development and practice of teaching materials kyushu quiz

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73 奈良教育倧孊玀芁 第69巻 第号人文・瀟䌚什和 2 幎 Bull. Nara Univ. Educ., Vol. 69, No.1 (Cult. & Soc.), 2020 䞭孊校瀟䌚科地理孊習ぞの嫌厭傟向の緩和を目的ずした教材 「九州クむズツアヌ」の開発ずその実践 ─ ゲヌム「桃倪郎電鉄」に着想を埗お ─ 阿 郚 孝 哉 開智䞭孊校・高等孊校 河 本 倧 地 奈良教育倧孊瀟䌚科教育講座地理孊 森 口 掋 䞀 奈良教育倧孊瀟䌚科教育講座瀟䌚科教育 Development and Practice of Teaching Materials "Kyushu Quiz Tour" to Mitigate Objection to Geographic Learning in Junior High Schools : Inspired by the game "Momotaro Dentetsu" ABE Takaya (Kaichi Junior/Senior High School) KOHMOTO Daichi (Department of Geography, Nara University of Education) MORIGUCHI Hirokazu (Department of Social Studies, Nara University of Education) Abstract The purpose of this study is to clarify the effect of game materials on the alleviation of disgust tendency toward geography learning in junior high school social studies. First, we analyze the effects and challenges of games "Momotaro Dentetsu" as a tool for geographic learning. Next, game teaching materials "Kyushu Quiz Tour" created based on the analysis results are put into practice for junior high school students. Then, based on the image of students practicing the game materials and the results of the subsequent questionnaire, we examine what kind of game materials are effective in mitigating the detestation tendency of geographic learning. As a result, by developing the class using the game teaching material, it was possible to give stimulation to the class which tends to advance in the same form every time. And it was proven that the detestation tendency was eased by attracting the interest of the students and repeating the experience which made the geography learning to be fun. In addition, playing games with other students has the potential to lead to the formation of human relationships. キヌワヌド地理教育ゲヌム教材嫌厭傟向 Key Words Geographic education, Game teaching material, Repugnance

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Page 1: Development and Practice of Teaching Materials Kyushu Quiz

73奈良教育倧孊玀芁 第69巻 第号人文・瀟䌚什和 2幎Bull. Nara Univ. Educ., Vol. 69, No.1 (Cult. & Soc.), 2020

䞭孊校瀟䌚科地理孊習ぞの嫌厭傟向の緩和を目的ずした教材「九州クむズツアヌ」の開発ずその実践

─ゲヌム「桃倪郎電鉄」に着想を埗お─

阿 郚 孝 哉 開智䞭孊校・高等孊校河 本 倧 地 奈良教育倧孊瀟䌚科教育講座地理孊森 口 掋 䞀 奈良教育倧孊瀟䌚科教育講座瀟䌚科教育

Development and Practice of Teaching Materials "Kyushu Quiz Tour" to Mitigate Objection to Geographic Learning in Junior High Schools :

Inspired by the game "Momotaro Dentetsu"

ABE Takaya(Kaichi Junior/Senior High School)

KOHMOTO Daichi (Department of Geography, Nara University of Education)

MORIGUCHI Hirokazu (Department of Social Studies, Nara University of Education)

Abstract

The purpose of this study is to clarify the effect of game materials on the alleviation of disgust tendency toward geography learning in junior high school social studies. First, we analyze the effects and challenges of games "Momotaro Dentetsu" as a tool for geographic learning. Next, game teaching materials "Kyushu Quiz Tour" created based on the analysis results are put into practice for junior high school students. Then, based on the image of students practicing the game materials and the results of the subsequent questionnaire, we examine what kind of game materials are effective in mitigating the detestation tendency of geographic learning. As a result, by developing the class using the game teaching material, it was possible to give stimulation to the class which tends to advance in the same form every time. And it was proven that the detestation tendency was eased by attracting the interest of the students and repeating the experience which made the geography learning to be fun. In addition, playing games with other students has the potential to lead to the formation of human relationships.

キヌワヌド地理教育ゲヌム教材嫌厭傟向 Key Words Geographic education,

Game teaching material, Repugnance

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阿 郚 孝 哉・河 本 倧 地 他74

はじめに

1. 1. 研究の背景及び目的本研究の目的はゲヌム教材がも぀䞭孊校瀟䌚科地理

孊習ぞの嫌厭傟向を緩和する効果に぀いお明らかにするこずである。「奜きな教科」に぀いおベネッセ教育総合研究所が

1990幎1996幎2001幎2006幎2015幎の蚈5回実斜した孊習基本調査を参照する。孊校の勉匷の䞭で「あなたは次の教科や孊習の時間の勉匷がどのくらい奜きですか」ずいう質問に察しお「ずおも奜き」「たあ奜き」

「どちらずもいえない」「たあ嫌い」「ずおも嫌い」の5぀の遞択肢で答えるずいう質問項目である。衚1はその結果をランキング圢匏でたずめたものである1。ここでの「奜き」はある教科に察しお「ずおも奜き」ず答えた児童生埒ず「たあ奜き」ず答えた児童生埒の割合を合わせたものである。

è¡š1 奜きな教科・掻動ランキング 䞭孊生

実斜幎 1990 1996 2001 2006 20151 䜍 䜓育 䜓育 䜓育 䜓育 保䜓2 䜍 瀟䌚 理科 矎術 理科 技家3 䜍 音楜 矎術 音楜 矎術 総合4 䜍 技家 技家 理科 音楜 音楜5 䜍 矎術 音楜 技家 技家 瀟䌚6 䜍 理科 æ•°å­Š 囜語 æ•°å­Š 矎術7 䜍 囜語 英語 瀟䌚 囜語 æ•°å­Š8 䜍 英語 瀟䌚 英語 総合 理科9 䜍 æ•°å­Š 囜語 総合 瀟䌚 囜語10䜍 æ•°å­Š 英語 英語

ベネッセ教育総合研究所の調査結果をもずに筆者䜜成

䞭孊生の奜きな教科ランキングは実斜幎ごずにランキングの倉動が倧きい。「瀟䌚」に぀いおは1990幎は2䜍であったのに察し1996幎は䞋䜍ずなっおいる。小孊生はどうだろうか衚2。

è¡š2 奜きな教科・掻動ランキング 小孊生

実斜幎 1990 1996 2001 2006 20151 䜍 䜓育 図工 図工 䜓育 家庭2 䜍 図工 家庭 䜓育 家庭 図工3 䜍 理科 䜓育 家庭 図工 䜓育4 䜍 家庭 理科 音楜 理科 倖囜語5 䜍 音楜 音楜 理科 総合 理科6 䜍 囜語 囜語 総合 音楜 総合7 䜍 算数 算数 算数 算数 音楜8 䜍 瀟䌚 瀟䌚 囜語 囜語 算数9 䜍 瀟䌚 瀟䌚 囜語10䜍 瀟䌚

ベネッセ教育総合研究所の調査結果をもずに筆者䜜成

è¡š2ではどの幎も「䜓育」・「図画工䜜」・「家庭科」などのいわゆる「実技教科」がランキングの䞊䜍を占める傟向にある䞀方でランキングの䞋䜍はどの幎も「囜語」「算数」「瀟䌚」が占めおおりこれら3教科は盞察的に奜きではないこずがわかる。特に「瀟䌚」はどの幎もランキングの最䞋䜍であり実斜幎によっおは「奜き」ず答えた児童が半数を䞋回る堎合もみられた。

篠原1992は独自の調査から小孊5幎生時点での瀟䌚科に嫌厭傟向を瀺しおいる䞀方で小孊校6幎生時点での瀟䌚科では奜感床が著しく増加しおいるずいう結果に至った理由を小孊生は5幎生で習う産業孊習に匷い嫌厭傟向を持ち䞀方で6幎生での歎史孊習に興味を持っおいる児童が倚くいるこずから瀟䌚科ずいう科目の奜感床が䞊がったのではないかず掚察しおいる2。この調査からも小孊生高孊幎の時点で瀟䌚科の地理的な分野の孊習に察しお匷い嫌厭傟向があるこずがわかる。

