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山波言太郎 <資料> 講演:リラ自然音楽と融合文化(大会講演 2006.3)

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講演 リラ自然音楽と融合文化

A Lecture: Lyra Nature’s Music and Harmony &

Combination of Cultures

山波 言太郎

YAMANAMI Gentarou

Abstract: Natural world has “Food for Soul (the energy transforming man into

angel)”, which is forgotten by the humankind. That is the healing songs which have

been sung by the universe since its creation. They were described by St. John as “In the

beginning was the Word”. The ancient people of Japan -the land where the mysterious

workings of language (Kotodama) bring bliss- already knew them. And they must have

keenly desired to pass them to the later generations and to all people of the world. Now

a Japanese girl with a green finger who became one with natural world, started to

listen to them and sing. This is Lyra Nature’s Music.

The humankind’s history might be the process for rediscovering them. “Once

forgotten, then remembered”; the West plays a role of making them forgotten, the East

plays a role of making them remembered and the Japanese, who knew them so much

that they became dull to them, has a role of igniting the fire to remember them, so I

argue. Let us wake up and rise. Then we shall all see that the whole people of the

world become angels who are just-like-Gods beings on the earth.

Keywords: natural world, Food for Soul, healing, mysterious workings of language

(Kotodama), Lyra Nature’s Music, role of the West, the East and Japan

自然界、魂の糧、癒し、言霊、リラ自然音楽、西洋・東洋・日本の役割

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山波言太郎

講演「リラ自然音楽と融合文化」

国際融合文化学会(ISHCC)第10回国内大会 2006年3月26日

要旨

人類が失念している「魂の糧」(人を天使にするエネルギー)が自然界に

存在している。人類史はそれを発見する過程かもしれない。「一度忘れて

想い出す」││忘れさせる役が西洋で、想い出させる役が東洋で、知り

すぎて呆けた日本人はそれに火を点ける点火役なのだが。目覚めて立ち

上がろう。近未来、地球全人の神さながらの姿が目に見えてくる。

はじめに

私は学者ではありません、実践家です。ですから学問的

な話ではなく、体験に基づいた実践の話、私の考え方をお

話しさせて頂きます。

何の実践をしているのかというと、簡単に申しますと

「地球のパラダイス化」です。地球が永久の平和と幸福の

惑星になる、どうやってそうするのか? 方法は一つなん

ですよ。全地球人65億人が全員天使のように進化すること

です。そんな夢みたいなこと! それしか方法がないから、

それをやろうというわけで、やっているんです。

それをどういう方法でやるのかというと、実は宇宙創生

以来、この宇宙(自然界)は或るエネルギーを出している。

それは人間を急速に進化させて、天使化するエネルギー、

それは歌(言葉)で出していると考えております。それを

キャッチして、私共はリラ自然音楽と申しております。

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講演「リラ自然音楽と融合文化」山波言太郎

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1、自然界は愛の歌を唄っている

2002年3月、広町の森(鎌倉三大緑地の一つ)

