Download - 章鋼材の力学的性質 - st.nagasaki-u.ac.jp · PDF filejis g 0303 : 鋼材の検査通則 z 2201 : 金属材料引張試験片 z 2241 :
第 3章 鋼材の力学的性質 1
第 3章 鋼材の力学的性質
3.1 試験の規格
JIS G 0303 : 鋼材の検査通則
Z 2201 : 金属材料引張試験片
Z 2241 : 金属材料引張試験方法
Z 2202 : 金属材料衝撃試験片
Z 2242 : 金属材料—衝撃試験方法
Z 2204 : 金属材料曲げ試験片
Z 2243 : ブリネル硬さ試験方法
Z 2244 : ビッカーズ硬さ試験方法
クリープ試験 ,疲れ試験, 各種の非破壊試験
第 3章 鋼材の力学的性質 2
3.2 破壊の様式
• 巨視的な形態から引張破壊 せん断破壊
• 破壊に先行する塑性変形の程度からぜい性破壊,延性破壊
• 金属組織面から結晶粒内破壊 , 結晶粒界破壊
• 外的条件から静的破壊,衝撃破壊,疲労破壊,
クリープ破壊,遅れ破壊
• 原子レベルから引張分離破壊,せん断分離破壊
図 3.2 巨視レベルおよび微視レベルでの破壊の分類
第 3章 鋼材の力学的性質 3
3.3 引張特性,応力 –ひずみ関係
図 3.4 引張試験で用いる応力とひずみの定義
第 3章 鋼材の力学的性質 4
図 3.5 鋼の応力 –ひずみ曲線 ヤング率 E = 2.0× 105 N/mm2
第 3章 鋼材の力学的性質 5
図 3.6 0.2% 耐力 図 3.7 除荷・再載荷時の応力 –ひずみ曲線
第 3章 鋼材の力学的性質 6
真応力 σt =P
A
真ひずみの増分 dεt =dl
l
εt =∫ l
l0
dl
l= ln
l
l0= ln
l0 +∆l
l0= ln(1 + ε)
図 3.8 真応力 –真ひずみ曲線
図 3.9 引張試験片における伸びの分布
第 3章 鋼材の力学的性質 7
図 3.11 カップコーン破壊
図 3.12 薄板の試験体の破壊
第 3章 鋼材の力学的性質 8
破断伸び δ =
(l − l0l0
)× 100 (%)
絞り ψ =
(A−A0
A0
)× 100 (%)
図 3.13 破断伸びと絞り
第 3章 鋼材の力学的性質 9
3.4 衝撃強さ
延性破壊 −→ 降伏や十分な伸びを伴う ぜい性破壊 −→ 瞬間的な変形を伴わない
破壊じん性値: “破壊に要する仕事”−→シャルピー衝撃試験ぜい性破壊に対する材料の抵抗度
図 3.14 シャルピー衝撃試験
第 3章 鋼材の力学的性質 10
図 3.15 破面と破面率の例 (シャルピー衝撃試験)
第 3章 鋼材の力学的性質 11
遷移温度 破壊様式が延性破壊からぜい性破壊へ移行する温度
• 延性破面率 100%とぜい性破面率 100% の平均吸収エネルギーに相当する温度 TrE
• 延性破面率 50%となる温度 Trs
図 3.16 遷移温度アプローチ
第 3章 鋼材の力学的性質 12
3.5 疲 労
(1) 影響因子
• 疲労 : 応力が繰り返されることにより生ずる破壊現象 → 鋼構造物の耐久性能を支配
• 応力集中部、溶接欠陥 −→ 疲労き裂 (発生・進展) −→ ぜい性破断、断面減少による不安定破壊
• 高サイクル疲労 : 105回以上の応力の繰返し 低サイクル疲労 : 105回以下の応力の繰返し
高サイクル疲労に影響する因子 :応力の変動幅 繰返し回数 応力範囲 平均応力 応力比
図 3.18 変動応力と名称
図 3.19 S −N 線図図 3.20 鋼の疲労限と引張強さ
第 3章 鋼材の力学的性質 13
(2) 低サイクル疲労 (塑性疲労)
弾性限以上の繰返し応力、繰返し塑性ひずみ −→ 破断 疲労寿命 104 以下 :地震や風による過大荷重
疲労試験 : ひずみ制御、変位制御
図 3.22 低サイクル疲労試験の例
図 3.23 繰返し応力 –ひずみ曲線
第 3章 鋼材の力学的性質 14
図 3.24 ひずみの成分
図 3.25 構造用鋼材の低サイクル疲労強度
第 3章 鋼材の力学的性質 15
(3) 累積被害
• 不規則な応力変動 −→ 応力範囲成分の計数 −→レインフロー法• 疲労被害の評価 −→ 線形被害則 Miner 則 Σ
ni
Ni= D = 1
図 3.27 Miner則
第 3章 鋼材の力学的性質 16
(4) 破面観察 (フラクトグラフィー)
• 破面の観察
図 3.28 破面の例
• 電子顕微鏡による観察 ストライエーション (striations)
図 3.30 ストライエーション (striations)
第 3章 鋼材の力学的性質 17
(5) 疲労き裂伝播
応力拡大係数を用いた破壊力学的アプローチ
CT型試験片、中央切欠き試験片、曲げ試験片
図 3.32 疲労き裂の進展と進展速度 図 3.33 疲労き裂進展曲線
Paris則da
dN= C(∆K)m
第 3章 鋼材の力学的性質 18
3.5 遅 れ 破 壊
環境誘起破壊 :摩擦接合用高力ボルト (F11Tボルト)
• 応力腐食割れ (Stress Corrosion Cracking)
• 水素ぜい化 (Hydrogen Embrittlement)
図 3.35 遅れ破壊概念図図 3.36 水素ぜい化のプロセス
3.5 硬 さ
ビッカーズ硬さ試験 (Vickers) HV
ロックウェル硬さ試験 (Rockwell) HR
ブリネル硬さ試験 (Brinell) HBS