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オリジナル問題1: Langerhans細胞性組織球症 って覚えてる?Langerhans細胞性組織球症 について、誤っている物を選べ。
a. 20~40歳の喫煙歴のある男性に好発する。b. Langerhans細胞が肉芽腫状に浸潤・増殖する。c. 治療の原則は禁煙である。d. Langerhans細胞を同定する上で「Birbeck顆粒の存在」「S10陽性」「CD1a
陽性」を一般染色及び免疫染色で証明する事で重要である。e. 平均的に見て、殆どの疾患で予後不良である。
オリジナル問題2:喘息って怖いよね~。次の内、誤っている物を選べ。
a. 喘息死は近年減少している。b. 喘息を診断する上で、COPD・心不全の除外は必須である。c. 頻脈が無く、喘息も無ければ、意識障害があっても喘息とは言えない。d. 気管支喘息患者にサリチル酸系のNSAIDsは禁忌だが、アセトアミノフェンや塩基性NSAIDsはかなり安全に使用できる。
e. ステロイドは非発作時の、SABAは発作時の症状管理に有用である。
オリジナル問題3:インフルエンザワクチンについて考える。インフルエンザワクチンの適応として誤った物を選べ。
a. 65歳以上の高齢者b. 基礎疾患がある60~64歳c. 鶏卵でアナフィラキシーショックを起こした者d. COPD患者e. 一般健常人
オリジナル問題4: 塵肺おさらい。塵肺について、誤った物を選べ。
a. 粉塵吸入で肺に生じる線維増殖性変化であり、ステロイドで回復する。b. 粉塵作業から離れた後も肺病変は進行する。c. 胸部陰影は一般に10~20年の粉塵曝露が必要である。d. 塵肺の胸部X線所見の記載法は塵肺法により定められている。e. 歯科技工士は塵肺に罹患する可能性がある。
国試対策勉強会301号室2013/1/28:そろそろリアルにネタ切れかも?
担当:松田
オリジナル問題5:サルコイドーシスおさらい。サルコイドーシスについて、誤った物を選べ。
a. 神経病変や心病変、眼病変などにはステロイドの適応がある。b. ガリウムシンチグラムにおける著明な集積所見は診断に有用である。c. Heerfodt症候群はぶどう膜炎、耳下腺腫脹、顔面神経麻痺を主徴とし、微熱を伴って発病するタイプのサルコイドーシスである。
d. 最も侵され易いのは肺や胸郭等の呼吸器である。e. 血清あるいは尿中カルシウム低値を認める。
オリジナル問題6:肺高血圧を見直す。肺動脈性肺高血圧について、誤った物を選べ。
a. 診断には右心カテーテル検査が必須である。b. 失神の原因と成り得る。c. 根治療法は無いが、血管拡張薬で予後は改善した。d. 肺動脈平均圧が25mmHg以上であれば診断できる。e. 心エコーで左室のD-shapeを見た場合、鑑別に入れる。
オリジナル問題7:輸液関係を少し思い出そう。次の内、誤っている物を選べ。
a. 不感蒸泄は通常800mL程度と考えるが、気温等で変動する。b. 細胞内液と細胞外液の割合は凡そ2:1である。c. Anion gapの正常値は12±4mEq/L程度である。d. 呼吸性代償は素早く起こるが、代謝性代償は数日単位で起こる。e. アジソン病ではアニオンギャップが増加する。
オリジナル問題8:これって出るよね?糸球体腎炎の内、補体が低下する物を3つ選べ。
a. igA腎症b. 膜性増殖性腎炎c. 膜性腎炎d. ループス腎炎e. 急性糸球体腎炎
国試対策勉強会301号室2013/1/28:そろそろリアルにネタ切れかも?
