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治山技術基準(総則・山地治山編)新旧対照表

備 考改 訂 現 行

第1編 総則 第1編 総則第1章 目的 第1章 目的

この基準は,治山事業の調査,計画及び設計を実施するために必要な技術上のこの基準は、治山事業の調査、計画及び設計を実施するために必要な技術上の基本的諸事項を示し,治山事業に係る技術水準の維持及び向上を図るとともに,基本的諸事項を示し、治山事業に係る技術水準の維持及び向上を図るとともに、事業の合理化に資することを目的とする。事業の合理化に資することを目的とする。

第2章 内容 第2章 内容1 この基準は 「総則 「山地治山 「防災林造成」及び「地すべり防止」の41 この基準は 「総則 「山地治山 「防災林造成 「地すべり防止」及び「保、 」、 」、 」、 , 」, 」,編とし,技術的事項についての標準的な基準を内容とする。安林整備」の5編とし、技術的事項についての標準的な基準を内容とする。2 この基準の内容は,技術水準の向上,関係法令の改廃その他必要に応じて改2 この基準の内容は、技術水準の向上、関係法令の改廃その他必要に応じて改訂を行うものとする。訂を行うものとする。

第3章 適用及び運用 第3章 適用及び運用1 この基準は,林野庁所管の治山事業及びこれに関連する事業に適用する。1 この基準は、林野庁所管の治山事業及びこれに関連する事業に適用する。

ただし,関係諸法令に別途定めがある場合においては,これらの諸法令によるただし、関係諸法令に別途定めがある場合においては、これらの諸法令によものとする。るものとする。2 この基準によることが適当でない場合においては,この基準で示される技術的2 この基準によることが適当でない場合においては、この基準で示される技術水準を損なわない範囲において,この基準によらないことができるものとする。的水準を損なわない範囲において、この基準によらないことができるものとす

る。

第2編 山地治山事業 第2編 山地治山事業第1章 事業の定義及び目的 第1章 事業の定義及び目的

山地治山事業は,荒廃山地を復旧,整備する復旧治山,山地の荒廃を未然に防山地治山事業は、荒廃山地を復旧、整備する復旧治山、山地の荒廃を未然に防止するための予防治山等の総称で,治山施設の適切な配置と森林の整備により,止するための予防治山等の総称である。災害の防止と軽減を図るとともに水源のかん養に資することを目的とする。山地治山事業は、治山施設の適切な配置と森林の整備により、災害の防止と軽

減を図るとともに水源のかん養に資することを目的とする。

第2章 調査 第2章 調査第1節 総説 第1節 総説

山地治山事業の計画、設計に当たっては、事業の目的、内容等に適応した調査 山地治山事業の計画,設計に当たっては,事業の目的,内容等に適応した調査を計画的に実施しなければならない。 を計画的に実施しなければならない。

1-1 調査項目等 1-1 調査項目等事業 山地治山事業の計画,設計に必要な調査項目,調査方法等は,事業の目的に応山地治山事業の計画、設計に必要な調査項目及び調査方法は、 の目的に応

じて選択するものとする。じて選択するものとする。調査項目は次のとおりとする。1 地形調査2 土質,地質調査3 土壌調査4 気象調査5 林況,植生調査6 水文調査

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7 荒廃現況調査8 荒廃危険地調査9 環境調査10 社会的特性調査等

1-2 調査の手順 1-2 調査の手順調査は,原則として次の順序により実施するものとする。調査は、原則として、予備調査により概括的な把握を行い、必要に応じて、詳

1 予備調査細な現地調査を行うものとする。2 現地調査また、調査結果を総合的に検討して、計画及び設計に必要な基礎資料を取りま3 取りまとめとめる。

第2節 地形調査 第2節 地形調査2-1 総説 2-1 総説

地形調査は,調査対象地域の高度分布,起伏量,傾斜,水系,谷密度,方位微地形調査は、事業対象地の地形特性を把握して、計画及び設計に当たっての基地形等の地形特性を把握して,計画,設計に当たっての基礎資料を得ることを目礎資料を得ることを目的とする。的とする。

2-2 予備調査 2-2 予備調査予備調査は,地形図,空中写真等を使用して地形,高度分布,水系模様等地形予備調査は、既存資料等により地形特性を概括的に把握するために行うものと

特性を概括的に把握するために行い,その結果は地形分類図等に整理するものとする。する。

2-3 地形計測 2-3 地形計測2-3-1 総説 2-3-1 総説

地形計測は、地形図等から地形に関する情報を抽出 解析し、その成果を治山 地形計測は,地形図を用いて距離,面積,傾斜角等地形に関する種々の量を測・計画等の基礎資料とするものとする。 定し,治山計画等の基礎資料とするものとする。

調査に当たっては,調査対象地域をその目的に応じて次のとおり区分して行うものとする。1 大地形2 中地形3 小地形4 微地形

2-3-2 高度の計測 2-3-2-1 高度の計測, , ,高度の計測は、切峰面図等を作成して斜面形態をより明確に表現し、現地形の 高度の計測は 切峰面図 切谷面図等を作成して斜面形態をより明確に表現し

現地形の生成過程,構造線の判定あるいは崩壊,侵食の予測等のために行うもの侵食過程、構造線の判定、崩壊や侵食の予測等のために行うものとする。とする。また,侵食面の高さ等は,高度頻度曲線,ピプソグラフ等を使用して推定する

ものとする。

【2-3-2-2 傾斜の計測は下段移記】

2-3-3 起伏量の計測 2-3-2-3 起伏量の計測、 、 、 、起伏量の計測は 原則として単位面積内の最高点と最低点との高度差を計測し 起伏量の計測は 原則として単位面積内の最高点と最低点との高度差を計測し

調査対象区域の山地の開析の程度を推定するために行うものとする。 調査対象区域の山地の開析の程度を推定するために行うものとする。

2-3-2-4 水系の調査水系の調査は,谷密度等を求めるために渓流を次数ごとに区分して水系図を作

成し,水系の形態を明確にするために行うものとする。

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2-3-2-5 エロンゲーション比の計測エロンゲーション比の計測は,流域内の水系主流長と流域面積に等しい面積の

円の直径の比を求め,流域形状の特性を判定するために行うものとする。

2-3-4 谷密度の計測 2-3-2-6 谷密度の計測谷密度の計測は,単位面積における渓流及び谷の数を計測し,調査地域におけ谷密度の計測は、単位面積における谷の数を計測し、調査地域における地質、

る単位地形面の広がり,連続性等を調査するものとする。地形の特性を調査するものとする。

2-3-5 傾斜の計測 2-3-2-2 傾斜の計測傾斜の計測は,地形図において小地形に区画し,山腹斜面形,傾斜角と地質,傾斜の計測は、地形図を小区画に区分して傾斜を測定し、傾斜と地形的特性や

を検討するために行うものとする。 侵食の程度,土壌の堆積様式等を検討するために行うものとする。荒廃特性との関係

2-3-6 断面形の計測断面形の計測は、小区画における断面形を測定し、断面形と地形特性や荒廃特

性との関連を検討する 。ために行うものとする

2-3-7 方位の計測 2-3-2-7 方位の計測方位の計測は,原則として8方位に区分して傾斜の主方向を把握し,斜面の環方位の計測は、原則として8方位に区分して傾斜の主方向を把握し、斜面の環

境条件を類推するために行うものととする。境条件を推定するために行うものとする。

空中写真判読2-4空中写真判読は、空中写真により地形等を判読して、計画、設計の基礎資料と

する。2-3-2-8 微地形の計測

微地形の計測は,地形が複雑な場合に,必要に応じて次の項目について行うものとする。1 微起伏量2 ガリー密度3 開析度

2-5 現地踏査 2-4 現地調査現地調査は,現地を踏査し,巨視的・微視的な地形の差異,隣接地の地形の関現地踏査は、現地を踏査して予備調査で得た資料等を確認するとともに、必要

係等を的確に観察し,予備調査で得た資料等を確認するとともに,必要に応じてに応じて測量等を行い、計画、設計の基礎資料とするため、行うものとする。測量等を行い,計画,設計に当たって必要な地形条件等の基礎資料を整備するものとする。

2-6 取りまとめ 2-5 取りまとめ予備調査及び現地調査の結果は,調査目的に応じて調査項目ごとに整理し,そ地形調査の成果は、調査目的に応じて、事業対象地の地形が把握できるように

の成果を総合して取りまとめるものとする。取りまとめるものとする。

第3節 土質、地質調査 第3節 土質,地質調査3-1 総説 3-1 総説

土質、地質調査は、事業対象地内の土質、地質の特性を把握して、計画、設 土質,地質調査は,調査対象地域内の土質,地質の特性を把握して,事業計画計の基礎資料を得ることを目的とする。 等の基礎資料を得ることを目的とする。3-2 予備調査 3-2 予備調査

予備調査は,既存の土質・地質図,地形図,空中写真,既往の災害記録等の資予備調査は、既存資料の調査等により、土質、地質の概況を把握するものとに基づいて,調査対象地域の土質及び地質の特性を把握するために行うものとする。 料

し,その結果を予察図,路線図に整理するものとする。

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3-3 現地踏査 3-3 現地調査3-3-1 踏査

現地踏査は、予備調査で整理した資料を基に踏査を行い、地質、土質等を詳 踏査は,予備調査の資料を基に路線図に沿って現地を踏査し,露頭,地形的特細に調査するものとする。 徴等から計画,設計に当たって必要な表層地盤の土質,岩質,地質構造,湧水等

の状況について確認するとともに,新しい現象,事実を把握して,土質・地質に係る基礎資料を整備するために行うものとする。

3-3-2 精査精査は,地形計測等の結果を踏まえ,その目的,内容,種類,規模,機能,重

要度等を勘案して必要に応じて次の調査を行うものとする。1 物理探査2 ボーリング3 サウンディング4 地下水調査5 土質・岩石試験

3-4 物理探査 3-3-2-1 物理探査物理探査は、地質構造、地下水の状況等を調査するために行うものとする。 物理探査は,岩石,地層の深さ等を調査するために行うものとし,弾性波探査

又は電気探査により行うものとする。

3-5 ボーリング調査 3-3-2-2 ボ-リング調査ボ-リング調査は,調査地区の岩種,硬さ,風化,変質等の程度,層厚等を直ボーリング調査は 土質、岩質、地質構造等を直接把握するとともに、必要、

接確認して調査の精度を高める必要がある場合に行うものとし,ボ-リング孔のに応じて、ボーリング孔を利用した各種調査や試料採取のために行うものとす配置及び深度は,地質踏査や物理探査等の結果を考慮し,調査の目的に応じて決る。定するものとする。

3-6 サウンディング調査 3-3-2-3 サウンディング調査サウンディング調査は,土層の貫入,回転,引き抜き等の抵抗を基に,土の強サウンディング調査は、土層の貫入、回転、引き抜き等の抵抗を基に、土の

度又は支持力を把握するために行うものとし,調査方法は調査目的,調査箇所の強度、密度等を把握するために行うものとする。地質,土質条件に応じて決定するものとする。

3-7 地下水調査 3-3-2-4 地下水調査地下水調査は、山地における地下水の供給経路、分布、性質、流動傾向、圧 地下水調査は,山地における地下水の供給経路,分布,性質,流動傾向,圧力

力関係等を把握するために行うものとする。 関係等を把握するために行うものとする。

3-8 土質試験 3-3-2-5 土質試験土質試験は、調査区域内の土の物理的特性、力学的性質を把握するために行 土質試験は,調査区域内の土質について,その物理的特性,力学的性質を把握

うものとする。 する必要がある場合に行うものとし,日本工業規格及び地盤工学会基準に定める試験法によって実施するものとする。

3-9 取りまとめ 3-4 取りまとめ現地調査の結果は,表層地質図,土質柱状図及び地質断面図(又は水文地質図土質、地質調査の成果は、調査目的に応じて、事業対象地域の土質、地質が

に整理するとともに,これらの資料についての説明書を作成するものとする。把握できるように取りまとめるものとする。

第4節 土壌調査 第4節 土壌調査4-1 総説 4-1 総説

土壌調査は、土壌の成因、形態及び物理的、化学的性質を調査し、治山植生 土壌調査は,土壌の成因,形態及び浸透性,保水性等土壌の理化学的性質を調, 。の導入方法等を検討するための基礎資料を得ることを目的とする。 査し 治山植生の導入方法等を検討するための基礎資料を得ることを目的とする

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4-2 予備調査 4-2 予備調査, , , , , ,予備調査は、既存資料の調査等により、土壌の分布、土壌型等を調査するも 予備調査は 既存の土壌図 土壌資料 文献等を使用して 土壌分布 土壌型

のとする。 堆積様式,土壌の侵食状態等を調査し,その結果を予察土壌図に整理するものとする。

4-3 現地調査 4-3 現地調査4-3-1 踏査

踏査は,予備調査で得た資料を基に現地を踏査し,土壌条件と植生の対応関係現地調査は、予備調査で整理した資料を基に調査を行い、土壌型、分布等を等を確保するとともに,新しい事実を把握して予備調査の結果を修正,補正する確認するとともに、必要に応じて詳細な資料を作成するものとする。ために行うものとする。

4-4 土壌断面調査 4-3-2 精査土壌について細部資料を必要とする場合は,事業の目的,内容,規模,種類,土壌断面調査は、詳細な資料を必要とする場合に、土壌断面、土壌の物理的、

機能,重要度等を勘案して,次の調査を行うものとする。化学的特性を調査するものとする。1 土壌断面2 土壌の物理性3 土壌の化学性

4-5 取りまとめ 4-4 取りまとめ土壌調査の成果は、調査目的に応じて、治山対象地の土壌が把握できるよう 現地調査の結果は,土壌図,土壌断面図,土壌分析結果表等に整理するととも

に取りまとめるものとする。 に,これらの資料についての説明書を作成するものとする。

【第5節 気象調査 6節下段に移記】

第5節 林況、植生調査 第6節 林況,植生調査5-1 総説 6-1 総説

林況、植生調査は、事業対象地及びその周辺の林況、植生等の状況について 林況,植生調査は,調査対象地及びその周辺の林況,植生等の状況について把把握し、計画、設計の基礎資料を得ることを目的とする。 握し,計画,設計の基礎資料を得ることを目的とする。

