正しく知ってきれいな
取り戻しましょう!を
クレナフィンを処方された患者さんへ
〈監修〉東京医科大学皮膚科学分野 教授坪井良治 先生
爪
1
爪白癬はどんな病気?
白癬菌というカビが爪に感染した爪の水虫です。
爪白癬は主に白癬菌という真菌が原因となる感染症です。白癬菌は感染する部位によって病名が変わり、足であれば足白癬、頭であれば頭部白癬、一般的には水虫といわれています。爪白癬は、足や手指に感染した白癬菌が放置され、爪にまで広がったもので、爪水虫といわれているものです。痛みやかゆみといった自覚症状がないため見過ごされがちですが、自分の体のほかの部位や家族などまわりの人にもうつる可能性があります。
爪白癬の爪の状態
白癬菌の侵入ルート
爪の幅いっぱいに爪の色が白色・黄色に変化し、爪が厚くなっている
【白癬菌(直接鏡検写真)】
爪の一部がくさび状に白色・黄色に変化している
爪の表面が白色に変化し、ざらざらしている
まれに、爪の表面に直接侵入する
足白癬の白癬菌が爪とその下の皮膚の間から侵入する
2
治療開始前
3ヵ月後
6ヵ月後
9ヵ月後
1年
きれいな爪に生えかわる
〈治療してきれいな爪に生えかわるまでのイメージ(足の爪の場合)〉
白癬菌に感染している
治療を始めると、根元からきれいな爪が徐々に生えてくる
爪白癬は治るの?
根気よく治療を続けましょう。
爪白癬の治療には、原因となる白癬菌を退治する薬が使われます。完治するには爪が生えかわるまでの時間がかかります。爪が完全に生えかわるには、手の爪で約半年、足の爪で約1年かかりますが、年齢やどの爪かによって爪が伸びる速さが異なるので、根気良く治療を続ける必要があります。
3
1足は丁寧に洗い、 しっかり乾燥させましょう。手指の爪白癬の場合も同様に、手指を清潔に保ちましょう。
軽石や硬いタオルで強くこすると傷がつくので、やさしく汚れを落としましょう。
毎日同じ靴を履かないで、何足かの靴を履き替えましょう。靴を乾燥させることも大切です。
靴や靴下は通気性のよいものを選びましょう。
足は丁乾燥さ手指同様同様保ち
し石や硬いタオルで強くこ石軽石石 硬 強石軽石と傷がつくのでとると 、やさしれをれ汚れ 落としましょう。
ナイロンタオル
5本指ソックス
軽石
日常で気をつけることはありますか?
足は毎日きれいに洗い、乾燥させましょう。
4
2お風呂の足ふきマットやスリッパ、サンダルの共用は避けましょう。洗濯するときは、 別々にする必要はありません。
白癬菌は、切った爪やはがれ落ちた足の皮の中でも生き続けます。爪を切るときはまわりに飛び散らないように注意し、床や畳はこまめに掃除をしましょう。
家族にうつさないために、室内も清潔に保ちましょう。
5
内服薬外用薬
爪
白癬菌
クレナフィン
Point!
どんな薬で治療するの?
外用薬と内服薬があります。
爪白癬の治療には抗真菌薬(白癬菌などの真菌を死滅させる薬)が用いられます。抗真菌薬には、塗って治す外用薬と、飲んで治す内服薬があります。あなたが処方されたお薬は外用薬の『クレナフィン』です。
クレナフィンは、エフィナコナゾールという有効成分が爪の中や爪の下に浸透し、白癬菌が潜む場所まで届くことで、増殖した白癬菌を死滅させることができます。
クレナフィンは、爪の中や爪の下に潜む白癬菌を殺菌する作用があります。
6
Point!
ハケ
クレナフィン
本体
キャップ爪全体に塗る
爪と皮膚の境界部分にも塗る
1
指先の爪と皮膚の境界部分にも塗る
3
皮膚についたクレナフィンはティッシュペーパーや綿棒などでふき取る
4
2
クレナフィンの使い方は?
クレナフィンは、1日1回
爪に塗りましょう。
清潔に洗った後、クレナフィンを1日1回医師から指示された爪に塗ってください。毎日、お風呂上がりに塗るとよいでしょう。爪と皮膚との境界部分を含め爪全体に十分に塗ってください。
根気よく毎日塗り続けることがきれいな爪への近道です。
7
燃えやすい液体を含むため、使用中や保存時は火気を避けてください。
誤って眼に入った場合は、直ちによく水洗いをしてください。
開封後4週間経過した残液は使用しないでください。
患部の周辺に傷口がある場合はしみることがあるので、注意してください。
使用後はきちんとキャップを閉めて、小さな子どもの手の届かないところで保管してください。
Check!
クレナフィンの注意点は?
「治った」と思って勝手に薬をやめないで!目に見えなくても、白癬菌は残っている可能性があります。医師の指示を守って治療を継続しましょう。
8
治療中の爪のお手入れは?
副作用が心配・・・大丈夫ですか?
●爪の肥厚がはげしい場合など、必要に応じてやすりや爪切りで爪の手入れを行いましょう。
●治療中の爪にはネイルエナメル、ジェルネイルなどを使用しないでください。
クレナフィンは、患部に直接塗ることで爪の中や爪の下の皮膚にいる白癬菌を殺菌するお薬です。副作用として、ときに水疱や皮膚炎などがお薬を塗った部分にみられることがあります。気になる症状があらわれた場合は、医師または薬剤師にご相談ください。
9
根気よく続けましょう!
白癬菌爪の水虫爪の水虫
足の水虫
再発させないためには?
足の水虫は冬になると症状がおさまり、治ったようにみえますが、必ずしも完治しているわけではありません。白癬菌は冬の間は潜んでいて、暖かくなってくると活動を始めます。白癬菌は足から爪、爪から足へと広がるため、爪白癬を再発させないために、足の水虫も一緒に治療しましょう。
爪白癬の原因となる足白癬は、家族内感染しやすいといわれています。家族の中に水虫の人がいる場合は、一緒に治療しましょう。
爪白癬は見た目がきれいになっていても、実際には白癬菌が残っていることもあるので、自己判断で薬をやめたりせず、医師の指示を守って治療を継続することが大切です。
●足の水虫の治療も一緒に行う必要があります。
●ご家族も一緒に治療しましょう。
●見た目だけで判断してはいけません。
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〈治療開始〉
年 月 日 年 月 日 年 月 日
年 月 日年 月 日 年 月 日〈治療終了〉
爪の状態を書き込んでおきましょう~感染している爪の部分に色を塗ってみましょう~
きれいな爪を目指して!
足の爪は、1ヵ月に約1.5mmずつ伸びてきます。きれいな爪に生えかわるには約1年(手の爪では約半年)かかるので、爪白癬の治療は、山頂でのきれいな景色を目指して一歩ずつ登る登山のように、根気よく続けることが大切です。1年後のきれいな爪を目指して、髪を整えたり、肌の手入れをするようにクレナフィンを塗ることを日課にしましょう。
※爪の伸びる速度は年齢やどの爪かによって異なります。また、爪白癬の程度により治療終了までの期間は違います。
病医院名
クレナフィンを塗る爪はここです。
2015年10月作成CLN36-15J-50-SG1