- 1 -
令和元年度 第5回調布市高齢者福祉推進協議会 議事要旨
令和2年1月30日(木)午後6時30分から
文化会館たづくり西館2階 予防接種室
1 開会
2 議題
(1) ケアラー支援について
(2) 令和元年度高齢者福祉推進協議会振返り
3 事務連絡
4 閉会
1 開会
欠席者3名の報告。配布資料の確認。
2 議題
(1) ケアラー支援について(資料5-1,参考資料5-1,参考資料5-2,参考
資料5-3,参考資料5-4にて説明)
【事務局説明】
○事務局 ケアラーとは介護者のことです。高齢者や子どもなどの看病,療育,世話,
心や体に不調のある家族への気遣いなど,ケアの必要な家族などを無償でケアする担い手
を指します。
そもそも介護保険制度が創設された目的の1つに高齢者の介護を社会全体で支え合う仕
組みを設けて家族の介護負担を軽減することにありました。制度の創設とその後の介護サ
ービスの浸透で家族の負担は軽減された面もありますが,今もなお多くの家族は何らかの
心理的な負担や孤立感を感じており,特に認知症の方を介護しているご家族の場合にこの
傾向が強く,こうした背景をもとに調布市としましてもケアラー支援を打ち出しました。
また,高齢者の増加に伴って在宅でのケアに国が方向転換しました。それに加えて,一
億総活躍社会を目指すという点から,女性や高齢者の社会進出も相まって,ケアラーの状
況だったり抱えている課題が非常に多岐にわたっています。
こうした背景から調布市ではケアラー支援を重点施策として位置づけ,具体的に第7期
中に取り組むことを6つ掲げております。
- 2 -
第7期計画内では,これまで行っている介護者講座や,相談等の事業を継続する他,ケ
アラーやケアラーを支援する団体,あるいはグループのニーズの把握,今後の支援策の検
討,現在取り組んでいることも含めて記載しておりますので,ご覧ください。
参考資料5-1に記載の既存事業は大きく5つにまとめられます。1つ目が介護者講
座などの講座,2つ目に認知症徘徊高齢者探知システム事業等の支援,くらしの案内等の
情報提供,ちょうふ在宅医療相談室等の相談,最後に,ひだまりサロンや家族会等の集い
の場の5つです。こういった既存事業の継続に加えて,市では第7期計画策定時にも行っ
た在宅介護実態調査,あるいは調布市民福祉ニーズ調査,介護予防・日常生活圏域ニーズ
調査を行っています。7期計画の43ページ以降にも記載してありますのでご覧ください。
調査を通じて,ケアラー支援に力を入れるように市民からの声も強く感じる一方で,具
体的なニーズの把握には完全には至りませんでした。今回,直接の声を聞いてニーズを把
握するためにアンケートを実施しております。
調査の目的は,ケアラー及びケアラーカフェ等運営者のニーズを把握することで,ケア
ラー及びケアラー等の集いの場・団体の支援策を検討することです。
郵送によるアンケート調査で,多岐にわたるニーズを把握するために,回答を狭めるこ
とにならないよう,自由記述にしております。
対象は,ゆうあい福祉公社発行のケアラー支援マップに掲載されているケアラーを支え
るグループ15団体,次に,ケアラーと接する専門職として,地域包括支援センター10
か所,市内介護サービス事業所185か所にご協力いただきました。ケアラー本人の意見,
ニーズの他専門職の方々が面接等を通じて体感したり,潜在的に感じたニーズをご記入い
ただいております。調査期間は令和元年12月5日から12月25日までの20日間行い
ました。
回収枚数は,合計218枚です。ケアラーの方から44枚,専門職の方から174枚の
回収状況です。資料には,あくまで一部のご意見を抜粋してお載せしております。
その他にも多くのご意見をいただいた中で,ケアラーの皆様のニーズと既存事業との関
連性も考慮して作成したものが次のページのケアラー支援の4つの柱になります。
4つの柱では,分かりやすい情報提供,ケアラーの負担軽減,専門職等への普及啓発,
ケアラー団体の運営支援の4つを掲げております。それぞれの柱の中で既存事業としてや
っていることを色塗り,足りない部分を薄く示しております。それぞれの柱の中でできて
いることとできていないことには差があるので,実際に皆さんにご覧いただいているよう
- 3 -
にどうしても足りない部分とやっている部分でそれぞれの目指したいところに応じて差が
あるという現状があります。
できていることももちろん全ては記載できないのですが,一例として,例えば分かりや
すい情報提供では,くらしの案内や,ケアラー支援マップなどを情報提供しております。
