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NISSIN HEALTHCARE FOOD SERVICE CO.,LTD. Communication Report 日清 医療食品株式会社 CSR コミュニケーションレポート ヘルスケアフードの 明日を考える CSR Communication Report 企業コンセプト 企業コンセプト Web 冊子版 環境報告 地球環境とともに 環境マネジメント 低炭素社会に向けて 森林保全活動 生物多様性 社会性報告 社員とともに 食育活動 産学連携・育成支援 社会貢献活動 地域共生 スポーツ振興 災害支援 社会とのコミュニケーション 社員とともに 食育活動 産学連携・育成支援 社会貢献活動 地球環境とともに トップメッセージ 「感動を生む食事」の提供を通じて 持続可能な社会づくりに貢献してまいります。 「感動を生む食事」の提供を通じて 持続可能な社会づくりに貢献してまいります。 特集 日産10万食、 「ヘルスケアフードファクトリー亀岡」の 更なる挑戦。 多様なお客様に求められる「おいしい食事」を。 食べる方の笑顔をつなぐ私たちの想いと日々の工夫。 さらに安全・安心な食の実現へ。深化する衛生管理体制。 “想定外ゼロ”をめざしてー平成30年7月豪雨での対応。 日産10万食、 「ヘルスケアフードファクトリー亀岡」の 更なる挑戦。 多様なお客様に求められる「おいしい食事」を。 食べる方の笑顔をつなぐ私たちの想いと日々の工夫。 さらに安全・安心な食の実現へ。深化する衛生管理体制。 “想定外ゼロ”をめざしてー平成30年7月豪雨での対応。 マネジメント コーポレート・ガバナンス コンプライアンス リスクマネジメント ステークホルダー・エンゲージメント 人権の尊重 サプライチェーンマネジメント 機会とリスク/SDGsとのつながり マネジメント手法 コーポレート・ガバナンス コンプライアンス 2019年3月 改訂 https://www.nifs.co.jp/csr/ 日清医療食品  ホームページCSRコンテンツのご案内 日清医療食品は、ステークホルダーの皆様に向け、社会的責任に関する国際規格ISO26000における7つの中核主題や、 GRIサステナビリティ・レポーティング・スタンダードの中核(CORE)オプションを参考に情報を開示しています。 Webサイトでは、本レポートの内容に加え、環境活動や社会活動について広範囲に紹介をしています。 当社ホームページCSRコンテンツもあわせてご覧ください。

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Page 1: CSR ReportCSRコミュニケーションレポート ヘルスケアフードの 明日を考える CSR Communication Report 企業コンセプト 企業コンセプト Web 冊子版

NISSIN HEALTHCARE FOOD SERVICE CO.,LTD.

Communication Report

日清医療食品株式会社CSR コミュニケーションレポート

ヘルスケアフードの明日を考える

CSRCommunication

Report

企業コンセプト 企業コンセプト

Web 冊子版

環境報告

地球環境とともに環境マネジメント低炭素社会に向けて森林保全活動生物多様性

社会性報告

社員とともに食育活動産学連携・育成支援社会貢献活動地域共生スポーツ振興災害支援社会とのコミュニケーション

社員とともに食育活動産学連携・育成支援社会貢献活動

地球環境とともに

トップメッセージ「感動を生む食事」の提供を通じて持続可能な社会づくりに貢献してまいります。

「感動を生む食事」の提供を通じて持続可能な社会づくりに貢献してまいります。

特集

日産10万食、「ヘルスケアフードファクトリー亀岡」の更なる挑戦。多様なお客様に求められる「おいしい食事」を。食べる方の笑顔をつなぐ私たちの想いと日々の工夫。さらに安全・安心な食の実現へ。深化する衛生管理体制。“想定外ゼロ”をめざしてー平成30年7月豪雨での対応。

日産10万食、「ヘルスケアフードファクトリー亀岡」の更なる挑戦。多様なお客様に求められる「おいしい食事」を。食べる方の笑顔をつなぐ私たちの想いと日々の工夫。さらに安全・安心な食の実現へ。深化する衛生管理体制。“想定外ゼロ”をめざしてー平成30年7月豪雨での対応。

マネジメント

コーポレート・ガバナンスコンプライアンスリスクマネジメントステークホルダー・エンゲージメント人権の尊重サプライチェーンマネジメント機会とリスク/SDGsとのつながりマネジメント手法

コーポレート・ガバナンスコンプライアンス

2019年3月 改訂

https://www.nifs.co.jp/csr/

日清医療食品 ホームページCSRコンテンツのご案内日清医療食品は、ステークホルダーの皆様に向け、社会的責任に関する国際規格ISO26000における7つの中核主題や、GRIサステナビリティ・レポーティング・スタンダードの中核(CORE)オプションを参考に情報を開示しています。Webサイトでは、本レポートの内容に加え、環境活動や社会活動について広範囲に紹介をしています。当社ホームページCSRコンテンツもあわせてご覧ください。

Page 2: CSR ReportCSRコミュニケーションレポート ヘルスケアフードの 明日を考える CSR Communication Report 企業コンセプト 企業コンセプト Web 冊子版

の成功体験にとらわれることなく、チャレンジ精神をもって次の50年につながるイノベーションを起こしていくことが必要と考えています。その指針となっているのが、「社会課題の解決を通じて持続可能な食事サービスの提供を推進し、豊かな社会づくりに貢献する」というワタキューグループのCSRビジョンです。

このビジョンをもとに、当社は2012年、国の医療政策が施設から在宅へとシフトするなか、在宅配食サービス「食宅便」を開始しました。高齢者が地元で生活しやすくする国の「地域包括ケアシステム」構想において、配食サービス事業は地域の高齢者を支える社会インフラの一助にもなります。また、2017年には大量・多品種の食事づくりを自動化するセントラルキッチン、「ヘルスケアフードファクトリー亀岡」を新設しました。この工場は、これからの少子高齢社会を見据え、現在の給食事業のビジネスモデルの限界―多様化する食べる方のニーズへの対応や働き手不足などを打破し、安全・安心な食事はもちろん高品質な食事を安定供給していくための礎となります。さらに現在は、食事の原点となる「おいしさ」を究めるために、仕入先メーカー様の協力のもとでさまざまな食材開発を進めています。

私達は創業時の原点にたち還り、

■ お客様には仕事をさせて頂いている

■ 仕入先には売って頂いている

■ 協力企業の方々には仕事をして頂いている

■ 会社のみなさんには働いて頂いている

ワタキューグループ基本方針

という感謝の気持ちと謙虚な姿勢で何事にも接する社風を醸成するとともに、誰もが思いやりの心を持ち、互いに協力し、人に誇れる立派な会社に勤めて良かったと思えるグループにする。以上を礎としてワタキューグループの強固な石垣を構築するため社是を「心」とする。

01 TopMessage

03 グループ概要 ワタキューグループの一員として

05 会社概要1 日清医療食品の価値創出

07 会社概要2 数字でみる日清医療食品

09 活動方針 日清医療食品の重点テーマ

11 活動ハイライト

13 活動ハイライト01 日産10万食、 「ヘルスケアフードファクトリー 亀岡」の更なる挑戦。

19 活動ハイライト02 多様なお客様に求められる 「おいしい食事」を。 -やわら御膳 -食宅便 -オリジナル商品の提案

23 活動ハイライト03 〜社員座談会〜 食べる方の笑顔をつなぐ 私たちの想いと日々の工夫。

27 活動ハイライト04 さらに安全・安心な食の実現へ。 深化する衛生管理体制。

29 活動ハイライト05 “想定外ゼロ”をめざして  ー平成30年7月豪雨での対応。

31 CSR活動

Contents

1

一方で、地域貢献活動にも当社が持つヘルスケアフードサービスのノウハウを活かして継続的に取り組んでいます。社会福祉協議会やワタキューグループの株式会社フロンティアと協力して進める地域の高齢者ケアがその代表例で、こうした活動を展開していくことも当社の役割と捉えています。

多くの人々に感動していただける食事サービスへの挑戦を続け、持続可能な社会を実現していくために。日清医療食品グループはこれからも、業界のリーディングカンパニーとしての自覚と責任のもと、さらなる企業価値の向上と、社会に提供する価値の最大化を目指してまいります。

※1 QualityofLife(生活の質)

※2 CSV(共有価値の創造):CreatingSharedValueの略。企業の事業活動を通じて社会的な課題を解決し、「社会価値」と「企業価値」を両立させようとする考え方。

※3 ESG:環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったものであり、企業が中長期的な成長を目指すためにはこれら3つの視点が重要であるという考え方。