5-2 予備調査 6-2 予備調査予備調査は、資料調査等により、森林等の概況を調査するとともに、必要な 予備調査は,林相図,森林調査簿,森林施業計画書,空中写真等の既存資料に

調査を計画するものとする。 より,次の項目について必要に応じて調査するものとする。1 森林面積率2 蓄積3 林種,樹種,齡級4 伐採,造林計画5 植生の種類,特徴

6-3 現地調査現地調査は,既存資料による調査を補完し,一般的な林況,植生の生育状況等

を把握するほか,既施工地の植生の生育状況,賦存の状態等を把握するために行うものとする。

5-3 林相調査林相調査は、空中写真判読、現地踏査により、林相図を作成するために行う

ものとする。

5-4 森林調査 6-3-1 植生調査法

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森林調査は、森林整備等のために、立木の大きさ、成立本数等を定量的な尺 植生調査は,主として緑化工の成績の把握,既施工地の改良方法の検討,草本度で調査するものとする。 ・木本の選択等のために行うものとし,調査の方法は次によるものとする。

(1) ランダム抽出法(2) 系統的抽出法

5-5 植物社会学的な植生調査植生調査は、植生の分類等のために、植物社会学的な観点から階層構造、植

物種を定性的な尺度で記録するものとする。

5-6 成長量調査成長量調査は、樹木の成長量を、年輪の測定等により調査するものとする。

6-3-2 植生調査の測度植生調査の測度は,次によるものとする。1 既施工地の調査については原則として定量的測度2 森林の群落区分等については定性的測度

第6節 気象調査 第5節 気象調査6-1 総説 5-1 総説

気象調査は、事業対象地及びその周辺における気象について把握し、計画、 気象調査は,対象地域及びその周辺における気象について把握し,計画,設計設計の基礎資料を得ることを目的とする。 の基礎資料を得ることを目的とする。

6-2 降水量の調査 5-2 降水量の調査降水量は、事業対象地内又は最寄り気象観測所に設けられた観測施設の記録 降水量は,対象地の最寄り気象観測所又は対象地内に設けられた観測施設の記

により調査を行うものとする。 録により,次の項目について調査を行うものとする。1 年降水量2 最大日(時)雨量3 連続降雨量4 降雪量

6-3 気温の調査 5-3 気温の調査気温は、事業対象地内又は最寄り気象観測所に設けられた観測施設の記録に 気温は,対象地内又は最寄り気象観測所に設けられた観測施設の記録によって

よって調査を行うものとする。 最高,最低及び平均について調査し,寒冷地においては,土壌凍結についても調査を行うものする。

6-4 風の調査 5-4 風の調査,風向・風速は、事業対象地内又は最寄り気象観測所に設けられた観測施設等 対象地の最寄り気象観測所又は対象地内に設けられた観測施設等の記録により

の記録により、調査を行うものとする。 季節的な風向,最大風速について調査を行うものとする。

6-5 気象調査資料の補正 5-5 気象調査資料の補正気象調査資料を補完、修正する必要がある場合には、統計的処理が可能な範 気象調査資料を補完,修正する必要がある場合には,統計的処理が可能な範囲

囲において最も適切な方法により補正するものとする。 において最も適切な方法により補正するものとする。

6-6 現地における気象調査 5-6 現地における気象調査既往の観測資料が得られない場合、既存資料では現地への適合性が著しく低 既往の観測資料が得られない場合,既存資料では現地への適合性が著しく低い

い場合又は特定の気象要素を把握する必要がある場合等には、必要に応じて新 場合又は特定の気象要素を把握する必要がある場合等には,必要に応じて新たにたに現地で気象調査を実施するものとする。 現地で調査するものとする。

6-7 取りまとめ

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気象調査の成果は、調査目的に応じて、事業対象地の気象が把握できるように取りまとめるものとする。

第7節 水文調査 第7節 水文調査7-1 総説7-1 総説

水文調査は,事業対象流域の水文量を把握し,事業の計画,設計に必要な基礎水文調査は、事業対象流域の水文量を把握し、事業の計画、設計に必要な基資料を得ることを目的とする。礎資料を得ることとする。

7-2 水文資料の選定及び収集整理7-2 水文資料の選定及び収集整理1 水文量解析の基になる水文資料は,その目的,方法等を考慮して選定するも1 水文量解析の基になる水文資料は、その目的、方法等を考慮して選定するのとする。ものとする。

2 収集した水文資料については,観測及び記録上の誤りの存否を調査し,欠測2 収集した水文資料については、観測及び記録上の誤りの存否を調査し、欠値の補充等,必要に応じて資料の補正を行うものとする。測値の補充等、必要に応じて資料の補正を行うものとする。

7-3 水文量の生起確率の解析7-3 水文量の生起確率の解析水文量の生起確率に関する解析は,一般に次の項目について検討を行うものとす水文量の生起確率に関する解析は、適切な方法で検討を行うものとする。る。

1 解析試料の抽出2 適用分布形の選定3 欠測値及び異常値の棄却に関する検討4 再現期間の推定

7-3-1 再現期間及び確率水文量7-3-1 再現期間及び確率水文量治山事業計画の規模を決定するために必要とする水文量の特定値に対応する再事業計画の規模を決定するために必要とする水文量の特定値に対応する再現

現期間は,その水文量の生起度数を基にして決定するものとする。期間は、その水文量の生起度数を基にして決定するものとする。

7-3-2 確率水文量計算7-3-2 確率水文量計算水文量の生起確率に関する推定を解析的に行う場合には,次の手順にしたがっ水文量の生起確率に関する推定は、適切な分布関数式を用いて行うものとす

て行うものとする。る。1 分布関数式を選定する。2 試料を基に関数式の諸係数を求める。3 再現期間に対応する確率水文量を求める。

7-4 流出解析流出解析は、調査目的に見合った適切な方法で実施するものとする。

7-4 洪水資料の調査等7-4-1 資料調査洪水資料の調査は,解析対象地域内の観測所の雨量,水位,流量等の記録を調資料調査は、事業対象流域内の観測所の雨量、水位、流量等の記録及び流域

査し,調査対象洪水ごとに整理するものとする。特性を調査するものとする。

7-4-1 流域特性の調査流域特性の調査は,必要に応じ当該流域の形状(面積,傾斜,主流路長,エロ

ンゲーション比等)及びその流域の土地利用実態(植生,地被,田畑等)等について調査し,流出計算等に必要な特性を把握するものとする。

7-4-2 洪水流出解析洪水流出解析は、資料を調査対象洪水ごとに整理して解析するものとする。

7-4-3 長期流出解析長期流出解析は、資料を一定期間ごとに整理して、解析するものとする。

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7-5 流出量の推定7-5 洪水流出量の計算降水量から流出量を推定する方法は,原則として合理式法による流出計算とす洪水時の流出量は、適切な計算モデルによって推定するものとする。

る。

7-6 流量調査7-6 流量調査流量調査は,現地で流量を直接把握する必要がある場合に行うものとし,原則流量調査は、現地で流量を計測する必要がある場合に行うものとする。

として下記の方法によるものとする。1 堰測法2 流速法3 洪水位こん跡法

7-7 取りまとめ水文調査の成果は、調査目的に応じて、事業対象流域の水文量が把握できる

ように取りまとめるものとする。

第8節 荒廃現況調査 第8節 荒廃現況調査8-1 総説8-1 総説

荒廃現況調査は,調査対象地域内の荒廃状況を把握して,治山計画策定の基礎荒廃現況調査は、調査対象地域内の荒廃状況及び荒廃特性を把握して、治山資料を得ることを目的とする。計画・設計の基礎資料を得ることを目的とする。

8-2 予備調査8-2 予備調査予備調査は,地形図,空中写真等を使用して,荒廃特性を概括的に把握するた予備調査は、空中写真等により、荒廃特性を概括的に把握するために行うも

めに行うものとする。のとする。

8-3 侵食量調査侵食量調査は、表面侵食による侵食量を把握するために行うものとする。

8-3 崩壊地調査8-4 崩壊地調査崩壊地調査は,崩壊地等の分布,特性等を把握するために行うものとし,必要崩壊地調査は、崩壊地等の分布、特性等を把握するために行うものとし、必

に応じて次の項目を調査するものとする。要な調査項目について実施するものとする。1 崩壊地の分布,密度2 要因3 動態4 形態5 植生6 土砂量

8-3-1 崩壊地の分布,密度調査8-4-1 崩壊地分布調査崩壊地の分布,密度の調査は,調査対象地域における崩壊地の分布状況を把握崩壊地分布調査は、事業対象地における崩壊地の分布状況、崩壊の規模を把

するとともに,調査対象地域面積に対する崩壊地面積あるいは単位面積当たりの握するために行うものとする。崩壊地箇所数を調査し,山腹崩壊にかかわる指標を得るために行うものとする。

8-3-2 要因調査8-4-2 要因調査要因調査は,崩壊地発生の素因,誘因を把握するために行うものとする。要因調査は、崩壊地発生の素因、誘因を把握するために行うものとする。

8-3-3 動態調査8-4-3 動態調査動態調査は,山腹斜面の土層が現に活動しているか又は活動するおそれのある動態調査は、崩壊地の時系列的な変動と崩壊土砂の移動を把握するために行

場合に,地表又は土層中の変位量を把握するために行うものとする。うものとする。

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8-3-4 形態調査8-4-4 形態調査形態調査は,崩壊地の形状等を調査し,調査区域の崩壊形態を把握するために形態調査は、崩壊地の形態等を把握するために行うものとする。

行うものとする。

8-3-5 植生調査8-4-5 植生調査植生調査は,崩壊地及び崩壊地周辺部の林相,植生について,その種類,出現植生調査は、崩壊地及び崩壊地周辺部の林相、植生の状況を把握するために

頻度,生育状況等を把握するために行うものとする。行うものとする。

8-3-6 土砂量調査8-4-6 土砂量調査土砂量の調査は,崩壊土砂量,不安定土砂量及び崩壊拡大見込量に区分して把土砂量調査は、崩壊土砂量及び不安定土砂量を把握するために行うものとす

握するものとする。る。

8-4 荒廃渓流調査8-5 荒廃渓流調査荒廃渓流調査は,荒廃渓流の分布及び渓流中の荒廃部分の分布,土砂流出の特荒廃渓流調査は、荒廃渓流の分布、特性等を把握するために行うものとし、必

性等を把握するために行うものとし,必要に応じて次の項目を調査するものとす要な調査項目を実施するものとする。る。1 荒廃渓流等の分布2 要因3 動態4 土砂量

8-4-1 荒廃渓流等の分布調査8-5-1 荒廃渓流分布調査荒廃渓流等の分布調査は,調査対象地域における荒廃渓流及び渓流中の荒廃位荒廃渓流分布調査は、事業対象地域における荒廃渓流の分布状況・規模を把

置の分布状況を把握するために行うものとする。握するために行うものとする。

8-4-2 要因調査8-5-2 要因調査要因調査は,荒廃渓流の土砂供給源を把握するために行うものとする。要因調査は、荒廃渓流の要因を把握するために行うものとする。

8-4-3 動態調査8-5-3 動態調査動態調査は,渓流の渓床面及びその構成材料の変位量を把握するために行うも動態調査は、渓流の時系列的な変動を把握するとともに、不安定土砂の移動

のとする。を把握するために行うものとする。

8-4-4 土砂量調査8-5-4 土砂量調査土砂量調査は,渓流から流出される土砂量を把握するために行うものとする。土砂量調査は、渓流から流出するおそれのある不安定土砂量を把握するため

に行うものとする。

8-5 落石荒廃地調査8-6 落石荒廃地調査落石荒廃地調査は,落石のおそれのある箇所における落石の発生原因,動態等落石荒廃地調査は、落石が発生し、又は発生するおそれのある箇所の分布、

を把握するため行うものとし,原則として下記の項目を調査するものとする。特性等を把握するために行うものとし、必要な調査項目を実施するものとする。1 地形2 林況,植生3 発生原因4 動態

8-5-1 地形調査8-6-1 落石荒廃地分布・範囲調査地形調査は,傾斜,斜面形状,微地形,斜面長,斜面方位及び保全対象の位置落石荒廃地分布調査は、事業対象地における落石荒廃地の分布状況等を把握

等の地形的特性を把握するために行うものとする。するために行うものとする。

【8-5-2林況,植生調査 8-5-4後段へ移記】

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8-5-3 発生原因調査8-6-2 要因調査発生原因調査は,調査対象区域の落石となるおそれのある転石等の種類,発生要因調査は、落石発生の素因、誘因を把握するために行うものとする。

原因,分布状況等を把握するために行うものとする。

8-6-3 形態調査形態調査は、落石の発生形態を把握するために行うものとする。

8-5-4 動態調査8-6-4 動態調査動態調査は,調査対象区域における落石の発生状況,運動形態,特性等を把握動態調査は、落石の運動形態、特性等を把握するために行うものとする。

するために行うものとする。

8-5-2 林況,植生調査8-6-5 植生調査林況,植生調査は,調査区域及びその周辺の林況,植生の特性を把握するため植生調査は、調査区域及びその周辺の林況、植生の特性を把握するために行

に行うものとする。うものとする。

8-7 取りまとめ荒廃現況調査の成果は、荒廃状況が把握できるように取りまとめるものとす

る。

第9節 荒廃危険地調査 第9節 荒廃危険地調査9-1 総説9-1 総説

荒廃危険地調査は,山地災害予防対策の基礎資料を得ることを目的とし,崩壊荒廃危険地調査は、山地災害の予防を行うための基礎資料を得ることを目的等発生の危険性がある箇所及び発生時の状況を推定するために行うものとする。として、崩壊等発生の危険性及び発生時の状況を推定するために行うものとす調査の対象は次の項目とする。る。1 崩壊の発生2 土石流の発生3 流木の発生

9-2 崩壊発生危険地の推定9-2 崩壊発生の推定9-2-1 崩壊発生要因の調査9-2-1 崩壊発生要因の調査

崩壊発生要因の調査は,対象となる山腹斜面,渓岸等の状況から,崩壊発生と崩壊に対する荒廃危険地調査においては、調査地の特性から、崩壊発生と密密接なかかわりを持つ次の因子を選択して行うものとする。接なかかわりを持つ地質、地況、林況等の因子を選択して行うものとする。1 地質2 地況3 林況4 その他