で、宮西ナオ子氏のプロデュースでテレビ

取材

鎌倉広町に広大な林野があり、その貴重な自然(森)を

業者が開発するというので、私たちはそれは困ると、その

広町にリラ自然音楽を歌いに行ったんです。毎月2回ずつ

行って歌いまして、それを宮西ナオ子さんが取材をして下

さって、全国の地方テレビ局で放映されたり、サンケイ新

聞に掲載されたりした事がありました。その時にこういう

事があったのです。

広町の森のテレビの取材で次々インタビューしている

時、肝心の青木由有子が居ないんですよ。そうしたら、向

こうの野原に座っているんです。「ダメだよ、何している

んだ!」と言ったんです。(実は青木由有子は孫なんです

よ。)そうしたら「これ、唄ってる」と言うのです。4年

前の3月です。青い草が少し萌え始めて、そこに真っ白な

小さな花が沢山咲いているんです。その花が唄っていると

言うのです。「とても優しい歌、唄っている」。「そう」、そ

うしたら、周りの森が皆唄いだしたと言うんです。「どん

な歌?」、「かなしい歌」と。でも、自分たちがやがて開発

されて伐られるという、その悲しみではなくて、伐られた

後の索漠とした人間の世界を思いやって、その悲しみを唄

っているのだと。「じゃ、愛の歌か?」「そう」。そんなや

りとりをしました。

本当に森は唄っているんですよ、太古から自然界は愛の

歌を。これは宮西さんが取材して下さったおかげで得た体

験だったのですが、こんなことがあったんです。

2、その愛の歌とは

「魂の癒しの歌」である

自然界は唄っているんです、愛の歌を。何のために唄っ

ているのか、それはどんな働きをしているのか、これを体

験でお話しします。

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2-1

青木由有子の不登校体験

実はこれをキャッチして歌い始めたのは青木由有子なん

です。自然音楽歌手ですが、これがひどい不登校だったの

です。小学校の頃から学校に行きたがらないで、中学2年

の時完全な不登校になったのです。元来意志は強くて、本

人もどうにかして行こうとするのですが、どうしても行け

ない。おなかが痛くなったりジンマシンが出たり、やっと

校門まで行っても足が動かなくなる。いじめではないので

皆さん心配してくれて、先生も友達も来てくれる、親は一

番心配して色々手を尽くすが直らない。その時、青木由有

子は皆の後ろに本当の顔が見えてきたという。「この子は

ダメな子だ」というその人達の本心が。先生も友だちも親

も。それで本人は本当に私はダメな子だと思ってしまって、

最低のコンプレックスに陥った。だから部屋から出なくな

り、昼夜逆転して誰にも顔会わさない生活がそれから2年

間続いたそうです。

何で不登校なのか、本人はその頃自分で分からなかった。

学校が嫌で嫌で、それは競争するからだと。なぜ競争が嫌

なのか、後になって判ったのだけれども、競争は人を蹴落

とすから。本人は成績が悪いわけではないのですが、人に

勝つと蹴落とすことになるからいやだと。それは判ります。

私は小学校をでて70年以上経ちますが、50人いたクラスで

誰が一番で誰がビリだったか、覚えています。ビリのレッ

テルは一生ついてまわります。折角いいもの持っていても

自信がないから芽が出ないことにもなる。ということを子

供心にどうも感じていたらしいですね。

2年近く部屋に引きこもっているうちに、青木由有子は

部屋の中にいる油虫や蟻と話を始めたそうです。何故なら

今まで最低と思っていた虫が、自分の友だちに思えたから。

そしたら、母親が「少し庭に出て日に当たりなさい」とい

う声が耳に入ってきた。前から母親は言っていたけれども、

初めて聴こえてきた。それは虫と話をしていたから。それ

で庭に出て寝ころぶと雑草が頬に当たる。それまで踏みつ

けていた雑草が友だちに思えて話をした。空飛ぶ雲、風、

雀と話をする。何かしら元気になって庭を歩き始めて、そ

れで花や木と話を始めたらもっと元気になって、それから

今度は外へ出て、並木や他家の庭木や犬や猫、人とも話を

するようになって、元気になってしようがないので、自分

でまた学校に行ったんです。

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一年遅れて中学を出て、私立なのでそのまま高校へ行け

るのですが、もう学校に行かないで、すぐ世のため人のた

め働きたいと本人は言いました。親は大反対、学校出ない

と就職もできないし碌なところにお嫁もいけない、一生涯

ダメになると。しかし本人の意志は強く働きたいという。

それに母親が同意するんです。その頃から青木由有子は動

物食は全然しなくなっていたのです。虫も殺さない。それ

を見て母親が、この子の生き方は間違っていない、生命を

大事にしている。よし、この子と一生つきあおうと思った

のです。

それで小さな出版社にタダ同然で入るのですが、メキメ

キ能力を現わすんですよ。パソコンを習わないのに使いこ

なして雑誌編集、書籍レイアウト、更にイラストを描き、

本の装丁までして、売りものになったんです。

自然界に癒しのエネルギーが存在する

その頃、青木家で自然音楽が発生します。1995年9

月12日です。実は母親の青木由起子は前から宮沢賢治研究

会を妹達とやっていて、子供サークルを自宅でもっていま

した。丁度その子供サークルの時、宮沢賢治の話をしてい

て、賢治は石ころとも動物とも植物とも話をしていたよと。

そこに小学校6年の男の子がいまして、動物だって歌を歌

ってるよと、傍のピアノを弾いたんです。私も聴きました。

ウサギが跳びはねるような面白い歌。「おもしろいね」と

言ったら、一人の女の子が植物だって歌うたってるよと。

「どんな歌?」と言うと、ピアノをポロンポロンと弾いた

んです。「ああ、そんな歌」と話はそこで終わるんですけ

れども、帰ってからその女の子から青木さんに電話がかか

ってきました。家に帰ったら、ピアノの手が止まらないん

です、色んな花のうた、草の歌が出てくるんですと。それ

で青木さんが「聴かせて」と翌日又呼んで、私も呼ばれて

行きました。そこで女の子が「これスミレの歌、藤の歌、

りんごの歌」と次々弾いて、これを聴いていた青木由有子

が涙を流した。その歌、皆知っている、聞こえていた、不

登校の時、庭に出て草花と話をしたとき、皆きこえていた

と。この歌のおかげで元気になったのだから、歌いたいと。

そしてその12日後に、青木由有子は歌うんです。ちょうど

東京の錦糸町の三井生命ホールで宮沢賢治の朗読会をする

予定だったので、そこで急遽その植物の歌を6曲歌ったん

です。今まで歌など歌ったことないのに、歌えて拍手喝采、

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講演「リラ自然音楽と融合文化」山波言太郎

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それで自然音楽を歌い始めたんです。

それから10か月後、初めてのCDが出るんですよ。それ

まで歌など習ったことないのに。それを聴いた人から、お

礼の電話や手紙が来たんです。私は胃ケイレンで七転八倒

していた、あなたのCD聴いたら止まっちゃったんですよ、

ありがとう。手紙が来まして、私は地方のラジオ局のアナ

ウンサーで、うつ病で休職していたのだけど、あなたのCD

聴いたら治って復職しました、ありがとう。ビックリしま

して、自然音楽は病気を癒すんだ、そうではないかと私は

思いまして、1996年の9月から鎌倉で小さな家を借り

て、自然音楽の実験を始めたのです。驚くべき効果があっ

たんですよ。うつ病の人が3か月位ですっかり元気になっ

て薬も必要なくなりました。それから首の骨の軟骨がなく

て痛みが止まらない人が、2回で痛みが消えました。脳梗

塞で片手の指5本がマヒした人が、5回で全部使えるよう

になりました。という事が最初からあったんです。これら

は皆、当時医者がいまして症例として記録されております。

というわけで、ビックリしまして、自然音楽は癒すのだ

という事がわかり、自然音楽の研究を始めて現在に至って

いるわけです。

その癒しとは、(イ)心身自立、(ロ)愛の人化、

(ハ)天分発揮……人間の天使化

以上のような事がありまして、宇宙は自然界はうたって

いる。それは愛の歌である。それは人がキャッチして聞き

ますと、不登校の生徒が立ちあがる、体も心も元気になっ

て自立する。その次に、学歴はいらない、碌なとこにお嫁

にゆけなくてもいい、世のため人のために働きたいという

愛の心に人を変える。それだけでなく、習わないのにパソ

コン出来て絵も描けて売り物になった、歌を唄ったら歌え

た。しかも作曲もやっている。作曲といっても、宇宙から

聞きとって作曲するのですけども、音楽の才能が出ないと

勿論出来ない。作詞もやるように、文学的才能もでた。ま

だありますけども、学校行かないのに自然界からのエネル

ギーを注入したら自立して、愛の人になって、色んな能力、

天分が出てきた。私はこれは人間の天使化だと、天使にな

るようなエネルギーを宇宙は持っているんです。これは青

木由有子だけの体験ではなくて、その後リラ自然音楽クラ

ブでは、誰でも歌ったり聞いたりすると急速にそういう事

が起こってくる。病気が消えたり魂のレベルアップがグン

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グン起こっております。という事があるので、体験から私

はわかっていったことなのです。

2-2宇宙からのプレゼント「魂の糧」の存在

植物は38億年前から

「肉体の糧」をつくっている

それでは自然界が唄う癒しの歌とは何かというと、私は

このように考えております。図1をご覧下さい。

太陽がないと人は死にます。真っ暗になってすぐ死ぬ。

ですから太陽は生命エネルギーの源ですね。けれども植物

は非常に大事、いくらお日さまが照りましても、それだけ

では我々生きておれない。植物が太陽の光を吸収して、体

の中で光合成をいたします。二酸化炭素を吸って光を吸っ

て、酸素に変えて出してくれる。酸素があるから我々生き

ている。酸素を吸わないと、6分間で脳死するそうです。

か弱き植物のおかげです。

それだけではない、食糧。現在我々が食べている食糧は、

野菜、穀物、フ

ルーツ、全部植

物の体でござい

ます。小さな一

粒の種が大きな

体になって食糧

を提供してくれ

る。それで我々

は生きている。

食べないと2、

3か月で死んで

しまいます。こ

のように呼吸を

するのも食べる

のも植物さんの

おかげです。

でも植物だけでは作れないわけで、太陽があるから、ま

た大地から水と栄養分をひきだすから我々の生命の源が生

みだされる。これが植物の光合成作用、我々植物なしでは

生きられない。

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講演「リラ自然音楽と融合文化」山波言太郎

【図1】植物の光合成

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さらに植物は137億年前から

癒しの歌を歌っている

しかしもう一つ、植物は魂を癒す歌をうたっています。

これは科学では証明されておりません。聞こえないから。

しかし青木由有子さんは聞きとりました。

いつから歌っているのか。その前に植物さん、肉体の糧

はいつから出しているのかというと、植物が光合成を始め

たのは38億年前です。最初の生命バクテリアが海中で生ま

れるのですが、その中に植物の先祖シアノバクテリアがい

ます。このシアノバクテリアがその後植物の葉の中に入っ