※4 持続可能な開発目標(SDGs):2015年9月に国連サミットで採択された、持続可能な世界を実現するための2030年までの国際目標。17の目標・169のターゲットで構成。

●会社名 日清医療食品株式会社●会社設立 1972 年 9 月 25 日●資本金 100,000,000 円●社員数 45,332 名(2019 年 1 月現在)●主要取引先 全国各地の病院・医院 介護老人福祉施設 介護老人保健施設 保育所 など●関連会社 ワタキューセイモア株式会社 他

会 社 概 要

「感動を生む食事」へ挑戦し続け

持続可能な社会づくりに貢献してまいります。

代表取締役社長

菅井

正一

Top Message

経営課題・社会課題の 解決プロセスを事業の成長に

私ども日清医療食品は、1972年の創立以来、日々の生活に不可欠な「食」をテーマに、医療・介護・保育など社会のさまざまな分野で食事サービスを提供してまいりました。当社にとって、少子高齢化や医療費の高騰、気候変動や自然災害など多くの社会課題が山積するなか、事業を継続し、お客様のQOL※1に貢献し続けることは極めて重要な社会的使命であると考えています。

この使命を果たすためには、病院・社会福祉施設様や商品等の仕入先メーカー様など多様なステークホルダーの皆様の声に耳を傾けながら、食の安全・安心やおいしさの向上、安定供給といった食事サービスのテーマと向き合いながら、そのプロセスを事業の成長に結びつけていく「CSV(共有価値の創造)※2」の発想が不可欠です。

その実践として、当社は2001年に「セントラルキッチン」を設立したほか、2004年に高齢者向けの「ムース食」の提供を開始するなど、業界リーダーとして新たな試みに挑戦してきました。

また、食事サービス事業が求められるにつれ、当社の活動がステークホルダーや社会に及ぼす影響は年々増しています。その認識をもとに、コンプライアンスやリスクマネジメント、コーポレート・ガバナンス、環境対応などを一つひとつ強化してまいりました。

ワタキューグループCSRビジョンをもとに次の50年につながるイノベーションを

世界では今、環境・社会・ガバナンスへの対応を示す「ESG※3」という新しい経営の物差しが注目を集めています。こうした潮流のなか、国連は「持続可能な開発目標(SDGs)※4」を掲げ、官民一体となって目標達成に取り組むことを提唱しています。一方、産業界においても、第4次産業革命と称される通信や自動化技術の革新、急速な少子化による人口減、経済のグローバル化のなかでの貿易問題など、私たちを取り巻く環境は激しく変化しています。

私は、こうした変化の時代であればこそ、中長期的な視点を持ち、かつ今まで

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ワタキューセイモア株式会社

院外調剤薬局事業在宅用福祉用具のレンタル・販売

医療福祉施設の設計・施工施設開設のコンサルティング

古久根建設 株式会社

株式会社 フロンティア

グループ概要|ワタキューグループの一員として

医療・福祉系人材紹介・派遣事業・医療関連業務

株式会社 メディカル・ プラネット

ホテル・レストラン向けのリネンサプライ

綿久リネン株式会社

日清医療食品グループは、患者様の回復と、社会福祉関連施設の皆様のQOL向上を目指して  

「ヘルスケアフード」の新たな価値創造に挑戦しています。

「心」を原点に、多様な事業を展開するワタキューグループの一員として。

経営スローガンヘルスケアフードのオンリーワン企業として、食を通じて日本の医療福祉サービスの質の向上に貢献する

株式会社 アイコーメディカル幼稚園、病院および社会福祉施設の給食受託業務

株式会社 日京クリエイトオフィス、医療福祉施設の給食受託業務、食品の製造販売

一冨士フードサービス 株式会社医療福祉施設、幼稚園、保育園、オフィス、学校、寮などの給食の受託業務

株式会社 のぼる弁当給食(幼稚園、保育園、小中学校、独居老人向け)、米飯食品の製造販売

株式会社 現代けんこう出版健康増進に関する講演会、研修会、催事などの企画および運営、介護保険、医療保険制度に関する周知用冊子や健康啓発冊子の出版

株式会社アグリック米穀・麦・雑穀・麺類・飲料水・燃料・家庭用電気製品・飼料・肥料・不動産・その他関連商品の卸販売

※2019年1月時点

メンテナンス付きリースシステム

リネン管理業務

洗濯管理業務

総合物品管理

(SPD)

中央材料室業務(洗浄・滅菌・物品供給)

手術室補助業務(清掃・消毒・補助)

感染性廃棄物処理

管理

設備管理・保守管理

(FM:ファシリティ・マネジメント)

清掃業務

売店・喫茶運営

設備品・用品の販売

日清医療食品株式会社

株式会社 高南メディカル医療福祉施設、学校、幼稚園、保育園、事業所の給食の受託業務、機能性食品の研究開発ワタキューグループは、医療・福祉現場における包括委託サービス・セイモアシステムと、

それを支える約90,000名の社員で医療、福祉、健康分野を専門的かつ総合的にサポートします。

第10次中期経営計画テーマ「イノベーション〜次の50年につなげる改革・創造・挑戦」

ワタキューグループ

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ヘルスケアフードサービスのリーディングカンパニーとして

社会的使命である食事サービスの安定供給とともに

医療・福祉に関わる社会課題に対応しています。

医療・福祉に関わる社会課題

事業機能

主なトピック

販売・サービス提供

第10次中期経営計画テーマを発表

P4 入院患者

施設入居者

社会福祉施設

医療施設

食・健康への意識が高い方

ご自宅

日清医療食品の価値創出

誰もが「食」を楽しめるメニュー開発、

安定供給

自動化・省力化の推進と

衛生管理体制の強化

食事に関わる新たな社会課題

への対応

平成30年7月豪雨災害時でも食事サービスを

継続P29

「モバイルプラスやわら御膳」を

発売P20

食材・メニュー開発

調達

生産

食宅便のラインアップを

拡充P21

「ヘルスケアフードファクトリー亀岡」が

稼働開始P13

高齢社会の到来

高齢人口の増加

● 健康寿命の延伸ニーズの高まり● 医療費の削減● 病床削減政策● 医療・介護現場を支える人材不足

01

安心・安全で安定的な

「食」需要の高まり

● トレーサビリティ、 品質管理体制の見える化需要

02

異常気象による

災害の頻発

● 有事における食事の提供

03

在宅療養者・高齢者

保育施設

保育園児

1

2

3

4

5

会社概要1|日清医療食品の価値創出

●医療・社会福祉施設への食事サービス●保育施設への食事サービス・食育●在宅配食サービス●食品・消耗品の一括供給サービス●レストラン事業

ご契約先事業所 エンドユーザー

主なお客様

在宅者向け、健康を気づかう方向けの食開発

(「食宅便」など)

調理が簡便な食事の開発

(「モバイルプラス」など)

5 6

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北海道

369ヵ所

3,083人

東 北

645ヵ所

4,881人

関 東

1,213ヵ所

12,303人

東 海

342ヵ所

2,959人

関 西

734ヵ所

7,063人

中 部

407ヵ所

2,989人

中 国

355ヵ所

3,088人

四 国

212ヵ所

1,738人

九州・沖縄

950ヵ所

7,228人

【社員数とご契約先事業所】

でみる日清医療食品

【1日の提供食数】

130万食 / 日約

【売上推移】

ご契約先事業所

5,227ヵ所

業界トップのスケールを活かして、日本全国にヘルスケアフードサービスの供給と雇用を創出し多くの人の QOL 向上に貢献しています。

【日本の飲食業売上ランキング】

5位第

集団給食業界ランキングでは

1位第

2018 年 5 月 23 日 日経 MJ 第 44 回日本の飲食業調査結果

2009 年3月 2013 年3月2011 年3月 2015 年3月 2017 年3月2010 年3月 2014 年3月2012 年3月 2016 年3月 2018 年3月0

2400

2300

2200

2100

2000

1900

1800

1700

1600

(単位:億円)

167,859 188,082172,909 208,806 229,675168,144 196,581178,931 219,493 237,466売 上

(第 37 期) (第 41 期)(第 39 期) (第 43 期) (第 45 期)(第 38 期) (第 42 期)(第 40 期) (第 44 期) (第 46 期)

(単位:百万円)

2,375億円2018 年売上

【受託市場におけるシェアランキング】

2018年12月現在

A社約8.6%

日清医療食品

23.0%約

高齢者施設

医療施設

30.9%約

その他

日清医療食品

社員数

45,332人※ 2019 年 1 月現在(嘱託・パート社員含む)