9-2-2 崩壊危険斜面の推定9-2-2 山腹荒廃危険地の推定崩壊危険斜面の推定は,山腹斜面,渓岸等について地形,地質,植生等崩壊発山腹荒廃危険地は、山腹斜面、渓岸等について、崩壊発生要因等を総合的に

生に関わる要因を総合的に検討のうえ行うものとする。検討して推定するものとする。

崩壊面積及び 9-2-3 崩壊面積及び発生土砂量の推定9-2-3 崩壊土砂量の推定崩壊危険斜面と推定された箇所については,その発生規模を9-2-2「崩壊計画・設計のために、山腹荒廃危険地における崩壊面積、崩壊土砂量等を把

危険斜面の推定」の状況から推定し,崩壊面積,発生土砂量の概数を把握するも握するものとする。のとする。

9-2-4 崩落土砂到達距離の推定9-2-4 崩壊等の影響範囲の推定斜面崩壊による発生土砂の崩落又は流動範囲を把握する必要のある斜面につい山腹荒廃危険地における崩壊土砂の到達距離及び広がりを推定するものとす

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ては,9-2-1「崩壊発生要因の調査」による要因等を検討し,崩落土砂の到る。達距離及び広がり巾を推定するものとする。

9-3 土石流発生危険地の推定9-3 土石流発生の推定9-3-1 土石流発生要因の調査9-3-1 土石流発生要因の調査土石流発生要因の調査は,斜面崩壊の発生要因及び斜面に続く渓流等から土石土石流発生要因の調査は、崩壊等の発生形態、流下の形態と密接なかかわり

流の発生,流下と密接なかかわりをもつ因子を選択して調査を行うものとする。をもつ因子を選択して調査を行うものとする。

9-3-2 土石流発生危険地の推定9-3-2 土石流の危険性の推定土石流の発生危険地は,土石流となりうる崩壊発生又は渓流土砂移動と土石流土石流の危険性は、土石流となり得る崩壊発生又は渓流土砂移動と土石流の

流下にかかわる渓流等の要因を総合的に検討のうえ推定するものとする。流下にかかわる渓流等の要因を総合的に検討のうえ推定するものとする。

9-3-3 流出土砂量の推定9-3-3 流出土砂量等の推定土石流の発生危険地と推定された渓流等については,9-2-3「崩壊面積及計画・設計のために、土石流発生の危険性が高い渓流における流出土砂量等

ものとする び発生土砂量の推定 ,9-2-4「崩落土砂到達距離の推定」により渓流等までを把握する 。 」達する土砂量と渓流・ 渓岸等における不安定土砂量の合計を流出土砂量として,その概数を把握するものとする。

9-3-4 土石流の影響範囲の推定9-3-4 土石流の影響範囲の推定土石流の影響範囲は,9-3-1「土石流発生要因の調査」の調査結果を検討土石流発生の危険性の高い渓流における土石流の停止位置と広がりを推定す

し流下距離とその区間及び停止位置における広がり巾から推定するものとする。るものとする。

9-4 流木の発生危険地の推定9-4 流木発生の推定流木の発生危険地は,立木等が斜面崩壊,土石流等に伴って流下し,流木とな流木は、崩壊、土石流等に伴って流下する可能性のある立木等を対象に、流

ものとす る可能性のあるものを調査し推定するものとする。木量等を把握する る。

9-5 取りまとめ荒廃危険地調査の成果は、崩壊等の発生が把握できるように取りまとめるも

のとする。

第10節 環境調査 第10節 環境調査10-1 総説10-1 総説環境調査は,治山事業対象地及びその周辺の環境を把握して,事業の計画,設環境調査は、事業対象地及びその周辺の環境を把握して、事業の計画、設計

計に必要な基礎資料を得ることを目的とする。及び効果の検証に必要な基礎資料を得ることを目的とする。

10-2 調査の種類 10-2 調査の種類調査の種類は,次のものとし,必要に応じて選択するものとする。調査の種類は、必要に応じて適切なものを選択するものとする。

1 自然環境2 水質環境3 景観4 その他

10-3 自然環境調査 10-3 自然環境調査10-3-1 植物調査 10-3-1 植物調査

植物調査は,文献及び聞き取りにより行い,必要に応じて現地調査を行うもの植物調査は、文献調査及び聞き取り調査により行い、必要に応じて現地調査とする。を行うものとする。調査対象は,陸上植物及び水生植物とする。

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10-3-2 動物調査 10-3-2 動物調査動物調査は,文献及び聞き取りにより行い,必要に応じて現地調査を行うもの動物調査は、文献調査及び聞き取り調査により行い、必要に応じて現地調査

とする。を行うものとする。調査対象は,ほ乳類,鳥類,は虫類,両生類,魚類,昆虫類等とする。

10-3-3 水質環境調査 10-4 水質環境調査環境 水質環境調査は,原則として現地調査とする。水質 調査は、渓流等の水質が治山工事の施工によって変化する可能性の

調査項目は,治山事業の施行によって変化する可能性のある項目とする。ある場合に実施する。

10-4 10-5 景観調査自然景観調査景観調査は,施設等の設置予定箇所周辺の主要景観地の分布状況,主要眺望点自然景観調査は、施設等の設置予定箇所周辺の主要景観地の分布状況、主要

からの眺望の状況及び自然環境保全上特に留意するものを調査するものとする。眺望点からの眺望の状況及び自然環境保全上特に留意するものを調査するものとする。

10-5 取りまとめ 10-6 取りまとめ調査の結果は,治山事業に係る環境の実態を把握し得るよう整理し,必要に応調査の結果は、調査目的に応じて整理し、事業の計画、設計及び効果の検証

じて予測を行って事業の計画,設計に資するよう取りまとめを行うものとする。に資するよう取りまとめを行うものとする。

総合解析10-6調査の結果に基づいて、環境への影響について予測を行うとともに必要な保

全対策を検討する。また、必要に応じて、効果の検証を行うものとする。

第11節 社会的特性調査 第11節 社会的特性調査等11-1 社会的特性の調査11-1 社会環境調査1 社会的特性の調査は,山腹荒廃地,渓流荒廃地,荒廃危険地等と当該地域か社会環境調査は、既往災害、保全対象等について、調査するものとする。らの影響を受ける保全対象との関連及び地域開発計画等について調査するものとする。

2 保全対象は,集落(人家),公共施設,農地及び漁業施設等とし,荒廃地,荒廃渓流等からの流出土砂等により影響を受ける区域内のものとする。

11-2 法令等指定状況調査11-2 法令・規制等調査法令等指定状況の調査は,治山事業対象地及びその周辺における法令等の指定法令・規制等調査は、各種の法令等の指定状況等について把握するものとす

状況について把握するものとする。る。

11-3 11-3 防災施設の調査防災施設等調査防災施設の調査は,治山施設,砂防施設,河川施設,多目的ダム等の既存防災防災施設の調査は、既存の防災施設等の整備状況及び今後の計画について調

。 施設及びこれらの設置計画について調査し,調査図に明示するものとする。査するものとする

第3章 山地治山計画の基本方針 第3章 山地治山計画の基本方針第1節 計画の基本理念 第1節 計画の基本理念

, 「 」 ,山地治山計画は、山地治山事業の目的を達成するため、環境の保全・創出を 山地治山計画は 第1章 事業の定義及び目的 に掲げる目的を達成するため考慮しつつ、治山施設の適正な配置と森林の復旧・整備により、安全水準の向 環境の保全・創出を考慮しつつ,治山施設の適正な配置と森林の復旧・整備によ上、確保ができるように策定しなければならない。 り,安全水準の向上,確保ができるように策定しなければならない。

第2節 計画規模 第2節 計画規模山地治山計画における計画規模は、対象とする流域の重要度、保全対象との 山地治山計画における計画規模は,対象とする流域の重要度,直接保全対象と

関連、荒廃地や荒廃危険地の規模及びその特性等を考慮して決定するものとす の関連,荒廃地の規模及びその特性等を考慮して決定するものとする。る。

第3節 山地治山計画の策定 第3節 山地治山計画の策定

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3-1 基本的考え方 3-1 基本的考え方山地治山計画は、それぞれの流域における調査の結果に基づいて、自然的、 山地治山計画は,第1節「計画の基本理念」を踏まえ,それぞれの流域におけ

社会的な特性に立脚した最も経済的かつ効率的な計画でなければならない。 る調査の結果に基づいて,流域特性に立脚した最も経済的かつ効率的な計画でなければならない。

3-2 山地治山計画の具体的方針 3-2 治山計画の具体的方針山地治山計画は、治山施設の適切な配置及び森林の復旧・整備により、広く

流域全体の災害の防止、水源のかん養、その他の森林の公益的機能の維持増進が一体的かつ総合的に図られるよう策定するものとする。

3-2-1 山地治山計画において計画すべき内容山地治山計画は、渓間工、山腹工、森林整備等を適切に組み合わせて、荒廃

地の復旧及び荒廃の未然防止を行うよう策定するものとする。

3-2-2 荒廃地の復旧等の計画荒廃地の復旧等に当たっては、荒廃地等の地質、荒廃成因等によって類型化 治山計画を具体的に策定する場合には,荒廃地をその地質,荒廃成因等によっ

し復旧工法等を検討の上、計画するものとする。 て類型化し,復旧工法等を検討するものとする。

3-2―3 土石流等対策土石流等の発生のおそれのある渓流においては、土石流、泥流及びこれに伴

い生じる流木に起因する山地災害を防止・軽減するため、流域の特性に応じて、荒廃地等の復旧 整備を含めた発生源対策や 渓床の縦横侵食の防止対策等を・ 、総合的に計画するものとする。

3-2―4 山腹荒廃危険地対策山腹荒廃危険地においては、対象とする山腹斜面の自然的条件及び社会的条

件を踏まえ、発生源対策、落石及び崩壊土砂の流出防止対策並びに森林の土砂崩壊及び流出防止機能を高めるための森林整備を適切に組み合わせて計画するものとする。

3-2―5 ソフト対策との連携山地治山計画は、山地災害による被害の軽減を図るため、必要に応じて、地

域住民への山地災害危険地区等の情報提供によるソフト対策を含めた総合的かつ効果的な防災対策となるよう計画するものとする。

3-2-6 環境の保全・形成への寄与山地治山計画の策定に当たっては、周辺の環境に与える影響の低減を図ると

ともに地域の自然環境等の保全・形成に寄与するよう努めるものとする。

第4章 渓間工の設計 第4章 渓間工の設計第1節 測 量 第1節 測 量

1-1 測量の範囲 1-1 測量の範囲渓間工に関する測量の範囲は、上下流及び両岸について、渓間工の配置、規 測量の範囲は,工作物施工箇所の上下流及び両岸について,工作物配置の総合

模及び数量等の総合的判断が可能な範囲までとする。 的判断が可能な範囲までとする。

1-2 測量の種類 1-2 測量の種類測量は、平面測量、縦断測量及び横断測量とする。 測量は,平面測量,縦断測量及び横断測量とする。

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1-2-1 平面測量 1-2-1 平面測量平面測量は、渓間工に係る渓流荒廃地、山腹崩壊地等の形状、面積、地況及 平面測量は,渓間工に係る渓流荒廃地,山腹崩壊地等の形状,面積,地況及び周

, ,び周辺の地形条件等を把握し、渓間工の配置、規模及び数量等を決定するため 辺の地形条件等を把握し 渓間工の配置及び数量等を決定するために行うものとしに行うものとし、測量の結果に基づいて平面図を作成するものとする。 測量の結果に基づいて平面図を作成するものとする。

1-2-2 縦断測量 1-2-2 縦断測量縦断測量は 渓流の縦断面の地形を測定し 縦断方向における渓間工の配置 縦断測量は,渓流の縦断面の地形を測定し,縦断方向における構造物の配置規模、 、 、

規模及び数量等を決定するために行うものとし、測量の結果に基づいて縦断面 等を決定するために行うものとし,測量の結果に基づいて縦断図を作成するものと図を作成するものとする。 する。

1-2-3 横断測量 1-2-3 横断測量横断測量は、渓流の横断面の地形を測定し、横断方向における渓間工の規模 横断測量は,渓流の横断面の地形を測定し,横断方向における構造物の規模等を

等を決定するために行うものとし、測量の結果に基づいて横断面図を作成する 決定するために行うものとし,測量の結果に基づいて横断面図を作成するものとすものとする。 る。

第2節 設 計 第2節 設 計2-1 渓間工設計の基本的考え方 2-1 渓間工設計の基本的考え方1 渓間工は、荒廃渓流の復旧、荒廃のおそれのある渓流等の災害予防を目的 1 渓間工は,荒廃渓流の復旧,荒廃のおそれのある渓流等の災害予防を目的とすとする。 る。

2 渓間工の設計に当たっては、渓流及び森林の荒廃状況、地形・地質条件等 2 渓間工の設計に当たっては,渓流及び林地の荒廃状況,地形・地質条件等を踏を踏まえて、保全対象との関連を十分検討し、現地に最も適した工種、工法 まえて,保全対象との関連を十分検討し,現地に最も適した工種,工法を選定しを選定しなければならない。 なければならない。

3 渓間工の設計に当たっては、自然環境の保全に配慮しなければならない。

2-2 渓間工の工種 2-2 渓間工の工種渓間工は、流域や渓流の状態 特性等に応じて、適切な工種を選択し、その 渓間工は,流域や渓流の状態・特性等に応じて,適切な工種を選択し,その機能、

機能を効果的に発揮するような規模・配置としなければならない。 を効果的に発揮するような規模・配置としなければならない。

第3節 治山ダム 第3節 治山ダム工3-1 治山ダムの目的 3-1 治山ダムの目的

治山ダムは、渓流の縦侵食及び横侵食の防止により渓床の安定 山脚の固定 治山ダムは,渓床の縦侵食及び横侵食を防止して,渓床の安定,山脚の固定及び、及び土砂の流出の抑止・調節を図ることを目的とする。 土砂の流出の抑止・調整を図ることを目的とする。