担当:松田
オリジナル問題9:どうっすか、はい?白色瞳孔を来さない疾患を選べ。
a. 網膜芽細胞腫b. Coats病c. 眼内炎d. 硝子体出血e. Vogt-小柳-原田病
オリジナル問題10:はい、流石っすね。眼内炎について、誤った物を選べ。
a. 治療開始が遅れて重症化すると視力予後が非常に悪い。b. 保存的な抗菌薬の硝子体注入よりも硝子体手術の方が経過良好である。c. 真菌性は両側性、細菌性は片側性の事が多いとされる。d. 真菌性ではAspergillus spp.が90%程度を占めている。e. 術後眼内炎や角膜潰瘍、外傷を契機に発症する他、菌血症に伴って発生する場合もある。
国試対策勉強会301号室2013/1/28:そろそろリアルにネタ切れかも?
担当:松田
答えオリジナル問題1:e
オリジナル問題2:c
オリジナル問題3:c
オリジナル問題4:a
オリジナル問題5:e
オリジナル問題6:d
オリジナル問題7:e
オリジナル問題8:b, d, e
オリジナル問題9:e
オリジナル問題10:d
国試対策勉強会301号室2013/1/28:そろそろリアルにネタ切れかも?
担当:松田
Langerhans細胞性組織球症 ・20~40歳の喫煙歴のある男性に好発する。 ・ Langerhans細胞(Birbeck顆粒・S100・CD1a陽性)が肉芽腫状に浸潤・増殖。 ・ 自然寛解例から呼吸不全による死亡例まで様々だが、基本的には予後良好。 ・ 治療の原則は禁煙である。
1606 medicina vol.46 no.10 2009-10
ICS が使用できない症例には LTRAが用いられる.③ステップ 3:発作治療薬+1つまたは 2つの長期管理薬ステップ 3 の治療の中でまず推奨されるの
は,低用量 ICS に吸入長時間作用型 b 2 刺激薬(LABA)を加えた治療である.LABA には吸入薬,貼付薬,内服薬があるが,吸入薬がもっとも効果が高い.吸入ステロイドに吸入LABAを追加することによって,低用量の吸入ステロイドでも効果が増強され,吸入ステロイド薬の減量が可能となる.ここで重要なことは,吸入 LABAは吸入ステロイドと必ず併用
図 2 治療ステップと各ステップでの治療
ステップ 1
発作治療薬
喘息管理薬の選択
ステップ 2 ステップ 3
喘息治療に関する教育,環境のコントロール
短時間作用性β2刺激薬(SABA)の頓用
ステップ 4 ステップ 5
1 つを選択 1つを選択 1つか,それ以上を追加
1つか,両方を追加
・低用量 ICS・LTRA
・低用量ICS+LABA・中 / 高用量ICS・低用量ICS+LTRA・低用量 ICS+テオフィリン徐放製剤
・中/ 高用量ICS+LABA・LTRA・テオフィリン徐放製剤
・経口ステロイド薬(必要最低量)・抗 IgE 薬
ステップアップ
ステップアップ
ステップダウン
ステップ
ダウン
治療ステップ(6 歳以上)
コントロール良好 今のコントロール状態が維持可能な治療へ「ステップダウン」
コントロール不十分 「コントロール良好」の状態になるように「ステップアップ」を考慮
コントロール不良 「コントロール良好」の状態になるまで「ステップアップ」
喘息増悪 喘息増悪の治療を行う
コントロールレベル コントロールレベルに対する治療法
しなければならないことである.SMART研究で Salmeterol を使用した群で喘息関連死亡のリスクが高いことが報告されたが,その後のmeta analysis において吸入ステロイド薬と併用した場合は,吸入ステロイド単独治療と比較して喘息関連死亡や挿管などのリスクは増加しないことが報告された.以上のことから吸入LABAを使用する際は,吸入ステロイドと吸入 LABAの合剤を用いるほうが安全性と簡便性からも推奨される.わが国でよく用いられているツロブテロール貼付薬も LABAに分類されるが,吸入 LABAと比較するとその効果は約 1/3 と低いことが報
閲覧情報:札幌医科大学附属総合情報センター 100-32-86549 2012/02/14 09:28:15
medicina vol.46 no.10 2009-10 1611
喘息とCOPD●喘息と禁忌薬
機序アスピリン喘息は非アレルギー性の機序で起こり,NSAIDs が,プロスタグランジン合成酵素であるシクロオキシゲナーゼ 1(COX-1)を阻害することで症状が誘発される.COX-1 阻害により,アラキドン酸代謝産物が,リポオキシゲナーゼ経路を通過し,肥満細胞が活性化されロイコトリエンが過剰産生され,過敏症状が誘発される.
