Download - 一生使える! 抗菌薬を使う前に 知っておきたいこ …...CTRX (or CTM) 抗菌薬を選ぶ際は緑膿菌カバーまで広げるかどうかが 重要なので、大腸菌ぽいか〃緑膿菌ぽいか分かれば良
抗菌薬を使う前に
知っておきたいこと
三重大学名張地域医療学講座
名張市立病院 総合診療科
谷崎隆太郎
一生使える!
2016年6月2日
三重大学大学院セミナー
抗菌薬投与前に考えること
1. 診断は?
2. 狙っている細菌は?
3. リスクと利益は?
「細菌」に使う薬である
抗菌薬とは細菌に抗う薬である あらが
細菌
プリオン
寄生虫
真菌
ウイルス
感染症診療の原則
① 患者背景
② 問題の臓器
③ 原因微生物
④ 適切な治療
⑤ 適切な経過観察
たったの5つ!
感染症診療の原則
① 患者背景
② 問題の臓器
③ 原因微生物
④ 適切な治療
⑤ 適切な経過観察
たったの5つ!
ある患者さん々々々
• 45歳 男性
• 38℃ 発熱〃前頭部痛〃鼻汁
問診 身体診察 感染症病名
頭痛,嘔気・嘔吐,後頸部痛,羞明感 意識障害,意識変容,髄膜刺激徴候,神経学的異常所見
髄膜炎,脳炎,脳膿瘍
咽頭痛 咽頭発赤,扁桃腫大 咽頭炎・扁桃炎
耳痛,耳閉塞感,耳漏,聴力低下 鼓膜混濁・発赤・腫脹 中耳炎
膿性鼻汁,前頭部痛,顔面痛,上顎痛 顔面叩打痛,前傾姿勢で症状増悪 副鼻腔炎
咳嗽,喀痰,呼吸困難 呼吸回数増加,SPO2低下,肺雑音 肺炎
腹痛(特に右上腹部痛),胆石の既往 腹部圧痛,Murphy徴候, 右季肋部叩打痛,黄疸
肝炎,肝膿瘍 胆嚢炎,胆管炎
下痢,嘔気・嘔吐,腹痛 腹部圧痛,腸蠕動音の異常 腸炎
腰背部痛,下腹部痛 膿尿,血尿,CVA叩打痛 腎盂腎炎
頻尿,残尿感,精巣痛 膿尿,血尿,前立腺圧痛,精巣腫大, 圧痛
前立腺炎,精巣上体炎
下腹部痛,異常帯下,不正性器出血,排尿困難
腹部圧痛,子宮頸部の圧痛 骨盤腹膜炎
皮膚または褥瘡周囲の疼痛,熱感,発赤,腫脹
皮膚の炎症所見,褥瘡からの浸出液増加,排膿
蜂窩織炎,褥瘡感染 壊死性筋膜炎
関節痛,関節腫脹 関節可動域制限,関節の可動時痛 化膿性関節炎
頸部痛,背部痛,腰痛,四肢しびれ,筋力低下,尿閉,失禁
脊椎叩打痛,四肢の筋力低下, 感覚障害,筋力低下,肛門括約筋弛緩
化膿性脊椎炎
たぶん
急性副鼻腔炎
急性副鼻腔炎
<抗菌薬投与について>
• 軽症例には抗菌薬を使用しないことを推奨〄
• 適応〆鼻炎症状が 7日 以上持続し〃臨床症状の改善が
ない場合〄強い顔面痛〃膿性鼻汁が見られる場合〄
• 処方例(成人)〆ゕモキシシリン 1回500mg 1日3回
5-7日間
急性副鼻腔炎診療ガイドライン2010年度版.日本鼻科学会. 谷崎隆太郎.レジデントノート2015年12月号,風邪薬の使いかた〜「かぜ」に抗菌薬を処方する?
※早期の症状緩和に寄与するので〃ステロド点鼻薬の
併用は推奨されている〄
Zalmanovici A, et al. Intranasal steroids for acute sinusitis. Cochrane Database Syst Rev 2009:CD005149.