※ 2019 年 1 月現在

その他

会社概要 2

2,568名管理栄養士

6,524名栄養士

※ 2018 年 11 月現在

有資格者数多様なサービスを支える有資格者は全社員の49%

13,075名調理師

B社約6.5%

C社約5.3%

2018年12月現在

A社約7.9%

B社約3.9%

C社約3.6%

7 8

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三度の食事を365日、欠かすことなくお届けするために

日清医療食品では、事業継続のための施策を強化し続けています。どのような非常事態に陥ってもお客様の命をつなぐ「食事」をお届けするために、災害の教訓を活かした災害対策マニュアルを定めるとともに、災害訓練を実施しています。

テーマ

2

より多くの人々の「健康な食生活」を実現するために

企業価値と社会価値の両立を目指して

「5つの重点テーマ」を特定

国連 SDGs を視野に

超高齢社会を背景に在宅療養や予防医療へのニーズが高まる一方で、国の「病院・施設から在宅へ」という政策のもと、自宅で療養する人々が増加しています。また、ライフスタイルの多様化や女性の社会進出により、ご家庭での調理時間の短縮化ニーズが高まっています。多様化するニーズにこたえ、医療・社会福祉施設で培ったノウハウを活かした食事を自宅までお届けする新規事業「食宅便」を開始しました。現在では、健康を気づかう方に対してケアシリーズの販売を行うとともに、地域との連携を行うことで高齢者サポートに貢献しています。

「安全・安心な食」をお届けするために

現代社会では「食の安全・安心」を脅かす事故が相次ぐなか、食品に対する人々の意識は高まる一方です。日清医療食品は、食のなかでも最も安全・安心が求められる医療・福祉向けの食事を提供する企業として、食材の仕入れ段階から厳しいチェックの仕組みを構築しています。

仕入れ商品の安全 ・ 安心

食材の品質管理体制をどんなに整備しても、実際に調理を担うご契約先事業所での衛生管理が確実に実行されなければ、食の安全・安心への責任は果たせません。そこで日清医療食品は、ご契約先事業所の衛生管理活動を全社でサポートする体制を確立しています。

厨房での安全・安心

医療・福祉に関わる課題解決力の向上と

企業価値の最大化をめざして、

5つの取り組みを強化しています。

日清医療食品は、CSR活動を、法令遵守や人権保全といった企業の社会的責任を果たす取り組みとしてだけでなく、医療・社会福祉施設に特化したヘルスケアフードサービスのリーディングカンパニーとして、社会課題に対応しながら、企業体質の強化や成長機会にしていくことと位置づけています。そして、企業価値を高めながら社会価値も同時に高めていくことを目指しています。

企業価値の向上=社会価値の向上という考え方に基づき、日清医療食品は、食に携わる企業として多様なステークホルダーの皆様と価値を分かち合えるよう、5つの重点テーマ(マテリアリティ)を特定しています。また、取り組みにあたっては、国際規格であるGRIスタンダード・ISO26000を参考にしています。

2015年、国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」では、2030年までに17項の目標の達成に向けて、国や自治体、NPO/NGOだけでなく、産官学のあらゆる組織、団体がステークホルダーとともに連携して取り組みを進めることが重視されています。こうした国際社会の要請を踏まえ、日清医療食品では国際社会のサステナビリティに資する取り組みを強化しています。

テーマ

テーマ

4 テーマ

5

健康維持・QOL向上を「食のよろこび」とともに

日清医療食品が食事サービスを提供する医療・福祉・保育施設では、施設を利用される一人ひとりの体調や健康を考えた専門的なメニューが求められます。また同時に、食事本来のおいしさや豊かさも決しておろそかにすることはできません。日清医療食品は、健康維持やQOLを向上させる

「一人ひとりにふさわしい食事」を提供し続けています。

テーマ

3

プロフェッショナル人材を育成するために

医療・福祉施設における食事サービスには、おいしい食事を提供するという役割のみならず、食事を召し上がる皆様一人ひとりの「健康」や「人生」を支えるという役割も含まれています。こうした考えのもと、日清医療食品は栄養士や調理師の育成にあたり、高度な専門知識・スキルと、高い使命感・倫理観を兼ね備えた、プロフェッショナルとして自立できる人材づくりを重視しています。

CSR重点テーマ(マテリアリティ)の整理

CSR重点テーマ(マテリアリティ)の特定

CSRマネジメントへの組み込み

重点テーマの特定プロセス

テーマ

テーマ

5

健康維持・QOL向上を「食のよろこび」とともに

日清医療食品が食事サービスを提供する医療・福祉・保育施設では、施設を利用される一人ひとりの体調や健康を考えた専門的なメニューが求められます。また同時に、食事本来のおいしさや豊かさも決しておろそかにすることはできません。日清医療食品は、健康維持やQOLを向上させる

「一人ひとりにふさわしい食事」を目指しています。

テーマ

3

プロフェッショナル人材を育成するために

医療・社会福祉関連施設における食事サービスには、おいしい食事を提供するという役割のみならず、食事を召し上がる皆様一人ひとりの「健康」や「人生」を支えるという役割も含まれています。こうした考えのもと、日清医療食品は栄養士や調理師の育成にあたり、高度な専門知識・スキルと、高い使命感・倫理観を兼ね備えた、プロフェッショナルとして自立できる人材づくりを重視しています。また育成した人材がその能力を存分に発揮できるよう、「世界人権宣言」等の国際規範を参考に人権啓発に努め、差別のない職場づくりを推進しています。

活動方針|日清医療食品の重点テーマ 5つの重点テーマ(マテリアリティ)

Step3Step2Step1

日清医療食品は、当社およびグループ会社の事業が社会に及ぼす影響を把握し、影響の可能性や影響そのものを管理しながらCSR活動を実施しています。多くのステークホルダーの皆様との対話や、社会課題検討および、お客様、お取引先様、地域社会、給食業界およびその関係者・社員の皆様などさまざまなステークホルダーの皆様からのご意見・期待内容を分析し、CSR重要課題を抽出。ISO26000の7つの中核主題やGRIスタンダードをベースに整理しています。

整理したCSR重要課題は「社会にとっての重要度(ステークホルダーからの期待度)」と「日清医療食品にとっての重要度」という2軸の観点で、優先順位を付けてマッピングを行い、CSR重点テーマ(マテリアリティ)としてまとめています。そして、担当役員を委員長とし、各部室から選任された部室員と外部のコンサルタント、有識者からなる「CSR委員会」にて審議し、最終的に代表者の承認を経て決定しています。

特定した重点テーマ(マテリアリティ)は、KPIを設定して、CSRマネジメントサイクルに組み込んでいます。実 践、レビューおよび社会の変化とともに必要に応じて見直しを図り、本レポートや自社のWebサイトで開示しています。

9 10

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12

業界のリーディングカンパニーとしての 「誇り」と「責任」を胸に刻みながら。日清医療食品はヘルスケアフードサービスのリーディングカンパニーとして、安全・安心な食事を届けることはもちろんのこと、食べる方に食の喜びを感じていただくことに、誇りと責任を抱き、日々さまざまな取り組みを推進しています。

活動ハイライト

多様なお客様に求められる

「おいしい食事」を。より多くの方に、食べる喜びを。一人ひとりの健康維持やQOL向上を実現し、かつ「おいしい」をお届けできる食事を提案し続けています。

テーマ

1テーマ

4テーマ

3

02

食べる方に満足していただける食事をお届けするために。全国の社員は、日々この使命に向き合い、コミュニケーションや創意工夫を重ねています。

〜社員座談会〜食べる方の笑顔をつなぐ私たちの想いと日 の々工夫。

テーマ

1テーマ

5テーマ

3

03テーマ

2

お客様の命をつなぐ食事を確実にお届けするために。震災や豪雨など想定外の事態に陥っても、社員や関連機関、協力会社が連携して、欠かすことなく食事を提供してまいります。

“想定外ゼロ”をめざして―平成30年7月豪雨での対応。

05

多様化する食のニーズ、人手不足の加速。この課題に対して私たちは、大量・多品種の自動化工場で「モバイルプラス」を製造し、現場の省力化を図ることで解決を目指しています。

