day2 トラック1 金融と経済 セッション3エナジー …...2017年11月8日...
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2017年11月8日
フィンテックがもたらすエネルギー産業の改革と未来The Future of the Energy Industry: How Fintech Will Transform It
DAY2 トラック1 金融と経済セッション3 エナジーファイナンスとIT
エナジー・ストレージ・サミット・ジャパン 2017
1Copyright © 2017 Accenture All rights reserved.
通信・メディア・ハイテク本部
製造・流通本部
アクセンチュアについてアクセンチュアは「ストラテジー」「コンサルティング」「デジタル」「テクノロジー」「オペレーションズ」の5つの領域で幅広いサービスとソリューションを提供する世界最大級の総合コンサルティング企業です。
金融サービス本部
公共サービス・医療健康本部
素材・エネルギー本部
戦略コンサルティング本部
デジタル コンサルティング本部
テクノロジー コンサルティング本部
オペレーションズ本部
2Copyright © 2017 Accenture All rights reserved.
プレゼンターのご紹介
村上 隆文(むらかみ たかふみ)
戦略コンサルティング本部
テクノロジー戦略グループ統括マネジング・ディレクター
• 新卒でアクセンチュアに入社し、15年以上に渡り、金融(銀行、保険、証券、ノンバンク等)を中心に、IT戦略、ITトランスフォーメーション、PMIなどのコンサルティングに従事
• 近年は、特に金融機関のイノベーション創出支援のプロジェクトに数多く取り組む
• 経済産業省「産業・金融・IT融合に関する研究会」(FinTech研究会)に参画
• 共著書に「フィンテック 金融維新へ」(日本経済新聞出版社)
伊藤 剛(いとう たけし)
戦略コンサルティング本部
素材・エネルギーグループ統括マネジング・ディレクター
• 2000年東京大学法学部卒業後、大手シンクタンクを経て、2012年よりアクセンチュア
• 主に素材・エネルギー領域を中心に、制度設計、企業・事業戦略、組織設計、マーケティング・営業戦略、新規事業立案等に従事
• 共著書に「エネルギー産業の2050年 Utility3.0へのゲームチェンジ」(日本経済新聞出版社)
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アジェンダ
I. フィンテックの進化・浸透
1. グローバルにおけるフィンテック動向
2. 産業金融にもたらされるイノベーション
II. エネルギー産業の改革
1. Utility3.0へのゲームチェンジ
2. デジタル時代に求められる新たな戦い方
III.フィンテック×エネルギー産業の注視すべき領域
おわりに
4Copyright © 2017 Accenture All rights reserved.
アジェンダ
I. フィンテックの進化・浸透
1. グローバルにおけるフィンテック動向
2. 産業金融にもたらされるイノベーション
II. エネルギー産業の改革
1. Utility3.0へのゲームチェンジ
2. デジタル時代に求められる新たな戦い方
III.フィンテック×エネルギー産業の注視すべき領域
おわりに
5Copyright © 2017 Accenture All rights reserved.
グローバル分散型に移行するフィンテック投資の機運“金融”は、常に新たな血を取り込み、変化し続けるビジネスへ
I. フィンテックの進化・浸透 | 1. グローバルにおけるフィンテック動向
1,790
947
810
640
339
20,000
30,000 1,800
1,200
600
0
10,000
02010
476
1,889
フィンテック投資額(百万ドル) 3,2312,541
13,338
20132011
4,819
2012
ディール
件数
201620152014
23,235
21,045
1,184
その他ヨーロッパ北米アジア・パシフィック ディール件数
グローバルフィンテック投資の推移(2010年~2016年)
[参考]シリコンバレー
VC投資平均水準
Source: 〔フィンテック投資〕 CB Insightsデータに基づきアクセンチュア分析〔シリコンバレーVC投資〕 Silicon Valley Institute for Regional Studies 「2016 Silicon Valley Index」(2016)
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順調に成長するフィンテックベンチャーエコシステム15%程度の後期ステージを継続的に生み出しながら規模を拡大
I. フィンテックの進化・浸透 | 1. グローバルにおけるフィンテック動向
565378300297253
127
543
455
361314219
225160
203
150
600
0
1,800
1,200
810
11947
947
91
3345
2013
ディール件数
2016
1,790
505
128
20152014
49
5098
1,184
18476
2011
57
2012
9258
640
173950
4416
339
80
2010
OtherLater stageMid stageAngel & Seed Early stage
ステージ別フィンテック投資の推移(2010年~2016年)
Source: CB Insightsデータに基づきアクセンチュア分析。 “Other”は転換社債等による金融市場からの資金調達が中心
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金融の“本丸”への浸食当初は「預金/決済」が主流であったが、深い金融にも徐々に目が向きつつある
I. フィンテックの進化・浸透 | 1. グローバルにおけるフィンテック動向
Source: CB Insightsデータに基づきアクセンチュア分析
0
5
10
15
20
25
30
35
40
45
50
55
60
65
0 100 200 300 400 500 600
2016
2016
一件当たり金額(百万ドル)
2014
2016
2015
2014
2015
バブルサイズは投資規模(百万ドル)
事業領域別フィンテック投資の変化(2014年~2016年)
その他オペレーション証券取引決済 融資 ウェルス&アセットマネジメント保険預金口座
0 50 100 150 200 250
15
20
10
45
25
5
0
2014
2016
2015
2015
2014
件数
2015
2016
2015
2014
2016
2015
2014
2014
2016
2014
2016
2015 2016
8Copyright © 2017 Accenture All rights reserved.