䞀方で小孊校児童の地理的興味・関心が薄いわけではない。篠原1992の調査によるず小孊生時に日本・䞖界を問わず地図を芋たこずや地図のパズル地名圓おゲヌム探怜行動など小孊校瀟䌚科地理的分野で扱う同様の内容をしたこずに察しお「倧倉おもしろかった」「おもしろかった」ず答えた者はいずれも党䜓の半数を超えた。

ではなぜ瀟䌚科特に地理的分野ぞの嫌厭傟向がみられるのか。この問いに察し篠原1992は児童の地理的興味・関心ず小孊校での瀟䌚科の地理孊習の内容が乖離しおいるためであるず指摘しおいる。たた岡谷

2016は地理の嫌厭傟向が顕著である理由ずしお小孊校で瀟䌚科を専門ずする教員が少なく児童の興味を匕くような授業ができおいないこずに加え䞭孊校の瀟䌚科教員のうち地理を専攻しおいた教員の割合が少なく地理に察する奜感を䞎えるこずのできる授業ができおいないためであるず指摘しおいる3。

小孊校・䞭孊校・高等孊校どの校皮においおも瀟䌚科高等孊校の堎合は地理歎史科・公民科の授業では様々な教材が䜿甚されおいる。その䞀぀ずしお泚目されおいるのがシミュレヌション教材である。山口

1990はシミュレヌション教材を「珟実瀟䌚の構造を䜕らかの方法で抜象化・単玔化しそれに基づく教材・教具を操䜜たたは挔技するこずにより珟実瀟䌚を暡擬的に生起させるこず」ず定矩しおいる4。地理孊習のシミュレヌション教材ずしおは䜐藀ほか1991の小孊生を察象ずした「矀銬県における鉄道建蚭ゲヌム」があげられる5。このゲヌムは矀銬県の亀通の芁衝である高厎駅から䞊越線信越本線䞡毛線の3本の鉄道路線をなるべく倚くの郜垂を通り最も安䟡な建蚭費で敷蚭しおいくゲヌムであり実践の結果ずしお児童・生埒の䞻䜓的掻動が芋られた点孊習内容を実感的理解できる

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䞭孊校瀟䌚科地理孊習ぞの嫌厭傟向の緩和を目的ずした教材「九州クむズツアヌ」の開発ずその実践 75

点児童の興味関心を喚起できる点で有効であるずの結果が埗られた。たた開発教育掚進セミナヌが開発した「䞖界買い物ゲヌム」はプレむダヌが先進工業囜新興囜発展途䞊囜の劎働者ずなり支絊された原材料や道具を䜿っおたくさん商品を補造しいかに倚く売るこずができるかを競う䞭で貿易の珟状に気づき今埌の貿易における課題を考えおいくこずができる教材である6。䞊蚘に述べた 2 ぀のシミュレヌション教材は地理孊習における教材であるが歎史孊習においおは銬堎2019の「倖亀亀枉ゲヌム“Independence-Day”」がある。これは戊埌の日本の独立に向けた倖亀亀枉を日本偎ずアメリカ合衆囜偎に分かれお暡擬的に経隓するゲヌムである。このシミュレヌションにおける問題状況をほかの孊習者ずのコミュニケヌションによっお解決した経隓をもずに新たな瀟䌚的問題状況の理解や解決に掻甚できる状態を指す問題解決パヌスペクティブが圢成される効果があるずしおいる7。公民科孊習においおは犏田2014の「Restaurant」がある。これはプレむダヌがレストランの経営者ずしお他のプレむダヌず顧客を奪い合いどれだけ利益をあげられるかを競うこずを通しお経枈分野の垂堎経枈に぀いお理解させるこずを目的ずしたシミュレヌション教材である。垂堎構造の把握䌁業戊略を䜓隓的に理解するのに有効な教材である8。

2019幎11月9日10日に島根倧孊にお行われた党囜瀟䌚科教育孊䌚第68回党囜研究倧䌚 自由研究発衚の郚でもシミュレヌションを題材ずした発衚が倚数行われた9。

このように瀟䌚科の孊習方法の䞀぀ずしおシミュレヌション教材は倚数開発されおきたがこれぞの教員の負担は倧きいず考えられる。シミュレヌション教材は教具の䜜成・準備に時間を芁し授業時数に制玄がある䞭で授業に組み蟌むこずが難しい。たたルヌルや自分の圹割をしっかりわきたえないず孊習効果を埗にくいず考えられる。これらの理由から開発されおも実践者以倖の教育者による実践に至らない堎合も倚くあるず思われる。

そこで本皿ではシミュレヌションではなくシンプルなゲヌムをするこずを通しお自然に知識が埗られなおか぀どの教垫でもすぐに実践できるようなゲヌム教材に着目した。池尻2019が歎史的思考を段階的に䜓隓できるデゞタルゲヌムの䜜成に着手しおいるように10近幎ゲヌム教材を開発し実践できるものにする動きが掻発化しおいる。ゲヌム教材を利甚するこずで児童生埒にずっおも良い圱響が䞎えられるず考える。

そこで瀟䌚科の授業特に地理的分野の授業を生埒にずっお楜しいず思わせるこずのできる教材䜜りが急務である。地理孊習におけるゲヌム教材を開発・実践し教育珟堎で䜿甚できるものにするこずで児童生埒の地理における嫌厭傟向を緩和させなおか぀地理を苊手ずする教員の授業をサポヌトするこずに぀ながるのではな

いか。ゲヌム教材には倚様な皮類がある。その䞀䟋ずしお扱

われるのがクロスワヌドしりずりビンゎゲヌムかるたパズルなどである。これらのゲヌムの䞭身を瀟䌚科の授業で孊ぶ内容にしお生埒にさせるこずで生埒が楜しみながら必芁な知識を身に぀けられるものずしお実践されおきた11。柁柀1993は䞭孊校瀟䌚科地理的分野の教科曞の倧単元ずしお扱われる「䞖界の囜々」に぀いお孊ぶ際にゲヌムを取り入れるこずの有効性を指摘しおいる12。

今回の実践で私が扱うゲヌム教材の皮類は「すごろく」である。すごろくを甚いた有名な実践に小林

1981の「地理すごろくづくり─䞭孊日本地誌の埩習─」があるが13数あるゲヌム教材の䞭から「すごろく」を題材ずしお扱う理由は筆者の幌少期の経隓に遡る。筆者は小孊生のころ「桃倪郎電鉄」以䞋桃鉄ずいうゲヌムに勀しんでいた。電鉄䌚瀟の瀟長ずなったプレむダヌがすごろく化した日本列島䞖界を呚回しながら物件駅で物件を賌入するなどのアクションを通じお総資産の倚さを競う家庭甚ゲヌム゜フトである。私は幌少期にこのゲヌムで耇数回遊んでいたのだがその䞭で日本地理に関する知識が自然ず身に぀き瀟䌚科の䞭でも地理的分野に深く関心を持぀ようになった。

この自身の経隓をもずにすごろくを楜しみながら教科曞の内容を網矅し知識が自然ず身に぀くような教材があれば地理孊習の䞀助になるのではないかず考えゲヌム教材を桃鉄から着想を埗お開発・実践するに至った。地理のゲヌム教材の開発はただ発展途䞊でありたたゲヌム桃鉄に぀いおの研究は進んでおらず桃鉄の孊習教材の可胜性を远究するこずも䜵せお行いたい。

1. 2. 研究方法研究方法は以䞋のずおりである。①ゲヌム桃鉄が地理孊習のツヌルずしおどのような効

果・課題があるのか分析する。②䞊蚘の分析で埗られた効果を最倧限に掻甚し課題

ずなる点を克服しお䜜成したゲヌム教材「九州クむズツアヌ」を䞭孊生を察象に実践し実践䞭の生埒の姿やその埌のアンケヌト結果をもずにどのようなゲヌム教材が䞭孊校瀟䌚地理孊習ぞの嫌厭傟向緩和に効果があるのかを怜蚎する。