【以下、3-6-3 治山ダムの種別の選定下段へ移記】

3-2 治山ダムの型式及び種別の選定 3-6 治山ダムの型式及び種別の選定3-6-1 治山ダムの形式及び種別の区分

治山ダムの型式及び種別は、設置の目的、現地の状況等に応じて、適切なも 治山ダムの型式・種別は,築設目的による機能,安定にかかわる構造及び構築材のを選定しなければならない。 料によって区分するものとする。

3-6-2 治山ダムの型式の選定治山ダムの型式は,重力式を標準とし,築設の目的,現地の状況等に応じて,ア

-チ式等を選択することができる。

3-6-3 治山ダムの種別の選定治山ダムの種別は,コンクリート,鉄筋コンクリート,鋼材,コンクリート枠,

鋼枠,コンクリートブロック,鉄線かご等とし,現地の状況に応じて選定するものとする。

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3-3 治山ダムの位置 3-2 治山ダムの位置3-2-1 治山ダムの位置

治山ダムの位置は、その目的に応じて、適切な箇所を選定しなければならな 治山ダムの位置は,その目的に応じて,適切な箇所を選定しなければならない。い。

3-3-1 治山ダムの位置の条件治山ダムの位置は、治山ダムの安定性が保たれるよう適切な箇所を選定しな

ければならない。

3-3-2 合流点付近の治山ダムの位置 3-2-2 合流点付近の治山ダムの位置主、支渓の合流点付近に計画する治山ダムの位置は、原則として合流点の下 主,支渓の合流点付近に計画する治山ダムの位置は,原則として合流点の下流部

流部に設けるものとする。 に選定するものとする。

3-3-3 階段状治山ダムの位置 3-2-3 階段状治山ダムの位置治山ダムを階段状に計画する場合、最下流の治山ダムの位置は、原則として 治山ダムを階段状に計画する場合,最下流のダムの位置は,原則として堅固な基

堅固な基礎地盤に設けるものとする。 礎地盤に設けるものとする。また、これより上流の治山ダムの位置は、下流の治山ダムの計画勾配等を考 また,これより上流のダムの位置は,下流のダムの計画勾配等を考慮して決定す

慮して決定するものとする。 るものとする。

3-4 治山ダムの方向 3-3 治山ダムの方向治山ダムの方向は、上下流の渓岸、治山ダム自体の安定に影響を及ぼさない 治山ダムの方向は,原則として放水路の中心点において,計画箇所下流の流心線

ように決定するものとする。 に直角となるよう決定するものとする。

3-5 治山ダムの計画勾配 3-4 治山ダムの計画勾配治山ダムの計画勾配は、渓床を構成する砂礫の状況 流量等を考慮し、現渓 1 治山ダムの計画勾配は 渓床を構成する砂礫の形状 粒径及び流量等を考慮し,、 , ,

床で安定とみられる区間の勾配を参考にして決定するものとする。 現渓床で安定とみられる区間の勾配を参考にして決定するものとする。2 比重の小さい砂礫及び細粒で構成されている渓流の計画勾配は,原則として水平又は水平に近い勾配に決定するものとする。

3-6 治山ダムの高さ 3-5 治山ダムの高さ治山ダムの高さは、治山ダム設置の目的、計画勾配、施工箇所の状況等に応 治山ダムの高さは,ダム築設の目的,計画勾配及び施行箇所の状況等に応じて決

じて決定するものとする。 定するものとする。

3-7 治山ダムの放水路 3-7 治山ダムの放水路3-7-1 治山ダムの放水路の位置 3-7-1 治山ダムの放水路の位置

治山ダムの放水路の位置は、治山ダム設置箇所の上下流の渓流の状態、流水 治山ダムの放水路の位置は,ダム計画箇所の上下流の地形,地質,渓岸の状態,の方向等を考慮して決定するものとする。 流水の方向等を考慮して決定するものとする。

3-7-2 治山ダムの放水路の形状 3-7-2 治山ダムの放水路の形状治山ダムの放水路の形状は、渓流の状況を考慮して決定するものとする。 治山ダムの放水路の形状は,台形を標準とし,下長は,上下流の両岸の状況を考慮

して決定するものとし,側のりは1割又は5分を標準とする。

3-7-3 治山ダムの放水路断面 3-7-3 治山ダムの放水路断面治山ダムの放水路断面は、洪水時に流水とともに流下する砂礫、流木、土 治山ダムの放水路断面は,流下する砂礫,流木,土石流等を考慮して,計画最大

石流等を考慮して、余裕を見込んで決定しなければならない。 高水流量で算出された流積に,余裕を見込んで決定しなければならない。

3-7-4 治山ダム設置位置の計画高水流量 3-7-4 計画最大高水流量の算出治山ダム設置位置の計画高水流量は、放水路断面を求めるために用いるも 計画最大高水流量の算出は,原則として合理式法によるものとする。

のとし、原則として洪水痕跡等から推測される流量等を考慮して算定する。

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3-7-5 治山ダムの放水路の下長治山ダムの放水路の下長は、渓流の状況等を考慮して決定するものとする。

3-7-6 治山ダムの放水路の高さ 3-7-5 治山ダムの放水路断面の設計治山ダムの放水路の高さは、原則として計画高水流量を基準として決定する 治山ダムの放水路断面は,原則として縮流ぜきとして設計するものとする。

ものとする。 ただし,ダム完成後の渓流の状況によっては,開水路として設計できることができるものとする。

3-7-7 治山ダムの放水路の保護 3-7-6 治山ダムの放水路の保護治山ダムの放水路は、土石等の流出によって著しく摩耗するため、必要に 治山ダムの放水路は,土石等の流出によって著しく摩耗するため,必要に応じて

応じて保護工を計画するものとする。 保護工を計画するものとする。

3-8 治山ダムの袖 3-8 治山ダムの袖3-8-1 治山ダムの袖 3-8-1 治山ダムの袖

治山ダムの袖は、洪水時における越流を考慮して、十分強固にしなければ 治山ダムの袖は,洪水時における越流を考慮して,十分強固にしなければならなならない。 い。

また,土石流の発生するおそれのある場合には,必要に応じて保護工を計画するものとする。袖の突込みの深さは,地盤の不均質性や風化の速度等を考慮して,安全な深さと

なるように決定しなければならない。

3-8-2 治山ダムの袖天端 3-8-2 治山ダムの袖天端の勾配治山ダムの袖天端は、容易に越流を起こさないようにしなければならない。 治山ダムの袖天端は,原則として,両岸に向かって勾配をつけるものとする。

3-8-3 屈曲部の治山ダムの袖高 3-8-3 屈曲部の治山ダムの袖高渓流の屈曲部及びその直下流に設ける治山ダムの袖高は、両岸の水位差を考 渓流の屈曲部及びその直下流に設ける治山ダムの袖高は,両岸の水位差を考慮し

慮して決定するものとする。 て決定するものとする。

3-9 治山ダムの断面 3-9 治山ダムの断面3-9-1 重力式治山ダムの断面決定 3-9-1 重力式治山ダムの断面決定

重力式治山ダムの断面は、原則として、下流のり及び天端厚を決定し、次 重力式治山ダムの断面は,原則として,下流のり及び天端厚を決定し,次いで安定いで安定条件を満たす断面となるように上流のりを決定するものとする。 条件を満たす断面となるように上流のりを決定するものとする。

3-9-1-1 重力式治山ダムの下流のり 3-9-1-1 重力式治山ダムの下流のり重力式治山ダムの下流のりは、放水路を越流して落下する石礫等により、 重力式治山ダムの下流のりは,堤高6.0m以上は2分,堤高6.0m未満は3分を標

損傷を受けないようにしなければならない。 準とするが,流出土砂の粒径が小さく,かつその量が少ない場合は必要に応じこれより緩くすることができる。

3-9-1-2 重力式治山ダムの天端厚 3-9-1-2 重力式治山ダムの天端厚重力式治山ダムの天端厚は、流送砂礫の大きさ、越流水深、上流側の勾配 重力式治山ダムの天端厚は,流送砂礫の大きさ,越流水深,上流側の勾配等を考

等を考慮して決定しなければならない。 慮して決定しなければならない。

3-9-1-3 重力式治山ダムの安定計算に用いる荷重 3-9-1-3 重力式治山ダムの安定計算に用いる荷重1 重力式治山ダムの安定計算に用いる荷重は、原則として、自重、静水圧及 1 重力式治山ダムの安定計算に用いる荷重は,原則として,自重,静水圧及び

び堆砂圧とする。 堆砂圧とする。ただし、必要な場合には、安定計算に用いる荷重として、揚圧力、地震時 ただし,必要な場合には,安定計算に用いる荷重として,地震時慣性力,地

慣性力、地震時動水圧等を加えるものとする。 震時動水圧及び揚圧力を加えるものとする。, 。2 土石流を考慮する必要がある場合は、土石流の流体力を考慮するものとす 2 土石流を考慮する必要がある場合は 土石流の流体力を考慮するものとする

る。

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3-9-1-4 重力式治山ダムの安定条件 3-9-1-4 重力式治山ダムの安定条件重力式治山ダムの断面は、次の条件のすべてを満たすものでなければならな 重力式治山ダムの断面は,次の条件の総てを満たすものでなければならない。

い。1 転倒に対する安定 1 転倒に対して安定

堤体が転倒を引き起こさないこと。 鉛直及び水平荷重の合力作用線は堤底内にあること。2 滑動に対する安定 2 滑動に対して安定

堤体が滑動を引き起こさないこと。 滑動に対する抵抗力の総和は,水平力の総和以上であること。3 堤体の破壊に対する安定 3 堤体の破壊に対して安定

堤体の最大応力に対して破壊を引き起こさないこと。 堤体各部における応力度は,堤体各部を構成する材料の許容応力度を超えないこと。ただし,堤底においては,原則として上流端に引張応力を生じさせないこと。

4 基礎地盤に対する安定 4 基礎地盤の支持力に対して安定堤体の最大応力に対して基礎地盤の地耐力が十分であること。 堤底における最大反力は,基礎地盤の許容支持力を超えないこと。

3-9-2 アーチ式治山ダムの断面決定 3-9-2 アーチ式治山ダムの断面決定アーチ式治山ダムの断面は、ダムの中心角、アーチ半径及び厚さを適切に選 アーチダムの断面は,ダムの中心角,アーチ半径及び厚さを適切に選定し,安

定し、安定を検討して決定するものとする。 定を検討して決定するものとする。

3-9-2-1 アーチダムの応力計算アーチダムの応力計算は,ダムの形状及び地盤の拘束条件が及ぼす影響を考慮

して,ダムの応力状態を適切に判定できる方法で計算するものとする。

3-9-3 枠式治山ダムの断面決定枠式治山ダムの断面は、構造特性を考慮して安定する断面を決定するものと

する。

3-9-4 バットレス式治山ダムの断面決定 3-9-3 バットレス式治山ダムの断面決定バットレス式治山ダムは、主壁、扶壁、基礎版から構成される構造物全体を バットレス式ダムは,主壁,扶壁及び基礎版で構成され,この3部材が一体と

一体化した構造として安定するように断面を決定するものとする。 なって安定するように断面を決定するものとする。

3-9-5 スリット式治山ダムの断面決定 3-9-4 スリットダムの断面決定スリット式治山ダムは、堤体に透過部を含めた一体構造として安定する断面 スリットダムは,堤体にスリット部を含めた一体構造として安定する断面を決

を決定するものとする。 定するものとする。

3-9-6 その他の型式の治山ダムの断面決定 3-9-5 その他の形式の治山ダムの断面決定その他の型式の治山ダムの断面は、堤体に作用する外力に対して安定を保つ その他の型式の治山ダムの断面は,堤体に作用する外力に対して安定を保つも

ものでなければならない。 のでなければならない。

3-10 治山ダムの基礎 3-10 治山ダムの基礎3-10-1 治山ダムの基礎地盤 3-10-1 治山ダムの基礎地盤

治山ダムの基礎地盤は、十分な支持力、摩擦抵抗力を有するとともに、治山 治山ダムの基礎地盤は,十分な支持力,摩擦抵抗力を有するとともに,ダム下ダム下流のり先の洗掘、パイピング等による破壊に対しても安全でなければな 流側の洗掘,パイピング等による破壊に対しても安全でなければならない。らない。

3-10-2 治山ダム基礎の根入れ 3-10-2 治山ダム基礎の根入れ、 、治山ダムの基礎の根入れの深さは、地盤の不均質性や風化の速度等を考慮し 治山ダムの基礎の根入れの深さは 地盤の不均質性や風化の速度等を考慮して

て、安全な深さとなるように決定しなければならない。 安全な深さとなるように決定しなければならない。

3-10-3 治山ダムの間詰等 3-10-3 治山ダムの間詰及び袖かくし

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治山ダムの間詰等は、堤体の地山への取付のため掘削し、堤体取付部となら 治山ダムの堤体と掘削面の間は,コンクリート等で間詰めし,堤体と現地盤をなかった残余の地山掘削面の風化等を防止するように設置しなければならない。 密着させて,掘削面の風化や崩落を防止しなければならない。

また,堤体袖部の両岸の掘削面には,袖かくし等を設け,その崩落を防止するものとする。

3-10-4 治山ダムの基礎の処理 3-10-4 治山ダムの基礎の処理治山ダムの基礎地盤が十分な強度を得られない場合は、その状況に応じて基 治山ダムの基礎地盤が十分な強度を得られない場合は,その状況に応じて基礎

礎処理をしなければならない。 処理をしなければならない。

3-10-4-1 治山ダムの杭基礎 3-10-4-1 治山ダムの杭基礎治山ダムの基礎地盤が軟弱で、杭により基礎処理をする場合は、基礎地盤の 治山ダムの基礎地盤が軟弱で,杭により基礎処理をする場合は,ダム基礎地盤

土質及び深さに応じて、適切な杭を決定するものとする。 の土質状態及び基盤の深さに応じて,工法及び杭の種別,杭長,本数等を決定するものとする。杭の最小打ち込み間隔は,原則として杭径の2.5倍とする。

3-10-4-2 治山ダム基礎のパイピング等の防止 3-10-4-2 治山ダム基礎のクイックサンド及びパイピングの防止治山ダムの基礎地盤が、クイックサンド又はパイピングを生じさせるおそれ 治山ダムの 基礎地盤が,火山灰,砂礫層等で,クイックサンド及びパイピング