て現在は葉緑素になっています。だから植物は38億年前か

ら光合成をして肉体の糧をつくっているのです。

しかし癒しの歌はもっとふるいです。私は137億年前、

宇宙発生当初からではないかと思います。なぜかというと

肉体の糧である酸素は宇宙の最初から出しているんです。

酸素などの元素で、一番最初の元素は水素ですね。水素が

出来てヘリウム、リチウム、ベリリウム、ホウ素ができて、

炭素、窒素、酸素とできていきますけども、一番源は水素

です。水素元素ができたのはビッグバンから38万年後、水

素原子ができています。その元素は原子ですが、水素原子

は核をもっていて、その原子核のまわりを電子がまわって

います。その原子核ができたのはもっと前ですよね。ビッ

グバンから3分後です。原子核は中性子と陽子からできて

いますが、中性子と陽子は素粒子のクォークからできてい

ますね。クォークが発生したのはビッグバンから一千億分

の一秒後です。クォークが生まれ、3分後には原子核とな

り、原子核のまわりに電子が回転しまして、38万年後には

最初の水素原子ができました。それから次々92種類の元素

がでてきております。ということですから、酸素ができた

のは137億年前といってもいいです。魂の歌も、だから

その時から歌っているはずだと思います。

魂の糧、癒しの歌とは何か 山波の仮説

魂を癒す自然界の癒しの歌とは何かというと、実は素粒

子論によると、素粒子(原子)は粒子であり波動であると

いう、2つの性質をもっているわけですね。粒子性と波動

性と、何でそうなのか、どういう関係があるのかは分かっ

てないんです。私に言わせますと、粒子性の方が物質の方

の元素をつくり、それが固まって物質世界をつくっている。

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波動性の方が歌として耳に聞こえないものとして歌われて

いるのではないかと。これは私の考え方ですけれども、そ

うでないと辻褄が合わない。粒子性が物質原素を構成して

物質世界を構成した。波動性の方が、耳に聞こえない非物

質性の波動として、歌をうたっているのではないか。非物

質性ですから五官に作用しませんから、耳には聞こえない。

だけど青木由有子はキャッチした、愛によって。つまり一

心同体「あなたはわたし、わたしはあなた」の愛です。こ

れは東洋的な方法なんですよ。相手と一体となるというの

は。東洋の美学はそうですよ。芭蕉は「松のことは松にな

らえ」と言いました。一心同体になればわかる。対象とし

て見るのではない。西洋の美学は、対象として見て、自分

の感情を移入しますが、それは対象を物質としてみている

のです。

魂の糧である癒しの歌は非物質であるがゆえに東洋的な

方法でないとキャッチできない、それは愛というかたちで

す。と

いうことではないか、とすれば、魂の糧は137億年

前から歌われていた。それを青木由有子がキャッチした。

宇宙は何のために歌っていたのか? 人を天使にするため

に。私はホモサピエンスのためだと思っております。私た

ちのために歌っていた、137億年前から。

生命の進化││ホモサピエンスまで

生命の進化をみてみますと、46億年前に地球が生まれ、

38億年前に最初の生命、バクテリアが生まれ単細胞となり

ます。それが多細胞となり4億5千年前に手足の生えたカ

エルのようなものが陸に上陸してきます。しかし酸素がな

いと上陸できませんよ、水中(海)と違って重力の作用が

ありますから、酸素がものすごくいる。だから最初にゼニ

ゴケが上陸しまして、それでシダが出来まして、それから

針葉樹、広葉樹林と出来ます。そのようにまず植物が上陸

して酸素を出す。水中の20倍の酸素を出すことによって両

生類が上陸して活躍して、それで爬虫類になり鳥になり哺

乳類になり、その中からサルが生まれます。チンパンジー

が生まれ、猿人、原人、旧人、そして新人ホモサピエンス

人が生まれてきたんです。

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講演「リラ自然音楽と融合文化」山波言太郎

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言葉を話す新人類のために宇宙は癒しの歌

をうたっている

なぜ新人、我々のために自然界は歌をうたっているのか

というと、それは新人が十分に言葉を話せるからなのです。

我々の前の旧人ネアンデルタール人は、新人我々より脳が

少し大きいんですね。それで言葉はある程度話せたようで

す。でも我々ホモサピエンスの方がよく話せたらしい。

言葉を話すのは、食道と気官との関係にあるんです。気

官が食道より下にないといけないんですが、ホモサピエン

スの方がネアンデルタール人よりもその点が器官的に優れ

ていたらしく子音と母音が明晰に発声できる。それでネア

ンデルタール人に勝ち、生きのこることになったのです。

新人は言葉を話すことによって文化が発生し発展し、そし

て今日に至ったのです。

言葉は水に映る

この言葉、話すとどうなるのか。この天地が変わるんで

す。言

葉は水に映ります。これは江本勝氏のIHM研究所の

世界的に有名な研究です。『水からの伝言』という本が出

ております。人が声をかけた水を零下20度で急速に凍らせ

ると結晶が出来るんですが、発した言葉によって結晶の姿

がちがってくるのです。「ありがとう」と言うと、美しい

六角形の結晶が出来ていますね、きれいですね。ところが

「バカヤロー」と汚ない言葉だと、汚ないぐじゃぐじゃの

形になります。同じく「ムカつく」「殺す」という嫌な言

葉は、やっぱりすごく汚ないです。言葉によって水に映る

ものがちがうんです。言葉は水に映る。

(注)講演会では、様々な「声かけ結晶写真」を示したが、

本稿では省略

では「ありがとう」と言えばいつでもキレイな形になる

か││本気でアリガトウと言った時にはとても美しい結

晶になるんですが、同じ言葉「ありがとう」でもカッコウ

だけの時には、美しい結晶は出来ず崩れてしまうんです。

「ばかやろう」も、本当に「ばかやろう」と思って言った

らこんな汚なくなるけれども、激励のために「ばかやろう」

と言うと、もっと美しくなります。

ということは、恐ろしいことではございませんか。水に

映るということは、人体に映るんです。人体は70パーセン

トは水なんです。血液は勿論、細胞も多くは水。赤ちゃん

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は90パーセントが水ですが、人間50パーセントになると皺

しわになって死んでしまいます。だから70パーセント水で

すから、「ムカつく」と相手に言うとそれが映るんです。

自分の体にも映るんです。動物にも植物にも映る。「あり

がとう」と言うと、相手も美しい体に変わる、自分も美し

い姿に変わる、「ムカつく」と言うと、相手が汚なくなる、

自分も汚なくなる。

地球も同じ、70パーセントが水です。山や岩があります

けども、グーンと平たいらにしますと、水深2千数百メートルの

海に全部おおわれるそうです。地球も水なんです。だから

「ムカつく」と言うと地球汚なくなってしまう。「ありがと

う」と我々が毎日言っていると、美しい地球に変わってし

まう。簡単なんですよ、地球をよくするも悪くするも言葉。

この言葉を人がつかって地球をパラダイスにするように、

人間はつくられたのではないでしょうか。それを知らずに

人間は、だからダメなんですね。ムカつくとかバカヤロウ

とばかり言っているのです。

ところが、ご安心下さい。水は壊れるんです。映った映

像はすぐ壊れるんです跡形もなく。(エキスくらい残ると

思いますけどね)。しかし壊れない水が存在します。

心霊研究││ネオ・スピリチュアリズム

が媒体をとらえた

壊れない水は我々の体の中にあります。肉体ではありま

せん、肉体の中にみえない体がある。これは私達の心霊研

究の結果です、すなわちネオ・スピリチュアリズムでとら

えております。

実は科学的な心霊研究というものが、今から160年ほ

ど前に欧米から発生しております。中心はイギリスでした。

当時第一級の学者が集まって研究しておりました。実験室

で研究していったのです。そして霊魂存在の証拠をいくつ

も出し始めました。ところが今から80年前、第一次世界大

戦の終結と共にその研究はゼロになってしまったのです。

なぜかというと、そんなものやっても金もうけにならない

だけでなく、国のためにならないから。第一次世界大戦で、

飛行機と潜水艦と毒ガスが出来まして、国の存亡は武器に

かかっている、科学は武器の開発に努力せよと。それから

フォードがベルトコンベア方式、大量生産で自動車産業を

つくりましたね。これでアメリカは凄く金持ちになりまし

た。科学技術は金持ちになり国を富ますのだと、どこの国

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講演「リラ自然音楽と融合文化」山波言太郎

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も国をあげて武器の開発と金もうけのための科学技術に奔

走したのです。これやらないと出世できない、しょうがな

いから、民間でもそうなってしまって、それで心霊研究は

ゼロになってしまったのです。心ある人が残りまして、研

究を進めてスピリチュアリズムというものが発生していま

す。これが日本に入ってきまして、私もそのおしえを受け

たひとりです。

人体の構成

図2は心霊研究が明らかにした人体の構成を私が図にし

たものです。まわりにあるのは肉体です。私たちはこの肉

体だけだと思っています

が、一ばん真ん中に赤い

丸がある、スピリット

(霊)です。何でこんなも

のあるのかというと、こ

れが生命の源であり、意

識の源です。生きている

のはスピリットがあるか

ら。ものを考えたり感情

があるのは、意識の源のスピリットがあるから。しかし、

現在の科学では肉体だけが存在している、脳がものを考え

ている、心臓や呼吸で生きているというふうに考えていま

すが、そうではなくて人間というものは、肉体のほかにま

ん中にスピリットがある。そのほかに媒体がございます。

三つ、本体、霊体、幽体とあります。何で中間にこんなも

のがあるのかといいますと、波動の問題です。肉体という

のは凄く粗い波動です。スピリットは実に精妙極まりない

波動なんです。だから生命の根源スピリットが肉体に働き

かけることが出来ない。そこでスピリットより少し粗めの

波動の本体をまとう、その上に更に少し粗い波動の霊体を

まとう。その上に又もっと粗い波動の幽体をまとう。でも

これらは超物質ですから科学でとらえられていませんけど

も、こういう考え方です。

そして我々肉体が死にますと、現在の科学では生命が終

わったといいますけど、生命の本源はスピリットですから

生きているんです。ただし肉体がありませんから幽体まで

をまとって生きている。あの世幽界があるからそこで生き

ている。幽体は煙のようなものではなくて、肉体と全く同

じ形をもっている、肉体と同じしっかりしたもので、幽界も

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【図2】人体構成図

【ネオ・スピリチュアリズム】

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山があり川があり全く同じ。ただ肉眼で見えないだけ、も

っと光り輝いております。

このように人間とは肉体だけではない、スピリットがあ

って、途中に肉体とスピリットをつなぐ見えない体(媒体)