■ 比較的安全な NSAIDs
アスピリン喘息に使用できる解熱鎮痛薬は,アセトアミノフェン(カロナールⓇ)[1 回 500 mg 以上内服で発作の可能性あり],塩基性NSAIDs(塩酸チアラミド:ソランタールⓇ,エモルファゾン:ペントイルⓇ,エピリゾール:メブロンⓇ),COX-2 阻害薬(セレコックスⓇ)で,これらの薬剤であれば,発作を起こす可能性は低い(表 1).ただし,添付文書上の禁忌となっている場合があるため,注意を要する.また鎮痛であれば,ペンタゾシンやモルヒネなどのオピオイドが使用可能である.
b 遮断薬
喘息の他に,虚血性心疾患や心不全,甲状腺機能亢進症合併患者に対して b 遮断薬を使用
したい場合,どういった薬剤を選択したらよいだろうか.心筋梗塞後の患者において,喘息患者の b
遮断薬の使用は生存率を明らかに改善させる(2年生存率83%対72%)という観察研究がある 2).また,b 1 選択性遮断薬(メトプロロール:セロケンⓇ,アテノロール:テノーミンⓇなど)は b 1受容体に対し,b 2 受容体の 20 倍以上の結合率を示し,より安全に使用することができる.メタアナリシス 3)によると,軽症から中等症の喘息患者において,b 1 選択性遮断薬の単回内服後は FEV1(1 秒量)が 7%下がるが,3日~4週間継続した場合,FEV1,呼吸症状,b 刺激薬吸入回数の悪化を認めなかった.これは b 遮断薬の内因性交感神経刺激活性の有無にかかわらなかった.以上のことから,心筋梗塞など明らかな b
遮断薬による利益があれば,軽症から中等症の患者においては,症状に注意をしながら b 1 選択性遮断薬を使用することが勧められる.
■ 点眼薬
緑内障に対して用いられる b 遮断薬の点眼薬は,内服と同様に全身症状にも影響を与える.コホート研究 4)では b 遮断薬の点眼により,発作のハザード比は 3.0(95%信頼区間 1.6~5.4)となった.症状に注意し,代替薬の使用が可能で
表 1 気管支喘息患者に用いられる主なNSAIDsアセトアミノフェン(1回300 mg未満)
カロナールⓇ かなり安全アンヒバ坐剤Ⓡ かなり安全
塩基性NSAIDs ソランタールⓇ(塩酸チアラミド) かなり安全ペントイルⓇ(エモルファゾン) かなり安全メブロンⓇ(エピリゾール) かなり安全
COX-2阻害薬 セレコックスⓇ(セレコキシブ) かなり安全ハイペンⓇ(エトドラク) 比較的安全モービックⓇ(メロキシカム) 比較的安全
(総合感冒薬) PL 顆粒Ⓡ(アセトアミノフェンなど) 比較的安全
閲覧情報:札幌医科大学附属総合情報センター 100-32-86547 2012/02/14 09:28:14
国試対策勉強会301号室2013/1/28:そろそろリアルにネタ切れかも?
担当:松田
1600 medicina vol.46 no.10 2009-10
■ b 2刺激薬
気管支拡張薬として確立している薬で,投与経路は吸入が基本である.5分以内に効果が現れる.最初の1時間で20~30分ごとに吸入し,3 回吸入した時点で再度重症度を評価する.6~7 割の患者は 3 回の吸入で帰宅できるが,その後も治療が必要な(帰宅できない)患者にお
いては重症度に応じて投与間隔が変わる.軽症であれば 4時間おき,中等症であれば 1~2 時間おきなどと調整する.ただし,b 2 刺激薬は何度も使用していると down regulation が働き効果が乏しくなってくるので,反応が悪い患者には早期に他の薬剤との併用を検討すべきである.吸入方法として,定量式噴霧器(metered
dose inhaler:MDI)を用いれば比較的正確な量を投与できるが,高齢者や小児など,吸入が上手にできない患者への使用は難しい.軽症~中等症においてはMDI とネブライザーでの投与で有効性に差はない 4)とされており,現場ではネブライザーを用いたほうが簡便であることから,実際多くの施設において救急室でネブライザーを使用しているようである.また気管挿管され人工呼吸管理をしている患者においては,吸気ラインの途中に「呼吸器用コネクタ」を装着し,そこから噴霧式の吸入薬(サルタノールインへラーⓇなど)を投与する.