破壊的テクノロジーの活用AIやブロックチェーンなど、破壊的インパクトをもつ新興技術への関心が高まっている
I. フィンテックの進化・浸透 | 1. グローバルにおけるフィンテック動向
Source: CB Insightsデータに基づきアクセンチュア分析
THE NEW
モビリティ
アナリティクス
クラウド
セキュリティ
インタラクティブ
222441 480
86
245
480
129
55
9431
480
211
298480
161
76
データなし
88156
480
99241
480
333117
480
37%7,747百万ドル
7,541百万ドル
1,976百万ドル
2,454百万ドル
372百万ドル
638百万ドル
408百万ドル
26%
33%
24%
45%
31%
29%
22%
14%10%
39%78%
188%61%
37513467
480その他 2,036百万ドル
28%
40%
2016 2010 2013 2016 2016 2010 2013 2016新興技術
AI
ブロックチェーン
没入型現実
投資額 ディール件数 投資額 ディール件数
API ソーシャルマーケットプレイス
モバイル IoT センシング
BIアナリティクス データ管理
SaaS PaaS IaaS
サイバー 認証
AI ロボティクス
暗号通貨
分散型台帳技術
AR VR
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フィンテックがもたらすもの : “金融”の分解・再編フィンテックは、金融トランザクションコストを抜本的に下げることで、3つの分解・再編を加速する
I. フィンテックの進化・浸透 | 2. 産業金融にもたらされるイノベーション
異業種ビジネス
• 金融の分解・再定義による新たな価値提供
• 競争 or 共生
• 業法・規制との相関
• 高利便性によるインフラ刷新
• シェア専有競争
+
商業銀行業務
預金/為替
カード/決済 ローン 事業性
ローン トラバン ブローカレッジ
ウェルスマネジメント プライマリ セカンダリ
証券/投資銀行業務共通 リテール ホール リテール ホール
保険業務
生保 損保
事業ドメイン
FinTechがもたらすもの
金融代替サービス
業際の再定義
(エコシステム)
サービス革新
①
アンバンドル
②
リバンドル
③
リプラット
フォーム
PayPal
ApplePay
ripple
wongai
Zest
finance
Crowd
Mortgage
ManeoLending
Club
KickStarter
Kabbage Betterment
Personal
Capital
profounder
Tesla
Social
alpha
Visible
Market
mint
AEON Rakuten
fidorBank Alipay
Smple Moven LINE
R3CEV
jumio okta
backbase apigee
MENIGA sffronyseop
Discovery
Friend
surancemetromile
OSCAR
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フィンテックがもたらすもの : 産業金融分野での影響産業と金融の融合・一体化が一段と進み、金融内包型の新たなサービスが創出される
I. フィンテックの進化・浸透 | 2. 産業金融にもたらされるイノベーション
プロジェクトファイナンス
エコシステム/プラットフォーム
+ = エコシステムファイナンス
アセット/ロジファイナンス
Society5.0+ = デジタルロジファイナンス
リース IoT/AI+ =製品サービス化(PaaS)
商品市場 ブロックチェーン+ = 超小口PTS
・・・
・・・
・・・
従来型金融 デジタル社会化 進化形
産業金融の進化産業×金融のモメンタム
フィン
テック
の進
化・浸
透産
業の
デジ
タル
化
• 非金融企業の参入障壁低下
• リバンドル化(産業・金融一体型プラットフォームニーズ)
• エコシステム型ビジネスにおける決済・ファイナンス機能内包化
• 産業設備へのIoT・M2M活用によるインテリジェント化
• Society5.0など産業横断でのデータ流通の促進
• サーキュラー型サービス(シェアリング、製品サービス化)の進展
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アジェンダ
I. フィンテックの進化・浸透
1. グローバルにおけるフィンテック動向
2. 産業金融にもたらされるイノベーション
II. エネルギー産業の構造変化
1. Utility3.0へのゲームチェンジ
2. デジタル時代に求められる新たな戦い方
III.フィンテック×エネルギー産業の注視すべき領域
おわりに
12Copyright © 2017 Accenture All rights reserved.