ゲヌム「桃倪郎電鉄」

2. 1. 桃鉄の抂芁前章で述べたように桃倪郎電鉄略称桃電桃鉄

はプレむダヌが電鉄䌚瀟の瀟長ずなりすごろくずなった日本党囜を呚回しながら物件駅の物件を賌入するなど

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阿 郚 孝 哉・河 本 倧 地 他76

のアクションを通じお総資産の倚さを競うゲヌムである。1998幎12月2日にスヌパヌファミコン甚゜フト「桃倪郎電鉄」ずしおHUDSON瀟が発売したのが始たりでありその埌「スヌパヌ桃倪郎電鉄」「スヌパヌ桃倪郎電鉄Ⅱ」「スヌパヌ桃倪郎電鉄Ⅲ」「スヌパヌ桃倪郎電鉄DX」「桃倪郎電鉄HAPPY」「桃倪郎電鉄7」「桃倪郎電鉄jr.党囜ラヌメンめぐりの巻」「桃倪郎電鉄V」「桃倪郎電鉄X九州線もあるばい」「桃倪郎電鉄11ブラックボンビヌ出珟の巻」「桃倪郎電鉄 西日本線もありたっせヌ」「桃倪郎電鉄USA」「桃倪郎電鉄Gゎヌルド・デッキを䜜れ」「桃倪郎電鉄15 五倧ボンビヌ登堎の巻」「桃倪郎電鉄16 北海道倧移動の巻」「桃倪郎電鉄」「桃倪郎電鉄DSTOKYOJAPAN」「桃倪郎電鉄20呚幎」「桃倪郎電鉄2010 戊囜・維新のヒヌロヌ倧集合の巻」「桃倪郎電鉄タッグマッチ 友情・努力・勝利の巻」「桃倪郎電鉄WORLD」ずいうように倚くのシリヌズを生み出しおきたがこれを機に桃鉄シリヌズの制䜜終了が発衚される。しかし2011幎の東日本倧震灜2017幎の熊本地震を受け電鉄䌚瀟の瀟長が党囜を呚回するこずで日本党䜓の発展に぀ながるずいうコンセプトのもず䜜成されおきた桃鉄を埩掻させる芁望が高たった。そこで同幎に新䜜「桃倪郎電鉄2017 たちあがれ日本」が発売2020幎11月には「桃倪郎電鉄昭和平成什和も定番」も発売された。そのため桃鉄は党24ものシリヌズが制䜜販売されたこずになる。たた携垯アプリ版の桃鉄も配信されおいる。  

電鉄䌚瀟の瀟長ずなったプレむダヌは物件駅「東京」から所持金1000䞇円桃鉄3幎決戊モヌドでは1億円が支絊されランダムに決たった最初の目的地を目指しお電車を進めるのだがその進み方は1か月に1回サむコロを振り出た目のマスだけ進むずいうものである。日本党囜がすごろくずなっおいる桃鉄では各マスが様々な駅ずなっおいる。その䞀郚を玹介する。・青マス駅 停たるずお金をもらうこずができる。・赀マス駅 停たるずお金を払わなければならない。・カヌド駅 停たるずルヌレットで匕いたカヌドを手に入れるこずができる。カヌドにはサむコロを同時に2個以䞊振るこずができるなどの進行圢のカヌドず盞手の瀟長の劚害をできる䟿利系・攻撃系のカヌドずがある。・物件駅 停たるず所持金に応じおその郜垂ならではの物件を賌入できる。物件それぞれには収益率があり物件の収益に応じお毎幎3月の決算時に粟算される。たた郜垂の物件を党郚賌入するず独占収益率が2倍になる。

その他カヌド売り堎駅ぶっずび駅ワヌプ駅ダビング駅鉄道省駅宝くじ駅ナむスカヌド駅スヌパヌカヌド駅呚遊駅カヌドバンク駅などがある。

目的地に最も早くぎったり到着したプレむダヌには倚

額の揎助金が支絊され戊いを有利に進めるこずができる。䞀方で目的地到着時に最も目的地から遠くにいたプレむダヌには「貧乏神」が憑く。貧乏神はプレむダヌからお小遣いずしお所持金を没収したりゲヌムの勝敗を握るカギずなりうるカヌドを没収したりするなどのいたずらを仕掛けおプレむダヌを困らせる。時にそれ以䞊のむごい仕打ちをするキングボンビヌに倉身するこずもある。ほかのプレむダヌにちょうど远い぀いたり远い抜かしたりするこずで擊り付けるこずが可胜である。目的地に着いたプレむダヌは次の目的地をルヌレットで決定しそれぞれのプレむダヌは次の目的地に向かっおゲヌムを進める。貧乏神を䞊手に回避したりカヌドを有効掻甚したりある物件駅を独占するこずで味方になる偉人の力を借りたりしお最終的に最も総資産が倚かったプレむダヌが優勝である。ここでの総資産ずは所有しおいる物件の収益ずゲヌム終了時での所持金を合算した額である。

2. 2. 桃鉄により期埅される孊習効果本来桃倪郎電鉄ずいうゲヌムは日本地理桃倪郎

電鉄WORLDの堎合は䞖界地理の孊習を深めるために䜜られたずいうより家族や友達ず駆け匕きをしながら楜しめる偎面を匷く有したものである。実際架空のキャラクタヌであるキングボンビヌが出おきたりゲヌムを乱すこずのできるカヌドが数倚くあったりする桃鉄は孊習芁玠よりバラ゚ティ芁玠の匷いゲヌムであるこずから地理孊習ツヌルずしおの䟡倀はあたり芋出されおこなかった。しかし桃倪郎電鉄には地理の孊習の堎面で利甚できる偎面を有しおおり地理の教材ずしお扱う䟡倀があるのではないかず私は考える。その理由は以䞋のずおりである。

①各郜道府県を代衚する郜垂や県庁所圚地名産品を楜しく芚えるこずができる。

桃鉄をプレむするこずによる孊習面の最倧のメリットずいえよう。プレむダヌは目的地を目指す道䞭で様々な物件駅に停たりその郜垂や地域の産業に関わる物件を賌入するこずの繰り返しによっおゲヌムが進む。その䞭で各地でどのような蟲業・工業・氎産業がさかんに行われおいるかであったりどのような文化・䌝統・郷土料理が珟圚に残っおいたりするのかを知識ずしお埗るこずが可胜である。教科曞や地図垳を䜿甚しお各地の特産物を孊習するのず比べゲヌムをしながら知識を埗るこずができる桃鉄の方が瀟䌚科に苊手意識をも぀児童生埒に察しお効果があるのではないかず考える。

②流行や実際に起こりうる灜害気候が産業にどのような圱響を䞎えるのかがわかる。

桃鉄をプレむしなおか぀物件を所有しおいるず様々な自然に関係するむベントが起こる。以䞋にその䟋を挙

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䞭孊校瀟䌚科地理孊習ぞの嫌厭傟向の緩和を目的ずした教材「九州クむズツアヌ」の開発ずその実践 77

げる。A 倧寒波襲来 数幎に䞀床の倧寒波が抌し寄せる。

抌し寄せた物件駅により蟲䜜物が凶䜜ずなり被害が出る堎合スキヌ堎が盛況ずなり臚時収入が埗られる堎合がある。

B 台颚 南九州・南四囜を䞭心に台颚が通過しその地域の物件駅を所有しおいるこずで被害が出る。

C 火山噎火 浅間山や阿蘇山桜島ずいった火山が噎火しその地域の物件駅を所有しおいるこずで被害が出る。

このようにゲヌム内で自然ず産業が深く関連したむベントが頻繁に起こる。桃鉄をプレむした経隓がある人は自然環境ず産業の結び぀けが自然ずできおおり孊習時に容易に理解ができるず考えられる。たたその結果ずしお垂堎に流通する商品の䟡栌が倧きく巊右されるこずに着目すれば公民の経枈分野ぞの孊習にも応甚できる。

2. 3. 桃鉄における孊習面の課題䞀方で桃鉄をそのたた孊校での孊習教材ずしお䜿う

のは無理がある。たず問題点ずしお挙げられるのが桃鉄を導入するの

に莫倧な費甚がかかる点である。生埒䞀人にゲヌム機本䜓ずゲヌムカセットを提䟛しなければゲヌムをプレむするこずのできない桃鉄は孊校教育には導入されにくい。たた孊校の1時間の授業をゲヌムで費やすこずに぀いお懐疑的な意芋も倚く出るであろう。ゲヌムの内容にも課題はある。桃鉄には倚くの物件駅郜垂が出おくるがゲヌム䞊の地図に県境がないため各郜垂がどの郜府県に属しおいるかがわからない。たたルヌルが難解でゲヌムを進めるのに䟿利なカヌドの皮類が倚いためカヌドの内容を把握できずすぐにゲヌムに慣れ芪しめない点も課題である。ゲヌム䞊での自然灜害が小䞭孊生にずっおゲヌムを盛り䞊げる芁玠になっおしたう危険性や「貧乏神」や「キングボンビヌ」ずいった教育にふさわしくないキャラクタヌも出おくるゲヌムであるため孊校で小䞭孊生に安易に桃鉄をさせるこずはできない。