がある。これが心霊研究で判っております。

古代日本人も

知っていた

ところが驚くことに、日本人はそんなこと2、3千年前

から知っていたんです。全く同じかたちに描けるのです。

(図3を参照)真ん中に直霊なおひ

、すくひとも言いますが生命

の源、意識の源。そのまわりに奇魂

くしみたま

、これは本体に当た

るもの、幸魂

さきみたま

、これは霊体に当たるもの、和魂

にぎみたま

、幽体に

あたるもの、それから顕魂

あらみたま

、これは肉体に当たるもの、

全く同じ。これは2千年も3千年も前からあった古代日本

の思想です。だから日本人にとりまして、死んだら神に帰

るわけですよ。靖国神社はそれで出来ているんです。

日本人は人間は神の子と知っていた

面白いことに肉体のことを日本人は顕魂

あらみたま

と呼んだので

す。物質肉体ではないんですよ。日本人にとってはスピリ

ット(生命の本源)が宿った器うつわ

が肉体、霊の器です。霊の

こもったものは魂なんで

す。つまり生き物なんです、

器なんです。

というわけで、日本人に

とりましては人間の本性は

神である、だから成仏する

とか神に帰るとか、そこか

ら出てきています。死なな

いのです、神に帰る、仏に

なるんです、そういう考え

方があった。

これは皆さんご存知のア

ニミズムです。古代の民族

は殆んど信じていました

が、日本人もそうでした。

自然界、山川海森すべての

自然の背後に精霊が宿って

いる、だから自然界は生き

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講演「リラ自然音楽と融合文化」山波言太郎

【図3】人体構成図

【ネオ・スピリチュアリズム】 【古代日本思想】

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ものである、という考え方です。

人間の中にも霊が宿っている、人間の肉体の中にも霊が

宿っている、人間は生きものである。霊(スピリット)、これ

は神の分身です。ですから人間は神の子なのだという、こ

ういう考え方が日本古来の考え方だと思います。全く近代

の心霊研究、それを基としたネオ・スピリチュアリズムの

考え方と一致しているのです。

しかし何故今鬼っ子なのか││幽体の汚れ

で鬼っ子になる

それならば人間が神の子ならば、もっと立派な、戦争な

んかせずに、仲良く暮らすはずではないか、現在の人間は

鬼っ子じゃないか。

なぜそうか、図3をみると一目瞭然で判るんです。この

和魂

にぎみたま

の所を見ますと、プツプツプツとして濁っておりま

す。このプツプツプツはいったい何か? あれが言葉です。

「ムカツク」とか「ばかやろう」とか言うと、黒い染みに

なって残るんです。言葉だけでなくて、行おこなった行為、なぐ

った騙した殺した、すべて染みになって残ります。それか

らマイナスの思考、怒った恨んだ悲しんだ、こういうマイ

ナスの思想、マイナスの言葉、マイナスの行為、言行想は

黒い染みになって残るんです。先程水は言葉が映るといい

ましたね。でも水に映った言葉は壊れてしまう、跡が残ら

ないんです。しかし幽体(和魂)に残った染み、悪い言葉

はずっと残るのです。

愛の言・行・想で、幽体の染みを消す

ではどうしたら黒い染み、プツプツは消せるのか。プラ

スの言葉、行為、思想で消せるんです。要するに愛の言・

行・想ですね。

ところが人間というものは、そういうプラスの行為や思

いは持ちませんで、マイナスの思いが多いんですね。困っ

たな、嫌だな、金もうけウマイ手ないか……ですから染み

がたくさん残りまして消えないから、これが固まるとスト

レスとなって残るんです。ストレスで病気を起こすのはこ

れです。それから戦争体験だとか幼児虐待などトラウマに

なって、一生消えずに残ります。けれどももしもこの黒い

染みを人間が消してきれいになれば、消すことが出来れば、

和魂

にぎみたま

(幽体)がきれいに真っ白になりますと、スピリッ

トの光がまっすぐに射してきますから、人は神の子のよう

13

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にすばらしくなるわけです。

輪廻転生の意味

そうなれば人間は神の如く振る舞うことができる、これ

が神ながらの思想です。和魂

にぎみたま

がきれいになれば、本当に

神のようになります。ところが人間は汚ない行為、汚ない

言葉、汚ない思いを持ちますために、プツプツの染みが消

えない。幽体が濁ったまま肉体は死ぬ。肉体は死ぬけれど

も魂(幽体)は残っている。生まれ変わってくる。消えな

いから汚ない幽体のプツプツを持って再生してくる。これ

がカルマです。前生の悪因縁というのはこれです。だから

人間はくり返しくり返し生まれ変わって、ああ、こういう

事ではいけないな、幽体の黒い染みを消して神のようにな

らないといけないな、ということをするのが輪廻転生の意

味です。それで最後は神のようになります。これがネオ・

スピリチュアリズムの考え方です。

このように言葉は水に映る、しかしもっと恐いのは人間

の幽体に映ること、幽体に映った悪い言行想は染みになっ

て消えない、死んでも消えない、但し愛の言行想で消せる、

消して幽体が真っ白になったら神のような人になる。

地球の幽体も人間の言行想で汚染される

地球も70%は水です。そして地球も幽体(和魂)をもっ

ています。我々が吐いた言葉、行ったこと、思ったこと、

マイナスの言行想は総て地球の幽体に刻印されて残りま

す。だから地球の汚染は化学物質によるものだけではなく、

人間の思想言葉行為によっても汚染されているのです。だ

からそちらの方をむしろきれいにすることによって、地球

は美しくなるんです。このように人は言葉を使うから、よ

い言葉によって、自分も他者もきれいに、地球も美しくす

ることが出来るのです。それに気がついていないので、悪

い言葉マイナスの思い、破壊行為を行うために、今地球に

も染みができている、自分にも染みができている、他者に

も染みができていて、この悪鬼横行する地球をつくってし

まっているのです。

大きな忘れ物「魂の糧」

どうしたらよい言葉を使えるか、どうしたら正しい行為

がおこなえるか、どうしたら愛の想念をもてるのか。これ

をお釈迦さんが教えてくれました。キリストも教えてくれ

14

講演「リラ自然音楽と融合文化」山波言太郎

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ました。慈悲の心をもちなさい、愛の心をもちなさい、正

しいおこないをしなさいと。2千年経っても2千5百年経

っても、出来ないんです。努力する人はいるけれど、なか

なか出来ない。何故できないのか。

大きな忘れ物なのです。先程、青木由有子の体験で申し

ましたように、自然界は宇宙発生以来、人間を天使にする

ための癒しの歌をうたっているのです。図1をもう一度ご

覧下さい。あの青木由有子がキャッチした歌、「魂の糧」

を知らない。耳に聞こえないから、そんなものないと思っ

ているから、知らない。科学でも教えてくれないから誰も

知らない。これさえキャッチすれば人間は急速に浄化され

愛の人に変わっていく。しかしそんなものないよと言って

自然界を虐殺して搾取して破壊してはばからないのが今の

人間です。だから自然界から全く癒しの波動が入ってきま

せん。人間は悪い言行想をバンバン出しっぱなし。だから

自然界の癒しの波動が入らないだけでなく、みずからも魂

を汚して悪化していくばかりです。

3、今、人類に四つの危機

3-1

四大危機とは

つまり、人は大事な二つの事を知らないんです。一つ、

人の悪い言・行・想が自己を悪化させ破壊すること。また

地球にも染みを作り地球を悪化させ破壊すること。更に二

つ目、自然界には癒しの糧(魂の糧)があることを知らな

い。だからそれが取り入れられないだけでなく、逆に地球

を破壊して魂も地球も台無しにしている。これでは人は魂

の糧の栄養失調症になる。この悪循環、即ち人は自分の悪

い言葉、行為、想いで自然界と自分と万物と他者を皆悪化

させ、とうとう破壊の時が今来た。││それがまさしく現

在の私たちです。だから4つの危機来る、ことになったの

です。四つの危機とは

人心悪化、ウツ状化

テロと核戦争の危機

環境破壊と地球温暖化

太陽と地球変化(大フレア、地磁気減少、極移動)