のある場合には、適切な処置を講ずるものとする。 現象が生ずるおそれのある場合には,その防止を図るための措置を講ずるものとする。

3-11 治山ダムの水抜き 3-11 治山ダムの水抜き治山ダムの水抜きは、施工中の排水及び堆砂後の浸透水圧の軽減が可能とな 治山ダムの水抜きは,その目的を考慮して,数,大きさ及び設置箇所を定める

るように設置する。また、堤体の弱点とならないようにその位置、大きさに配 ものとし,必要に応じて開閉構造とすることができるものとする。慮しなければならない。 水抜きの位置,大きさは,堤体の弱点とならないようにしなければならない。

3-12 治山ダムの洗掘防止 3-12 治山ダムの洗掘防止治山ダムの基礎地盤が洗掘されるおそれがある場合は、洗掘防止を図るもの 治山ダムの下流のり先が洗掘されるおそれがある場合には,副ダム又は水叩き

とする。 を設けるかあるいは両者を併設してその防止を図るものとする。

3-12-1 副ダムによる洗掘防止 3-12-1 副ダム3-12-1-1 副ダムの構造 3-12-1-1 副ダムの構造

副ダムの構造は、本ダムの構造を参考に決定する。 副ダムの構造は,本ダムに準ずる。ただし,袖天端には原則として勾配は付けないものとする。

3-12-1-2 本ダムと副ダムの重複高 3-12-1-2 本,副ダムの重複高本ダムと副ダムとの重複高は、本ダムの基礎地盤の洗掘防止を図ることので 本ダムと副ダムとの重複高は,本ダムの堤高に越流水深を加えた高さの1/3~1/

きる高さとする。 4程度を標準とする。

3-12-1-3 本ダムと副ダムの間隔 3-12-1-3 本,副ダムの間隔本ダムと副ダムの間隔は、治山ダムの基礎地盤の洗掘、下流側の渓床低下の 本ダムと副ダムとの間隔は,本ダムの有効落差に越流水深を加えた高さの1.5~

防止、落水等の衝突に配慮して 必要な距離を確保するものとする。 2.0倍を標準とする。、

3-12-2 水叩きによる洗掘防止 3-12-2 治山ダムの水叩き3-12-2-1 水叩きの長さ 3-12-2-1 治山ダムの水叩きの長さ

水叩きの長さは、流水の水理条件、パイピングに対する安全性を考慮して決 治山ダムの水叩きの長さは,3-12-1-3「本,副ダムの間隔」に準じて決定するものとする。 定するものとする。

3-12-2-2 水叩きの厚さ 3-12-2-2 治山ダムの水叩きの厚さ水叩きの厚さは、安定性等を考慮して決定するものとする。 治山ダムの水叩きの厚さは,原則としてO.5~1.5mの範囲とする。

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3-12-2-3 水叩きの勾配 3-12-2-3 治山ダムの水叩きの勾配水叩きの勾配は、現地の状況を考慮して決定するものとする。 治山ダムの水叩きの勾配は,原則として水平とする。

3-12-2-4 水叩きの垂直壁 3-12-2-4 治山ダムの水叩きの垂直壁水叩きの垂直壁は、現地の状況を考慮して、適切な構造を決定するものとす 治山ダムの水叩きの垂直壁は,水叩きの下流先端に設けるものとし,その根入

る。 れの深さ及び両端の突込みは,基礎の洗掘等を考慮して決定するものとする。

3-12-3 治山ダムの側壁 3-12-3 治山ダムの側壁治山ダムの側壁は、必要に応じて、両岸の侵食防止又は流路の規制を目的と 治山ダムの側壁は,原則として治山ダムの水叩き部の両岸が侵食されるおそれ

して設置するものとする。 がある場合又は水叩き部において流路を規正する必要がある場合に設けるものとする。

3-12-3-1 側壁の高さ 3-12-3-1 側壁の高さ側壁の高さは、最大高水流量が安全に流下する断面が得られるように決定し 治山ダムの側壁の高さは,ダム放水路の位置,高さ,流心の方向,跳水等を考

なければならない。 慮し,最大高水流量を安全に流過する断面が得られるように決定しなければならない。

3-12-3-2 側壁の基礎と天端 3-12-3-2 治山ダムの側壁の基礎と天端側壁の基礎は、治山ダムの放水路から落下する越流水に対して安全であるこ 治山ダムの側壁の基礎は,放水路肩の垂線より外側に設けなければならない。

とを考慮して決定するものとする。 また,その天端高,位置は,ダムの放水路を落下する越流水の拡がりを考慮して決定するものとする。

3-13 治山ダムの伸縮継目 3-13 治山ダムの伸縮継目伸縮継目は、コンクリートのひび割れ軽減を目的として設けるものとする。 重力式コンクリート治山ダムの堤長が長い場合には,伸縮継目を設けるものと

する。

3-14 水平打継目 3-14 治山ダムの水平打継目重力式コンクリート治山ダムの水平打継目は、異常な荷重等に対して弱点と 重力式コンクリート治山ダムのコンクリート打設は,原則としてブロック打設

ならないように補強を行うことを標準とする。 とし,水平打継面には,凸形,凹形,相欠き等の継手を設けるものとする。

第4節 護 岸 工 第4節 護 岸 工4-1 護岸工の目的 4-1 護岸工の目的

護岸工は,流水による渓岸の横侵食の防止及び山腹崩壊の防止又は山腹工の 護岸工は,流水による渓岸の横侵食の防止及び山腹崩壊の防止又は山腹工作物基礎とすることを目的とする。 の基礎とすることを目的とする。

4-2 護岸工の種別 4-3 護岸工の種別護岸工の種別は、現地の状況に応じて適切なものを選定するものとする。 護岸工の種別は,コンクリート,コンクリートブロック,コンクリート枠,

鋼枠,鉄線かご,木材等とし,現地の状況に応じて最も適切なものを選定するものとする。

4-3 護岸工の位置等 4-2 護岸工の位置護岸工の位置及び法線は、その目的及び現地の状況に応じて、最も効果的と 護岸工の位置は,渓流における水衝部,山腹崩壊の拡大又は崩壊のおそれのあ

なるように決定するものとする。 る箇所及び山腹工作物の基礎の保全等が必要な箇所に計画するものとする。

4-4 護岸工の天端高 4-4 護岸工の高さ護岸工の天端の高さは、洪水時に流水とともに流下する砂礫、流木等を考慮 1 護岸工の天端の高さは,原則として,計画高水位に余裕高を加えた高さとす

して、十分に余裕を見込んだ高さとしなければならない。 る。2 渓流わん曲部における凹岸の護岸工は,堅固に計画するとともに, 洪水時の水位の上昇を考慮して必要な天端高を決定しなければならない。

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4-5 護岸工の構造 4-6 護岸工の断面,継目及び水抜き等護岸工の構造は、背後の地形・地質等を考慮して適切なものを選定するもの 1 護岸工の断面は,背後の地質,地形等を考慮して適切なものとする。

とする。 2 護岸工の天端勾配は,原則として計画渓床勾配に一致させるものとする。3 コンクリート,コンクリートブロック護岸工は,原則として重力式あるいはもたれ式の構造とする。

4 延長の長いコンクリート,コンクリートブロック護岸工においては,伸縮継目を設けるものとする。

5 遮水性の種別の護岸工は,背面の土圧,水圧を軽減する構造とする。

4-6 護岸工の取り付け 4-5 護岸工の取り付け護岸工の上下流部は、流水により洗掘、破壊されないように渓岸に取り付け 護岸工の上下流部の取り付けは,流水により洗掘,破壊されないよう渓岸に

るものとする。 十分巻き込むものとする。

4-7 護岸工の基礎 4-7 護岸工の基礎4-7-1 護岸工の基礎の根入れ深 4-7-1 護岸工基礎の根入れ深

護岸工の基礎の根入れ深は、計画渓床勾配、渓床の状況等を考慮して、洗掘 護岸工基礎の根入れ深は,計画渓床勾配,渓床の状況等を考慮して,洗掘さされることのない安全な深さとしなければならない。 れることのない安全な深さとしなければならない。

4-7-2 護岸工の基礎の洗掘防止 4-7-2 護岸工基礎の洗掘防止護岸工の基礎が流水によって洗掘されるおそれがある場合は、必要に応じて、 1 護岸工の基礎が,流水によって洗掘されるおそれがある場合には,根固工,

洗掘防止の措置を講ずるものとする。 床固工,水制工等を設け,その防止を図るものとする。2 根固工は,現地の状況に応じて,捨石,コンクリートブロック及び沈床等最も適切なものを採用するものとする。

4-7-3 護岸工の基礎の処理 4-7-3 護岸工基礎の処理護岸工の基礎地盤が軟弱な場合は、その状況に応じて適切な基礎の処理を行 護岸工の基礎地盤が軟弱な場合には,その状況に応じて杭打ち又は地盤の置き

わなければならない。 換え等基礎処理を計画しなければならない。

第5節 水 制 工 第5節 水 制 工5-1 水制工の目的 5-1 水制工の目的

水制工は、流心を渓岸から遠ざけ、流路を規制し、渓岸の侵食防止又は護岸 水制工は,流心を渓岸から遠ざけ,流路を規制し,渓岸の侵食防止又は護岸のの洗掘防止を図ることを目的とする。 洗掘防止を図ることを目的とする。

5-2 水制工の種別 5-3 水制工の種別水制工の種別は、その目的及び現地の状況に応じて最も適切なものを選定す 水制工の種別は,コンクリート,コンクリートブロック,コンクリート枠,鋼

, , 。るものとする。 枠 鉄線かご等とし 現地の状況に応じて最も適切なものを選定するものとする

5-2 水制工の位置5-3 水制工の位置 水制工の位置は,その目的及び現地の状況に応じて,最も効果的となるように

水制工の位置は、その目的及び現地の状況に応じて、最も効果的となるよう 決定するものとする。に決定するものとする。

5-4 水制工の方向5-4 水制工の方向 水制工の方向は,流水線又はその切線に対して,上向きに70~90゜の角度を標

水制工の方向は、その目的及び現地の状況に応じて、最も効果的となるよう 準とする。に決定するものとする。

5-5 水制工の形状 5-5 水制工の形状水制工の形状は、現地の状況等から決定するものとする。 水制工の形状は,かね出しを標準とする。

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5-6 水制工の長さ及び間隔 5-6 水制工の長さ及び間隔水制工の長さ及び間隔は、現地の状況等から決定するものとする。 水制工の長さは,渓流幅の10%以下を標準とし,その間隔は,原則として水制

工の長さの1.5~2.0倍とする。

5-7 水制工の高さ 5-7 水制工の高さ水制工の高さは、その目的及び現地の状況に応じて決定するものとする。 水制工の高さは,その目的及び現地の状況に応じて決定するものとする。

第6節 流 路 工 第6節 流 路 工6-1 流路工の目的 6-1 流路工の目的

流路工は、流路を固定して乱流を防止するとともに縦断勾配を規制して、縦 流路工は,床固工,帯工及び護岸工により,流路を固定して乱流を防止すると横侵食の防止を図ることを目的とする。 ともに,縦断勾配を規制して縦横侵食の防止を図ることを目的とする。

6-2 流路工の法線 6-2 流路工の法線流路工の法線は、洪水流を安全に流下させることができるように、配慮しな 流路工の法線は,できる限り滑らかな線形となるように計画しなければならな

ければならない。 い。

6-3 流路工の縦断形 6-7 流路工の縦断形流路工の縦断形は、その目的及び現地の状況を考慮して、決定しなければな 流路工の縦断形は,渓床の安定を十分考慮して決定しなければならない。

らない。

6-4 流路工の渓床 6-4 流路工の渓床流路工は、渓床の安定を保つように構造を決定しなければならない。 流路工は,原則として底を張らない構造とする。ただし,流路工を計画する区

間において,その渓床を構成する材料では,計画渓床勾配の維持が困難な場合等には,底張りをすることができる。

6-5 流路工における計画勾配の変化点及び落差 6-5 流路工の勾配の変化点流路工の計画渓床勾配の変化点及び落差は、流路工の設置目的、現地の状況 流路工の勾配の変化点には,原則として,床固工を計画するものとする。

及び床固工等の効果的な配置を総合的に検討して決定するものとする。 床固工の間隔が長大となる場合は,必要に応じて帯工を設けるものとする。

6-6 流路工の横断形 6-8 流路工の横断形流路工の横断形は、その目的及び現地の状況を考慮して、決定しなければな 1 流路工の横断形は,原則として単断面とする。

らない。 2 流路工の計画幅は,対象流量,流路工の縦断勾配,地形,地質,後背地の土地利用状況等を考慮して決定するものとする。

3 わん曲部における流路工の横断形は,わん曲の状況及び上下流の渓流の状況に応じて決定するものとする。

6-6-1 流路工の計画断面 6-3 流路工の計画断面流路工の計画断面は、計画洪水流量を安全に流下できる断面としなければな 流路工の計画断面は,現渓流幅を十分考慮し,計画高水流量を安全に流し得る

らない。 断面としなければならない。

6-6-2 流路工の計画高水流量 6-6 流路工の計画高水位流路工の計画高水流量は、流路工の計画断面を求めるために用いるものとし、 1 流路工の計画高水流量は, 3-7-4「計画最大高水流量の算出」に準ずる

原則として洪水痕跡等から推測される流量等を考慮して設定する。 ものとする。2 流路工の計画高水位は,流路工の縦断形及び横断形と相互に関連するので計画渓床維持の面から,渓床条件を十分検討して決定しなければならない。

3 流路工の設計に用いる平均流速式は,マンニング式によるものとする。

6-6-3 流路工における護岸工の天端高

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流路工における護岸工の天端の高さは、計画高水流量を基準として決定する。

6-6-4 流路工の曲流部の構造流路工の曲流部においては、必要に応じて、洪水時の水位上昇等に対応した

構造とする。

6-7 流路工における構造物相互の関連等 6-9 流路工における構造物相互の関連等6-7-1 流路工の護岸工と治山ダムの取り付け 6-9-1 流路工と治山ダム

流路工の護岸工を治山ダムに取り付ける場合は、洪水流を安全に流下させる 流路工を治山ダムに取り付ける場合は,護岸工をなじみよく取り付けるものとことができるように、なじみよく取り付けるものとする。 する。