ある患者さん々々々
• 84歳 女性
• 38℃ 発熱〃背部痛〃尿混濁
たぶん
急性腎盂腎炎
と〃いうように〃感染症の中でも 抗菌薬を使うべき感染症と 最初から抗菌薬を使うべきではない 感染症があります
軽症の中耳炎もね
重症じゃない急性副鼻腔炎の初期には
抗菌薬を「使わない」
重症度に関わらず急性腎盂腎炎なら
抗菌薬を「使う」
だから 診断 が大事!!
さらに々々々
抗菌薬が届くのか気にすべき臓器
① 中枢神経
② 眼
③ 前立腺
中枢神経感染症への抗菌薬投与量
通常投与量 中枢神経量
ゕンピシリン 1-2g 4-6時間ごと 2g 4時間ごと
セフトリゕキソン 1-2g 24時間ごと 2g 12時間ごと
セフォタキシム 1-2g 8時間ごと 2g 4時間ごと
セフェピム 1-2g 8~12時間ごと 2g 8時間ごと
メロペネム 1g 8時間ごと 2g 8時間ごと
(※正常腎機能)
Sanford guide 2016, John’s Hopkins Abx guide 2016
中枢神経感染症への抗菌薬投与量
通常投与量 中枢神経量
ゕンピシリン 1-2g 4-6時間ごと 2g 4時間ごと
セフトリゕキソン 1-2g 24時間ごと 2g 12時間ごと
セフォタキシム 1-2g 8時間ごと 2g 4時間ごと
セフェピム 1-2g 8~12時間ごと 2g 8時間ごと
メロペネム 1g 8時間ごと 2g 8時間ごと
(※正常腎機能)
Sanford guide 2016, John’s Hopkins Abx guide 2016
増量が必要!
1. 診断は?
2. 狙っている細菌は?
3. リスクと利益は?
抗菌薬投与前に考えること
だから 診断 が大事!!
とはいえ〃問診と身体診察でも
臓器が想定できなかった
場合は々々々?
問診と身体診察だけでは診断が
難しい感染症なのでは々々々?
と考えてみると良いです。
問診と身体診察だけでは診断が難しい感染症
感染症病名 診断方法
感染性心内膜炎 血液培養(3セット以上)
心エコー(経食道>胸壁)
急性胆管炎 採血で肝胆道系酵素上昇〃腹部エコー〃腹部CT
Clostridium difficile
感染症
便のCDトキシン検査
膿瘍(特に肝膿瘍〃腸
腰筋膿瘍〃子宮留膿腫
など)
腹部造影CT検査〃腹部エコー
特発性細菌性腹膜炎 腹水検査(白血球数〃グラム染色々培養)
眼内炎 眼底検査〃血液培養
感染性大動脈瘤 血液培養〃大血管造影CT
※マラリゕやデング熱などの熱帯感染症も
1. 診断は?
2. 狙っている細菌は?
3. リスクと利益は?
抗菌薬投与前に考えること
とにかく 診断 を
うやむやにしない!!
抗菌薬投与前に考えること
1. 診断は?
2. 狙っている細菌は?
3. リスクと利益は?
感染症診療の原則
① 患者背景
② 問題の臓器
③ 原因微生物
④ 適切な治療
⑤ 適切な経過観察
たったの5つ!
ある患者さん々々々
• 65歳男性
• 昨日からの 37.8℃ 発熱〃咽頭痛〃鼻汁
• バタルサン安定〃SpO2: 99% (room)
• 咽頭発赤あり〃頸部リンパ節腫脹なし〄
(たぶん) かぜ
かぜの主な原因微生物
• ラノウルス
• コロナウルス
• パランフルエンザウルス
• RSウルス
• ンフルエンザウルス
• ゕデノウルス など
かぜと診断したら
抗菌薬は使わない
例えば肺炎々々々
• 84歳 女性
• 38℃ 発熱〃咳〃痰
• 肺炎
肺炎の原因菌は?