一方で,例えば専門職等への普及啓発や,ケアラー団体の運営支援はまだまだ足りない部
分が多い現状にあります。こうしたできていることと足りない部分,それらを踏まえて,
8期以降に目指すケアラー支援の姿を柱の下にお示ししています。
これらを目指していくことで調布市のケアラー支援を充実させたいと考えております。
6ページでは,第8期計画策定に向けて具体的に取り組みたいこととしてそれぞれ挙げて
おります。ちなみに,それぞれの項目については,現在市が把握している既存事業だった
り,ニーズ等の情報を踏まえてお示ししたものですので,ご承知おきください。
分かりやすい情報提供は,市や包括支援センターの相談窓口を広く周知し,困る前から
情報を入手できること,そして,いざケアラーになったときもみずから情報を選択して収
集できること,その他市や包括支援センター等で実施している講座によって,介護者講座
に参加する,あるいは介護技術を得るなど,ケアラーが得られる情報の提供をお示しして
います。
ケアラーの負担軽減では,当事者が介護保険サービスを適切に利用できていることを前
提として,現在,実証中のBPSDケアプログラムや市内の特別養護老人ホームのショー
トステイの利用促進などによって,ケアラーの負担軽減を目指します。
専門職等への普及啓発では,ケアラーの視点を持つことを目指しております。ここでい
う専門職は主にケアマネジャーや,包括職員の方々などケアラーと関わる人を広く指して
います。例えば専門職等へケアラー支援の必要性を研修などの場で周知する他,引き続き
認知症サポーター養成講座の実施を通じて地域にケアラー支援の必要性を周知します。
最後に,ケアラー団体の運営支援です。既に実施していることですが,地域包括支援セ
ンター,地域支え合い推進員による家族会等の運営支援を継続していきます。また,今後
はセカンドライフ応援キャンペーンで活躍の場としてケアラー団体の活動の場と地域の企
業等が場所を提供したいといったものがマッチングできたらいいなと考えております。
今回,この4つの点線の中の項目について,それぞれ最後に「等」と記載しております。
あくまで一例としてお載せしていますので,特に重点的に取り組むべきことについて,皆
様から過不足がないかご意見をいただいて,骨子を固めたいと思います。
- 4 -
【意見交換及び質疑応答】
○吉塚モニター員 私もずっと家で介護をしていたのですが,母が認知症になってから
どういうシステムで支えていただけるのかというのが全く分からないところで包括センタ
ーに相談に行ったり,ケアマネジャーさんにお伺いしてきたのですが,結局1つのところ
で全部教えていただけるわけではなく,自分が冊子等をくまなく,隅から隅まで読んだと
きに,これは自分に当てはまるのではないかとか,これはどうだったら申請するのではな
いかとか,結局自分で全部調べなければいけなかったので,このアンケート調査の結果で,
申請書は申請主義であり,申請しなければ何も受けられないということがありますけれど
も,どこに行ったら全部自分のカスタマイズをして教えていただけるのか,そういうプロ
フェッショナルな方というのは,どなたであったり,どこの場所であったりというのがや
っぱりちょっと分かりづらいところがありますので,その辺はケアラーの立場として,ど
うしたらいいのか教えていただきたいと思います。
あと,包括の場所が非常に分かりづらいところにありまして,地図を見てもなかなか行
き着けないようなところです。ご高齢の方が行きづらかったりすると思うので,駅前で何
かイベントなどで知らせていただけたりすると,地域でも分かりやすくなるかと思います。
○事務局 どこに相談に行っていいか分からないというところは,恐らくたくさんの方
はまだ介護をしたことがない方,どこの相談窓口に行っていいか分からない,行っても話
がよく分からないということもあると思うのですけれども,基本的には高齢者支援室の窓
口には専門の相談員を配置しておりますので,そこに行って,何でも話をしていただて,
そこで道案内みたいなことはさせていただいています。
その中で,当然,高齢者の分野ですと,地域の地域包括支援センター等を紹介させてい
ただきますので,その中で多分1回行って全部の答えをもらうというのはなかなか難しい
ところもあろうかと思いますけれども,その都度,自分が分からないことがあったときに
いつでも聞けるという状態にできるように,もう少し地域包括支援センターと市の窓口の
周知に努めていければいいなと思っています。
地域包括支援センターは,今,圏域の見直しに伴って場所が変わるところもありますが,