需要者主体の産業構造と価格形成メカニズムへの移行再エネ導入量の増大・蓄電設備の普及により消費者主体の産業構造と価格形成メカニズムに移行
川下が需給両面を持つことで市場が民主化
II. エネルギー産業の構造変化 | 1. Utility3.0へのゲームチェンジ
発電
送配電
小売
需要家
従来 2050年
消費者主体の産業構造へ移行
✓ 消費者は需給両面を持ち、価格形成の主体になる(プロシューマ―)
✓ 価格形成の主体
大都市(スマートシティ)
街
ビル家
家(プロシューマー)
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2050年の電源構成 : カギを握る蓄電技術2050年時点のDERの発電容量は最大電力需要を大きく上回り、余剰電力が大量に発生
DERの経済性を維持するため、この余剰電力を有効活用する蓄電技術が必要に
II. エネルギー産業の構造変化 | 1. Utility3.0へのゲームチェンジ
出所:東京電力ホールディングス経営技術戦略研究所
2050年の負荷持続曲線
0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000 (h)
8,760
[kW]
使う以上に電気を作ってしまう時間
2050年の想定
最大需要 再エネ電源
2億kW
太陽光
2.7億kW
風力
0.7億kW
+<
DERの余剰電力を蓄電し適切なタイミングで放電したい
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運輸システムと融合する電力システムモビリティや社会インフラと、蓄電・給電設備が融合することで、更なる構造転換が予見される
II. エネルギー産業の構造変化 | 1. Utility3.0へのゲームチェンジ
電気自動車の蓄電池を活用する効果
2.4%
1.6%
0.4%0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
1.2
1.4
1.6
0%
1%
2%
3%
4%
3% 5% 10% 20% 30% 40% 50%
TSO(送電系統運用者)が利用できる電気自動車の蓄電池容量の割合
分散型電源(DER)
系統大規模電源
(BER)
分散型電源の出力抑制率
必要な系統大規模電源容量
億kW
仮に20%の蓄電池容量を活用できると、出力抑制をほとんど行う必要がなくなる
さらに50%まで蓄電池容量を活用できると、BERは1.3
億kWで済むようになり、設備利用率は62%から75%に改善する。
62% 75%BERの設備利用率
出所:東京電力ホールディングス経営技術戦略研究所
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川下から川上に遡る新たなバリューチェーンが登場分散型電源を備えたユーザーの増大と同時に、kWや⊿kWが有価で取引される市場が登場し、
消費者がプロシューマー化し、プロシューマーを起点とした新しいビジネスモデルが誕生
II. エネルギー産業の構造変化 | 1. Utility3.0へのゲームチェンジ
プロシューマーの登場
自家発電を保有するユーザー
Connected Industryの流れで需要の柔軟性を高めるユーザー
kWhの提供
kW・⊿kW
の提供
DERの取引PF
リソースアグリゲーター
プロシューマーを起点とした新たなビジネス
分散型電源(DER)をもつユーザーが自身で発電した電力(kWh)を他のユーザーに販売するP2P取引のプラットフォームが登場する。
設備の自動化・NW化を進める企業が、設備稼働を調整することによって、電力システムに対して、容量(kW)や調整力(⊿kW)を有価で販売する。
この取引を仲介するリソースアグリゲーターが登場する。
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新しいエネルギー産業 ~Utility3.0エネルギー産業の変化は、供給サイドと顧客サイドの両者が牽引し、既存事業者は姿を消し、
運輸システムなど他産業との融合を進めながら、全く新しい市場が立ち上がる可能性
II. エネルギー産業の構造変化 | 1. Utility3.0へのゲームチェンジ
17Copyright © 2017 Accenture All rights reserved.