表 1 喘息発作の重症度(文献 1より引用改変)軽症 中等症 重症 呼吸停止間近
症状呼吸困難 歩行時のみ
横になれる安静時でも座位を好む
安静時でも前かがみ –
会話 文章 語句 単語 –意識 興奮気味 興奮している 興奮している 傾眠,混乱
身体所見
呼吸数 ↑ ↑ 30回/分以上 –副呼吸筋の使用胸骨陥凹
なし あり あり 胸腹部の奇異性運動
喘鳴 中等度呼気終末のみ
大きい呼気全体で
大きい呼気+吸気で なし
脈拍数 <100 100~120 >120 徐脈
検査
PEF >80% 60~80% <60% –
pO2正常
(検査不要)>60 mmHg(検査不要)
<60 mmHgチアノーゼありうる
pCO2 <42 mmHg <42 mmHg >42 mmHgSpO2 > 95% 90~95% <90%
表 2 致死性喘息のリスク(文献 2より引用改変)
喘息の病歴
・ 重症発作の既往(気管挿管歴や ICU入院歴など)・この1年間で2回以上の入院がある・ この1年間で3回以上救急室を受診している・毎月2回以上吸入 b 2 刺激薬を使用している・喘息症状や重症度の自覚がない
社会歴 ・生活水準が低い・精神社会的な問題がある
基礎疾患・心疾患を合併している・慢性肺疾患を合併している・慢性精神疾患を合併している
閲覧情報:札幌医科大学附属総合情報センター 100-32-86551 2012/02/14 09:28:16
国試対策勉強会301号室2013/1/28:そろそろリアルにネタ切れかも?
担当:松田
表3 喘息と鑑別を要する疾患とその特徴
診断 病歴 症状 身体所見 その他の鑑別のポイント
COPD 中年以降の発症,長い喫煙歴
慢性的に徐 に々進行する労作時呼吸困難(日中に多い)
wheeze,rhonchi,樽状胸郭,ばち指
CTにてLAAの確認,気道可逆性に乏しい,好酸球性炎症の欠如
うっ血性心不全 高血圧や心不全の既往 就眠後の呼吸困難,起座呼吸
wheeze,fine~
coarse crackle,ギャロップ心音,頸静脈怒張
うっ血初期の背部下肺の
fine crackle,胸部X線にて心拡大,BNP測定など
肺血栓塞栓症 喘息の既往なし,長期臥床による血流うっ滞や血液凝固能亢進などのハイリスク患者
突然の呼吸困難,頻呼吸,胸痛
通常呼吸音は正常だが,時にwheezeを聴取する
酸素投与にてもSpO の上昇不良,PaCO の低下(A-
aDO の開大),心電図での右心負荷所見,造影CTにて血栓塞栓の描出
気胸 痩せ型の男性,喫煙歴,気胸の既往
突然発症の呼吸困難,胸痛,咳
患側の呼吸音減弱 胸部X線による確認
閉塞性細気管支炎 臓器移植後,関節リウマチや膠原病の既往,有毒ヒュームの吸入(ただし特発性もある)
徐 に々進行する強い労作時呼吸困難
wheezeは通常聴取しない,時にcrackleを聴取する
気道可逆性に乏しい,好酸球性炎症の欠如,HRCTにてモザイク状の肺野(呼気時),小葉中心性の粒状影の散在
びまん性汎細気管支炎
慢性の経過,慢性副鼻腔炎をほとんどで合併
多量の膿性痰,労作時呼吸困難,時に喘息様症状
coarse crackle,
rhonchi,時にwheeze
胸部X線やCTでの過膨張所見と気管支壁の肥厚,びまん性の粒状影
サルコイドーシス 亜急性の発症,飛蚊症などの気道外の症状
労作時呼吸困難,時に喘息様症状
wheeze,rhonchi,時にstridorも聴取する
胸部X線やCTにてリンパ節腫大と気道の狭窄
気管・気管支結核 胸部X線がほぼ正常,長引く咳,微熱
激しい咳や喘鳴,嗄声,呼吸困難,喀血など
wheeze,rhonchi 胸部X線(ほぼ正常な例も多い),胸部CT,血沈の亢進,喀痰検査,気管支鏡検査