そこでこれらの課題をふたえ桃鉄から着想を埗おゲヌムを楜しみながら地理の孊習ができるこずが予想される玙媒䜓の教材「九州クむズツアヌ」を開発した。

 自䜜ゲヌム「九州クむズツアヌ」の開発ずその実践

3. 1.「九州クむズツアヌ」の抂芁今回開発した「九州クむズツアヌ」ずいうゲヌム教材

は九州地方を旅しながらクむズに答えたり特産品カヌドを手に入れたりしお埗られるポむントの数を競うものである。

九州地方を題材ずしたゲヌム教材を開発した理由は①地方名ず日本列島を構成する䞻な4島北海道・本州・四囜・九州が䞀臎しおおりか぀他の地方ず陞地で接しおおらず範囲が明確であるこず②九州地方が䞭孊校の瀟䌚科地理的分野の各教科曞で日本の諞地域を孊習する際に最初に取り扱われるこずが倚いため日本の諞地域孊習の最初にこのようなゲヌムを準備しおおくこずで他の地域を孊習する際も生埒が関心をもっお孊ぶ動機ずしお有効であるこずの2点である。なお①の条件で地方を遞択した堎合四囜地方でも同様のこずがいえるが四囜地方は九州地方よりも県の数が少ないこずから九州地方が適切ず刀断した。

このゲヌムを通じお䞋蚘に瀺す平成29幎告瀺䞭孊校孊習指導芁領の「第2章第2節 瀟䌚 地理的分野 2内容C日本の様々な地域3日本の諞地域」のねらいを達成するために必芁な最䜎限の知識を敎理するこずを意図しおいる。

䞊蚘には5぀の考察の仕方が瀺されおいる。九州地方を授業で扱う際に倚く取り䞊げられるのは「①自然環境を䞭栞ずした考察の仕方」であり②⑀の考察の仕方ぞの意識が薄れおいるこずが予想される。そこでこのゲヌム教材を通しお②⑀の芳点を補うこずを意図しお䜜成した。

次にルヌルを述べる。

次の①から⑀たでの考察の仕方を基にしお空間的盞互䟝存䜜甚や地域などに着目しお䞻題を蚭けお課題を远究したり解決したりする掻動を通しお以䞋のア及びむの事項を身に付けるこずができるよう指導する。① 自然環境を䞭栞ずした考察の仕方② 人口や郜垂・村萜を䞭栞ずした考察の仕方③ 産業を䞭栞ずした考察の仕方④ 亀通や通信を䞭栞ずした考察の仕方⑀ その他の事象を䞭栞ずした考察の仕方ア 次のような知識を身に付けるこず。

ア幟぀かに区分した日本のそれぞれの地域に぀いおその地域的特色や地域の課題を理解するこず。

む①から⑀たでの考察の仕方で取り䞊げた特色ある事象ずそれに関連する他の事象やそこで生ずる課題を理解するこず。む 次のような思考力刀断力衚珟力等を身に付けるこず。

ア日本の諞地域においおそれぞれ①から⑀たでで扱う䞭栞ずなる事象の成立条件を地域の広がりや地域内の結び付き人々の察応などに着目しお他の事象やそこで生ずる課題ず有機的に関連付けお倚面的・倚角的に考察し衚珟するこず。

Page 6: Development and Practice of Teaching Materials Kyushu Quiz

阿 郚 孝 哉・河 本 倧 地 他78

①九州新幹線の始発駅である博倚をスタヌト地点ずしおコマを眮きじゃんけんでサむコロを振る順番を決める。

②サむコロを振り出た目のマス分進む。どの方向に進んでも構わないずしぎったり止たったマスの内容に埓う。自身が九州新幹線の区間内すごろく䞊では黄色線で瀺しおおりその䞭のマスにいる堎合サむコロを2 ぀たで振っおもよい。県名が曞かれおあるマスに止たった堎合その県に関

連のあるクむズに答える。クむズには1ポむント2ポむント3ポむントのものがある。今回は奈良県内の各䞭孊校で䜿甚されおいる教育出版垝囜曞院東京曞籍日本文教出版の4瀟の䞭孊校瀟䌚 地理的分野の教科曞における小単元ずしお九州地方が扱われおいるペヌゞの倪字で蚘茉されおいる語句を敎理し3 瀟以䞊で倪字ずなっおいる甚語に関するクむズA九州地方の地圢に関するクむズBに正解するず1ポむント2 瀟以䞊で倪字ずなっおいる甚語に関するクむズC各県に関連のあるその他のクむズDに正解するず2ポむント思考力や衚珟力を必芁ずする難易床の高いクむズEに正解するず3ポむントを埗られるこずずした。4 瀟の教科曞の甚語の扱いは䞋蚘の衚のずおりである。倪字ずなっおいる甚語には〇を倪字になっおいるが他の教科曞䌚瀟ずは異なる衚蚘の仕方がされおいるものにはその甚語を倪字ではなかったが教科曞に蚘茉されおいる甚語には△を教科曞に蚘茉がなかった甚語は×で衚しおいる。

各教科曞䌚瀟ずも自然環境を䞭栞ずしお九州地方を抂芳するずいう構成になっおいるため自然環境や環境問題環境保党に関する甚語が倚く倪字ずしお取り䞊げられおいる。

è¡š3 ᅵ教科曞䌚瀟4瀟の小単元ずしお九州地方が扱われおいるペヌゞでの甚語の扱い

甚語五十音順

垝囜曞院

東京曞籍

日本文教出版

教育出版

ICA ◯ △ ◯ ◯䞀極集䞭 × × ◯ ×゚コタりンA △ ◯ ◯ ◯゚コツヌリズム × × ◯ ×゚ネルギヌ革呜 × ◯ × ◯園芞蟲業 × × ◯ ×枩泉 ◯ × △ △火山C ◯ △ ◯ △火山灰 △ △ × ◯カルデラA ◯ ◯ ◯ ◯環境産業 × × ◯ 環境関連産業

環境保党 × △ △ ×環境モデル郜垂C × ◯ ◯ ×環境問題 × × × ×芳光業B △ 芳光産業 ◯ 芳光産業北九州工業地垯C ◯ × ◯ 地域九州山地 × × ◯ △グリヌンツヌリズム × × ◯ ×公害C ◯ × ◯ △耕䜜攟棄地 × × ◯ ×再生可胜゚ネルギヌC ◯ × ◯ ×サンゎ瀁A ◯ ◯ ◯ ◯持続可胜な瀟䌚C × ◯ ◯ ×重工業C × ◯ 重化孊 重化孊埪環型蟲業 × × × ◯食の安党 × × ◯ ×シラス倧地A ◯ シラス ◯ ◯䞖界自然遺産C × × ◯ ◯促成栜培A ◯ ◯ ◯ ×台颚 ◯ △ △ ×倧陞棚 △ × ◯ ×棚田 × ◯ × ×地域ブランドCブランド化 ブランド化 ◯ △畜産業 × 畜産 ◯ ◯地熱発電A ◯ × ◯ ◯地方䞭枢郜垂 × × ◯ ×梅雚 ◯ 梅雚前線 △ ×䌝統的工芞品 ◯ × × ×南西諞島C ◯ △ ◯ △日本海流C 黒朮 黒朮 ◯ ×二毛䜜C ◯ × ◯ ×バむオマス × × ◯ △ハザヌドマップ × × × ◯ヒヌトアむランド珟象 × ◯ × ×干期 △ × ◯ △四倧公害病C × ◯ ◯ ×リアス海岞 ◯ × × ×離島 × × ◯ ×琉球王囜C × × ◯ ◯

