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研究実施計画書(観察研究・既存試料・情報のみを使用)
研究課題名
小児期発症遺伝性筋疾患診断における尿中タイチン測定試薬の
臨床性能の評価研究
(臨床試験登録番号: )
氏名:粟野 宏之
所属:神戸大学大学院医学研究科内科系講座小児科学分野
TEL: 078-382-5111(内線: 6090)
FAX: 078-382-6099
E-mail: [email protected]
研究代表者
事務局名 神戸大学小児科医局
事務局住所 650-0017 神戸市中央区楠町 7-5-2
TEL: 078-382-6090
FAX: 078-382-6099
E-mail: [email protected]
研究事務局
版 数:第 1.1版
作成日: 2019年 9月 11日
機密保持のお願い
本研究実施計画書に記載の情報は、神戸大学大学院医学研究科内科系講座小児科分野 粟
野 宏之もしくは神戸大学大学院医学研究科内科系講座小児科学分野 所有の機密情報で
あり、本臨床研究の関係者(研究責任者及び研究分担者並びにその指名者、倫理審査委員
会等)に、本研究に関連する目的に限定して提供しています。本文書の提供を受けた者は
、本研究に参加する被験者の同意を取得するために必要な場合を除き、粟野 宏之の文書
による事前の同意を得ずに第三者に開示することはできません。本文書は、倫理審査委員
会等が内容を審査し、研究を実施する目的以外には使用できません。
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目次
I. 概要 .................................................................................................................................................. 3
1 .研究の背景 ...................................................................................................................................... 4
2 .研究の目的 ...................................................................................................................................... 4
3 .研究の方法 ...................................................................................................................................... 4
3.1 研究のデザインと概要 .................................................................................................................................. 4
3.2 研究対象者の選定方針 .................................................................................................................................. 5
3.3 観察の対象となる検査方法 ........................................................................................................................... 5
3.4 観察および検査項目とその実施方法 ............................................................................................................ 5
3.5 予定する研究対象者数 .................................................................................................................................. 6
3.6 対象者数の設定根拠 ..................................................................................................................................... 6
3.7 アウトカム評価 ............................................................................................................................................. 6
3.8 アウトカムの定義 ......................................................................................................................................... 6