気管・気管支腫瘍,気道異物
気道異物では誤飲の病歴
乾性咳嗽,喘鳴 限局性のwheezeや
rhonchi,呼吸音の減弱
胸部X線やCTにて異物と気道狭窄,閉塞性無気肺の確認,気管支鏡検査
心因性,VCD※ 難治性喘息として治療されていることが多い(ステロイド抵抗性)
頻呼吸,強い呼吸困難の訴え
頸部を最強とした
s t r i d o rで,肺 に
wheezeなし
心因の要素,肺機能検査にてFVC低下が主体(人為的呼出制限)で吸気ループの平板化,好酸球性炎症の欠如
再発性多発軟骨炎 亜急性発症,他に耳介や鼻などの軟骨病変の存在
変動しない強い呼吸困難
rhonchi,wheeze,強い炎症による軟骨部位(耳介,鼻,関節など)の発赤や変形
CTにて気道の著しい壁肥厚と内腔の狭窄(特に呼気時),気管支鏡にて気道壁の強い発赤(食道様)と軟骨輪の消失,血液検査にて強い炎症反応
※VCD(vocal cord dysfunction;声帯機能不全)
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閲覧情報:札幌医科大学附属総合情報センター 100-32-86589 2012/02/14 09:32:58
国試対策勉強会301号室2013/1/28:そろそろリアルにネタ切れかも?
担当:松田
<PAH> ・肺血管の狭細化に伴って肺血管抵抗が上昇した状態 →肺動脈平均圧25mmHg 以上/肺動脈楔入圧15 mmHg 未満 ・労作時息切れ、易疲労感、失神、浮腫などを呈する。 ・確定診断は「右心カテーテル検査」 ・血管拡張薬で予後は改善したが、根治療法は無い。
<眼内炎> ・最も緊急性を要する疾患の1つ(治療開始が遅れると視力予後が非常に悪い) ・保存的な抗菌薬の硝子体注入よりも硝子体手術の方が明らかに経過良好 ・成因から大きく2つに分類する ・真菌性眼内炎はCandida spp.が90%程度を占めている
国試対策勉強会301号室2013/1/28:そろそろリアルにネタ切れかも?
担当:松田
所見があり,2 病理組織学的に非乾酪性肉芽腫を
認め, 3 他疾患を除外できることが必要であり,
1 臓器病変(例えば皮膚の肉芽腫)だけでは診断
できないと述べられている。この考えを取り入れ,
2006 年に大幅に改訂された「サルコイドーシスの
診断基準と診断の手引き―2006」4)(表 1)では,1
非乾酪性類上皮細胞肉芽腫,2 各臓器に特徴的な
臨床所見,3 サルコイドーシスに頻度の高い全身
検査所見の 3 つが診断の基本である。また,2 臓
器以上でサルコイドーシス病変がなければ診断で
きないとし,多臓器疾患であることを強調してい
る。診断基準の改訂は各専門学会(日本呼吸器学
会,日本眼科学会,日本心臓病学会,日本皮膚科
学会,日本神経学会)の協力の下に,日本サルコ
イドーシス/肉芽腫性疾患学会により行われた。
改訂前(1989 年作成1),1990 年小改訂2))の診
断基準では,組織診断群(確実)と臨床診断群
旧診断基準ではどのように診断していたか
(ほぼ確実)に分けられていた。「病理組織学的に
非乾酪性肉芽腫を認める(組織所見)」が組織診断
群であり,臨床診断群は「いずれかの臨床所見が
あり,検査所見のうちツベルクリン反応陰性,ま
たは血清 ACE 上昇を含む 3 項目以上陽性のもの
(臨床所見+検査所見)」であった(表 2)。検査所見として, 1 ツベルクリン反応陰性, 2 γ-グロ
ブリン上昇, 3 血清 ACE 上昇, 4 血清リゾチー
ム上昇, 5 67Ga(ガリウム)集積像, 6 気管支肺
胞洗浄液(bronchoalveolar lavage fluid:BALF)異
常,の 6 項目が挙げられていた。
