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Page 1: (4) () ()5 台湾スローシティ旅行に出かけようjwing.net/t-daily/data2019/1905/TRAVEL20190520Taiwan.pdf澎湖群島 は、台湾本島 西部の海峡に 浮かぶ島々。澎湖本島東側

(4) (第3種郵便物認可) 2019年(令和元年)5月20日 第2511号 (5)(第3種郵便物認可) 2019年(令和元年)5月20日第2511号

1 中正区

3 北埔

4 三義

5 鹿港

6 集集

7 北港8 大林

9 美濃

10 恆春

11 鳳林

12 成功

13 澎湖

14 金門

15 馬祖

2 大渓

 台湾北部の基隆は、三方を山に囲まれた天然の良港として交易や漁業で栄えた。海岸線沿いを走るローカル線「深澳線」は、新北市の「瑞芳駅」から基隆市の「八斗子駅」まで約4.7kmを結ぶローカル線。長らく廃線となっていたが、2014年から運行が復活。八斗子駅は“北台湾で最も美しい駅”と称され、ホームから海辺の絶景が望める。2019年1月には八斗子駅から深澳駅まで、廃線を利用した全長1.3kmのレールバイクも開業した。

台湾観光局は、2019年を「台湾小鎮漫遊年」と定め、台湾各地から30の小鎮(小さな町)と、10の客家の町を選出した。スローシティ・チッタスロー国際連盟は、1999年にイタリアで始まったスローフードの精神を活かしたまちづくりの活動。世界30カ国で200カ所以上、台湾でも花蓮県鳳林鎮、嘉義県大林鎮、苗栗県の南庄郷と三義郷の4カ所がスローシティに国際認証されている。スローシティや客家の町で ぶらり旅を楽しめば、台湾の人々の温かい人情や昔ながらの生活、豊かな自然や食文化など、台湾の奥深い魅力に触れられることだろう。今年は台湾でスローシティ観光を楽しみたい。ここでは、15の町や離島の魅力を紹介する。(写真提供=台湾観光局、台湾観光協会)

のどかな町で

 桃園市の大渓区は、清の時代から水運で栄えた歴史ある街。往時の賑わいを今に伝える「大渓老街」は、バロック式と閩南式が融合した独特の建築スタイルが特徴。店舗の上部にほどこされた彫刻(レリーフ)も美しい。まち歩きを楽しみながら、豆の甘さを活かしたヘルシーなスイーツ「豆花」や、昔ながらの名物菓子「月光餅」などを堪能したい。

 北埔郷は新竹市の西部に位置し、多くの客家人が暮らしている。その歴史は古く、清朝時代にはすでに「北埔老街」は賑やかな商店街だった。いまも往時の風情を残す歴史建築が残っており、日本統治時代のバロック様式の洋館「姜阿新宅」や、清代に建立され客家人の信仰を集める「北埔慈天宮」などがある。細い路地が入り組んでおり、まちあるきが楽しいエリアだ。

 苗栗県では三義郷と南庄郷がスローシティに認定されている。三義は、鉄道遺構が残る客家の山里で、レンガ製のアーチ橋「龍騰断橋」でも知られる。 台湾鉄道台中線の「旧山線」は、苗栗三義から台中后里間を結ぶ全長15.9kmの路線。1998年に廃線となったが、2018年には旧山線の廃線路を活用した「旧山線レールバイク」が開業し、勝興駅からトンネルを抜けて「龍騰断橋」などを望む約6kmの空中散歩が楽しめる。

 鹿港は、かつて台湾の三大港町のひとつとされた歴史ある港町。「鹿港老街」ではノスタルジックな路地裏散策が楽しめる。埔頭街と瑤林街は、鹿港のなかで最も古くから栄えたエリア。通りの両側には、赤レンガ作りの商店が軒を連ねる。 鹿港老街の散策時には、地元のグルメも楽しみたい。人気店「阿振肉包」の肉まんや、小麦粉をベースにごまやピーナツ、砂糖などを加えて炒った「麺茶」を使ったかき氷などが人気。

 南投県集集は、鉄道とサイクリングが楽しめる町。台湾鉄路の「集集線」は、日本で最もよく知られた台湾のローカル線のひとつ。往時の雰囲気そのままの駅舎や、レトロな客車が人気で、ノスタルジックな鉄道の旅が楽しめる。集集駅は、総檜作りの木造駅舎で、集集線のシンボル的な存在となっている。