日産10万食、「ヘルスケアフードファクトリー亀岡」の更なる挑戦。

01テーマ

2テーマ

1テーマ

5

さらに安全・安心な食の実現へ。深化する衛生管理体制。

テーマ

1テーマ

4

04全国約5,300ヵ所の医療・社会福祉施設に食事サービスを提供する企業の責務として。仕入れから厨房までのすべての工程で、厳格な衛生管理体制を構築しています。

1211

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業界のリーディングカンパニーとしての

「誇り」と「責任」を胸に刻みながら

フードファクトリー亀岡」の

更なる

「ヘルスケア

日産10万食、

社会課題

医療・社会福祉施設における人手不足の深刻化

医療・介護食の品質・安全性、おいしさへのニーズの高まり

365日欠かさず安定供給できる体制の必要性

FACTORY KAMEOKA

日清医療食品のソリューション

持続可能な食事サービスの実現に

向けて

地域における雇用拡大

人材育成の強化

衛生管理体制の一層の強化

災害時対応

モバイルプラスセントラルキッチンで調理して契約先に配送する食事サービスで、品質の確保と契約先の省力化を実現

多彩なメニューを大量生産できる機能を装備し、より少ない人員・時間で

より多くの方へおいしい食事を安定的に提供

HFF亀岡

127億円を投資した、医療・介護食の新たなセントラルキッチン

「ヘルスケアフードファクトリー亀岡(HFF亀岡)」が2017年12月に稼働。

その生産能力は、既存のセントラルキッチン(最大で1万2千食/日)を

大幅に上回る約10万食/日。

肉・魚・納豆などの禁止食に対応するほか、

常時8種類のメニューをつくり分ける

活動ハイライト 01

挑戦

大量・多品種の自動化は世界でも類を見ない工場です。

その背景にある社会課題やお客様のニーズ

そして、解決・実現に向けた取り組みをご紹介します。

13 14

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医療・福祉サービスの質の向上に

貢献するために

大量多品種の医療・介護食を、最先端の自動化・省力化技術を駆使して1日10万食生産できる「ヘルスケアフードファクトリー亀岡

(以下、HFF亀岡)」。この建設プロジェクトを開始した背景にあるのが、「ヘルスケアフードを通じて日本の医療福祉サービスの質の向上に貢献する」という日清医療食品の経営ビジョンです。

超高齢社会を乗り越えるために、国は現在、医療機関の病床数の削減を掲げ、在宅医療へのシフトを図る医療と介護の一体的な改革を推進しています。一方で、少子化が進むなか、さまざまな業界で人手不足が顕在化しており、医療・介護業界においても食品の生産や食事サービスの提供現場における負荷低減のニーズが高まっています。また、高齢者の健康を維持していくためには、嚥下のメカニズムなどに配慮しながら、より安全でおいしい食事を提供することが求められています。

こうしたなか、日清医療食品は、医療施設で30.9%、社会福祉施設では23.0%のシェアを有する業界のリーディングカンパニー※

医療版 福祉版

であり、経営ビジョンを実践していくためには、安全・安心でおいしい食事サービスを365日欠かすことなく全国に安定供給する社会的使命を果たしていく必要があります。

この使命を果たすために、2017年12月、現場の人手不足と、よりおいしく質の高い食事の提供という課題に応えるソリューションとして、独自の食事サービス「モバイルプラス」の専用工場となるHFF亀岡が稼働開始しました。

提供が可能になります。すでにサービスを導入したご契約先事業所では、調理技術がない方でも均一な品質を保った調理を調理員だけでも提供できます。また、導入した事業所の中には導入前より4割の人員削減を達成した事業所もあり、これからの人手不足の解消に「モバイルプラス」は非常に有効であることがわかりました。また、導入先のご契約先事業所からは「モバイルプラス」のおかげで水道光熱費が削減されたとの声もいただいています。

01

クックチル方式で省人化・

サービス向上などの効果を創出

「モバイルプラス」とは、セントラルキッチンで調理した均一な品質の食事を急速冷却し、真空パックで保存するクックチル方式を採用し、全国各地に安定的にお届けする食事サービスです。その特長は、従来、病院や施設の厨房で行っていた献立作成、発注、下処理、調理などの業務をセントラルキッチンが担うことで、ご契約先事業所の厨房では、再加熱、和えるなどの簡単な調理だけで食事

02 「医療版」「福祉版」など

ラインナップを拡充

モバイルプラスの誕生にはその前身となる「モバイル」の存在があります。この「モバイル」は通常食のみを製造していましたが、東日本大震災時に電気・水道・ガスのインフラが寸断された地域において活躍しました。暗く、寒いなか、少人数でも温かい食事を提供できたことで多くの方に喜んでいただけました。この経験をもとに、日清医療食品は常食以外の開発に着手。より

03

病院向けのお食事。治療の一 環 と し て の 構 成。 常 食

(1800Kcal)をはじめ、消化 の よ さ に 配 慮 し た 全 粥食、塩分 6g 未満の減塩食、エネルギーコントロール食

(600Kcal)がある。

やわらかい食材を選び、高齢者の嗜好に配慮した社会福祉施設向けのお食事。「みんなで同じものを」がコンセプト。常食(1500Kcal)、全粥食、減塩食、エネルギーコントロール食がある。

普通食 常食 全粥食

治療食 減塩食 エネルギーコントロール食

朝食のみ(パン食)

朝食のみ(パン食)

モバイルプラスによる食事サービスの仕組み モバイルプラスのラインアップ

発注 発注検収 検収調理下処理 再加熱 盛り付け 配膳献立作成

発注 検収 調理下処理 盛り付け 配膳献立作成

ご契約先事業所

ご契約先事業所セントラルキッチン

モバイルプラスは誰もが簡単に均一な食事が提供できることが最大の特徴ですが、もちろん味にもこだわっています。

例えば、煮物をそのまま真空包装すると、通常濃い味がする具材表面と中の味が均一になってしまい、全体的に味が薄く感じます。

また、配送時にも煮崩れを起こします。そのため、具材と汁を分けて配送するなどおいしく食べていただく工夫をしています。利用される施設からは「クックチルと言われなければわからない」とご評価いただくこともあります。

VOICE メニュー開発を担当した社員の声

※ 2016 年、矢野経済研究所調べ

多くのご契約先事業所に活用いただけるよう、「医療版」「福祉版」のメニューに分け、通常食に加え、全粥食、エネルギーコントロール食、減塩食とラインナップを増やしていきました。また、パン、肉、魚、麺、納豆といった禁止食への対応もしています。

モバイルプラスの流れ

クックサーブ方式の流れ

15 16

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一列にホテルパン4枚を連続的に加熱できる過熱水蒸気調理機(写真)は、自動洗浄機能付きのトンネルフリーザーと連動しており、加熱機で設定を変えると冷却機も設定変更できる。

HFF亀岡は従来のクックサーブからクックチルへのビジネスモデルの転換となるフラグシップ工場です。加熱・冷却・包装などの製造工程を自動化したHFF亀岡は、ご契約先事業所での人手不足に対応するため、多品種の生産を行っています。従来までのセントラルキッチンと比べて3割以上も省力化して生産することができます。こうした省力・省人化の取

1817

自動化と制御システムで

大量・多品種の自動化を実現

過去の災害時に電気・水道・ガスが寸断されたなか、ご契約先事業所で温かい食事が提供できた

ことで被災された方が安心できたという声をいただきました。再加熱、和えるだけで提供できるモバイルプラスを専用で製造している HFF 亀岡では、敷地内の駐車場を臨時へリポートとして申請することで有事の際に迅速な支援を可能としています。また、有事の際にヘリコプターが着陸できるよう地域住民の協力や理解のもと、2018 年には HFF 亀岡の臨時へリポートでの発着訓練を実施しました。

CLOSE UP臨時ヘリポートを設置

自動倉庫

04HFF亀岡が今後、日産10万食の生産能力をフルに発揮し、社会になくてはならない食のインフラとしての役割を発揮していくためには、安全・安心の確保に加えて、工場そのものの機能を維持・向上させていく人材の雇用や育成が不可欠です。そこでHFF亀岡では、約300名の社員を対象に全社的な教育プログラムを適用するほか、セクション別の教育マニュアルを活用した実践的な教育を実施。新たな機械設備への対応を強化しています。

一方、雇用に関しても地元の学生を受け入れるだけでなく、今後はシニアの雇用などを通じて地域社会に貢献していく方針です。日産10万食、全国800事業所への展開をめざして。HFF亀岡は、社員と地域社会がともに成長しながら、これからもご契約先事業所の食事サービスの質の向上に努めていきます。

工場を維持発展させていく

人材育成に注力06

過熱水蒸気調理機とトンネルフリーザー

り組みが評価され、2018年には第48回食品産業技術功労賞を受賞しました。これらHFF亀岡の自動化を支えているのが、製造実行システム「MES」です。計画した多品種の献立ごとの生産数量をMESに入力することで、必要な食材の発注、検収ができるほか、下処理や加熱調理の手順や温度、風量、人員配置など出荷までの詳細な生産計画を算出。機械設備に指示を出すなど、まさに頭脳としての役割を担っています。