顧客体験の提供が難しい“エネルギー”という商材デジタル時代の消費者が重要視する「利用体験」を想定することが難しいエネルギー商材を扱う
エネルギー小売事業者は、抜本的なビジネスモデルの変革を迫られる
II. エネルギー産業の構造変化 | 2. デジタル時代に求められる新たな戦い方
商品価値
購買体験
利用体験
グリーン電力など、多少の差異性は設けられても、訴求力は限定的
オンライン化や自動化による購買行為に伴う“苦痛”を最小化するにとどまる
消費者はエネルギーの利用体験を意識しない(電気の利用体験でなくTVの視聴体験)
エネルギー商材の場合 訴求力
小
小
無
49
49
53
64
65
68
72
73
74
77
79
[%]
銀行/金融サービス
生命保険
固定通信
携帯通信
電力・ガス
損害保険
ヘルスケア
ケーブル/衛星放送
消費財小売
家電
ホテル
購入した製品に対する無関心度合
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エネルギー販売事業はB2B2X型のビジネスモデルへ電気料金は、As-a-Serviceに溶け込み、家計から「電気代」がなくなる
エネルギーのリテールビジネスは消滅し、B2B2X型のホールセールビジネスに集約
II. エネルギー産業の構造変化 | 2. デジタル時代に求められる新たな戦い方
自動車
洗濯機
エアコン
冷蔵庫
…
自動車を所有し、車検代や自動車保険とともにガソリン代を支出
洗濯機を所有し、洗剤費用などとともに電気代を支出
エアコンを所有し、ランニング費用として電気代を支出
冷蔵庫を所有し、ランニング費用として電気代を支出
現在
カーシェアリング事業者から「移動する」サービスを購入し、サービス料として一括支払い
UXコーディネーターから「衣服を常時清潔に保つ」サービスを購入し、サービス料を一括支払い
UXコーディネーターから「室内環境を快適に保つ」サービスを購入し、サービス料を一括支払い
UXコーディネーターから「必要な食材を即入手できる」サービスを購入し、サービス料を一括支払い
デジタル時代
電力や都市ガス、ガソリンなどのエネルギーの購入主体は、最終利用者からUXコーディネーターへ
エネルギー販売事業は、B2CやB2BのビジネスからB2B2Xのビジネスモデルへ
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先祖返りする電力契約 ~利用に即した契約単位へ現在の電力契約は建物単位で締結しているが、デジタル技術が課金・計量コストを低減し、
より利用に即した契約単位である設備単位への契約に移行
II. エネルギー産業の構造変化 | 2. デジタル時代に求められる新たな戦い方
現在:建物単位で契約
M
契約単位と利用単位のずれ
計量コストや課金コストが高くつくため、住宅として一括して契約
将来:設備単位で契約
ブロックチェーン技術や新たなセンサ技術を活用し、計量・課金コストを低減
M
M
M
より利用に即した設備単位での契約が可能に
20Copyright © 2017 Accenture All rights reserved.
デジタル時代の電力メニュー : IoT電力プロバイダーの登場利用に即した単位で電力が提供されるようになることで、これまで以上に柔軟でバリエーション豊富な
電力メニューが登場し、これら電力メニューを前提とした新しいサービスの登場が期待される
II. エネルギー産業の構造変化 | 2. デジタル時代に求められる新たな戦い方
電力使用が規則的なIOT機器にお勧め
Power Block一定期間の一定量の電力を定額で利用できる電力商品
電力使用の不規則なIOT機器にお勧め
Power FlexIoT機器に対してリアルタイムな電気料金をお伝えする電力商品
持ち運びするIOT機器にお勧め
Power Mobilityモバイル機器向けの電力を一定期間、定額で利用できる電力商品
店舗等に設置された充電スポットが利用できる
Power Mobility WIDE公衆に設置された充電スポットを利用できるローミングサービス
M2M取引の決済を代行します
Smart PaymentBitcoinを含む複数の仮想通貨でのマイクロ決済を代行するサービス
IOT機器をサージなどの品質問題から守ります
Power Protectionスマートインタフェースにサージプロテクション機能を内蔵
IoT機器向けの電力メニューイメージ
出所:Stones Associates, LLC
21Copyright © 2017 Accenture All rights reserved.