 雲林県北港鎮は、海の女神・媽祖を祀る「北港朝天宮」が鎮座する宗教の聖地。北港朝天宮は400年もの歴史を誇り、旧暦3月には台湾全島の媽祖像が北港に帰省する宗教行事「北港迎媽祖」が盛大に行われる。門前町には土産物屋や食堂がならび、多数の参拝客を受け入れている。

 スローシティに認定されている嘉義県大林鎮。かつては製糖業で栄え、駅前の「大林老街」には往時の面影が残る。創業60年あまりの老舗漢方薬店「泰成薬行」は、昔ながらの薬箪笥やアンティークな天秤が今も使われるなど、レトロな雰囲気。隣接する漢方薬の博物館「泰成中薬文物館」では、漢方薬の調合に使われた古い道具類などが見学できるほか、漢方茶作りなどのDIY体験も行える。

 高雄市美濃区は、台湾南部の客家の里。美しい田園風景や、豊かな客家文化が楽しめる。美濃名産の「油紙傘」は、客家文化の代表的な存在で、縁起物。美濃では、「油紙傘」の絵付け体験や、藍染め体験などを行うことができ、台湾で継承される客家文化の一端に触れることができる。

 屏東県恒春鎮は、台湾本島の最南端に位置し、年間を通じて春のように過ごしやすい気候から「恒春」の名が付いた。清代に築かれた歴史遺跡「恒春古城」は、市街を取り囲む城壁と、東西南北の4つの城門からなり、その保存状態も良く国家二級古蹟に指定されている。

 花蓮県鳳林鎮は、台湾で最初にスローシティの認定を受けた。「林田山林業文化圓区」は、かつて林業で栄えたまちの姿を今に伝えており、日本統治時代に作られた檜の木造建築群は有数の規模を誇り、ノスタルジックな雰囲気を醸し出している。現在は公園として公開されている。

 「三仙台」は、太平洋に面した成功鎮のなかで最も有名な観光スポット。美しい日の出を鑑賞できるスポットとしても人気。元は火山岩からなる一つの岬だったが、波の浸食によって陸から分離され、離島になった。島へは8つのアーチが美しい歩道橋で渡ることができ、島を一周する遊歩道も整備され、2時間ほどで一回りできる。

 澎湖群島は、台湾本島西部の海峡に浮かぶ島々。澎湖本島東側の湖西郷には、珊瑚石灰岩を資材した建築群が印象的な南寮社区(集落)、風化した珊瑚や貝の欠片でできた白亜のビーチは澎湖で一番長い。また、トロンボ現象で海から現れる道で対岸の無人島に渡ることができる奎壁山赤嶼地質公園ほか特徴的な景観として印象深い。

 烈嶼は、金門県にある5つの町の中で、唯一フェリーで結ばれている小島であることから小金門とも称され、昔ながらの生活様式が残る閩南伝統集落、のどかな田園風景など自然景観を楽しめる。かつては、防衛最前線としての役割を担ってきた軍事堡塁や九宮坑道ほか軍事遺構が点在し、現在は観光用に見学することができる。

 台湾海峡の西北西にある連江県(馬祖列島)の北竿は、砂浜は長いが平地が少ないことから、花崗石を積み立てて築いた伝統住宅や宿泊施設などの集落、廟などが百棟近く山側に連なる光景は台湾本島とは異なる風情を漂わせている。

台湾スローシティ旅行に出かけようぶらり旅

 昨年3月に続き、今年4月に発行された「ミシュランガイド台北」第2版は、台湾グルメ旅のレストラン選定において指南役となるもの。2年目を迎えて更新・新規も含めて、格付けレストランは計24店舗(3つ星1店舗、2つ星5店舗、1つ星18店舗)となった。 「Tairroir」は台湾シェフが地元の食材を使う創作フレンチ料理で、昨年の1つ星から2つ星にランクアップ。「RAW」も同じくランクアップし、創作料理に伝統的な台湾B級グルメを加味した斬新なスタイルで提供する。 また、星獲得レストラン以外にも、カジュアルでありながら、こだわりの味を認定するビブグルマンも34店舗が登場。ナイトマーケットのB級グルメもランキングしている。 台湾観光局では、「台湾グルメの国際的知名度向上を期待し、引き続き海外の観光客の指南ガイド的な存在として、台湾を訪れる際に参考にしてほしい」としている。