6-7-2 流路工における床固工及び帯工の構造等の選定 6-9-4 流路工における床固工及び帯工流路工における床固工及び帯工は、渓床の縦侵食を防止できるように構造等 1 流路工における床固工及び帯工の位置は,流路工の縦断形と横断形等を総合

を選定するものとする。 的に検討して選定しなければならない。2 流路工における床固工及び帯工の構造は,床固工にあっては3-9「治山ダムの断面」に,また帯工及び三面張り流路工における床固工の天端厚は,3-12-2-4「治山ダムの水叩き工の垂直壁」に,それぞれ準じて決定するものとする。

3 流路工における床固工は,その渓床状況により,必要に応じて重複高をとるものとする。

6-7-3 流路工における護岸工の構造等の選定 6-9-2 流路工における護岸工流路工における護岸工は、渓岸の侵食を防止するとともに、床固工及び帯工 流路工における護岸工については,第4節「護岸工」及び3-12-3「治山ダム

の袖部の保護を図ることができるように、構造等を選定するものとする。 の側壁」を準用するものとする。

6-7-4 流路工における護岸工と床固工、帯工との取り付け 6-9-3 流路工における床固工と護岸工, 。流路工における護岸工と床固工等との取り付けに当たっては、安全に流水を 1 流路工における床固工と護岸工との取り付けは 次によることを標準とする

流下させるとともに、護岸工及び床固工、帯工が破壊しないように、留意しな (1) 床固工の上流側にあっては,床固工の放水路の側のり面と護岸工の表のければならない。 り面を一致させる。

(2) 床固工下流側の護岸工の基礎は,床固工の放水路肩の垂線より外側に設け,越流水が護岸工の背面に落下しないようにしなければならない。

, 。(3) 床固工によって落差が生ずる場合には 必要に応じ流水の受口を設ける受口の規模は,落差の大小,流水の状態に応じて決定するものとする。

2 床固工の袖は,原則として地山に取り付けるものとする。帯工の袖は,護岸工の裏のり面から山側に入れることを標準とする。

3 護岸工の根入れ深は,床固工の上流側にあっては,床固工の放水路天端から掘下げることを標準とする。

, 。床固工の下流部にあっては 原則として床固工の基礎と一致させるものする

6-9-5 流路工における水叩き及び流路床版の厚さ流路工の区間に設ける水叩き及び流路床版の厚さは,基礎地盤の状態,流下す

る砂礫の状況等を考慮して決定するものとする。

6-7-5 流路工における底張り等の厚さ流路工における底張り及び水叩きの厚さは、流水による侵食と摩耗に耐えら

れるように基礎地盤の状態、流下する砂礫の状況等を考慮して決定するものとする。

第5章 山腹工の設計 第5章 山腹工の設計

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第1節 測 量 第1節 測 量1-1 測量の範囲 1-1 測量の範囲

測量の範囲は、設計の対象となる崩壊地等及びその周辺を含め、施工の範囲、 測量の範囲は,設計の対象となる崩壊地等及びその周辺を含め,施工の範囲,地形の状況等が把握できる範囲について行うものとする。 況等が把握できる範囲について行うものとする。

1-2 測量の種類 1-2 測量の種類測量は、平面測量、縦断測量及び横断測量とする。 測量は,平面測量,縦断測量及び横断測量とする。

1-2-1 平面測量 1-2-1 平面測量平面測量は、崩壊地等の形状、面積、地況及び周辺の地形条件等を把握し、 平面測量は,崩壊地等の形状,面積,地況及び周辺の地形条件等を把握し,工

工種の配置及び各工種の数量等を決定するために行うものとし、測量の結果に 種の配置及び各工種の数量等を決定するために行うものとし,測量の結果に基づ基づいて平面図、工種配置図を作成するものとする。 いて平面図,工種配置図を作成するものとする。

1-2-2 縦断測量 1-2-2 縦断測量縦断測量は、崩壊地等の主要な縦断面の地形を測定し、縦断方向における工 縦断測量は,崩壊地等の主要な縦断面の地形を測定し,縦断方向における工種

種配置、規模等を決定するために行うものとし、測量の結果に基づいて縦断面 配置,規模等を決定するために行うものとし,測量の結果に基づいて縦断面図を図を作成するものとする。 作成するものとする。

1-2-3 横断測量 1-2-3 横断測量横断測量は、崩壊地等の横断方向の地形を測定し、工作物の形状、規模等を 横断測量は,山腹斜面の横断方向の起伏量及び距離を測定し,工作物の形状,

決定するために行うものとし、測量の結果に基づいて横断面図を作成するもの 規模等を決定するために行うものとし,測量の結果に基づいて横断面図を作成すとする。 るものとする。

第2節 設 計 第2節 設 計2-1 山腹工設計の基本的考え方 2-1 山腹工設計の基本的な考え方1 山腹工は、崩壊地等の復旧及び崩壊等の予防を目的とする。 1 山腹工は,崩壊地等の復旧及び崩壊予防を目的とする。2 山腹工の設計は、原則として、全体計画等に基づいて、実施しなければな

らない。3 山腹工の設計に当たっては、崩壊地等の地形、地質、土壌、気象、植生等 2 山腹工の設計に当たっては,崩壊地等の地形,地質,土壌,気象,植生等の

の調査結果を参考とし かつ 渓間工や保全対象等との関連について検討し 調査結果を参考としかつ渓間工や保全対象等との関連について検討し,現地に、 、 、現地に最も適した工種・工法を選定しなければならない。 最も適した工種,工法を選定しなければならない。

2-2 山腹工の工種 2-2 山腹工の工種2-2-1 工種の配置と分類

山腹工は、崩壊地等の状態や特性等に応じて、山腹基礎工、山腹緑化工及び 山腹工は,崩壊地等の状態や特性等に応じて,山腹基礎工,山腹緑化工及び落落石防止工の各工種が、それぞれの機能を効果的に発揮し、かつ、相互に有機 石防止工の各工種がそれぞれの機能を効果的に発揮しかつ相互に有機的・補 完的的・補完的に機能するような規模・配置としなければならない。 に機能するような規模・配置としなければならない。

山腹工の標準的な工種は次のとおりとする。1 山腹基礎工①のり切工 ②土留工 ③埋設工 ④水路工 ⑤暗きょ工 ⑥張工 ⑦のり

枠工 ⑧アンカー工 ⑨補強土工 ⑩モルタル(コンクリート)吹付工2 山腹緑化工(1) 緑化基礎工

①柵工 ②筋工 ③伏工 ④軽量のり枠工(2) 植生工

①実播工 ②植栽工3 落石防止工(1) 落石予防工

①斜面切取工 ②転石整理工 ③被覆工 ④固定工 ⑤根固工

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(2) 落石防護工(3) 森林造成

第3節 山腹基礎工 第3節 山腹基礎工3-1 山腹基礎工の目的 3-1 山腹基礎工の目的

, , 。山腹基礎工は、山腹斜面の安定を図ることを目的とする。 山腹基礎工は 斜面の安定を図り 山腹緑化工の基礎とすることを目的とする

3-2 のり切工 3-2 のり切工3-2-1 のり切工の目的 3-2-1 のり切工の目的

のり切工は、崩壊地の外縁及び内部、深層崩壊により生じる滑落崖等の不安定 のり切工は、不規則な山腹斜面を安定斜面に整形し、崩壊及び崩壊の拡大を防な部分を整形し、崩壊及び崩壊の拡大を防止することを目的とする。 ぐことを目的とする。

3-2-2 のり切の勾配 3-2-2 のり切の勾配のり切の勾配は、対象地の傾斜、土質、周辺の地形及び工種の組み合わせ等 のり切勾配は,対象地の傾斜,土質,周辺の地形及び工種の組み合わせ等を考

を考慮して決定するものとする。 慮して決定するものとする。

3-2-3 のり切土砂の安定 3-2-3 のり切土砂の安定のり切によって生ずる土砂は、土留工等によって、その安定を図るものとす のり切によって生ずる土砂等は,降雨等によって流出しないように,必要に応

る。 じて土留工,柵工,埋設工,暗きょ工等によって,その安定を図るものとする。

3-3 土留工 3-3 土留工3-3-1 土留工の目的 3-3-1 土留工の目的

土留工は、不安定な土砂の移動の防止、山腹斜面勾配の修正、表面水の分散 土留工は,不安定な土砂の移動の抑止,斜面勾配の修正,表画流下水の分散を図るほか、水路工、暗きょ工等の基礎とすることを目的とする。 等を図るほか,他の工作物の基礎及び水路工等の支保とすることを目的とする。

3-3-2 土留工の種別 3-3-9 土留工の種別 【後段より移記】土留工は、設置の目的のほか、施工地の自然的・社会的条件を考慮し、安全 土留工は,施工地の自然的・社会的条件を検討し,安全性,耐久性,施工性,

性、耐久性、施工性、周囲の環境との調和等を検討して、最も適切な種別を選 周囲の環境との調和等を考慮して,最も適切な種別を選定するものとする。定するものとする。

3-3-3 土留工の位置及び高さ 3-3-2 土留工の位置,高さ土留工の位置及び高さは、その目的及び現地の条件等を検討して決定するも 土留工の位置は,その目的及び地形・地質条件等を検討し,地盤の安全性を考

のとする。 慮して決定するものとする。土留工の高さは,その目的に応じて決定するものとし,土留工の天端を結ぶ縦

断勾配が,山脚から頂部まで,自然で無理のない線形となるように決定するものとする。

3-3-4 土留工の方向 3-3-3 土留工の方向土留工の方向は、原則として、完成後の山腹斜面に対して直角となるように 土留工の方向は,原則として,完成後の山腹斜面に対して直角となるように計

計画するものとする。 画するものとする。

3-3-5 土留工の断面3-3-5-1 土留工の安定計算に用いる荷重 3-3-4 土留工の安定計算に用いる荷重土留工の安定計算に用いる荷重は、原則として、自重及び土圧とする。 1 土留工の安定計算に用いる荷重は,原則として,自重及び土圧とする。ただし、必要がある場合には、安定計算に用いる荷重として、揚圧力、地震 2 特に必要のある場合は地震等を考慮した荷重を加える。

時慣性力、地震時動水圧等を加えるものとする。

3-3-5-2 土留工の安定性の検討 3-3-5 土留工の安定性の検討山腹工の骨格となる重要な土留工については、次のすべての条件について安 山腹工の骨格となる重要な土留工については,次の各号について安定性を検

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定性を検討しなければならない。 討しなければならない。1 転倒に対する安定 (2) 転倒に対する安定性

躯体が転倒を引き起こさないこと。 転倒に対する抵抗モーメントは,原則として転倒モーメントの1.5倍以上あること。

2 滑動に対する安定 (3) 滑動に対する安定性躯体が滑動を引き起こさないこと。 滑動に対する抵抗力の総和は,原則として水平外力の総和の1.5倍以

上あること。3 躯体の破壊に対する安定 (1) 部材応力度

躯体の最大応力に対して破壊を引き起こさないこと。 土留工の各部に生ずる応力度は,土留工の材料の許容応力度を超えないこと。

4 基礎地盤に対する安定性 (4) 基礎地盤の支持力に対する安定躯体の最大応力に対して基礎地盤の地耐力が十分であること。 基礎地盤における最大反力は,基礎地盤の許容支持力を超えないこと。

3-3-6 土留工の水抜き 3-3-6 土留工の水抜き遮水型土留工は、原則として、背面の浸透水等を排除するために、水抜きを設 不透水性の土留工は,背面に滞水しないように,水抜きを設けるものとする。

けるものとする。

3-3-7 土留工の裏込め 3-3-7 土留工の裏込め遮水型土留工の裏込めは、土圧の均等化を図るとともに、背面の浸透水等を 土留工の背面には,壁面に作用する水の排除と土圧の均等化を図るため,裏込

排水するために設けるものとする。 めを設けるものとする。

3-3-8 土留工の伸縮継目 3-3-8 土留工の伸縮継目土留工の伸縮継目は、コンクリート等のひび割れの軽減及び縁切りを目的とし 延長の長いコンクリート又は練積土留工には,伸縮継目を設けるものとする。

て設けるものとする。

3-3-9 コンクリート土留工 3-3-9-1 コンクリート土留工コンクリート土留工は、背面土圧が大きい場合、保全対象に近接している場 コンクリート土留工は,背面土圧が著しく大きい場合,滑落するおそれのある

合等に用いるものとする。 土塊等を物理的に抑止する場合又は落石等のために他の種別の土留工では天端等が破壊されるおそれがある場合等のほか,直接保全対象に近接していて,長期にわたり強度を保持する必要がある場合に計画するものとする。コンクリート土留工の構造は,原則として重力式とする。

3-3-10 鉄筋コンクリート土留工 3-3-9-2 鉄筋コンクリート土留工鉄筋コンクリート土留工は、土留工の高さが高くなる場合等に、経済性を考慮 鉄筋コンクリート土留工は,地形条件等によってその高さが著しく高くなる場

して用いるものとする。 合等に計画するものとする。鉄筋コンクリート土留工の構造は,原則として片持ばり式とする。

3-3-11 練積土留工及び空積土留工 3-3-9-3 練積土留工,空積土留工練積土留工は、地山に近接し、土留工背面に溜める土砂量が少ない場合や地山 練積土留工は,壁背面に作用する土圧が比較的小さくかつ高さが低い場合等に

に近接していないが重力式又は逆T式の土留工に比較して土留工背面に溜める土 計画するものとする。砂量が少ない場合等に用いるものとする。 空積土留工は,練積よりもさらに高さが低く,背面土圧が著しく小さい場合等空積土留工は、土留工の背面土圧が著しく小さい場合に用いるものとする。 に計画するものとする。

3-3-12 枠土留工 3-3-9-6 枠土留工枠土留工は、地盤の支持力が小さい箇所、土留工背面に湧水等が多い箇所等に 枠土留工は,地盤の支持力が小さい箇所,土留工背面からの浸透水の多い箇所

用いるものとする。 等で,他の土留工では不適当な場合に計画するものとする。

3-3-13 鉄線かご土留工 3-3-9-4 鉄線かご土留工鉄線かご土留工は、土留工背面の土圧が小さい箇所、基礎地盤の支持力が小さ 鉄線かご土留工は,高さが低く,背面土圧が小さい箇所でかつ基礎地盤の支持