また,心病変と眼病変のみ,サルコイドーシス
を疑う臨床所見を記載した「診断の手引き」5)がつ
くられた。「眼サルコイドーシス診断の手引き」で
は,1 前部ぶどう膜炎,2 隅角結節・周辺虹彩前
癒着,特にテント状周辺虹彩前癒着(peripheral an-
terior synechia:PAS), 3 硝子体の数珠状,雪玉
状,塊状または微塵状混濁, 4 網膜血管周囲炎
(多くは静脈炎,ときに動脈炎)および血管周囲結
節,5 網脈絡膜滲出物および結節,6 網脈絡膜の
広範囲萎縮病巣(光凝固斑様またはこれに類似の
340 臨眼 65 巻 11 号 2011 年 増刊号
表 1 サルコイドーシス診断基準(基本診断基準)
サルコイドーシスの診断は組織診断群と臨床診断群に分け,下記の基準に従って診断する 1 .組織診断群 一臓器に組織学的に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認め,かつ,下記 1)~3)のいずれかの所見がみられる場合を組織診断群とする
1 )他の臓器に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認める 2 )他の臓器で「サルコイドーシス病変を強く示唆する臨床所見」(診断の手引き参照)がある 3 )表に示す検査所見 6 項目中 2 項目以上を認める。
2 .臨床診断群 組織学的に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫は証明されていないが,2 つ以上の臓器において「サルコイドーシス病変を強く示唆する臨床所見」(診断の手引き参照)に相当する所見があり,かつ,前記の表に示した全身反応を示す検査所見 6 項目中 2 項目以上を認めた場合を臨床診断群とする
3 .除外診断 他疾患を十分に除外することが必要である。除外項目については「診断の手引き」の記載を参照し検討する
全身反応を示す検査所見
1 )両側肺門リンパ節腫脹 2 )血清 ACE 活性高値 3 )ツベルクリン反応陰性 4 )Gallium-67 citrate シンチグラムにおける著明な集積所見 5 )気管支肺胞洗浄検査でリンパ球増加または CD4/CD8 比高値 6 )血清あるいは尿中カルシウム高値
閲覧情報:札幌医科大学附属総合情報センター 100-36-46829 2012/09/26 20:14:52
国試対策勉強会301号室2013/1/28:そろそろリアルにネタ切れかも?
担当:松田
図12-9 網膜芽細胞腫患者の写真右目の限内に腫癌が存在するため,瞳孔が明るく反射するいわゆる白色撞孔を示す。
表12寸 白色瞳孔を呈する乳幼児の眼疾患1. 網膜芽細胞腫2. 未熟( 児) 網膜症( 水露体後部線維i曽殖症)3. 第 1次硝子体過形成遺残4. Coats病5 限内炎6 網膜異形成7. 硝子体出血8. 寄生虫性肉芽腫乱 脈絡膜欠損症( 脈絡膜コロボーマ)10. 白内障( 白色瞳孔には含めないこともある)
腫蕩が遠隔転移することはまれであり,周辺に浸潤することが多い。視神経を通じて頭蓋内や脊髄に広がる経路と,通する血管に沿って広がる経路がある。|恨慌に浸潤すると, 血行性, リンパ管行性にさらに広がる。腫療が限外に転移すると,最新の化学療法などを行っても生命予後は不良である。診断 網膜芽細胞I1重は, 1庫、鹿が網膜内に限局している時期では眼底検査で比較的容易に診断でき るが,忠児の協力が得られない場合が多いので, 一度は全身麻酔下で検査が必要である。病変がj並行
見えなくなり,診断が困難となる。超音波診断やC T スキャン, M RIなどの画像診断が必須である(図 12-1 1) 0 1眼球内に実質性の I1重溜が確認されれば本症の可能性は高い。) ]重蕩の石灰化があるこ