HFF亀岡は、生産工程が自動化されているため、人などを介した交差汚染※のリスクが比較的低い食品工場ですが、全国約300の事業所にモバイルプラスを届けている食品工場として、安全・安心の確保は最も重要なテーマです。※調理済み食品や加工品が、原材料や下処理をした材料と交わって汚染されること

こうした認識をもとに、HFF亀岡では、従来から実施している衛生管理手法(P27)や「モバイルプラス衛生管理マニュアル」の活用に加えて、社員の健康管理を日々チェックする仕組みや、新しい設備に適切に対応するための清掃マニュアルを整備しています。また、労災対策についてもリスクアセスメントを継続的に実施し、階層別研修のプログラムに取り入れています。

一方、モバイルプラスを導入いただいたご契約先事業所の安全衛生の確保についても、衛生管理室のインスペクターが無作為に選定した事業所を訪問し、所定の書類監査から調理施設・器具・備品の細菌検査までを実施する「衛生インスペクション」を実施しています。

安全衛生の管理体制を強化05

生フルーツ下処理機

自動搬送機(AGV)

調味料調合機しょうゆ、酒、みりんなどの調味料を操作画面で指定した分量だけ投入できる調味料調合機。

コンベアに載って流れてきた外装殺菌された他品種のフルーツを安全に安定的に処理する高度オーダーメイド機器。

エアシャワーウォークイン方式にすることで多数の社員が連続的に入場でき渋滞がなく、蛇行することで風を十分に受けて毛髪やホコリが除去できる。

生野菜洗浄・殺菌機生野菜は微酸性電解水に投入して自動で洗浄。洗浄・殺菌作業を3回以上行うなど衛生面に配慮。

下処理した食材を運ぶための自動搬送機。運行エリアに人や障害物があると検知して止まる、安心の障害物検出センサー付き。

自動仕分け機

包装された商品はコンベアに流され、自動的に仕分けられ、自動倉庫に収められる。出荷日になると、生産計画に基づいて出庫指示が出る。

17 18

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やわら御膳

これ

らの新しい介護食

多 様 な お 客 様 に 求 め ら れ る

「 お い し い 食 事 」を患者様の回復や、社会福祉施設に入所されている皆様の

QOL の向上を支えるとともに、「食べる喜び」を提供するために。

日清医療食品は、ヘルスケアフードサービスのリーディングカンパニーとして

培ってきた高度な技術・ノウハウ・知見をもとに

医療・介護の現場の声を活かした多種多様な「おいしい食事」を提案し続けています。

業界のリーディング

カンパニーとしての

「誇り」と「責任」を

胸に刻みながら。 「 モ バ イルプラスやわら御 膳 」を提 案

「モバイルプラスやわら御膳」は、「噛む」「飲み込む」をサポートした高齢者にやさしい「刻まない介護食」です。セントラルキッチンにて集中調理及び、テクスチャ(硬さ・凝集性、付着性)の計測を行ったお食事をお届けすることで、安定した品質の介護食が手間なくご提供できます。これまでの暮らしの中に当たり前にあったお食事を、これからも同じように食べられる喜びを感じていただける、高齢者のためのお食事です。

卵焼き / ブロッコリー酢味噌がけ /りんごコンポート / ごはん /みそ汁 / 牛乳

からすがれい梅焼き / 茄子の肉味噌がけ / ほうれん草ごま和え /ごはん / お吸い物

チキン南蛮 / 冬瓜くず煮 /胡瓜の生姜和え / ごはん / 香の物

やわら御膳 オリジナル商品の提案

「 モ バ イ ル プ ラ ス や わ ら 御 膳 」 メ ニ ュ ー 例

朝食 昼食 夕食

365 日、朝・昼・夕、四季折々のお食事を準備しています。

弱 い 力 で も 噛 め る し あ わ せ

普通食

食宅便

までの介護食

刻み食

1 見た目が悪い 2 何を食べているのかわからない3 口のなかでばらけて、食べづらい4 喫食量の低下 5 誤嚥性肺炎の危険性

刻み食のデメリット

やわら御膳のメリットこだわり

1 料理に料理らしいカタチがある

口に取り込みやすい食材の形状を実現

口のなかでまとまり、飲み込みやすい

少ない労働力で均一な質を保てる

弱い力でも噛みやすい

こだわり

2

こだわり

3

こだわり

4

こだわり

5

活動ハイライト 02

お い し い 食 事 を 提 供 し 続 け る た め に

1919 20

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新 た な プ ラ イ ベ ー ト ブ ラ ン ド 商 品

塩分、カロリー、たんぱくが気になる方に向けた栄養計算されたメニューを

7 食セットでお届けするメニューです。

塩分ケア

1食あたりの塩分摂取量を 2g 以下に

抑えたメニュー

カロリーケア1200

1食あたりのカロリーが約 400kcal のメニュー ※ご飯 100g を喫食した場合

カロリーケア1600

1食あたりのカロリーが約 530kcal のメニュー ※ご飯 150g を喫食した場合

「カルシウムの達人」の販促ツール

たんぱくケア

1食あたりのたんぱく質約 13g塩分、カリウム、リンを抑えたメニュー※ご飯 150g を喫食した場合

やわらかい食事

通常の食事の見た目そのままにやわらかく調整されたメニュー

ケアシリーズ

7食の特徴

「 カ ル シ ウ ム の 達 人 」の 発 売 を 開 始

「 骨 ま で や わ ら か 魚 い わ し 」を 追 加骨 ま で 食 べ ら れ て 、 栄 養 豊 富

「 食 宅 便 」の メ ニ ュ ー を 拡 充栄 養 バ ラ ン ス の と れ た 、 お い し い 食 事 を あ ら ゆ る 人 々 に

日本政府は 2025 年に向けて、病床数を 135 万床※から 119万床に減らす方針を打ち出すとともに、高齢者が住み慣れた地域で生活できる地域包括ケアシステムの構築を推進しています。日本政府は高齢者の健康寿命延伸に向けた取り組みとして、配食サービスで適切な栄養を摂取しフレイル(虚弱)を予防・対策することを期待しています。※ 2013 年時点の病床数

効率の良い栄養摂取や牛乳のにおいなどが苦手な人のために、生乳や乳製品を主原料に栄養素(カルシウム・ビタミン・鉄・食物繊維など)やフレーバーを加えて加工した乳飲料の需要が伸びています。こうしたなか、日清医療食品は 2017 年 10 月、プライベートブランド商品として「トクホ(特定保健用食品:食生活において特定の保健の目的で摂取をする者に対し、その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をする食品)」を取得した乳飲料「カルシウムの達人」の発売を開始しました。

日清医療食品は、2018 年 7 月、従来の骨なし魚のラインアップになかったいわしを活用した「骨までやわらか魚 いわし」を導入しました。加熱水蒸気の力で骨を短時間で柔らかくしたことで、魚の栄養

カルシウム普通の牛乳の

1.75倍!(200mlあたり)

ンビタミ D普通の牛乳の

4倍!(200mlあたり)

マグネシウム普通の牛乳の

2倍!(200mlあたり)

人達のムウシルカ

の通普

乳牛

2.5μg

0.6μg

0人達のムウシルカ

44mg

乳牛の通普

21mg

0人達のムウシルカ

乳牛の通普

400mg

228mg

0

を残したまま骨までお召し上がりいただけます。また、加熱から凍結までの時間を短縮することで、自然解凍するだけで魚の旨みを逃すことなく、魚本来のおいしさを味わっていただけます。

また、老人世帯や独身・単身世帯の増加、女性の社会進出などによって多様なライフスタイルが定着するとともに、健康増進や予防医療のニーズもあり、在宅配食市場は増大しています。これら社会的ニーズを踏まえて、日清医療食品は 2012 年、冷凍のお弁当をクール便でご自宅や医療・社会福祉施設にお届けする「食宅便」を開発し、販売を開始しました。電子レンジで加熱するだけで手軽に食事を摂れる食宅便は、医療・福祉の食事サービスに 40 年以上携わった当社ならではの栄養バランスへの配慮とおいしさの両立、全国各地への配送体制の構築、コールセンターを強化し安心感を提供したことなどにより、多くのお客様の支持をいただいています。また、ご好評をいただき年々ラインナップを拡充。なかでも栄養素のコントロールが必要な方に向けた「ケアシリーズ」は高く評価されています。また、手軽にバランスのよい食事をお望みのお客様には、管理栄養士が監修した「おまかせコース」「おこのみセレクトコース」などを用意しています。

その特長は、1 パック(200ml) で 1 日 に 必要なカルシウムのおよそ 3 分 の 2(400mg)が摂れ、マグネシウム、リン、ビタミン D を含有させることでカルシウムの吸収をより促進する配合としています。

「骨までやわらか魚 いわし」を使ったメニュー例

/23

カルシウムの達人

1パックで、1日に必要なカルシウムの  が摂れる!