どうしても市内に10か所ある中で,必ず遠いところというのが出てきてしまいます。そ
れは市内に30個,40個つくればいいという方もいらっしゃるかもしれないのですけれ
ども,そうすると続けられないということもあります。
なので,基本的に地域包括支援センターは電話をいただければアウトリーチ,そちらの
- 5 -
お宅まで伺ってお話をすることもできます。多分こういったことも分からない方はいらっ
しゃると思うのです。手続きには行かなければいけないと思っている方が多いと思います
ので,その辺も含めた今後の周知に努めていこうかと思います。
○内藤顧問 本当は地域包括支援センターに相談しに行けば全部何でも手に入るという
ことをきっと目指すのだと思うのです。本当に必要なものと地域包括支援センターが提供
できるもの,そこは埋めていくというのは先ほど話にあったように,情報提供がものすご
く重要です。
○小川会長 今現実に地域包括に何でも行っていて,地域包括の働き方改革を何とかし
たほうがいいのではないかぐらいのところがあるのですけれども…。
○原口副会長 在宅介護支援センターの時代から私はこの仕事をさせていただいて,非
常に長い間,地域の住民の方々の介護相談を受けています。
市内に今10か所の地域包括支援センターがありますけれども,やはり調布市内だけで
はなくて,他の自治体の地域包括支援センターの職員と研修で話をしたりすると,やはり
頭の痛いところは職員の定着率です。余りにもいろいろなものが求められる。そして仕事
量が多過ぎる。日々消化不良を起こしながらも,来た相談をきちんとお受けして答えてい
くという作業に追われているような状況が日本全国の地域包括支援センターなのだと思い
ます。それを踏まえて,厚生労働省であったり,東京都からは,地域包括支援センターの
職員の仕事量がどのくらいあって大変なのかということの調査が実際にアンケートで毎年
のように行われています。
今,調布市内の包括支援センターの中でも,当包括は比較的10年選手とかが多いので
すけれども,やはりどうしても若い女性のスタッフが入ってくると,出産を機に退職した
り,ご主人の転勤のもとに退職される方などもいたりしますし,やはり体調を崩される方
もおられます。ですから,職員の定着率が低いところは,職員のスキルがどうしても低く
なってしまう。どの計画にもあるのですけれども,やはり地域包括支援センターの一番最
初にできる機能強化は定着率を上げるということだと思うのです。定着率を上げることに
よって,地域のいろいろな方の,民生員さんの顔が分かったり,福祉関係者の方の顔が分
かったり,そして制度が分かったり,ある程度スキルを上げることによって,今いただい
たご意見に沿えるような地域包括支援センターになっていくのだろうと思います。
先ほど圏域の見直しの話も出ましたので,そこのところでは,またより一層機能強化も
求められているので,サブセンターをつくっていくようなところもありますし,ブランチ
- 6 -
をつくってやっていくところもありますし,そういうところがより一層体制を整えながら,
皆さんが困ったというところにきちんと応えられるようにスキルを上げていくことが今重
要なのだろうなと改めて思いました。
○中原モニター員 地域包括支援センターの方々がとても大変だということは,市民の
立場からよく分かっていて,それで気の毒だなと思いながらいろいろなことをお願いして
いるのです。ですけれども,例えば私,サロンを開いているのですが,サロンで認知症の
方のご家族がちょっとの間だけでも休めるような体制をとろうとして,認知症の方をサロ
ンにお連れしてもやはりどうしても認知症の方のいろいろな行動を制約してしまうもので
すから,余り認知症の方そのものが居心地のいい場所ではないのです。
そんなときに認知症サポーター養成講座を出られた方がありますね。ああいう方たちが
学んでおられるのだから,また再教育か何かしていただいて,私はこういうところだった
ならばお手伝いできる。それでサロンみたいなところで,手にかかるような方を自由に見
ながらサポートしていただけるようなことがあるといいな,などと思っているのです。
そういうことで,認知症サポーターになられた方たちをうまく利用できるというと言葉
が悪いのですが,そういう方たちをうまく使っていただけるようなことというのは,何か
考えておりますか。
○原口副会長 とてもありがたい言葉です。地域包括支援センターの職員も市民の方た
ちの力をいただこうと思っています。昨日は西部地域のサロン交流会というのがあって,