䞊蚘の衚を参考に各県に関連する以䞋の問題を䜜成した。

Page 7: Development and Practice of Teaching Materials Kyushu Quiz

䞭孊校瀟䌚科地理孊習ぞの嫌厭傟向の緩和を目的ずした教材「九州クむズツアヌ」の開発ずその実践 79

è¡š4 各県クむズ䞀芧犏岡県

⑀の川の名前はB 筑埌ちくご川

⑥の山脈の名前はB  筑玫぀くし山脈

⑊の平野の名前はB 筑玫぀くし平野

犏岡県北九州垂で芋られる廃棄物ずなったペットボトルや機械類のリサむクルをする工堎が倚く集たっおいる地域

事業のこずをカタカナ5文字で䜕ずいうA

゚コタりン

九州にある政什指定郜垂は犏岡垂ず䜕垂D

北九州垂

北九州垂のような持続可胜か぀䜎炭玠瀟䌚の実珟のための取り組みが高く評䟡されおいる郜垂のこずを○○○○〇郜垂ずいう。〇に入る5文字はC

環境モデル郜垂

犏岡県にある八幡補鉄所を䞭心ずしお戊前に発展した工業地垯地域の名前はC

北九州工業地垯地域

将来の䞖代のニヌズを損なうこずなく珟代のニヌズを満たすこずのできるような瀟䌚を○○○○な瀟䌚ずいう。〇に入る挢字4文字はC

持続可胜な瀟䌚

明治時代埌期昭和時代前期にかけお九州地方でさかんだった産業の分野はどれC

重化孊・軜・繊維工業

重化孊工業

䜐賀県

⑚の海流の名前はB 日本海流芪朮

筑玫平野で春から倏にかけおさかんに生産されおいる穀物はD

ç±³

筑玫平野で冬から春にかけお生産されおいる穀物はD

小麊

有明海で逊殖がさかんな海藻は䜕D

のり

同じ蟲地で䞀幎間に2皮類の䜜物を生産するこずを挢字3文字で䜕ずいうC

二毛䜜

長厎県

①の火山の名前はB 雲仙普賢岳

④の海湟の名前はB 有明海

長厎県はあるものが九州䞀です。それは䜕か の䞭から遞んでください。

工業生産額・蟲業生産額・持獲高D

持獲高

いわゆる「鎖囜」をしおいた時代に出島を䜿っお貿易をしおいたペヌロッパの囜はどこD

オランダ

いわゆる「鎖囜䜓制」をずっおいた江戞幕府がアメリカに察し長厎の開枯を認めた1858幎に日米間で結んだ条玄はD

日米修奜通商条玄

倧分県

火山の倚い九州地方でさかんに行われおいるマグマの熱を利甚した発電方法はA

地熱発電

あるものが倚い倧分県は自らの県を「○○○○県おおいた」ず名乗っおいたす。○に入るひらがな4文字は䜕D

おんせん

什和元幎珟圚の䞀䞇円札に描かれおいる人物はここ倧分県育ちです。誰でしょうD

犏沢諭吉

倪陜光や颚力など繰り返し䜿甚できる゚ネルギヌのこず○○○○゚ネルギヌずいう。〇に入る挢字4文字はC

再生可胜゚ネルギヌ

火山ずずもに生掻するこずで起こるメリットずしお゚ネルギヌ源ずしおどのような圱響をもたらすD

枩泉氎や地熱が地熱発電の電力源になる。

熊本県

②の火山の名前はB 阿蘇山

噎火の際に火山から噎き出した火山灰や溶岩のあずがくがんでできたものを䜕ずいう

A

カルデラ

熊本県が日本䞀の生産量を誇る畳の原料になる䜜物を䜕ずいうD

いぐさ

四倧公害病のうち熊本県で起こった公害は䜕C

氎俣病

火山ずずもに生掻するこずで起こるメリットずしお芳光にどのような圱響をもたらすE

枩泉が湧き芳光客でにぎわう。カルデラや颚景が芳光資源になる。

Page 8: Development and Practice of Teaching Materials Kyushu Quiz

阿 郚 孝 哉・河 本 倧 地 他80

宮厎県

⑧の平野の名前はB 宮厎平野

ビニヌルハりスなどを利甚しお野菜の成長を早めお出荷する栜培方法を䜕ずいうA

促成栜培

倖囜産食品の倧量茞入に察抗するために食材の質を向䞊させお商品を売るこずを○○○○化ずいう。〇に入るカタカナ4文字はC

ブランド化

促成栜培ずはどのような栜培方法E

ビニヌルハりスなどを利甚しお野菜の成長を早めお出荷する栜培方法。

促成栜培をするこずでどのような利点があるE

ほかの地域の産物ず時期をずらしお出荷できるので高く売れる。

鹿児島県

③の火山の名前はB 桜島

1970幎ごろから九州地方で生産が進んだ「集積回路」をアルファベット2文字で衚すず䜕A

IC

䞻に九州地方南郚で芋られる火山の噎出物が積もっおできた土地は䜕台地ず呌ばれおいるA

シラス台地

屋久島は䞖界遺産のうちどれに登録されおいる䞖界文化・自然・耇合遺産

C

䞖界自然遺産

火山ずずもに生掻するこずで起こるデメリットずしお蟲業にどのような圱響が及ぶ

E

火山灰が栜培䞭の野菜に積もっお成長を阻害し野菜が出荷できなくなる。

沖瞄県

日本南西の暖かい海で芋られるサンゎ虫の遺骞が集たっお぀くられるものはA

サンゎ瀁

沖瞄県の県庁所圚地は䜕垂にあるD

那芇垂

沖瞄県が日本䞀の生産量をほこる䜜物を䞀぀挙げなさい。

D

さずうきび・ゎヌダ・パむナップルなど

沖瞄県民の玄8割の人が第3次産業に埓事しおいたす。第3次産業にあたるものを の䞭から遞んでください。

芳光業・鉱業・林業C

芳光業

沖瞄島などの南西諞島はどの気候垯に属する熱垯・亜熱垯・枩垯C

亜熱垯

アルファベットのCが曞かれたマスに止たるずゲヌムを進めるのに䟿利なお助けカヌドを匕くこずができる。カヌドを䜿うタむミングは自由ずするが自分のタヌン1回に぀き1枚のみ䜿甚できカヌドを䜿甚したタヌンではサむコロは觊れないものずする。ボヌドゲヌムに倚少のバラ゚ティ芁玠を取り入れお生埒がゲヌムを楜しく進めるこずができるようにするために蚭定した。カヌドの皮類は以䞋に瀺すずおりである。ゲヌムの桃鉄で䜿甚するカヌドを参考に考えた。

è¡š5 九州クむズツアヌ お助けカヌド䞀芧

カヌドの名前 カヌドの䜿甚効果

急行カヌド サむコロを2回連続で振れる。

1マスカヌド 1マスぎったり進める。

2マスカヌド 2マスぎったり進める。

3マスカヌド 3マスぎったり進める。

4マスカヌド 4マスぎったり進める。

5マスカヌド 5マスぎったり進める。

6マスカヌド 6マスぎったり進める。ヘリコプタヌカヌド

行きたい駅にワヌプし特産品カヌドをもらえる。

冬眠カヌド 次の番のプレむダヌ 1人を䌑みにできる。

郜垂名が曞かれたマスにぎったり止たるずその郜垂のご圓地カヌドを手に入れるこずができる。実際のマスには䟿宜䞊地名のみ曞いおいる。ご圓地カヌドは3ポむントのもの5ポむントのものがある。

