Download - 耐擦傷性改良剤 ノフアロイ KA832 - NOF
1
ノフアロイ® KA832 は、日油独自のグラフト化技術で開発した耐擦傷性改良剤であり、以下の 3 つの大
きな特徴を持ちます。 ① ノフアロイ® KA832 は、ポリオレフィン、オレフィン系熱可塑性エラストマーやゴムの耐擦傷性を向上
させます。 ② ノフアロイ® KA832 を添加しても、基材の機械物性や熱的特性は変化しません。 ③ ノフアロイ® KA832 は、ハロゲンを使用しておらず、環境に易しい材料です。 ノフアロイ® KA832 は、自動車部品の耐擦傷性向上のための添加剤として使用することが可能であり、
特に、ポリプロピレン製の部品に対して好適な添加剤です。
1 はじめに
Fig.1 ノフアロイ® KA832 により改良可能な自動車内外装部品
ノフアロイ® KA832
耐擦傷性改良剤
(2012. 10. 6st Edition)
バンパー モール
ピラーピラー
インパネ
ドアトリム
コンソールボックス
自動車外装 自動車内装
2
2 基本物性
Code Melt Flow Rate 1)
CAS No. g / 10min
ノフアロイ®KA832 20 Listed
1) 190℃、2.16kg
3 ブレンド条件および成形条件
ノフアロイ® KA832 は、ポリプロピレン、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、オレフィン系架橋ゴ
ムなどに、3~5 %添加することを推奨しています。 例えば、ノフアロイ® KA832 は table 2 の条件でポリプロピレンとブレンドを行い、table 3 の条件で射出
成形を行う方法が一般的です。
ブレンド方法 条件
押出成形 (シリンダー) 160~200 ℃
(ダイ) 200 ℃
成形方法 条件
射出成形 (シリンダー) 190~220 ℃
(金型) 50 ℃
Fig.2 ノフアロイ® KA832
Table.1 ノフアロイ® KA832 の基本物性
Table.2 ノフアロイ® KA832 と PP とのブレンド方法
Table.3 ノフアロイ® KA832 を含有した PP の成形条件
3
4 評価方法
① ファインブフィンガースクラッチ試験 ◆試験装置
ファイブフィンガースクラッチ試験機
(ROCKWOOD SYSTEMS AND EQUIPMENT. INC.)
◆評価条件
a) 2N, 3N, 6N, 10N, 15N 荷重 (ポリプロピレン)
b) 0.6N, 2N, 3N, 6N, 10N 荷重(オレフィン系熱可塑性エラストマー)
◆評価方法
目視にて傷の白化を確認し、白化が生じない荷重を確認する。
② 学振磨耗試験(布によるすり傷の評価) ◆試験装置
学振磨耗試験機
(Mlfd. by Yasuda Corp.) ◆評価条件
綿布(かなきん 3 号)を垂直荷重 700gf で往復 200 回磨耗させる。
◆評価方法
目視にて評価し、下記に示す評価点数で評価を行う。
耐擦傷性
評価点数 評価
1 傷がつき、磨耗粉が残る poor
good
2 傷の面積が 75%以上 100%以下
3 傷の面積が 25%以上 50%未満
4 傷が全く観察されない
Fig.3 ファイブフィンガースクラッチ試験
Fig.4 学振磨耗試験 Table.4 耐擦傷性評価点数
4
5 ノフアロイ® KA832 による耐擦傷性改良効果
① ポリプロピレン(PP) ノフアロイ® KA832 は、ポリプロピレンの耐擦傷性を飛躍的に向上させ、さらに機械強度の引張伸びと
耐衝撃性能も向上させます。
サンプル 耐擦傷性評価
PP ノフアロイ®KA832
ファイブフィンガースクラッチ試験
(N)
学振磨耗試験
(耐擦傷性評価点数)
100 0 3 2
100 1 6 3
100 3 10 3.5
100 5 10 3.5
サンプル 機械物性評価
PP ノフアロイ®KA832
MFR 1)
(g / 10min)
引張破断強度 2)
(MPa)
引張破断伸び 2)
(%)
曲げ弾性
(MPa)
Izod3)
(kgf・cm/cm2)
100 0 46 20.3 64 46 4.7
100 1 47 19.6 61 47 5.5
100 3 48 19.8 76 48 5.6
100 5 48 19.1 81 48 6.5