15

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人心悪化はひどいです。とどまるところを知らない、ど

うしていいか分からない。それからテロと核戦争の危機。

核戦争すればたった数発の核で地球は破壊されます。数人

の人が化学兵器を使ってテロをすれば、地球は破壊できる

でしょう。これは科学の発達と人心の悪化、この二つによ

って起こってきたのです。一人の悪人がいるだけで、今地

球はぶっこわすことが出来るのです。

それから地球温暖化もご承知のとおりです。地球温暖化

は人為的な化石燃料の使い過ぎによって起こっていると言

われております。たしかにそうかもしれません。しかしそ

れだけじゃないんですよ。この前、宇宙大気研究センター

がこういう発表をしていました。あと百年経つと地球の平

均温度は5・8度上昇する。すると海面が88センチメート

ル上昇して大変なことになると。しかし、現実にはもっと

海水面は上がっているんですよ。現在私は逗子の浜辺に住

んでいますが、海岸がグッと近づいたんです。遠くにあっ

た波打際が、この2、3年で1メートル以上あがっている

と思います。逗子市役所はそれをちゃんと測定しておりま

す。逗子湾の中央の浜辺で奥ゆきが今まで45メートルあっ

たのが、現在は15メートルになったと。30メートル浸水し

ている、ということが今すでに起こっているんです。それ

からベネツィアなどは、完全に水没しつつあります。これ

らはですから地球温暖化だけではないんです。日本列島の

10倍もあるアマゾンの大森林が雨が降らないから乾燥して

枯れかけているし、アマゾンの東側の海は熱くなっている。

それらは地球そのものが変化しているからなのです。私の

住んでいる逗子では、海水温がグンと上がっています。夏

の海辺は温泉、体温より熱いですよ。12月におじいさんが

泳いでいます。単にこれは化石燃料だけの問題ではないん

です。それは恐らく4番目の「太陽と地球変化」です。

実は人為的な温暖化以外に、太陽の変化、地球の変化が

今言われています。

これは科学者が認めているところですが、地磁気の減少

がすごい。この五百年、特にこの百年間急速に減っていて、

更にこの10年20年は急速に減っています。そして地球には

N極とS極がありますが、北極方向にあったN極が110

0キロメートル移動したとニュースで言っていました。地

軸の移動まで起こり始めている。

それから太陽の活動ですね。太陽は11年ごとに黒点活動

がさかんになりますが、2001年が頂点で以後は減少し

16

講演「リラ自然音楽と融合文化」山波言太郎

Page 18: b135 Siryo Yamanami hyosi.doc

ていくわけなのに、2004年の9月10日には、かつてな

い大フレアが起こっております。太陽表面が停滞期にかか

わらず大爆発がおこっています。だからオーロラが南方の

フロリダでも見えるんですね。そして最近のNASAや地

球大気研究センターなどの発表によりますと、2007年

から2008年にかけて太陽がかつてない90パーセントア

ップされた大活動が起こるだろうといわれています。そう

すると人工衛星の電子機器がすべてストップする、大停電

が起こってパソコンもすべてストップしてしまいます。そ

れだけならいいですけれども、科学者は言っておりません

けれども、恐らく電離層を通って宇宙線が入ってくるので

はないかと思います。そうしますと人体に変化が起こりま

す。遺伝子に変化が起こります。人体の原子に変化が起こ

ります。そうすると体も精神も狂っておかしくなることが

あるかもしれません。というふうに、地球そのものが太陽

系そのものが変化しつつあるのです。これはどうしようも

ないんです。

3-2

四大危機の根因は何か

どうやったらストップできるか? 私に言わせると方法

は一つ。自然界を大事にして、自然界の癒しの音をキャッ

チして、人間が天使のようになることです。天使のように

なれば人心の悪化は止まりますよね。それからテロもなく

なりますよね。戦争もなくなるし核兵器も制限していきま

す。それから化石燃料の使い方も自らセーブして、地球温

暖化も止まりますよね。

しかし最後の太陽と地球の変化はどうするんだ? これ

も不可能ではないと思っております。宇宙線が仮りに入っ

てきた、凄い紫外線が入ってきたとしても、人間が天使化

すれば大丈夫です。天使化するということは、肉体粒子が

変化するんです。先程の図の幽体(和魂)は、物質が粒子

で出来ているのと同じようにやはり粒子で出来ている。そ

の幽体の粒子が美しく精練化されて強いものになります

と、それに応じて肉体粒子も精妙化するので、少々の宇宙

線が入ってきても破壊されず、対応出来るようになると思

っております。それ以外に方法はないんです。

17

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私は今の四大危機は、人間が自然破壊をしたから起こっ

てきた、元は人心悪化である、もう一つは、どうしようも

ない太陽系や地球の変化である、というように考えており

ます。では人類はどうなるのか? これは我々が自然界か

らこの肉体の糧だけではなくて、魂の糧をキャッチするこ

とによって、体も心も天使化する、レベルアップしていけ

ば何とか阻止できるのではないかというように、私は考え

ているのです。

3-3

だから地球環境保全が急務、緑の地球

にすればよい?

しかし猫に小判。癒しの糧は二律背反〜

「見る・想う・言う」でキャッチ

現在の地球人類は、猫に小判です、いくら魂の糧を送っ

てくれる自然界があったとしても、人心悪化で癒しの気は

素通り、キャッチできない。なぜならば自然界の癒しの気

は、人間が愛の心でもって「見る・想う・言う(声をかけ

る)」と入ってくるのです。即ち自然の癒しの気は人が愛

のコップで自分が掬すく

うのです。これが宇宙法則です。しか

し今の人間全く自然に心を向けない、無視する、平気で破壊

する、だから全然癒しの気は入って来ない、猫に小判です。

だから今、万人の耳から入る「リラ自然音

楽」を。だが「天使になるより金が第一」

の地球人、馬の耳に念仏。

そんな人類に魂の糧を万人に送るためにリラ自然音楽は

生まれたのですが、豊かな生活をもとめる現代人は、金と

物しか目に入らない。せっかく自然界の癒しの気が耳から

脳へ、脳から全心身に入るリラ自然音楽が誕生したのに、

聞く耳をもたぬ、馬の耳に念仏です。

4、こんな地球に誰がした?