サロンの代表者の方たちが集まる社会福祉協議会が主催しているものに私たち地域包括支
援センターの職員,西部地域の3包括が行かせていただいて,22団体,35名の方がお
られたのですけれども,介護相談の窓口は,改めて私たちはここですよということとか,
周りで困っている方,サロンに参加されている方で,介護でお悩みの方がいたらすぐにこ
ちらに紹介してください,と伝えています。まず,そういうことでサロンの代表者の方た
ちに私たちを知ってもらうような形で工夫しています。
あと,認知症サポーター養成講座のお話も出て,サポーター養成講座を受けて,認知症
の方が困っていたら,こうやって声をかけるのだったなということは講座を受ければ分か
ることなのですが,それ以上にもし,例えば散歩に連れ出すのにボランティアとしてサポ
ーター養成講座を受けて,そしてフォローアップ講座も受けて,少し自信がついた方が活
躍できる場というのは,ひょっとしたら,セカンドライフ応援キャンペーンというのを今
進めていますけれども,そことも少しリンクしていくといいと思っています。
- 7 -
やはりこれから認知症の方々はどんどん増えていきますので,福祉関係者だけでは絶対
に支えていけない世の中が来るので,市民の力を使う,家族の力を使う,そういうところ
でお互いに協力し合って,認知症の方たちが住み慣れたところで生活していくということ
を支えるということは本当に重要なことだと思います。
○内藤顧問 認知症サポーターの活用をするというのが全国的にも課題で,国もそう
いう事業をやるということになって,多分都もそういう方向にあるのだと思うので,もっ
と活用するのに,どうやって活用したらいいかという事例とかも出せるようになっていま
すし,これは8期,次の期で取り組む大きな課題なので,おっしゃるようなことはできる
ようにしていくというのが1つの大きなテーマのように思います。
○中原モニター員 市民の立場からいいますと,そういう情報はなかなか入りにくいの
です。だから,認知症サポーターの講習を受けたけれども,手持ち無沙汰になっておられ
る方が多いのではないかといつも思っていて,そして何かもったいないなと思っていたの
ですが,伺ってよく分かりました。それで,講習を受けられた方というのは,やはりどこ
か登録されるのですか。
○星野委員 認知症サポーター養成講座を今市から委託を受けて,事務局として開催し
ています。ゆうあい福祉公社のほうで取り仕切っている状況で,毎年1,000人ぐらい
養成講座は受けられている方がいます。中には,受けただけで埋まってしまう方もやはり
いらっしゃるのですけれども,まず講座の1つの目的としては,認知症の症状を正しく理
解して,認知症の方を応援するという取組を分かっている方ということの1つの,まずは
普及啓発みたいなところが大きなところでございます。
その中で,活躍したい,何かをしたいという方は,我々が講座を開いたときにそういっ
た情報提供や,希望がある方は,こちらとつながるようなことの了解を得てやりとりをし
て,例えば施設への窓口の紹介だとか,そういった体験とか講座にまた出たいという方は
随時,そういった案内をする。
ただ,実際,今,学校だとか企業さんとか,そういったところでも講座を開いていまし
て,直接何かマンパワーとしてすぐ動けるかというと,そういうわけでもなくて,そうい
った方でさまざまな方が講座を受けて,普及啓発のほうには一定の成果が出ているのかな
と思っています。
それと,フォローアップ講座というのも年に2回なのですけれども,定期的に開催して
おりまして,その中では,我々のほうでもそういった認知症の方を,迷子になられた方を
- 8 -
捜索するような訓練とか,そういうものは各地域でもやっていまして,そこにはやはり認
知症の方のことを思っていて,何かをしてあげたいという方が多数いらっしゃったりしま
すので,そういった方へ普及啓発とか,ケアラーの支援にこういうものがバックアップに
なっていくということは今後大きな取組の1つかと感じているところです。
○中原モニター員 大体目安として,7期,8期中にはそれが可能になるかとか,ある
程度の目標というのはあるのですか。
○星野委員 今,私どもで考えているのは,実際,受けたら受けっ放しではなくて,
その中で,やはり地域で活躍できる方というのがどの程度いらっしゃるのか,そういう方
を広げていきたいというところを思っていまして,何人とかそういう数値目標までは立て
ておりませんけれども,そういった方を養成していくということは1つ大きな課題として
は考えているところです。
○中原モニター員 数値目標ではなくて,そういう方がいつぐらいから実際の現場に入