3.9 統計解析方法 ................................................................................................................................................ 7
3.10研究の変更、停止・中止、終了 .................................................................................................................. 7
3.11 研究実施期間 .............................................................................................................................................. 7
3.12 他機関への試料・情報の提供 ..................................................................................................................... 7
4 .インフォームド・コンセントを受ける手続き ................................................................................ 8
5 .個人情報等の取扱いと匿名化の方法 .............................................................................................. 9
6 .研究対象者に生じる負担、予測されるリスクと利益、負担及びリスクを最小化する対策 .......... 11
6.1 研究対象者に生じる負担 ............................................................................................................................ 11
6.2 予測されるリスク ....................................................................................................................................... 11
6.3 予測される利益 ........................................................................................................................................... 11
6.4 総合的評価並びに当該負担及びリスクを最小化する対策 .......................................................................... 11
7 .試料・情報等の保管方法及び廃棄の方法 ..................................................................................... 11
8 .研究機関の長への報告内容及び方法 ............................................................................................ 12
9 .研究の資金源等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況 ................................................. 12
1 0 .研究計画の登録 ........................................................................................................................ 12
1 1 .研究成果の帰属と結果の公表 .................................................................................................. 12
1 2 .本研究で得られた試料・情報を将来の研究に用いる可能性 .................................................... 13
1 3 .研究組織 ................................................................................................................................... 13
13.1研究機関 .................................................................................................................................................... 13