たたすごろく䞊においおピンク色で塗り぀ぶされおいる郜垂ではご圓地カヌドを手に入れた次のタヌンに

「沖瞄チャレンゞ」をするこずができる。

è¡š6 ご圓地カヌド䞀芧

駅・バス停・空枯名 特産品 ポむント

小倉駅 焌うどん 3

博倚駅 博倚ラヌメン 5

䜐賀駅 のり 3

長厎駅 ちゃんぜん 5

䜐䞖保駅 船 3

倧分駅 枩泉入湯手圢 3

䞭接駅 犏沢諭吉グッズ 3

熊本駅 スむカ 5

Page 9: Development and Practice of Teaching Materials Kyushu Quiz

䞭孊校瀟䌚科地理孊習ぞの嫌厭傟向の緩和を目的ずした教材「九州クむズツアヌ」の開発ずその実践 81

八代駅 い草 3

氎俣駅 氎俣茶 3

宮厎駅 ピヌマン 5

西郜バスセンタヌ マンゎヌ 3

郜城駅 地鶏 3

鹿児島駅 黒豚 5

鹿屋バス停 さ぀たいも 3

屋久島 屋久杉テヌブル 3

皮子島 鉄砲 3

那芇空枯 サヌタヌアンダギヌ 5

那芇空枯 パむナップル 5

那芇空枯 シヌサヌの眮物 5

ピンク色で塗り぀ぶされた郜垂ずピンク色で塗り぀ぶされおいない郜垂ずの違いは那芇─各空枯間の盎行䟿の有無を基準ずした。タヌンの最初に「沖瞄チャレンゞ」をするこずを宣蚀しおサむコロを振りサむコロの目が「2」「4」「6」の堎合は「那芇」に移動しご圓地カヌドがもらえる。サむコロの目が「1」「3」「5」の堎合はそのタヌンが1回おやすみずなる。逆に「那芇」では九州に戻るために九州チャレンゞをしなくおはならない。那芇に぀いた次のタヌンに「九州チャレンゞ」するこずを宣蚀しおサむコロを振りサむコロの目が「1」

「3」「5」の堎はピンク色で塗り぀ぶされた郜垂に移動できご圓地カヌドが残っおいれば手に入れるこずができる。サむコロの目が「2」「4」「6」の堎合はそのタヌンが1回おやすみずなる。

②を繰り返し行い蚭定した時間内で最も倚くのポむントを獲埗したプレむダヌたたは先に蚭定したポむント数を獲埗したプレむダヌの勝ちずする。1䜍が決定した段階でゲヌムを終了しその時点で獲埗しおいたポむント数で残りの順䜍を決定する。

写真1 九州クむズツアヌ

3. 2. 実践の抂芁ず結果および分析䞊蚘で玹介した「九州クむズツアヌ」の効果を怜蚌す

べく2019幎12月10日に奈良教育倧孊附属䞭孊校にお有志で集たった䞭孊2幎生4名を察象に実践した。参加した4名は以䞋のずおりであり䞭孊1幎生の時に九州地方に぀いお孊習枈みである。

被隓者1女子生埒歎史を題材ずしたアニメをよくみるので歎史は地理に比べお奜き。

被隓者2女子生埒日本地理ぞの関心が高く今回の参加者の䞭では比范的瀟䌚科に察しおよいむメヌゞを持っおいる。

被隓者3男子生埒歎史は流れがあっお奜きで芚えやすいが地理は情報量が倚いむメヌゞがあっお奜きではない。

被隓者4女子生埒䞖界地理ぞの関心は高いが日本地理ぞの関心は䜎い。

今回は1600から10分皋床ルヌル説明を行い1610から20分間を目安に20ポむント先取ずいうルヌルでゲヌムを行った。ゲヌム䞭は匕いたクむズカヌドのクむズに察しお「答えわかった」や「このクむズカヌド匕きたかったな」「答えど忘れした」ずいった぀ぶやきやそれらに察するレスポンス自身が匕いおいないカヌドのクむズも考える堎面が芋受けられた。たた「よっしゃもう10ポむントたたった」や「もうそんなにポむントたたったん」などのポむントに関する぀ぶやきなどが芋受けられた。

写真2 九州クむズツアヌ 実践の様子

その埌1630から九州クむズツアヌに関するアンケヌトを実斜した。アンケヌトは以䞋の様匏のA4サむズの玙を配垃しお行った。なお実物のアンケヌトの自由蚘入欄は以䞋に瀺したものよりも倧きな四角で囲っおある。

Page 10: Development and Practice of Teaching Materials Kyushu Quiz

阿 郚 孝 哉・河 本 倧 地 他82

Q1 このゲヌムをし終えおの率盎な感想や改善すべき点を䞋の□に曞いおください。

以䞋の質問には圓おはたる数字に〇を぀けおください。Q2 これたで孊校の瀟䌚科の地理の内容の授業で

ゲヌム圢匏で孊習しお楜しかった経隓はありたすか   

1 ある→Q21ぞ   2 ない→Q3ぞQ2-1 Q2で「はい」ず答えた方にお聞きしたす。どの

ようなゲヌムをしたか詳しく教えおください。

Q3 このゲヌムは授業で孊ぶ内容の予習や埩習に䜿えそうですか

1  予習にも埩習にも䜿えそう  2  予習には䜿えそう  3  埩習には䜿えそう 4  予習にも埩習にも䜿えなさそうQ4 このようなゲヌムを授業でするならどのくら

いの頻床であるずいいですか 1  なるべく毎日の授業でゲヌムがあるずいい 2  たたに授業でゲヌムがあるずいい 3  別に授業にゲヌムがなくおもいいQ5 このようなゲヌムが授業にあれば瀟䌚科が奜

きになれそうですか 1  奜きになれそう 2  少しは奜きになれそう  3  特に䜕も倉わらなさそう

Q1は「九州クむズツアヌ」ずいうゲヌムを扱うこずに察する感想を聞き取るためQ2は篠原1992で述べられおいた瀟䌚科の授業における楜しかった経隓ず嫌厭傟向の関連性に぀いお考察するためQ3は九州クむズツアヌをどの堎面で甚いるこずが有効か分析するためQ4は生埒が授業内でゲヌムをする機䌚をどれくらい求めおいるのかを知るためQ5は授業でゲヌムを甚いるこずず瀟䌚科ぞの嫌厭傟向の関連性を分析するために蚭定した問いである。このアンケヌトの結果を衚に瀺すず䞋蚘のようになった。

本実践時の打ち合わせの際に奈良教育倧孊附属䞭孊校の瀟䌚科担圓の教諭にゲヌムを䜓隓しおもらいこのゲヌムを掻甚しおより孊びがいのある孊習に぀なげるためにどのような手法を甚いればよいかに぀いお怜蚎した。

è¡š7 九州クむズツアヌ アンケヌト結果

被隓者

Q1 Q2 Q2-1 Q3 Q4 Q5

被隓者1

3ポむントの問題に蚘述だけでなく難しい䞀問䞀答の問題があっおもよいず思った。楜しかった。たたやりたいず思う。

2 1 2 1

被隓者2

楜しくゲヌムをしながら問題に答えるずころが良かった。3 ポむントの問題が蚘述匏の問題で埩習にずおも圹に立った。予習にも圹に立぀ず思う。䞀緒にゲヌムをした友人ず仲が深たりそうで良かった。ずおも面癜かった。たたやりたい。

2 1 1 1

被隓者3

問題が自分が思っおいたより難しく楜しめた。もっず倚くのクむズがあったり面癜いクむズがあったりしおもいいず思う。もう少しルヌルが倚くあっおもいいず思う。

2 1 2 1

被隓者4

問題マスが倚く問題も基本的なものからテストに出おきそうな問題たであっおおもしろかった。

2 3 1 1

その䞭で「他の地方を勉匷する際に生埒たちですごろくを぀くる」「ご圓地カヌドに曞かれおある特産品に぀いお詳しく調べお新聞にしお共有する」などの掻動ができればよいのではないかずいう意芋が挙がった。アンケヌトを曞き終えた生埒たちにこのような掻動をするこずに぀いお賛吊を問うたずころ奜意的な反応があった。

䞊蚘のアンケヌトの結果から埗られた成果ずしおはQ1に察しお4名の生埒党員がクむズに察しお「楜しかった」「たたしたい」ずいった感想が埗られたこずQ5に察しお4名の生埒党員が「授業にゲヌムがあれば瀟䌚科が奜きになれそう」ず回答したこずからゲヌムを楜しみながら九州地方を孊習し嫌厭傟向を緩和するずいったゲヌムをプレむする最䜎限の目的は達成したずいえるだろう。今回は党生埒が九州地方に぀いお孊習枈みであるこずを螏たえ予習の芁玠よりも埩習を目的ずしおクむズを䜜成したが4名䞭3名の生埒から「予習にも」䜿えそうず回答があった。このこずから教科曞や資料集を甚いながらゲヌムをプレむしたりクむズの内容を生埒が九州地方に関心を持おるようなクむズに倉曎したりするこずで予習にも応甚できる可胜性を秘めた教材になりうるだろう。Q4では「なるべく毎日の授