アジェンダ
I. フィンテックの進化・浸透
1. グローバルにおけるフィンテック動向
2. 産業金融にもたらされるイノベーション
II. エネルギー産業の改革
1. Utility3.0へのゲームチェンジ
2. デジタル時代に求められる新たな戦い方
III.フィンテック×エネルギー産業の注視すべき領域
おわりに
22Copyright © 2017 Accenture All rights reserved.
フィンテック×Utlity3.0がもたらす新たな事業機会大きく5つの事業機会が生まれる
III. フィンテック×エネルギー産業の注視すべき領域
P2P電力融通市場1
蓄電キャパシティアセットファイナンス
3 4
超小口電力給電5
B2B2C型電力卸2
電力産業の構造変化(再掲)
1
2
4
3
5
フィンテックによる事業機会
卸売
送配電
小売
需要家
基幹発電
23Copyright © 2017 Accenture All rights reserved.
¥¥
① P2P電力融通市場FIT制度満期を迎えるPVユーザーの登場により2020年代にはP2P電力市場が立ち上がる
III. 注視すべき領域
P2P電力融通市場領域
潜在市場規模
市場創出
フィンテック
領域概要
2020ごろ
電力
2035ごろ
2050ごろ
キーワード
•小口契約・決済(IoT・Blockchain)
•市場接続(API)
1.8兆円
1,200億kWh/年
•DER+S
•リソースアグリゲータ
DERDER
BER
卸売
送配電
小売
需要家
基幹発電
• P2Pで電力の需給調整を行うPF
• ブロックチェーン等により極小ロットの契約・計量・決済を担保
詳細
導入期成長期
凡例
・・・DER
相対
P2P売電プラットフォーム
• IoT型の電力調達、ソーラー発電設備の市場接続API提供
• 接続先の調整、アグリゲーションサービス
市場接続・オーケストレーション
スポット kW ΔkW
需給PTS
¥ ¥
¥
24Copyright © 2017 Accenture All rights reserved.
POWER LEDGER社• 各家庭の需給情報を取得し、個人間取引を成立させるプラットフォー
ム• 小口の電力取引をブロックチェーンにより低コスト・瞬時に実行• 小口PTSに対し市場間接続機能を提供
利用者
事例:PowerLedgerPowerLedgerは自家発電の太陽光エネルギーの取引をブロックチェーンにより実現
III. フィンテック×エネルギー産業の注視すべき領域
•太陽光発電エネルギーの個人間の取引プラットフォームを提供するスタートアップ企業
本社/設立
従業員/収益 約10名 / (非公開)
企業名
オーストラリア/ 2016年
パートナー企業
主要ビジネス
Ledger Assets(技術パートナー)
需給情報取引結果
会社概要 サービスイメージ
• IoT化ソーラーパネルにより需給順次把握
• 近隣で電力を融通
Power Ledger
個人間電力流通プラットフォーム
卸売
送配電
小売
需要家
基幹発電
25Copyright © 2017 Accenture All rights reserved.
② B2B2C型電力卸卸売市場は、電力組入型PaaS向けのB2B2Cビジネスへ
III. フィンテック×エネルギー産業の注視すべき領域
B2B2C型電力卸領域
フィンテック
領域概要 詳細
電力
キーワード
•オペリース(電力込み)
•リスク流動化
•As-a-Service(電力込み)
一定量を安く調達
必要量を即時調達
UXコーディネーター
M
M
M
卸売
送配電
小売
需要家
基幹発電
• XaaS事業者の電力需給ギャップリスクの流動化
• リスク債権の市場化
電力リスク市場
• 電力組み込み型オペリース
• ブロックチェーン等により極小ロットの契約・計量・決済を担保
オペリース型ファイナンス(電力の原価参入)
潜在市場規模
市場創出2020ごろ
2035ごろ
2050ごろ導入期
成長期凡例
3兆円
2,000億kWh/年
26Copyright © 2017 Accenture All rights reserved.