お客様・喫食者様に安心と健やかな毎日をお届けするために

日清医療食品株式会社が栄養摂取を重視した商品をご提案いたします。

カルシウム

ビタミンD

鉄 分

からだの生理機能を整える

カルシウムの吸収に効果的

食事だけでは欠乏しやすい

鉄分を効率よく補給

日清医療食品(株)プライベートブランド

クレート20個×2が最小納品単位です

種類別名称 乳飲料内容量 200ml包装形態 紙パック組成 乳脂肪分 1.5% 無脂乳固形分 9.0%栄養成分値 1本200ml当たり エネルギー 97kcal たんぱく質 6.6g 脂質 3.0g 炭水化物 11.0g ナトリウム 120mg カルシウム 400mg マグネシウム 44.0mg リン 332mg 鉄 3.0mg ビタミンD 2.5μgJANコード 4983 7162入個数 クレート 20個×2生産地 神奈川県

商品概要

カルシウム普通の牛乳の

1.75倍!

、が人達のムウシルカ

」料飲乳性能機「

と?は由理のそるれわい

人達のムウシルカ

乳牛の通普

400mg

228mg

マグネシウム普通の牛乳の

2倍!

人達のムウシルカ

44mg

乳牛の通普

21mg

00

(200mlあたり)

ビタミンD普通の牛乳の

4倍!

人達のムウシルカ

の通普

乳牛

2.5μg

0.6μg

0

(200mlあたり)

(200mlあたり)

食事では摂りにくい鉄(Fe)が3.0mgも!

カルシウムの達人

winner!

喫食者様の毎日の健康を考えた「乳飲料」で特定保健用食品(トクホ)

牛乳が苦手な方にも飲みやすい軽くてすっきりした飲み口

いわしの生姜煮 いわし酢煮 (揚げ魚の酢豚風)

いわしの梅煮

①骨が柔らかい②身がふっくらしている③加熱不快臭がない④解凍して食べられる⑤低塩分⑥栄養分が豊富な機能性食品⑦様々な料理に展開が可能⑧商品の無駄がない

[ 商品特徴 ]

21 22

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さ ら に 安 全 ・ 安 心 な食 の 実 現 へ 。深 化 す る 衛 生 管 理 体 制 。全国約 5,300 の医療 ・ 社会福祉施設に食事サービスの提供をするリーディングカ

ンパニーとして、安全 ・ 安心な食事を提供することは社会的責任であると認識して

います。そのため日清医療食品は、過去の教訓も踏まえた徹底した衛生管理体制を

構築。仕入れ段階から厨房での作業までのすべての工程を厳しくチェックする仕組

みを強化し続けています。

活動ハイライト 04

仕入れ中止改善依頼

試食/商品情報の確認

担当バイヤー 問題があれば

要望提案提案

プレゼン

メーカー様 ご契約先事業所 社員

仕入れ候補商品 工場監査

FSSC22000を取り入れた自主基準に基づく監査・トレーサビリティの確認

工場 ご契約先事業所物流物流監査

仕入れ定期検査

倉庫

仕入れ商品

品質 ・ 安全性確保を徹底するため、「物流監査」を実施

運送や保管段階の温度管理は、商品の品質 ・ 安全性に大きく影響するため、「物流監査」を実施しています。物流管理課の担当者が、物流委託会社の全国の倉庫 ・ 中継点を巡回し、食材の扱いや温度管理体制などの物流品質についてチェックしています。

バイヤーと食品管理課が連携し、安全 ・ 安心な商品候補を選定

書類監査と工程監査で、仕入れ先(食品工場)を評価

新たに購入を検討する商品については、バイヤーが食べる方にふさわしい商品を検討した後、食品管理課が仕様書や一括表示欄などに記載されている原材料、添加物、製造工場、製造工程などの商品情報を確認します。候補となる商品の情報はすべて商品データベースに入力し、万一、原材料由来の問題が発生した場合でも迅速なトレースバックができる体制を構築しています。

新規採用工場に対しては、当社で設定した工場監査実施基準に則り原則FSSC22000 などの食品安全マネジメントシステム認証を有することを要求しています。要求する食品安全マネジメントシステム認証を所有しない場合、またはそれぞれの商品の持つ品質に関するリスクを考慮の上でリスクが高いと判断される場合には、食品管理課担当者による現地工場監査を実施します。工程監査は、実際に工場に赴き、国際的な食品安全マネジメント認証「FSSC22000」に基づく約 150 項目からなる「工場監査シート」に沿って評価するとともに、工場担当者と対話しながら管理状態を確認しています。既存商品についても前年度のクレーム発生状況をもとに工場監査を実施し、改善状況を現地で確認する体制としています。

仕入れ検討段階で 仕入れ先(食品工場)の選定段階で

仕入れプロセス

業界のリーディングカンパニーとしての

「誇り」と「責任」を胸に刻みながら

メーカー様とともに品質改善に取り組む「品質協議会」を実施患者様や入所者の皆様、お客様、ご契約先事業所などからのクレームを一年ごとに集計・分析し、「品質協議会」において仕入先様と改善策を協議しています。クレームの発生原因や改善に向けた取り組みを仕入先の営業・品質管理担当者と直接対話をしながら共有し、商品品質の向上に努めています。

仕入れ開始後物流で

蓄積した衛生管理ノウハウを活かして、衛生管理室がサポート厨房での衛生管理においては、「衛生管理室」がご契約先事業所をサポートする体制を構築しています。厚生労働省通知の「大量調理施設衛生管理マニュアル」や HACCP 手法を取り入れた独自マニュアル「N’s 衛生管理マニュアル」を作成し、当社衛生管理のノウハウを盛り込みながら改訂を重ね、厨房での指導に用いています。また本社に所属する衛生管理室インスペクターがご契約先事業所の衛生状況を実地調査、改善指導を行うとともに、各厨房においても当社マニュアルの運用状況をセルフチェックしています。

厨房で 衛生管理インストラクター

衛生委員

衛生管理委員会

支店社員

セルフチェック

ご契約先事業所

報告

フィードバック

衛生管理室インスペクター

本社

事業所総点検表

評価

教育・指導

教育・指導 教育・指導

事業所衛生点検

27 28

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ライフラインが止まって 2 日目に、日清医療食品様からヘリコプターで物資を届けてくれるという情報をいただきました。施設の駐車場にヘリコプターが着陸した時は本当に驚きました。届けられたのは、白粥、缶詰、ツナフレーク、ふりかけなど。施設までの道路は水没を避けるために避難した車両で塞がれた状態だったので、水が引いたとしても物資をすぐに運ぶことができなかったので、本当に助かりました。また、当施設には普通食が食べられず、刻み食対応の方が複数名おり、その方の食事が不足気味だったのですが、普段から提供していた日清医療食品の「エンジョイゼリー」が多めにストックされていて、とても役立ちました。数に限りがあったので、1 回分を 2 回にわけて提供するなど、困難 な 状 況 で し たが、入居者の方の健康状態に変わりがなかったことが何よりでした。

私たちスーパーバイザーは、ご契約いただいたお客様に満足いただける食事サービスをお届けするために、事業所の

社員と連携しながら、契約後のフォローを行うのが務めです。災害当日の 7 月 7 日は、朝 5 時半頃から支店に出勤して全事業所に安否確認の連絡をし、そこで被害が深刻な場所の情報を吸い上げていきました。そのなかで、梅菅園様が大雨で陸の孤島になってしまっていると聞いて、なんとか物資を届けなければと策を考えていました。しかし、大雨で流された車やトラックが施設までの道を塞いでいて、たとえ水が引いてもトラックでの物資運搬は厳しい状況でした。そこで、ヘリコプターの手配を上司に相談しました。天候が良くなく、8 日の運搬は難しそうだから翌日に調整しようとしていたところ、たまたま天候が良くなり、晴れ間が出たおかげで、17 時頃になんとか物資を運ぶことができました。