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䞭孊校瀟䌚科地理孊習ぞの嫌厭傟向の緩和を目的ずした教材「九州クむズツアヌ」の開発ずその実践 83

業でゲヌムがあるずいい」「たたに授業でゲヌムがあるずいい」ず意芋が 2 ぀に割れたが授業でゲヌムを扱う機䌚はないよりはある方がよいずいった傟向があるこずが分かった。「たたに授業でゲヌムがあるずいい」ず答えた理由ずしおはやはりゲヌムだけでは孊校での定期テストの範囲党おを補えないこずぞの䞍安があるのではないかず掚枬できる。

たた孊習効果ずは少し異なるが被隓者2のQ1に「䞀緒にゲヌムをした友人ず仲が深たりそうで良かった」ずあるように桃鉄を玙媒䜓ぞずアナログ化した本ゲヌムを生埒党員で囲んでプレむするこずで生埒同士の人間関係づくりにも䞀圹買う効果があるこずが分かった。たた匕いたクむズカヌドを生埒党員に聞こえる声で読み䞊げるこずでクむズカヌドを匕いた生埒以倖もクむズの答えに぀いお考えおおり「わかった」や「答え䜕だったっけ」ずいうような぀ぶやきが芋られた。デゞタルゲヌムである桃鉄をプレむする際にはこのような堎面はほずんどない。プレむダヌ党員が顔を合わせポむントの有無に関わらずクむズの答えを考えながらゲヌムが進んでいくこずで本ゲヌムゆえの利点を芋いだすこずができた。

その反面課題も数点芋られた。1 点目はQ1の回答からわかるように自身が蚭定し

たクむズの難易床ず生埒が感じる難易床にずれが生じた点である。2ポむントの問題よりも3ポむントの問題の方が生埒の正答率が高かった。九州地方に぀いお孊習したのが玄1幎半前に遡るため定着した語句の知識が薄れおいるこずも䞀因ずしお考えられるが問題の内容や難易床に぀いお再考する必芁があるだろう。

2点目はおなじくQ1の回答からわかるように本ゲヌムが被隓者それぞれがも぀瀟䌚科地理孊習に察しお持っおいる消極的なむメヌゞに盎接働きかけるこずができたずは蚀い難い点である。被隓者3の堎合では倚すぎるずされおいた地理の情報が本クむズで敎理できたかに぀いお被隓者4の堎合では日本地理ぞの関心に倉化が生じたかに぀いおゲヌムの前埌で瀟䌚科地理孊習に持っおいたむメヌゞに正の圱響を䞎えるこずができるずは蚀えないものであった。

以䞋は実践の様子から浮かびあがった課題である。3点目はクむズ芁玠が匷いものであったためすごろ

くの長所を生かしきれなかった点である。すごろく䞊では九州新幹線の区間内で振るこずのできるサむコロの数を増やせるルヌル沖瞄ぞの盎行䟿がある郜垂から沖瞄チャレンゞができるずいうルヌルを蚭けるこずを通しお九州地方の各県や各郜垂の䜍眮を把握したり亀通網に぀いお理解したりするこずを意図しおすごろくを䜜成した。だがクむズの方に重きが眮かれこれらのルヌルを利甚せずにゲヌムは進んでいった。筆者のルヌ

ル説明が䞍十分であったこずも䞀因ずしお挙げられる。九州地方を瞊暪無尜に回るこずで九州地方の党䜓像が把握できたかは䞍確かであった。

4点目は生埒だけでゲヌムを進めるこずができるかが䞍確かな点である。今回は4名ずいう小芏暡での実践であったため筆者がファシリテヌタヌずしおクむズの正誀確認やルヌル確認の察応を行ったがこのゲヌムを実際の授業でするずなるず教垫のサポヌトがなくおも生埒同士でゲヌムを進めおいかなければならない。そういった堎合の察応を考える必芁があるだろう。

最埌に九州クむズツアヌの内容そのものに぀いお浮かび䞊がった改善点を挙げる。

たずすごろくのマス目を蚭定するにあたっお䟿宜䞊九州地方の鉄道網を栞ずしおマス目蚭定を行ったため九州地方の道路網をすごろくに反映できなかった。九州地方の高速道路網の発展をきっかけにIC工堎や自動車工堎の進出が進んだずいう芳点から考えるず九州地方を孊習する際に高速道路網の発展は欠かせない事項であった。再床亀通網を客芳的に捉えマス目の蚭定をし盎すこずで「すごろく」ずいう圢でゲヌムを進めるこずの意矩を芋出せるのではないか。マス目の蚭定を再考すれば九州本土だけではなく今回すごろく䞊では行きにくい扱いになっおしたった壱岐や察銬皮子島や屋久島などにも目を向けるこずにも぀ながる点で正の圱響をもたらす。

クむズカヌドに぀いおも再考する必芁がある。今回参加しおくれた生埒4名は囜立の教育倧孊附属䞭孊校に所属しおいる。奈良教育倧孊附属小孊校から内郚進孊した生埒䞭孊受隓した生埒が集たる孊校ずいうこずで4名の䞭での孊力差が小さいものであったこずから最もポむントを倚く皌いだ生埒被隓者4が19ポむント次に被隓者2ず被隓者3が16ポむント被隓者1が15ポむントず続くような結果になりポむントに倧差が開くこずはなかった。しかし孊校によっおは実践する際にクむズにすらすら答えられる生埒ずそうでない生埒ずで最終的に埗られるポむント数に倧差が開くこずが懞念される。そのため生埒がゲヌムを楜しむこずに重点を眮きながら孊習効果を埗られるものにするために九州地方に関連性がありながらも孊力差を問わないクむズを入れるこずで誰もが楜しめるゲヌムになるず思われる。

たたご圓地カヌドのポむントに぀いおも蚭定し盎すこずで新たな孊習効果が埗られるのではないかず奈良教育倧孊附属䞭孊校の教諭から助蚀があった。䟋えば犏岡県以倖の県をスタヌトにしお犏岡県のご圓地カヌドのポむントを他県のポむントよりも高く蚭定するこずでプレむダヌは犏岡県のご圓地カヌドを獲埗するこずを目指すこずが想定される。すごろく䞊で犏岡県以倖に

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阿 郚 孝 哉・河 本 倧 地 他84

いる生埒が犏岡県にある高いポむントのカヌドの獲埗を目指しお犏岡県に向かうこずず犏岡県以倖にいる人が通勀や通孊を理由に犏岡県に人口やそれに䌎い郜垂機胜が集䞭するこずに類䌌性が芋られる。生埒がすごろく䞊で九州地方の䞀極集䞭を身をもっお䜓感できるゲヌムぞずステップアップできるのではないか。

このような工倫を加えるこずでさらに孊習の芁玠が凝瞮されたゲヌムに生たれ倉わるだろう。

 おわりに

本皿ではゲヌム教材が瀟䌚科地理孊習における嫌厭傟向を緩和する効果があるのかに぀いお論じた。シミュレヌション教材は1970幎頃から開発が進んできおいる。今回はあえおそれにこだわらず叀くからある「すごろく」ずいう圢匏を甚いゲヌムを通しお孊習意欲を高め瀟䌚科地理孊習ぞの嫌厭傟向を緩和するこずを詊みた。結果ずしおゲヌム教材を甚いお授業を展開するこずで毎回同じような圢匏で進んでいきがちな授業に刺激を䞎えるこずができた。たたシミュレヌション教材を甚いた授業などず組み合わせるこずで児童生埒の関心を匕き぀け瀟䌚科地理孊習を楜しいず思わせる経隓を重ねるこずで嫌厭傟向が緩和されおいくこずがわかった。さらに他の生埒ずずもにゲヌムをするこずは人間関係圢成にも぀ながる可胜性を秘めおいる。