っていただけるというようなことがある程度分かると市民としたら…。
○星野委員 実際そういう方が活躍する場所をあっせんというか紹介して,具体的に動
き出すというところのニーズがあれば,そこは随時紹介をしていけるかと思っております。
○兼子委員 サポーターの講習,それからフォローアップ講習も受けていますけれども,
最小限の知識と,例えば包括に,近所で接している,こういう人は見守って欲しいという
連絡ぐらいまではできるのですが,今,現場に入るとかというのは,そう簡単なことでは
ないと思います。認知症サポーターの養成の今後の展開では,受けた人がそれをどう生か
していこうとしているのかという意欲とかニーズとか,そういったものに合わせて,さら
に研修を高めていくというような工夫の必要があると思います。私は今の認知症サポータ
ー講習とかフォローアップ講習では,本当に困っているときのちょっとの声かけとか,今
言った地域での動きを見て,情報を包括とつなぐとかくらいができればいいところではな
いでしょうか。例えば1人で徘回している人に対して直接援助というのは多分難しいので
はないですか。私の認識はその程度です。今言いたかったことは,そういう講習を受けた
人がさらにどこまで目指そうと思うのかということを把握して,それに合わせて研修とい
うものが積み重ねられれば,その人の力をもっと引き出していく,生かすということがで
きると思うのです。
○内藤顧問 今のままだと今おっしゃったように活用していくというのはなかなか難し
いので,やはり養成講座自体も少し変えているというところも出てきていますし,あと,
- 9 -
その後にお話があったようなフォローアップみたいなものもつくって,活動に直接目標を
持ってその上で養成していくような地域も出てきているので,多分この問題はさっきの議
論の1つの大きなものだろうと思うので,そのときにはぜひいろいろな活用事例がいろい
ろなところで出されているので,そういうものを見ていくとどうやったらいいかというい
ろいろな知恵が出てくるのだと思います。やり始めているものも多くありますので,でき
ないことはないと思います。
○阪井モニター員 くらしの案内~シルバー編~とか,認知症ガイドブックというのが
あるのですが,これは実際,高齢者の方に届けているものなのでしょうか。それともやは
り高齢者の方自身も取りに行かなければいけないものなのでしょうか。
○事務局 基本的には窓口等に配架して取りに来ていただいているのですが,包括支援
センターの皆様にもご協力いただいて,訪問時等に配付等もしています。
○阪井モニター員 ご本人たちにもうちょっとちゃんとしていただきたいというか,情
報をとろうという気持ちに少しなっていただくことが大切なのではないかと思います。
介護をいきなり始めた人たちはどこに行っていいか分からないというのもあると思うの
ですけれども,既に介護認定を受けて,要介護状態の人を介護しているおうちでさえ,そ
れは届いていないという,もうちょっとそういうときにこれを見なくてはいけないという,
くらしの案内はよくできてはいると思うのですが,私はちょっと不親切ではないかと。全
部高齢の方が読み解くのは難しいし,やはり要介護認定を受けて,介護が始まったときに
家族なり介護者なりに,介護者が病気になったらここ,要介護者が病気になったら,そう
いうA4判1枚ぐらいのものに必要な情報,ここにまず電話しなさいよとか,何かそうい
うちょっとしたことがあると,高齢でご主人が要介護になったときは,いずれ在宅は無理
だろうというのは,やはり私などはそう思うのですけれども,それは恐らく専門職の方も
分かると思うので,そういうときが来るということをやはり本人たちにちょっとお話をし
て,そういうときのことも考えましょうみたいなことを誰かが言う。そういう仕組みがあ
ってもいいのではないかと思います。
基本在宅で始まると思うのですが,そのまま在宅ですてきにみとれるというのはなかな
か難しくて,やはり病気になったりなんなりして,時によっては病院と行ったり来たりな
どということもあるわけなので,そういうマップではないのですけれども,介護が始まっ
たら,最後のほうはこんなことが起こってくるのよということを分かるようなものがあっ
たらいいなと私は思うのです。
- 10 -
○原口副会長 くらしの案内は,一番配っているかもしれないというのが地域包括支援
センターなのだと思います。最近は介護認定の新規申請をしたときに,申請をされた方皆
さんにくらしの案内が渡るようにチェック欄まであります。だから,新規申請をした方に