13.2研究対象者等及びその関係者からの相談等への対応方法 ......................................................................... 13
13.3委託業務内容及び委託先の監督方法 ......................................................................................................... 13
1 4 .参考資料・文献リスト ............................................................................................................. 14
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I. 概要
i. シェーマ
対象:小児の遺伝性筋疾患患者及び健常小児
診断薬に求められる要求事項を満たした尿中タイチン測定試薬を用いて、対象の尿中タイ
チン濃度の測定を行う。
疾患と尿中タイチン濃度との関係を解析し、尿中タイチン濃度測定の筋疾患診断における
臨床的意義を検証する。
尿中タイチン濃度測定による小児期発症筋疾患の鑑別診断法を確立する。
ii. 目的
尿中タイチン測定試薬を用いて、小児の筋疾患患者の尿中のタイチン濃度の測定を行い、本試薬の健
常人と遺伝性筋疾患患者の判別能を検証する。この結果は、本試薬の厚生労働省への体外診断用医薬
品製造販売承認申請資料の臨床性能試験成績に関する資料として使用する。
iii. 対象
以下の基準を満たした患者を本試験の対象とする。
①遺伝性筋疾患と診断が確定されている小児患者(0〜8歳)
②健常小児(0〜8歳)
iv. 方法
①バリデーション済み(下記の条件を満たす)の尿中タイチン測定試薬を用いて、対象より採取した尿
検体(-20℃保存)のタイチン濃度を測定する。
(1)試薬の仕様(添付資料 1)が設定され、仕様を満たすことが検証されている。
(2)原材料の規格及び製造方法が確立されている。
(3)品質管理方法が確立している。
②対象の尿中タイチン濃度の分布を明らかにする。
③尿中タイチン濃度の測定が、既存項目( CK,ALT,AST,LDH,Cr)よりも臨床的に有用であることも検証
する。
④尿中タイチン濃度の測定が、小児の遺伝性筋疾患患者の鑑別診断において有用であることを検証す
る。
v. 研究期間
倫理委員会承認日 ~ 2022年 3月 31日
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1 .研究の背景
これまで、筋壊死を主な病態とする筋ジストロフィーのような疾患において、血清クレアチンキナー
ゼが筋壊死の程度を示す指標として用いられてきた。しかしながら、血清クレアチンキナーゼ値は小児
の年齢、検査前の身体活動の程度、筋痙攣など筋壊死以外の要因から大きく影響を受けるため、その値
は筋壊死の程度を必ずしも正確に反映したものではなかった。
近年、プロテオーム解析による Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)患者と健常人の尿中タンパクの比
較から、遺伝性筋疾患患者尿中にタイチンの分解産物が存在することが報告された(引用文献 1)。この
結果を受けて我々は、尿中タイチンの測定系を開発し(引用文献 2)、尿中タイチン濃度が筋疾患の診断
に有用であるかを検討した。その結果、尿中のタイチン濃度が DMD患者で健常人の約 700倍
( DMD: 965.8±1011.9pmol/mgCr、健常者: 1.4±0.8pmol/mgCr)になることが確認され、DMD診断
の有用なバイオマーカーになる可能性を有することを報告(引用文献 3)した。
本研究の目的は、体外診断薬に要求されている性能、製造方法、品質管理方法に関するバリデーショ
ンが終了している試薬を用いて、小児の筋疾患患者を対象に尿中タイチン濃度の測定を行い、尿中タイ
チン濃度が小児の遺伝性筋疾患の診断に有用であることを検証するものである。この研究の成果が、尿
中タイチン濃度測定試薬の厚生労働省への体外診断用医薬品製造販売承認申請資料の臨床性能試験成績
に関する資料として使用されることによって、本試薬が診断薬として承認されると、従来から筋疾患の
指標に用いられている血清クレアチンキナーゼよりも臨床的に特異性の高い新規の診断マーカーとして
医療現場で使用されることが期待される。さらに重要なことは、尿を用いた非侵襲的な検査であること
から、小児にとって苦痛のない検査法になることである。
2 .研究の目的
体外診断薬に要求されている性能、製造方法、品質管理方法に関するバリデーション済みの試薬を用いて
、小児の筋疾患患者を対象に尿中タイチン濃度の測定を行い、尿中タイチン濃度の測定が小児の遺伝性筋
疾患の診断に有用であることを検証する。更に、この成果を、尿中タイチン測定試薬の厚生労働省への体
外診断用医薬品製造販売承認申請資料の臨床性能試験成績に関する資料として使用する。
3 .研究の方法
3.1研究のデザインと概要
①バリデーション済みの試薬を用いて、小児( 0〜8歳)の筋疾患患者及び健常小児の尿中のタイチン
濃度を測定する。
②尿中タイチン濃度と筋疾患の臨床的病型との関係を比較検討する。
③筋疾患の指標として用いられている既存の検査項目と比較を行う。
④ROC曲線よりカットオフ値(病態識別値)を求め、診断における感度、特異度を決定する。
⑤尿中タイチンの日内変動を観察し、臨床利用の実用性を検証する。
⑥遺伝子検査との相関(陽性一致率、陰性一致率、全体一致率)を求める。