当初はここまで被害が大きくなると思っていなかったのですが、7月 6 日の夜の 21 時頃に川が氾濫し、23 時には停電。翌日には市内の一部が水没し、丘陵地にある施設は陸の孤島となっていました。そのため、社員も出勤することができず、夜勤勤務の 3名と前日より日清医療食品の調理師新田さんが自ら進んで泊り込んでいただけたためなんとか食事提供が行えました。施設では入居者 60 名用に 3 日分の備蓄と水を用意していたのですが、系列のグループホームから 17 名を受け入れることになり、現状の人員と安全面を考慮して、1 日2 食での対応を決定いたしました。

7 月 6 日に雨がひどくなってきたので、これは「今日帰れたとして

も明日は出勤できないかもしれない」と思い、チーフに施設への宿直願いを出しました。施設まで出勤できるスタッフが限られていたので、しばらく対応することになりました。今回のことで、誰が見ても具体的な動き方がわかるマニュアルが必要だと思いました。また、施設で備蓄を用意していただく場合でも、災害時のために食材の取扱方法を理解しておく必要もあると実感しています。

災害になると予測がつかないことの連続なので、誰もが動ける具体的なマニュアルが必要だと痛感しました。また、改めて必要だったと思う備蓄は、停電時に役立つ携帯の充電器やみんなが喜んで食べてくれるおやつなどの甘い物、刻み食の方のための食材です。最後に、泊まり込みで働いてくださった調理師さんや、ヘリコプターで物資を運んでくださったスタッフの方々にとても感謝しています。あの支援がなかったら持ちこたえられてなかったのではないかと思います。本当にありがとうございました。

“ 想 定 外 ゼロ”をめざして― 平 成 30 年 7月豪 雨での 対 応 。

想定外の豪雨で、施設が陸の孤島に

現場の状況から、納品困難な状況を本部に相談

誰もが動けるマニュアルの整備を

平成 30 年 6 月 28 日から西日本を中心に、台風 7 号および梅雨前線等の影響による集中豪雨により日清医療食品のご契約先事業所である病院や社会福祉施設の方々が甚大な被害にあいました。困難な状況のなかでも、施設の方と協力して命をつなぐ食事サービスの継続に奮闘した取り組みのひとつとして、本郷福祉会 特別養護老人ホーム 梅菅園の皆様に当時の状況や対応について話を聞きました。

災害 2 日目にヘリで届けられた緊急物資

業界のリーディングカンパニーとしての「誇り」と「責任」を胸に刻みながら。 13

24

独自に開発した火や水を使わずに食べられる「災害時献立」を 3 日分備蓄することをお客様に提案しています。

固定電話や携帯電話が不通になっても連絡が取れるよう、全国の支店・営業所・CK にMCA 無線を導入し、大容量の蓄電池も配備。また、「安否確認システム」も導入しています。

全国 18 ヵ所の倉庫に「非常用備蓄食庫」を設置。緊急時にもすべてのサービス地域にスムーズに提供できるよう、非常用品や消耗品を備蓄しています。

非常用備蓄食庫の設置

災害時献立の考案

通信手段の強化

陸路が寸断されても物資運搬ができるようにヘリコプター運用会社 3 社と非常時対応契約を締結しています。

ヘリコプター運用会社との契約

日清医療食品の災害対策の 4 つの柱日清医療食品では、万が一食事提供が困難になった場合でも独自のノウハウでご契約先への食事提供をサポートできる体制を整備しています。

7 月 6 日

7 月 7 日

7 月 8 日

7 月 9 日

7 月10日

17 時

21 時

23 時

午後

17 時

15 時

天候不順により、新田調理師が施設様に宿直する承諾を得る

備蓄食材(施設様にて 3 日分備蓄)を使用し、入所者 60 名の食事提供を実施。対応できる人数が少ないため、1 日 2 食での提供

系列のグループホームから避難した17 名の受け入れを実施

ヘリコプターで支援物資到着

電気仮復旧

物流回復

河川が氾濫し、三原市の一部が冠水

三原市一帯が停電※この時点で当社社員 1 名、施設側職員様 3 名

災害当時の状況

行政機関

ヘリ会社

SV から受けた報告を元に航空局に許可をとり、物資の準備やヘリコプター運用会社の手配

を実施

本社

施設に在中する社員と連絡をとって災害状況を

把握し、本社へ報告、本社に必要な支援を

依頼

支店(SV)

現場の状況を把握し、どのような支援が必要なのかを SV へと伝

える

事業所(チーフ & 調理師)

この経験を “ 想定外ゼロ ”につなげていくために

平成 5 年に「特別養護老人ホーム」として開園以来、地域福祉の拠点施設としての役割を

担う。海抜 53mの丘陵地に位置し、施設の駐車場がヘリコプター着陸地となる。日清医療食品では通常 60〜 70 名の食事を提供。

社会福祉法人 本郷福祉会 梅菅園様(広島県三原市)

管理栄養士 江川 智子 様

施設長 岡林 浩一 様

日清医療食品の災害時の連携施設の駐車場にヘリコプターが到着した当時の様子

日清医療食品株式会社 中国支店 管理部受託業務 2 課 スーパーバイザー 山根 裕樹

調理師新田 香菜子

チーフ向井 裕美

活動ハイライト 05

※所属、役職名はインタビュー時のものです。29 30

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日清医療食品は、コーポレート・ガバナンスとコンプライアンスの強化を、CSR 経営の基盤と位置づけ、さまざまな取り組みを推進しています。

コーポレート・ガバナンス/コンプライアンス

ワタキューグループ基本方針と、社是である「心」に則り、ステークホルダーの皆様の「心」を尊重し、「企業の公正性・透明性の向上」「意思決定プロセスの徹底」「コンプライアンスの徹底」の 3 つをテーマにコーポレート・ガバナンスの強化に努めています。 

内部監査体制日清医療食品の内部統制室は、全国の 16 ヵ所の支店および日清医療食品のグループ会社、本社各部室に対して年 1 回、監査を実施しています。関連法令、社会諸規程の遵守にとどまらず、ワタキューグループ基本方針と社是「心」に基づく、より健全な内部統制環境の構築を推進しています。そのための最も重要な施策として、ご契約先事業所に訪問して現場の声を伺い、発生するリスクへの「早期発見・正しい対応」に努めています。

株主総会

業務執行部門

監査役会

取締役会

経営会議

代表取締役内部統制室

会計監査人

法律アドバイザー

コンプライアンス委員会賞罰委員会

リスク管理委員会

選任・報酬の同意会計監査相当性の判断

付議

報告

報告

付議報告

選任解任監督

指示

報告報告

統制・指揮

相談通報

報告提言

連携報告

報告提言

報告

指揮指示

報告

周知

指示

内部監査

相談

助言

連携・情報共有・報告

選任解任

連携意見交換報告

選任解任

・社内(総務部コンプライアンス課) コンプライアンス相談窓口・社外 職場のヘルプライアン

コンプライアンス体制

企業統治体制

株主総会

支店

事業所

本社各本部各部室

報告等報告等

指示相談等

指示相談等

指示報告等

指示相談等

指示・相談等

監査役会

コンプライアンス委員会

賞罰委員会

総務部コンプライアンス課

(事務局)

本社各部室、各支店に下記を配置コンプライアンス推進責任者:部室長・支店長コンプライアンス推進担当者:責任者の指名

コンプライアンスの向上徹底のための重要方針・施策を決定

取締役会(社長)

事案発生時に懲戒等を審議

CSR活動

コーポレート・ガバナンスの強化

「コンプライアンス」は、一般には「法令遵守」「企業順法」という意味で用いられていますが、現在の企業を取り巻く社会環境においては、業務遂行に直接関係する法令を遵守する

コンプライアンスの徹底

だけでは信頼や共感を得ることはできません。特に、当社は業界のリーディングカンパニーであることから、他社に比べて高い水準の倫理的行動が求められていると考えています。こうした認識をもとに、当社では「コンプライアンス」を、会社の諸活動に関わる法令や当社の基本方針、定款・規程・社内ルール、さらには広く社会規範も含めた「規範の遵守」を実践していく活動と位置づけ、日常業務として遂行できるよう、実例をあげながら研修を実施しています。

基本となる考え方事業に関わる多様なステークホルダーの皆様と健全な関係を保ち、持続的に成長していくために、「ワタキューグループ基本方針」「四つの約束」を定めています。また、「コンプライアンス憲章」を定め、嘱託社員や派遣・パート社員を含めた全社員を対象にガイドブックの配布や研修を実施しています。

地球環境とともにCSR活動

日清医療食品は、次世代の人々に美しい地球環境というバトンをつなぐために、一人ひとりの環境意識を高めるとともに、身近な取り組みから継続的に環境負荷を低減していくことを基本方針として環境活動を推進しています。