1) 230℃、2.16kg 2) 3 号ダンベル試験, 引張速度; 500mm/min 3) 23℃
Table.6 ノフアロイ® KA832 を添加したポリプロピレンの機械物性評価
Fig.5 ファイブフィンガースクラッチ試験 (10N)
PP PP / ノフアロイ® KA832 = 100 / 3
Table.5 ノフアロイ® KA832 によるポリプロピレンの耐擦傷性向上
5
② オレフィン系熱可塑性エラストマー (TPO) ノフアロイ® KA832 は、オレフィン系熱可塑性エラストマーの機械物性を維持しつつ、耐擦傷性を飛躍的
に向上させます。
サンプル 耐擦傷性評価
TPO ノフアロイ®KA832
ファイブフィンガースクラッチ試験
(N)
学振磨耗試験
(耐擦傷性評価点数)
100 0 0.6 1
100 2 2 3
100 5 2 3
サンプル 機械物性評価
TPO ノフアロイ®KA832
MFR 1)
(g / 10min)
硬度
(-)
引張破断強度2)
(MPa)
引張破断伸び 2)
(%)
100 0 10 A 86 10 230
100 2 13 A 86 9.5 230
100 5 16 A 86 9 230
1) 190℃、2.16kg 2) 3 号ダンベル試験, 引張速度; 500mm/min
③ EPDM
ノフアロイ® KA832 は、オレフィン系架橋ゴムである EPDM の耐擦傷性も向上させます。
サンプル 耐擦傷性評価 機械物性評価
EPDM ノフアロイ®KA832
学振磨耗試験
(耐擦傷性評価点数)
動摩擦係数
(μk)
硬度
(-)
100 0 1 1.6 63
100 2 3 1.4 62
100 5 4 1.1 62
Table.7 ノフアロイ® KA832 によるオレフィン系熱可塑性エラストマーの耐擦傷性向上
Table.8 ノフアロイ® KA832 を添加した TPO の機械物性評価
Table.9 ノフアロイ® KA832 による EPDM の耐擦傷性向上
Fig.6 学振動磨耗試験
EPDM EPDM / ノフアロイ® KA832 =100/5
6
6 荷姿
形状: ペレット
色: 白色
荷姿: 20kg, ペーパーバック包装
7 保管上の注意事項
ノフアロイ® KA832 は、冷暗所(30℃以下が望ましい)で、直射日光が当たらない場所にて保管してくだ
さい。
8 使用上の注意事項 ●ノフアロイ® KA832 は、冷暗所(30℃以下が望ましい)で、直射日光が当たらない場所にて保管してくだ
さい。
●本資料の記載内容に関して、物理的性質、化学的性質、危険・有害性等の保証をするものではありま
せん。
●ノフアロイ® KA832 は、短柱状ペレットであり、床にこぼした場合は非常に滑りやすくなりますので、直ち
に回収してください。
●ノフアロイ® KA832 の使用にあたっては、用途に対応する法規制、および用途への適合性・安全性等を
ご確認下さい。
●その他の一般的な事柄につきましては、製品安全データシート(MSDS)をご参照下さい。
9 お問合せ
日油株式会社
化成事業部 ファインポリマー営業部 ファインポリマーグループ
〒150-6019 東京都渋谷区恵比寿 4-20-3
恵比寿ガーデンプレイスタワー
TEL:03-5424-6838 FAX:03-5424-6814
E-mail; [email protected]
URL:http://www.nof.co.jp/business/chemical/modiper/index.html
※ 「ノフアロイ」は日油株式会社の登録商標です。
7
本 社 〒150-6019 東京都渋谷区恵比寿 4-20-3(恵比寿ガーデンプレイスタワー) TEL.(03)5424-6838 FAX.(03)5424-6814 http://www.nof.co.jp
大阪支社 〒530-0003 大阪市北区堂島 2-4-27(新藤田ビル) TEL.(06)6454-6550 FAX.(06)6454-6570
名古屋支店 〒450-0003 名古屋市中村区名駅 1-24-30(名古屋三井ビル本館) TEL.(052)551-6261 FAX.(052)551-2310
福岡支店 〒810-0001 福岡市中央区天神 4-2-20(天神幸ビル)
TEL.(092)741-5131 FAX.(092)781-7070