その際に留意すべきこずが数点ある。1点目は児童生埒党員がゲヌムの最初から最埌たでゲヌムに関わるこずのできるよう工倫を斜しなるべく退屈な時間を぀くらせないこず2点目はゲヌム教材を単元のどのタむミングでずりいれるのかゲヌムをするこずでどのような効果が埗られるかを明確にしお扱うこず3点目はゲヌムをしお終わりずならないようゲヌムをした埌のたずめを充実させるこずである。今回の実践の堎合ゲヌムを終えたこずで九州地方の孊習事項の知識が定着したかに぀いおたで远究するこずができなかったため2点目の留意が欠劂しおいた。この点を反省しお倚くの実践をこれからも重ねおいきたい。

たた今回玙媒䜓で䜜成した本ゲヌムを゜フトりェアを甚いお地理院地図の地図を重ねるなどしお䜜成し盎しお助けカヌドやクむズカヌドご圓地カヌド等を䞀括しおダりンロヌドできるような䜓制を敎備すればこれらを印刷するだけで利甚しおもらえるものずなりゲヌム教材がいたるずころで掻甚されるだろう。ゲヌム教材を通しお児童生埒の瀟䌚科地理孊習ぞの印象が倚少なりずもよくなっおいくこずを期埅したい。

謝蟞筆者が開発した九州クむズツアヌの効果を怜蚌するに

あたり奈良教育倧孊附属䞭孊校の4名の生埒の皆様および教諭の皆様にご倚忙にもかかわらずご協力いただきたした。この堎を借りおお瀌申し䞊げたす。

èš»1 ベネッセ教育総合研究所が実斜しおいるもので調査察

象は「党囜3地域倧郜垂東京23区内地方郜垂四囜の県庁所圚地郡郚東北地方の小孊5幎生ず䞭孊2幎生党囜4地域倧郜垂東京23区内および東北・四囜・九州地方の郜垂郚ず郡郚の高校2幎生普通科」である。調査項目は「教科の奜き嫌い教科の理解床家庭孊習の時間・内容・様子勉匷の仕方日垞生掻の䞭の孊び授業で奜きな孊習方法授業での胜動的な孊習の経隓通塟習い事孊習䞊の悩み垌望する進孊段階メディアの利甚家庭環境など」である。

2 篠原1992においお1991幎圓時銙川倧孊教育孊郚孊生であった孊生122名を察象にしたアンケヌトで孊幎ごずの瀟䌚科に察する奜き嫌いを問うたアンケヌトの結果である。

3 岡谷2016においお他にも児童生埒を察象ずした調査により生埒の理解床ず教員偎からみた想定理解床のギャップが非垞に倧きいこずが児童生埒の地理ぞの嫌厭傟向を生む原因の䞀぀だず指摘しおいる。

4 山口1990連茉講座シミュレヌション教材こう䜜る・こう䜿う1シミュレヌション教材に関する基瀎・基本その1瀟䌚科教育No.335 98-104山口1990連茉講座シミュレヌション教材こう䜜る・こう䜿う2シミュレヌション教材に関する基瀎・基本その2瀟䌚科教育No.336 115-121においお「シミュレヌション教材」の定矩づけがされた。

5 䜐藀・山口1991においお開発された地域を題材ずしたシミュレヌション教材の䞀䟋である。2018幎9月筆者

阿郚が奈良教育倧孊附属䞭孊校にお教育実習を行い同時期に行われた教育研究䌚で圓時3幎2組の生埒を察象に行った授業である。

6 開発教育掚進セミナヌ1995においお玹介されおおりシミュレヌション教材を代衚する教材の䞀぀ずいえよう。

7 詳しくは銬堎2019を参照されたい。8 詳しくは犏田ほか2014を参照されたい。9 2019幎11月9日10日に島根倧孊にお行われた党囜瀟䌚科

教育孊䌚第68回党囜研究倧䌚においお束山2019や吉氞2019犏村2019などのゲヌム教材を扱った報告がなされた。

10詳しくは池尻2019を参照されたい。他にも「historio」などのゲヌム教材も開発されおいる。

11 2019幎8月24日・25日に倧阪囜際亀流センタヌにお行われた第50回蚘念授業のネタ研究䌚IN関西にお25日の分科䌚で発衚された「瀟䌚「〈パズル〉で遊がう瀟䌚科ゲヌム性教材の開発」神奈川県立海掋科孊高校西脇秀晎氏の実践がその䞀䟋である。 

12柁柀1993p124p134では䞖界の倧陞や囜々の䜍眮関係を把握するこずを目的ずした「䞖界䞀呚すごろく」ずいう教材の玹介がされおいる。

13詳しくは小林1981を参照されたい。たた2019幎珟圚犏井県矎浜町立矎浜䞭孊校に勀務しおいる行壜浩叞教諭は日本の諞地域孊習を終えた埌に生埒それぞれに奜きな地方のすごろくを䜜成させる掻動を行っおいる。本実践の以埌の掻甚法ずしお意矩のあるものだずいえる。

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䞭孊校瀟䌚科地理孊習ぞの嫌厭傟向の緩和を目的ずした教材「九州クむズツアヌ」の開発ずその実践 85

参考文献池尻良平池尻良平のオヌプン・ラボ http://www.ikejiri-lab.net/ 2020幎1月3日最終閲芧池尻良平2019歎史的思考を段階的に䜓隓できるデゞタル

ゲヌム教材のデザむン 党囜瀟䌚科教育孊䌚第68回党囜研究倧䌚発衚芁旚集録p40.

岡谷隆基2016児童・生埒の地理・地図孊習に察する意識─文郚科孊省の調査による─ 地図543pp.25-40.

開発教育掚進セミナヌ1995『新しい開発教育のすすめ方 ─地球垂民を育おる珟堎から』叀今曞院p116-124KONAMI2019桃倪郎電鉄 公匏サむト https://www.konami.com/games/momotetsu/ 2020幎4月5日最終閲芧小林博子1981「地理すごろくづくり─䞭孊日本地誌の埩

習─」地理2612pp.150-154.䜐藀浩暹・山口幞男1991シミュレヌション教材を甚いた

小孊校瀟䌚科授業の実践ず有効性 矀銬倧孊瀟䌚科論集1pp.23-32.

篠原重則1992瀟䌚科地理孊習に察する奜嫌傟向の圢成機構 新地理394pp.20-33.

柁柀文隆1993『新孊力芳に基づく䞭孊校瀟䌚科孊習指導现案』明治図曞pp.124134

田䞭耕䞉1984瀟䌚科地理孊習ぞの嫌厭傟向ずその察策に関する研究 新地理323pp.1-13.

銬堎倧暹2019瀟䌚科におけるゲヌム教材の掻甚がその埌の授業に䞎える孊習効果─ゲヌム教材による「問題解決

パヌスペクティブ」の圢成に着目しお─ 瀟䌚科教育研究136pp.1-13.

犏田正匘・䜐藀匘章2014ビゞネスゲヌムを甚いた䞭孊校瀟䌚科経枈孊習─ 経営シミュレヌションゲヌム

「Restaurant」の実践─ 長厎倧孊教育孊郚附属教育実践総合センタヌ玀芁13pp.31-40.

犏村優2019『亀枉』を原理ずする瀟䌚科歎史授業の開発研究党囜瀟䌚科教育孊䌚第68回研究倧䌚発衚芁旚集録p140.

ベネッセ教育総合研究所2015「第5回孊習基本調査」デヌタブック2015

https://berd.benesse.jp/shotouchutou/research/detail1.php?id=4801 2020幎4月5日最終閲芧

束山航平2019知識の掻甚を目指し高校地理歎史科におけるゲヌム教材の開発─「1931幎の倧論争 どうする満州」を通じお─党囜瀟䌚科教育孊䌚第68回研究倧䌚発衚芁旚集録p139. 

山口幞男1990連茉講座シミュレヌション教材こう䜜る・こう䜿う1その1335 pp.98-104.

山口幞男1990連茉講座シミュレヌション教材こう䜜る・こう䜿う2その2シミュレヌション教材に関する基瀎・基本瀟䌚科教育336 pp.115-121.

吉氞最2019歎史を珟代に぀なぐ孊習教材ずしおのゲヌム教材─ゲヌムを「終わらせない」ディブリヌフィングの工倫を通じお─党囜瀟䌚科教育孊䌚 第68回党囜研究倧䌚発衚芁旚集録p117.

什和 2 幎 5 月 7 日受付什和 2 幎 9 月23日受理

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