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い箇所等に用いるものとする。 力が小さい箇所等に計画するものとする。

3-3-14 丸太積土留工 3-3-9-5 丸太積土留工丸太積土留工は、背面土圧が小さい箇所で、高度な耐久性を要求しない場合等 丸太積土留工は,小規模な崩壊地又はのり切斜面の維持を図る箇所等で,背面

に用いるものとする。 土圧が小さく,長期の耐久性を必要としない場合に計画するものとする。

3-4 埋設工 3-4 埋設工3-4-1 埋設工の目的 3-4-1 埋設工の目的

埋設工は、土中に設ける構造物により、不安定土砂の安定化を目的とする。 埋設工は,のり切土砂等の安定を図ることを目的とし,堆積土砂の中に計画するものとする。

3-4-2 埋設工の種別及び構造 3-4-2 埋設工の種別の選定及び構造埋設工は、堆積土砂の深さと基礎地盤の状況を考慮して種別を選定するととも 埋設工は,のり切土砂の堆積深,土留工の配置等を考慮して種別を選定すると

に、適切な配置、高さを決定するものとする。 ともに,最も効果的な位置,高さを決定するものとする。また,埋設工の種別及び構造は,土留工又は柵工に準ずるものとする。

3-5 水路工 3-5 水路工3-5-1 水路工の目的 3-5-1 水路工の目的

水路工は、雨水、湧水等を集水・排水して、山腹斜面の表面侵食の防止及び浸 水路工は,降雨又は湧水による斜面侵食の防止及び浸透による土の強度低下、透による土の粘着力の低下、間隙水圧の増大防止を目的とする。 間隙水圧の増大の防止を目的とする。

3-5-2 水路工の種別 3-5-8 水路の種別水路工の種別は、地形、土質条件、配置位置、集水量、使用材料の耐久性、施 水路工の種別は,地形,土質条件,配置位置,集水量,使用材料の耐久性,施

工性及び周囲の環境との調和等を考慮して、最も適切なものを選定するものとす 工性及び周囲の環境との調和等を考慮して,最も適切なものを選定するものとする。 る。

3-5-3 水路工の配置 3-5-2 水路工の配置水路工は、崩壊地内及びその周辺から崩壊地内に流入する地表流、湧水等を速 水路工の配置は,崩壊地内及び周辺の地表水並びに湧水を速やかに排水できる

やかに排水できるように配置しなければならない。 ように排水系統を十分検討して決定しなければならない。

3-5-4 水路工の平面線形 3-5-3 水路工の平面線形水路工の平面線形は、原則として凹部を結ぶ線形とし、上部から下部に向けて 水路工の平面線形は,原則として崩壊地等の最凹部を結ぶ線形とし,上部から

無理のない法線を設定するものとする。 下部に向けて無理のない法線を描くように計画するものとする。また,水路合流点の交角は鋭角になるようにし,原則として土留工,帯工等で

支保するものとする。

3-5-5 水路工の縦断線形 3-5-4 水路工の縦断形水路工の縦断線形は、極端な屈曲を避け、全体として無理のない線形を設定し 水路工の縦断形は、極端な屈曲は避け、全体として無理のない線形を描くよう

なければならない。 に計画しなければならない。

3-5-6 水路工の通水断面 3-5-5 水路工の通水断面水路工の通水断面は、集水される最大流量を十分な余裕をもって、安全に排水 水路工の通水断面は,集水される最大流量を十分な余裕をもって,安全に排水

できる断面としなければならない。 できる断面としなければならない。

3-5-7 水路工の1スパンの長さ 3-5-6 水路工の1スパンの長さ水路工の1スパンの長さは、地形条件等を考慮して決定するものとする。 水路工の1スパンの長さは,地形条件等を考慮して決定するものとする。また、水路工の延長を長くする必要がある場合は、帯工等を設けて、水路の滑 延長を長くする必要がある場合は,帯工等を設けて,水路の滑動,沈下等を防止

動、沈下等を防止するものとする。 するものとする。

3-5-8 水路工の水路受け 3-5-7 水路受け

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水路工の水路受けは、土留工等により落差が生じる場合において、いっ水、跳 水路勾配の変化点,屈曲部,合流箇所に土留工等で落差を設けた場合,その下水等による水路の破壊を防止するために設けるものとする。 部に水路受けを設け,溢水,跳水などによる水路の破壊を防止しなければならな

い。水路受けの規模,構造は,現地の地形,流水量に対応した適切なものでなけれ

ばならない。

3-6 暗きょ工 3-6 暗きょ工3-6-1 暗きょ工の目的 3-6-1 暗きょ工の目的

暗きょ工は、地下水や浸透水を速やかに排除して、斜面の安定を図ることを目 暗きょ工は,地下水,浸透水を速やかに排除して,斜面地盤の含水比及び間隙的とする。 水圧を低下させることを目的とする。

3-6-2 暗きょ工の配置 3-6-2 暗きょ工の配置・勾配暗きょ工は、地下水や浸透水を速やかに集水し、水路工に導くように配置しな 暗きょ工は,地下水,浸透水を速やかに集水し,水路工に導くように配置しな

ければならない。 ければならない。暗きょ工の勾配は,原則として地山の縦断勾配に合致させるものとする。

3-6-3 暗きょ工の勾配暗きょ工の勾配は、原則として地山の縦断勾配に合致させるものとする。

3-6-4 暗きょ工の構造等 3-6-3 暗きょ工の構造暗きょ工の構造等は、十分な集水・排水能力、耐久性、施工性を有し、土圧等 暗きょ工の構造は,十分な排水能力,耐久性,施工性を有し,上部の荷重,土

に対して安定を保つものとする。 圧等に対して十分な強度を満たすものとする。また,暗きょ工の底部は,原則として不透水層又は旧地盤面に計画するものと

する。

3-6-5 暗きょ工の目詰まりの防止 3-6-4 暗きょ工の目詰まりの防止暗きょ工が目詰まりするおそれのある場合は、原則として目詰まり防止対策を 排水管が目詰まりするおそれのある場合は,原則として目詰まり防止材を使

行うものとする。 用するものとする。

3-6-6 暗きょ工の1スパンの長さ 3-6-5 暗きょ工の1スパンの長さ暗きょ工の1スパンの長さは、地形条件等を考慮して決定するものとする。 暗きょ工の1スパンの長さは, 3-5-6「水路工の1スパンの長さ」に準ず

るものとする。

3-6-7 集水後の処理 3-6-6 集水後の処理暗きょ工で集水した水は、速やかに地表面へ導くものとする。 暗きょ工で集水した水は,速やかに地表面に導くものとする。

3-7 のり枠工 3-8 のり枠工3-7-1 のり枠工の目的 3-8-1 のり枠工の目的

のり枠工は、斜面に枠状の構造物を設置することにより、斜面の風化、侵食及 のり枠工は,斜面の侵食及び崩壊の防止を目的とする。び崩壊の防止を図ることを目的とする。 のり枠工は,斜面が著しく急な場合又は土質条件が悪く,のり枠工によって全

面的に被覆しなければ山腹斜面の安定が図られない場合に計画するものとする。

3-7-2 のり枠工の種別 3-8-4 のり枠工の種別のり枠工の種別は、その使用条件と目的によって適切なものを選定するものと のり枠工の種別は,その使用条件と目的によって適切なものを選定するものと

する。 する。

3-7-3 のり枠工の構造3-7-3-1 のり枠工の構造の決定 3-8-2 のり枠工の枠断面の大きさ及び枠のスパン

のり枠工の構造は、目的、現地の条件から、安定性、施工性等を考慮して決定 のり枠工の枠断面の大きさ及び枠のスパンは,のり枠工の目的,のり枠に作用するものとする。 する荷重に対する安全性,施工性等を考慮して決定するものとする。

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3-7-3-2 のり枠工の安定性の検討 3-8-3 のり枠工の安定のり枠工は、原則として、想定される荷重に対する安定性を検討しなければな のり枠工は,想定される斜面の移動土塊,自重及び枠内の中詰材料の重量に対

らない。 して安定でなければならない。

3-7-4 プレキャストのり枠工 3-8-4-1 プレキャストのり枠工プレキャストのり枠工は 斜面が平滑で比較的緩傾斜であり 斜面の侵食防止 プレキャストのり枠工は,のり切斜面が平滑であり,斜面の侵食,風化防止及、 、 、

風化防止又は緑化の基礎とする場合に設けるものとする。 び枠内緑化の基礎とする場合に計画するものとする。

3-7-5 現場打ちコンクリートのり枠工 3-8-4-2 現場打ちコンクリートのり枠工現場打ちコンクリートのり枠工は、斜面の崩壊を防止する場合に設けるものと 現場打ちコンクリートのり枠工は,のり面の崩落又はすべりを防止する場合に

する。 計画するものとする。

3-7-6 吹付コンクリート(モルタル)のり枠工 3-8-4-3 吹付式コンクリート(モルタル)のり枠工吹付コンクリートのり枠工は、斜面の崩壊防止、風化防止、侵食防止又は、緑 吹付式コンクリートのり枠工は,切取りのり面の侵食,風化防止及び緑化をす

化の基礎とする場合に設けるものとする。 るための基礎又はのり面崩壊等の予防のために計画するものとする。

3-8 グランドアンカー工 3-9 アンカー工3-8-1 グランドアンカー工の目的 3-9-1 アンカー工の目的

グランドアンカー工は、アンカーにより、地すべり性崩壊、斜面の崩壊防止 アンカー工は,斜面の崩壊防止及び工作物の安定の確保を目的とする。及び構造物の安定の確保を目的とする。 アンカー工は,斜面が著しく急な箇所にのり枠工を計画する場合,地すべり性

崩壊地等で背面の土圧が大きい箇所に土留工等を計画する場合等で,これらの工作物を現位置に確保し,その安全率を高める必要がある場合に計画するものとする。

3-8-2 グランドアンカー工の構造グランドアンカー工は、地盤に引張力を伝達させるアンカーと構造物によっ

て構成される。

3-8-3 グランドアンカー工の配置、打設角度グランドアンカー工は、目的に応じて、最も効果的な配置、打設角度を選定

するものとする。

3-8-4 グランドアンカー工の安定性の検討グランドアンカー工の計画に当たっては、想定される荷重に対する各部材、

構造物の安定性を検討しなければならない。

3-9 補強土工 3-10 補強土工補強土工は、土中に補強材を挿入して、地山斜面の安定性を向上させること 補強土工は,斜面の崩壊等を防止することを目的として,土中に補強材を配置

を目的とする。 して,地山あるいは盛土の安定を図るものとする。

3-10 張 工 3-7 張 工3-10-1 張工の目的 3-7-1 張工の目的

張工は、コンクリート等により斜面を被覆し、斜面の風化及び侵食、小規模 張工は,斜面の風化,侵食及び軽微なはく離,崩壊等を防止することを目的すな崩壊等を防止することを目的する。 る。

張工は,緑化工の施工が困難な場合に計画するものとする。

3-10-2 張工の種別 3-7-2 張工の種別張工の種別は、目的、現地の状況等を考慮して、最も適切な種別を選定する 張工の種別は,目的,地形等を考慮して,最も適切な種別を選定するものとす

ものとする。 る。

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3-11 モルタル(コンクリート)吹付工 3-11 モルタル(コンクリート)吹付工3-11-1 モルタル(コンクリート)吹付工の目的 3-11-1 モルタル(コンクリート)吹付工の目的

モルタル(コンクリート)吹付工は、吹付モルタル又は吹付コンクリートで モルタル(コンクリート)吹付工は,岩石が露出する等のために緑化が不可能斜面を被覆して、斜面の風化及び侵食の防止を図ることを目的とする。 な斜面に対し,モルタル又はコンクリートを吹き付けて,崩壊の拡大防止と斜面

の安定を図ることを目的とする。

3-11-2 モルタル(コンクリート)吹付工の構造 3 -11- 2 吹付け厚等1 モルタル(コンクリート)吹付工は、金網等を伏せて吹付モルタル又は吹 吹付けの厚さは,岩質及び気候条件を考慮して決定するものとする。付コンクリートの固定を図るものとする。 吹付工には,原則としてワイヤーラス又はワイヤーネットを伏せてモルタル又

2 モルタル(コンクリート)吹付工の吹付厚は、岩質や転石層等の状態及び はコンクリートの固定を図るものとする。また,ワイヤーラス等を所定の位置に気候条件を考慮して決定するものとする。 固定するためのアンカーピン等を要所に打ち込むものとする。

3 モルタル(コンクリート)吹付工は、背面の滞水等により崩落しないように適切な処理を行う。

3-11-3 水抜き等モルタル(コンクリート)吹付工には,背面に滞水しないよう水抜きを設ける

ものとする。, , ,施工地内又はその上部域に湧水等がある場合は 水路工 暗きょ工等によって

水を安全な方向に誘導しなければならない。

第4節 山腹緑化工 第4節 山腹緑化工4-1 山腹緑化工の目的 4-1 山腹緑化工の目的

山腹緑化工は、斜面の植生を回復させ、植生による被覆効果及び根系の緊縛 山腹緑化工は,斜面の植生の回復を図り,植生による被覆あるいは根系の緊縛効果により斜面の安定を図ることを目的とする。 効果により斜面の安定を図ることを目的とする。

4-2 緑化基礎工 4-2 緑化基礎工4-2-1 緑化基礎工の目的 4-2-1 緑化基礎工の目的

緑化基礎工は、植生の生育環境を整えることを目的とする。 緑化基礎工は,植生の生育環境を整えることを目的とする。

4-2-2 柵工 4-2-2 柵工4-2-2-1 柵工の目的 4-2-2-1 柵工の目的

柵工は、斜面表土の流亡等を防止するとともに、植栽木に良好な生育条件を 柵工は,斜面表土の流亡等を防止するとともに,植栽木に良好な生育条件を造造成することを目的とする。 成することを目的とする。

4-2-2-2 柵工の細別 4-2-2-2 柵工の種別柵工の細別は、現地の条件、期待する機能等を考慮して、最も適切な細別を 柵工の種別は,地形,設置位置,背面の荷重,施工性及び周囲の環境との調和