西洋科学技術文明の功罪

しかし遺憾ながら人間は、自然界を破壊しどうしようも

ありません。何で人間はそうなったか、それは西洋文明に

18

講演「リラ自然音楽と融合文化」山波言太郎

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責任があるんです。

4-1

ルネサンスは偉大な人間の目覚め

ペトラルカ「見た・想った・言った」

ルネサンス(14、15、16世紀)は、西洋の人間的な目覚

めです。皆さん、ご存知ですね。最初のヒューマニストが

イタリアの詩人ペトラルカです。面白いことを言っている

んです。彼は高い山に登りまして「ああ、美しいなあ」と

言ったのです。これは人間の目覚めですよね。なぜかとい

うと、それまで中世のヨーロッパ人はキリスト教の枠に入

って地球(全世界)は罪の世界であると、追放されたアダ

ムとイブが罪を犯す汚れた世界が地球だったのです。だか

ら自然界が美しいと思ってはいけないし、言ってもいけな

かったのです。罪あることなんです。だから誰も美しいと

言わなかったのです。しかしペトラルカは山に登って「あ

あ、美しいなあ」と言ったのです。破天荒なことです。こ

れがルネサンスです。人間の目覚め、自分が目で見たその

ままを率直に言った人間の目覚め、即ち人間の解放。そし

て自然界も宗教の束縛から解放されたのですね。

西洋人の特質(自他分立・客観視)の近代的

芸術と科学の開花

ですからそういう意味でルネサンスは西洋人の目覚めで

あって、非常にすばらしいものです。だから芸術も科学も

発達しました。但し西洋人の目覚めは日本人の目覚めとち

がうんですね。自然界を対象としてみていく、二元的にみ

ていくのですね。それはなぜかというと私にはよく判りま

せんが、角田忠信氏の名著『日本人の脳』によりますと、

それは言葉によるといっております。英語などは子音を中

心とした言語ですね。そうすると言語脳は左脳ですから、

ここで子音を言語としてキャッチする。そうすると母音は

右の脳でキャッチするんです。母音とは何かというと、母

音はすべて自然界の音なんだそうです。だから西洋人は自

然界の音はすべて右脳でキャッチする。右脳は音楽脳、そ

して物理的な機械の音などをきく脳です。だから自然界、

母音を発するところの自然界は物理的な雑音と同じだとい

うのです。というわけで、西欧人が二元的発想を本質的に

もち自然界を物質ととらえるのは一つは言語が重要な原因

19

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となっているということを角田忠信氏は客観的につきとめ

ています。

しかしこのことはすばらしいことです。自然界がいのち

のない物質なら、ここから分析と総合の科学が起こってい

く。コペルニクス以下、科学は自然界を対象として分析し

総合していく科学として発達したのです。これは西洋の目

覚めによるものです。

そこまではすばらしいのですけれども、残念ながらそれ

が歪んで唯物化していくのです。唯物思想の展開となって

くるのです。

4-2

大航海時代以後の海外植民地進出と経

済発展で、西欧の偏向(物質主義化と地

球蚕さ

食文明へ)

大航海時代の到来と経済発展

16世紀、大航海時代の到来となりまして海外の進出が始

まります。植民地進出をして、飛躍的な経済発展をいたし

ます。お金がバンバンバンバン西欧に入ってくるようにな

りますと、それと共に西欧人の唯物化が始まっていきます。

西欧の偏向の兆し〜F・ベーコン(知は力、

実験と現世的幸福)、デカルト(二元論、精神

と延長)

フランシス・ベーコン(16〜17世紀、イギリス政治家・

哲学者)は「知は力なり」と言っていました。実験によっ

て知識を得る。それは大きな力であると。何の力かという

と、自然界を利用して物質的な幸福をもたらす元になるの

だと。それはその通りです。ですけれどもデカルト(17世

紀、フランス哲学者)に至りますと、二元論になっていき

ます。これは皆さんご承知のとおりで、自我(考える自

己・精神)の独立、そして対象としての自然界(延長であ

る物体)も独立実体。つまり自と他の厳然たる分離と存在。

こうしてこの世界は自我の尊厳と共に自然界は生命なき物

質の延長となってしまうのです。これは西洋のものの考え

方です。そこで、いくらでも切りきざんで科学をやってい

いだけではなくて、いくら搾取しても利用してもいいとい

うことになるんです。それが資本主義の発達となります。

20

講演「リラ自然音楽と融合文化」山波言太郎

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偏向の進展〜アダム・スミス(自由放任主

義的経済思想の理論的基礎)と産業革命と市

民革命(地球蚕食経済方式の開花と物質的幸福

享楽の拡大、及び庶民参加)

(時間がないので説明は省略します)

4-3

西欧文明の偏向(地球蚕食文明化)とそ

のグローバル化

19世紀後期〜科学技術文明発達

二つの大戦で科学技術は戦争と営利の奴婢

と化し、地球の四大危機を招来

そして遂に19世紀の中ば以降は、科学技術がもの凄く発

達していきます。ご承知のように、例えば蒸気機関の発達

に始まりまして、内燃機関ですね、ポンポン蒸気の、或い

は自動車や飛行機の工業を生み出していきます。電力もで

すね、発電によりまして電線一本でもってどんな僻地でも

大工場がつくれるようになりました。それから鋼鉄の精練

の開発ですね。それによってどんな大砲も軍艦もつくれる

し、精密機械もつくれる。電線をひいて電気動力をもって、

そして鋼鉄でもって軍艦をつくり大砲をつくり精密機械を

つくっていく。そうした科学の非常な発達と共に、金もう

けは幸福にするんだという考え方が出てきまして、唯物主

義化が進んでいくのです。それによって西欧人は魂の糧が

得られなくなっていったのです。なぜなら先程からお話し

しているように、魂の糧は愛によってしか得られないんで

す。唯物主義はエゴイズムですから。

このような西欧文明が世界に広がっていきました。我れ

も我れもと西欧の後を追っかけて西欧文明を受け入れてい

きます。だから世界的な唯物化が西欧から始まったのです。

西欧の目覚めルネサンスは人間の目覚めでよかったのだけ

れども、外への発展を生んで、唯物化を生んで、そして世

界中が唯物思想となっていったのです。これで4つの危機

が生まれたのです。自然界の癒しのエネルギーがもう人間

には入れられない、人心が悪化していく、どうしようもな

い。どうしたら地球が救えるのか、という問題にさしかか

っているのですね。私に言わせると、日本人でないとダメ

だということなのです。いよいよ日本人の出番です。

21

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5、地球四大危機を救うのは誰

か? コトダマの国日本人の

役割

5-1

古来日本の「自然生命観」(自然界は生

き物、人は神の子と知っていた日本人)

(ネオ・スピリチュアリズムの媒体論と古代日本思想の

四魂説が本質が同じものであることは先に説明しました)

5-2

切腹の尊重

邪気は腹に溜る、邪気のない人は神の子と

知っていた日本人

日本人は昔から凄いことを知っていました。切腹、「ハ

ラキリ、サムライ」。西欧人はあれビックリするんですね。

それと共にサムライを尊敬しているんです。しかし何故、

切腹をするのか?