(例) 市中肺炎の原因菌
•肺炎球菌 • ンフルエンザ菌
• モラキセラ々カタラーリス
染まる
染まらない • マコプラズマ
• クラミドフゖラ
• レジオネラ
グラム染色
グラム染色
肺炎球菌
ンフルエンザ菌
モラキセラ グラム陽性球菌
グラム陰性桿菌
グラム陰性球菌
グラム染色
染まる
肺炎球菌
ンフルエンザ菌
モラキセラ グラム陽性球菌
グラム陰性桿菌
グラム陰性球菌
グラム染色
染まる ペニシリンG
ゕンピシリン
βラクタマーゼ阻害剤
配合ペニシリン
第3世代セフェムなど
(例) 市中肺炎の原因菌
•肺炎球菌 • ンフルエンザ菌
• モラキセラ々カタラーリス
染まる
染まらない • マコプラズマ
• クラミドフゖラ
• レジオネラ
マクロラド
テトラサクリン
フルオロキノロン
βラクタム剤
(ペニシリン系〃セフェム系〃カルバペネム系)
は効かない
Q. では〃肺炎の患者には全例〃βラクタム系に
マクロラド系(やテトラサクリン系など)
の薬剤を併用すべきか??
ICUに入室しない市中肺炎
N Engl J Med 2015;372:1312-23
レジメン 例数 90日死亡率
(有意差なし)
βラクタム単独 656 9.0%
βラクタム+マクロラド 739 11.1%
フルオロキノロン 888 8.8%
βラクタム単剤でOK
非定型肺炎は全体の2.1%
重症例での意義は不明
<βラクタム系> • ペニシリン系 • セフェム系 • カルバペネム系
注〆本研究では
18歳以上の例に限る
例えば尿路感染症
① 患者背景
② 問題の臓器
③ 原因微生物
④ 適切な治療
⑤ 適切な経過観察
腎盂
前立腺
精巣上体
大腸菌
緑膿菌
尿路感染症
原因菌
市中感染 大腸菌>>クレブシエラ〃プロテウス
医療関連感染 大腸菌>緑膿菌〃腸球菌
①急性腎盂腎炎
②急性前立腺炎
③急性精巣上体炎
(発熱していれば々々々)
臓 器
微生物
大腸菌 緑膿菌
尿グラム染色所見
大腸菌 緑膿菌
抗緑膿菌作用のある抗菌薬 (CAZ, CFPM, PIPC/TAZ, LVFXなど)
ST合剤 CTRX (or CTM)
抗菌薬を選ぶ際は緑膿菌カバーまで広げるかどうかが
重要なので、大腸菌ぽいか〃緑膿菌ぽいか分かれば良
い
感染症病名 細菌が原因となる場合の主な原因菌
髄膜炎 肺炎球菌〃髄膜炎菌
(50歳以上〃新生児〃免疫不全ではリステリゕも)
咽頭炎 レンサ球菌(A群〃C群)〃Fusobacterium necrophorum〃
中耳炎 肺炎球菌〃ンフルエンザ菌
副鼻腔炎 肺炎球菌〃ンフルエンザ菌
肺炎 肺炎球菌
胆嚢炎〃胆管炎 大腸菌〃Klebsiella pneumoniae〃嫌気性菌〃腸球菌など
腸炎 カンピロバクター〃サルモネラ〃ビブリオ〃病原性大腸菌
腎盂腎炎〃前立腺炎〃
精巣上体炎 大腸菌〃Klebsiella pneumoniae〃Proteus属
骨盤腹膜炎 大腸菌〃Klebsiella pneumoniae〃Proteus属
蜂窩織炎 黄色ブドウ球菌〃レンサ球菌
化膿性関節炎 黄色ブドウ球菌〃レンサ球菌
化膿性脊椎炎 黄色ブドウ球菌〃大腸菌〃レンサ球菌〃コゕグラーゼ陰性ブド
ウ球菌など
抗菌薬投与前に考えること
1. 診断は?
2. 狙っている細菌は?
3. リスクと利益は?
抗菌薬投与前に考えること
1. 診断は?
2. 狙っている細菌は?
3. リスクと利益は?
感染症診療の原則
① 患者背景
② 問題の臓器
③ 原因微生物
④ 適切な治療
⑤ 適切な経過観察
たったの5つ!
• 急性副鼻腔炎
• 肺炎
• かぜ
• 尿路感染症(例〆急性腎盂腎炎)
今日出てきた感染症
々々々抗菌薬を使う?
• 急性副鼻腔炎
• 肺炎
• かぜ
• 尿路感染症(例〆急性腎盂腎炎)
今日出てきた感染症
々々々抗菌薬を使う?