日清医療食品は、2010 年度から空調温度を制限したクールビズの推進や照明の照度抑制などエネルギー使用量の削減に取り組んでいます。なかでも、エネルギー使用量の大半を占めるセントラルキッチンにおいては、環境に配慮した設備への切り替えなどを通じて、エネルギー使用量の削減を推進してきました。その結果、直近 5 年では全国のセントラルキッチン全体で22%削減、目標としていた 5 年で 5%削減という数値を達成することができました。なお、2017 年 8 月にヘルスケアフードファクトリー亀岡が竣工し、テスト運用を経て 12 月から本格稼動したことから、2018 年度のエネルギー使用量は 2016 年度と比較して 111.9%となりました。(図 1)

エネルギー使用量の削減

日清医療食品は、調理の際に出る食品廃棄物のリサイクルを、セントラルキッチンおよびご契約先事業所で推進しています。

セントラルキッチンで ヘルスケアフードサービスセンター九州では、年間約15t の使用済食用油を提供し、バイオディーゼル燃料にリサイクルして活用いただいています。また、ヘルスケアフードサービスセンター名古屋では、食品廃棄物などを廃材処理工場から養豚所に年間約 72t 提供。粉砕加工し、100%を飼料として使用していただいています。同様の取り組みをヘルスケアフードファクトリー亀岡でも実施しています。

食品リサイクルの推進

日清医療食品の親会社であるワタキューセイモアは、毎年、森林を守り育てる運動「京都モデルフォレスト運動」に参加し、本社所在地の井手町にある大正池周辺、約 36 ヘクタールを対象に間伐作業、除伐整備などの森林整備活動を行っています。日清医療食品は、2012 年度からこの活動に参加しています。

森林保全活動

図 1 セントラルキッチンでの原単位推移

原単位:1食あたりにかかるエネルギー量

(年度)0

0.2

0.4

0.6KL(単位)

2011 2013 2015 2017201620142012

全国のセントラルキッチン全体でのエネルギー使用削減率

22%削減

2016 年度までの5 年間での目標

5%

2016 年度成果

ご契約先事業所で 全国 2,194 ヵ所(2018 年 3 月末時点)のご契約先事業所では、年間約 35t の使用済食用油を提供し、バイオディーゼル燃料にリサイクルして活用いただいています。

HFC 九州

15リサイクル

HFC 名古屋

72リサイクル

食品廃棄物

ご契約先事業所

※ 2018 年実績

※ 2018 年実績

使用済食用油

35リサイクル

使用済食用油

一、基本方針の徹底

一、報告・連絡・相談

一、早期発見・正しい対応

一、率先垂範 t

約 年間約 年間t

約 年間t

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Page 18: CSR ReportCSRコミュニケーションレポート ヘルスケアフードの 明日を考える CSR Communication Report 企業コンセプト 企業コンセプト Web 冊子版

日清医療食品は、多様なヘルスケアフードサービスを提供していくために、多彩な人材の育成に努めるとともに、個々の人材が能力を発揮できる職場環境づくりに努めています。

社員とともにCSR活動

日清医療食品は、さまざまな社会課題に応えるサービスを提供し続けるうえで、多様な人材が能力を発揮することが必要であると考えています。そのため、国籍や性別、年齢、障がいの有無などに関わることなく活躍できるよう、多様な人材を受け入れ個性を尊重しあうことをダイバシティ推進方針とし、研修プログラムに取り上げて、その徹底を図っています。

ダイバシティの推進

栄養士・調理師の育成栄養士・調理師の育成にあたっては、「専門的なスキル」と

「寄り添う心」の両面からの成長を重視し、全社共通の研修プログラムを活用しています。また、職場における OJT では支店独自の取り組みを通じて地域ごと、現場ごとの課題を見据えた人材育成を行っています。

人材育成

教育研修プログラム

2015年度 2016年度 2017年度

障がい者雇用数 789名 855名 796名

雇用率 2.20% 2.32% 2.30%

障がい者雇用数・雇用率の推移

※ 2017 年 東洋経済社調べ

介護休業取得者

21名 93日介護休業取得可能最長期間

「介護休業取得者が多い」 会社

677名育児休業取得者

※ 2016 年 東洋経済社調べ

トップ100 社の中で

9位

トップ100 社の中で

10位

「育児休業取得者が多い」会社

日清医療食品では「感謝の気持ちと謙虚な姿勢を忘れずに社是を『心』とする」という基本方針のもと、多彩な人材が活躍しています。「障がいのある人もない人も、お互いに特別区別されることなく、社会生活をともにすることが正常なことであり、本来の望ましい姿である」という考え方に基づき、障がいのある方の雇用に努めるとともに、誰もが快適に働くことができる環境づくりを目指しています。

ハーティセンターでの取り組み

日清医療食品では、2015 年から障がい者就労センター「ハーティセンター」を開設し、当社内の一部事務作業を行っています。また、地域の特別支援学校から職場実習を積極的に受け入れています。(2015 年から 48 名受け入れ)

障がい者雇用の取り組み

総合職の育成

営業や管理部門を担当する総合職の新入社員育成は、ワタキューグループ研修センター「一心館」にて 1 年間実施しています。2011 年 4 月に京都に開設した「一心館」では、ワタキューグループとしてのビジネスマナーや、業務スキルなどの習得や、グループ各社の業務理解、富士山清掃や施設でのボランティア実習を通じて、思いやりの心をもち、互いに協力できる人材への育成を行っています。

栄養士

栄養士基礎研修

資格取得支援プログラム

管理栄養士専門研修

チーフ育成研修

管理栄養士受験準備講習会

管理栄養士ライセンスセミナー

調理師

プロフェッショナルトレーニングプログラム

調理実技研修

アドバンスコース

APC ⅡAPC Ⅰ

社員登用2年目

ベーシックコース

BPC ⅡBPC Ⅰ

社員登用1年目

アドバンスコース

ACC ⅡACC Ⅰ

新卒入社2年目

ベーシックコース

BCC ⅢBCC ⅡBCC Ⅰ

新卒入社1年目

教育プログラムを受講した新入社員の声

・トップシェアの会社の高度なノウハウが身につく・医療・社会福祉施設・保育施設などさまざまな業務を体験できる・研修制度が充実している・栄養士と調理師で情報交換の場がある・相談できる先輩・仲間がいる

VOICE

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地域社会とともにCSR活動

日清医療食品は、ヘルスケアフードを日本全国に展開するリーディングカンパニーとして、培ってきた「食」の知見・人材などを活かした、さまざまな地域貢献活動に取り組んでいます。

日清医療食品は、病院や社会福祉施設、保育施設への食事サービスの提供を通じて高めてきたヘルスケアフードの知見を活かして、食育活動を展開しています。2018 年は高齢者にお弁当などを提供されている方や未来を担う子供たちに、栄養

食育活動

産学連携・育成支援

おにぎらずのランチボックスづくりのワークショップ 高齢者への食事についての研修会

バランスとともに「噛む・飲み込む」に配慮した献立などについて学ぶ機会を提供。安全で健康的な食事を取っていただくことで、高齢者の在宅療養や、子供たちの健やかな成長を支援しています。

モバイルプラスを活用したクックチルでの調理工程において、下処理の工程がなく、調理へ早く取りかかることができ、食品の衛生面でも優れていると感じました。またインシデントの発生する確率も抑えられると感じました。

少子高齢化に伴い、病院や社会福祉施設の現場ではますます即戦力となる管理栄養士が求められるとともに、技量がいらず誰でも均一な食事提供ができるクックチル方式の重要性が高まっています。しかし授業の現場では、企業と連携をしない限り、クックチル方式について実務を経験できないのが実情です。こうした背景を受けて、日清医療食品は、管理栄養士の養成を目指す大学の授業において、クックチル方式の「モバイルプラス」を調理実習に提供しています。実務を知る即戦力の人材を育成することで、業界活性化を図っていきます。

社会貢献活動

日清医療食品は、病院 ・ 社会福祉施設に関わる企業として献血活動を支援しています。社会貢献性の高い献血活動を喚起するとともに、森林保全の必要性、そして被災地支援への意識啓発につなげる活動として「献血で被災地支援を!」のキャンペーンを実施しています。このキャンペーンは日本赤十字社と協力のもと、年 2 回献血実施者に対し、寄付付きノベルティとして被災地域の間伐材の杉を使用した木でできた折り紙を配布。折り紙 1 枚につき、25 円を日本赤十字社の災害地支援として寄付する仕組みです。

モバイルプラス通常食

VOICE 実習に参加した学生の声

和洋女子大学での実習風景写真提供:日本赤十字社

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