンスも素晴らしい出来となりました。また生徒代表のス
ピーチやパフォーマンスにはマオリ語やマオリの音楽を取り入れ、これもまた大いに喜んでいた
だけました。その後は各自修了証を受け取り、現地生と写真を撮ったりして別れを惜しんでいま
した。もう少し夢を見ていたいといった様子で各自今日が最後となるホストファミリー宅へ帰宅
しました。
8 月 21日(水)、22日(木) 12,13日目
21 日は、各家庭でお別れを済ませて学校に集合しました。ジョン先生やお世話になった方々
にご挨拶しバスで空港に向かいました。空港ではお世話になったコーディネーターさんとお別
れをし、少し自由行動をとった後、香港へと飛び立ちました。帰路の香港では空港内で過ごした
ため、外での騒動は感じられませんでした。深夜の帰国便までは 4 時間ほどあり、少しの間食事
をしたり、お土産を見たりしていました。搭乗後に機内で 1 時間ほど待つこととなりましたが、多
くの子が寝ており、あまり気にしていない様子でした。そして無事、22日早朝、関西国際空港に 1
時間遅れで到着しました。みな疲れ果てていましたが、この 13 日間が充実したものであったこ
とはそれでも伝わってきました。この経験を今後の人生に活かしてくれることと思います。