⑦尿中タイチン濃度測定による小児期発症遺伝性筋疾患の鑑別診断法を確立する。
☐神戸大学単独、■多施設共同(神戸大学主管)、☐多施設共同(他施設主管)
☐既存情報の神戸大学での利用
☐既存試料・情報の神戸大学での利用
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■既存試料・情報の他機関への提供 (■国内、☐海外)
☐既存試料・情報の他機関からの取得
3.2研究対象者の選定方針
神戸大学医学部附属病に入院中あるいは通院中の小児の筋疾患患者
株式会社免疫生物研究所で募集される小児ボランティアの尿提供協力者
3.2.1選択基準
1)臨床的病型が確定した 0〜8歳の小児の遺伝性筋疾患患者
2)文書で同意の得られた健常小児
健常小児とは、重篤または慢性疾患の既往のない例と定義する。
重篤な疾患とは、その疾患の自然歴における生命予後が 20歳以下の疾患とする
慢性疾患とは、月に 1回以上の定期受診を 3年以上にわたって必要とする場合とする
3.2.2除外基準
遺伝性筋疾患患者について
本研究に対して不参加の申し出があった遺伝性筋疾患患者
健常小児について
同意が得られない
健常小児の定義を満たさない場合
3.3観察の対象となる検査方法
ELISAキットを用いて尿中タイチンを測定する。
尿中タイチン濃度は、尿中クレアチニンを測定し pmol/mgCrで表す
遺伝性筋疾患患者の臨床資料はカルテから取得する
健常小児ボランティアの年齢、性別については問診で取得する
尿を採尿容器に約 10mL採取し、採尿後 8時間以内に分注を行い、試料容器で-20℃で凍結保管し、
保冷バックを用いて(株)免疫生物研究所藤岡研究所に配送。
(株)免疫生物研究所藤岡研究所で、尿中タイチン濃度、尿クレアチニン濃度を測定する。
3.4観察および検査項目とその実施方法
3.4.1 観察および検査項目
遺伝性筋疾患患者について以下の項目について、既存の情報を取得する。
1)患者基本情報:年齢、性別、診断名
2)臨床検査項目(血清 CK,ALT,AST,LDH,Cr)
3)遺伝子検査結果
3.4.2 検体採取方法
健常小児ボランティアについて以下の項目について取得する
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年齢、性別
新たに尿を採取(尿中タイチン濃度、尿中クレアチニン)
※採尿は 1週間以上の間隔を空けて 2回以上行う。
健常小児尿の採取は、株式会社免疫生物研究所と神戸大学医学部附属病院にてボランティア募集を行う。ボラン
ティア採尿は応募された協力者に研究内容を十分に説明し、文書による同意を得たうえで行う。協力者の募集は
研究代表者が実施し、研究参加者あるいは不参加者が特定されることがないように配慮する。
遺伝性筋疾患患者では 2016年以降から保存されている尿を使用する。
3.5予定する研究対象者数
遺伝性筋疾患患者 55名
( Duchenne型筋ジストロフィー、Becker型筋ジストロフィー、福山型筋ジストロフィーなど)
健常小児: 15例
3.6対象者数の設定根拠
厚生労働省への体外診断用医薬品製造販売承認申請資料の臨床性能試験成績に関する資料として使
用する場合は、臨床診断上の意義の根拠となる臨床試験の試験成績を記載する必要があり、施設及び
検体数は原則として2施設以上150検体以上(正常範囲の検体も含む)となっている。 但し、希少疾患
を対象にした臨床性能評価は必ずしもこの限りでない。
本研究は①対象が希少疾患であること②統計学的な解析が可能であることを考慮して、目標とする対
象者数を70例(遺伝性筋疾患の患者:55と健常小児:15)とした。
3.7アウトカム評価
3.7.1アウトカム
尿中タイチン濃度
3.7.2暴露もしくは予測因子
遺伝性筋疾患の診断の有無
3.7.3交絡因子
年齢
疾患(遺伝性筋疾患の病名。たとえばデュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィ
ーなど)
検体採取時間
3.8アウトカムの定義
小児筋疾患患者を疾患保有群とし、健常小児を基準個体群として、それぞれの尿中タイチン濃度か
ら ROC曲線を描く。カットオフ値(病態識別値)を設定したときに、尿中タイチン濃度の疾患判別能が
感度: 95%以上、特異度: 95%以上となった場合に、尿中タイチン濃度が筋疾患の鑑別診断に有用と判
断する。
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3.9統計解析方法
3.9.1解析対象集団
選択基準を満たし、除外基準に抵触しない、登録されたすべての研究対象者を対象とする。
3.9.2研究対象者背景の解析
・年齢、性別
・臨床的病型
・既存マーカー(血清 CK,ALT,AST,LDH)の値
3.9.3主要アウトカムに対する解析
健常小児と遺伝性筋疾患患者の尿中タイチン濃度を比較する。
健常小児と遺伝性筋疾患患者の尿中タイチン濃度を基に ROC曲線( ReceiverOperating
Characteristiccurve)を作成し、疾患判別能が感度: 95%以上、特異度: 95%以上となる値をカ
ットオフ値として設定する。
このカットオフ値を基準に、尿中タイチン濃度がカットオフ値以上である症例は遺伝性筋疾患に
罹患している可能性が極めて高いと判断する。
3.10研究の変更、停止・中止、終了
3.10.1研究の変更
研究計画書を変更する場合、研究責任者、研究機関の研究責任者は、倫理委員会等の審査を経て
研究機関の長の承認を得る。
3.10.2研究の停止・中止
下記に該当した場合は研究全体を中止する臨床研究責任者は、研究を中止したときには、中止及