実は悪い思想(邪気)は腹に溜まるんです。これはリラ

自然音楽療法

の研究によっ

て、そのとお

りです。図4

をご覧下さい。

人体にはチャ

クラがござい

ます。主なチ

ャクラは7つ

ございます。

下の方の三つのチャクラは物質的な方と関係するチャクラ

です。上の方の三つのチャクラは崇高な精神と関係するチ

ャクラです。人間は悪い言葉を吐いたり、悪い行為をした

り、悪い思いを持ちますと、全部幽体に刻印を残しますね。

それはどこに溜まるかというと幽体の腹部(下位の三つの

チャクラ)に溜まっているんですよ。腹に溜まったまま出

ないから、その人は悪人になってしまう。ということを古

代日本人は知っていたから、腹を切って私は潔白でござい

ます「この通りハラはきれいです」ということを見せよう

としたのです。「ハラキリ」というのは、日本人は邪気は

22

講演「リラ自然音楽と融合文化」山波言太郎

【図4】チャクラと邪気

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腹に溜まるということを知っていた証しではないでしょう

か。だから「あの人は腹黒い」「ハラが汚ない」「腹に一物

がある」などと言いますね、日本人だけですね、そういう

考え方。日本人は何と、悪い行為、言葉、思いは、腹に邪

気として溜まるんだということを知っていて、切腹で自分

はきれいだということを見せようとした、すごい事を知っ

ていたのですね。

人体に柱ができると邪気は出る

それでは、この腹に溜まった邪気はどうやったら出るか

ということです。図4をご覧になると判るのですが、腹

(ミズオチのチャクラ)から上のあたりがギザギザの狭い

隘路になっていて出にくい。その上は点点となっていて、

痕跡があるだけで道が出来ていない。邪気は上へ抜けるん

です。すなわち煙突が出来ていない、煙突が出来れば全部

邪気は抜けるんです。

どうやって煙突が出来るのかというと、胸のチャクラ

(エデンの門・愛のチャクラ)が開発されると出来るので

す。胸のチャクラをどうやったら開発できるのかというと、

純粋な愛の心をもつときにその分だけ開発され花開く。そ

うすると自然に上位三つの崇高な精神のチャクラは開いて

いきます。道が出来るんです。それが図5の人体に柱が出

来た図です。

愛の思いをもてば、愛の人になれば通路が出来て煙突が

出来るから、邪気は全部出てしまいます。邪気が出ただけ

でなくて、天地の神気が入ってきます。すなわち天地(宇

宙)が歌っている、あの宇宙発生以来のあの癒しの歌が入

ってくるのですよ。邪気がなくなるだけでなく、逆に天の

気、地の気が入ってくるから、人間は急速に変化します。

こういうわけで天使に急速に変化することが、人間には不

可能ではないのです。胸のチャクラを開発すればいい、そ

れは愛によるのだ、そうすると柱が出来て邪気が抜けて、

天地の気が入って進化する、というわけです。

しかし残念ながら愛の心が持てないんですね。3日くら

23

【図5】人体の柱

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いもちますが、すぐダメになる。失敗の連続。だから我々

はリラ自然音楽をつくって天地のうたをキャッチして、皆

に聞いてもらって、これが急速にできるようになってもら

おうと思っているのです。

5-3「壁に耳あり」「天に唾」の教え

邪気は真言まこと

(誠のコトダマ・愛)で出すこと

を知っていた日本人

日本人というのはすごいですよ。おなかの邪気がどうや

ったら抜けて通路が出来るのかというその方法を知ってい

たのです。誠まことの言葉によって出来る、嘘ついちゃダメよと

いうことです。

実は私におばあさんがいたのですが、元治元年生まれで

すから明治元年より4年も前ですね。うるさいおばあさん

で、しょっ中言われていました。「壁に耳あり」、嘘つくな。

言われてもまた嘘をつくと、つねられるんですね。もっと

嘘つくと足の小指にお灸をすえられるんです。そうして

「嘘つくとだめだよ。天に唾すると返って来るだろ」と言

われて「そんな事ないよ」と本当にやったら、唾が返って

きて冷たかったのを覚えています。本当だなあと思いまし

た。日

本人はずっと古代から江戸時代、第二次世界大戦の前

まで、年寄りがいてこれを教えてきました。嘘つくなとい

うのは、まことの言葉、まことの思いによって煙突が出来

るよということを教えていたのです。

因果の法と、一即全

の宇宙法則を知ってい

た日本人

図6(次ページ)をご覧下さい。

これは因果の法、「壁に耳あり」「天に唾」さっきのおば

あさんの言葉ですよ。これ宇宙法則なのです。壁に耳あり、

天に唾すると返ってくる、宇宙には因果の法がござますね。

キリストは教えていました。人は自分の播いたものを刈り

取るのである。黒い麦を播くと黒い麦が生える、愛の麦を

播くと良い愛の麦が出来る、すべて自分の運命というもの

は、自分の播いた種によって決まるのだよ。だからまず動

機(心)を正しくしなさい。

これは因果律ですよ。これは、人が黒い球を投げると黒

24

講演「リラ自然音楽と融合文化」山波言太郎

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い球が返っ

てくる、白

い球を投げ

ると白い球

が返ってく

る。黒い球

というのは

悪意、いじ

わるな行為、

いじわるな

言葉、いじ

わるな思い。

その黒球を

投げると投

げた黒いも

のが返ってくる。黒いものというのは破壊とか不幸です。

白い球を投げると、その同じ白い球が返ってくる。白い球

というのは、愛の言葉、愛の行為ですね。すると投げたも

のがそっくり戻ってくる。これは天に唾するのと同じこと

です。これは壁に耳があるのと同じことです。相手に向か

って黒い球を投げたつもりなのに、自分に黒い球が戻って

きた。壁は私なのです、相手は私なのです。だから相手に

対して悪口を言ったつもりが、自分に言っていた。相手は

自分だということを日本人は知っていた。すなわち人間の

根源にはスピリット(直霊なおひ

)があって、直霊

なおひ

とは神の分身、

神と同じもの神なのだよということを知っていたのです。

そんな難しいこと言っていないけれども、「壁に耳あり」

「天に唾」で教えちゃった。キリストの言った因果律を教

えていた。ということは、根源において人は皆「あなたは

わたし」、皆神の子。ワンネスです。一つの命から、すべ

てが生まれた。すべての命は一つであるということを、日

本人は知っていたのです。

5-4

献身(滅私奉公││ワンネス)を神の子

の道と知り実行した日本人

西欧の割勘忠誠と日本人の一即全の忠誠

だから封建時代になりましても、日本の武士道とヨーロ

ッパの騎士道とは違いますよ。ヨーロッパの騎士道はすご

25

【図6】因果の法(壁に耳、天に唾)

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いんです、ヨーロッパ中世の騎士道は「割勘忠誠」。

ご承知と思いますけれども、例えば騎士が荘園を一つ貰

いますと、主人のところへ行って宣誓の儀式を致します。

「あなたから只今一つの荘園を貰ったから、あなたが戦争

をするときは私の持兵の中から10人の兵隊を差し向けて参

戦させます」という。次に「あなたから只今二つの荘園を

もらいましたから、あなたが戦争する時は20人の兵隊を差

し向けますよ」。あるいは「あなたから只今三つの荘園を

もらいましたから、あなたが戦争をする時は私が30人の兵

を引き連れて参戦します」と言います。これを正確に守る

のが騎士ナイト

です。契約と誠実な履行です。割勘忠誠なのです。

日本人はそんなことしません。千石取りの大身も、百石

取りの馬まわり役も、五石三人扶持の小身ものも、すべて

殿の馬前に死ぬんです、全生命を投げ出して。割勘ではな

くて、最高のものである己が命を差し出すのです。なぜ

か? 忠誠とは物ではない、大切なものを捧げること。皆

一つの命だから、命は最も大切なものだから、その命を殿

の前に差し出す。貰った碌高によらないということは、日

本人はすべての命はひとつということを知っていたから。

このような忠誠、これは日本人の一元論です。命││一元

があってそこからすべての万物が生まれ、精神も物質も生

まれて、宇宙万物皆一体である。この恐ろしい思想を日本

人は昔から持っていたのです。

5-5

地球四大危機を生んだ西欧二元論の変

更は、日本人の生命一元論による他に、

道がないのではないか

でも腑抜けになった日本人(敗戦で、精神

(魂)よりもお金を選択)