PaaS
サービス提供者
利用者
事例:VISAVISAはas-a-service型プロダクト向けの決済プラットフォームの実証実験を実施
III. フィンテック×エネルギー産業の注視すべき領域
•クレジットカードブランドおよび各種決済ソリューションの提供
•VISAカードやそのほか決済ソリューションを通じ金融機関から得る決済手数料を主要な収益源とする
約7,500名 /$14B
米国 / 1958年
会社概要 サービスイメージ
• Product-aaS型サービスに向けた、決済手段やデバイス管理等の機能を提供するプラットフォーム
• M2M決済のトランザクション掌握を狙い、アプリケーションやインフラの各層でプラットフォーム展開を狙う
VISA
Accenture、IBM 等
充電
メンテナンス 飲食
高速道路 電力
メンテナンス メニュー
考案
食品管理
電力会社
自動車メーカー
ディーラー道路
事業者飲食
サービス電力会社
家電メーカー
食品事業者
物流業者
レシピサービス
モビリティサービス
食品供給サービス
・・・
本社/設立
従業員/収益
企業名
主要ビジネス
パートナー企業
VISA
デバイス管理
UI
決済
・・・
卸売
送配電
小売
需要家
基幹発電
27Copyright © 2017 Accenture All rights reserved.
③ ④ 蓄電キャパシティ・アセットファイナンス蓄電技術の進化は、電力インフラファイナンスのあり方を変える可能性
III. フィンテック×エネルギー産業の注視すべき領域
蓄電キャパシティアセットファイナンス
領域
フィンテック
領域概要 詳細
電力
キーワード
•電力版ロジファイナンス
•アセットマネジメント
UXコーディネーター
M
M
M
• 発電・送配電設備のインフラファイナンスの高度化
• 蓄電機能、アセット・プロパティマネジメント包含型ファイナンスへ
• 蓄電キャパシティを梃にした設備稼働率、電力需給の管理により収益最適化
蓄電キャパシティアセットファイナンス
蓄電蓄電
潜在市場規模
市場創出2020ごろ
2035ごろ
2050ごろ導入期
成長期凡例
卸売
送配電
小売
需要家
基幹発電
•インフラファイナンス
•プロパティマネジメント
[※取扱量]
1,200億kWh/年
28Copyright © 2017 Accenture All rights reserved.
事例 : Oxygen Initiative電力会社と一般利用者との間に立ち、需給調整を行うプレーヤーが既に登場している。
III. フィンテック×エネルギー産業の注視すべき領域
•EV向けの給電プラットフォーム
•一般家庭や街中の給電ステーションをスマートグリッドで管理
•EV利用者はスマートフォンアプリ経由でスマートな給電が可能
•給電ステーション提供者は各設備の稼働状況等を専用アプリから管理できる
本社/設立
従業員/収益 約10名 / (非公開)
企業名
米国/ 2010年
主要ビジネス
会社概要 サービスイメージ
Oxygen Initiative • Oxygen Initiative社がグリッドに接続された機器の電力需要を計測、需要が高い時間帯はEV(蓄電池)からグリッドに電力を供給、低い時間帯に蓄電を行う等により電力需給を調整する※主にEVのバッテリーを蓄電池として利用
パートナー企業
innogy SE (独/エネルギー)
蓄電池 EV テレビ 電気
・・・
Oxygen Initiative
電力会社
一般家庭
給電 蓄電 給電 給電 給電
給電ステーション
卸売
送配電
小売
需要家
基幹発電
29Copyright © 2017 Accenture All rights reserved.