B 眼内目重蕩
図12-10 網膜芽細胞腫(摘出眼球の半割写真)限内に腫濯が存在する。 部は硝子体内に溶種している(矢印)。
図12目 11 網膜芽細胞腫の l¥I1RI 像右根球内に腫湯と網膜剥離が存在する(矢印)。
とが多い。網膜芽細胞JI重に特異的な血液検査はない。網膜芽細胞JI重は両眼に発症することがあるので, f也眼も検査することが大切である。鑑別診断として,コーツ病 Coats disease,第 l次硝子体過形成j立残,などがある (表 12一1)。! 毘蕩の病理主|ー|織像は,特定の配列を示さない未
分化型とロゼッ 卜を形成する分化型とがある。ロゼッ卜とはJI重傷細胞の先端部が内側を|訂lいて菊花
神経上皮性であることを示す特徴的な所見である(図 12-12)。限外微小浸潤の評価は,病理組織検査以外では不可能なので重要な検査である。治療 片IIR'I主の網膜芽細胞JI重では,JI重傷はすでに大きくなっていることが多い。この場合は眼球を摘出する。両l恨性の場合は,より進行したほうの眼球を摘出し,他H艮は保存的に治療する。保存療
195
図12-9 網膜芽細胞腫患者の写真右目の限内に腫癌が存在するため,瞳孔が明るく反射するいわゆる白色撞孔を示す。
表12寸 白色瞳孔を呈する乳幼児の眼疾患1. 網膜芽細胞腫2. 未熟( 児) 網膜症( 水露体後部線維i曽殖症)3. 第 1次硝子体過形成遺残4. Coats病5 限内炎6 網膜異形成7. 硝子体出血8. 寄生虫性肉芽腫乱 脈絡膜欠損症( 脈絡膜コロボーマ)10. 白内障( 白色瞳孔には含めないこともある)
腫蕩が遠隔転移することはまれであり,周辺に浸潤することが多い。視神経を通じて頭蓋内や脊髄に広がる経路と,通する血管に沿って広がる経路がある。|恨慌に浸潤すると, 血行性, リンパ管行性にさらに広がる。腫療が限外に転移すると,最新の化学療法などを行っても生命予後は不良である。診断 網膜芽細胞I1重は, 1庫、鹿が網膜内に限局している時期では眼底検査で比較的容易に診断でき るが,忠児の協力が得られない場合が多いので, 一度は全身麻酔下で検査が必要である。病変がj並行
見えなくなり,診断が困難となる。超音波診断やC T スキャン, M RIなどの画像診断が必須である(図 12-1 1) 0 1眼球内に実質性の I1重溜が確認されれば本症の可能性は高い。) ]重蕩の石灰化があるこ
B 眼内目重蕩
図12-10 網膜芽細胞腫(摘出眼球の半割写真)限内に腫濯が存在する。 部は硝子体内に溶種している(矢印)。
図12目 11 網膜芽細胞腫の l¥I1RI 像右根球内に腫湯と網膜剥離が存在する(矢印)。
とが多い。網膜芽細胞JI重に特異的な血液検査はない。網膜芽細胞JI重は両眼に発症することがあるので, f也眼も検査することが大切である。鑑別診断として,コーツ病 Coats disease,第 l次硝子体過形成j立残,などがある (表 12一1)。! 毘蕩の病理主|ー|織像は,特定の配列を示さない未
分化型とロゼッ 卜を形成する分化型とがある。ロゼッ卜とはJI重傷細胞の先端部が内側を|訂lいて菊花
神経上皮性であることを示す特徴的な所見である(図 12-12)。限外微小浸潤の評価は,病理組織検査以外では不可能なので重要な検査である。治療 片IIR'I主の網膜芽細胞JI重では,JI重傷はすでに大きくなっていることが多い。この場合は眼球を摘出する。両l恨性の場合は,より進行したほうの眼球を摘出し,他H艮は保存的に治療する。保存療
195
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担当:松田