選定するものとする。 等を考慮して,最も適切な種別を選定するものとする。

4-2-3 筋工 4-2-3 筋工4-2-3-1 筋工の目的 4-2-3-1 筋工の目的

, , ,筋工は、斜面の雨水の分散を図り、地表侵食を防止するとともに、植生の早 筋工は 崩壊地斜面の雨水の分散を図り 山腹の地表侵食を防止するとともに期導入のため生育環境の改善を図ることを目的とする。 植生の生育環境を整え,早期導入を図ることを目的とする。

4-2-3-2 筋工の細別 4-2-3-2 筋工の種別筋工の細別は、現地の条件、期待する機能等を考慮して、最も適切な細別を 筋工の種別は,地形,土壌,気候条件,設置位置,背面の荷重,施工性及び周

選定するものとする。 囲の環境との調和等を考慮して,最も適切な種別を選定するものとする。

4-2-4 伏工 4-2-4 伏工

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4-2-4-1 伏工の目的 4-2-4-1 伏工の目的伏工は、降雨、凍上等による表土の侵食を防止し、植生の早期導入のため種 伏工は,降雨,凍上等による表土の侵食,崩落の防止,植生の発芽・生育環

子の発芽・生育環境の改善を図ることを目的とする。 境の改善を目的とする。

4-2-4-2 伏工の細別 4-2-4-2 伏工の種別伏工は、現地の条件、期待する機能等を考慮して、最も適切な細別を選定す 伏工は,地形,気候条件,併用工種,施工性,耐久性等を考慮して,最も適切

るものとする。 な種別を選定するものとする。

4-2-5 軽量のり枠工 4-2-5 軽量のり枠工4-2-5-1 軽量のり枠工の目的 4-2-5-1 軽量のり枠工の目的

軽量のり枠工は、雨水の分散を図り、表土の侵食を防止し、植生の早期導入 軽量のり枠工は,雨水の分散を図り,斜面の侵食を防止し,植生の早期導入をのため生育環境の改善を図ることを目的とする。 図ることを目的とする。

4-2-5-2 軽量のり枠工の細別 4-2-5-2 軽量のり枠工の種別軽量のり枠工は、現地の条件、期待する機能等を考慮して、最も適切な細別 軽量のり枠工の種別は,地形,気候条件,併用工種,施工性,耐久性などを考

を選定するものとする。 慮して,最も適切な種別を選定するものとする。

4-3 植生工 4-3 植生工4-3-1 植生工の目的 4-3-1 植生工の目的

植生工は、山腹基礎工及び緑化基礎工によって安定した斜面に植生を導入す 植生工は,山腹基礎工及び緑化基礎工によって安定した斜面に植生を導入するることを目的とする。 ことを目的とする。

4-3-2 実播工 4-3-2 実播工4-3-2-1 実播工の目的 4-3-2-1 実播工の目的

実播工は、播種によって早期に緑化を図ることを目的とする。 実播工は,播種によって早期に緑化を図ることを目的とする。

4-3-2-2 実播工の細別 4-3-2-5 実播工の種別実播工は、地形、土質条件、施工規模、施工条件及び緑化基礎工との関係な 実播工の種別は,筋実播,斜面実播,航空実播,種子吹付等とし,地形,土質

どを考慮して、最も適切な細別を選定するものとする。 条件,施工規模,施工条件及び緑化基礎工との関係などを考慮して,最も適切な種別を選定するものとする。

4-3-2-3 斜面実播工 4-3-2-5-2 斜面実播工斜面実播工は、原則として傾斜が緩やかで、湿潤な土砂の堆積地等土壌条件 斜面実播工は,原則として崩壊地内の傾斜が緩やかで,湿潤な土砂の堆積地等

が良好な箇所に計画するものとする。 土壌条件が良好な箇所に計画するものとする。

4-3-2-5-1 筋実播工筋実播工は,原則として崩壊斜面の勾配が比較的緩く土壌条件が良好な箇所又

は階段の上等降雨等による流亡・飛散のおそれが少なく発芽条件のよい箇所に計画するものとする。

4-3-2-4 航空実播工 4-3-2-5-3 航空実播工航空実播工は、大面積又は散在的に発生した崩壊地を応急又は緊急に緑化す 航空実播工は,大面積又は散在的に発生した崩壊地を応急又は緊急に緑化する

る必要がある場合、資材運搬手段が困難な場合等に航空機を使用することが最 必要がある場合,資材運搬手段が困難な場合等航空機を使用することが最も合理も合理的な場合に計画するものとする。 的な場合に計画するものとする。

4-3-2-5 機械吹付工 4-3-2-5-4 種子吹付工機械吹付工は、土壌条件の悪い急傾斜地の場合、大面積に早期全面緑化を図 種子吹付工は,土壌条件の悪い急傾斜地等で,種子や肥料の定着が困難な箇所

る必要がある場合等に計画するものとする。 の早期全面緑化を図る必要がある場合等で,他の工法によることが不適当な場合に計画するものとする。

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4-3-2-6 種子の種類及び組み合わせ 4-3-2-2 播種の種類の選択及び組み合わせ実播工に使用する種子の選択及び組み合わせに当たっては、それぞれの植物 実播工に使用する種子の選択及び組み合わせに当たっては,それぞれの植物の

の特徴を十分把握し、周辺環境を考慮の上、最も適切な組み合わせとなるよう 特徴を十分把握し,最も適切な組み合わせとなるように決定するものとする。に決定するものとする。

4-3-2-7 播種量 4-3-2-3 播種量実播工の播種量は、発生期待本数によって決定するものとする。 実播工の播種量は,発生期待本数によって決定するものとする。発生期待本数は、施工条件及び立地条件に応じたものでなければならない。 発生期待本数は,導入形態,施工形態,環境条件に応じたものでなければなら

ない。

4-3-2-8 播種の時期 4-3-2-4 播種の時期実播工は、植生の生育が確保されるように、適切な時期に実施するものとす 実播工の施工時期は,原則として春期とし,主体となる導入植生の発芽に必要

る。 な温度,水分が得られる範囲で,可能な限り早い時期に施工するものとする。春期以外の時期に施工する場合は,原則として植生の発芽,生育を保護する工法を併用するものとする。

4-3-3 植栽工 4-3-3 植栽工4-3-3-1 植栽工の目的 4-3-3-1 植栽工の目的

植栽工は、樹木を植栽して、森林を造成することを目的とするものとする。 植栽工は,樹木を植栽して,崩壊防止機能等の高い森林を造成することを目的とするものとする。

4-3-3-2 植栽計画 4-3-3-2 植栽計画植栽計画は、気象条件、土質・土壌条件等の立地条件に応じて、最も適した 植栽計画は,対象地域の土質,土壌の差異を調査して,施工平面図で区分し,

ものとなるよう作成するものとする。この場合、植栽工の施工によって将来的 それぞれの区画について最も適した樹種,植栽本数,混交割合,植栽方法等を選に造成しようとする森林の姿をあらかじめ目標林型として設定し、当該林型に 定して作成するものとする。到達するために必要な樹種、植栽密度、植栽方法等を計画するものとする。

4-3-3-3 植栽時期及び方法 4-3-3-3 植栽方法,時期植栽時期は、適期を選択するものとする。 植栽時期は,樹種に応じて適期を選択するものとする。植栽方法は、植栽木が効果的に生育できるように決定するものとする。 植栽方法は,原則として深耕植栽とする。

混植する場合の樹種の配列,植穴の大きさ及び間隔は,植栽木がそれぞれ効果的に生育できるように決定するものとする。

4-3-3-4 植栽樹種 4-3-3-4 植栽樹種, 。植栽樹種は、環境条件に適合し かつ 防災機能の高い種類を選定するもの 植栽樹種は 環境条件に適合しかつ防災機能の高い種類を選定するものとする、 、

とする。また、原則として複数の樹種を植栽するものとする。 立地条件が良好で確実な生育が見込まれる場合を除き,原則として複数の樹種を植栽するものとする。

4-3-3-5 植栽本数 4-3-3-5 植栽本数植栽本数は、原則として、土壌条件の良好な箇所では少なく、土壌条件の悪 植栽本数は,原則として,土壌条件の良好な箇所では少なく,土壌条件の悪い

い箇所では多くするものとする。 箇所では多く植栽し,山腹施工地が早期にうっぺいするように計画するものとする。

4-3-3-6 施肥 4-3-3-6 施肥施肥は、立地条件、植栽樹種等に応じて、肥料の種類及び量を決定するもの 施肥は,植栽地の立地区分及び植栽樹種等に応じてその種類又は量を決定する

とする。 ものとする。肥料の種類は,原則として遅効性のものを選択し,肥効が永続するような位置

に基肥として計画するものとする。

4-3-4 保育・管理

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植生工の施工後は、適切な保育・管理を行うものとする。

第5節 落石防止工 第5節 落石防止工5-1 落石予防工 5-1 落石予防工5-1-1 落石予防工の目的 5-1-1 落石予防工の目的

落石予防工は、落下のおそれのある浮石・転石又は亀裂の多い露岩を除去又 落石予防工は,落石のおそれのある転石又は亀裂の多い露岩を除去又は固定しは固定して、落石の発生を防止することを目的とする。 て落石の発生を防止することを目的とする。

5-1-2 斜面切取工 5-1-2 斜面切取工斜面切取工は、落石が発生するおそれのある斜面を浮石・転石を含めて切り 斜面切取工は,落石が発生するおそれのある斜面を浮石・転石を含めて切り取

取り、斜面を安定化させることによって、落石の発生を予防する場合に計画す り,斜面を安定化することによって,落石の発生を予防する場合に計画するものるものとする。 とする。

5-1-3 転石整理工 5-1-3 転石整理工転石整理工は、斜面にある不安定な浮石・転石を除去又は整理して安定化さ 転石整理工は,斜面にある不安定な浮石・転石を除去又は整理して安定化させ

せることによって、落石の発生を予防する場合に計画するものとする。 落石の発生を予防する場合に計画する。

5-1-4 被覆工 5-1-4 被覆工被覆工は、落石が発生するおそれのある斜面をのり枠工、モルタル吹付工等 被覆工は,落石のおそれのある斜面をのり枠工,モルタル吹付工等によって被

により被覆し、斜面の表面侵食、風化及び崩落を防止することによって、落石 覆し,斜面の表面侵食,風化及び崩落を防止し,落石を予防する場合に計画するの発生を予防する場合に計画するものとする。 ものとする。

5-1-5 固定工 5-1-5 固定工固定工は、落下するおそれのある岩石をワイヤー等を用いて固定することに 固定工は,落石のおそれのある岩石をワイヤー等を用いて固定するもので,急

よって、落石の発生を予防する場合に計画するものとする。 傾斜の岩盤等の斜面の落石を予防する場合に計画するものとする。

5-1-6 根固工 5-1-6 根固工根固工は、落下するおそれのある岩石の基部をコンクリート等で固定するこ 根固工は,落石のおそれのある岩石の下部をコンクリート等で固定して,移動

とによって、岩石の移動を予防するもので、岩石の基部に構造物を設けること を防止するもので,岩石下部に構造物を設けることができる場合に計画するものができる場合に計画するものとする。 とする。

5-2 落石防護工 5-2 落石防護工5-2-1 落石防護工の目的 5-2-1 落石防護工の目的

落石防護工は、落石の発生源から保全対象に至る山腹斜面において、落下す 落石防護工は,落石の発生源から保全対象に至る山腹斜面において,落石を直る岩石を抑止又は減殺することを目的とする。 接抑止することを目的とする。

5-2-2 落石防護工の種別 5-2-2 落石防護工の種別の選定落石防護工は、落石の形態、地形、保全対象との関連、施工性等を十分考慮 落石防護工の種別は,落石の形態,地形,保全対象との関連,施工性などを十

して、計画箇所の設置条件、使用条件に応じた適切な種別を選定するものとす 分考慮して,計画箇所の設置条件,使用条件に応じた適切な種別を選定するものる。 とする。

5-2-3 落石防護工の位置 5-2-3 落石防護工の位置,高さ落石防護工は、落石の形態、地形、保全対象の位置等を検討して、最も有効 落石防護工の位置は,落石の形態,地形,保全対象の位置等を検討して,最も

な位置に決定するものとする。 有効な位置に決定するものとする。落石防護工の高さは,予想される落石の跳躍高を想定して,対象とする落石が

捕捉可能な高さとするものとする。

5-2-4 落石防護工の高さ落石防護工は、予想される落石の跳躍高を想定して、対象とする落石が捕捉

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可能な高さに決定するものとする。

5-2-5 落石防護工の断面 5-2-4 落石防護工の安定計算に用いる荷重5-2-5-1 落石防護工の安定計算に用いる荷重 落石防護工の安定計算に用いる荷重は,原則として自重,土圧及び落石荷重と

落石防護工の安定計算に用いる荷重は、原則として自重、土圧及び落石荷重 する。とする。

5-2-5-2 落石防護工の安定性の検討 5-2-5 落石防護工の安定性の検討落石防護工は、想定される荷重に対する各部材、基礎工の安定性を検討しな 落石防護工は,想定される荷重に対する各部材,基礎工の安定性を検討しなけ

ければならない。 ればならない。

5-3 森林造成 5-3 森林造成5-3-1 森林造成の目的 5-3-1 森林造成の目的

森林造成は、落石のおそれのある山腹斜面に森林を造成し、樹木の根系によ 森林造成は,落石のおそれのある山腹斜面に森林を造成し,樹木の根系によるる緊縛効果、樹幹・土壌による落石エネルギー減勢効果により、落石発生の防 緊縛効果,樹幹による落石エネルギー減殺効果により,落石発生の防止又は軽減止又は軽減を図ることを目的とする。 を図ることを目的とする。

5-3-2 植栽工 5-3-2 植栽工植栽工は、根系の発達が良好で、樹幹が強く現地に適した樹種を植栽し、森 植栽工は,根系の発達が良好で,樹幹が強く現地に適した樹種を植栽し,早期

林を造成することを目的とする。 に森林の造成を図るものとする。

5-3-3 保育・管理 5-3-3 保育・管理落石防止のために森林造成を行った箇所は、適切な保育・管理を行うものと 落石防止のために森林造成を行った森林は,適切な保育・管理を行うものとす

する。 る。


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