は必ず渡っているはずです。あとはケアマネジャーもかなり私たちの支援センターに取り
に来て,ケアマネジャーが持っていって,自分が担当している方やご夫婦であったり,ご
家族に渡したりとかという形でしています。
私たちもふだん,もちろん介護相談を受けたときはお持ちするのですけれども,なかな
か接点がとれない方,介護サービスなど要らないよ,金を使うのは嫌だとかという方もお
られますので,そういう方たちに対して,うちの地域包括支援センターの機関紙,顔の見
える機関紙と一緒にくらしの案内をポスティングして,何かあったら電話くださいねみた
いな形でも配付しています。
それでも届いていない方がいたり,あとは高齢者の方はなくしてしまうのです。くらし
の案内はあれだけ大きな冊子なのですけれども,それでもなくしてしまう。もっとくらし
の案内,私たちが地域包括支援センターで出している機関紙の中にもくらしの案内であっ
たり,認知症ガイドブックがありますよというようなことも入れ込んで広報活動は行って
いますけれども,もっと広報活動をしっかりやっていって,詰めていかなければいけない
のだななどと今意見をいただきまして思いました。
○池野上委員 このケアラー支援は第7期から盛り込まれて,私はすばらしいと思って
いて,これはぜひ継続していただきたいと思っているところです。ただ,ケアラー支援に
ついて,包括センターと私も一緒に連携をとらせてもらっていますが,業務がすごく大変
なのは分かっているのです。市民の方とか,ご家族に広げるのは私たちケアマネではない
かと思っています。ただ,まだまだケアラー支援について,ケアマネ一人一人が理解して
分かっているのかというと,まだそこまではいっていないのかなと思っています。
今後,このケアラー支援について,私たちケアマネもちゃんと理解して調布市の第7期,
第8期の計画もしっかり理解した上で,日々の業務の中でケアラー支援を頭に入れながら
定期訪問,相談支援をしていくべきだと思うので,来期ケアラー支援について,うちの会
でも少し考えていこうかなというのは思っています。
私がいつも定期訪問でお伺いさせていただくと知らない方がいらっしゃるのです。誰か
なと思って,定期訪問の内容が終わった後,実は相談してもらいたいのよという方がいつ
もいらっしゃるのです。それはご近所の方らしいのですけれども,そこでいろいろと介護
- 11 -
のお話とかをさせていただいたり,こういうサービスとか市のことでできますよというの
を相談しているのが月3回ぐらいあるのですが,やはりこれもケアマネの仕事ではないか
と思いながら業務をしているので,ケアマネもケアラー支援について学んでいきたいと思
います。市民の方々に広げることができたらと思っていますので,ちょっと頑張ってみた
いなと今日お話を聞いて思いました。
あと,クローバーの会さんに私はよくご参加させていただいて,お話を聞きますが,や
はりケアラー支援,大切なものだと思っております。
○乙黒委員 ケアラーさんの件なのですけれども,結局,介護認定の調査員という方が
いらっしゃいますよね。その方は多分ケアラーさんに実際立ち会いとかそういうので会う
と思うので,調査員の方が調査票にもうちょっと詳しく書いてもらうとケアラーの状態と
いうのが把握できるのかなと。調査票は介護認定,審査される方のことが主に書かれてい
るのですけれども,ケアラーさんに実際に会うのは調査員の方が会うので,その方の情報
というのをその人がもしとれればとったほうが把握できるのではないかと思います。
○事務局 確かに調査員の方,認定調査のときには立会者の方,介護者の方も一緒に立
ち会っていただいて,いろいろなご苦労の話とか,介護の手間の話は聞き取ってはいます。
調査票のほうに認定のときには一次判定と二次判定とあるのですけれども,二次判定のと
ころで介護の手間の部分について審査,判定をしておりまして,そこにいろいろな手間が
書かれている場合もあるのですが,大変な場合の記載も結構あるにはあるのですが,その
内容をどこかに出すというのはちょっと難しいと思っております。
○事務局 簡単に言ってしまうとなかなか出せない情報ではある。ただ,おっしゃるよ
うにいろいろな方法,今いただいた手法も含めて,どういうことができるのかというのを
こちらも考えていかなければいけないと思っています。
○阪井モニター員 何回も調査認定にはつき合っていますけれども,一度も介護者の気
持ちを聞いていただいたことはありません。もう機械的に,はい,座っていられますねと。
そういうのをばあっとやって,はい,さようならという,家族の話も聞いていただきたい