使わない
使う
もし細菌感染症だった場合〃
悪くなったら嫌だから
「とりあえず抗菌薬を使う」
もし細菌感染症じゃなかった場合〃
有害事象が出たら嫌だから
「とりあえず抗菌薬を使わない」
抗菌薬を使うか使わないかは〃基本的には
リスクとベネフゖットの天秤です
風邪に抗菌薬いらないっていうけど〃
後で肺炎でも起こしたら怖いし々々々
よし〃抗菌薬を予防投与しとくか!!
OUT〜!!
かぜに抗菌薬を使うメリット(?)
NNT 12255
NNT 4000
上気道炎後の肺炎
咽頭炎後の扁桃周囲膿瘍
中耳炎後の乳突蜂巣炎
を1人予防するのに々々々
(以下同文)
かぜ後の肺炎を1人予防するのに 12255処方必要
Ann Fam Med 2013;11:165-72 BMJ 2007;335:982
それでもオレはかぜに抗菌薬を使うッ!!
主な副作用 頻度 4000人に抗菌薬を
投与したら
ゕナフゖラキシー 0.01 % 0.4 人
皮疹 1~3 % 40~120 人
下痢 1~19 % 40~760 人
山本舜悟編著。かぜ診療マニュゕルより
1人の合併症を予防するために〃
これだけの副作用を許容すべきか
「え?でも〃この間かぜに抗菌薬出したら
治ってたんですけど々々々」
「やっぱりかぜに抗菌薬て効くんじゃ
ないですか?」
OUT〜!!
3た論法
かぜに抗菌薬使った〄
かぜが治った〄
だから抗菌薬が効いた〄
かぜに抗がん剤使った〄
かぜが治った〄
だから抗がん剤が効いた〄
かぜにネギ巻いた〄
かぜが治った〄
だからネギが効いた〄
自然に治ったの
では?
(ダメな例です〃念のため)
※実際に試しましたが〃ネギ、臭いっす! 谷崎隆太郎.レジデントノート2015年12月号,風邪薬の使いかた〜「かぜ」に抗菌薬を処方する?
大切なのは患者の心情だったりする
患者が医師の共感を感じると
かぜ症状が1日早く良くなる
Fam Med 2009;41:494-501
もし細菌感染症だった場合〃
悪くなったら嫌だから
「とりあえず抗菌薬を使う」
もし細菌感染症じゃなかった場合〃
有害事象が出たら嫌だから
「とりあえず抗菌薬を使わない」
とにかくバランス感覚をもって
診療することが大事
抗菌薬の主なリスク • ゕレルギー(ゕナフゖラキシー〃薬疹)
• 薬剤熱
• 下痢(特に Clostridium difficile 腸炎)
• 肝障害
• 腎障害
• 血球減少
• 電解質異常
• 血糖異常
• QT延長症候群など
マクロラドと心臓 (QT延長)
• 65歳以上で〃AZM の使用が心血管ベント増加と関連〄
90日死亡リスクは低下〄 JAMA 2014;311:2199-2208
• AMI or 狭心症と診断された退院後の18~85歳の患者に
CAM 使うと全死亡リスク〃心血管リスク増加〄
BMJ 2006;332:22-27
• COPD急性増悪へのCAM使用が ACS リスクを1.67倍
増加させる〄 BMJ 2013;346:f1235
マクロラドとその他のリスク
(例)マクロラドとスタチンを併用すると横紋筋融解症に
よる
入院2.17倍〃急性腎障害1.78倍〃総死亡1.56倍〄 Ann Intern Med 2013;158:869-876
CYP3P4阻害作用のせいで相
互作用を起こす薬剤が多い
キノロンとリスク
• キノロン系抗菌薬の使用でぶどう膜炎発症リスクが増加
JAMA Ophthalmol 2015;133:81-4
aRR 95% CI
モキシフロキサシン 2.98 1.80-4.94
シプロフロキサシン 1.96 1.56-2.47
レボフロキサシン 1.26 0.90-1.77
• キノロン系抗菌薬の使用で不整脈と全死亡が増加
Ann Fam Med 2014;12:121-7
• キノロン系抗菌薬の使用で網膜剥離が増加
JAMA 2012;307:1414-19
キノロンと肺結核
• キノロン(クラビット®など)は肺結核に奏功する〄
• キノロン単剤では肺結核は治療できない〄
• 肺結核診断前にキノロンが使用されると〃
死亡率が1.8倍増加する。
Int J Tuberc Lung Dis 2012;16:1162-7
その他の抗菌薬リスク
• スピロノラクトン内服中の患者にST合剤を使うと
全死亡リスクが 2.46 倍増加。 CMAJ 2015;187:E138-143
• メトロニダゾール投与で末梢神経障害~脳症。
Clin Neuropharmacol 2011;34:241-7
Lancet 2007; 369:482-90
• AZM 500mg/day 3日間投与された人の 40%.