西洋文明、この二元論によって、戦争や殺戮や人心の悪

化や破壊が起こりつつある現在、この西洋文明のグローバ

ル化を阻止して平和な地球に変えるのは、日本人が立ち上

がって日本人の精神を伝える以外に方法はない、と思って

います。これは日本人の役割です。ところがこれが残念な

がら日本はダメになりました。昭和20年8月15日、敗戦と

共に日本の伝統は失われました。唯物化しまして経済大国

などとうつつを抜かしておりますが、あれは日本の大切な

「精神の大切さ」、つまり一元論を捨てたのですね。

26

講演「リラ自然音楽と融合文化」山波言太郎

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どういうことかと申しますと、戦時中は武器がないから

竹槍のけいこをさせられたのですね。女学生も婦人会もや

った。アメリカが攻めてきたら竹槍でやるんだ。それでは

勝てないだろうと言うけれども、精神力があれば勝てるん

だと、皆本当に思ってやったのです。だけど嘘でした。

(注、これは精神偏重の誤った日本主義)。日本が弾を一発撃

つとき、アメリカは百発千発撃ってきました。それで負け

たんです。そこで戦後になって日本人は思い当たった「な

ぜ負けたか、物量の差なのだ」、そうだ、「精神よりお金」

だと思った。そう思って戦後はお金第一主義で一生懸命や

りまして、それで高度成長にはなりましたけれども、大事

な精神の大切さを失いました。日本人の生命一元論をすべ

て失いました。

西洋化唯物化されて日本の精神性を失いましたが、しか

し根源的に生命一元論をもっているのは日本人以外にない

のです。東洋は自他一体となるといういき方ですが、しか

しすべての命は一つだという一元自然生命観をもっている

のは日本人だけです。東洋人の中の日本人が立ちあがって、

西洋文明と融合することによって立ち直らせる以外、方法

はないと思っております。

出来るか、今、日本人? そんな事言ったって、誰も受

け入れてくれません。

どうやってやるんだ! 方法はあるんです。

唯一つの活路は、宇宙の「魂の糧」を耳か

ら全人類の身体に入れること

自然界と一体になって宇宙音を聞きとったリラ自然音

楽、これこそ日本人の一元自然生命観の実現、その具体化

ではないでしょうか。リラ自然音楽が今日本で発生したと

いうことは、そういうことではないでしょうか。

6、リラ自然音楽は、太初はじめ

のコト

バを奏でる「超ヒモ一弦琴」

シンフォニーか?

「超ヒモ理論」は科学がとらえた太初の言

葉か?

実は、科学は発達しまして、アインシュタインから量子

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論へ、そして現在は量子論から「超ヒモ理論」がでていま

す。私は科学は素人で判りませんけれども、そういう事だ

そうです。そして超ヒモ理論は、どうも宇宙音をとらえて

いるのではないかと思われます。

超ヒモ理論とは何かといいますと、ビックバンの時に宇

宙は膨

インフレーションし

て燃える宇宙になって、そして宇宙は生まれ

てくるのですけれども、そのビックバン、その一千億分の

一秒後に生まれたのがクオークなど素粒子です。そこから

すべての元素が生まれてきています。素粒子は始めに言い

ましたように、粒子性をもっているし波動性ももっていま

す。そこまでは量子論でハッキリしていますが、何で粒と

波、2つ持っているの? 最初は超々々微粒子、一粒の粒

子ですね、これが膨張インフレーション起こして(ビック

バン)、燃える海となって、そして瞬間に素粒子を生んだ

ということになっています。そしてその素粒子は粒子性と

波動性を持っている。波動と粒子、その関係はどうなんだ

ということになりますと、今量子論よりもう一歩出た新し

い仮説ですが、それが超ヒモ理論です。

超ヒモ理論というのは、ビックバンのもっと前に、最初

は素粒子ではなくヒモがあった。このヒモは丁度ギターの

弦のように押さえて弾くと、いろんな音が出る。別の所を

押さえると別の音が出る。この出た音は波動でもあるし、

それはまた粒子でもあった。一本のヒモがギターの弦のよ

うにいろんな音を弾はじ

いて出す時に、それぞれの波動とそれ

ぞれの波動に応じた粒子が生まれた。それが素粒子だとい

う、そういう考え方ですね。

その超ヒモというのはどれくらいの大きさかというと、

プランク距離スケール

、10のマイナス33乗センチメートルですね。

どれくらいかというと、1センチメートルを千億分の1に

して、それをまた1千億分の1にして、それをまた1千億

分の1にした長さです。顕微鏡でも見えません。それが最

初のものであって、それはたとえばギター弦のようなもの

であって、それが奏でる時に、それぞれの波動、波動に応

じた粒子がでてくる、つまり素粒子が出来てくる。それが

現在の宇宙を構成している、という考え方ですね。

奏でる人は日本人の原型(天と地をつなぐ神

ながらの姿勢)の人

そうしますと、図7(次ページ)をご覧下さい、この絵が

まさにそうです。これは植物でございまして、太陽と地球

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講演「リラ自然音楽と融合文化」山波言太郎

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を結びまして

一本のヒモに

なっておりま

す。これはい

わば巨視的な

ヒモですね。

超ヒモ理論は

超微粒子で

す。しかし宇

宙は相似形で

ございます。

たとえば原子

ですが、原子

は原子核のま

わりに電子が

回っています。これは太陽系の、太陽のまわりを惑星がま

わるのと全く同じですし、宇宙はその中心にある核を中心

に全天体がまわっているのと全く同じです。というように

相似形ですので、宇宙初源の超ヒモも拡大すると、ここに

木(植物)があって、太陽と地球もつなぐ1本のヒモ、そ

してこれを奏でる歌がリラ自然音楽です。

ここに西欧(二元論)の精華と、日本(一元

論)の理想の融合が見られる

とすれば、これは太初

はじめ

の音ではないか、そしてなぜ、こ

れを人間がキャッチすることができたのか、これです。も

う一度﹇図7﹈を参照。全く同じかたちをしている太陽と

地球。人間がつないでおります。植物の代りに人間がつな

いでいる。なぜ人間がつなぐことが出来るのかというと、

柱が出来たからです。腹に邪気が溜まっていたが愛の心を

もつと柱が出来て邪気が出る煙突が出来る。そして天地の

気を注入することが出来ます。だから天使のようになるこ

とが出来る。天使のようになりかけた人が「あー」と発声

するのがリラヴォイスですよ。それは形で言うと超ヒモの

この宇宙の形と全く同じ。相似形なのです。これは共鳴の

法則、倍音の法則でもって我々が発声するときに、この超

ヒモの発声をすることが出来る。これを今歌っているのが

リラ自然音楽だと考えております。私の仮説でございます。

人間とは偉大なものなのです。

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【図7】超ヒモ一いち

弦琴

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ホモ・サピエンスは宇宙樹の一枚づつの葉

(小型の生命の樹)として創られた

次の図8をご覧下さい。ハッパがございます。ハッパは

一本の木と同じ役割りをしているんです。なぜかというと

太陽の光を吸

収いたしま

す。それは葉

緑素があるか

らですね。木

が太陽の光を

吸うのはハッ

パがあるから

です。それか

ら水分をハッ

パが吸収する

んです。木と

いうものは、

大地から水分

や養分を吸収

します。しかし根っこから吸ったものは上には行かないん

です。なぜ木の先端まで水分が上がっていくのかというと、

このハッパが吸うのです。気孔といって葉に穴があって吸

い上げるんですよ。朝露というのがありますが、あれは吸

い上げすぎた水分が気孔の穴から噴き出ているのです。で

すから葉っぱはまさに木と同じである。太陽の光も吸う、

大地の水も吸う、全く木と同じ。

なぜ葉っぱは出来るのか? ここに葉脈がございます。

ですから葉は枝々の先端まで水分を吸う、太陽の気も吸う

葉っぱがあるから樹木は成長するわけで、花も咲き実も稔

るんです。葉は偉大なのです。人間も一枚の葉っぱなので

す。人体に柱が(つまりハッパの葉脈にあたるものが)で

きる時に天の気と地の気を吸う生命の樹のハッパになるこ

とが出来るのです。もし宇宙に大きな生命の樹があるとす

れば、これはいろんな民族が言っていますし、日本の五重

の塔もその源を探すと、この生命の樹なのです。このよう

な思想が世界中にありまして、宇宙は大きな一本の生命の

木であるといわれておりました。この生命の木を生かし維

持し栄えさせるのは、葉の働きなのです。葉がないと太陽

の光も吸えない、大地の気も先端まで吸えない。

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講演「リラ自然音楽と融合文化」山波言太郎

【図8】生命の樹の葉

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人間は生命の樹の一枚ずつの葉として生まれたのではな

いか。だから137億年かけて宇宙は、言葉を話すホモ・

サピエンスを生んだ。このホモ・サピエンスが、愛の言葉

を話すときに、このときまさに生命の木の働きをすること

が出きる。この地球は木が栄えるようにパラダイスになり

得るのではないかと、私は考えております。という考え方

をもっておりまして、私はリラ自然音楽の仕事をやってい

る次第であります。

(完)

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