3つ星からビブグルマンまで多彩なグルメ王国

 年に一度の美食の祭典。進化し多様化し続ける台湾の飲食芸術文化が一堂に会する。台湾各地のグルメを紹介するブースでは、試食・即売エリアも充実。台湾グルメの奥深さをご賞味あれ。

●会期:2019年    7月26日〜29日●会場:台北    世界貿易センター一館参考公式サイト(中国語)http://www.tcetva.tw/

2019台湾美食展

 台湾は、北回帰線(北緯23.5度)が通過し、夏至(2019年は6月21日)には北半球で太陽と直角になる常夏の地。台湾では、夏至を皮切りに夏イベントがスタート。スポーツ、グルメ、夏至235、サンドアートフェス、鉄道旅行の5つのテーマを柱にホットなイベントを開催していく。●会期:2019年6月〜9月

5つのテーマで夏のホットイベント

 台湾観光局では、毎日新聞社とコラボした特設サイトで20のスローシティを紹介中。2019年5月26日(日)まで、台湾旅行が当たるプレゼントキャンペーンも実施中。特設サイトhttps://mainichi.jp/sp/taiwan_slowcity/

台湾スローシティ特設サイト

 「世界の驚嘆熱気球イベント12」の一つに選ばれた「台湾国際バルーンフェスティバル」は、今年で9年目の開催。会期中は、熱気球係留フライト体験、デザイン気球展、ライブパフォーマンス、草原音楽会、熱気球バザー、熱気球自由飛行パフォーマンスなどが行われる。カラフルで個性的な熱気球が多数集まるイベントは必見。●会期:2019年6月29日〜8月12日●会場:台東県鹿野高台

2019台湾国際バルーンフェスティバル

夏の台湾でパワー充電、台湾グルメも!

カラフルな南国フルーツの夏間近6月7日の端午節を過ぎると、日本より一足先に夏を迎える台湾。マンゴーやライチ、ドラゴンフルーツ、龍眼をはじめとするカラフルな南国フルーツがラインナップし、ビビッドで明るいビタミンカラーが似合う台湾の夏イベントが各地でスタートする。もちろん、台湾グルメも外せない。今年4月に発行された「ミシュランガイド台北」第2版を片手に、格付けレストランから庶民の味まで、台湾グルメを堪能したい。今年の夏は、台湾旅行でパワーを充電しよう。

熱気球が美しい

台湾旅行が当たるプレゼントイベントも

2019フォルモサ仲夏フェスティバル

旧山線でレールバイク体験4 苗栗県三義郷

客家の町で路地裏めぐり3 新竹県北埔郷

店舗の彫刻も美しい大渓老街2 桃園市大渓区

北台湾で最も美しい駅1 基隆市中正区

ノスタルジックな路地裏散策5 彰化県鹿港鎮

人気ローカル線の集集線6 南投県集集鎮

媽祖が鎮座する門前町7 雲林県北港鎮

大林老街でレトロな町あるき8 嘉義県大林鎮

油紙傘など客家文化体験9 高雄市美濃区

清代の城壁と城門が残る町10 屏東県恒春鎮

林業で栄えた町、客家文化も11 花蓮県鳳林鎮

太平洋望む美しいアーチ橋12 台東県成功鎮

花崗石の住宅や廟連なる15 連江県(馬祖)北竿

白亜のビーチ、トロンボ現象も13 澎湖県湖西

30周年迎える美食の祭典

「2019ミシュランガイド台北」発行

昔ながらの門南伝統集落14 金門県烈嶼(小金門)

“北台湾で最も美しい駅”と称される八斗子駅

大渓老街。店舗の彫刻も美しい

姜阿新宅

旧山線レールバイク

鹿港友鹿軒

集集駅

北港朝天宮

老舗漢方薬店「泰成薬行」の薬箪笥

絵付け体験も

清代に築かれた城壁

ノスタルジックな雰囲気の「林田山林業文化圓区」

三仙台

美しいビーチ

閩南伝統集落

花崗石でできた集落

豆花

発表会で台湾観光局の周永暉局長(右)とミシュランのグウェンダル・プレネック国際ディレクター

カラフルな熱気球

嘉義県東石にある北回帰線のモニュメントのひとつ

年に一度の美食の祭典

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