びその理由、結果概要を文書により遅滞なく研究機関の長に報告する。
1)臨床研究実施医療機関の倫理委員会等が研究を継続すべきでないと判断した場合
2)研究の安全性に疑義が生じた場合
3)研究の倫理的妥当性や科学的妥当性を損なう事実や情報が得られた場合
4)研究の実施の適正性や結果の信頼を損なう情報や事実が得られた場合
3.10.3研究の終了
研究責任者は、研究終了後、研究実施機関の長に研究が終了した旨および研究結果の概要を文書で
報告する。研究実施機関の長は、研究の終了の旨を倫理審査委員会等に対して速やかに文書で通知す
る。
3.11研究実施期間
倫理委員会承認日 ~ 2022年 3月 31日
3.12他機関への試料・情報の提供
本研究では、神戸大学大学院医学研究科内科系講座小児科学分野に保存されている尿検体と患者の臨
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床情報が、下記の共同研究機関へ送付される。
共同研究機関で尿中タイチン濃度の測定が行われ、患者情報を基に、尿中タイチン濃度と遺伝性筋疾
患患者との関係を解析する。
共同研究機関:株式会社免疫生物研究所
群馬県藤岡市中字東田 1 0 9 1 番地 1 TEL: 0274-22-2889
本研究においては、本計画書及び「表 情報の提供に関する事項」をもって、情報の提供に関する
記録の代用とする。また、本研究では、研究代表者が当該記録を紙媒体で神戸大学大学院医学研究科
内科系講座小児科学分野に保管することにより、各実施医療機関による記録の作成・保管の義務を代
行する。さらに、研究代表者は、各実施医療機関の求めに応じて、記録の確認をできる体制を構築す
る。
表 試料・情報の提供に関する事項
研究対象者の同意の取得状況遺伝性筋疾患患者に対してはオプトアウト
健常小児ボランティアは文書を用いた同意
試料・情報の提供方法尿検体:-20℃で凍結保管し保冷で配送する
情報:尿
試料・情報取得の経緯
「3.4.2 検体採取方法」を参照
遺伝性筋疾患患者は、神戸大学大学院医学研究科内科系講
座小児科学分野において診療の過程で取得
健常小児ボランティアは、新たに取得
試料・情報の項目 「3.4観察および検査項目とその実施方法」
提供元の研究機関の研究責任者の氏名 「13.1研究機関」の提供元の研究機関を参照
提供先の研究機関の研究責任者の氏名
(研究責任者)丸山 順裕
提供先の研究機関の名称
(研究代表施設)株式会社免疫生物研究所 藤岡研究所
4 .インフォームド・コンセントを受ける手続き
本研究の対象のうち遺伝性筋疾患患者については既存試料・情報を他機関へ提供する観察研究であるた
め、個々の研究対象者に対し文書による同意を求めることはしない。ただし、本研究に関する情報公開を
適切に行い、研究対象者が本研究への登録を拒否する機会を設ける。本研究における拒否する機会として
郵送または電話にて対応する。健常小児ボランティアに関しては個々の研究対象者に対し文書による同意
をえる。
神戸大学大学院医学研究科内科系講座小児科学分野
准教授 粟野 宏之
〒650-0017神戸市中央区楠町 7丁目 5番 1号
TEL: 078-382-5111(内線: 6090)
E-mail: [email protected]
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受付時間: 10: 00-17: 00 (土日祝日はのぞく)
遺伝性筋疾患患者の対象へ公開する内容
① 試料・情報の利用目的及び利用方法(他の機関へ提供される場合はその方法を含む。)
② 利用又は提供する試料・情報の項目
③ 利用する者の範囲
④ 試料・情報の管理について責任を有する者の氏名又は名称
⑤ 研究対象者又はその代理人の求めに応じて、研究対象者が識別される試料・情報の利用又は他の研究
機関への提供を停止すること。
⑥ ⑤の研究対象者又はその代理人の求めを受け付ける方法
健常小児の対象へは以下の項目を記載した説明同意文書を提示する。
(説明文書記載事項)
1.はじめに
2.この研究の目的
3.あなたに研究参加をお願いする理由
4.この臨床研究の方法や期間について
5.この研究の参加予定者数
6.この研究が終了した後の対応について
7.期待される効果について
8.予想される副作用と危険性について
9.この研究中に、あなたの健康に被害が生じた場合について
10.遺伝子解析などの情報の開示と期待される利益および予想される不利益について
11.この研究に関わる費用や謝礼について
12.同意しない場合でも不利益は受けないこと
13.この他の治療について
14.同意後の撤回について
15.試料等の保存及び使用方法並びに保存期間
16.研究計画書等の開示について
17.提供者情報の閲覧について
18.カルテなどの閲覧について
19.知的財産権の帰属について
20.この研究に係る資金源、利益相反について
21.あなたに守っていただきたいこと
22.問い合わせ窓口
23.研究機関、研究責任者について
5 .個人情報等の取扱いと匿名化の方法
5.1個人情報の取扱い
本研究に係わるすべての研究者は、「ヘルシンキ宣言」および「人を対象とする医学系研究に関する
倫理指針」を遵守して実施する。
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研究責任者または研究分担者は、プライバシーの侵害に対する研究対象者の権利保護の原則を遵守す
る。また、関係者は、研究対象者の個人情報及びプライバシー保護に最大限の努力を払い、本研究を行
う上で知り得た個人情報を正当な理由なく漏らしてはならない。関係者がその職を退いた後も同様とす