市場創出
⑤ 超小口電力給電モビリティのデジタル化により、属地インフラとしての(非接触)超小口給電ニーズが増加
III. フィンテック×エネルギー産業の注視すべき領域
超小口電力給電領域
フィンテック
領域概要 詳細
電力
キーワード
•小口契約・決済(IoT・Blockchain)
潜在市場規模
2020ごろ
2035ごろ
2050ごろ
NA
導入期成長期
凡例
•非接触給電インフラ
• 車両・ドローンなどの待機中給電設備
• クリティカルマス超の属地インフラ化まで進むとモビリティーが根本から変容
• ブロックチェーン等により極小ロットの契約・計量・決済を担保
超小口電力給電
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卸売
送配電
小売
需要家
基幹発電
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事例:RWEブロックチェーンを活用することで超小口の電力取引の計量・課金が可能。非接触型充電技術と組み合わせることで、街中での自動給電インフラ構築が可能となる。
III. フィンテック×エネルギー産業の注視すべき領域
•ドイツ第二位の電力会社
•再生可能エネルギー分野で先端技術開発・ビジネスモデル開拓を行う専門子会社innogyInovation Hubを中心に先進的なプロジェクトを進めている
本社/設立
従業員/収益 約70,000名 / $57B
企業名
ドイツ/ 1898年
主要ビジネス
会社概要 サービスイメージ
RWE • ブロックチェーン技術を活用したEV充電サービス(実証実験段階)
• 専用スマートプラグを使い、街中のステーションにて充電が可能
• M2M決済による短時間・低コスト処理により、信号待ちなどのごくわずかな時間でも充電が可能
パートナー企業
Slock.it(技術パートナー)
超小口電力取引プラットフォーム
給電 支払い
計量・課金
卸売
送配電
小売
需要家
基幹発電
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アジェンダ
I. フィンテックの進化・浸透
1. グローバルにおけるフィンテック動向
2. 産業金融にもたらされるイノベーション
II. エネルギー産業の改革
1. Utility3.0へのゲームチェンジ
2. デジタル時代に求められる新たな戦い方
III.フィンテック×エネルギー産業の注視すべき領域
おわりに
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書籍 『エネルギー産業の2050年』(日本経済新聞出版社)エネルギー産業の長期的な構造変化についてまとめた専門書です
おわりに
エネルギー産業の2050年Utility 3.0へのゲームチェンジ[書籍・304ページ]
概要: エネルギー産業の長期的な構造変化についてまとめた専門書技術動向、事業者・利用者の変化とその要因を整理
目次 第1章 電力の未来を読み解く
第2章 世の中のあり方が変わった
第3章 ゲームチェンジ
執筆者: 竹内 順子伊藤 剛岡本 浩戸田 直樹
NPO法人国際環境経済研究所アクセンチュア株式会社東京電力パワーグリッド株式会社東京電力ホールディングス株式会社
発行日: 2017年9月
定価: 1,700円 (税抜き)
入手方法: 全国の主要書店/ECサイトにて
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書籍 『フィンテック 金融維新へ』(日本経済新聞出版社)フィンテックを金融イノベーションの視座から読み解いた解説書です
おわりに
フィンテック 金融維新へ [書籍・304ページ]
概要: フィンテックを金融イノベーションの視座から紐解いた解説書金融機関に求められる対応や論点を整理
目次 第Ⅰ部 フィンテックの衝撃1.現在:フィンテックとは何か2.未来:フィンテックは何をもたらすか3.機会:いかにフィンテックを捉えるか
第II部 金融イノベーションへの挑戦4.戦略:いかにフィンテックに立ち向かうか5.技術:いかにフィンテックを取り込むか6.変革:いかにイノベーションを創出するか
執筆者: アクセンチュア株式会社 金融サービス本部戦略コンサルティング本部
発行日: 2016年6月24日
定価: 1,800円 (税抜き)
入手方法: 全国の主要書店/ECサイトにて
(空白ページ)
お問い合わせ:
アクセンチュア株式会社戦略コンサルティング本部
素材・エネルギーグループ統括マネジング・ディレクター
テクノロジー戦略グループ統括マネジング・ディレクター
村上 隆文[email protected]
アクセンチュアについて
アクセンチュアは「ストラテジー」「コンサルティング」「デジタル」「テクノロジー」「オペレーションズ」の5つの領域で幅広いサービスとソリューションを提供する世界最大級の総合コンサルティング企業です。
世界最大の規模を誇るデリバリーネットワークに裏打ちされた、40を超す業界とあらゆる業務に対応可能な豊富な経験と専門スキルなどの強みを生かし、ビジネスとテクノロジーを融合させて、お客様のハイパフォーマンス実現と、持続可能な価値創出を支援しています。
世界120カ国以上のお客様にサービスを提供するおよそ42万5,000人の社員が、イノベーションの創出と世界中の人々のより豊かな生活の実現に取り組んでいます。
アクセンチュアの詳細は www.accenture.com を、アクセンチュア株式会社の詳細はwww.accenture.com/jpをご覧ください。
アクセンチュア戦略コンサルティング本部(Accenture Strategy)について
アクセンチュア戦略コンサルティング本部は、ビジネスとテクノロジーを融合させることでビジネス価値を創造する戦略パートナーです。
ビジネス/テクノロジー/オペレーション/ファンクションの各戦略における高い専門性を組み合わせ、各業界に特化した戦略の立案と実行を通してお客様の変革を支援します。
デジタル化時代における創造的破壊への対応や競争力強化、グローバル・オペレーティング・モデル構築、人材力強化、リーダーシップ育成などの経営課題に注力し、効率性向上だけではなく成長の実現に貢献します。
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