CAM 500mg×2/day 7日間投与された人の 46%が投与
半年後
でもマクロラド耐性レンサ球菌が検出される。
(医薬品医療機器総合機構PMDAからの医薬品適正使用のお願い.No. 8, 2012年4月.)
ピボキシル基を有する抗菌薬
一般名 主な商品名® Bioavailability
セフカペンピボキシル フロモックス 不明(20-30%?)
セフジトレンピボキシル メゕクト 16%
セフテラムピボキシル トミロン 記載なし
テビペネムピボキシル オラペネム
マウス〆 71.4%
ラ ッ ト〆 59.1%
ヌ〆 34.8%
サ ル〆 44.9%
※オラペネムのデータはンタビューフォームより抜粋
内服抗菌薬はそもそも
吸収されないと
意味がない
Bioavailability の高い抗菌薬
一般名 主な商品名® Bioavailabilit
y
ゕモキシシリン サワシリン 90%
ゕモキシシリン々
クラブラン酸 オーグメンチン 90/60%
セフゔレキシン ケフレックス 99%
スルフゔメトキサゾール々
トリメトプリム バクタ 98%
メトロニダゾール フラジール 100%
クリンダマシン ダラシン 90%
レボフロキサシン クラビット 99%
主な商品名® 通常量 Bioavailabilit
y
サワシリン 1回500mg 1日3回 90%
オーグメンチン
1回1錠 1日3回 ※サワシリン1回250mg1日3回を
追加してAMPCの1日量を1500mg
にする
90/60%
ケフレックス 1回500mg 1日3回 99%
バクタ 1回2錠 1日2回 98%
フラジール 1回500mg 1日3回 100%
ダラシン 1回300-600mg 1日3回 90%
クラビット 1回500mg 1日1回 99%
第3世代セフェム系内服薬
抗菌薬 Bioavailabili
ty 代替薬
セフカペン々ピボキシル
(フロモックス®) 20-30% AMPC, ST合剤
セフジニル
(セフゾン®) 16% AMPC, ST合剤
セフジトレン
(メゕクト®) 16% AMPC, ST合剤
セフポドキシム
(バナン®) 50% AMPC, ST合剤
セフゖキシム
(セフスパン®) 50% AMPC, ST合剤
(Burke A, et al. Antibiotics Essentials. 12th edition, 2013.)
第3世代セフェム系内服薬の問題点
肺炎球菌の遺伝子変異 (pbp2x)を誘導し〃
PISP や PRSP などの耐性を誘導する
髄液検体 PRSP PISP
(Pbp2x変異) PSSP
小児 45 % 28%
(16%) 21%
成人 29 % (26%) 31%
千葉ら.日本化学療法学会雑誌 2003; 51:551-560
感冒への第3世代セフェム系抗菌薬投与後に発症し
中毒性巨大結腸症を呈した
市中発症の Clostridium difficile 腸炎の一例
東京高輪病院 小俣智子ら
第86回日本感染症学会西日本地方会学術集会々第59回日本感染症学会
中日本地方会学術集会々第64回日本化学療法学会西日本支部総会
研修医セッション
「いやあ〃なんか複雑ですね々々々」
「でも〃そういう副作用が改善された新しい薬が
開発されたら安心ですよね?」
「やっぱ使うなら新しい薬ですよねー」
OUT〜!!
新規抗菌薬
副作用や効果の評価が不十分
NEJM 2006;354:1352-61.
他の領域でも々々々
抗菌薬投与前に考えること
1. 診断は?
2. 狙っている細菌は?
3. リスクと利益は?
メリット
デメリット
いざ!抗菌薬を使うときも
いつも心に天秤を々々々