る。本研究は、匿名加工情報(特定の個人を識別することができないように個人情報を加工した情報)」
を用いた研究であるため、本研究データベース及び研究関連文書と研究対象者の原データの関連付けは
、研究対象者識別番号リストを用いて行う。研究対象者の特定及び研究対象者識別番号リストの正確性
確認のため、すべての適用される法令及び規則の範囲内で、性別、生年月日等の限定的な研究対象者の
情報を用いることができる。
研究責任者等が研究で得られた情報を公表する際には、研究対象者が特定できないよう十分に配慮す
る。
5.1.1研究対象者識別番号の作成と管理
神戸大学および共同研究機関の研究責任者は、研究対象者の特定を容易にするため、研究対象者識別
番号リストを作成する。各共同研究機関の研究責任者は各施設の規定に従って適切に管理を行い、外部へ
の提供は行わない。研究に関連するすべての報告及び連絡は、研究対象者を匿名化した研究対象者識別
番号で特定する。
本研究の対象のうち遺伝性筋疾患患者については、はじめから匿名化された試料・情報を用いた研
究であるため、新たな研究対象者識別番号の作成は必要としない。健常小児ボランティアに関しては
、株式会社免疫生物研究所で研究対象識別番号を作成する。研究対象者識別番号は、各共同研究機関
の研究責任者が各施設の規定に従って適切に管理を行い、外部への提供は行わない。研究に関連する
すべての報告及び連絡は、研究対象者を匿名化した研究対象者識別番号で特定する。
5.1.2症例報告書の作成
本研究のうち遺伝性筋疾患患者の検体に関しては 2016年から行われた研究の二次利用であり、すで
に症例報告書(CRF)が作成されている研究対象者の試料・情報を用いるため、新たな症例報告書の作
成は必要としない。
健常小児ボランティアに関しては、研究責任者または研究分担者が以下の手順で症例報告書( CRF )
を作成する。
(1) 研究対象者が適格基準を満たし、除外基準に該当しないことを確認し、研究対象者識別番号リストを作成
する。
(2)紙媒体の CRF に問診で必要事項をすべて入力する。
(3)研究責任者は、作成された CRF を点検、確認した上で作成日を記入のうえ署名を行う。
5.1.3症例報告書の回収
5.1.3.1症例報告書の印刷物
健常小児ボランティアの CRF の原本を研究事務局に追跡できる方法で提供する。本研究では Fax に
よる送信は許容しない。
・研究事務局に送付された署名済みの CRF を原本とする。
・署名済の CRF の写しは神戸大学で保管する。
5.1.3.2症例報告書の電子ファイル
研究責任者は、署名した CRF と同じ内容が入力された電子ファイル( excel 形式)を研究事務局にメール
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で送信する。
5.1.4疑義照会および修正
研究事務局は CRF を受領後速やかに確認し、必要な場合は CRF の内容について研究責任者または研究
分担者に問い合わせることができる。
・研究事務局へ提出後、CRF を修正する場合、研究責任者は CRF の修正の記録を残す。
・ CRF の修正に関する研究機関の長への報告や改訂申請の要否は、研究機関の規定に従う。
5.1.5データ固定
研究事務局は、データの疑義照会ならびに修正を行い、不明な点が確認できた時点で、該当する症例の
データを固定する。
5.2データ解析
研究事務局では提出された CRF の電子ファイルから、必要な解析を行う。
5.3匿名化の方法
遺伝性筋疾患患者では、データ取得時点では、研究対象者の個人情報とは無関係の番号を付した研究対
象者識別番号リストにて管理するが、拒否機会期限終了後(具体的には研究終了後)には、研究対象者識別
番号リストを廃棄して匿名化されている情報にする。
健常小児ボランティアでは、データ取得時点では、研究対象者の個人情報とは無関係の番号を付した
研究対象者識別番号リストにて管理するが、拒否機会期限終了後(具体的には研究終了後)には、研究対象
者識別番号リストを廃棄して匿名化されている情報にする。
5.4遺伝子変異に関する情報の開示に関する考え方と偶発的所見( IncidentalFindings)
本研究では新たな遺伝子解析を行わない。
5.5遺伝カウンセリングについて
本研究では新たな遺伝子解析を行わない。
6 .研究対象者に生じる負担、予測されるリスクと利益、負担及びリスクを最小化する対策
6.1研究対象者に生じる負担
既存試料・情報のみを用いるため、負担は生じない。健常小児ボランティアでは尿を採取し、年齢
・性別・既往歴を問診するだけであり負担はない
6.2予測されるリスク
本研究は既存の試料(あるいは情報)を用いた観察研究であり、本研究の対象者となることによる負
担やリスクは生じない。健常小児ボランティアでも予想されるリスクはない
6.3予測される利益
尿の測定に関して研究対象者に直接の利益は生じない。
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小児ボランティアに対し、尿のあらたな採取に関わる直接的・間接的な負担を軽減するために 1回
の尿試料採取につき、負担軽減費として 1000円のクオカードを支給する。
6.4総合的評価並びに当該負担及びリスクを最小化する対策
既存の試料・情報を用いた観察研究であり、研究対象者への負担・リスクは生じないと考えられる。
7 .試料・情報等の保管方法及び廃棄の方法
研究代表者は、「神戸大学大学院医学研究科等における研究データ等の保存期間等に関するガイドラ
イン」に基づき、研究実施に係わる重要な文書(倫理審査委員会への申請書類の控え、研究機関の長から