のですけれどもと言って時間をとってくださる人はほとんどいません。よっぽどかなり強
く言わないと時間をとっていただけません。次が何時にありますからと言って皆さん行か
れるので。確かに認定のときには家族が立ち会う場合も多いと思うので,そこでその家族
に何か書いていただいて,認定委員さんではなくて,後からどこかに送れるようなものが
あってもいいのではないかという気もいたします。
- 12 -
○事務局 先ほどの認定調査の件になってくると,原口委員からもお話があったように,
調査のときにくらしの案内をお渡しさせていただく。ただ一方で,認定調査がメインにな
ってきてしまっているので,どこまで聞き取るのかというのは難しい問題があるのですが,
実は第8期計画等に向けて,7期のときもそうだったのですけれども,在宅介護実態調査
ということで,認定調査員が認定の調査に行った際に,ケアラーさんがどんな形でやって
いるかという聞き取り調査というのもしておりますので,それらも含めて第8期の計画の
中に反映させていけたらと考えております。
○中原モニター員 この方はサポートが必要だという方を前提に話が進んでおりますね。
それで,ご自分で意思表示をなさらなくて,市のいろいろなサポートを受けたくないよ,
ぎりぎりまで我慢されている人たちというのは,潜在的に多くおられるのですか。そうい
う人たちはどこで救い出してくださるのですか。
○原口副会長 サービスを受けておられる方たちが,皆さん自分が望んでサービスを受
けている方たちだけではなくて,サービスを拒否する事例というのは日本全国にいっぱい
あります。調布市の中にもやはりお金がもったいないという方,そして,何といったって,
介護保険料を滞納されていて,健康保険料も滞納されていてという方で,やはりサービス
につながるまでいろいろなハードルがある。まず受診をしなければいけない,保険料を納
めなければいけない,保険料を納めなければ自費のサービスになってしまいますからいろ
いろなクリアをしていくことにはなるのですけれども,そういう人たちがちゃんと適した
介護サービスを受けるためにどうしたらいいかというところはセーフティーネットの考え
方ですが,そこを担うのが地域包括支援センターなので,その人たちがサービスを受けな
いからといって見て見ぬふりはしません。接点を持ちながら,おじいさん,お風呂に入り
に行くと体が温まるよと言いながら,デイサービスに行くために介護認定を進めていった
りとか,確かに時間はかかります。ごみ屋敷の人と同じように時間はかかるのですけれど
も,何らかの形でその人に必要なサービスが受けられるようには働きかけはしています。
○中原モニター員 その役割は分かるのですけれども,そういうのが見つからない場合
がありますよね。そういう情報がなかなか入らないことってないですか。
○原口副会長 私たち地域包括支援センターの職員もそこに住んでいるわけではないの
で,情報は得にくいです。そのために民生・児童委員の方々とか,自治会の方であるとか,
サロン活動をしている方たちと広く知り合いになって,なるべく多くの情報が,隠れてい
る潜在的な情報をいただけるように努力はしています。
- 13 -
ですから,私たちと介護をしている方,介護を受ける方たちだけではなくて,多くの市
民の方たちと私たちは接点を持つことによって,潜在的なケース,眠っているケース,そ
ういうことがないように努力はしています。ですから,逆にどうしても皆さんの力が必要
です。
○兼子委員 介護者の実態調査が報告書,計画の中で57ページに出ているのでしょう
か。数が約250名なのです。これがどういう予算でやられるのかよくわかりませんが,
せめて介護保険利用者の10%とか20%を調査してもらいたい。それで介護者がサービ
スを利用するに至るまでにいろいろ困ったことだとかを含めて,こういう場でもそうです
が,実際,介護している人とか迷っている人の声というのがなかなか反映していないわけ
です。こういった実態把握ももう少し数を上げていくと,それから,質問項目の工夫によ
って,今出たようなことに対しての手がかりも大分出てくるように思います。
(2)令和元年度高齢者福祉推進協議会振返り
委員より今年度の振返り及び活動報告,顧問総評,退任モニター員より挨拶。
3 事務連絡
事務局より事務連絡。新モニター員の募集,来年度の推進協について
4 閉会
○小川会長 ありがとうございました。以上をもちまして,第5回高齢者福祉推進協議
会を終了いたします。本当にありがとうございました。お疲れさまでした。
――了――