の通知文書、各種申請書・報告書の控、情報公開文書、その他、データ修正履歴、ノートへの記載など
研究に用いられる情報の裏付けとなる資料または記録等)を、研究の中止または終了後 10年間、論文等
の研究結果の公表日から 10年間のいずれか遅い期日まで施錠可能な場所で保存し、その後は個人を特定
できない状態にして廃棄する。
本研究に係る試料(実験試料、標本)や装置等は、本研究の結果の最終の公表について報告された日か
ら 5年間(原則)保存し、その後は個人を特定できない状態にして廃棄する。
各共同研究機関においては研究データ等の保管期間は各共同研究機関の取り決めに従い、適切に保管
する。
8 .研究機関の長への報告内容及び方法
研究責任者は以下について文書により研究機関の長に報告する。なお、①については、年 1回の報告
を行い、②以降の項目は、適宜報告する。
① 研究の進捗状況
② 研究の倫理的妥当性若しくは科学的合理性を損なう事実若しくは情報又は損なうおそれのある情報で
あって研究の継続に影響を与えると考えられるものを得た場合
③ 研究の実施の適正性若しくは研究結果の信頼を損なう事実若しくは情報又は損なうおそれのある情報
を得た場合
④ 研究が終了(停止・中止)した場合
⑤ 研究に関連する情報の漏えい等、研究対象者等の人権を尊重する観点又は研究の実施上の観点から重
大な懸念が生じた場合
⑥ その他
9 .研究の資金源等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況
9.1研究の資金源
株式会社免疫生物研究所との共同研究契約に基づく研究費にて行う。
9.2研究に関する利益相反
本研究に関して開示すべき利益相反はない。研究代表者の利益相反状況は神戸大学大学院医学研究
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科等臨床研究利益相反マネジメント委員会に申請し、承認を得た上で実施する。各共同研究機関は、
それぞれの規程に従い、利益相反について審査および承認を得ることとする。
1 0 .研究計画の登録
本研究は侵襲を伴う介入研究ではないため、公開データベースに登録していない。
1 1 .研究成果の帰属と結果の公表
本研究により得られた結果やデータ、知的財産権は、神戸大学大学院医学研究科内科系講座小児科学
分野と株式会社免疫生物研究所が共有する。具体的な取扱いや配分は協議して決定する。研究責任者、
共同研究機関の研究責任者の知的財産の帰属先を個人とするか研究機関とするかは、所属研究機関の取
り決めに従う。
本研究の結果は、尿中タイチン想定試薬の厚生労働省への体外診断用医薬品製造販売承認申請資料の
臨床性能試験成績に関する資料として使用する。
1 2 .本研究で得られた試料・情報を将来の研究に用いる可能性
本研究で得られた研究対象者のデータはデータベース化され、今後、他の研究に用いる可能性がある。
他の研究を行う際は、新たに研究計画をたて、倫理審査委員会の承認を得て実施する。その際も個々の研
究対象者に対し文書による同意を求めることは行わないが、研究に関する情報公開を適切に行う。
1 3 .研究組織
13.1研究機関
(提供元)
神戸大学大学院医学研究科内科系講座小児科学分野
兵庫県神戸市中央区楠町 7丁目 5番 2号 粟野 宏之
(提供先)
株式会社免疫生物研究所
群馬県藤岡市中字東田 1 0 9 1 番地 1 丸山 順裕
13.2研究対象者等及びその関係者からの相談等への対応方法
相談窓口の連絡先と受付時間
神戸大学大学院医学研究科内科系講座小児科学分野
准教授 粟野 宏之
〒650-0017神戸市中央区楠町 7丁目 5番 2号
TEL: 078-382-5111(内線: 6090)
E-mail: [email protected]
受付時間: 10: 00-17: 00 (土日祝日はのぞく)
13.3委託業務内容及び委託先の監督方法
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委託する業務はない。
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1 4 .参考資料・文献リスト
1、RouillonJ,ZocevicA,LegerT,GarciaC,CamadroJM,UddBetal.Proteomicsprofilingof
urinerevealsspecifictitinfragmentsasbiomarkersofDuchennemusculardystrophy.
NeuromusculDisord.2014Jul;476:111-116.
2、MaruyamaN,AsaiT,AbeC,InadaA,KawauchiT,MiyashitaKetal.Establishmentofa
highlysensitivesandwichELISAfortheN-terminalfragmentoftitininurine.SciRep.2016
Dec19;6:39375.
3、AwanoH,MatsumotoM,NagaiM,ShirakawaT,MaruyamaN,IijimaKetal.Diagnosticand
clinicalsignificanceofthetitinfragmentinurineofDuchennemusculardystrophypatients.
ClinChimActa.2018Jan;476:111-116.
改定履歴
第 1.1版 2019年 9月 13日 修正
第 1版 2019年 8月 1日 新規制定
版番号 作成・改定日 改定理由/内容